説明

ナビゲーション装置

【課題】 測位誤差の補正精度を高めることができる「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】 ナビゲーション装置は、複数のGPS衛星から送信される電波を受信して測位位置を出力するGPS受信機2と、GPS受信機2による今回の測位タイミングにおける測位位置が含まれる予測誤差範囲を設定する誤差範囲設定部12と、今回の測位タイミングにおいてGPS受信機2から出力された実際の測位位置が予測誤差範囲に含まれるときに実際の測位位置を用い、実際の測位位置が予測誤差範囲に含まれないときに、実際の測位位置と予測誤差範囲との相対的な位置関係に基づいて測位位置の補正を行う相対位置判定部14および位置補正部16とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS受信機を用いて得られた測位位置を補正して用いるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS受信を用いて得られる測位位置はマルチパス等の誤差要因によってばらつくことが知られており、この誤差による影響を低減するように測位位置を補正するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このナビゲーション装置では、前回の測位位置から今回の測位位置を予測するとともに予測誤差範囲を設定し、今回の実際の測位位置がこの予測誤差範囲に含まれている場合には実際の測位位置を採用し、予測誤差範囲から外れる場合には予測された測位位置を採用している。これにより、GPS衛星を用いた測位位置の誤差が大きい場合にその影響を低減することが可能になる。
【特許文献1】特開平8−313278号公報(第5−8頁、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した特許文献1では、今回の測位位置が予測誤差範囲から外れた場合には予測された測位位置が用いられるが、予測された測位位置を中心として予測誤差範囲が設定されているため当然ながら、この予測された測位位置は予測誤差範囲の中心に設定されている。したがって、例えば予測された測位位置がわずかに予測誤差範囲から外れる場合であってもそのわずかな差は考慮されず、予測された測位位置が採用されることになるため、かえって誤差が拡大すするおそれがあるという問題があった。また、特許文献1には、予測された測位位置と実際の測位位置とを所定の重み付けを行って加算する測位位置の補正方法も開示されているが、この方法では、予測誤差範囲内に測位位置が含まれることが期待されている場合であっても、補正された測位位置が予測誤差範囲内に含まれない場合があるため(特に実際の測位位置が予測誤差範囲から大きく外れた場合)、誤差が拡大するおそれがあるという問題があった。例えば、GPS受信機を用いて検出される速度と進行方向の精度は比較的高いと考えられるため、現在の測位位置が正しいと仮定すると、誤差のない測位位置が予測誤差範囲内に含まれている可能性は非常に高くなる。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、測位誤差の補正精度を高めることができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、複数のGPS衛星から送信される電波を受信して測位位置を出力するGPS受信機と、GPS受信機による今回の測位タイミングにおける測位位置が含まれる予測誤差範囲を設定する誤差範囲設定手段と、今回の測位タイミングにおいてGPS受信機から出力された実際の測位位置が予測誤差範囲に含まれるときに実際の測位位置を用い、実際の測位位置が予測誤差範囲に含まれないときに、実際の測位位置と予測誤差範囲との相対的な位置関係に基づいて測位位置の補正を行う位置補正手段とを備えている。これにより、実際の測位位置が予測誤差範囲を外れた場合であっても、予測誤差範囲との相対的な位置関係を考慮した測位位置の補正が行われるため、測位位置の補正精度を高めることが可能になる。
【0006】
また、上述した位置補正手段は、補正後の測位位置が予測誤差範囲に含まれる位置に測位位置の補正を行うことが望ましい。これにより、実際の測位位置が予測誤差範囲を外れた場合であっても、予測誤差範囲との相対的な位置関係を考慮しながら補正後の測位位置が予測誤差範囲に含まれるように測位位置の補正が行われるため、無条件に予測誤差範囲の中心位置に測位位置を補正する場合に比べて、測位誤差の精度を高めることが可能になる。
【0007】
また、上述した位置補正手段は、補正後の測位位置が予測誤差範囲内であって、実際の測位位置側に偏位した位置に測位位置の補正を行うことが望ましい。これにより、実際の測位位置を確実に補正後の測位位置に反映させることができ、誤差の拡大を防止することができる。
【0008】
