説明

ナビゲーション装置

【課題】特定のアイコンを位置設定するとき、アイコンのドロップ位置が定まるまで、ディスプレイ表示している地図を仔細な地図に縮尺変更し、目的地の設定を間違いなく行う。
【解決手段】ドラッグアンドドロップ部によって、ディスプレイ3に表示された属性別の複数のアイコンから、特定のアイコンを選択し、前記選択した特定のアイコンをディスプレイ3に表示されている地図上の所望位置に移動し、前記地図上の位置を特定し、目的地または経由地等を設定する。この間に、アイコン移動が所定時間留まったとき、留まっている時間に応じて拡大地図表示とし、その拡大地図表示で前記アイコンがドロップされたときドロップされた位置にアイコンを設定し、その後、前記地図拡大表示前の元の地図表示に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上にマーク等のアイコンを表示するナビゲーション装置に関するもので、特に、アイコンによって特定の場所を目的地または経由地、登録地として設定できるナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置としては、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星を利用し、自己の位置や移動速度をリアルタイムに求めている。この種のナビゲーション装置は、自動車等の移動体または携帯用として普及している。
このナビゲーション装置の形態としては、電子化された地図データに基づいてモニタ上に地図を表示し、その地図上で自己の位置を示している。また、利用者が出発地、目的地、経由地等を指定することによって、その設定されたルートに基づいて走行を案内する機能を有している。
【0003】
この種のナビゲーション装置として、特許文献1、特許文献2の技術が公知である。
特許文献1は、タッチパネルが設けられた表示モニタと、地図データ及び施設データを記憶する記憶手段と、前記地図データに基づいて前記表示モニタに地図を表示すると共に、前記施設データに基づいて前記地図に重ねて施設マークを表示する表示制御手段と、前記施設マークが押圧されると前記施設マークに定義された処理を実行する実行手段を備え、前記表示制御手段は、前記施設マークが他の施設マークと近接する場合、前記他の施設マークと重ならない方向に前記施設マークを拡大して表示し、他の施設マークと近接しても、指の押圧操作により所望の施設マークを容易に選択するものである。
また、特許文献2は、地図の縮尺が切り替る場合、ディスプレイがタッチパネルで出力されたデータから求まる縮尺切り替え前の接触座標に対応する表示座標で表示する地図上の地点を、縮尺切り替えの前後で同一または略同一にする制御部を備え、ディスプレイがタッチパネルで縮尺切り替え前に検知される接触座標に対応する表示座標で表示する地図上の地点または施設画像を、縮尺切り替えの前後で同一または略同一にし、地図上の地点または施設画像を縮尺切り替え後に見つけ易くするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−180575
【特許文献2】特開2007−156866
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1の技術は、ドラッグアンドドロップで設定しようとする施設マークが、他の施設マークと近接する場合、他の施設マークと重ならない方向にドラッグアンドドロップで設定しようとする施設マークを拡大して表示するもので、地図に重ねて施設マークが表示されているから、操作者はその重なり具合によって複数の施設マークの存在に気が付くことができる。
また、特許文献2の技術は、タッチパネルからなるディスプレイで縮尺切り替え前に検知された接触座標に対応する表示座標で表示する地図上の地点または施設画像を、縮尺切り替えの前後で同一または略同一にし、地図上の地点または施設画像を縮尺切り替え後に元に戻すことで、地図上の地点または施設を見つけ易くするものである。
【0006】
ところが、例えば、目的地または経由地の設定を行う場合、特定のアイコンをドラッグアンドドロップで特定の位置に設定するとき、同様の施設が目的地付近に存在すると、特許文献1の施設マークを拡大して表示する方法では対応できない。また、特許文献2はタッチパネルに対するドラッグアンドドロップの距離に応じてその目的地を中心に縮尺を切り替えるものであるから、目的地または経由地の設定を行う場合に、特定のアイコンをドラッグアンドドロップで設定する目的地付近の情報に対しては対応できない。
【0007】
そこで、本発明は、特定のアイコンをドラッグアンドドロップで目的地または経由地、登録地等を設定するとき、当該設定箇所に地図上の紛らわしい箇所がある場合にはアイコンのドロップ位置が定めるため、ディスプレイ表示している地図を仔細な地図に縮尺変更し、その設定を間違いなく行うことができるナビゲーション装置の提供を第1の課題とするものである。また、特定のアイコンをドラッグアンドドロップで目的地または経由地、登録地等を設定するとき、当該設定箇所に既にアイコンが存在し、アイコンが重なり合う可能性がある場合には、ディスプレイ表示している地図を仔細な地図に縮尺変更し、その設定を間違いなく行うことができるナビゲーション装置の提供を第2の課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明にかかるナビゲーション装置は、ドラッグアンドドロップ部によって、ディスプレイに表示された属性別の複数のアイコンから、特定のアイコンを選択し、前記選択した特定のアイコンを前記ディスプレイに表示されている地図上の所望位置に移動し、前記地図上の位置を特定し、目的地または経由地、登録地等を設定する。この間、アイコンをドロップする前に拡大地図表示とし、その拡大地図表示で前記アイコンがドロップされたときドロップされた位置にアイコンを設定するものである。
ここで、ドラッグアンドドロップ部とは、タッチパッド、ペンタブレット、マウスの何れか1つとするものであり、タッチパッドの場合にはディスプレイの面をタッチスイッチとして形成し、ディスプレイの面を滑り移動することにより操作され、ペンタブレットの場合は、2点間の位置を特定することによって操作でき、マウスはタッチパッドと同様に操作される。そして、上記ドラッグアンドドロップとは、アイコンに重なった状態で、例えば、マウスのボタンを押し、そのままの状態でマウスを移動させ、別の場所でマウスのボタンを離すことで、アイコンを仮想的に「引きずり(ドラッグ)」、別の場所に「落とす(ドロップ)」という操作を意味する。また、上記アイコンは、ディスプレイ上に表示される属性別にシンボル化した図形からなり、地図のマーク、その他、例えば、コンビ二名(ローソン、セブンイレブン(何れも商標))等の標章(商標)等もその概念に含まれるものである。
そして、上記ドラッグアンドドロップ部のドラッグは、複数のアイコンから特定のアイコンを選択するものであり、ドロップは、前記ドラッグで複数のアイコンから選択した特定のアイコンを地図上の特定箇所に設定するもので、前記ドラッグと前記ドロップによって一連のドラッグアンドドロップ機能を構成している。なお、前記アイコンの属性のカテゴリに含まれる箇所とは、施設、道路、交差点、店舗、病院、スーパー等の地図上のナビゲーション機能の目的地として設定できるポイントを意味するものである。
更に、上記地図拡大調整部は、前記ドラッグアンドドロップする際のドロップ前に、地図を特定の拡大表示にするものである。勿論、地図を特定の拡大表示に可変とした場合でも、存在する地図データの最大の拡大率で停止される。
更にまた、上記縮尺復元部は、前記地図拡大調整部による前記拡大地図表示で前記アイコンがドロップされたとき、前記地図拡大表示前の元の地図の縮尺に戻して地図表示するものである。
【0009】
請求項2の発明にかかるナビゲーション装置は、ドラッグアンドドロップ部によって、ディスプレイに表示された属性別の複数のアイコンから、特定のアイコンを選択し、前記選択した特定のアイコンを前記ディスプレイに表示されている地図上の所望位置に移動し、前記地図上の特定位置にアイコンを設定するとき、ドロップする特定の地図上の位置に複数のアイコンが存在する場合には、前記地図拡大設定部で前記アイコンに重なりが生じない拡大地図表示とし、前記地図拡大設定部による前記拡大地図表示で前記アイコンがドロップされ、前記アイコンが設定されるものである。
