説明

ハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置

【課題】油温や電源温度にかかわらず、モード切り替え時のモータトルク制御変化と第2クラッチトルク容量制御変化とを調時させて、空吹けやエンジンストールを防止する。
【解決手段】油温が設定温度未満の低油温時や、バッテリ温度が設定温度未満の電源低温時は、電気(EV)走行モードまたはハイブリッドHV走行モードの間に、EVモードおよびHEVモード間のWSCモードで行うモータ回転数制御で用いる目標モータ回転数として、低油温時用目標モータ回転数または電源低温時用目標モータ回転数をWSCモータ回転数制御マップにセットして学習する(S16,S18)。WSCモードである間に、S16またはS18で学習した低油温時用目標モータ回転数または電源低温時用目標モータ回転数に基づき、モータの回転数制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン以外に電動モータからの動力によっても走行することができ、電動モータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードと、エンジンおよび電動モータの双方からの動力により走行するハイブリッド走行(HEV)モードとを有するハイブリッド車両に関し、
特に、EVモードおよびHEVモード間でのモード切り替え時におけるモータ回転数制御を低温時でも適切に行い得るようにしたハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のようなハイブリッド車両としては、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
このハイブリッド車両は、エンジンおよび電動モータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、電動モータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチおよび自動変速機を介在させ、
エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することにより電動モータからの動力のみによる電気走行(EV)モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよび電動モータからの動力によるハイブリッド走行(HEV)モードを選択可能なものである。
【0003】
かかるハイブリッド車両においては、前者のEVモードおよび後者のHEVモード間でのモード切り替え時にエンジンの始動(EV→HEVモード切り替え時)、およびエンジンの停止(HEV→EVモード切り替え時)が必要であり、
かかるエンジンの始動・停止を伴うモード切り替えに当たっては、エンジン始動・停止ショック防止のために、第2クラッチをスリップさせた状態で電動モータの回転数制御下に当該モード切り替えを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−030428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記モード切り替え時のモータ回転数制御に際しては、第2クラッチのスリップ締結状態との関連において目標モータ回転数を実現すべく電動モータのトルクを操作することにより電動モータの回転数制御を行うこととなる。
【0006】
ところで、自動変速機の油温が低い低油温時は、作動油粘度が高いことにより第2クラッチの動作応答が遅く、また電動モータの電源温度が低い電源低温時は、電源の性能低下により電動モータの制御性能が悪化する。
このため当該低温時は、制御による第2クラッチのトルク容量変化と、制御による電動モータのモータトルク変化との間にタイミングのずれを生ずることがある。
【0007】
当該タイミングのずれにより、第2クラッチのトルク容量変化に対して電動モータのモータトルク増大が早すぎる場合は、第2クラッチの入力側回転数(モータ回転数)が吹け上がって、第2クラッチが過熱状態になるという問題を生じ、
上記タイミングのずれにより、逆に第2クラッチのトルク容量変化に対して電動モータのモータトルク増大が遅すぎる場合は、第2クラッチの入力側回転数(モータ回転数)が引き込まれて、エンジンストールに至るという問題を生じる。
【0008】
本発明は、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替え時におけるモータ回転数制御に際して用いる目標モータ回転数を、低温時に上記のような問題を生ずることのないよう設定することにより、上記の問題解決を実現したハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置は、これを以下の構成とする。
先ず、前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよび電動モータを具え、これらエンジンおよび電動モータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、電動モータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチおよび自動変速機を介在させたものである。
【0010】
走行モードとしては、エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することにより電動モータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能であり、また、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよび電動モータからの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能である。
