説明

ネットワーク装置およびネットワーク装置の制御方法

【課題】 ブロードバンド放送視聴中に、家庭内の他のネットワークサービス使用による帯域低下の原因がWAN側なのか、LAN側なのかを知ることができるネットワーク装置を提供する。
【解決手段】 ネットワーク装置は、回線を介して番組を受信して表示する放送受信手段と、前記回線の混雑度を検出する検出手段と、前記回線の通信帯域における混雑度が所定のレベルを超えたことを通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。これにより、ブロードバンド放送視聴中に、家庭内の他のネットワークサービス使用による帯域低下の原因がWAN側なのか、LAN側なのかを知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワーク装置およびネットワーク装置の制御方法に関し、特に複数で同一のネットワークに接続可能なネットワーク装置およびネットワーク装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツを提供するサーバシステムにおいて、特定コンテンツファイルへのアクセスの負荷を分散するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−282622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来のシステムにおいてはアクセス負荷を分散するのみであり、ブロードバンド放送視聴中に、家庭内の他のネットワークサービス使用による帯域低下の原因がWAN側なのか、LAN側なのかを知ることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、この発明においては、回線を介して番組を受信して表示する放送受信手段と、前記回線の混雑度を検出する検出手段と、前記回線の通信帯域における混雑度が所定のレベルを超えたことを通知する通知手段とを備えたことを特徴とするネットワーク装置を提供する。
【0005】
上記の目的を達成するために、この発明においては、回線を介して放送を受信して表示し、前記回線の混雑度を検出し、前記回線の通信帯域における混雑度が所定のレベルを超えたことを通知することを特徴とするネットワーク装置の通知方法を提供する。
【0006】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムとしても成立し、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、ブロードバンド放送視聴中に、家庭内の他のネットワークサービス使用による帯域低下の原因がWAN側なのか、LAN側なのかを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明を適用したデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムの一例を概略的に示している。
【0009】
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置111は、主として、薄型のキャビネット112と、このキャビネット112を起立させて支持する支持台113とから構成されている。そして、キャビネット112には、例えばSED(Surface-conduction Electron-emitter Display)表示パネル,液晶表示パネル等でなる平面パネル型の映像表示器114、スピーカ115、操作部116、リモートコントローラ117から送信される操作情報を受ける受光部118等が設置されている。
【0010】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えばSD(Secure Digital)メモリカード、MMC(Multimedia Card)及びメモリスティック等の第1のメモリカード119が着脱可能となっており、この第1のメモリカード119に対して番組や写真等の情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0011】
さらに、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えば契約情報等の記録された第2のメモリカード(ICカード)120が着脱可能となっており、この第2のメモリカード120に対して情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0012】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、第1のLAN(Local Area Network)端子121、第2のLAN端子122、USB(Universal Serial Bus)端子123及びi.LINK端子124を備えている。
【0013】
このうち、第1のLAN端子121は、LAN対応HDD専用ポートとして使用されるもので、接続されたNAS(Network Attached Storage)であるLAN対応のHDD125に対して、イーサネット(登録商標)により情報の記録再生を行なうために使用される。
【0014】
このように、LAN対応HDD専用ポートとしての第1のLAN端子121を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD125に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行なうことができる。
【0015】
また、第2のLAN端子122は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ126を介して、LAN対応のHDD127、コンテンツサーバー128、HDD内蔵のDVD(Digital Versatile Disk)レコーダ129、IP電話144、パーソナルコンピュータ(PC)145等の機器を接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0016】
なお、コンテンツサーバー128については、家庭内ネットワークにおいてコンテンツのサーバ機器として動作するための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要なURI(Uniform Resource Identifier)情報を提供するサービスを備えたUPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)対応機器として構成される。
【0017】
なお、DVDレコーダ129については、第2のLAN端子122を介して通信されるデジタル情報が制御系のみの情報であるため、デジタルテレビジョン放送受信装置111との間でアナログの映像及び音声情報を伝送するために、専用のアナログ伝送路130を設ける必要がある。
【0018】
