説明

ナビゲーション装置

【課題】所定の時間間隔で情報提供サーバに周辺検索要求して所望の施設や情報を検索し、その結果を表示画面に表示するビゲーション装置において、ユーザが検索結果を詳細に観察できるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、現在位置と施設種別とを含む施設検索要求を情報提供サーバ200に送信し、該情報提供サーバ200から前記施設検索要求に基づいた検索結果を受信し、前記情報提供サーバ200から受信した検索結果を表示画面に表示するとともに、検索結果を記憶する記憶手段128と、車両の停車および発車を検出する車両停車判定手段123と、を備え、前記車両停車判定手段123が停車を検出した後、発車を検出した場合、前記記憶手段に記憶された前記検索結果を削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に、所望の施設や情報を検索しその結果を画面に表示する機能を備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置において、現在位置周辺や案内経路周辺の情報を取得することが行われていた。
【0003】
例えば、下記特許文献1(特開平9−33272号公報)は、探索された経路に沿って存在するガソリンスタンド等の施設情報が施設検索手段によって検索され、この検索された施設情報を表示手段に表示する経路探索表示装置を開示している。これにより、経路探索により探索された経路を表示装置に表示するだけでなく、ガソリンスタンド等のドライバが必要とする施設情報を表示することが可能となる。
【0004】
また、下記特許文献2(特開平9−72751号公報)は、ユーザの指示に基づいて検索手段が車両の位置周辺における登録地点情報を検索し、検索された登録地点の位置を地図データ上に重畳表示するナビゲーション装置及び登録地点検索方法を開示している。
【0005】
さらに、下記特許文献3(特開2002−107162号公報)は、施設の種類及び場所を示す施設データを受信する受信手段を備え、受信手段が施設、施設データ送信局、サービスセンタ等から送信されてくる施設データを受信し、受信したガソリンスタンド、レストラン、駐車場等の施設データを現在位置と共に表示することができるナビゲーション装置を開示している。
【0006】
さらに、下記特許文献4(特開2002−357432号公報)は、施設検索手段を備え、現在位置周辺に位置する施設を検索して表示手段に表示するナビゲーション装置を開示しており、これにより、車両が移動中の場合でも時々刻々現在位置の周辺の施設に関する情報を得ることができる。
【0007】
また、下記の特許文献5(特開2006−267683号公報)は、ナビゲーションでの施設検索結果の表示を、走行中か停車中かの判別結果に応じて切り替え、縮尺も変更することにより、優れた使い勝手とより一層の安全性を実現するナビゲーション装置を開示している。
【0008】
同様に、ナビゲーション装置において、目的地周辺の情報を検索して表示することも行われている。
【0009】
また、近年では、コンピュータ画面のデスクトップ上に時計機能やカレンダー機能、ニュース等を表示する小規模なアクセサリーソフトウェアを利用することが知られている。このようなアクセサリーソフトウェアはウィジェットと呼ばれている。
【0010】
ところで、こうしたウィジェット機能をナビゲーション装置に適用し、ナビゲーション装置のディスプレイをコンピュータのデスクトップに見たててウィジェット機能を使用できるようにしたものが、下記非特許文献1に開示されている。
【0011】
下記非特許文献1のナビゲーション装置は、ユーザが選択した種類に属する周辺施設を検索し、検索結果をディスプレイの地図画像上にウィジェットとして表示する。このウィジェットには検索された周辺施設の数が表示されており、車両の移動に伴ってその数はリアルタイムに変化する。すなわち、ウィジェットを常時あるいは定期的に動作させることで、リアルタイムに施設や施設の情報を取得でき、リアルタイムの情報を表示することができる。ユーザが画面上に表示されたウィジェットを選択すると、地図とウィジェットに関連付けられた情報をリスト表示して詳細情報を提供する。例えば、現在位置周辺のガソリンスタンドを価格の安い順に表示したり、レストランを人気の高い順に表示したりする。
【0012】
なお、以下の説明では、ウィジェット機能とは、検索基準地点周辺で、且つ、ユーザにより選択・設定された施設の種別に該当する施設の情報を定期的に取得・検索し、取得・検索した情報を表示するアクセサリーソフトウェアとして説明を行う。
【0013】
また、ウィジェット機能を用いて取得・検索した情報は画像表示されるが、以下の説明では、この画像をウィジェット画像と称する。ウィジェット画像は各種の情報処理機器でもちいられるアイコン画像に類似した画像である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平9−33272号公報
【特許文献2】特開平9−72751号公報
【特許文献3】特開2002−107162号公報
【特許文献4】特開2002−357432号公報
【特許文献5】特開2006−267683号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】http://pioneer.jp/press/2009/0507-2.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
