説明

ナビゲーション装置

【課題】状況に応じた案内図を色数の制限を受けることなく表示することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】案内地点を表すデータに案内図格納位置ポインタ20を含む地図データを記憶する地図データ記憶部11aと、1つの案内地点に対して、異なる光景を案内図として描画するための複数の案内図データを記憶する案内図データ記憶部11bと、現在位置を検出する位置検出部13と、現在の状況を取得する状況取得部14と、検出された現在位置が地図データ記憶部から取得した地図データによって示される案内地点に到達したときに、該案内地点の案内図格納位置ポインタによって示される案内図データ記憶部の位置から、状況取得部で取得された状況に対応する案内図データを取得し、地図データと合成して表示データを生成する処理部17と、処理部で生成された表示データに基づき地図および案内図を表示する表示出力部15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば交差点や分岐点の近くに設定された案内地点において、その案内地点の光景を案内図として表示することによりユーザを案内するナビゲーション装置に関し、特に視認性に優れた案内図を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイに地図を表示して経路案内を行うナビゲーション装置が知られている。このナビゲーション装置は、ユーザが目的地を設定することによって、現在地から目的地までの最適経路を探索し、これを走行経路として記憶する。そして、自車が移動を開始して経路案内が開始されると、現在位置を逐次検出し、検出した現在位置が含まれる地図上に、現在地および走行経路を表示して案内を行う。また、走行経路の分岐点の近くに到達したときは、ドライバが実際に見ている前方の光景と照合しやすい3次元画像から成る案内図を表示するとともに、音声による案内も行う。このように、地図と案内図を用いた案内によって、ユーザは、走行経路を走行する際の進行方向を容易に選択することができる。
【0003】
このようなナビゲーション装置において、自車から観察される実際の光景に近い光景を表示画面上に再現しようとする技術が知られている。たとえば、特許文献1は、時刻や季節感を伴った地図等の画像を表示する画像表示方法を開示している。この画像表示方法は、カレンダ・タイマにより現在の日時を監視し、乗算定数発生部は現在の時刻や季節等に応じた色合いとなるようにR、G、Bデータの乗算定数CR、CG、CBを発生し、R、G、B用の乗算器は、カラーパレットから出力される地図の色情報(RGBデータ)に乗算定数CR、CG、CBをそれぞれ乗算して地図画像の色情報を操作し、この操作により得られた色情報に基づいて画像を表示する。この画像表示方法によれば、予め設定された時間帯や季節に連動して地図画面の表示色を変えて昼夜の雰囲気を表現し、視認性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−311623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、状況に合わせた色調のカラーパレットを事前に用意し、表示の際に、その時点で最適なカラーパレットを選んで画像を表示しているので、あらかじめ設定する状況の数をnとし、カラーパレットで定義できる最大色数をmとすると、ある1つの状況で表現できる色数は、たとえば、m/nのように色数が制限される。また、ビットマップ形式の画像では、カラーパレットで定義できる最大色数mは、256色に制限されるのでリアルな画像を表示することができない。さらに、色情報を除いた画像データに対し、色調の異なるカラーパレットを適用しているため、画像自体を状況に応じて変えることができないという制限がある。
【0006】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、状況に応じた案内図を色数の制限を受けることなく表示することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るナビゲーション装置は、上記課題を解決するために、案内地点を表すデータに案内図格納位置ポインタを含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、1つの案内地点に対して、異なる光景を案内図として描画するための複数の案内図データを記憶する案内図データ記憶部と、現在位置を検出する位置検出部と、現在の状況を取得する状況取得部と、位置検出部で検出された現在位置が地図データ記憶部から取得した地図データによって示される案内地点に到達したときに、該案内地点を表すデータに含まれる案内図格納位置ポインタによって示される案内図データ記憶部の位置から、状況取得部で取得された状況に対応する案内図データを取得し、地図データ記憶部から取得した地図データと合成して表示データを生成する処理部と、処理部で生成された表示データに基づき地図および案内図を表示する表示出力部とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、1つの案内地点に対して、異なる光景を案内図として描画するための複数の案内図データを記憶しておき、現在位置が地図データによって示される案内地点に到達したときに、その時点の状況に対応する案内図データを取得し、地図データと合成して表示する。その結果、カラーパレットを使用しないので、表示可能な色数を増加させることができ、また、状況に応じ異なった画像を準備できるので、ドライバが実際に見る前方の光景により近い画像が表示することが可能となり、視認性が向上する。