さらに、この第2のLAN端子122は、ハブ126に接続されたブロードバンドルータ131および終端装置143を介して、例えばインターネット等のWAN(Wide Area Network)132に接続し、このWAN132を介してコンテンツサーバー133や携帯電話134等と情報伝送を行なうために使用される。
【0019】
なお、コンテンツサーバー133についてはコンテンツのサーバ機器として動作するための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要なURI情報を提供するサービスを備えたUPnP対応機器として構成される。
【0020】
また、上記USB端子123は、一般的なUSB対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ135を介して、携帯電話136、デジタルカメラ137、メモリカードに対するカードリーダ/ライタ138、HDD139、キーボード140等のUSB機器を接続し、これらのUSB機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0021】
さらに、上記i.LINK端子124は、例えばAV−HDD141、D(Digital)−VHS(Video Home System)142等をシリアル接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0022】
図2は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示している。
すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ243で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子244を介して衛星デジタル放送用のチューナ245aに供給される。
【0023】
チューナ245aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器245bに出力する。
【0024】
PSK復調器245bは、制御部261からの制御信号により、チューナ245aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、TS復号器245cに出力する。
【0025】
TS復号器245cは、制御部261からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信号処理部247内のSTDバッファ247fへ出力する。
【0026】
また、TS復号器245cは、デジタル放送により送られているセクション情報を信号処理部247内のセクション処理部247hへ出力する。
また、地上波放送受信用のアンテナ248で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子249を介して地上デジタル放送用のチューナ250aに供給される。
【0027】
チューナ250aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器250bに出力する。
【0028】
OFDM復調器250bは、制御部261からの制御信号により、チューナ250aで選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、TS復号器250cに出力する。
【0029】
TS復号器250cは、制御部261からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信号処理部247内のSTDバッファ247fへ出力する。
【0030】
また、TS復号器250cは、デジタル放送により送られているセクション情報を信号処理部247内のセクション処理部247hへ出力する。
ここで、上記信号処理部247は、テレビ視聴時には、TS復号器245cおよびTS復号器250cからそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力している。また、信号処理部247は、コンテンツ再生時には、制御部261から入力されたコンテンツの再生信号を選択し、所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力している。
【0031】
制御部261には、信号処理部247から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)が入力されている。
【0032】
制御部261は、これら入力された情報からEPG,字幕を表示するため画像生成処理を行い、この生成した画像情報をグラフィック処理部254へ出力する。
セクション処理部247hは、TS復号器245c(250c)から入力されたセクション情報の中から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を制御部261へ出力する。
【0033】
グラフィック処理部254は、(1)信号処理部247内のAVデコーダ247gから供給されるデジタルの映像信号と、(2)OSD(On Screen Display)信号生成部257で生成されるOSD信号と、(3)データ放送による画像データと、(4)制御部261により生成されたEPG,字幕信号とを合成して映像処理部258へ出力する機能を有する。
【0034】
また、字幕放送による字幕を表示するとき、グラフィック処理部254は、制御部261からの制御による字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0035】
グラフィック処理部254から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部258に供給される。この映像処理部258は、入力されたデジタルの映像信号を、前記映像表示器114で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器114に出力して映像表示させるとともに、出力端子259を介して外部に導出させる。
【0036】
また、上記音声処理部255は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ115で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ115に出力して音声再生させるとともに、出力端子260を介して外部に導出させる。
【0037】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部261によって統括的に制御されている。この制御部261は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、前記操作部116からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ117から送出された操作情報を、前記受光部118を介して受信し、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0038】