そして、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えに当たっては、第2クラッチをスリップさせた状態で電動モータの回転数制御により当該モード切り替えを行う。
【0011】
本発明のモード切り替え時モータ回転数制御装置は、かかるハイブリッド車両に対し、変速機油温検出手段および低油温時用目標モータ回転数設定手段を設け、
前者の変速機油温検出手段により検出した自動変速機の作動油温が設定値未満の低油温時は、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替え中における電動モータの回転数制御に、低油温時用目標モータ回転数を資するようにした構成に特徴づけられる。
【発明の効果】
【0012】
上記した本発明によるハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置によれば、
電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替え中における電動モータの回転数制御の目標モータ回転数として低油温時用目標モータ回転数を用いるため、
この低油温時は作動油粘度が高くて第2クラッチの動作応答が遅いため、制御による第2クラッチのトルク容量変化と、制御による電動モータのモータトルク変化との間にタイミングのずれを生じて、第2クラッチが過熱状態になったり、エンジンストールに至るという問題を生じるところながら、
上記の低油温時用目標モータ回転数を用いることによって、かかる問題を生ずることなく電動モータを狙い通りに回転数制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のモード切り替え時モータ回転数制御装置を適用可能なハイブリッド車両のパワートレーンを例示する概略平面図である。
【図2】図1に示したパワートレーンの制御システムを示すブロック線図である。
【図3】図1,2に示したハイブリッド車両の目標走行モードに係わる状態変化を示す説明図である
【図4】図2に示した制御システムにおける統合コントローラが実行する、EVモードおよびHEVモード間での切り替え時(WSCモード)における目標モータ回転数の学習制御プログラムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<本発明を適用可能なハイブリッド車両>
図1は、本発明のモード切り替え時モータ回転数制御装置を適用可能なハイブリッド車両のパワートレーンを例示し、
このハイブリッド車両は、フロントエンジン・リヤホイールドライブ車(後輪駆動車)をベース車両とし、これをハイブリッド化したもので、
1は、第1動力源としてのエンジンであり、2は駆動車輪(後輪)である。
【0015】
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、
エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設け、
このモータ/ジェネレータ5を、第2動力源として具える。
【0016】
モータ/ジェネレータ5は、電動モータ(電動機)として作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機3間に配置する。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的もしくは段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的もしくは段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
【0017】
モータ/ジェネレータ5および駆動車輪(後輪)2間に第2クラッチ7を介挿し、この第2クラッチ7によりモータ/ジェネレータ5および駆動車輪(後輪)2間を切り離し可能に結合する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的もしくは段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的もしくは段階的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
【0018】
自動変速機3は、周知の任意なものでよく、複数の変速摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結したり解放することで、これら変速摩擦要素の締結・解放の組み合わせにより伝動系路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
【0019】
ところで図1においては、モータ/ジェネレータ5および駆動車輪2を切り離し可能に結合する第2クラッチ7として専用のものを新設するのではなく、自動変速機3内に既存する変速摩擦要素を流用する。
この場合、第2クラッチ7が締結により上記の変速段選択機能(変速機能)を果たして自動変速機3を動力伝達状態にするのに加え、第1クラッチ6の解放・締結との共働により、後述するモード選択機能を果たし得ることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
【0020】
ただし、第2クラッチ7は専用のものを新設してもよく、この場合、第2クラッチ7は自動変速機3の入力軸3aとモータ/ジェネレータ軸4との間に設けたり、自動変速機3の出力軸3bと後輪駆動系との間に設ける。
【0021】
上記した図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、
停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、
第1クラッチ6を解放し、第2クラッチ7の締結により自動変速機3を動力伝達状態にする。
