説明

ナビゲーション装置

【課題】ソーラーシステムを有効活用できるルートを探索可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】目的地を入力してルート探索を可能としたナビゲーション装置1において、前記目的地までのルート設定が想定される地域の天候予測情報WDを取得し、前記天候予測情報WDに基づいて晴天率が高くなるエコロジールートを設定可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地の入力によりルート探索を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地の入力によりルート探索を行うナビゲーションシステムにおいて、所望の施設を検索して目的地として設定する際に、ユーザーが適切な施設を選択することができるように、検索した施設への到着予想時刻における気象情報を出力するナビゲーションシステムが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−279359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年増加しているソーラーシステム搭載車両において、ソーラーシステムの活用度を高めるためには適切なルートを選択することが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ソーラーシステムを有効活用できるルートを探索可能なナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、目的地を入力してルート探索を可能としたナビゲーション装置において、前記目的地までのルート設定が想定される地域の天候予測情報を取得し、前記天候予測情報に基づいて晴天率が高くなるエコロジールートを設定可能としたことを特徴とする。例えばソーラーシステム搭載車両であれば環境負荷の低いルートを選択することが可能となり、ソーラーシステムを搭載しない車両であっても視界や路面状況の良好な安全なルートを選択することが可能となる。
また、本発明は、前記エコロジールートの前記目的地までの想定発電量を算出することを特徴とする。
また、本発明は、前記想定発電量を前記地域の時刻及び季節情報を考慮して算出することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記天候予測情報を考慮しない推奨ルートにおける前記目的地までの想定発電量を算出し、前記エコロジールート及び前記推奨ルートにおけるそれぞれの前記目的地までの想定発電量を含んで各ルートを選択可能に表示することを特徴とする。
また、本発明は、前記想定発電量の他に前記目的地までの走行距離を含んで各ルートを選択可能に表示することを特徴とする。
また、本発明は、前記目的地までの想定電力消費量を算出し、前記想定電力消費量及び前記想定発電量に基づいて電力残量が多くなるエコロジールートを設定可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天候予測情報に基づいて、晴天率が高くなるエコロジールートを設定可能な構成としたため、ソーラーシステムの発電量が多くなるルートすなわちソーラーシステムを有効活用できるルートを探索できる。
また、目的地までの想定発電量を算出する構成としたため、発電量の比較によるルート選定が可能となる。
また、時刻及び季節情報を考慮して目的地までの想定発電量を算出する構成としたため、想定発電量が予測精度の高い定量的指標となり、ソーラーシステムの発電量が多くなるルートを定量的かつ正確に特定できる。
【0008】
また、エコロジールートの他に、天候予測情報を考慮しない推奨ルートを探索し、エコロジールート及び推奨ルートを、それぞれのルートの想定発電量および走行距離を含んで選択可能に表示する構成としたため、ユーザーは、各ルートのソーラーシステム活用度および走行距離を迅速かつ容易に比較でき、希望に合致したルートを選択できる。
また、目的地までの想定電力消費量を算出し、想定電力消費量及び想定発電量に基づいて電力残量が多くなるエコロジールートを設定可能な構成としたため、発電用の燃料消費量が少なくなるルートを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】発電量優先ルート探索・表示時の動作を示すフローチャートである。
【図3】表示装置の表示態様の一例を示す図である。
【図4】電力残量優先ルート探索時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、GPS受信器2と、車両情報取得装置3と、入力装置4と、補助処理装置5と、外部情報取得装置6と、記録装置7と、制御装置8と、表示装置9と、誘導音声出力装置10とを備え、目的地が入力された場合、現在地から目的地までのルートを探索する機能を有する。本実施形態では、ナビゲーション装置1はソーラーシステム装備車に搭載されている。
【0011】