ここで、ドラッグアンドドロップ部とは、タッチパッド、ペンタブレット、マウスの何れか1つとするものであり、タッチパッドの場合にはディスプレイの面をタッチスイッチとして形成し、ディスプレイの面を滑り移動することにより操作され、ペンタブレットの場合は、2点間の位置を特定することによって操作でき、マウスはタッチパッドと同様に操作される。そして、上記ドラッグアンドドロップとは、アイコンに重なった状態で、例えば、マウスのボタンを押し、そのままの状態でマウスを移動させ、別の場所でマウスのボタンを離すことで、アイコンを仮想的に「引きずり(ドラッグ)」、別の場所に「落とす(ドロップ)」という操作を意味する。また、上記アイコンは、ディスプレイ上に表示される属性別にシンボル化した図形からなり、地図のマーク、その他、例えば、コンビ二名(ローソン、セブンイレブン(何れも商標))等の標章(商標)等もその概念に含まれるものである。
そして、上記ドラッグアンドドロップ部のドラッグは、複数のアイコンから特定のアイコンを選択するものであり、ドロップは、前記ドラッグで複数のアイコンから選択した特定のアイコンを地図上の特定箇所に設定するもので、前記ドラッグと前記ドロップによって一連のドラッグアンドドロップ機能を構成している。なお、前記アイコンの属性のカテゴリに含まれる箇所とは、施設、道路、交差点、店舗、病院、スーパー等の地図上のナビゲーション機能の目的地として設定できるポイントを意味するものである。
更に、上記地図拡大設定部は、前記ドラッグアンドドロップする際のドロップ前に、その地図上の留まった位置に1以上の複数のアイコンが存在する場合、前記アイコンに重なりが生じない程度の拡大表示として設定するものである。勿論、地図の拡大表示は、存在する地図データの最大の拡大率で停止される。なお、上記地図拡大設定部は、上記地図拡大調整部と機能的には、大きな違いはないが、前記地図拡大設定部は前記アイコンに重なりが生じない程度の拡大表示に拡大率を設定するものであり、上記地図拡大調整部は前記アイコンの移動の後の停止によって拡大表示するものである。
【0010】
請求項3の発明にかかるナビゲーション装置は、更に、上記縮尺復元部を有し、前記地図拡大調整部による前記拡大地図表示で前記アイコンがドロップされたとき、前記地図拡大表示前の元の地図の縮尺に戻して地図表示するものである。また、前記地図拡大設定部による前記拡大地図表示で前記アイコンがドロップされたとき、前記地図拡大表示前の元の地図の縮尺に戻して地図表示するものである。
【0011】
請求項4の発明にかかるナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドラッグしたアイコンの移動方向を検出して、そのアイコンのドロップ位置が前記ディスプレイの中央位置となるようにスクロールをかけ、前記ディスプレイの中央位置を中心に拡大地図表示を行うものである。
この拡大地図表示は、ドラッグしたアイコンの移動方向を検出し、前記アイコンの引きずり方向がディスプレイの中心にくるようにスクロールをかけて、前記ディスプレイの中央位置付近を中心に拡大地図表示を行うものである。このとき、正確にドラッグしたアイコンの位置がディスプレイの中心でなくとも、略中心部であればよい。
【0012】
請求項5の発明にかかるナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップ位置に所定時間留まったとき、当該アイコンの色彩、点滅、形状の1以上を変更し、変更した状態で前記ドロップ位置が前記ディスプレイの中央位置となるようにスクロールをかけ、前記ディスプレイの中央位置を中心に拡大地図表示を行う。ここで、ドロップ位置に所定時間留まったときとは、前記ディスプレイのスクロールまたは地図の拡大を行うために、ドラッグしたアイコンから指等を離しても、その時点ではドロップと認識していないことの確認のため、当該アイコンの色彩、点滅、形状の1以上を変更することにより、ドロップ前の状態であり、継続が可能であることを示すものである。
【0013】
請求項6の発明にかかるナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップすべく位置に所定時間留まったとき、その所定時間留まった位置を中心として拡大地図表示を行うものである。
ここで、ドロップすべく位置に所定時間留まったときとは、ディスプレイのコーナであっても、そこを中心に地図の拡大を行うものである。
【0014】
請求項7の発明にかかるナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、前記ディスプレイ上に拡大する旨のメッセージを表示するものである。
ここで、前記ディスプレイ上に地図を拡大する旨のメッセージは、拡大処理することにより、一瞬、操作しているアイコンの位置を操作者が見失う可能性があるので、その旨を予告するものであればよい。
【0015】
請求項8の発明にかかるナビゲーション装置の前記地図拡大調整部は、特定しようとする位置に所定時間留まったとき、その地図上に留まっている時間に応じて拡大地図表示を行うものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1のナビゲーション装置は、ドラッグアンドドロップ部によって、ディスプレイに表示された属性別の複数のアイコンから、特定のアイコンを選択し、選択した特定の前記アイコンを前記ディスプレイに表示されている地図上の所望位置に移動し、前記地図上の位置を特定し、ドロップによって設定する。このとき、前記ドラッグアンドドロップ部で特定された位置にドロップすることなくアイコンの動きが止まったとき、地図拡大調整部によって所定の拡大率とする拡大地図表示とし、前記地図拡大調整部による前記拡大地図表示で前記アイコンがドロップされるものである。
したがって、アイコンをドロップする際に、隣接して施設がある場合或いは道路、交差点の選択で交差点を僅かに離れた道路の位置等を目的地または経由地、登録地とする場合、施設のアイコンまたは道路のアイコンをドラッグアンドドロップしようとすると、例えば、500m距離表示、200m距離表示、100m距離表示の地図では、明確に位置設定できない可能性がある。一方、市街図であっても50m距離表示(1/5000)、25m距離表示(1/2500)が存在しない場合がある。そこで、アイコンをドロップする前に所定時間、アイコンの移動が留まることにより、地図の順次拡大(1段以上)がなされ、所定の望ましい位置にアイコンを置くことができる。
よって、特定のアイコンをドラッグアンドドロップで目的地または経由地等を設定するとき、当該設定箇所に地図上の紛らわしい箇所がある場合にはアイコンのドロップ位置が定めるため、ディスプレイ表示している地図を仔細な地図に縮尺変更し、その設定を間違いなく行うことができる。
【0017】
請求項2のナビゲーション装置は、ドラッグアンドドロップ部によって、ディスプレイに表示された属性別の複数のアイコンから、特定のアイコンを選択し、選択した特定の前記アイコンを前記ディスプレイに表示されている地図上の所望位置に移動し、前記地図上の位置を特定し、ドロップによって設定する。このとき、前記ドラッグアンドドロップ部で特定された位置にドロップすることなく所定の地図上の位置に1以上の複数のアイコンが存在する場合、地図拡大設定部によって前記アイコンに重なりが生じない程度の拡大地図表示とし、前記地図拡大調整部による前記拡大地図表示で前記アイコンがドロップされたとき、縮尺復元部によって前記地図拡大表示前の元の地図表示に戻すものである。
したがって、アイコンをドロップする際に、隣接してアイコン表示されている施設がある場合、施設のアイコンまたは道路のアイコンをドラッグアンドドロップしようとすると、500m距離表示、200m距離表示、100m距離表示の地図では、明確に位置設定できない可能性がある。一方、市街図であっても50m距離表示(1/5000)、25m距離表示(1/2500)が存在しない場合がある。しかし、アイコンをドロップする前に所定時間留まることにより、アイコンが重ならないようにする地図の拡大(1段以上)がなされ、所定の望ましい位置にアイコンを設定することができる。
よって、特定のアイコンをドラッグアンドドロップで目的地または経由地、登録地等を設定するとき、当該設定箇所に既にアイコンが存在し、アイコンが重なり合う可能性がある場合には、ディスプレイ表示している地図を仔細な地図に縮尺変更し、その設定を間違いなく行うことができる。
【0018】