なお第2クラッチ7は、自動変速機3内の変速摩擦要素のうち、現変速段で締結させるべき変速摩擦要素であって、選択中の変速段ごとに異なる。
【0022】
この状態でモータ/ジェネレータ5を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによる電気走行(EV)モードで走行させることができる。
【0023】
高速走行時や大負荷走行時などで用いられるハイブリッド走行(HEV)モードが要求される場合、
第2クラッチ7の締結により自動変速機3を対応変速段選択状態(動力伝達状態)にしたまま、第1クラッチ6も締結させる。
この状態では、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によるハイブリッド走行(HEV)モードで走行させることができる。
【0024】
かかるHEVモード走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、
この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ5を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、
この発電電力をモータ/ジェネレータ5のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
【0025】
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ5、第1クラッチ6、および第2クラッチ7は、図2に示すようなシステムにより制御する。
図2の制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ20を具え、
パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTmおよび目標モータ/ジェネレータ回転数tNmと、第1クラッチ6の目標伝達トルク容量tTc1と、第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc2とで規定する。
【0026】
統合コントローラ20には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
自動変速機3の作動油温Tempoilを検出する変速機油温センサ13(変速機油温検出手段に相当)からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
車両への要求負荷を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号と、
バッテリ9の温度Tempbatを検出するモータ電源温度センサ17(モータ電源温度検出手段に相当)からの信号とを入力する。
【0027】
なお、上記したセンサのうち、エンジン回転センサ11、モータ/ジェネレータ回転センサ12、入力回転センサ13、および出力回転センサ14はそれぞれ、図1に示すように配置することができる。
【0028】
統合コントローラ20は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速VSP)から、
運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、
目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm、目標モータ/ジェネレータ回転数tNm、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1、および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2をそれぞれ演算する。
【0029】
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、目標モータ/ジェネレータトルクtTmおよび目標モータ/ジェネレータ回転数tNmはモータ/ジェネレータコントローラ22に供給される。
【0030】
エンジンコントローラ21は、エンジントルクTeが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御し、
モータ/ジェネレータコントローラ22はモータ/ジェネレータ5のトルクTmおよび回転数Nmが目標モータ/ジェネレータトルクtTmおよび目標モータ/ジェネレータ回転数tNmとなるよう、バッテリ9およびインバータ10を介してモータ/ジェネレータ5を制御する。
【0031】
統合コントローラ20は、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に対応したソレノイド電流を第1クラッチ6および第2クラッチ7の締結制御ソレノイド(図示せず)に供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1が目標伝達トルク容量tTc1に一致するよう、また、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2が目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に一致するよう、第1クラッチ6および第2クラッチ7を個々に締結力制御する。
【0032】
<モード切り替え制御>
統合コントローラ20は、変速機出力回転数No(車速)およびアクセル開度APO(制動時は制動操作力)から予定の目標駆動力マップを用いて求めた目標駆動トルクや、バッテリ蓄電率SOCや、アクセル開度APOや、変速機出力回転数No(車速)などの車両運転状態から、予定の目標運転モード領域マップを基に目標走行モードを演算する。