また、上述した位置補正手段は、補正後の測位位置が予測誤差範囲の外縁上に位置するように測位位置の補正を行うことが望ましい。これにより、実際の測位位置が予測誤差範囲を外れた場合であっても、予測誤差範囲との相対的な位置関係を考慮しながら補正後の測位位置が予測誤差範囲の外縁上に重なるように測位位置の補正が行われるため、無条件に予測誤差範囲の中心位置に測位位置を補正する場合に比べて、測位誤差の精度を高めることが可能になる。
【0009】
また、上述した位置補正手段は、補正後の測位位置が予測誤差範囲の外縁上であって、実際の測位位置側に偏位した位置に測位位置の補正を行うことが望ましい。これにより、実際の測位位置を確実に補正後の測位位置に反映させることができ、誤差の拡大を防止することができる。
【0010】
また、上述したGPS受信機は、測位位置とともにこの測位位置が移動する速度および進行角を出力し、誤差範囲設定手段は、速度および進行角に基づいて予測誤差範囲を設定することが望ましい。一般に、GPS受信機が出力する速度と進行角の精度は測位位置精度に比べて高いため、この速度と進行角を用いて予測誤差範囲を設定することにより、今回の測位位置が含まれるであろう予測誤差範囲を正確に設定することができる。
【0011】
また、上述した予測誤差範囲は、GPS受信機から出力された前回の進行角に対して、前回の速度に基づいて設定される進行角の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした周方向の幅が設定されることが望ましい。一般に速度が大きい場合には今回の測位タイミングにおける進行角の変化のばらつきの程度は小さいと考えられ、速度が小さい場合には速度の変化のばらつきの程度は大きいと考えられる。したがって、速度に基づいて設定される進行角の可変範囲を加味することにより、予測誤差範囲の周方向の幅を精度よく設定することが可能になる。
【0012】
また、上述した予測誤差範囲は、GPS受信機から出力された前回の速度に対して、前回の速度に基づいて設定される速度の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした径方向の幅が設定されることが望ましい。一般に速度が大きい場合には今回の測位タイミングにおける速度の変化のばらつきの程度は小さいと考えられるが、速度が小さい場合には速度の変化のばらつきの程度は大きいと考えられる。したがって、速度に基づいて設定される速度の可変範囲を加味することにより、予測誤差範囲の半径方向の幅を精度よく設定することが可能になる。
【0013】
また、上述した進行角の可変範囲は、GPS受信機から出力される速度と進行角の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果に基づいて設定されることが望ましい。あるいは、上述した速度の可変範囲は、GPS受信機から出力される速度と速度の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果に基づいて設定されることが望ましい。これにより、正確な進行角あるいは速度の可変範囲を用いることができるため、予測誤差範囲の精度を高めることができ、測位位置の補正精度をさらに高めることができる。
【0014】
また、上述した予測誤差範囲の大きさは、測位環境に応じて可変に設定されることが望ましい。これにより、測位環境に対応した予測誤差範囲を設定することができるため、測位環境に応じた測位位置の適切な補正を行うことができる。
【0015】
また、上述した測位環境が良好なときに、予測誤差範囲が大きく設定されることが望ましい。これにより、測位環境が良好でGPS測位位置の精度が高い場合に、補正せずにGPS測位位置を使用する機会が増え、累積誤差を少なくすることができる。
【0016】
また、上述した測位位置が移動する進行角の前回以前の複数回の値に基づいて、誤差範囲設定手段によって設定される予測誤差範囲の向きを補正する予測誤差範囲補正手段をさらに備えることが望ましい。これにより、ワインディング路のように車両の進行方向の大きく変化する場所を走行する場合にその進行方向の変化分を考慮して測位位置の補正を行うことができるため、さらに測位位置の補正精度を高めることが可能になる。
【0017】
また、上述した予測誤差範囲補正手段は、測位位置が移動する進行角の前回と前々回の値に基づいて予測誤差範囲の向きの補正を行うことが望ましい。進行角の前回と前々回の値に基づいて予測誤差範囲の補正を行うことにより、少ない演算量で補正を行うことができ、処理の負担を軽減することができる。
【0018】
また、上述した予測誤差範囲補正手段は、測位位置が移動する進行角の前回と前々回の値に基づいて、測位タイミングが前回から今回に推移する際に測位位置が移動する向きを計算し、この計算された向きが中央となるように予測誤差範囲の向きの補正を行うことが望ましい。これにより、測位位置の補正を行おうとしているタイミングにおける車両の進行方向を予測し、この予測された進行方向にあわせて予測誤差範囲の配置を調整することが可能になり、より実情に即した測位位置の補正が可能になる。
【0019】