請求項3のナビゲーション装置は、更に、前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部による前記拡大地図表示で前記アイコンがドロップされたとき、前記地図拡大表示前の元の地図表示に戻す縮尺復元部を有するものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、拡大地図表示でアイコンがドロップされたとき、地図拡大表示前の元の地図表示に戻すことができ、操作者に負担のかからない制御ができる。
【0019】
請求項4のナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドラッグした前記アイコンの移動方向を検出し、ドロップ位置が前記ディスプレイの中央位置となるようにスクロールをかけ、前記ディスプレイの中央位置を中心に拡大地図表示を行うものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、常に中心から地図の拡大が行われ、地図が見やすく、その操作が扱い易くなる。
【0020】
請求項5のナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップ位置に所定時間留まったとき、当該アイコンの色彩、点滅、形状の1以上を変更し、変更した状態でドロップしようとする位置を前記ディスプレイの中央位置となるようにスクロールをかけ、前記ディスプレイの中央位置を中心に拡大地図表示を行うものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、当該アイコンの色彩、点滅、形状の1以上が変更され、その変更された状態はドロップ前であることを操作者に訴えることができ、前記ドロップ位置が前記ディスプレイの中央位置となるようにスクロールをかけても、その操作性をよくすることができる。
【0021】
請求項6のナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップ位置に所定時間留まったとき、その所定時間留まった位置を中心として拡大地図表示を行うものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、操作位置を中心に拡大でき、違和感のない操作が可能となる。
【0022】
請求項7のナビゲーション装置の前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、前記ディスプレイ上に拡大する旨のメッセージを表示するものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、アイコンのドロップを行う前に、表示されている地図の拡大を行うことをメッセージすることにより、その拡大表示する必要性を操作者に理解してもらうことができる。
【0023】
請求項8の発明にかかるナビゲーション装置の前記地図拡大調整部は、特定しようとする位置に所定時間留まったとき、その地図上に留まっている時間に応じて拡大地図表示を行うものであるから、請求項1または請求項3乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、アイコンをドロップする前に所定時間、アイコンの移動が留まることにより、地図の順次拡大(1段以上)がなされ、所定の望ましい位置にアイコンを置くことができる。そして、アイコンをドロップした後には、それまでの地図の縮尺に戻すことができる。
よって、特定のアイコンをドラッグアンドドロップで目的地または経由地等を設定するとき、当該設定箇所に地図上の紛らわしい箇所がある場合にはアイコンのドロップ位置が定めるため、ディスプレイ表示している地図を仔細な地図に縮尺変更し、その設定を間違いなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかるナビゲーション装置の一部機能表現を含む全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置のメインメニュー画面の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の各種設定画面の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の「アイコン列作成ルーチン」のフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置のアイコン列作成画面の説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の他の実施例のアイコンスクロール画面の説明図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の「目的地・経由地設定ルーチン」の前半のフローチャートである。
【図8】図8は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の「目的地・経由地設定ルーチン」の後半のフローチャートである。
【図9】図9は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の目的地・経由地設定画面の説明図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置のドラッグアンドドロップ動作の画面の説明図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の拡大予告画面の説明図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の拡大画面の説明図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の目的地・経由地の入力画面の説明図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態2のナビゲーション装置の「目的地・経由地設定ルーチン」の後半のフローチャートで、図7の後半の動作として示したものである。
【図15】図15は本発明の実施の形態2のナビゲーション装置の設定・キャンセルの入力画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1にかかるナビゲーション装置の一部機能表現を含む全体構成を示すブロック図である。
【0026】
図1において、本実施の形態1のナビゲーション装置は、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うマイクロプロセッサからなる演算・制御部1と、操作者からの操作を受け付けるエンジンの駆動を行うイグニッションスイッチ21を含む各種キー入力、音声入力、タッチスイッチ等の操作部2と、操作者に対して操作情報、地図等の情報を表示する液晶、EL等からなるディスプレイ3と、ルート案内、交通規制情報、渋滞情報の案内に関する音声ガイダンスを行うスピーカ4と、更に、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)に至るまでの距離等を検出することが可能となるように各種センサからなる自車の現在位置を検出する現在地検出部7と、道路交通情報通信システムセンター(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System)62等の情報センタとの間でネットワーク61を介して通信を行う通信部6、各種のデータが記録され、書込み、読み出しが可能な記憶容量が大きいハードディスクからなるナビ情報処理部8と、ナビゲーション機能による目的地、経由地、登録地の設定によってルート探索される目的地・経由地設定部9等から構成されている。なお、本実施の形態1のディスプレイ3は、操作部2としてのタッチスイッチを兼ねるものである。
【0027】
マイクロプロセッサからなる演算・制御部1は、全体の制御を行う演算及び制御を行うCPU11、及びCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用すると共に、ルートが探索されたときのルートデータや交通規制情報が存在するリンクID等が記憶されるRAM12、制御用プログラムの他、渋滞回避ルートへの変更をユーザに案内するルート変更案内処理プログラム等が記憶されたROM13、ROM13から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ14等の内部記憶装置や、タイマ15等を備え、RAM12、ROM13、フラッシュメモリ14等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用され、演算及び制御を行うCPU11は、MPU等の演算機能を有するものの使用が可能である。