この場合、制御部261は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)261aと、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)261bと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ261cとを利用している。
【0039】
また、この制御部261は、カードI/F(Interface)265を介して、前記第1のメモリカード119が装着可能なカードホルダ266に接続されている。これによって、制御部261は、カードホルダ266に装着された第1のメモリカード119と、カードI/F265を介して情報伝送することができる。
【0040】
さらに、上記制御部261は、カードI/F267を介して、前記第2のメモリカード120が装着可能なカードホルダ268に接続されている。これにより、制御部261は、カードホルダ268に装着された第2のメモリカード120と、カードI/F267を介して情報伝送することができる。
【0041】
また、上記制御部261は、通信I/F269を介して第1のLAN端子121に接続されている。これにより、制御部261は、第1のLAN端子121に接続されたLAN対応のHDD125と、通信I/F269を介して情報伝送することができる。この場合、制御部261は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を有し、第1のLAN端子121に接続されたLAN対応のHDD125にIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0042】
さらに、上記制御部261は、通信I/F270を介して第2のLAN端子122に接続されている。これにより、制御部261は、第2のLAN端子122に接続された各機器(図1参照)と、通信I/F270を介して情報伝送することができる。
【0043】
また、上記制御部261は、USB I/F271を介して前記USB端子123に接続されている。これにより、制御部261は、USB端子123に接続された各機器(図1参照)と、USB I/F271を介して情報伝送することができる。
【0044】
さらに、上記制御部261は、i.LINK I/F272を介してi.LINK端子124に接続されている。これにより、制御部261は、i.LINK端子124に接続された各機器(図1参照)と、i.LINK I/F272を介して情報伝送することができる。
【0045】
ところで、この実施形態ではHDD125に、初期登録時のHDD125、HDD127、コンテンツサーバー128、DVDレコーダ129それぞれに割り当てられたストレージID(IPアドレス、機器名を含む)を記述した登録ファイルを記憶保持している。
【0046】
また、不揮発性メモリ261cに、HDD125、HDD127、コンテンツサーバー128、DVDレコーダ129それぞれのストレージIDを記憶している。
また、制御部261は、この発明に係わる機能として、UPnPを利用した(1)サーバ機器発見機能261dと、(2)UPnPを利用したコンテンツ情報取得機能261eと、(3)コンテンツアクセス制御機能261fとを備えている。
【0047】
(1)制御部261は、サーバ機器発見機能261dにより、UPnPのディスカバリ機能を用いてネットワーク上のUPnP対応機器を発見する。例えばサーバ機器発見機能261dは、UPnPのディスカバリ機能を用いてコンテンツサーバー128を発見する。
【0048】
(2)制御部261は、コンテンツ情報取得機能261eにより、UPnPのコントロール機能を用いてUPnP対応機器をコントロールし、UPnP対応機器内のコンテンツをアクセスするために必要なURI情報を取得する。例えばコンテンツ情報取得機能261eは、コンテンツサーバー128をコントロールし、コンテンツサーバー128内のHDD等に蓄積されているコンテンツをアクセスするために必要なURI情報をコンテンツサーバー128から取得する。
【0049】
(3)制御部261は、コンテンツアクセス制御機能261fにより、サーバ機器発見機能261dにより取得したサーバ機器のIPアドレス情報と、コンテンツ情報取得機能261eにより取得したURI情報から得たIPアドレス情報と、デジタルテレビジョン放送受信装置111のLAN端子122に割り当てられたIPアドレスとネットマスクに基づいてコンテンツへのアクセス可否判定を行う。そして制御部261は、アクセス可と判断した場合にはコンテンツアクセスを許可するが、否と判断した場合には許可できない旨を映像表示器114にOSDにより表示させる。
【0050】
以下、ブロードバンド放送視聴中に、家庭内の他のネットワークサービス使用による帯域低下が起こった場合の動作について説明する。
図1のように、WAN132から、終端装置143を通して家庭内にブロードバンドネットワークが引き込まれている。
この終端装置143から、家庭内のユーザーはブロードバンドルータ131を経由して、PC145による電子メールやウェブブラウジング、IP電話144やコンテンツサーバー133によるブロードバンド放送の映像配信を楽しむことが出来るようになっている。
【0051】
しかしながら、現状の家庭内のブロードバンド通信の帯域は限られており、複数のネットワークサービスを家庭内で同時に使用するのには十分とはいえないものである。またその上限値は、各家庭のネットワーク環境(場所や時間帯)に依存しており一意ではない上、凡その目安すらない。
【0052】
このため、家庭内で複数のネットワークサービスを同時使用した場合、それぞれに相互の悪影響が発生する場合が考えられる。例えば、ブロードバンド放送であればコマ落ちやブロックノイズ、IP電話であれば音声の途切れ、PCであれば反応の遅延などが生じる。しかし、このような症状が発生しても一般ユーザーにとっては、その原因が家庭内のネットワークや機器にあるのか、或いは家庭外のネットワークや機器にあるのかを特定することは困難である。
【0053】
そこでこの発明では、家庭内において上記のように複数のブロードバンドサービスが使用可能な環境において、ブロードバンド放送の視聴画面に、家庭内の他のネットワークサービスが利用されているために通信帯域が消費されており、ブロードバンド放送の視聴サービス用に安定した通信帯域確保が出来ず、ブロードバンド放送の品質に悪影響(コマ落ち、ブロックノイズ)が発生する可能性があることをユーザーに通知する。この通知方法としては図3に示すように映像表示器114の画面に文字によるメッセージやアイコン等で表示しても良いし、図4に示すようにLEDを点灯/点滅することで通知してもよい。
【0054】
なお、家庭内の他のネットワークサービスが利用されているために通信帯域が消費されており、ブロードバンド放送の視聴サービス用に安定した帯域確保が出来ないことは、ブロードバンドルータ131からの情報により検出することができる。
【0055】
まず、ブロードバンドルータ131は、専用線により20Mbpsで接続されているものとする。この内、デジタルテレビジョン放送受信装置111は、ハイビジョン番組を18MBpsの帯域を使っていたとする。