また、案内図を高品質で表示させることができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の概略動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2および実施の形態4に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2および実施の形態4に係るナビゲーション装置で行われる表示対象画像取得処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置で行われる表示対象画像取得処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態4に係るナビゲーション装置で行われる表示対象画像取得処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態5に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態5に係るナビゲーション装置で行われる表示対象画像取得処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、地図情報記憶部11、記憶部12、位置検出部13、状況取得部14、表示出力部15、入力部16および処理部17から構成されている。
【0011】
地図情報記憶部11は、たとえばCD−ROM、DVD−ROM、ハードディスクといった記憶媒体および記憶媒体に記録されているデータを読み出すディスクドライブから構成されている。なお、地図情報記憶部11は、外部から通信によりデータを受信する通信装置などから構成することもできる。この地図情報記憶部11は、地図データ記憶部11aと案内図データ記憶部11bとから構成されている。
【0012】
地図データ記憶部11aは、道路ネットワークデータの案内地点を表すデータに案内図格納位置ポインタを含む地図データを記憶している。案内図データ記憶部11bは、光景の3次元画像から成る複数の案内図を描画するための複数の案内図データを記憶している。地図データ記憶部11aから読み出された地図データおよび案内図データ記憶部11bから読み出された案内図データは、処理部17に送られる。
【0013】
記憶部12は、たとえばRAMから構成されており、処理部17からアクセスされる。この記憶部12は、処理部17が処理するデータを一時的に格納するために使用される。たとえば、記憶部12には、処理部17において行われた経路探索処理によって得られた最適経路を表すデータが走行経路データとして一時的に格納される。
【0014】
位置検出部13は、GPS受信機、車速センサ、ジャイロなどから構成されており、GPS受信機で検出された現在位置を表す位置データ、車速センサで検出された車両の速度を表す速度データおよびジャイロで検出された車両の進行方位を表す方位データに基づいて自車の現在位置を検出する。この位置検出部13で検出された自車の現在位置を表す現在位置データは、処理部17に送られる。
【0015】
状況取得部14は、たとえば、車内または車外に取り付けられた各種センサやスイッチ類から構成されており、案内図を切り替える際の条件となる状況を表す状況データを取得する。具体的には、状況取得部14は、図示しない時計機構から日付および時刻を取得し、図示しない照度計から照度値を取得し、夜間照明を点灯する図示しないイルミネーションスイッチからオン/オフ状態を取得する。この状況取得部14で取得された状況データは、処理部17に送られる。
【0016】
表示出力部15は、たとえば、CRTディスプレイ装置や液晶ディスプレイ装置などから構成されており、処理部17から送られてくる表示データにしたがって、自車の現在位置および案内経路を含む地図を表示するとともに、自車が案内地点に到達した場合は案内図を表示する。
【0017】
入力部16は、たとえば、表示出力部15の画面上に載置されたタッチパネルや、リモートコントローラ、操作スイッチなどから構成されており、ユーザが目的地等を入力したり、各種設定を行うために使用される。この入力部16から入力されたデータは、処理部17に送られる。
【0018】
処理部17は、たとえばマイクロコンピュータから構成されており、ナビゲーション装置の全体を制御する。たとえば、処理部17は、位置検出部13で検出された自車の現在位置から、入力部16から入力された目的地までの最適経路を、地図データ記憶部11aで取得された地図データに基づいて検索する経路探索処理を実行する。また、処理部17は、位置検出部13から送られてくる現在位置データによって示される自車の現在位置が、地図データ記憶部11aから取得した地図データ上の案内地点に到達した場合に、状況取得部14から取得した状況データにしたがって案内図を表示する案内図表示処理を実行する(詳細は後述する)。
【0019】
次に、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を、図2を参照しながら説明する。
【0020】
地図データ記憶部11aに記憶される地図データは、周知の構造を有する他に、該地図データに含まれる道路ネットワークデータの案内地点を表すデータに、案内図格納位置ポインタ20を含んでいる。案内図格納位置ポインタ20は、画像データ管理テーブル21の格納位置を保持している。
【0021】
案内図データ記憶部11bは、案内地点毎の案内図データを記憶している。案内図データは、画像データ管理テーブル21と画像データ22とから構成されている。画像データ管理テーブル21は、状況取得部14から送られてくる複数の状況データ(状況0、1、・・・、n−1)にそれぞれ対応する複数の画像データ(画像1、2、・・・、n−1)の格納位置を示すポインタを保持している。
【0022】
画像データ22は、案内地点で表示される案内図を描画するためのデータであり、1つの案内地点に対して、異なる光景のフルカラーの3次元画像(案内図)を描画するための複数の画像データから構成されている。画像データ22は、ビットマップ形式、JPEG形式といった種々の形式で作成することができる。なお、画像データ22に含まれる各画像データは、1箇所に纏めて格納されている必要はなく、また、各画像データの格納順番も画像データ管理テーブル21に格納されているポインタの順番に従う必要はない。