【0028】
ROM13には、各種のプログラムが記憶され、RAM12に各種のデータが記憶されるようになっており、また、プログラム、データ等を外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリ14に書き込む。更に、メモリーカード等を交換することによってプログラム、データ等を更新することができる。
そして、自車の現在位置を検出する現在地検出部7は、GPSセンサ71、地磁気センサ72、距離センサ73、ステアリングセンサ74、方位検出部としてのジャイロセンサ75、高度計76、更に、自車の走行速度及び走行距離を検出する車速センサ77等からなる。
【0029】
なお、本実施の形態1のナビゲーション装置は、ネットワーク61を介して道路交通情報通信システムセンター62から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や、交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報としては、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、後述のVICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0030】
また、ネットワーク61としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0031】
更に、本実施の形態1のナビゲーション装置を構成する各構成要素について図1に基づいて具体的に説明する。
GPSセンサ71は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在位置及び現在時刻を検出する。地磁気センサ72は、地磁気を測定することによって自車方位を検出する。距離センサ73は、道路上の所定位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ73としては、例えば、自車の車輪の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するが、車速センサ77の出力を積分して距離を検出してもよい。
【0032】
また、ステアリングセンサ74は自車の操舵角を検出するものである。ここで、ステアリングセンサ74としては、例えば、ステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ75は自車の旋回角を検出するものである。ここで、ジャイロセンサ75としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ75によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0033】
また、ナビ情報処理部8及び目的地・経由地設定部9は、本実施の形態1ではハードディスクを使用した場合で説明する。本実施の形態1においては、ナビ情報処理部8、目的地・経由地設定部9としてハードディスクが使用されているが、ハードディスクの他に、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置の一部として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード等を外部記憶装置の一部として使用することもできる。
【0034】
更に、演算・制御部1には、操作部2、ディスプレイ3、スピーカ4、通信部6の各周辺装置が電気的に接続されている。操作部2は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種キー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、演算・制御部1は、操作部2の各スイッチの操作により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。イグニッションスイッチ21はエンジンの始動及び停止を行うものである。
なお、操作部2としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0035】
ディスプレイ3には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの探索ルート、探索ルートに沿った案内情報、後述のルート変更案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
なお、ディスプレイ3の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL等を使用し、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することもできる。
【0036】
スピーカ4は、演算・制御部1からの指示に基づいて、探索ルートに沿った走行を案内する音声ガイダンスや、探索ルートのルート変更を案内する音声案内を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「有料道路を利用するルートに変更されました。」等がある。特に、本実施の形態1においては、操作順序等のメッセージを出力する。
なお、スピーカ4より出力される音声としては、合成された音声の他に、各種効果音、予めICメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0037】
更にまた、通信部6は、情報センタ、例えば、道路交通情報通信システムセンター62等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信部6は、ネットワーク61としてLAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信部6は道路交通情報通信システムセンター62からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0038】
ナビ情報処理部8の交通情報DB81には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報82が格納されている。また、この交通情報DB81には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報83が格納されている。
道路交通情報通信システムセンター62から受信した各道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報と共に、VICSリンクIDが含まれる。VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0039】
なお、地図情報DB84に記憶される道路とVICSリンクとは同一ではない。即ち、一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。そこで、交通情報DB81には、各道路に識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。そのため、本実施の形態1のナビゲーション装置は、道路交通情報通信システムセンター62からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。そして、道路交通情報通信システムセンター62から受信した現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて渋滞情報82として格納される。また、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制情報83等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて交通規制情報83として格納される。
【0040】
