説明

ハイパワー発光ダイオード構造

【課題】 輝度を増して温度を下げられるハイパワー発光ダイオード構造の提供。
【解決手段】 基板底部に導熱板を設け、且つ導熱板上表面に複数の絶縁膜を敷設すると共に、絶縁膜表面より突出する複数の電気接点を設け、並びに中央の電気接点内に少なくとも一つのエピタキシャルチップを設け、該エピタキシャルチップの周囲に複数の導熱機能を具備する注入孔を設け、且つ基板上に射出方式を利用してエピタキシャルチップ周囲を被覆可能なフレームを形成し、そのフレーム底面に複数の係止部を形成し、且つ複数の係止部を基板の注入孔に係合して位置決めし、フレーム上面に透光材料で製造した透光カバーを設け、エピタキシャルチップ底面を導熱板に確実に接合させて急速放熱し、透光カバー上部の円弧凸状表面の光の屈折により、発射光源輝度を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種のハイパワー発光ダイオード構造に係り、特に、基板上に射出方式でフレームを形成し、且つフレーム底部を係止部で基板と係合させて位置決めし、並びにフレーム上に円弧凸状表面を具備する透光カバーを取り付け、急速放熱と光源輝度を高める目的を達成した、ハイパワー発光ダイオード構造に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の飛躍的な進歩に伴い、ますますテクノロジー製品が日常生活中に運用されて、生活の便利性を高めており、一部の製品は人々の生活に不可欠な生活用品となっており、例えば電灯はそのような製品の一つであり、十分な陽光が得られる場合或いは特殊な場合を除き、電灯は生活の必需品の一つである。科学技術の進歩に伴い、バルブは改良され、灯油ランプ、カーバイトランプ、タングステンランプから、現在使用されている蛍光灯、石英ランプとキセノンランプへと進歩している。
【0003】
さらに、発光ダイオードの出現と改良に伴い、現在、発光ダイオードは旧式のバルブに代わり使用されるようになり、発光ダイオードは輝度が高く、寿命が長く、節電でき、起動が快速で、汚染がなく、回収可能で、価格が低く、強固であり、発熱しにくい等の長所のために、多くのメーカーが発光ダイオードの研究開発及び改良に参入している。
【0004】
しかし、一般に発光ダイオードを使用する時、その輝度は比較的小さく且つ光が拡散して集中しないため、実際の使用時には照明の機能を達成できず、ゆえにメーカーはハイパワーの発光ダイオードを研究開発し、ハイパワー発光ダイオードは比較的高い輝度を有するとはいえ、高温高熱を発生するため、その使用寿命が短くなる。ゆえに、メーカーはこの問題に対して以下のような改良を行っている。
【0005】
図5、6を参照されたい。それはヒートシンクA上に導熱機能を具備する導熱板Bを設け、且つ導熱板Bの中央に下向きに凹んだ反射溝B1を設け、並びに反射溝B1中にチップB11を設け、チップB11の両側を導線B111により導熱板Bに設けた回路B2と電気的に接続し、該反射溝B1中にはさらに樹脂Cを設け、更に樹脂Cの上方に固定リングDを設け、チップB11を反射溝B1に取り付け、並びにボンディングマシンで複数の導線B111を電気的にチップB11、回路B2に接続させた後、樹脂Cを反射溝B1に注入し、チップB11と導線B111を位置決めし、並びに固定リングDで樹脂Cと導熱板Bの上表面に固定し、最後に導熱板BをヒートシンクAの上面にネジ止めする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来のハイパワー発光ダイオードを実際に使用する時、導熱板BによりチップB11の高熱をヒートシンクAに伝導させて発散させられ、チップB11温度を下げる目的を達成できるが、この従来の技術は、例えば以下のような改善すべき多くの問題と欠点を有している。
(1)該導熱板Bに反射溝B1を削設する必要があるが、導熱板Bは厚さが薄く、体積が小さい特徴を有するため、反射溝B1の削設作業は困難で煩瑣であり、且つ反射溝B1の表面に不平坦な状況が発生しやすく、チップB11及び導線B111の取り付け時に不良品を発生しやすく、不良率が高くなり、且つ反射溝B1の不平坦な表面はチップB11の発射する光線を歪ませたり屈折させたりし、ハイパワー発光ダイオードの輝度が低くなる。
(2)該チップB11を実際に使用する時、高熱を発生し、樹脂CはチップB11の外側を被覆しているため、樹脂CがチップB11の発生する高温の影響を受けて樹脂Cが破裂し、防塵、接触防止の機能を達成できなくなる。
ゆえに、本発明は、上述の問題と欠点を鑑み、急速に放熱でき発光輝度を高めることができるハイパワー発光ダイオード構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、輝度アップ可能且つ温度を下げられるハイパワー発光ダイオード構造において、基板、フレームを包含し、該基板の底部に導熱板が設けられ、且つ該導熱板の上表面に複数の絶縁膜が敷設され、また該絶縁膜表面より突出する複数の電気接点が設けられ、並びに中央の電気接点内に少なくとも一つのエピタキシャルチップが設けられ、該エピタキシャルチップの周囲に複数の注入孔が設けられ、該フレームは射出成型で形成されて該エピタキシャルチップの周囲を被覆し、該フレームの底部に該基板の該注入孔内に向けて該注入孔と結合状態を呈する係止部が射出成型されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項2の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該導熱板が銅材に銀をメッキして製造されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