GPS受信器2は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS電波を受信して自車位置の絶対座標位置を検出し、制御装置8に出力する装置である。
そして、ナビゲーション装置1は、GPS受信器2により車両の測位情報(位置、移動方向)を所定の時間間隔で取得し、車両の位置を地図上の位置に合せ込むマップマッチング処理等を行うことにより、地図上における車両の現在位置を特定する。これにより、車両の位置を周辺地図と共に表示したり、現在地から目的地までのルート探索や目的地への経路案内を行ったりすることが可能になる。
【0012】
車両情報取得装置3は、車速センサーおよびパーキングブレーキセンサーを備えており、車速に比例するパルス信号である車速パルス信号およびパーキングブレーキが作動状態か否かを示す信号であるパーキングブレーキ信号を補助処理装置5に出力する。
【0013】
入力装置4は、目的地入力などのユーザーの操作に対応する信号を補助処理装置5へ出力する装置である。入力装置4は、後述する表示画面13に重ねて設けられたタッチパネルや、リモートコントローラーなどで構成され、ユーザーによりタッチパネルが操作された場合、その操作された位置の座標の情報を含む信号を補助処理装置5に出力する。また、リモートコントローラーの操作子が操作された場合は、その操作された操作子に対応する信号を補助処理装置5に出力する。
【0014】
補助処理装置5は、車両情報取得装置3から入力された車速パルス信号に基づいて車速を検出するとともに、車速パルス信号及びパーキングブレーキ信号に基づいて、車両が走行中であるか停車中であるかを検出し、これらの検出結果を、制御装置8に出力する。
また、補助処理装置5は、入力装置4からの信号に基づいてユーザーの操作を検出し、検出結果を制御装置8に出力する。
【0015】
外部情報取得装置6は、例えばナビゲーション装置1に接続された携帯電話機であり、車両外部の外部情報サーバーSと通信して、外部情報サーバーSに蓄積されたデータ、特に後述する天候予測情報WDを取得し、制御装置8に出力する。外部情報取得装置6は、ナビゲーション装置1と一体に形成されていてもよいし、ナビゲーション装置1に接続および離脱することが可能なノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)等のモバイルコンピューターや、PHS(Personal Handy-phone System)等であってもよい。
【0016】
記録装置7は、ハードディスク装置等を備えており、地図情報およびルート探索のための情報を備えた地図データベースMDや、外部情報サーバーSから取得した天候予測情報WD、発電電力データベースEDなどの大容量のデータを、書き換え可能に記憶する。
地図データベースMDは、ナビゲーション用の地図(地図データ)として、表示用の地図画像データ、ルート探索等に利用される道路データ、地図上の各地点の位置情報、各地点に割り当てられた市町村名、番地等の住所情報、各地点に存在する施設に関する施設情報等を含んでいる。この施設情報には、各施設の正式名称、略称、住所、電話番号、地図上の位置等の当該施設を特定するための情報等が含まれる。また、地図データベースMDには、外部情報サーバーSに蓄積される天候予測情報WDの区分地域の境界線に関する情報と、ルート探索の度に書き換えられる各道路についての道路天候予測情報MDWとが含まれる。
【0017】
天候予測情報WDは、外部情報取得装置6によって外部情報サーバーSから取得される、所定の境界線で区分された各区分地域の天候予測データであり、例えば「神奈川県西部」における、10分ごとの晴天率予測値を含む。本実施形態における晴天率とは、所定時間あたりの「晴れ」の時間の割合である。
【0018】
発電電力データベースEDは、後述する想定発電量を算出するためのデータベースであり、季節、時刻、晴天率に応じた発電電力予測値で構成される。例えば、春(3月、4月、5月)の午前10時から午前11時までの時刻において、晴天率が80%以上90%未満の場合には、発電電力は1kW/hと記憶されている。
本実施形態における想定発電量とは、車両があるルートを走行する際に、車両に搭載されたソーラーシステムが発電する電力量の予測値である。なお、車両に搭載されたソーラーシステムの仕様に応じてユーザーが発電電力データベースEDを簡単に変更できるように、複数の発電電力データベースEDが記憶されていてもよい。
【0019】
制御装置8は、プログラム実行手段としてのCPU11や、プログラム等を格納するROM(不図示)、プログラム実行中にワークエリアとして用いられるRAM12、その他周辺回路を備えており、ナビゲーション装置1の各部を中枢的に制御する。ナビゲーション装置1の各種機能は、制御装置8が各種プログラムを実行してナビゲーション装置1の各部を制御することにより実現される。
【0020】
制御装置8は、GPS受信器2等から得た情報に基づき車両の測位情報(位置、移動方向、速度)を演算する演算処理や、上述したマップマッチング処理、ルート探索や経路案内のための演算処理等を実行する。また、制御装置8は、補助処理装置5から入力される情報に基づき、ユーザーの操作に応じた制御を行うための演算処理を実行する。