一般に車載用のナビゲーション装置においては、装置内に記憶した地図情報や施設情報を用いて経路探索や、ガソリンスタンドや駐車場などの所望の施設の検索(周辺検索と呼ばれる)を行うように構成されている。このため最新の情報を用いた経路探索や周辺検索を行うためには、ユーザはナビゲーション装置に記憶してある地図情報や施設情報を更新する必要がある。
【0017】
また、ナビゲーション装置における周辺検索は、ユーザの必要に応じて現在位置周辺や目的地周辺、あるいは表示手段に表示した地図の範囲内にある所望の施設を検索してユーザの利便性(目的地の設定など)に応えるためのものであり、検索処理は検索要求の都度独立したものであって、車両の移動に伴って連続的に検索処理が行われるものではない。
【0018】
一方、最近ではインターネットなどの利用技術の発展、通信料金の低額化が進み、車載用のナビゲーション装置においても各種の情報提供サーバを利用できるように通信手段を備えた装置が提供されている。このようなナビゲーション装置においては、情報提供サーバが有する最新の情報、例えば施設データを利用して周辺検索を行いその結果を取得することができる。
【0019】
このようなナビゲーション装置においては、車両の走行に応じて変動する現在位置に応じて所定の時間間隔、例えば、5分毎、10分毎に、現在位置周辺のユーザが所望する施設検索の結果を情報提供サーバから継続して取得することができる。このためには、ナビゲーション装置に所定の時間間隔で情報提供サーバに周辺検索の要求を送信し、受信した結果を保存、表示するアクセサリーソフトウェアを備え、周辺検索を利用する際にはこのアクセサリーソフトウェアを常時起動しておくことが必要になる。上記の非特許文献1に示されるナビゲーション装置はこのような構成の装置である。
【0020】
周辺検索要求にあたっては周辺検索のウィジェット機能が起動(アクセサリーソフトウェアが起動)され、周辺検索の検索条件が情報提供サーバに所定の時間間隔で送信される。その際、ユーザが検索したい施設の種別(駐車場やガソリンスタンドなどの施設カテゴリ)を設定し検索条件とすること、また、車両の現在位置を周辺検索の基準地点として検索条件とすることが必要である。ユーザが設定した施設の種別は周辺検索の要求の都度、情報提供サーバに送信してもよく、最初の周辺検索要求時にのみ情報提供サーバに送信してもよい。ユーザが検索対象とする施設の種別を変更した時には、検索条件の変更としてユーザが変更した施設種別の情報が検索要求に付加される。検索条件とする施設種別は1つに限らず、ユーザが所望するいくつかの施設種別を同時に設定することができる。
【0021】
ところで、周辺検索のウィジェット機能を起動して、所定の時間間隔で情報提供サーバから取得した周辺検索の結果はナビゲーション装置に一時保存され、表示手段に地図画像を表示するとともに、地図画像上に車両の現在位置マークと検索された施設の施設位置に当該施設を示すマークとが表示され、施設種別や検索された施設数などがウィジェット画像を用いて表示手段の所定の表示位置に表示される。所定の時間が経過して新たな検索結果が情報提供サーバから送られて来ると、先に保存してあった検索結果に上書き更新される。上書きを行なう理由としては、ナビゲーション装置の記憶容量は限られており、古い情報は削除しなければならない。そのため、新たな検索結果の受信した際に、古い検索結果を削除し、新たな検索結果を記憶することが行なわれる。
【0022】
この時、ユーザ(車両)は走行中であるから、表示された検索結果(施設位置やウィジェット画像)をおおまかに視認することはできるが、詳細に観察することができないまま新たな検索結果に更新されてしまい、車両を停車して検索結果を詳細に観察しようとくした時には、先に表示された検索結果が失われていて、観察できないという不都合が生じる。
【0023】
本願の発明者は、このような問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、所定の時間間隔で情報提供サーバから取得した周辺検索の結果を一時保存する際に、車両の停車および発車とその間の停車継続時間を検出し、周辺検索の結果を観察するに十分と判断される停車継続時間の停車を検出した時に、それまでに保存した周辺検索の結果を破棄して、最新の周辺探索結果に更新するようになせば上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0024】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、所定の時間間隔で情報提供サーバに周辺検索要求して所望の施設や情報を検索し、その結果を受信して一時保存し、地図画像上に検索結果を表示するとともにウィジェット画像として画面に表示するナビゲーション装置において、ユーザが検索結果を詳細に観察することができるようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
現在位置と施設種別とを含む施設検索要求を情報提供サーバに送信し、該情報提供サーバから前記施設検索要求に基づいた検索結果を受信する、及び/又は、前記現在位置に基づいた所定範囲内で前記施設種別に該当する情報を検索することにより検索結果を求めるナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、前記検索結果を記憶する記憶手段と、車両の停車及び発車を検出する車両停車判定手段と、を備え、