項3の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該絶縁膜がエポキシ材料で製造されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項4の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該絶縁膜上に複数の回路と電気接点が設けられ、さらに回路上方に別の絶縁膜が設けられて、電気接点が絶縁膜表面より突出させられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項5の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該基板中央の電気接点内に導熱エリアが設けられ、且つ該導熱エリアに少なくとも一つのエピタキシャルチップが設けられ、該エピタキシャルチップの両側にそれぞれ電気接点と電気的接続を形成する導線が設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項6の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームは液晶重合物(LCP)或いはその他の絶縁を射出成型して矩形或いはその他の形状となしたブロック体とされることを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項7の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームの中央に、エピタキシャルチップを囲み且つ下向きに漸次縮小する円弧状の中空部が設けられ、該中空部の側壁に該エピタキシャルチップの発射する光線を集中させられる反射面が設けられ、且つ該中空部内にシリコン樹脂材料で形成され且つエピタキシャルチップを被覆し位置決めする封止樹脂体が設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項8の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、複数の該係止部は該フレームの底面の各角部に形成されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項9の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームの上面に透光材料で製造された透光カバーが設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項10の発明は、請求項9記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームの両対向側にそれぞれ係止孔が設けられ、該透光カバーの底部の両対向側に係止孔と対応し係合、位置決めされる係合片が設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項11の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該基板の下方にヒートシンクが設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項12の発明は、請求項11記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該ヒートシンクがアルミニウムで製造され、且つその底部に下向きに、複数のストリップ状のフィンが延設されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
請求項13の発明は、請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該基板の該注入孔が逆T状或いは下向きに漸次拡大するスピーカ状とされ、該フレームの底部の係止部形状は該注入孔に対応し、且つ該注入孔はエピタキシャルチップの熱を導出することを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ハイパワー発光ダイオード構造において、基板上に射出成型方式でフレームを形成し、該フレームの底部に基板の注入孔内に向けて結合状態を呈し得る係止部を設け、且つ該フレームの中空部側壁を平滑で整った反射面となし、エピタキシャルチップをフレームの中空部内に収容する時、そのエピタキシャルチップの発射する光線が反射面により集中してフレーム上方の透光カバーに至り、更に透光カバー上部の円弧凸状表面により屈折して外に発射されるようにし、これにより発射光線の輝度を高められるようにしている。
【0009】
本発明はまた、ハイパワー発光ダイオード構造において、該基板上にエピタキシャルチップの収容、封止に供される凹溝を設ける必要をなくし、ゆえに基板の平坦な表面を有する導熱板上に絶縁膜、回路及び電気接点を敷設する時、一次加工により成型のステップを達成し、工程ステップ数を節約できる長所を具備させ、且つ導熱板の平坦表面によりエピタキシャルチップと導線の設置作業に便利とし、エピタキシャルチップの底部を完全にヒートシンク表面に接合させ、放熱面積を増してエピタキシャルチップの放熱速度を高める長所を具備させている。
【0010】
本発明はまた、ハイパワー発光ダイオード構造において、該エピタキシャルチップをフレームの中空部内に取り付け、エピタキシャルチップの熱量を導熱板によりヒートシンクに伝導して急速に発散させて、降温させ、これにより、中空部内のパッケージ工程によりエピタキシャルチップを被覆するように形成した封止樹脂が高温で破裂するのを防止し、確実に防塵、衝突防止等、エピタキシャルチップ保護の目的を達成させられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1、2、3は本発明の立体外観図、立体分解図、側面断面図である。これらの図に明らかなように、該ハイパワー発光ダイオード構造は基板1、フレーム2、ヒートシンク3等で構成される。