また、上述した予測誤差範囲補正手段は、進行角の変化量を考慮して予測誤差範囲の向きの補正を行うことが望ましい。これにより、進行角の変化が大きい場合には予測誤差範囲の配置の調整量を大きく、反対に進行角の変化が小さい場合には予測誤差範囲の配置の調整量を小さく設定することができるため、道路形状に合わせた測位位置の補正が可能になる。
【0020】
また、上述した予測誤差範囲補正手段は、測位位置が移動する進行角の変化が基準値よりも大きいときに予測誤差範囲の向きの補正を行うことが望ましい。これにより、進行角の変化が小さい場合の処理の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーション装置について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。図1に示すナビゲーション装置は、ナビゲーションコントローラ1、GPS受信機2、自律航法センサ3、ディスプレイ装置4を含んで構成されている。
【0023】
ナビゲーションションコントローラ1は、ナビゲーション装置の全体を制御する。このナビゲーションコントローラ1は、CPU、ROM、RAM等を用いて所定の動作プログラムを実行することによりその機能が実現される。
【0024】
GPS受信機2は、複数のGPS衛星から送信される電波を受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置(測位位置)と速度および方位(進行角)を出力する。自律航法センサ3は、車両回転角度を相対方位として検出するジャイロ等の角度センサと、所定距離毎にパルスを出力する距離センサとを備えており、車両の相対位置および方位を検出する。ディスプレイ装置4は、ナビゲーションコントローラ1から出力される描画データに基づいて、自車位置周辺の地図画像などの各種画像を表示する。
【0025】
また、図1に示すように、上述したナビゲーションコントローラ1は、GPS処理部10、車両位置計算部20、地図DB(データベース)30、マップマッチング処理部40、描画部50、表示処理部60を含んで構成されている。GPS処理部10は、GPS受信機2から出力される測位位置、速度、進行角が入力されており、これらに基づいて測位位置の補正を行う。GPS処理部10は、誤差範囲設定部12、相対位置判定部14、位置補正部16を有している。誤差範囲設定部12は、GPS受信機2から出力されるある時点の測位タイミングにおける速度と進行角とに基づいて、今回の測位タイミングにおいて測位位置が存在する可能性がある予測誤差範囲を設定する。相対位置判定部14は、誤差範囲設定部12によって設定された予測誤差範囲と、今回の測位タイミングにおいてGPS受信機2から出力された測位位置との間の相対位置関係を判定する。位置補正部16は、誤差範囲設定部12によって設定された予測誤差範囲と相対位置判定部14によって判定された相対位置関係とに基づいて、補正が必要な場合には測位位置の補正を行う。なお、補正が必要ない場合(GPS受信機2から出力された測位位置が予測誤差範囲(後述する)に含まれる場合)にはGPS受信機2から出力された測位位置が補正せずに出力される。また、予測誤差範囲とGPS受信機2を用いた測位位置との間の相対位置関係を判定する相対位置判定部14の動作をこの位置補正部16によって行うようにしてもよい。位置補正部16から出力された測位位置は車両位置計算部20に入力される。
【0026】
車両位置計算部20は、GPS処理部10内の位置補正部16から出力される測位位置と、自律航法センサ3から出力される相対位置および方位から得られる車両位置とに基づいて車両位置を計算する。例えば、測位位置を中心とした所定の誤差円が想定されており、自律航法センサ3の出力に基づいて計算される車両位置がこの誤差円内に含まれている場合には自律航法センサ3の出力に基づいて得られる車両位置が採用され、誤差円内に含まれない場合にはGPS処理部10から出力された測位位置が車両位置として採用される。
【0027】
地図DB30は、道路を表すリンクやノードの詳細データや地図表示に必要な画像データ、経路探索や走行案内等の各種のナビゲーション動作を行うために必要なデータが地図データとして格納されている。マップマッチング処理部40は、車両位置計算部20から出力される車両位置を、その走行軌跡と地図上の道路形状とを比較することにより補正するマップマッチング処理を行う。マップマッチング処理を行うことにより、道路の幅方向の位置が精度よく補正される。描画部50は、マップマッチング処理部40から出力される補正後の車両位置の周辺の地図画像を描画する処理を行う。この描画データは表示処理部60に送られて表示に適した形式の信号に変換され、ディスプレイ装置4に車両位置周辺の地図画像が表示される。
【0028】
上述した誤差範囲設定部12が誤差範囲設定手段に、相対位置判定部14、位置補正部16が位置補正手段にそれぞれ対応する。
【0029】
本実施形態のナビゲーション装置はこのような構成を有しており、次にGPS処理部10において行われる測位位置の補正動作について説明する。
【0030】