前記車両停車判定手段が停車を検出した後、発車を検出した場合、前記記憶手段に記憶された前記検索結果を削除することを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記車両停車判定手段は、停車を検出してから発車を検出するまでの停車継続時間を検出し、前記車両停車判定手段が検出した前記停車継続時間が所定の時間を超えていた場合、記記憶手段に記憶された前記検索結果を削除することを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1又は請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置は、前記検索結果を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記車両停車判定手段の検出結果に応じて、前記表示手段に表示させる前記検索結果を異ならせることを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項3にかかるナビゲーション装置において、前記記憶手段に記憶された前記検索結果のうち、前記記憶手段に最後に記憶された前記検索結果のみ削除されないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
請求項1にかかる発明においては、現在位置と施設種別とを含む施設検索要求を情報提供サーバに送信し、該情報提供サーバから前記施設検索要求に基づいた検索結果を受信する、及び/又は、前記現在位置に基づいた所定範囲内で前記施設種別に該当する情報を検索することにより検索結果を求めるナビゲーション装置であって、前記ナビゲーション装置は、前記検索結果を記憶する記憶手段と、車両の停車及び発車を検出する車両停車判定手段と、を備え、前記車両停車判定手段が停車を検出した後、発車を検出した場合、前記記憶手段に記憶された前記検索結果を削除する。
【0030】
かかる構成によれば、ユーザが車両を停車させた後、発車を検出した場合には、車両を停車した状態で安全に表示された検索結果を十分に観察できるから、記憶手段に記憶した最新の検索結果を削除することにより、記憶手段の記憶領域を効率よく利用することができる。
【0031】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記車両停車判定手段は、停車を検出してから発車を検出するまでの停車継続時間を検出し、前記車両停車判定手段が検出した前記停車継続時間が所定の時間を超えていた場合、記記憶手段に記憶された前記検索結果を削除する。
【0032】
かかる構成によれば、ユーザが車両を停車させて表示された検索結果を観察するに際して、車両の停車継続時間が観察に十分な時間である場合には、車両を停車した状態で安全に表示された検索結果を十分に観察できるから、記憶手段に記憶した最新の検索結果を削除することにより、記憶手段の記憶領域を効率よく利用することができる。
【0033】
請求項3にかかる発明においては、請求項1又は請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記ナビゲーション装置は、前記検索結果を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記車両停車判定手段の検出結果に応じて、前記表示手段に表示させる前記検索結果を異ならせる。
【0034】
かかる構成によれば、車両走行中と停車中で表示する検索結果を異ならせるため、車両を停車した状態であれば、過去の検索結果なども安全に観察できるようになる。
【0035】
請求項4にかかる発明においては、請求項1〜3の何れかにかかるナビゲーション装置において、前記記憶手段に記憶された前記検索結果のうち、前記記憶手段に最後に記憶された前記検索結果のみ削除されない。かかる構成によれば、最新の検索結果のみを記憶手段に保存できるから、ユーザによる検索結果の観察を妨げることなく、記憶手段の記憶領域を効率よく利用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置を含むナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】表示入力手段に表示される現在位置周辺の地図表示画面を示す図である。
【図3】表示入力手段に表示されるメニュー設定画面を示す図である。
【図4】表示入力手段に表示されるウィジェット設定画面を示す図である。
【図5】表示入力手段に表示される周辺検索結果の表示画面を示す図である。
【図6】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示して説明するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなくその他のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0038】
図1を参照して、本発明の実施例にかかるナビゲーションシステム10とその構成について説明する。図1は、本実施例に係るナビゲーションシステム10のブロック構成図である。ナビゲーションシステム10は、ナビゲーション装置100とネットワークによって接続された情報提供サーバ200を備えて構成される。
【0039】
ナビゲーション装置100は、制御手段110、通信手段120、現在位置検出手段121、ウィジェット設定手段122、車両停車判定手段123、施設検索要求手段124、表示入力手段125、表示制御手段126、経路探索手段127、記憶手段128、地図記憶手段129を備えて構成される。
【0040】
ナビゲーション装置100は、所定の時間間隔、例えば、5分毎、10分毎に、現在位置周辺の施設検索の結果を情報提供サーバ200から継続して取得する周辺検索のウィジェット機能を備えている。
【0041】