また、地図情報DB84には、本実施の形態1のナビゲーション装置の走行案内やルート探索に使用されるナビ地図情報85が格納されている。ここで、ナビ地図情報85には、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図34(図6参照)を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路に関するリンクデータ、ルートを探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、地図情報DB84の内容は、地図情報配信センタから通信部6を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0041】
目的地・経由地設定部9は、特定の属性のカテゴリをアイコンとして表現したもので、例えば、ナビゲーションのデータ種別からすると、施設、道路、交差点等のカテゴリになり、ジャンルの概念からすれば、店、食事、交通、本屋等の大概念、更に小さく、コンビニ、病院、スーパー等の中概念、更に具体的に、○○銀行、コンビ二名(ローソン、セブンイレブン(何れも商標))等の小概念があり、これらを対応するアイコンで表現している。例えば、本屋は本を開いた図案で示され、病院は地図記号を用いて示されている。これらのアイコンは、属性に対応させ、地図34上の地点と共に、アイコン格納部91に格納されている。また、ユーザが自己のアイコンとして、アイコンの変更またはオリジナルのアイコンを作成し、それを特定のアイコンに対応付けることもできる。
特に、本実施の形態1のアイコンとは、ディスプレイ上に表示される属性別にシンボル化した図形からなるものであるが、地図のマーク、例えば、コンビ二名(ローソン、セブンイレブン(何れも商標))等の標章(商標)等もその概念に含まれる。
【0042】
また、本実施の形態1では、アイコン列格納部92を有している。このアイコン列格納部92は、ユーザが使用する可能性が高いアイコンを格納するメモリ領域で、ドラッグするアイコンの格納領域である。本発明を実施する場合、アイコン格納部91から直接アイコンをドラッグしてもよいが、本実施の形態1のように、使用頻度の高いものをアイコン列格納部92に格納して使用することができる。
特に、本実施の形態1のように、使用頻度の高いアイコンをアイコン列格納部92に格納して使用する場合には、例えば、アイコン列格納部92として1列を使用するだけで、他のスペースの地図34は何も情報が重ならないから、地図34の確認が容易である。
【0043】
アイコン格納部91に格納されたアイコンは、属性のカテゴリによって区別されている。更に、その属性には、属性情報として、店舗、施設名、住所、営業時間、休業日、電話番号、駐車場の有無、駐車可台数、建造物の写真等の情報が属性情報格納部93に格納されている。この属性情報のうち、大型施設、道路、交差点等の情報は、地図情報DB84に格納されている情報を使用することになる。特に、アイコンを設定しようとするときに、既に他のアイコンが存在する場合には、当該店舗に入居しているのか、或いは入居者が代わったのかを確認することができる。
ドラッグアンドドロップ記憶部94は、ドラッグしたアイコン及び地図の縮尺と、そのアイコンの属性を記憶し、また、ドロップする位置及びドロップした位置を記憶するものである。設定するアイコンが目的地または経由地であるとき、ドロップによってそれを確定するものであり、ディスプレイ3の画面上に表示される。
【0044】
また、地図拡大調整部95は、ディスプレイ3で表示されている地図の拡大表示または元に戻す縮小表示の制御を行うもので、ディスプレイ3の中心を基点として距離表示が2Km以上の表示、1Km距離表示(1/16万)、500m距離表示(1/5万)、200m距離表示(1/2万)、100m距離表示(1/1万)、50m距離表示(1/5000)、25m距離表示(1/2500)に段階的に設定できる。そこで、距離表示が200m距離表示(1/2万)を使用しているときには、100m距離表示、50m距離表示、25m距離表示と段階的に変更するものである。勿論、地図データが存在しない箇所では、変更不能な場所も存在する。また、画像データの補間によって連続変化をさせることもできる。また、市街図であっても場所によっては、50m距離表示(1/5000)、25m距離表示(1/2500)が存在しない場合がある。
そして、縮尺復元部96は、ドラッグアンドドロップするアイコンをドラッグする際の地図の縮尺に戻す機能である。
【0045】
次に、演算・制御部1が処理する本実施の形態1にかかるナビゲーション装置の制御について、ディスプレイ3の画面表示と共に説明する。
図2は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置のメインメニュー画面の説明図、図3は本実施の形態1のナビゲーション装置の各種設定画面の説明図、図4は本実施の形態1のナビゲーション装置の「アイコン列作成ルーチン」のフローチャート、図5は本実施の形態1のナビゲーション装置のアイコン列作成画面の説明図、図6は本実施の形態1のナビゲーション装置の他の実施例のアイコンスクロール画面の説明図、図7は本実施の形態1のナビゲーション装置の「目的地・経由地設定ルーチン」の前半のフローチャート、図8は後半のフローチャートである。そして、図9は本実施の形態1のナビゲーション装置の目的地・経由地設定画面の説明図、図10は本実施の形態1のナビゲーション装置のドラッグアンドドロップ動作の画面の説明図、図11は本実施の形態1のナビゲーション装置の拡大予告画面の説明図、図12は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置の拡大画面の説明図、図13は本実施の形態1のナビゲーション装置の目的地・経由地の入力画面の説明図である。
【0046】
図2は本発明の実施の形態1のナビゲーション装置は、図示しないメインプログラムの実行によってディスプレイ3にメインメニュー画面が表示されている。このメインメニュー画面から各種設定22を選択することにより、図3に示す各種設定画面が表示される。ここでアイコン列作成23を選択すると、「アイコン列作成ルーチン」のプログラムが実行される。また、目的地・経由地設定24が選択されると、「目的地・経由地設定ルーチン」のプログラムが実行される。
【0047】
図4は本実施の形態1のナビゲーション装置の「アイコン列作成ルーチン」のフローチャートであり、本ナビゲーション装置のメインプログラムの実行中にコールされる。
まず、ステップS11で図5に示すように、ディスプレイ3の最上段に1列のアイコン列31を表示する。このアイコン列31は1列に限定されるものではなく2列以上とすることもできる。しかし、使用する地図34の視界がそれだけ制限を受けるので、2列以下、好ましくは1列とするのが望ましい。
【0048】
図5に示すアイコン列31の下には、既成のアイコンとして本屋、学校、公園、神社等のアイコンが、その属性のカテゴリとして区分し、その属性を代表して本屋、学校、公園、神社等のコメント共に表示されており、スクロールによって全アイコンがアイコン表示部30に表示される。勿論、本発明を実施する場合には、全コメント付アイコンをアイコン表示部30で表示してもよい。しかし、最初に設定するユーザは、アイコンの種類及び属性の概念を熟知している者でないので、本実施の形態1では、初めての者であってもその属性の概念が把握できるように、アイコン表示部30においてスクロール部39の操作によって、全アイコンがその概念と共に表示され、アイコンとその概念が理解できるようにしている。
【0049】
ディスプレイ3の最下段には、消去キー32が設けられている。即ち、アイコン列31のアイコンを消去キー32にドラッグアンドドロップすることにより、アイコン列31の不要なアイコンを消去する(アイコン列31からアイコン表示部30に戻す)ことができる。勿論、アイコン列31の1列または2列まで飽和したときに順次消去するようにしてもよいが、本実施の形態1では、アイコン列31の使用をできるだけ少なくし、背景となる地図34の表示画面の障害にならないようにしている。ここで、形式的には、アイコン列31のアイコンを消去キー32にドラッグアンドドロップすることにより、アイコン列31の不要なアイコンが消去されるものの、消去されたアイコンはアイコン列格納部92からアイコン格納部91に移動することになる。
【0050】