また、制御装置8は、現在時刻を計時するRTC(リアルタイムクロック)を備えており、RTCで計時した時刻を適宜取得する。このRTCにはACC電源がオフしている間にも常に電源が供給されるため、エンジン停止中であってもRTCが止まることはない。
また、制御装置8は、ルート探索画面において目的地および探索条件が入力された場合、RTCで計時される現在時刻、記録装置7に記憶される地図データベースMD、および上述した車両の測位情報に基づいて、探索条件に合致する複数の推奨ルートRを探索する。さらに、探索したルートにおける走行距離の算出、および目的地への到着予定時刻の算出を行う。
【0021】
また、制御装置8は、外部情報取得装置6を介して外部情報サーバーSから各区分地域の天候予測情報WDを取得し、記録装置7に記憶させるとともに、記録装置7の地図データベースMDに含まれる道路天候予測情報MDWを書き換えたうえで、晴天率が高くなるルートを探索することができる。
また、制御装置8は、現在時刻、地図データベースMD、および車両の測位情報に基づいて、あるルートが通過する天候予測情報WDの区分地域、例えば「神奈川県西部」への進入予定時刻および脱出予定時刻を算出することができ、さらに、その区分地域の天候予測情報WD、進入予定時刻、脱出予定時刻、および記録装置7に記憶される発電電力データベースEDに基づいて、その区分地域において発電されると予測される電力量(以下、発電電力量予測値と記載する)を算出することができる。そして、各区分地域における発電電力量予測値、現在時刻、到着予定時刻に基づいて上記ルートを走行した場合の想定発電量を算出することができる。これにより、制御装置8は、想定発電量が最大である発電量優先ルートE1(エコロジールート)を特定することができる。
さらに、制御装置8は、地図データベースMD等に基づいて、あるルートに対して、現在地から目的地までそのルートを走行した場合の消費電力量の予測値である想定電力消費量を算出することができる。この想定電力消費量および前述した想定発電量に基づき、制御装置8は、電力残量の予測値が最大である電力残量優先ルート(エコロジールート)を特定することができる。
【0022】
表示装置9は、液晶パネル等で構成される表示画面13を備えており、制御装置8の制御に従って、基本動作を指定するためのメニュー画面、ルート探索用のルート探索画面、目的地等を指定するナビゲーション操作画面などを表示画面13に表示させる。
誘導音声出力装置10は、D/Aコンバーターや、アンプ、スピーカー等(それぞれ不図示)を備え、制御装置8の制御に従って、制御装置8から入力される音声データをアナログ音声信号に変換して音声をスピーカーから出力する。
【0023】
図2は、発電量優先ルートE1の探索および表示を行う際のナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザーが入力装置4を操作して、天候を考慮しない探索条件を設定したうえで、目的地を入力する(ステップSA1)。天候を考慮しない探索条件とは、例えば「高速優先」や「渋滞統計優先」である。
目的地が入力されると、制御装置8は、現在地から目的地までの仮ルート探索を行って複数のルート候補を特定し、この複数のルート候補が通る区分地域すなわち目的地までのルート設定が想定される区分地域をすべて特定する。仮ルート探索の条件は、例えば「標準」であり、複数ルート候補の特定とは、例えば「標準」条件への合致度が高い順に20通りのルート候補を特定することである。
そして、制御装置8は、ナビゲーション装置1に接続された外部情報取得装置6(携帯電話機)を介して、外部情報サーバーSから、前記目的地までのルート設定が想定される各区分地域の天候予測情報WDを取得し(ステップSA2)、記録装置7に記憶させるとともに、記録装置7の地図データベースMDに含まれる道路天候予測情報MDWを書き換える。
続いて、制御装置8は、書き換えた地図データベースMD等に基づいて、晴天率が高くなる複数のルートを探索する。具体的には例えば晴天率が高い順に10通りのルートを探索する。同時に、ステップSA1で選択された天候を考慮しない探索条件により推奨ルートの探索を行う(ステップSA3)。
【0024】
続いて、制御装置8は、探索した各ルートの想定発電量をそれぞれ算出する(ステップSA4)。具体的には、制御装置8は、まず、現在時刻、地図データベースMD、および車両の測位情報に基づいて、それぞれのルートが通過する区分地域および各区分地域への進入時刻・脱出時刻を特定する。次に、この各区分地域への進入時刻・脱出時刻、各区分地域の天候予測情報WD、および発電電力データベースEDに基づいて、各区分地域における発電電力量予測値を算出する。そして、各区分地域における発電電力量予測値に基づいて、各ルートの想定発電量を算出する。
そして、制御装置8は、この想定発電量に基づき、各ルートの中で想定発電量が最大である発電量優先ルートE1を特定する。
その後、制御装置8は、表示装置9を制御し、表示画面13に表示された地図上に、発電量優先ルートE1(エコロジールート)と、「高速優先」条件への合致度が最も高い高速優先ルートR1および「渋滞統計優先」条件への合致度が最も高い渋滞統計優先ルートR2(推奨ルート)とを、それぞれの想定発電量および走行距離と共に表示させ(ステップSA5)、処理を終了する。