図2および図3は、本実施形態で設定される予測誤差範囲の説明図である。図2には車両の速度が遅い場合の予測誤差範囲が、図3には車両の速度が速い場合の予測誤差範囲がそれぞれ示されている。これらの図に示すように、予測誤差範囲は、同心円で囲まれた領域を所定の中心角を有する円心を通る2本の直線で切り出した扇形形状を有している。同心円の小径部分が前回の測位位置に対する今回の測位タイミングにおける移動可能最小距離を示しており、同心円の大径部分が前回の測位位置に対する今回の測位タイミングにおける移動可能最大距離を示している。また、円心を通る2本の直線の内の一方(図2および図3では反時計回り方向に沿った上流側)が前回の測位位置に対する最小進行角を示しており、他方が前回の測位位置に対する最大進行角を示している。
【0031】
上述した予測誤差範囲の特徴を列記すると以下のようになる。
(1)速度が遅いと最小進行角と最大進行角との差が大きくなり(図2)、速度が速くなると最小進行角と最大進行角との差が小さくなる(図3)。
(2)予測誤差範囲は、GPS受信機2から出力された前回の進行角に対して、前回の速度に基づいて設定される進行角の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした周方向の幅(最小進行角と最大進行角との角度差)が設定される。なお、上述した進行角の可変範囲は、GPS受信機2から出力される速度と進行角の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果を用いて設定される。
(3)予測誤差範囲は、GPS受信機から出力された前回の速度に対して、前回の速度に基づいて設定される速度の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした径方向の幅(同心円の小径と大径との間の距離)が設定される。なお、上述した速度の可変範囲は、GPS受信機2から出力される速度と速度の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果を用いて設定される。
(4)予測誤差範囲の大きさは、測位環境に応じて可変に設定される。例えば、測位環境が良好なときに、予測誤差範囲が大きく設定される。
【0032】
次に、予測誤差範囲の具体的な設定方法について説明する。予測誤差範囲の径方向の値(小径と大径の各半径)は、GPS受信機2から出力される前回の速度を用いて決定する。小径の半径R1と大径の半径R2は、以下の式によって計算される。単位はmである。
【0033】
R1=((前回の速度)+(予測加速度最小値))×1000/3600 …(1)
R2=((前回の速度)+(予測加速度最大値))×1000/3600 …(2)
ここで、((前回の速度)+(予測加速度最小値))と((前回の速度)+(予測加速度最大値))は速度の変動範囲を示しており、この中で予測加速度最小値と予測加速度最大値は実際に車両を用いて測定した結果に基づいて設定される。また、1000/3600は単位をmに換算するためのものである。
【0034】
図4は、予測加速度の実験結果を示す図である。図4において、横軸は速度(時速)を、縦軸は加速度をそれぞれ示している。1秒ごとにGPS受信機2から速度が出力されるものとすると、この加速度は今回の速度から前回の速度を減算することにより計算される。加速度の実測値は図4に示すようにばらついているが、その最小値を示す近似曲線Aを求め、これを速度毎の予測加速度最小値として使用する。同様に、最大値を示す近似曲線Bを求め、これを速度毎の予測加速度最大値として使用する。
【0035】
また、予測誤差範囲の周方向の角度(最小進行角と最大進行角)は、GPS受信機2から出力される前回の進行角を用いて決定する。最小進行角θ1と最大進行角θ2は、以下の式によって計算される。
【0036】
θ1=(前回の進行角)+(予測角速度最小値)) …(3)
θ2=(前回の進行角)+(予測角速度最大値)) …(4)
ここで、((前回の進行角)+(予測角速度最小値)))と((前回の進行角)+(予測角速度最大値)))は進行角の変動範囲を示しており、この中で予測角度最小値と予測角度最大値は実際に車両を用いて測定した結果に基づいて設定される。
【0037】
図5は、予測角速度の実験結果を示す図である。図5において、横軸は速度(時速)を、縦軸は角速度をそれぞれ示している。1秒ごとにGPS受信機2から進行角が出力されるものとすると、この角速度は今回の角速度から前回の角速度を減算することにより計算される。角速度の実測値は図5に示すようにばらついているが、その最小値を示す近似曲線Cを求め、これを速度毎の予測角速度最小値として使用する。同様に、最大値を示す近似曲線Dを求め、これを速度毎の予測角速度最大値として使用する。
【0038】