ステップS12で全アイコンが表示されるアイコン表示部30から、特定のアイコンをドラッグし、ステップS13でそれをアイコン列31にドロップすると、当該アイコンがアイコン列31に移動する。即ち、ステップS14で使用頻度の高いアイコン31a,31b,31cとして順次選択すると、それをアイコン列31に並べることになる。そして、ステップS15で終了エリア33を選択すると、アイコン列31にアイコンを加える作業が終了する。ステップS15で終了エリア33を選択しないと、ステップS11からステップS15のルーチンを繰り返し実行する。
【0051】
また、ステップS12で全アイコンが表示されるアイコン表示部30から、特定のアイコンをドラッグしないで、ステップS16でアイコン列31の特定のアイコンがドラックされたと判定したとき、ステップS16でそれが判断されると、ステップS17で消去キー32にそれがドロップされたと判断したとき、ステップS18でアイコン列31から該当アイコンを消去し、ステップS19でアイコン列31から消去された該当アイコンのスペースをなくし、ステップS20で終了キー33を選択すると、アイコン列31のアイコンを消去する作業が終了する。ステップS20で終了キー33を選択しないと、ステップS11からステップS12、ステップS16からステップS20のルーチンを繰り返し実行する。
【0052】
このようにして、アイコン格納部91に格納されているアイコンは、特に使用する予定のアイコンについては、アイコン列格納部92に格納することによって、操作性の良い使用が可能になる。アイコン列格納部92には、格納するアイコン列31のアイコンが1個でも、2個以上でも良い。
【0053】
本実施の形態1のナビゲーション装置では、図4の「アイコン列作成ルーチン」を用いて、アイコン格納部91からアイコン列格納部92でアイコン列31を作成する方法について説明した。しかし、アイコン格納部91に格納されているアイコンを図6に示すように、上1列に並べ左右のスクロールによってアイコン格納部91に格納されている全アイコンを表示することもできる。
また、アイコン格納部91に格納されているアイコンを、左または右の辺に添って1列に並べ上下のスクロールによってアイコン格納部91に格納されている全アイコンを表示することもできる。そのドラッグアンドドロップについては、アイコン格納部91からアイコン列格納部92でアイコン列31を作成したものと相違しないので、その説明を省略する。
【0054】
次に、演算・制御部1が処理する本実施の形態1にかかるナビゲーション装置の制御について、ディスプレイ3の画面表示と共に説明する。
図7及び図8は本実施の形態1のナビゲーション装置の「目的地・経由地設定ルーチン」のフローチャートであり、本ナビゲーション装置のメインプログラムの実行中にコールされる。
ステップS31で現在位置を表示する。そして、ステップS32で所定の縮尺にし、またステップS33で必要に応じてスクロールして所定の縮尺の目的の地図34をディスプレイ3に表示させ、そして、ステップS34でアイコン列31をスーパーインポーズする。
【0055】
ステップS34で図9に示す画面表示となる。即ち、アイコン列31にはユーザが選択登録した本屋、学校、公園のアイコンが表示されている。ディスプレイ3には、全面の地図34の表示に対してアイコン列31がスーパーインポーズされている。図示のアイコン列31は3個のアイコンからなるが、具体的には、ユーザが登録した数のアイコンが表示される。
【0056】
ステップS35でアイコン列31から特定のアイコン、例えば、本屋のアイコンを選択すべく指先でドラッグし、それを操作者が図10に示すように、ステップS45で目的地と思う場所にドロップしようとする。即ち、ステップS35でアイコン列31に有るアイコンを選択して、ステップS45で特定の場所にドロップするドラッグアンドドロップを行う。
【0057】
更に詳しくは、ステップS35でアイコン列31から特定のアイコン、例えば、本屋のアイコンを選択すべく指先でドラッグすると、ステップS36でそのドラッグ位置及び地図34の縮尺を記憶する。ステップS37でアイコンの移動がベクトル的にディスプレイ3の左右方向(水平方向)の成分を含んでいるか否かを判断する。水平方向の成分が含まれていないとステップS40の処理に入る。また、水平方向の成分が含まれていると、ステップS38で水平方向の中心(図10の線X−X)を通過したか否かを判断し、通過するまでは停止状態とし、ステップS38で水平方向の中心(図10の線X−X)を通過したことが確認されると、ステップS39でアイコンの移動方向に対してアイコンの移動速度と同一または移動速度よりも若干遅い速度で反対方向に地図をスクロールする。
【0058】
また、ステップS40でアイコンの移動がベクトル的にディスプレイ3の上下方向(垂直方向)の成分を含んでいるか否かを判断する。この判断は、アイコンの移動がベクトル的に垂直方向の成分が存在するか否かで判断される。垂直方向の成分が含まれていないとステップS43の処理に入る。また、垂直方向の成分が含まれていると、ステップS41で垂直方向の中心(図10の線Y−Y)を通過したか否かを判断し、通過するまでは停止状態とし、ステップS41で垂直方向の中心(図10の線Y−Y)を通過したことが確認されると、ステップS42でアイコンの移動方向に対してアイコンの移動速度よりも若干遅い速度で反対方向に地図をスクロールする。即ち、ステップS37乃至ステップS42では、ドラッグしたアイコンの移動方向を判断し、左右の中心(図10の線Y−Y)及び/または上下の中心(図10の線X−X)を超えた場合には、地図側を移動させて拡大する地図の中心Zに留める。
【0059】
ステップS43でアイコンの移動が停止されると、ステップS44でアイコンの停止位置を左右の中心(図10の線Y−Y)及び上下の中心(図10の線X−X)とするようにカーソル移動し、その中心Zにアイコンを移動し、ステップS45でアイコンのドロップを判断し、ドロップがあれば、ステップS50の処理に入る。ステップS45でアイコンのドロップがないとき、即ち、図示の本屋のアイコン31aは指で移動させるとき、アイコン31aが指に隠れ、正確な位置が不明となる。また、交差路においては、操作者がどの地点を意図しているのか不明な場合がある。
【0060】
そこで、ステップS45でアイコンのドロップがないとき、ステップS46でアイコンが停止してからタイマTの経過、即ち、t秒の経過を判断し、そのt秒の経過が判断されると、ステップS47で地図の拡大率が最大限になっているか否かを判断し、最大になっていないとき、ステップS48で図11に示すように、メッセージ欄38で「アイコン位置を拡大します。」と拡大操作することを予告し、地図を1段階拡大させ、ステップS49でタイマTをクリヤし、ステップS45からのルーチンを繰り返す。ステップS45でアイコンがドロップされるとステップS50の処理に入る。
【0061】
即ち、ステップS45でアイコンのドロップが確認されず、所定時間ドロップしない状態を継続すると、その時間に応じてステップS45乃至ステップS49のルーチンの繰り返しの実行で地図の拡大率を大きくする。即ち、図12に示すように、アイコンを移動させ、停止させた位置を中心に地図を拡大し、本屋のアイコン31aを設定する正確な位置決めを行う。勿論、最初から本屋のアイコン31aをドロップする地図が最大に拡大されておれば、ステップS47でそれが判断されて地図の拡大変更がない状態でアイコンのドロップを待つことになる。
したがって、通常使用状態の500m距離表示(1/5万)、200m距離表示(1/2万)、100m距離表示(1/1万)の縮尺を使用していても、アイコンを目的地に設定する場合には、地図データとして用意されている場合には、50m距離表示(1/5000)、25m距離表示(1/2500)の地図に変更して、場所を特定した状態で設定することができる。
【0062】
ステップS50では「目的地」の設定か、「経由地」の設定かを図13に示すように選択画面表示36で行い、その入力を待つ。「経由地」が選択されるとステップS51で経由地にドロップした位置にアイコンを設定し、ステップS50で「目的地」が選択されると、ステップS52で目的地にドロップした位置にアイコンを設定する。
そして、ステップS53でステップS36で記憶した地図の縮尺に戻し、このルーチンを終了する。
[実施の形態2]
【0063】
図14は本実施の形態2のナビゲーション装置の「目的地・経由地設定ルーチン」の後半のフローチャートで、図7の実施の形態1の前半のルーチンの処理を終え、後半の動作として示したものである。図7の制御プログラムのステップS31からステップS44のルーチンは基本的に同じである。図15は本実施の形態2のナビゲーション装置の設定・キャンセルの入力画面の説明図である。
なお、実施の形態1と実施の形態2との相違点は、制御プログラムのみにあるので、ここでは相違点のみを説明する。