周辺検索のウィジェット機能は、ナビゲーション装置100のメニュー画面においてユーザがウィジェット設定を選択し、周辺検索の対象にする所望の施設種別を設定すると起動される。ウィジェット機能が起動されると、施設検索要求手段124によって、ユーザが選択した施設の種別を検索条件とした施設検索要求が情報提供サーバ200に所定の時間間隔で送信され、その結果を受信する。周辺検索の基準地点は車両の現在位置である。従って、施設検索要求には現在位置検出手段121で検出した車両の現在位置が含まれる。ユーザの終了操作によりウィジェット機能は終了する。なお、ウィジェット機能の開始、終了をナビゲーション装置の電源オン・オフに連動するように構成してもよい。
【0042】
制御手段110は、CPU111、ROM112、RAM113を備えて構成されており、ROM112又はRAM113に記憶されている制御プログラムをCPU111において実行することにより、下記に説明するナビゲーション装置100の各部の動作を制御・統括する。
【0043】
通信手段120は、情報提供サーバ200に無線ネットワークを介して接続し、下記に説明する施設検索要求を情報提供サーバ200に送信したり、情報提供サーバ200における検索結果を受信したりするためのものである。
【0044】
現在位置検出手段121は、GPS信号受信手段(図示せず)や自律航法手段(図示せず)を備えており、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、或いは車速センサ等の出力を測定して現在位置を算出するものである。
【0045】
ユーザがメニュー画面においてウィジェット設定を選択すると、ウィジェット設定手段122は、複数のウィジェット設定項目の一覧を表示するウィジェット設定画面を表示入力手段125に表示させるように表示制御手段126に指示を送る。また、ウィジェット設定手段122は、ユーザがウィジェット設定項目の中から選択・設定した施設の種別を、記憶手段128に記憶させ、記憶した施設の種別をウィジェット機能において処理の対象とする。
【0046】
車両停車判定手段123は、車両の停車および発車を検出し、停車から発車までの時間を計数し、車両の停車継続時間を算出する。この停車の検出は、例えば、現在位置検出手段121に含まれる加速度センサ、ジャイロセンサ、車速センサ(図示せず)などの各種センサの出力を用いて車両が停車しているか否かを判定することができる。すなわち、加速度センサ、ジャイロセンサの出力が所定の値より小さい場合、又は、車速センサの出力が0の場合などに停車と判定する。また、その他にも、エンジンのON、OFFを検出し、エンジンOFFを検出すると、停車と判定してもよい。
【0047】
そして、停車を検出した後、加速度センサ、ジャイロセンサの出力が所定の値より大きくなった場合、又は、車速センサの出力が所定の値より大きくなった場合などに車両が発車したと判定することができる。
【0048】
停車から発車までの時間(停車継続時間)は、停車を検出した時点で、タイマをリセットし、車両停車後の経過時間の計数を開始し、発車を検出した時点のタイマを参照することで、算出することができる。また、停車を検出した時点の時刻を記憶しておき、発車を検出した時点の時刻から停車を検出した時点の時刻を差し引くことで、停車継続時間を算出することができる。
【0049】
施設検索要求手段124は、ユーザにより選択された施設の種別(ガソリンスタンド、駐車場、宿泊施設等の種別)と、現在位置又は目的地点等の検索基準地点とを検索条件として施設検索要求を、通信手段120を介して情報提供サーバ200に対して行う。
【0050】
表示入力手段125は、液晶表示パネルとその表面に設けられたタッチパネル式入力装置から構成されており、表示制御手段126によって作成された地図表示画面、経路案内画面、ウィジェット設定画面等を表示するとともに、ユーザの選択入力を受け付けるものである。なお、表示入力手段125は、本発明における操作入力手段及び表示手段に対応するものである。
【0051】
表示制御手段126は、地図記憶手段129に記憶されている地図画像を表示入力手段125に表示できるように変換した地図表示画面を作成したり、地図画像と経路探索手段127によって探索された案内経路とを重ね合わせて表示入力手段125に表示するための経路案内画面を作成したりする。また、複数のウィジェット設定項目をメニュー形式に表示するウィジェット設定画面を作成する。さらに、ウィジェット画像(検索結果を示すアイコンのように設計された画像)と経路案内画面又は地図表示画面とを重ね合わせたウィジェット表示画面を作成する。
【0052】
経路探索手段127は、出発地点又は現在位置検出手段121によって検出された現在位置から表示入力手段125を用いてユーザが設定した目的地点に至る最適な案内経路を、地図記憶手段129に記憶されている地図情報を参照して探索する。
【0053】
経路探索手段127は、現在位置又は出発地点に対応する道路ノードから目的地点に対応する道路ノードまでに至るリンクとデータをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)又は総所要時間等が最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供する。
【0054】
記憶手段128は、現在位置検出手段121によって検出された現在位置、ユーザによって設定された目的地、ユーザによってウィジェット設定項目の中から選択・設定された施設の種別、施設検索要求手段124による施設検索要求に対する情報提供サーバ200からの検索結果、経路探索手段127によって探索された案内経路等を記憶する。
【0055】