走行モードとしては図3に示すごとく、前記した電気走行(EV)モードおよびハイブリッド走行(HEV)モードの他に、これら電気走行(EV)モードおよびハイブリッド走行(HEV)モード間での切り替え過渡期における過渡走行(WSC)モードを設定する。
【0033】
電気走行(EV)モードでは、図3に示すように、また前記した通り、エンジン1を停止させた状態に保ち、第1クラッチ6(CL1)を解放し、第2クラッチ7(CL2)の締結、またはスリップ締結により自動変速機3を対応変速段選択状態(動力伝達状態)にして、モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみを自動変速機3による変速下で後輪2に伝達する。
【0034】
ハイブリッド走行(HEV)モードでは、図3に示すように、また前記した通り、第2クラッチ7(CL2)の締結により自動変速機3を対応変速段選択状態(動力伝達状態)にしたまま、第1クラッチ6(CL1)も締結させ、起動状態にしたエンジン1からの出力回転およびトルク制御されているモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方を自動変速機3による変速下で後輪2に伝達する。
【0035】
ハイブリッド走行(HEV)モードから電気走行(EV)モードへのモード切り替えに当たっては、図3に過渡走行(WSC)モードとして示すごとく、第2クラッチ7(CL2)を完全締結状態からスリップ締結状態にし、モータ/ジェネレータ5を回転数制御しつつ、第1クラッチ6(CL1)を解放すると共に起動状態のエンジン1を停止させることにより、電気走行(EV)モードへの切り替えを完了する。
この時、第2クラッチ7(CL2)がスリップ締結状態であることにより、ここでモード切り替えショックを吸収して、ショック対策を行うことができる。
【0036】
電気走行(EV)モードからハイブリッド走行(HEV)モードへのモード切り替えに当たっては、図3に過渡走行(WSC)モードとして示すごとく、第2クラッチ7(CL2)のスリップ締結により自動変速機3を対応変速段選択状態(動力伝達状態)にしたまま、第1クラッチ6(CL1)の締結進行制御およびモータ/ジェネレータ5の回転数制御により、停止状態のエンジン1をクランキングして始動させ、エンジン1を起動状態となし、ハイブリッド走行(HEV)モードへの切り替えを完了する。
この時、第2クラッチ7(CL2)がスリップ締結状態であることにより、ここでエンジン始動ショックを吸収して、ショック対策を行うことができる。
【0037】
かかるエンジン始動を伴うEV→HEVモード切り替えに当たっては、エンジン始動ショック防止用に上記のごとく、第2クラッチをスリップ締結状態にして、第1クラッチ6(CL1)の締結によりエンジン1を始動させるため、
このエンジン始動でエンジン1が起動した後は第2クラッチ7(CL2)を上記のスリップ締結状態から完全締結させる必要がある。
【0038】
かように第2クラッチ7(CL2)をスリップ締結状態から完全締結させるに当たっては、過渡走行(WSC)モード中に変速機出力回転数No(車速)がHEV移行許可車速以上になり、且つ第2クラッチ7(CL2)のスリップ回転|Nm−(No×ギヤ比)|がHEV移行許可スリップ回転以下になるとき、第2クラッチ7(CL2)をスリップ締結状態から完全締結させる制御を開始する。
【0039】
<モード切り替え時モータ回転数制御>
統合コントローラ20は、EVモードおよびHEVモード間でのモード切り替え時(WSCモード時)におけるモータ/ジェネレータ5の回転数制御に用いる目標モータ回転数tNm(目標変速機入力回転数)を、図4に示す制御プログラムに基づき以下のように学習制御して、モード切り替え時(WSCモード時)モータ回転数制御に資する。
【0040】
ステップS11においては、変速機作動油温(ATF温度)Tempoilが設定温度以上か否かを、つまり、第2クラッチ7(CL2)の動作応答が遅くならず、従って、制御による第2クラッチ7(CL2)のトルク容量変化と、制御によるモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化との間にタイミングのずれを生じない高油温域であるか否かをチェックする。
【0041】
またステップS12においては、モータ/ジェネレータ5の電源温度(バッテリ温度)Tempbatが設定温度以上か否かを、つまり、バッテリ9の性能低下によりモータ/ジェネレータ5の制御性能が悪化して、制御による第2クラッチ7(CL2)のトルク容量変化と、制御によるモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化との間にタイミングのずれを生じない電源高温域であるか否かをチェックする。
【0042】
ステップS11で変速機作動油温(ATF温度)Tempoilが設定温度以上と判定し、且つ、ステップS12でモータ電源温度(バッテリ温度)Tempbatが設定温度以上と判定する間は、
制御による第2クラッチ7(CL2)のトルク容量変化と、制御によるモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化との間にタイミングのずれを生じないことから、つまり、
第2クラッチ7のトルク容量変化に対してモータ/ジェネレータ5のモータトルク増大が早すぎて、第2クラッチ7の入力側回転数(モータ回転数)が吹け上がることによる第2クラッチ7の過熱に関する問題を生じないし、
第2クラッチ7のトルク容量変化に対してモータ/ジェネレータ5のモータトルク増大が遅すぎて、第2クラッチ7の入力側回転数(モータ回転数)が引き込まれることによるエンジンストールの問題も生じないことから、制御をステップS13に進める。
【0043】
ステップS13においては、EVモードおよびHEVモード間での移行モード(WSCモード)以外か否かをチェックする。