【0064】
ステップS44で停止位置をディスプレイ3の中心Zに移動し、ステップS145でドロップ操作を判断し、ステップS145でドロップ操作が判断されると、ステップS146でアイコンのドロップ位置に他のアイコンがあるか否かを判断する。なお、本実施の形態のアイコン位置、アイコンの重なりとは、アイコンを作成した作成エリアの範囲を基に位置が特定され、アイコンの重なりを特定するものである。したがって、図形が一致すること、アイコンの中心が一致することとは相違するが、現実には図形が一致するもの、アイコンの中心が一致するもあり得る。
アイコンのドロップ位置に他のアイコンエリアが存在する場合は、ステップS147で地図の拡大率が最大になっているか否かを判断し、地図の拡大率が最大になっていないとき、ステップS148で地図34の1段階の拡大を行い、ステップS149でアイコンのドロップ位置に他のアイコンエリアが存在するという重複が回避できたかを判断する。
【0065】
ステップS149でアイコンのドロップ位置に他のアイコンエリアが存在するという重複が回避できたとき、ステップS150で「目的地」の設定か、「経由地」の設定かを図13に示すように選択画面表示36で行い、その入力を待ち、「経由地」が選択されるとステップS151で経由地にドロップした位置にアイコンを設定し、ステップS150で「目的地」が選択されると、ステップS152で目的地にドロップした位置にアイコンを設定する。
【0066】
また、ステップS147で地図の拡大率が最大であると判断されても、ステップS153でアイコンの重複が回避できない旨のメッセージを図15のようにメッセージ欄37で「アイコンが重なりますが、設定しますか?」と表示し、「キャンセル」するか、「設定」するかの選択を操作者に意思表示させる。ステップS154で「キャンセル」が選択されたとき、ステップS155でドラッグアンドドロップをキャンセルする。しかし、ステップS154でキャンセルが選択されず、「設定」が選択された場合には、ステップS150以降の処理を行う。
【0067】
即ち、ステップS150では「目的地」の設定か、「経由地」の設定かを図13に示すように選択画面表示36で行い、その入力を待つ。「経由地」が選択されるとステップS151で経由地にドロップした位置にアイコンを設定し、ステップS150で「目的地」が選択されると、ステップS152で目的地にドロップした位置にアイコンを設定する。
そして、ステップS153でステップS36において記憶した地図の縮尺に戻し、このルーチンを終了する。
【0068】
なお、本実施の形態では、ステップS146で他のアイコンエリアと重なり合うことが示されたとき、前から存在するアイコンの属性を、属性情報格納部93から当該アイコンの属性情報、即ち、名称(屋号)、住所、電話番号、営業時間、休日等の情報を表示することもできる。このように属性情報を表示することにより、アイコンをドロップする付近の他の店舗または施設が名称変更しているのであるか否かの情報が把握でき、間違いのない設定が可能となる。更に、電話番号で存在するアイコンの情報を確認することができる。
【0069】
本実施の形態のナビゲーション装置では、ステップS48またはステップS148で地図34を1段階拡大する方法を説明したが、本発明を実施する場合、縮尺の異なる地図34の間の解像度(ピクセル/センチ)を変更することによって見せかけの縮尺を連続変更し、補間することができる。
また、本実施の形態では、ドラッグしたアイコンの移動の際に、大きく移動するものは、左右の中心(図10の線Y−Y)または上下の中心(図10の線X−X)を通過する時点でスクロールをかけてアイコンの移動停止時に違和感の少ない動作としている。しかし、ステップS37乃至ステップS42のルーチンを省略し、中心Zから拡大操作し、拡大の場合には、アイコンから指等を離してもロックされる構成とすることができる。ステップS37乃至ステップS42のルーチンを省略し、ドロップするアイコンの位置を指で運んできたアイコンを中心に拡大させてもよい。
【0070】
そして、実施の形態1及び実施の形態2のナビゲーション装置では、図4に示す「アイコン列作成ルーチン」によって使用するアイコンをアイコン格納部91に格納されている全アイコンからピックアップしてアイコン列格納部92に移動し、使用し易くしたものであるが、本発明を実施する場合には、図6に示すように、アイコン格納部91から直接ドラッグを行い、それを地図34上の所望の位置にドロップしてもよい。このとき、スクロール機能よりも、一括して全アイコン表示を行う方が効率的であるが、選択間違いが生じないようにスクロールでアイコン及びその属性のコメントが移動する構成とするのが望ましい。
【0071】
以上のように、上記実施の形態のナビゲーション装置は、ディスプレイ3に表示された属性別の複数のアイコン31a乃至31g等から、アイコン31a乃至31gのうちの特定の1個を選択し、選択した特定のアイコンをディスプレイ3に表示されている地図34上の所望位置に移動し、地図34上の位置を特定し、ドロップによって設定するステップS35及びステップS45からなるドラッグアンドドロップ部と、前記ドラッグアンドドロップ部でドロップする前に、アイコンの移動が所定時間留まったとき、その地図上に留まっている時間に応じて順次拡大地図表示を行うステップS45乃至ステップS49からなる地図拡大調整部と、前記地図拡大調整部による拡大地図表示でアイコン31a乃至31gのうちの1個がドロップされたとき、地図拡大表示前の元の地図表示に戻すステップS53からなる縮尺復元部とを具備する。
【0072】
上記実施の形態1のナビゲーション装置は、ステップS35及びステップS45からなるドラッグアンドドロップ部によって、ディスプレイ3に表示された属性別の複数のアイコン31a乃至31gから特定のアイコンを選択し、選択した特定のアイコンをディスプレイ3に表示されている地図34上の所望位置に移動し、地図34上の位置を特定し、ドロップにより設定する。このとき、ステップS35及びステップS45からなるドラッグアンドドロップ部で特定された位置にドロップすることなくステップS46で所定時間留まったことが判断されたとき、ステップS45乃至ステップS49からなる地図拡大調整部によって留まっている時間に応じて順次連続的または段階的に拡大地図表示とし、ステップS45乃至ステップS49からなる地図拡大調整部による拡大地図表示でアイコン31a乃至31gのうちの1個からなるアイコンがドロップされたとき、ステップS53からなる縮尺復元部によって地図拡大表示前の元の地図表示に戻すものである。
【0073】
したがって、アイコン31a乃至31gのうちの1個からなるアイコンをドロップする際に、隣接して施設がある場合或いは道路、交差点の選択で交差点を僅かに離れた道路の位置等を目的地または経由地とする場合、施設のアイコンまたは道路のアイコンをドラッグアンドドロップしようとすると、例えば、500m距離表示、200m距離表示、100m距離表示の地図では、明確に位置設定できない可能性がある。しかし、アイコン31a乃至31gのうちの1個からなるアイコンをドロップする前にアイコン移動を所定時間留まることにより、地図の拡大(1段以上)がなされ、所定の望ましい位置にアイコン31a乃至31gのうちの1個からなるアイコンを置くことができる。そして、アイコンをドロップした後には、それまでの地図の縮尺に戻すことができる。
【0074】
よって、アイコン31a乃至31gのうちの1個からなる特定のアイコンをドラッグアンドドロップで、例えば、目的地または経由地等として設定するとき、当該設定箇所に該当する属性の箇所と紛らわしい箇所がある場合には、アイコンのドロップ位置が定まるまで、ディスプレイ3表示している地図34を仔細な地図に縮尺変更し、目的地の設定を間違いなく行うことができる。
【0075】
上記実施の形態2のナビゲーション装置は、ディスプレイ3に表示された属性別の複数のアイコン31a乃至31g等から、特定のアイコン31a乃至31gのうちの1個を選択し、選択した特定のアイコンをディスプレイ3に表示されている地図34上の所望位置に移動し、地図34上の位置を特定し、ドロップによって設定するステップS35及びステップS145からなるドラッグアンドドロップ部と、前記ドラッグアンドドロップ部でステップS145でドロップする前に、ドロップしようとする地図34上の位置に1以上のアイコンが既に存在する場合、その存在するアイコンに重なりが生じない拡大地図表示とするステップS146乃至ステップS149からなる地図拡大設定部と、前記地図拡大設定部による前記拡大地図表示でアイコン31a乃至31gのうちの1個からなるアイコンがドロップされたとき、前記地図拡大表示前の元の地図表示に戻すステップS153からなる縮尺復元部とを具備する。