本発明にかかるナビゲーション装置100においては、情報提供サーバ200から受信する検索結果の更新を車両の停車判定の結果に基づいて行う。すなわち、車両停車判定手段123により、車両の停車、発進を検出し、停車から発進までの時間を計数して車両の停車継続時間を算出し、停車継続時間が所定の時間を満たしていれば、古い検索結果を削除して最新の検索結果に更新し、停車継続時間が所定の時間に達していない、或いは、停車していない場合、それまでに情報提供サーバ200から受信した古い検索結果も記憶しておく。この古い検索結果は、例えば、ユーザが当該古い検索結果の確認を選択した場合にこれを表示できるようにする。
【0056】
記憶する検索結果の数は任意であり、何回か前までに受信した複数の検索結果を記憶してもよいし、直前に受信した検索結果のみであってもよい。一般的にはユーザが、走行中に表示された検索結果を外観してその詳細を十分に観察したいと所望した時には、安全のため車両を停車可能な地点まで走行させ、停車した上で表示された情報を観察するという行動をとることが自然であるから、この場合には、直前の検索結果が記憶されていれば十分であり、記憶領域も最小で済ませることができる。
【0057】
このようにして情報提供サーバ200から所定の時間間隔で受信する検索結果の更新を行えば、車両走行中に検索結果を十分確認できなかった場合でも、車両を停車させた時に改めて検索結果を確認することができるようになる。また、検索結果を記憶する記憶手段128の記憶領域を効率よく利用することができる。この手順の詳細については後にフローチャートを参照して詳述する。
【0058】
地図記憶手段129は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータとを含む地図情報を記憶する。道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データ及び案内地点の位置座標が記憶される。
【0059】
また、道路リンクデータには、始点及び終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。道路種別とは、高架道路と高架下道路との別、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0060】
さらに、地図記憶手段129には、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、駐車場をはじめとする施設位置、施設形状、施設種別、施設名称を含む施設データからなる背景データが記憶されている。
【0061】
さらに、地図記憶手段129には、車両の走行路や目的地までの案内経路、目的地までの走行距離、走行時間を示すための地図情報が記憶される。
【0062】
情報提供サーバ200は、制御手段210、通信手段220、施設検索手段221、施設情報DB222を備えて構成される。
【0063】
制御手段210は、CPU211、ROM212、RAM213を備えて構成されており、ROM212又はRAM213に記憶されている制御プログラムをCPU211において実行することにより、下記に説明する情報提供サーバ200の各部の動作を制御・統括する。
【0064】
通信手段220は、少なくとも一つのナビゲーション装置100と無線ネットワークを介して接続し、ナビゲーション装置100から送信されてきた施設検索要求を受信したり、それに対する検索結果をナビゲーション装置100に送信したりするためのものである。
【0065】
施設検索手段221は、ナビゲーション装置100から通信手段220を介して施設検索要求を受信した際に、施設検索要求に含まれる検索条件に基づいて施設情報DB222を参照して施設検索を行うものである。そして、検索結果は通信手段220を介して検索要求を行ったナビゲーション装置100に送信される。
【0066】
施設情報DB222は、各種の施設の情報が記憶保持される。施設の情報には例えば、飲食店やガソリンスタンドや宿泊施設、テーマパークやイベント情報、駐車場等が含まれ、それら店舗やイベント、駐車場の位置情報、名称、営業時間、開催期間、ガソリンスタンドの場合には価格、駐車場の場合には空き情報等が含まれている。この施設の情報は、適宜に更新したり、追加したりすることが可能である。なお、各地の天気等の情報を施設情報DB222に含まれるようにしてもよい。
【0067】
まず、ナビゲーション装置100は、現在位置検出手段121によって現在位置を検出する。検出された現在位置に基づいて、制御手段110は地図記憶手段129から現在位置を中心とする所定範囲の地図画像を取得し、表示制御手段126がそれらの地図画像を所定の形式に変換し、表示入力手段125に表示する。この現在位置の地図表示を行っているのが図2である。図2は、表示入力手段125に表示される現在位置周辺の地図表示画面を示す。
【0068】
地図表示画面は、地図表示領域310とその下端部分に設けられた現在時刻表示領域330、現在位置表示領域331から構成される。地図表示領域310には、現在位置マーク311とメニューアイコン320が地図上に表示され、現在位置マーク311を中心として所定縮尺及び所定範囲の地図画像が表示されている。
【0069】
ここで、ユーザがメニューアイコン320に触れるか手指を接近させること等によりメニューアイコン320を選択すると、記憶手段128に記憶されているメニュー設定項目を参照し、表示制御手段126が図3に示すメニュー設定画面340を表示入力手段125に表示する。メニュー設定画面340は、画面の大部分の領域を占めるメニュー表示領域と、その下端部分に設けられた現在時刻表示領域(図示せず)と現在位置表示領域331から構成される。
【0070】
メニュー表示領域は、上部に直前の表示画面を表示するための「戻る」アイコン399が設けられている。また、メニュー表示領域は、複数のメニュー設定アイコン341〜345を備える。図3では二つのメニュー設定アイコン341、342だけが具体的に表示されている。第1のアイコン341は「目的地」アイコンであり、第2のアイコンは「ウィジェット設定アイコン」である。第1のアイコン341を選択すると、目的地点の設定を行うことができる。