【0012】
該基板1の底部には銅材に銀をメッキして製造した導熱板11を設け、並びに該導熱板11の上表面にエポキシ樹脂材料の絶縁膜12を敷設し、且つ絶縁膜12上に複数の回路13と、絶縁膜12表面より突出可能な複数の電気接点14を設け、並びに中央の電気接点14に導熱エリア141を設け、該導熱エリア141上に少なくとも一つのエピタキシャルチップ15を設け、且つ該エピタキシャルチップ15の両側にそれぞれ導線151を設け、さらにエピタキシャルチップ15の周囲に複数の、導熱に供される注入孔16を設け、且つ基板1の両側にそれぞれネジ孔17を設ける。
【0013】
該フレーム2は液晶重合物(LCP)或いはその他の絶縁材料を射出成型してなる矩形ブロック体とし、並びにフレーム2の中央に、下向きに漸次縮小する円弧状中空部21を設け、該円弧状中空部21の側壁に反射面211を設け、該フレーム2底面の各角部に複数の係止部22を形成し、フレーム2の、円弧状中空部21の両対向側に係止孔23を設け、さらに中空部21内にシリコン樹脂材料の透光封止樹脂体24を設け、且つフレーム2の上面に透光材料で製造した透光カバー25を設け、該透光カバー25の上部は円弧凸状とし、且つ透光カバー25の底部の両対向側にそれぞれ下向きの係合片251を設ける。
【0014】
該ヒートシンク3はアルミ材料で製造し、且つその底部に下向きに複数のストリップ状のフィン31を設け、並びにヒートシンク3に複数のネジ孔32を設ける。
【0015】
上述の各部品を組み合わせる時は、基板1の上方に金型を利用して射出成型方式でフレーム2を成型し、且つフレーム2の底部の複数の係止部22を基板1の複数の注入孔16内に結合させて位置決めを達成する。このとき、パッケージ工程を利用してフレーム2の中空部21内に封止樹脂体24を設け、該封止樹脂体24に基板1のエピタキシャルチップ15の外側を被覆させ、並びにフレーム2上方に透光カバー25を取り付け、該透光カバー25は底部の複数の係合片251のフレーム2の係止孔23への係合を利用して位置決めし、こうして主体装置を形成し、更に基板1をヒートシンク3の上面に固定し、もう一つの主体装置を形成する。
【0016】
上述の基板1の導熱板11は銅、アルミニウム、或いはその他の導熱可能な材料で製造し、且つ基板1の電気接点14内に、エピタキシャルチップ15の固定に供する導熱エリア141を設け、エピタキシャルチップ15は導線151で回路13と電気的接続を形成し、該導熱エリア141には絶縁膜12を敷設しても敷設しなくてもよく、それはエピタキシャルチップ15の熱エネルギーをヒートシンク3に伝導する機能を具備するものであればよく、これにより本発明の請求範囲を限定せず、もしその他の修飾或いは同等の効果を有する構造変化を利用する場合、それらはいずれも本発明の請求範囲内に属する。
【0017】
続いて図2、3を参照されたい。図中に明らかであるように、該基板1上に射出方式でフレーム2を成型した後、その基板1上の少なくとも一つのエピタキシャルチップ15はフレーム2の中空部21内に収容され、さらに中空部21内に封止樹脂体24を設け、封止樹脂体24の上方には透光カバー25を取り付ける。透光カバー25はその下方の複数の係合片251を封止樹脂体24の対応する係止孔23に係合させることで位置決めし、エピタキシャルチップ15が光線を発する時、その光線はフレーム2の中空部21側壁の反射面211を利用して反射され集中し、且つ光線は反射された後に透光カバー25を通り、並びに透光カバー25の上部の円弧凸状表面で屈折した後、外向きに発射され、これにより本発明が光線輝度アップの効果を具備するものとされる。
【0018】
また、該透光カバー25は透光材料を金型中で射出成型して一体成型され、それは製造が簡単であるのみならず、製造コストが低廉で、また、独立製造可能であり、透光カバー25は係合片251を利用して速やかにフレーム2の係止孔23内に取り付けられ、こうして組立、位置決め動作を完成でき、その組立は簡単、迅速であり、生産ラインの製造速度をアップできる。
【0019】
更に、基板1の導熱板11の平坦な表面上に絶縁膜12、複数の回路13及び電気接点14を設置する時は、印刷或いはその他の方式で一次加工成型でき、加工ステップを減らして基板1の加工歩留りを高めることができる。
【0020】
エピタキシャルチップ15は樹脂を利用して封止樹脂体24を形成した後に、直接基板1に固定、接続され、エピタキシャルチップ15が続けて発光し且つ大量に発熱する時、その熱量はその下方の銅材質の導熱板11を通してヒートシンク3に伝わり、続いて熱量はヒートシンク3の底部の複数のストリップ状のフィン31を通り空気中に発散され、エピタキシャルチップ15の放熱効果を高める目的が達成される。上述の放熱経路により確実にエピタキシャルチップ15の温度を下げられ、エピタキシャルチップ15が使用時にその発生する高熱のためにエピタキシャルチップ15の寿命が短くなる欠点を解決して使用寿命を延長する長所を具備する。
【0021】
上述のヒートシンク3はアルミウム、銅、グラファイト或いはその他の導熱材料で製造され、且つその底部に延設した複数のフィン31はストリップ状、片状、或いはその他の放熱面積を増せる形状とされ、それはエピタキシャルチップ15が基板1を通して伝導する熱量を急速に発散さっせて、エピタキシャルチップ15の温度を下降させる機能を具備するものであればよく、これにより本発明の請求範囲を制限するものではなく、その他の修飾或いは同等の構造変化は、いずれも本発明の請求範囲内に属する。