【0023】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を、走行経路の案内地点で案内図を表示する処理を中心に、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0024】
まず、経路探索処理が実行される(ステップST31)。すなわち、処理部17は、位置検出部13で検出された自車の現在位置から、入力部16によって入力された目的地までの最適経路を地図情報記憶部11から読み出した地図データに基づいて検索する。この検索により得られた最適経路を表すデータは、走行経路データとして記憶部12に記憶される。経路探索処理が終了すると、地図データ記憶部11aから地図データが読み出されて記憶部12に記憶され、地図表示処理が行われる。これにより、表示出力部15に地図が表示される。その後、自車が移動を開始することにより経路案内が開始される。
【0025】
経路案内が開始されると、自車位置検索が行われる(ステップST32)。すなわち、処理部17は、位置検出部13から自車の現在位置を表す現在位置データを取得する。次に、案内図の表示が必要であるかどうかが調べられる(ステップST33)。具体的には、処理部17は、ステップST31で得られた走行経路データとステップST32で得られた現在位置データとを照合することにより、案内図を表示すべき地点、つまり案内地点に到達したどうかを判断する。案内地点は、たとえば、走行経路の分岐点手前500mの地点とすることができる。このステップST33において、案内図の表示が不要であることが判断されるとステップST32に戻り、案内地点に到達するまで上述した処理が繰り返される。
【0026】
一方、ステップST33において、案内図の表示が必要であることが判断されると、次いで、状況取得が実行される(ステップST34)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から、その時点における状況データを取得する。次いで、表示対象画像の取得が行われる(ステップST35)。すなわち、処理部17は、地図を表示するために既に記憶部12に読み込まれている地図データに含まれる道路ネットワークデータの案内地点を表すデータに含まれる案内図格納位置ポインタ20を取得し、この案内図格納位置ポインタ20の内容で示される、案内図データ記憶部11bの位置から画像データ管理テーブル21を取得する。そして、ステップST34で取得した状況データと画像データ管理テーブル21とを照合し、画像データ管理テーブル21の中から状況データに対応するポインタを選び出し、この選び出したポインタで示される画像データを画像データ22の中から取得する。
【0027】
最後に、画像表示が行われる(ステップST36)。すなわち、処理部17は、ステップST35において取得した画像データ(案内図の画像)と地図データに基づき生成した画像データ(地図の画像)とを合成して表示データを生成し、表示出力部15へ送る。これにより、表示出力部15の画面に地図および案内図が表示される。この場合、たとえば、表示出力部15の画面の左半分に走行経路および現在位置マークを含む地図を表示し、右半分に案内図を表示するように構成できる。
【0028】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置によれば、複数の状況にそれぞれ対応する複数の案内図を描画するための画像データ22を用意しておき、現在位置が地図データによって示される案内地点に到達したときに、状況取得部14で取得された状況に応じた案内図を表示するように構成したので、色調の異なるカラーパレットを用意しておき、状況に合わせて色調を変化させて案内図を表示する従来のナビゲーション装置に比べると、カラーパレットに依存しないので色数の制限を受けず、フルカラーの案内図を表示することができる。そのため、実際に見える風景に近い案内図を提供できるので、視認性に優れ、目的地までの走行における進行方向の選択が容易になる。
【0029】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置は、実施の形態1に係るナビゲーション装置において、案内地点を通過するときに状況取得部14から現在の時刻を取得し、この取得した時刻が属する時間帯に対応する案内図を表示するようにしたものである。この実施の形態2に係るナビゲーション装置の構成は、状況取得部14の機能を除き、図1に示したナビゲーション装置と同じである。状況取得部14は、状況データとして、図示しない時計機構から現在の時刻を表す時刻データを取得する。
【0030】
図4は、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を示す図である。画像データ22は、朝方用画像、昼間用画像、夕方用画像および夜間用画像の各画像データから構成されている。また、画像データ管理テーブル21には、朝方用画像の格納位置を示す朝方用画像格納位置、昼間用画像の格納位置を示す昼間用画像格納位置、夕方用画像の格納位置を示す夕方用画像格納位置および夜間用画像の格納位置を示す夜間用画像格納位置が格納されている。
【0031】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を説明する。この実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作は、実施の形態1に係るナビゲーション装置の表示対象画像取得処理(ステップST35)の内容が異なるのみである。したがって、以下では、表示対象画像取得処理の詳細を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0032】