【0071】
ユーザが第2のアイコンである「ウィジェット設定アイコン」342を選択するとウィジェット設定手段122は記憶手段128に記憶されているウィジェット設定項目に基づいてウィジェット設定画面の表示を指示し、表示制御手段126は図4に示すようなウィジェット設定画面350を表示入力手段125に表示する。
【0072】
図4は、表示入力手段125に表示されるウィジェット設定画面350を示す。ウィジェット設定画面350は、画面の大部分の領域を占めるウィジェット設定表示領域と、その下端部に設けられた現在時刻表示領域330と現在位置表示領域331から構成される。
【0073】
ウィジェット設定表示領域は、複数のウィジェット設定項目アイコン351〜360を備えている。図4では、六つのウィジェット設定項目アイコン351〜356が具体的に表示されている。第1のアイコン351は「駐車場」、第2のアイコン352は「ガソリンスタンド」、第3のアイコン353は「宿泊」、第4のアイコン354は「観光情報」、第5のアイコン355は「天気」、第6のアイコン356は「グルメ」がそれぞれ割り当てられている。また、上部に直前の表示画面を表示するための「戻る」アイコン399が設けられている。なお、ウィジェット設定項目アイコン351〜356は施設の種別に対応しており、ウィジェット設定項目アイコンが選択されると、選択されたウィジェット設定項目アイコンに対応した施設の種別が選択される。なお、本実施例では、天気や観光情報なども施設の種別の1つとして説明を行う。
【0074】
表示されたウィジェット設定画面350を用いて表示入力手段125からのユーザによる入力を受け付け、ウィジェット設定手段122はユーザがウィジェット設定項目アイコン351〜360を選択したと判定される場合、ウィジェット設定手段122は選択されたウィジェット設定項目に対応する施設の種別を記憶手段128に記憶し、ウィジェット機能において処理の対象とし、周辺検索のウィジェット機能が起動される。これにより施設検索要求手段124は、所定の時間間隔で現在位置と設定された施設種別とを検索条件として施設検索要求を通信手段120を介して情報提供サーバ200に送信する。
【0075】
情報提供サーバ200は、ナビゲーション装置100からの施設検索要求を受信すると、施設検索手段221が受信した施設検索要求に含まれる検索条件に基づいて施設情報DB222を参照し、車両の現在位置を中心とする所定の範囲内の該当施設を検索する。ユーザが選択した施設の種別が、例えば、図4に示すように「駐車場」である場合は、車両の現在位置を中心に所定の範囲内の駐車場が検索され、検索された駐車場の数や位置情報を含む検索結果が通信手段220を介してナビゲーション装置100に送信される。所定の範囲とは、例えば、現在位置を中心とする半径5Km以内の範囲である。この範囲は予めシステムにより設定された値によってもよいし、ユーザが検索条件の1要素として指定できるようにしてもよい。
【0076】
ナビゲーション装置100は、情報提供サーバ200から検索結果を受信すると、検索結果を記憶手段128に記憶する。表示制御手段126は、記憶手段128から検索結果を読出して、図2に示した現在位置周辺の地図画像上に検索結果をあわせ、図5に示す表示画面のように表示する。この表示画面は、図2の表示画面と同様に、地図表示領域310とその下端部に設けられた現在時刻表示領域330、現在位置表示領域331から構成される。そして、地図表示領域310には、車両の現在位置(現在位置マーク311)を中心とする地図画像が表示されるとともに、検索された各施設の位置を表す位置表示アイコン(バルーン画像)325が表示した地図画像上に重ね合わせて表示される。
【0077】
この表示画面には、更に、ウィジェット画像321が所定の表示位置(例えば、図5においては、地図表示領域310の右下の表示位置)に表示される。ウィジェット画像は一般的なアイコン画像のようにユーザが選択した施設の種別と検索された該当施設の数を示す画像である。ユーザは地図画像上に表示された位置表示アイコン325を観察することで、現在位置周辺の施設位置を知ることができ、また、ウィジェット画像321を観察することで現在位置周辺の施設数を知ることができる。
【0078】
また、ユーザが表示された位置表示アイコン325を選択すると、選択された施設に関する詳細情報を表示させることができる。詳細情報とは、例えば、施設の種別が駐車場にあっては屋内駐車場、屋外駐車場の別、駐車料金などの情報、グルメにあっては、営業時間、駐車場の有無、和食、洋食の別や勧めメニューなどの情報である。その際、選択された位置表示アイコン325に該当する施設のみならず、位置が近い施設の上位の所定数の施設の詳細情報を一覧リスト形式で表示してもよい。なお、ユーザがメニューアイコン320を操作し、ウィジェット設定を選択して終了処理を選択するとウィジェット機能は終了する。
【0079】
なお、以上の説明はウィジェット機能を用いた周辺検索において、ユーザが検索する施設の種別として駐車場を指定した場合であるが、選択できる施設の種別を1つに限るシステムとすることもできるが、複数の施設種別を選択できるようにすることもできる。その場合、ウィジェット画像を選択された施設種別に対応して複数表示することで、ユーザが各種別の施設検索結果を概観できるようにすればよい。図5に示す表示画面は駐車場とグルメが選択された場合を示している。地図画像上に表示する位置表示アイコン325は、ユーザが複数選択した施設種別に優先度を指定するようにしておき、ユーザが最も優先度を高くした施設種別に該当する施設位置について表示させるようにすれば、表示画面に各種別の施設位置が混在して表示されることがない。もちろん、位置表示アイコン325の表示色を変えるなどして、複数の種別の施設位置を同時に表示するようにしてもよい。