【0022】
このほか、封止樹脂体24がフレーム2の中空部21内に設置され、且つエピタキシャルチップ15の発散する高熱が急速且つ均一に基板1の銅材質の基板1に伝導され、さらに導熱板11底面に接合されたヒートシンク3の熱量発散により降温が達成されるが、エピタキシャルチップ15を被覆する封止樹脂体24はまた、フレーム2により降温される。フレーム2はその係止部22が基板1の注入孔16を通りヒートシンク3に接触するため、エピタキシャルチップ15の熱量が基板1の導熱板11に伝えられるだけでなく、直接ヒートシンク3に伝えられ、エピタキシャルチップ15自身の温度が下降し、ゆえにエピタキシャルチップ15を被覆する封止樹脂体24の温度も下がり、封止樹脂体24が降温により破裂せず、確実に封止樹脂体24によるエピタキシャルチップ15保護の目的を達成でき、封止樹脂体24に良好な防塵、衝突防止の機能を具備させられる。
【0023】
上述のフレーム2と透光カバー25は、矩形、円形、楕円形或いはその他の幾何図形とされ得て、そのフレーム2はエピタキシャルチップ15及び導線151を収容して封止樹脂体24による被覆位置決めのパッケージ作業に供されるもので、透光カバー25は封止樹脂体24の外部を保護するのみならず、光の形、角度を校正する機能を具備し、且つフレーム2の上方に透光カバー25が取り付けられ、並びにフレーム2の底部に基板1との係合、位置決め用の係止部22が設けられる。しかしこれは本発明の特許請求の範囲を制限するものではなく、その他の修飾及び同等の構造変化は、いずれも本発明の請求範囲に属する。
【0024】
また、図3、4の本発明の側面断面図、好ましい実施例の側面断面図に示されるように、該基板1の注入孔16は逆T形或いは下向きに漸次拡大されたスピーカ状とされ、フレーム2の底部の係止部22の形状は注入孔16に対応し、それはフレーム2を強固に基板1上方に位置決めできて、並びにエピタキシャルチップ15の熱量を注入孔16を通してヒートシンク3に伝導できるものであればよく、これは本発明の請求範囲を限定するものではなく、その他の修飾及び同等の構造変化は、いずれも本発明の請求範囲に属する。
【0025】
上述の本発明のハイパワー発光ダイオード構造は実際の使用時に、以下のような長所を有する。
(一)基板1に射出方式を利用してフレーム2が形成され、フレーム2の底部に基板1の注入孔16内に向けて結合状態を呈する係止部22が形成され、且つフレーム2の中空部21の側壁に位置する反射面211は平滑面とされ、ゆえにエピタキシャルチップ15がフレーム2の中空部21内に収容される時、エピタキシャルチップ15の発射する光線は反射面211により集中してフレーム2上方の透光カバー25に至り、さらに透光カバー25の上部の円弧凸状表面で屈折して外に射出され、本発明の発射光輝度アップの目的を達成する。
(二)該基板1上にエピタキシャルチップ15を収容し封止するための凹溝を削設する必要がなく、ゆえに基板1の平坦表面を具備する導熱板11上に絶縁膜12、回路13及び電気接点14を敷設する時、一次加工で成型の目的を達成でき、製造ステップ数を節約できる。
(三)該導熱板11の平坦表面はエピタキシャルチップ15及び導線151の設置作業に便利であり、且つエピタキシャルチップ15の底部は完全にヒートシンク3の表面に接合され、エピタキシャルチップ15の放熱速度をアップできる長所を具備する。
(四)エピタキシャルチップ15はフレーム2の中空部21内に設けられ、エピタキシャルチップ15は導熱板11及びヒートシンク3を通して急速放熱でき、ゆえに中空部21内に設けられてエピタキシャルチップ15を被覆する封止樹脂体24は高温により破裂することがなく、さらに透光カバー25が組み合わされて、確実に防塵、衝突防止等のエピタキシャルチップ15保護と光形、角度を校正する目的を達成する。
【0026】
ゆえに、本発明はハイパワー発光ダイオード構造に対して、基板1上に射出方式で、エピタキシャルチップ15を囲むフレーム2を形成し、且つフレーム2の底部に基板1と係合、位置決めされる係止部22を形成し、並びにフレーム2上に透光カバー25を取り付けて光形、角度を校正し、さらに基板1の底面にヒートシンク3をネジ止めして、エピタキシャルチップ15の温度を下げ且つ発射光線の輝度をアップする。しかし、以上の説明は本発明の好ましい実施例の説明に過ぎず、本発明の請求範囲を制限するものではなく、ゆえに本発明の明細書及び図面の内容に基づきなし得る簡単な修飾及び同等の構造変化は、いずれも本発明の特許範囲内に包含される。
【0027】
総合すると、本発明の上述のハイパワー発光ダイオード構造を使用する時、確実にその作用効果と目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の立体外観図である。
【図2】本発明の立体分解図である。
【図3】本発明の側面断面図である。
【図4】本発明の好ましい実施例の側面断面図である。
【図5】周知の技術の立体分解図である。
【図6】周知の技術の側面断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 基板
11 導熱板 15 エピタキシャルチップ
12 絶縁膜 151 導線
13 回路 16 注入孔
14 電気接点 17 ネジ孔
141 導熱エリア
2 フレーム
21 中空部 24 封止樹脂体
211 反射面 25 透光カバー
22 係止部 251 係合片
23 係止孔
3 ヒートシンク
31 フィン 32 ネジ孔
A ヒートシンク
B 導熱板
B1 反射溝 B111 導線
B11 チップ B2 回路