表示対象画像取得処理では、まず、時刻は朝方かどうかが調べられる(ステップST51)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から時刻データを取り出し、この取り出した時刻データによって示される時刻が朝方の時間帯に属するかどうかを調べる。このステップST51において、時刻が朝方であることが判断されると、朝方用画像が取得される(ステップST52)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から朝方用画像格納位置を取り出し、この取り出した朝方用画像格納位置をポインタとして画像データ22から朝方用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0033】
上記ステップST51において、時刻が朝方でないことが判断されると、次いで、時刻は昼間かどうかが調べられる(ステップST53)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から時刻データを取り出し、この取り出した時刻データによって示される時刻が昼間の時間帯に属するかどうかを調べる。このステップST53において、時刻が昼間であることが判断されると、昼間用画像が取得される(ステップST54)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から昼間用画像格納位置を取り出し、この取り出した昼間用画像格納位置をポインタとして画像データ22から昼間用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0034】
上記ステップST53において、時刻が昼間でないことが判断されると、次いで、時刻は夕方かどうかが調べられる(ステップST55)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から時刻データを取り出し、この取り出した時刻データによって示される時刻が夕方の時間帯に属するかどうかを調べる。このステップST55において、時刻が夕方であることが判断されると、夕方用画像が取得される(ステップST56)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から夕方用画像格納位置を取り出し、この取り出した夕方用画像格納位置をポインタとして画像データ22から夕方用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0035】
上記ステップST55において、時刻が夕方でないことが判断されると、時刻は夜間であることが認識され、夜間用画像が取得される(ステップST57)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から夜間用画像格納位置を取り出し、この取り出した夜間用画像格納位置をポインタとして画像データ22から夜間用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0036】
なお、ステップST51、ST53およびST55における判断は、(1)式〜(4)式の条件に基づいており、たとえば、事前に処理部17または記憶部12に保存されている。なお、(1)式〜(4)式で示される条件は、入力部16から入力するように構成することもできる。
朝方用画像表示時間帯:T1≦案内地点通過時の時刻<T2…(1)
昼間用画像表示時間帯:T2≦案内地点通過時の時刻<T3…(2)
夕方用画像表示時間帯:T3≦案内地点通過時の時刻<T4…(3)
夜間用画像表示時間帯:T4≦案内地点通過時の時刻<T1…(4)
【0037】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置によれば、案内地点通過時の時刻が属する時間帯に応じた案内図を表示するように構成したので、表示出力部15に表示される案内図は、より実際に見える風景に近い状態になり、目的地までの走行における進行方向の選択が容易になる。
【0038】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置は、実施の形態1に係るナビゲーション装置において、案内地点を通過するときに状況取得部14からイルミネーションの点灯/非点灯状態を取得し、この取得したイルミネーションの点灯/非点灯状態に対応した案内図を表示するようにしたものである。この実施の形態3に係るナビゲーション装置の構成は、状況取得部14の機能を除き、図1に示したナビゲーション装置と同じである。状況取得部14は、状況データとして、夜間照明を点灯するイルミネーションスイッチ(図示しない)のオン/オフ状態を表すデータを取得する。
【0039】
図6は、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を示す図である。画像データ22は、イルミネーション非点灯時表示用画像である昼間用画像とイルミネーション点灯時表示用画像である夜間用画像とから構成されている。また、画像データ管理テーブル21には、昼間用画像の格納位置を示す昼間用画像格納位置および夜間用画像の格納位置を示す夜間用画像格納位置が格納されている。
【0040】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を説明する。この実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作は、実施の形態1に係るナビゲーション装置の表示対象画像取得処理(ステップST35)の内容が異なるのみである。したがって、以下では、表示対象画像取得処理の詳細を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