【0025】
図3は、ステップSA5における表示画面13の一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態では、表示画面13の片側には地図上に高速優先ルートR1、渋滞統計優先ルートR2、および発電量優先ルートE1が表示されている。各ルートは、例えば、高速優先ルートR1は破線、渋滞統計優先ルートR2は二点鎖線、発電量優先ルートE1は一点鎖線によりそれぞれ判別可能に表示されている。
そして、表示画面13の反対側には各ルートの走行距離と想定発電量とがルートごとにまとまって表示されている。この表示により、走行距離は、高速優先ルートR1、渋滞統計優先ルートR2、発電量優先ルートE1の順に長くなること、また、想定発電量は、発電量優先ルートE1、渋滞統計優先ルートR2、高速優先ルートR1の順に減少することが、迅速かつ容易に認識される。なお、表示画面13の外縁付近には、想定発電量の定量的意味を理解しやすくするために、例えば1kW/hはオートエアコンを26℃に設定して30分運転した際の電力消費量であるという目安が表示されている。
【0026】
本実施形態によれば、制御装置8が、目的地までのルート設定が想定される区分地域の天候予測情報WDを取得し、地図データベースMDに含まれる道路天候予測情報MDWを書き換えたうえで、天候を考慮しない探索条件によるルート探索と同時に、晴天率が高くなるルートを探索するので、ユーザーが希望する条件への合致度が高いルートのほかに、ソーラーシステムの発電量が多くなるルートすなわちソーラーシステムを有効活用できるルートを探索できる。また、視界や路面状況が良好であってユーザーの疲労を低減できるルートを探索できる。
また、本実施形態では、各ルートの想定発電量を算出するので、発電量の比較によるルート選定が可能となる。さらに、本実施形態では、各ルートの想定発電量を、時刻および季節情報を考慮して算出するので、想定発電量が予測精度の高い定量的指標となり、ソーラーシステムの発電量が最大となる発電量優先ルートE1を定量的かつ正確に特定でき、ソーラーシステムを最大限活用できるルートを探索できる。
【0027】
また、本実施形態では、制御装置8が、表示画面13に、地図上に発電量優先ルートE1、高速優先ルートR1および渋滞統計優先ルートR2を表示させるとともに、各ルートの走行距離および想定発電量を同時に選択可能に表示させる。
この場合、走行距離および想定発電量の表示は、それぞれのルートを定量的に比較するための基準として働くので、ユーザーは、各ルートの地図上の位置、走行距離、および想定発電量を迅速かつ容易に認識することができるうえ、各ルートにおけるソーラーシステムの活用度と走行距離を容易に比較することができ、希望条件に合致するルートを選択することができる。
さらに、本実施形態では、表示画面13の外縁付近に、発電量の定量的意味を理解しやすくするための目安が表示されるので、ユーザーはソーラーシステムの活用度をより具体的に認識することができる。
【0028】
以下に別の実施形態を説明する。
この別の実施形態に係るナビゲーション装置1の構成において、図1と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0029】
図4は、電力残量優先ルート探索時のナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザーが入力装置4を操作して、目的地を入力する(ステップSB1)。
次に、制御装置8は、現在地から目的地までの仮ルート探索を行って複数のルート候補を特定し、この複数のルート候補が通る区分地域すなわち目的地までのルート設定が想定される区分地域をすべて特定する。仮ルート検索の条件は、例えば「標準」であり、複数ルート候補の特定とは、例えば「標準」への合致度が高い順に20通りのルート候補を特定することである。
そして、制御装置8は、ナビゲーション装置1に接続された外部情報取得装置6(携帯電話機)を介して、外部情報サーバーSから、前記目的地までのルート設定が想定される各区分地域の天候予測情報WDを取得し(ステップSB2)、記録装置7に記憶させるとともに、記録装置7の地図データベースMDに含まれる道路天候予測情報MDWを書き換える。
続いて、制御装置8は、地図データベースMD等に基づいて、晴天率が高くなる複数のルートを探索する(ステップSB3)。具体的には、制御装置8は、例えば晴天率が高い順に10通りのルートを探索する。
【0030】
さらに、制御装置8は、各ルートの想定発電量をそれぞれ算出する(ステップSB4)。具体的には、制御装置8は、まず、現在時刻、地図データベースMD、および車両の測位情報に基づいて、それぞれのルートが通過する区分地域および各区分地域への進入時刻・脱出時刻を特定する。次に、この各区分地域への進入時刻・脱出時刻、各区分地域の天候予測情報WD、および発電電力データベースEDに基づいて、各区分地域における発電電力量予測値を算出する。そして、各区分地域における発電電力量予測値、現在時刻、到着予定時刻に基づいて、各ルートの想定発電量を算出する。