ステップS13でWSCモード以外のEVモードまたはHEVモードであると判定する間にステップS14において、WSCモードでのモータ/ジェネレータ5の回転数制御で用いる目標モータ回転数tNmとして、通常通りのアクセル操作フィーリング重視の目標モータ回転数をWSCモータ回転数制御マップ(Map)にセットし、これに呼応して、前記したHEV移行許可車速(EV→HEVモード切り替え完了と判定して第2クラッチ7をスリップ状態から完全締結させる車速)も通常通りに設定する。
【0044】
ステップS11およびステップS12で相変わらず高温と判定し、ステップS13でWSCモードと判定するとき、制御をそのまま終了することにより、ステップS14でのWSCモード用目標モータ回転数およびHEV移行許可車速の設定を行わせず、当該ステップS14で設定したWSCモード用目標モータ回転数およびHEV移行許可車速に基づき、モータ/ジェネレータ5の回転数制御を行うと共に第2クラッチ7のEV→HEVモード切り替え完了用締結制御を行う。
【0045】
しかし、ステップS11で変速機作動油温(ATF温度)Tempoilが設定温度未満と判定する間は、同じ制御入力に対して第2クラッチ7のトルク容量変化が遅くなり、このトルク容量変化に対し回転数制御中のモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化が早すぎることがあり、第2クラッチ7が入力側回転数(モータ回転数)の吹け上がり(異常上昇)により過熱状態になったり、当該入力側回転数(モータ回転数)の引き込み(異常低下)によりエンジンストールに至るという問題を生じる。
【0046】
この問題を解消するため本実施例においては、ステップS11で変速機作動油温(ATF温度)Tempoilが設定温度未満と判定する場合、ステップS15において、EVモードおよびHEVモード間での移行モード(WSCモード)以外か否かをチェックし、WSCモード以外のEVモードまたはHEVモードと判定する間にステップS16において、WSCモードでのモータ/ジェネレータ5の回転数制御で用いる目標モータ回転数tNmとして、通常のアクセル操作フィーリング重視の目標モータ回転数に代え、低油温時用目標モータ回転数をWSCモータ回転数制御マップ(Map)にセットし、これに呼応して、前記したHEV移行許可車速(EV→HEVモード切り替え完了と判定して第2クラッチ7をスリップ状態から完全締結させる車速)も低油温時用のものに設定して学習する。
従ってステップS16は、本発明における低油温時用目標モータ回転数設定手段に相当する。
【0047】
ここで上記した低油温時用目標モータ回転数は、低油温故に第2クラッチ7のトルク容量変化が遅くなっても、このトルク容量変化に、回転数制御中のモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化が調時して、第2クラッチ7の異常な入力側回転数変化をもたらすことのないような目標モータ回転数に定める。
また上記した低油温時用のHEV移行許可車速は、低油温故に第2クラッチ7のトルク容量変化が遅くなっても、第2クラッチ7がショック対策上、丁度良いタイミングで完全締結されるような車速に定める。
【0048】
ステップS11で相変わらず高油温と判定し、ステップS15でWSCモードと判定するとき、制御をそのまま終了することにより、ステップS16での低油温時WSCモード用目標モータ回転数および低油温時HEV移行許可車速の設定を行わせず、当該ステップS16で学習した低油温時WSCモード用目標モータ回転数および低油温時HEV移行許可車速に基づき、モータ/ジェネレータ5の回転数制御を行うと共に第2クラッチ7のEV→HEVモード切り替え完了用締結制御を行う。
【0049】
なお、ステップS16での低油温時WSCモード用目標モータ回転数および低油温時HEV移行許可車速の学習を、ステップS15でWSCモード以外のEVモードまたはHEVモードと判定する間に行わせるようにした理由は、WSCモードだとモータトルクが変動していて正確な学習を望み得ないためである。
【0050】
ステップS11で変速機作動油温(ATF温度)Tempoilが設定温度以上と判定しても、ステップS12でバッテリ温度Tempbatが設定温度未満と判定する場合、ステップS17において、EVモードおよびHEVモード間での移行モード(WSCモード)以外か否かをチェックし、WSCモード以外のEVモードまたはHEVモードと判定する間にステップS18において、WSCモードでのモータ/ジェネレータ5の回転数制御で用いる目標モータ回転数tNmとして、通常のアクセル操作フィーリング重視の目標モータ回転数に代え、バッテリ低温時用目標モータ回転数をWSCモータ回転数制御マップ(Map)にセットし、これに呼応して、前記したHEV移行許可車速(EV→HEVモード切り替え完了と判定して第2クラッチ7をスリップ状態から完全締結させる車速)もバッテリ低温時用のものに設定して学習する。
従ってステップS18は、本発明における電源低温時用目標モータ回転数設定手段に相当する。
【0051】
ここで上記したバッテリ低温時用目標モータ回転数は、バッテリ低温故にモータ/ジェネレータ5の回転数制御性能が低下しても、そのモータトルク変化に、第2クラッチ7のトルク容量変化が調時して、第2クラッチ7の異常な入力側回転数変化をもたらすことのないような目標モータ回転数に定める。
また上記したバッテリ低温時用のHEV移行許可車速は、バッテリ低温時故にモータ/ジェネレータ5の回転数制御性能が低下しても、第2クラッチ7の完全締結タイミングがショック対策上、丁度良いタイミングであるような車速に定める。
【0052】
ステップS12で相変わらずバッテリ温度Tempbatが設定温度未満と判定し、ステップS17でWSCモードと判定するとき、制御をそのまま終了することにより、ステップS18でのバッテリ低温時WSCモード用目標モータ回転数およびバッテリ低温時HEV移行許可車速の設定を行わせず、当該ステップS18で学習したバッテリ低温時WSCモード用目標モータ回転数およびバッテリ低温時HEV移行許可車速に基づき、モータ/ジェネレータ5の回転数制御を行うと共に第2クラッチ7のEV→HEVモード切り替え完了用締結制御を行う。