表示対象画像取得処理では、まず、イルミネーションは点灯しているかどうかが調べられる(ステップST71)。すなわち、処理部17は、状況取得部14からイルミネーションスイッチのオン/オフ状態を表すデータを取り出し、この取り出したオン/オフ状態を表すデータがオンを示しているかどうかを調べる。このステップST71において、イルミネーションが点灯していることが判断されると、夜間用画像が取得される(ステップST72)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から夜間用画像格納位置を取り出し、この取り出した夜間用画像格納位置をポインタとして画像データ22から夜間用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0042】
一方、ステップST71において、イルミネーションが点灯していないことが判断されると、昼間用画像が取得される(ステップST73)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から昼間用画像格納位置を取り出し、この取り出した昼間用画像格納位置をポインタとして画像データ22から昼間用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0043】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置によれば、自動車の夜間照明を点灯するイルミネーションスイッチのオン/オフ状態に応じた案内図を表示するように構成したので、表示出力部15に表示される案内図は、より実際に見える風景に近い状態になり、目的地までの走行における進行方向の選択が容易になる。
【0044】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係るナビゲーション装置は、実施の形態1に係るナビゲーション装置において、案内地点を通過するときに状況取得部14から現在の照度値を取得し、この取得した照度値に対応する案内図を表示するようにしたものである。この実施の形態4に係るナビゲーション装置の構成は、状況取得部14の機能を除き、図1に示したナビゲーション装置と同じである。状況取得部14は、状況データとして、図示しない照度計で計測された照度値を取得する。
【0045】
この発明の実施の形態4に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造は、図4に示した実施の形態2のそれと同じである。ただし、朝方用画像、昼間用画像、夕方用画像および夜間用画像の区分は照度値にしたがって行われる。
【0046】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態4に係るナビゲーション装置の動作を説明する。この実施の形態4に係るナビゲーション装置の動作は、実施の形態1に係るナビゲーション装置の表示対象画像取得処理(ステップST35)の内容が異なるのみである。したがって、以下では、表示対象画像取得処理の詳細を、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
表示対象画像取得処理では、まず、照度値が朝方を示しているかどうかが調べられる(ステップST81)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から現在の照度値を取り出し、この取り出した照度値が朝方の時間帯に対応するかどうかを調べる。このステップST81において、照度値が朝方であることが判断されると、朝方用画像が取得される(ステップST82)。このステップST82の処理は、図5に示したステップST52の処理と同じである。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0048】
上記ステップST81において、照度値が朝方を示していないことが判断されると、次いで、照度値が昼間を示しているかどうかが調べられる(ステップST83)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から現在の照度値を取り出し、この取り出した照度値が昼間の時間帯に対応するかどうかを調べる。このステップST83において、照度値が昼間を示していることが判断されると、昼間用画像が取得される(ステップST84)。このステップST84の処理は、図5に示したステップST54の処理と同じである。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0049】
上記ステップST83において、照度値が昼間を示していないことが判断されると、次いで、照度値が夕方を示しているかどうかが調べられる(ステップST85)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から現在の照度値を取り出し、この取り出した照度値が夕方の時間帯に対応するかどうかを調べる。このステップST85において、照度値が夕方を示していることが判断されると、夕方用画像が取得される(ステップST86)。このステップST86の処理は、図5に示したステップST56の処理と同じである。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0050】
上記ステップST85において、照度値が夕方を示していないことが判断されると、照度値は夜間を示していることが認識され、夜間用画像が取得される(ステップST87)。このステップST87の処理は、図5に示したステップST57の処理と同じである。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0051】
なお、ステップST81、ST83およびST85における判断は、(5)式〜(8)式の条件に基づいており、たとえば、事前に処理部17または記憶部12に保存されている。なお、(5)式〜(8)式で示される条件は、入力部16から入力するように構成することもできる。