図6は、位置補正部16によって行われる測位位置の補正処理の具体例を示す図である。図6(A)は、予測誤差範囲の移動可能最大距離よりも前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離の方が大きいが、今回の進行角が最小進行角と最大進行角の間に含まれている場合である。この位置関係の判断は相対位置判定部14によって行われる。この場合には、位置補正部16は、移動可能最大距離に対応する大径部分d1まで今回の測位位置P1を前回の測位位置P0に向けて移動させる測位位置の補正を行う。なお、移動可能最大距離に対応する大径部分(予測誤差範囲の外縁上)に位置するように測位位置d1を補正するのではなく、外縁よりも内側に位置するように測位位置d1’を補正してもよい。
【0039】
図6(B)は、予測誤差範囲の移動可能最小距離よりも前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離の方が小さいが、今回の進行角が最小進行角と最大進行角の間に含まれている場合である。この場合には、位置補正部16は、移動可能最小距離に対応する小径部分d2まで今回の測位位置P1を前回の測位位置P0とを結ぶ延長線上に沿って移動させる測位位置の補正を行う。なお、移動可能最小距離に対応する小径部分(予測誤差範囲の外縁上)に位置するように測位位置d2を補正するのではなく、外縁よりも内側に位置するように測位位置d2’を補正してもよい。
【0040】
図6(C)は、予測誤差範囲の移動可能最大距離と移動可能最小距離との間に前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離が含まれているとともに、今回の進行方向
が予測誤差範囲が配置された方向と一致しているが、今回の進行角が最大進行角よりも大きい場合である。この場合には、位置補正部16は、最大進行角と最小進行角を中心線に向けて最大進行角に交差する位置d3まで今回の測位位置P1を移動させる測位位置の補正を行う。なお、最大進行角(予測誤差範囲の外縁)よりも内側に位置するように測位位置d3’を補正してもよい。また、最小進行角よりも小さい場合も同様に補正される。
【0041】
図6(D)は、予測誤差範囲の移動可能最大距離と移動可能最小距離との間に前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離が含まれているが、今回の進行方向が予測誤差範囲が配置された方向と反対を向いている場合である。この場合には、位置補正部16は、移動可能最小距離に対応する小径の中央部d4まで今回の測位位置P1を移動させる測位位置の補正を行う。なお、移動可能最小距離に対応する小径の中央部(予測誤差範囲の外縁上)に位置するように測位位置d4を補正するのではなく、外縁よりも内側に位置するように測位位置d4’を補正してもよい。
【0042】
図6(E)は、予測誤差範囲の移動可能最大距離よりも前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離の方が大きいとともに、今回の進行方向が予測誤差範囲が配置された方向と一致しているが、今回の進行角が最小進行角と最大進行角の間から外れている場合である。この場合には、位置補正部16は、移動可能最大距離に対応する大径の中央部d5まで今回の測位位置P1を移動させる測位位置の補正を行う。なお、移動可能最大距離に対応する大径の中央部(予測誤差範囲の外縁上)に位置するように測位位置d5を補正するのではなく、外縁よりも内側に位置するように測位位置d5’を補正してもよい。
【0043】
図6(F)は、予測誤差範囲の移動可能最大距離よりも前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離の方が大きく、しかも、今回の進行方向が予測誤差範囲が配置された方向と反対を向いている場合である。この場合には、位置補正部16は、移動可能最小距離に対応する小径の中央部d6まで今回の測位位置P1を移動させる測位位置の補正を行う。なお、移動可能最小距離に対応する小径の中央部(予測誤差範囲の外縁上)に位置するように測位位置d6を補正するのではなく、外縁よりも内側に位置するように測位位置d6’を補正してもよい。

【0044】
図6(G)は、予測誤差範囲の移動可能最小距離よりも前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離の方が小さく、しかも、今回の進行角が最小進行角と最大進行角の間から外れているが、今回の進行方向が予測誤差範囲が配置された方向と同じ方向を向いている場合である。この場合には、位置補正部16は、移動可能最小距離に対応する小径の中央部d7まで今回の測位位置P1を移動させる測位位置の補正を行う。なお、移動可能最小距離に対応する小径の中央部(予測誤差範囲の外縁上)に位置するように測位位置d7を補正するのではなく、外縁よりも内側に位置するように測位位置d7’を補正してもよい。
【0045】
図6(H)は、予測誤差範囲の移動可能最小距離よりも前回の測位位置P0から今回の測位位置P1までの距離の方が小さく、しかも、今回の進行角が最小進行角と最大進行角の間から外れているとともに、今回の進行方向が予測誤差範囲が配置された方向と反対を向いている場合である。この場合には、位置補正部16は、移動可能最小距離に対応する小径の中央部d8まで今回の測位位置P1を移動させる測位位置の補正を行う。なお、移動可能最小距離に対応する小径の中央部(予測誤差範囲の外縁上)に位置するように測位位置d8を補正するのではなく、外縁よりも内側に位置するように測位位置d8’を補正してもよい。