【0053】
なお、ステップS18でのバッテリ低温時WSCモード用目標モータ回転数およびバッテリ低温時HEV移行許可車速の学習を、ステップS17でWSCモード以外のEVモードまたはHEVモードと判定する間に行わせるようにした理由は、WSCモードだとモータトルクが変動していて正確な学習を望み得ないためである。
【0054】
<実施例の効果>
上記した実施例になるハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置によれば、
変速機作動油温(ATF温度)Tempoilが設定温度未満である低油温時は(ステップS11)、EVモードまたはHEVモードである間に(ステップS15)、WSCモードでのモータ/ジェネレータ5の回転数制御で用いる目標モータ回転数として、低油温時用目標モータ回転数をWSCモータ回転数制御マップ(Map)にセットし、これに呼応してHEV移行許可車速(EV→HEVモード切り替え完了と判定して第2クラッチ7をスリップ状態から完全締結させる車速)も低油温時用のものに設定して学習し(ステップS16)、
WSCモードである間(ステップS15)、ステップS16で学習した低油温時WSCモード用目標モータ回転数および低油温時HEV移行許可車速に基づき、モータ/ジェネレータ5の回転数制御を行うと共に第2クラッチ7のEV→HEVモード切り替え完了用締結制御を行うため、以下の効果を得ることができる。
【0055】
つまり上記の低油温時は、同じ制御入力に対して第2クラッチ7のトルク容量変化が遅くなり、このトルク容量変化に対し回転数制御中のモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化が早すぎることがあり、第2クラッチ7が入力側回転数(モータ回転数)の吹け上がりにより過熱状態になったり、当該入力側回転数(モータ回転数)の引き込みによりエンジンストールに至るという問題を生じる。
【0056】
しかし本実施例では、このような場合、上記の通り低油温時WSCモード用目標モータ回転数に基づきモータ/ジェネレータ5の回転数制御を行うため、低油温時WSCモード用目標モータ回転数の前記した設定とも相まって、
低油温のため第2クラッチ7のトルク容量変化が遅くなっても、このトルク容量変化に、回転数制御中のモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化を調時させることが可能となり、第2クラッチ7が入力側回転数(モータ回転数)の吹け上がりにより過熱状態になったり、当該入力側回転数(モータ回転数)の引き込みによりエンジンストールに至るという問題を解消することができる。
【0057】
また上記の低油温時は、低油温時HEV移行許可車速に基づき第2クラッチ7のEV→HEVモード切り替え完了用締結制御を行うため、
低油温のために第2クラッチ7のトルク容量変化が遅くなっても、第2クラッチ7がショック対策上、丁度良いタイミングで完全締結されるのを補償することができ、低油温時でもモード切り替えショックの発生を防止することができると共に、第2クラッチ7の耐久性や耐エンジンストール性能を向上させることができる。
【0058】
一方、バッテリ温度Tempbatが設定温度未満であるバッテリ低温時は(ステップS12)、EVモードまたはHEVモードである間に(ステップS17)、WSCモードでのモータ/ジェネレータ5の回転数制御で用いる目標モータ回転数として、バッテリ低温時用目標モータ回転数をWSCモータ回転数制御マップ(Map)にセットし、これに呼応してHEV移行許可車速(EV→HEVモード切り替え完了と判定して第2クラッチ7をスリップ状態から完全締結させる車速)もバッテリ低温時用のものに設定して学習し(ステップS18)、
WSCモードである間(ステップS17)、ステップS18で学習したバッテリ低温時WSCモード用目標モータ回転数およびバッテリ低温時HEV移行許可車速に基づき、モータ/ジェネレータ5の回転数制御を行うと共に第2クラッチ7のEV→HEVモード切り替え完了用締結制御を行うため、以下の効果を得ることができる。
【0059】
つまり上記のバッテリ低温時は、モータ/ジェネレータ5の制御性能が低下し、回転数制御中のモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化に対し第2クラッチ7のトルク容量変化が調時せず、第2クラッチ7が入力側回転数(モータ回転数)の吹け上がりにより過熱状態になったり、当該入力側回転数(モータ回転数)の引き込みによりエンジンストールに至るという問題を生じる。
【0060】
しかし本実施例では、このような場合、上記の通りバッテリ低温時WSCモード用目標モータ回転数に基づきモータ/ジェネレータ5の回転数制御を行うため、バッテリ低温時WSCモード用目標モータ回転数の前記した設定とも相まって、
バッテリ低温のためモータ/ジェネレータ5の制御性能が低下しても、第2クラッチ7のトルク容量変化に、回転数制御中のモータ/ジェネレータ5のモータトルク変化を調時させることが可能となり、第2クラッチ7が入力側回転数(モータ回転数)の吹け上がりにより過熱状態になったり、当該入力側回転数(モータ回転数)の引き込みによりエンジンストールに至るという問題を解消することができる。
【0061】
また上記のバッテリ低温時は、バッテリ低温時HEV移行許可車速に基づき第2クラッチ7のEV→HEVモード切り替え完了用締結制御を行うため、
バッテリ低温のためにモータ/ジェネレータ5の制御性能が低下しても、第2クラッチ7の完全締結タイミングがショック対策上、丁度良いタイミングで行われるのを補償することができ、バッテリ低温時でもモード切り替えショックの発生を防止することができると共に、第2クラッチ7の耐久性や耐エンジンストール性能を向上させることができる。
【0062】