朝方用画像表示対象照度:B1≦案内地点通過時の照度<B2…(5)
昼間用画像表示対象照度:B2≦案内地点通過時の照度<B3…(6)
夕方用画像表示対象照度:B3≦案内地点通過時の照度<B4…(7)
夜間用画像表示対象照度:B4≦案内地点通過時の照度<B1…(8)
【0052】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るナビゲーション装置によれば、周囲の明るさに応じた案内図を表示するように構成したので、表示出力部15に表示される案内図は、より実際に見える風景に近い状態になり、目的地までの走行における進行方向の選択が容易になる。
【0053】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係るナビゲーション装置は、実施の形態1に係るナビゲーション装置において、案内地点を通過するときに状況取得部14から現在の季節を表すデータを取得し、この取得したデータによって示される季節に対応した案内図を表示するようにしたものである。この実施の形態5に係るナビゲーション装置の構成は、状況取得部14の機能を除き、図1に示したナビゲーション装置と同じである。状況取得部14は、状況データとして、図示しない時計機構から現在の日付データを取得する。
【0054】
図9は、この発明の実施の形態5に係るナビゲーション装置で使用される地図データおよび案内図データのデータ構造を示す図である。画像データ22は、春用画像、夏用画像、秋用画像および冬用画像の各画像データから構成されている。また、画像データ管理テーブル21には、春用画像の格納位置を示す春用画像格納位置、夏用画像の格納位置を示す夏用画像格納位置、秋用画像の格納位置を示す秋用画像格納位置および冬用画像の格納位置を示す冬用画像格納位置が格納されている。この場合、たとえば春用画像は花を含み、秋は紅葉を含む光景の画像とすることができる。
【0055】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態5に係るナビゲーション装置の動作を説明する。この実施の形態5に係るナビゲーション装置の動作は、実施の形態1に係るナビゲーション装置の表示対象画像取得処理(ステップST35)の内容が異なるのみである。したがって、以下では、表示対象画像取得処理の詳細を、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
表示対象画像取得処理では、まず、季節は春かどうかが調べられる(ステップST101)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から現在の日付を表す日付データを取り出し、この取り出した日付データによって示される季節が春に属するかどうかを調べる。このステップST101において、季節が春であることが判断されると、春用画像が取得される(ステップST102)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から春用画像格納位置を取り出し、この取り出した春用画像格納位置をポインタとして画像データ22から春用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0057】
上記ステップST101において、季節が春でないことが判断されると、次いで、季節は夏かどうかが調べられる(ステップST103)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から日付データを取り出し、この取り出した日付データによって示される季節が夏に属するかどうかを調べる。このステップST103において、季節が夏であることが判断されると、夏用画像が取得される(ステップST104)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から夏用画像格納位置を取り出し、この取り出した夏用画像格納位置をポインタとして画像データ22から夏用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0058】
上記ステップST103において、季節が夏でないことが判断されると、次いで、季節は秋かどうかが調べられる(ステップST105)。すなわち、処理部17は、状況取得部14から日付データを取り出し、この取り出した日付データによって示される季節が秋に属するかどうかを調べる。このステップST105において、季節が秋であることが判断されると、秋用画像が取得される(ステップST106)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から秋用画像格納位置を取り出し、この取り出した秋用画像格納位置をポインタとして画像データ22から秋用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0059】
上記ステップST105において、季節が秋でないことが判断されると、季節は冬であることが認識され、冬用画像が取得される(ステップST107)。すなわち、処理部17は、画像データ管理テーブル21から冬用画像格納位置を取り出し、この取り出した冬用画像格納位置をポインタとして画像データ22から冬用画像の画像データを取得する。その後、表示対象画像取得処理は終了する。
【0060】
なお、ステップST101、ST103およびST105における判断は、(9)式〜(12)式の条件に基づいており、たとえば、事前に処理部17または記憶部12に保存されている。なお、(9)式〜(12)式で示される条件は、入力部16から入力するように構成することもできる。
春用画像表示期間:D1≦案内地点通過時の日時<D2…(9)
夏用画像表示期間:D2≦案内地点通過時の日時<D3…(10)