【0080】
このような構成により、ユーザが車両を停車させて表示された検索結果を観察するに際して、車両の停車継続時間が観察に十分な時間である場合には、記憶手段に記憶した最新の検索結果のみを残して更新し、そうでない場合にはそのまま古い検索結果も更新保存されるから、ユーザが所望の検索結果を詳細に観察することができるようになる。
【0081】
次に、情報提供サーバ200から所定の時間間隔で受信する検索結果を記憶手段128に記憶する際の更新の制御を含むナビゲーション装置100の処理手順について図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図6に示すフローチャートは、検索する施設の種別が選択され(図4参照)、周辺検索のウィジェット機能が起動された状態における処理手順である。
【0082】
先ず、ナビゲーション装置100は、図示しないタイマの初期値tを「0」にクリアして(ステップS101)、時間の計数を開始する。このタイマは、所定の時間間隔で、施設検索要求手段124が施設検索要求を、通信手段120を介して情報提供サーバ200に対して行なうためのタイマである。
【0083】
次いで、現在位置検出手段121は車両の現在位置を検出し(ステップS102)、施設検索要求手段124は、タイマが計数した時間tが所定の時間Tに達したか否かを判別する(ステップS103)。ここで、時間「T」は、ナビゲーション装置100が情報提供サーバ200に施設検索要求を送信する時間間隔を示す値であり、システムによって予め定められた時間であってもよいし、ユーザが指定してもよい。時間Tに達していなければ(ステップS103のNO)、ステップS102に戻り、現在位置検出手段121が現在位置を検出する。
【0084】
時間Tに達していた場合(ステップS103のYES)、施設検索要求手段124は、検索範囲の条件を特定する(ステップS104)。検索範囲の条件とは、例えば、検索基準地点(本実施例における現在位置)を中心とした円形の検索範囲の半径距離である。この半径距離は、ユーザにより入力されてもよいし、予め定められていてもよい。なお、検索範囲は、円形に限らず、例えば、矩形でもよい。
【0085】
その後、施設検索要求手段124は、通信手段120を介して、ステップS102で検出された現在位置と、ウィジェット設定画面により選択された施設の種別(図4参照)と、検索範囲或いは検索範囲の条件とを検索条件として情報提供サーバ200に送信し、施設検索要求を行う(ステップS104)。情報提供サーバ200は、施設検索要求に基づいて検索条件に該当する施設を検索し、検索結果をナビゲーション装置100に送信する。検索結果は、検索により得られた各施設の位置(緯度・経度)、施設名称、当該施設の詳細情報などの施設情報である。
【0086】
ナビゲーション装置100は、情報提供サーバ200から検索結果を受信する(ステップS106)と、表示画面に表示された車両の現在位置を中心とする地図画像上に、検索された各施設の位置を表す位置表示アイコンを重ね合わせて表示する(図5参照)(ステップS107)。そして検索結果である施設情報は記憶手段128に一時保存(記憶)される(ステップS108)。
【0087】
ここで、記憶手段128は、所定の時間間隔で情報提供サーバ200から受信する検索結果を複数回分(最新の検索結果と、それ以前に受信した数回分の検索結果)を記憶するように構成されている。さらに、記憶手段128の検索結果を記憶する領域を複数回分連続領域として区画し、ファースイン・ファーストアウトの記憶方式を用いることで、常に最新の検索結果を所定の記憶領域に記憶するようにできる。ここでは、説明を簡単化するため、最新の検索結果と、その1回前の検索結果を記憶する場合を例に説明する。この場合、記憶領域は2回分に区分し、常に、古い検索結果を一方に記憶して、他方に最新の検索結果を記憶するようにしてもよいし、検索結果を受信する都度、2つの記憶領域に交互に最新の検索結果を記憶するようにしてもよい。
【0088】
次いで、車両停車判定手段123は、車両が停車したか否かを判定する(ステップ109)。車両停車の判定は、車両のエンジンの停止や車速センサ、加速度センサあるいはジャイロの出力信号を処理して検出することができる。車両の停車が判定されなければ(ステップS109のNO)、ステップS101の処理に戻る。停車が判定されると(ステップS109のYES)、ステップS107の処理で表示した検索結果の簡易表示(位置表示アイコン表示)において特定の施設が選択された場合、その詳細表示に表示画面を遷移する(ステップS110)。なお、ステップS110の処理は、施設選択がされていない場合は簡易表示のままとしてもよく、施設選択の有無にかかわらず、詳細表示に遷移してもよい。
【0089】
また、ステップS107の処理で表示される検索結果は、ステップS106の処理において受信した検索結果、すなわち、最新の検索結果であるが、ステップS109の処理において、停車が判定されると、ステップS110の処理において、記憶手段128に記憶されている検索結果、すなわち、古い検索結果も併せて表示するようにしてもよい。その際、最新の検索結果と古い検索結果に同一の施設がある場合には、当該施設は最新の検索結果が表示されることが好ましい。
【0090】