また、制御装置8は、地図データベースMD等に基づいて、前記各ルートの想定電力消費量を算出する。(ステップSB5)。
その後、制御装置8は、ステップSB4で算出した想定発電量およびステップSB5で算出した想定電力消費量に基づいて、各ルートについて目的地に到達した際の電力残量を算出し、電力残量が多くなる複数の電力残量優先ルート(エコロジールート)を選定し(ステップSB6)、処理を終了する。
【0031】
この実施形態によれば、制御装置8が、目的地までのルート設定が想定される区分地域の天候予測情報WDを取得し、各区分地域の天候予測情報WDに基づいて晴天率が高くなるルートを探索し、各ルートの想定発電量を時刻および季節情報を考慮して算出し、各ルートの目的地までの想定電力消費量を算出し、想定発電量および想定電力消費量に基づいて目的地到達時の電力残量が多くなる電力残量優先ルート(エコロジールート)を選定するので、現在地から目的地まで走行する際に、発電用の燃料消費量が少なくなるルートを選択できる。また、プラグインハイブリッド車や電気自動車においては、充電の頻度が少なくなるルートを選択することができる。
【0032】
なお、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。上記実施形態では、ナビゲーション装置1が、ソーラーシステム装備車に搭載されている例について説明したが、ナビゲーション装置1は、ソーラーシステムを装備していない車両に搭載されていてもよい。ソーラーシステムを装備していない車両に搭載された場合であっても、視界や路面状況が良好となりユーザーの疲労を低減できるルートを提示できる。
また、上記実施形態では、制御装置8が、晴天率が高くなる複数のルートを探索し、各ルートの想定発電量を算出して、表示画面13に想定発電量が最大となる一本の発電量優先ルートE1を表示させる例について説明したが、例えば晴天率が高くなるよう探索した複数のルートのすべてを表示させてもよいし、想定発電量の高い順にいくつかのルートを選んで表示させてもよい。このようにすれば、ユーザーは晴天率が比較的に高い複数のルートの中から晴天率、想定発電量、走行距離を比較して、希望に合致したルートを選択することができる。
また、上記実施形態では、想定発電量を各区分地域の時刻及び季節情報を考慮して算出しているが、想定発電量を時刻及び季節情報を考慮せずに算出してもよい。すなわち、上記実施形態では想定発電量の算出に用いる発電電力データベースEDは、季節、時刻、晴天率に応じた発電電力に関するデータベースであるが、発電電力データベースEDは、晴天率のみに応じた発電電力に関するデータベースであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 ナビゲーション装置
2 GPS受信器
4 入力装置
6 外部情報取得装置
7 記録装置
8 制御装置
9 表示装置
E1 発電量優先ルート(エコロジールート)
R1 高速優先ルート(推奨ルート)
R2 渋滞統計優先ルート(推奨ルート)
13 表示画面
S 外部情報サーバー
WD 天候予測情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を入力してルート探索を可能としたナビゲーション装置において、
前記目的地までのルート設定が想定される地域の天候予測情報を取得し、前記天候予測情報に基づいて晴天率が高くなるエコロジールートを設定可能としたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記エコロジールートの前記目的地までの想定発電量を算出することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記想定発電量を前記地域の時刻及び季節情報を考慮して算出することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記天候予測情報を考慮しない推奨ルートにおける前記目的地までの想定発電量を算出し、前記エコロジールート及び前記推奨ルートにおけるそれぞれの前記目的地までの想定発電量を含んで各ルートを選択可能に表示することを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記想定発電量の他に前記目的地までの走行距離を含んで各ルートを選択可能に表示することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記目的地までの想定電力消費量を算出し、前記想定電力消費量及び前記想定発電量に基づいて電力残量が多くなるエコロジールートを設定可能としたことを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−232296(P2011−232296A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105413(P2010−105413)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】