なお、ステップS16での低油温時WSCモード用目標モータ回転数および低油温時HEV移行許可車速の学習を、ステップS15でWSCモード以外のEVモードまたはHEVモードと判定する間に行わせ、
また、ステップS18でのバッテリ低温時WSCモード用目標モータ回転数およびバッテリ低温時HEV移行許可車速の学習を、ステップS17でWSCモード以外のEVモードまたはHEVモードと判定する間に行わせるようにしたため、
当該学習が、モータトルク変動の激しいWSCモードに行われて誤学習となり、上記の効果が所定通りに得られなくなるという弊害を回避することができるほか、以下のような効果も得ることができる。
【0063】
つまり、目標モータ回転数およびHEV移行許可車速の上記学習をWSCモードで行うと、この学習結果がWSCモードでのモータ回転数制御中に即座に反映されて、運転操作とは関係のない要因に基づく目標モータ回転数およびHEV移行許可車速の変化で運転者が違和感を持つが、
本実施例では、目標モータ回転数およびHEV移行許可車速の上記学習をWSCモード以外のEVモードまたはHEVモードで予め行っておくことから、上記のような違和感を運転者に与えることがない。
【符号の説明】
【0064】
1 エンジン(動力源)
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
4 モータ/ジェネレータ軸
5 モータ/ジェネレータ(動力源:電動モータ)
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ(モータ電源)
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機油温センサ(変速機油温検出手段)
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
17 バッテリ温度センサ(モータ電源温度検出手段)
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源としてエンジンおよび電動モータを具え、これらエンジンおよび電動モータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、電動モータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチおよび自動変速機を介在させ、
エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することにより電動モータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよび電動モータからの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能で、第2クラッチをスリップさせた状態で電動モータの回転数制御により電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモードの切り替えを行うようにしたハイブリッド車両において、
前記自動変速機の作動油温を検出する変速機油温検出手段と、
該手段により検出した変速機油温が設定値未満の低油温時は、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替え中における電動モータの回転数制御に、低油温時用目標モータ回転数を資するようにした低油温時用目標モータ回転数設定手段とを設けて成ることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置において、
前記電動モータの電源温度を検出するモータ電源温度検出手段と、
該手段により検出した電源温度が設定値未満の電源低温時は、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替え中における電動モータの回転数制御に、電源低温時用目標モータ回転数を資するようにした電源低温時用目標モータ回転数設定手段と設けて成ることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
前記低油温時用目標モータ回転数は、変速機油温が設定値未満の低油温時における前記第2クラッチの動作応答が自動変速機の入力側回転数を異常変化させることのない回転数であり、
前記電源低温時用目標モータ回転数は、電源温度が設定値未満の低電源温度時における前記電動モータの回転数制御性能が、自動変速機の入力側回転数を異常変化させることのない回転数であることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置において、
前記低油温時用目標モータ回転数および/または前記低電源温度用目標モータ回転数の設定に応じて、ハイブリッド走行モードで行うべき第2クラッチの完全締結領域を修正する第2クラッチの完全締結領域修正手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置において、
前記低油温時用目標モータ回転数および/または前記電源低温度用目標モータ回転数の設定に当たっては、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替え状態となる前のモードで前もって学習しておき、該学習による結果を該設定に用いることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え時モータ回転数制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−91613(P2012−91613A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239267(P2010−239267)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】