【0046】
このように、本実施形態のナビゲーション装置では、実際の測位位置が予測誤差範囲を外れた場合であっても、予測誤差範囲との相対的な位置関係を考慮した測位位置の補正が行われるため、測位位置の補正精度を高めることが可能になる。また、予測誤差範囲との相対的な位置関係を考慮しながら補正後の測位位置が予測誤差範囲の外縁上あるいはその内部に含まれるように測位位置の補正が行われるため、無条件に予測誤差範囲の中心位置に測位位置を補正する場合に比べて、測位誤差の精度を高めることが可能になる。特に、実際の測位位置側に偏位した位置に測位位置の補正を行うことにより、実際の測位位置を確実に補正後の測位位置に反映させることができ、誤差の拡大を防止することができる。
【0047】
また、GPS受信機2からは、測位位置とともにこの測位位置が移動する速度および進行角が出力されており、速度および進行角に基づいて予測誤差範囲が設定されている。一般に、GPS受信機2が出力する速度と進行角の精度は測位位置精度に比べて高いため、この速度と進行角を用いて予測誤差範囲を設定することにより、今回の測位位置が含まれるであろう予測誤差範囲を正確に設定することができる。
【0048】
また、予測誤差範囲は、GPS受信機2から出力された前回の進行角に対して、前回の速度に基づいて設定される進行角の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした周方向の幅が設定されている。一般に速度が大きい場合には今回の測位タイミングにおける進行角の変化のばらつきの程度は小さいと考えられ、速度が小さい場合には速度の変化のばらつきの程度は大きいと考えられる。したがって、速度に基づいて設定される進行角の可変範囲を加味することにより、予測誤差範囲の周方向の幅を精度よく設定することが可能になる。
【0049】
また、予測誤差範囲は、GPS受信機2から出力された前回の速度に対して、前回の速度に基づいて設定される速度の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした径方向の幅が設定されている。一般に速度が大きい場合には今回の測位タイミングにおける速度の変化のばらつきの程度は小さいと考えられるが、速度が小さい場合には速度の変化のばらつきの程度は大きいと考えられる。したがって、速度に基づいて設定される速度の可変範囲を加味することにより、予測誤差範囲の半径方向の幅を精度よく設定することが可能になる。
【0050】
また、進行角の可変範囲は、GPS受信機2から出力される速度と進行角の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果に基づいて設定され、速度の可変範囲は、GPS受信機2から出力される速度と速度の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果に基づいて設定されている。これにより、正確な進行角あるいは速度の可変範囲を用いることができるため、予測誤差範囲の精度を高めることができ、測位位置の補正精度をさらに高めることができる。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、予測誤差範囲を(1)式から(4)式を用いて計算したが、この予測誤差範囲の大きさを測位環境に応じて可変に設定するようにしてもよい。例えば、測位環境に対応するパラメータαを(1)式等に含まれる(予測加速度最小値)、(予測加速度最大値)、(予測角速度最小値)、(予測角速度最大値)に乗算して、これらの値を修正するようにしてもよい。これにより、測位環境に対応した予測誤差範囲を設定することができるため、測位環境に応じた測位位置の適切な補正を行うことができる。特に、測位環境が良好なときに、上述したパラメータαの値を大きく設定して予測誤差範囲を大きく設定することにより、測位環境が良好でGPS測位位置の精度が高い場合に、補正せずにGPS測位位置を使用する機会が増え、累積誤差を少なくすることができる。
【0052】
〔第2の実施形態〕
ところで、上述した第1の実施形態のナビゲーション装置では、前回の測位タイミングにおける車両の進行方向に基づいて今回の測位タイミングに対応する予測誤差範囲の向き(図2や図3に示す中心方向)を設定している。しかし、ワインディング路のように車両の進行方向の変化が大きく、車両が円運動の動きを示しているような場合には、前回の測位タイミングにおける車両の進行角と今回の測位タイミングにおける車両の進行角とが異なるため、この進行角の変化量を考慮して予測誤差範囲の向きを補正することが望ましい。
【0053】