【0056】
予め、デジタルテレビジョン放送受信装置111は、ブロードバンドルータ131に対してマジックパケットで問合せを行ったり、ユーザーに設定させることにより、上記専用線により20Mbpsで接続されていることを把握しておく。
【0057】
まず、デジタルテレビジョン放送受信装置111でハイビジョン番組を視聴しているとき、デジタルテレビジョン放送受信装置111はマジックパケットでブロードバンドルータ131に対して、他の機器で通信が行われているかの問合せを行う。
【0058】
仮に、ここではデジタルテレビジョン放送受信装置111のみが使われていたものとする。
次に、PC145が起動され通信帯域が使われ始めたとする。このときにデジタルテレビジョン放送受信装置111では、データの抜けが発生し始めたとする。
するとデジタルテレビジョン放送受信装置111は、マジックパケットでブロードバンドルータ131に対して、ブロードバンドルータ131のWAN側との接続速度(仮に、20Mbpsとする)と、ブロードバンドルータ131−PC145間の接続速度(仮に、3Mbpsとする)とを問い合わせる。
【0059】
この結果、デジタルテレビジョン放送受信装置111内の制御部261では、20−3=17Mbpsと帯域が減っていることを検出し、家庭内でのトラフィックが問題であることを知ることができる。なお、ブロードバンドルータ131−PC145間の接続速度(仮に、1Mbpsとする)であった場合には、WAN側のトラフィックが問題であることを知ることができる。
【0060】
このようにして家庭内での問題なのか、WAN側の問題なのかを知ることができる。
以上説明したとおり、ブロードバンド放送視聴中に、家庭内の他のネットワークサービス使用による帯域低下の原因がWAN側なのか、LAN側なのかを知ることができる。
【0061】
この結果、ブロードバンド放送の視聴サービス用に安定した帯域確保が出来ないことを示す表示がされているときにブロックノイズやコマ落ちが発生した場合、この原因が家庭内の他のネットワークサービス使用による帯域低下が原因である可能性が高いと認識することができる。これによりメーカーにとって不要なサポート、ユーザークレームを減らすことができる。
【0062】
次に、デジタルテレビジョン放送受信装置111によるブロードバンド放送視聴中に、家庭内でIP電話144や、PC145を用いたテレビ電話等が同一回線にて同時に使用されたときの動作を説明する。
【0063】
図5は、このような安定した帯域確保が出来なかった場合の動作を説明するための図である。
また、デジタルテレビジョン放送受信装置111によりHD画質のブロードバンド放送サービスの番組の視聴中(図5のステップS501)に、家庭内の他のネットワークサービスが利用されているために通信帯域が消費されており、HD画質のブロードバンド放送の視聴サービス用に安定した帯域確保が出来ず、ブロードバンド放送の品質に悪影響(コマ落ち、ブロックノイズ)が発生する可能性がある場合(ステップS502のNo)には、自動的にHD画質からSD画質に切り替えたり、或いはレート変換することにより必要とする通信帯域を縮小させる(ステップS504)。
【0064】
なお、HD画質のブロードバンド放送の視聴サービス用に安定した帯域確保が出来る場合(ステップS502のYes)には、このままHD画質のブロードバンド放送の視聴サービスを継続する(ステップS503)。
【0065】
こうすることにより、ブロックノイズやコマ落ちのない映像を得ることができることと、家庭内の他のサービスへの通信帯域の確保を両立させることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせ、所望の番組属性として、ジャンル、チャンネルを組みとしたものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明を適用したデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムを説明するための図。
【図2】デジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示す図。
【図3】ユーザーへの通知画面の一例を示す図。
【図4】ユーザーへの通知画面の他の例を示す図。
【図5】安定した帯域確保が出来なかった場合の動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0067】
111…デジタルテレビジョン放送受信装置、112…キャビネット、113…支持台、114…映像表示器、115…スピーカ、116…操作部、117…リモートコントローラ、118…受光部、119…第1のメモリカード、120…第2のメモリカード、121…第1のLAN端子、122…第2のLAN端子、123…USB端子、124…i.LINK端子、125,127,139…HDD、126,135…ハブ、128,133…コンテンツサーバー、129…DVDレコーダ、130…アナログ伝送路、131…ブロードバンドルータ、132…ネットワーク、134,136…携帯電話、137…デジタルカメラ、138…カードリーダ/ライタ、140…キーボード、141…AV−HDD、142…D−VHS、143…終端装置、144…IP電話、145…PC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線を介して番組を受信して表示する放送受信手段と、
前記回線の混雑度を検出する検出手段と、
前記回線の通信帯域における混雑度が所定のレベルを超えたことを通知する通知手段とを備えたことを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記放送された番組を表示する放送受信手段に表示することにより通知することを特徴とする請求項1記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記検出手段は、ルーターに通信状況を問い合わせることにより混雑度を検出することを特徴とする請求項1または2記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記番組の受信にデータが足らないエラーが発生したことを検出する手段を有し、
前記エラーが発生したときに前記検出手段により検出を行わせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のネットワーク装置。
【請求項5】
回線を介して放送を受信して表示し、
前記回線の混雑度を検出し、
前記回線の通信帯域における混雑度が所定のレベルを超えたことを通知することを特徴とするネットワーク装置の通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−141349(P2008−141349A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323938(P2006−323938)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】