秋用画像表示期間:D3≦案内地点通過時の日時<D4…(11)
冬用画像表示期問:D4≦案内地点通過時の日時<D1…(12)
【0061】
また、(9)式〜(12)式に関連して、各季節を定義する期間は、地域によって異なるため、地域ごとにD1〜D4を用意しておき、位置検出部13から地域を表すデータを取得し、この地域を表すデータに基づき、地域に対応したD1〜D4を用いるように構成することができる。
【0062】
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係るナビゲーション装置によれば、案内地点通過時の季節に応じて異なる案内図を表示するように構成したので、表示出力部15に表示される案内図は、より実際に見える風景に近い状態になり、目的地までの走行における進行方向の選択が容易になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路ネットワークデータの案内地点を表すデータに案内図格納位置ポインタを含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、
1つの案内地点に対して、その案内地点の状況に対応した複数の異なる光景を案内図として描画するための複数の画像データを記憶する案内図データ記憶部と、
現在位置を検出する位置検出部と、
前記現在位置の属する地域に基づいて現在の状況を取得する状況取得部と、
前記現在位置から目的地までの経路を前記地図データに基づいて検索することにより得られた走行経路データと前記現在位置とを照合し、前記現在位置が前記地図データによって示される案内地点に到達したと判断したときに、該案内地点を表すデータに含まれる案内図格納位置ポインタによって示される前記案内図データ記憶部の案内図格納位置から、前記状況取得部で取得された現在の状況に対応する案内図データを取得し、前記地図データ記憶部から取得した地図データと合成して表示データを生成する処理部と、
前記処理部で生成された表示データに基づき前記走行経路および現在位置を含む地図および案内図を表示する表示出力部
とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記状況取得部は、更に日付と時刻に基づいて現在の状況を取得する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
案内図データ記憶部は、1つの案内地点に対して、複数の異なる時間帯の光景を案内図として描画するための複数の画像データを記憶し、状況取得部は、現在の時刻を取得し、処理部は、位置検出部で検出された現在位置が地図データ記憶部から取得した地図データによって示される案内地点に到達したときに、該案内地点を表すデータに含まれる案内図格納位置ポインタによって示される前記案内図データ記憶部の案内図格納位置から、前記状況取得部で取得された現在の時刻が属する時間帯に対応する案内図データを取得し、前記地図データ記憶部から取得した地図データと合成して表示データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
案内図データ記憶部は、1つの案内地点に対して、昼間の光景および夜間の光景を案内図として描画するための複数の画像データを記憶し、状況取得部は、夜間照明を点灯するイルミネーションスイッチのオン/オフ状態を取得し、処理部は、位置検出部で検出された現在位置が地図データ記憶部から取得した地図データによって示される案内地点に到達したときに、該案内地点を表すデータに含まれる案内図格納位置ポインタによって示される前記案内図データ記憶部の案内図格納位置から、前記状況取得部で取得されたイルミネーションスイッチのオン/オフ状態に対応する案内図データを取得し、前記地図データ記憶部で取得した地図データと合成して表示データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
案内図データ記憶部は、1つの案内地点に対して、複数の異なる時間帯の光景を案内図として描画するための複数の画像データを記憶し、状況取得部は、現在の照度値を取得し、処理部は、位置検出部で検出された現在位置が地図データ記憶部から取得した地図データによって示される案内地点に到達したときに、該案内地点を表すデータに含まれる案内図格納位置ポインタによって示される前記案内図データ記憶部の案内図格納位置から、前記状況取得部で取得された照度値に対応する案内図データを取得し、前記地図データ記憶部で取得した地図データと合成して表示データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
案内図データ記憶部は、1つの案内地点に対して、複数の異なる季節の光景を案内図として描画するための複数の画像データを記憶し、状況取得部は、現在の日付を取得し、処理部は、位置検出部で検出された現在位置が地図データ記憶部から取得した地図データによって示される案内地点に到達したときに、該案内地点を表すデータに含まれる案内図格納位置ポインタによって示される前記案内図データ記憶部の案内図格納位置から、前記状況取得部で取得された日付が属する季節に対応する案内図データを取得し、前記地図データ記憶部で取得した地図データと合成して表示データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−185880(P2010−185880A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112983(P2010−112983)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【分割の表示】特願2008−513088(P2008−513088)の分割
【原出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】