図7は、第2の実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。図7に示す本実施形態のナビゲーション装置は、図1に示した第1の実施形態のナビゲーション装置に対して、ナビゲーションコントローラ1A内のGPS処理部10Aに予測誤差範囲補正手段としての誤差範囲補正部18を追加した点が異なっている。この誤差範囲補正部18は、前回以前の複数回の測位タイミングにおける進行角の値に基づいて、今回の測位タイミングに対応して設定される予測誤差範囲の向き(中心方向)を補正する。
【0054】
図8は、前回および前々回の測位タイミングにおける進行角を用いて予測誤差範囲の向きを補正する場合の補正量の説明図である。図8において、前回の測位タイミングに対応する測位位置をP0(X0,Y0)、進行角をθ0、今回の測位タイミングに対応する測位位置をP1(X1,Y1)、進行角をθ1とすると、測位位置P0からP1まで車両が進行した場合の正しい進行角θは、以下の式で計算することができる。なお、Rは車両が半径一定の円運動をするものと仮定したときの半径を示している。
【0055】
θ=tan-1((cosθ0−cosθ1)/(sinθ1−sinθ0)) …(5)
しかし、実際には今回の測位タイミングにおける進行角θはわからないため、前回の測位タイミングにおける進行角θ0と前々回の測位タイミングにおける進行角θ-1の差(θ0−θ-1)を角速度として利用して、今回の測位タイミングにおける進行角θ1 を以下のように予測するものとする。
【0056】
θ1 =θ0+(θ0−θ-1
したがって、このθ1を用いて(5)式は以下の式のように変形することができる。
【0057】
θ=tan-1((cosθ0−cos(θ0+(θ0−θ-1)))
/(sin(θ0+(θ0−θ-1))−sinθ0)) …(6)
このようにして前回と前々回の進行角に基づいて前回の測位位置から今回の測位位置に車両が進行した場合の正しい進行角θを予測することができる。誤差範囲補正部18は、この予測した進行角θと前回の進行角θ0との差分(θ−θ0)だけ図2、図3、図6に示した予測誤差範囲の中心方向をずらす補正、すなわち予測誤差範囲の中心方向を予測した進行角θと一致させる補正を行う。
【0058】
このように、第2の実施形態のナビゲーション装置では、ワインディング路のように車両の進行方向の大きく変化する場所を走行する場合にその進行方向の変化分を考慮して予測誤差範囲の向きを調整して測位位置の補正を行うことができるため、さらに測位位置の補正精度を高めることが可能になる。特に、進行角の前回と前々回の値に基づいて予測誤差範囲の補正を行うことにより、少ない演算量で補正を行うことができ、処理の負担を軽減することができる。
【0059】
また、測位位置の補正を行おうとしているタイミングにおける車両の進行方向を予測し、この予測された進行方向にあわせて予測誤差範囲の配置を調整することにより、より実情に即した測位位置の補正が可能になる。さらに、進行角の変化が大きい場合には予測誤差範囲の配置の調整量を大きく、反対に進行角の変化が小さい場合には予測誤差範囲の配置の調整量を小さく設定することができるため、道路形状に合わせた測位位置の補正が可能になる。
【0060】
なお、誤差範囲補正部18は、測位位置が移動する差異の進行角の変化量(θ0−θ-1)が基準値よりも大きいときに予測誤差範囲の向きの補正を行い、この変化量が基準値以下のときには予測誤差範囲の向きの補正を行わないようにしてもよい。これにより、進行角の変化が小さい場合の処理の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】本実施形態で設定される予測誤差範囲の説明図である。
【図3】本実施形態で設定される予測誤差範囲の説明図である。
【図4】予測加速度の実験結果を示す図である。
【図5】予測角速度の実験結果を示す図である。
【図6】位置補正部によって行われる測位位置の補正処理の具体例を示す図である。
【図7】第2の実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図8】前回および前々回の測位タイミングにおける進行角を用いて予測誤差範囲の向きを補正する場合の補正量の説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1 ナビゲーションコントローラ
2 GPS受信機
3 自律航法センサ
4 ディスプレイ装置
10 GPS処理部
12 誤差範囲設定部
14 相対位置判定部
16 位置補正部
18 誤差範囲補正部
20 車両位置計算部
30 地図DB(データベース)
40 マップマッチング処理部
50 描画部
60 表示処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のGPS衛星から送信される電波を受信して測位位置を出力するGPS受信機と、
前記GPS受信機による今回の測位タイミングにおける測位位置が含まれる予測誤差範囲を設定する誤差範囲設定手段と、