次いで、車両停車判定手段123は、タイマをリセット(tを0にクリア)し(ステップS111)、車両停車後の経過時間の計数を開始する。この計数は車両停車判定手段123が車両の発車を検出するまで継続される(ステップS112)。従って、この間にタイマが計数する時間は、車両の停車継続時間である。車両の発車は、車両のエンジンの起動や車速センサ、加速度センサあるいはジャイロの出力信号を処理して所定の値を超えた出力が検出されたことを持って検出することができる。また、ステップS111で用いるタイマは、車両の停車継続時間を計数するためのタイマであるため、上記、ステップS101で用いるタイマとは別のタイマであることが好ましい。
【0091】
ステップS112の処理で車両の発車が検出される(ステップS112のYES)と、計数された時間t(停車継続時間)が所定の値mを超えたか否かが判定される(ステップS113)。所定の値とは、ユーザが表示された検索結果を十分に観察できる時間であり、例えば、5分等の値を予めシステムで設定しておくこともできるし、ユーザが所望の値を設定できるようにしてもよい。また、ステップS110で、古い検索結果と最新の検索結果を併せて表示する場合、古い検索結果の数などに応じて、所定の値が決定されてもよい。
【0092】
計数された停車継続時間tがこの所定の時間mを超えていなければ(ステップS113のNO)、処理はステップS101に戻る。この場合、記憶手段128に記憶された検索結果は削除されることはないから、過去に情報提供サーバ200から受信した古い検索結果も保存されており、ユーザが所望の時点の検索結果を観察したい場合には、該当する時点の検索結果を選択して表示させることができる。
【0093】
一方、計数された停車継続時間tがこの所定の時間mを超えていれば(ステップS113のYES)、ユーザは表示された検索結果を十分に観察できたものとして、記憶手段128に記憶された検索結果の情報のうち、最後に情報提供サーバ200から受信した検索結果(最新の検索結果)のみを残し、他(最新の検索結果より以前に受信した検索結果)を削除する。
【0094】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるナビゲーション装置によれば、車両の停車および発車とその間の停車継続時間を検出し、周辺検索の結果を観察するに十分と判断される停車継続時間の停車を検出した時に、それまでに保存した周辺検索の結果を破棄して、最新の周辺探索結果に更新するので、ユーザは車両を停車させて検索結果を観察するに際して、目的の検索結果が失われることなく観察することができるようになる。
【0095】
なお、以上の説明では、情報提供サーバ200が周辺施設検索を行い、検索結果をナビゲーション装置100に送信する例を示したが、地図記憶手段129に記憶された施設データに基づき、ナビゲーション装置100が周辺施設検索を行うようにしてもよい。また、例えば、地図記憶手段129を参照し、現在位置がトンネル内など、通信が行えない位置である場合などに、ナビゲーション装置100が検索し、通信ができる位置であれば周辺施設検索は情報提供サーバ200にさせるようにすることが好ましい
また、計数された停車継続時間tがこの所定の時間mを超えていた場合であっても、停車中に、ユーザが検索結果に含まれる施設を目的地などに設定した場合は、当該施設の情報(検索結果)は削除されないことが好ましい。
【符号の説明】
【0096】
100 ナビゲーション装置
110 制御手段
120 通信手段
121 現在位置検出手段
122 ウィジェット設定手段
123 車両停車判定手段
124 施設検索要求手段
125 表示入力手段
126 表示制御手段
127 経路探索手段
128 記憶手段
129 地図記憶手段
200 情報提供サーバ
210 制御手段
221 施設検索手段
222 施設情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置と施設種別とを含む施設検索要求を情報提供サーバに送信し、該情報提供サーバから前記施設検索要求に基づいた検索結果を受信する、及び/又は、前記現在位置に基づいた所定範囲内で前記施設種別に該当する情報を検索することにより検索結果を求めるナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、前記検索結果を記憶する記憶手段と、車両の停車及び発車を検出する車両停車判定手段と、を備え、
前記車両停車判定手段が停車を検出した後、発車を検出した場合、前記記憶手段に記憶された前記検索結果を削除することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記車両停車判定手段は、停車を検出してから発車を検出するまでの停車継続時間を検出し、前記車両停車判定手段が検出した前記停車継続時間が所定の時間を超えていた場合、記記憶手段に記憶された前記検索結果を削除することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、前記検索結果を表示手段に表示させる表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記車両停車判定手段の検出結果に応じて、前記表示手段に表示させる前記検索結果を異ならせることを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された前記検索結果のうち、前記記憶手段に最後に記憶された前記検索結果のみ削除されないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−179867(P2011−179867A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42221(P2010−42221)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】