【0076】
上記実施の形態2のナビゲーション装置は、ステップS35及びステップS145からなるドラッグアンドドロップ部によって、ディスプレイ3に表示された属性別の複数のアイコン31a乃至31gから、特定のアイコンを選択し、選択した特定の前記アイコンをディスプレイ3に表示されている地図34上の所望位置に移動し、前記地図34上の位置を特定し、ドロップによって設定する。このとき、ステップS35及びステップS145からなるドラッグアンドドロップ部で特定された位置にドロップする前に、その地図34上のドロップすべき位置に1以上のアイコンが存在する場合、ステップS146乃至ステップS149からなる地図拡大設定部によって存在するアイコンとの間に重なりが生じない程度の拡大地図表示とし、前記地図拡大調整部による前記拡大地図表示でアイコン31a乃至31gのうちの1個からなるアイコンがドロップされたとき、ステップS153の縮尺復元部によって前記地図拡大表示前の元の地図表示に戻すものである。
【0077】
したがって、アイコン31a乃至31gのうちの1個からなるアイコンをドロップする際に、隣接してアイコン表示されている施設がある場合、500m距離表示、200m距離表示、100m距離表示の地図では、正確な位置設定できない可能性がある。しかし、アイコンをドロップする前に、アイコンが重ならないようにする地図の拡大(1段以上)がなされ、所定の望ましい位置にアイコンを設定することができる。そして、ステップS153でアイコンをドロップした後には、それまでの地図の縮尺に戻すことができる。
よって、アイコン31a乃至31gのうちの1個からなる特定のアイコンをドラッグアンドドロップで、例えば、目的地または経由地として設定するとき、当該設定箇所に該当する属性のアイコンと紛らわしい箇所がある場合には、アイコンのドロップ位置が定まるまで、ディスプレイ3で表示している地図34を仔細な地図に縮尺変更し、目的地の設定を間違いなく行うことができる。
【0078】
前記ステップS45乃至ステップS49からなる地図拡大調整部またはステップS146乃至ステップS149からなる地図拡大設定部における拡大地図表示は、アイコン31a乃至31gのうちの1個からなるドラッグしたアイコンの移動方向を検出し、ドロップ位置がディスプレイ3の中央Z位置となるようにスクロールをかけ、ディスプレイ3の中央Z位置を中心に拡大地図表示を行うものである。したがって、常に中心Zから地図の拡大が行われるから、地図が見やすく、かつ、その操作が扱い易くなる。
【0079】
ステップS45乃至ステップS49からなる地図拡大調整部またはステップS146乃至ステップS149からなる地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップ位置がディスプレイ3の中央Z位置となるように拡大地図表示を行うものである。したがって、アイコンのドラッグを行っても、目的位置にまで移動する間に指先から離れる可能性がある。そこで、アイコン31a乃至31gのうちの1個からなるドラッグしたアイコンは、ドロップするまで、色彩、点滅、形状の1以上を変更するものである。したがって、当該アイコンの色彩、点滅、形状の1以上が変更されるから、変更された状態はドロップ前であることは容易に操作者に訴えることができ、前記ドロップ位置がディスプレイ3の中央Z位置となるようにスクロールをかけ、その操作性をよくすることができる。
【0080】
ステップS45乃至ステップS49からなる地図拡大調整部またはステップS146乃至ステップS149からなる地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップ位置に所定時間留まったとき、その所定時間留まった位置を中心として拡大地図表示を行うものであるから、操作位置を中心に拡大でき、違和感のない操作が可能となる。
また、ステップS45乃至ステップS49からなる地図拡大調整部またはステップS146乃至ステップS149からなる地図拡大設定部における拡大地図表示は、ディスプレイ3上に拡大する旨の図11に示すようなメッセージを出力するものであるから、アイコンのドロップを行う前に、表示されている地図の拡大を行うことをメッセージすることにより、その拡大表示する必要性を操作者に理解してもらうことができる。
【0081】
本実施の形態では、ナビゲーションの目的地設定、経由地設定の事例で説明したが、本発明を実施する場合には、地図に新規にアイコンを設定し、それを登録地として記憶させ、爾後の検索に使用する場合にも使用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 演算・制御部
3 ディスプレイ
30 全アイコン表示部
31 アイコン列
7 現在地検出部
8 ナビ情報処理部
9 目的地・経由地設定記憶部
91 アイコン格納部
92 アイコン列格納部
93 属性情報格納部
94 ドラッグアンドドロップ記憶部
95 地図拡大調整部
96 縮尺復元部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイに表示された属性別の複数のアイコンから、特定のアイコンを選択し、前記選択した特定のアイコンを前記ディスプレイに表示されている地図上の所望位置に移動し、前記地図上の位置を特定し、設定するドラッグアンドドロップ部と、
前記ドラッグアンドドロップ部でドロップする前に、拡大地図表示を行う地図拡大調整部と
を具備することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ディスプレイに表示された属性別の複数のアイコンから、特定のアイコンを選択し、選択した特定の前記アイコンを前記ディスプレイに表示されている地図上の所望位置に移動し、前記地図上の位置を特定し、設定するドラッグアンドドロップ部と、
前記ドラッグアンドドロップ部でドロップする前に、ドロップしようとする位置に複数のアイコンが存在する場合、前記アイコンに重なりが生じない拡大地図表示とする地図拡大設定部と
を具備することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
更に、前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示でアイコンがドロップされたとき、地図拡大表示前の元の地図表示に戻すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドラッグした前記アイコンの移動方向を検出し、ドロップ位置が前記ディスプレイの中央位置となるようにスクロールをかけ、前記ディスプレイの中央位置を中心に拡大地図表示を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップ位置に所定時間留まったとき、当該アイコンの色彩、点滅、形状の1以上を変更し、変更した状態で前記ドロップ位置が前記ディスプレイの中央位置となるようにスクロールをかけ、前記ディスプレイの中央位置を中心に拡大地図表示を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、ドロップ位置に所定時間留まったとき、その所定時間留まった位置を中心として拡大地図表示を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記地図拡大調整部または前記地図拡大設定部における拡大地図表示は、前記ディスプレイ上に拡大する旨のメッセージを表示することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記地図拡大調整部は、特定しようとする位置に所定時間留まったとき、その地図上に留まっている時間に応じて拡大地図表示を行うことを特徴とする請求項1または請求項3乃至請求項7の何れか1つに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−236910(P2010−236910A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82593(P2009−82593)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】