今回の測位タイミングにおいて前記GPS受信機から出力された実際の測位位置が前記予測誤差範囲に含まれるときに前記実際の測位位置を用い、前記実際の測位位置が前記予測誤差範囲に含まれないときに、前記実際の測位位置と前記予測誤差範囲との相対的な位置関係に基づいて測位位置の補正を行う位置補正手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記位置補正手段は、補正後の測位位置が前記予測誤差範囲に含まれる位置に測位位置の補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記位置補正手段は、補正後の測位位置が前記予測誤差範囲内であって、前記実際の測位位置側に偏位した位置に測位位置の補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記位置補正手段は、補正後の測位位置が前記予測誤差範囲の外縁上に位置するように測位位置の補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記位置補正手段は、補正後の測位位置が前記予測誤差範囲の外縁上であって、前記実際の測位位置側に偏位した位置に測位位置の補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記GPS受信機は、測位位置とともにこの測位位置が移動する速度および進行角を出力し、
前記誤差範囲設定手段は、前記速度および前記進行角に基づいて前記予測誤差範囲を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記予測誤差範囲は、前記GPS受信機から出力された前回の進行角に対して、前回の速度に基づいて設定される進行角の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした周方向の幅が設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記予測誤差範囲は、前記GPS受信機から出力された前回の速度に対して、前回の速度に基づいて設定される速度の可変範囲を加味して、前回の測位位置を中心とした径方向の幅が設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項7において、
前記進行角の可変範囲は、前記GPS受信機から出力される速度と進行角の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果に基づいて設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項8において、
前記速度の可変範囲は、前記GPS受信機から出力される速度と速度の変動範囲との関係を実際に車両を用いて測定して得られた結果に基づいて設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項9または10において、
前記予測誤差範囲の大きさは、測位環境に応じて可変に設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記測位環境が良好なときに、前記予測誤差範囲が大きく設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項6において、
前記測位位置が移動する進行角の前回以前の複数回の値に基づいて、前記誤差範囲設定手段によって設定される予測誤差範囲の向きを補正する予測誤差範囲補正手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記予測誤差範囲補正手段は、前記測位位置が移動する進行角の前回と前々回の値に基づいて前記予測誤差範囲の向きの補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記予測誤差範囲補正手段は、前記測位位置が移動する進行角の前回と前々回の値に基づいて、測位タイミングが前回から今回に推移する際に前記測位位置が移動する向きを計算し、この計算された向きが中央となるように前記予測誤差範囲の向きの補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項16】
請求項13において、
前記予測誤差範囲補正手段は、前記進行角の変化量を考慮して前記予測誤差範囲の向きの補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれかにおいて、
前記予測誤差範囲補正手段は、前記測位位置が移動する進行角の変化が基準値よりも大きいときに前記予測誤差範囲の向きの補正を行うことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−138835(P2006−138835A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−130834(P2005−130834)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】