C 樹脂 D 固定リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度アップ可能且つ温度を下げられるハイパワー発光ダイオード構造において、基板、フレームを包含し、該基板の底部に導熱板が設けられ、且つ該導熱板の上表面に複数の絶縁膜が敷設され、また該絶縁膜表面より突出する複数の電気接点が設けられ、並びに中央の電気接点内に少なくとも一つのエピタキシャルチップが設けられ、該エピタキシャルチップの周囲に複数の注入孔が設けられ、該フレームは射出成型で形成されて該エピタキシャルチップの周囲を被覆し、該フレームの底部に該基板の該注入孔内に向けて該注入孔と結合状態を呈する係止部が射出成型されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項2】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該導熱板が銅材に銀をメッキして製造されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項3】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該絶縁膜がエポキシ材料で製造されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項4】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該絶縁膜上に複数の回路と電気接点が設けられ、さらに回路上方に別の絶縁膜が設けられて、電気接点が絶縁膜表面より突出させられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項5】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該基板中央の電気接点内に導熱エリアが設けられ、且つ該導熱エリアに少なくとも一つのエピタキシャルチップが設けられ、該エピタキシャルチップの両側にそれぞれ電気接点と電気的接続を形成する導線が設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項6】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームは液晶重合物(LCP)或いはその他の絶縁を射出成型して矩形或いはその他の形状となしたブロック体とされることを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項7】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームの中央に、エピタキシャルチップを囲み且つ下向きに漸次縮小する円弧状の中空部が設けられ、該中空部の側壁に該エピタキシャルチップの発射する光線を集中させられる反射面が設けられ、且つ該中空部内にシリコン樹脂材料で形成され且つエピタキシャルチップを被覆し位置決めする封止樹脂体が設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項8】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、複数の該係止部は該フレームの底面の各角部に形成されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項9】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームの上面に透光材料で製造された透光カバーが設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項10】
請求項9記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該フレームの両対向側にそれぞれ係止孔が設けられ、該透光カバーの底部の両対向側に係止孔と対応し係合、位置決めされる係合片が設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項11】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該基板の下方にヒートシンクが設けられたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項12】
請求項11記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該ヒートシンクがアルミニウムで製造され、且つその底部に下向きに、複数のストリップ状のフィンが延設されたことを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。
【請求項13】
請求項1記載のハイパワー発光ダイオード構造において、該基板の該注入孔が逆T状或いは下向きに漸次拡大するスピーカ状とされ、該フレームの底部の係止部形状は該注入孔に対応し、且つ該注入孔はエピタキシャルチップの熱を導出することを特徴とする、ハイパワー発光ダイオード構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−94282(P2009−94282A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263479(P2007−263479)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(599092468)冠西電子企業股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】