説明

ハニカムサンドイッチ構造複合材およびハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法

【課題】ハニカムコアのセル空間内の樹脂量を少なくすることができ、優れた強度と耐久性とを有するとともに、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有するハニカムサンドイッチ構造複合材を提供する。
【解決手段】ハニカムコア1と、ハニカムコア1の両面に接着層2を介して配置された金属シート3と、金属シート3のハニカムコア1と反対側の面に絶縁部材4を介して配置されたカーボン繊維シート5とを備え、樹脂トランスファー成形法で成形されたものであるハニカムサンドイッチ構造複合材10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムサンドイッチ構造複合材およびハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法に関し、特に、ハニカムコアのセル空間内の樹脂量を少なくすることができ、軽量で優れた強度と耐久性とを有し、さらに電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有するハニカムサンドイッチ構造複合材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂トランスファー(RTM(Resin Transfer Molding))成形法を利用したハニカムサンドイッチ構造複合材がある。
例えば、特許文献1には、ハニカム構造からなる開放セル心層が、2つの樹脂/水分遮断フィルム層の間に、および2つの繊維質補強材層の間に挟まれている樹脂トランスファー成形(RTM)法によって製造した複合サンドイッチ構造物が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、第1繊維質補強材層、第1接合材層、多孔質コア材層、第2接合材層及び第2繊維質補強材層がこの順番に積層された積層成形物が記載されている。
特許文献3には、ドライファブリック、不浸透性樹脂フィルム、非低粘度型樹脂フィルム、ハニカムコア、非低粘度型樹脂フィルム、不浸透性樹脂フィルム、ドライファブリックの順に積層したハニカムサンドイッチ構造複合材が記載されている。
【0004】
また、特許文献4には、ハニカムコアの両端面に繊維強化プラスチック製の表面板が接着されたハニカムパネルが記載されている。
特許文献5には、ハニカムコアと、このハニカムコアの両面に配置されたシール材と、各シール材の上に配置された複数枚のドライファブリックからなるハニカムサンドイッチ構造複合材パネルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−295362号公報
【特許文献2】特開2005−319704号公報
【特許文献3】特開2003−39579号公報
【特許文献4】特開2009−66784号公報
【特許文献5】特許第4342620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、電磁波シールド対策が重要となってきており、ハニカムサンドイッチ構造複合材においても電磁波シールド効果を有するものが要求されるようになってきている。
また、従来のハニカムサンドイッチ構造複合材においては、さらなる軽量化のためにハニカムコアのセル空間内の樹脂量を少なくすることが要求されていた。
また、従来のハニカムサンドイッチ構造複合材においては、強度および耐久性をさらに向上させることが要求されていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ハニカムコアのセル空間内の樹脂量を少なくすることができ、軽量で、優れた強度と耐久性とを有するとともに、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有するハニカムサンドイッチ構造複合材を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材を製造するハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、ハニカムコアの両面に接着層を介して金属シートを配置し、金属シートの外側に絶縁部材を介してカーボン繊維シートを接着して、樹脂トランスファー(RTM)成形法で成形することにより、ハニカムコアのセル空間内の樹脂量を少なくすることができ、軽量で、優れた強度と耐久性とを有するとともに、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有するハニカムサンドイッチ構造複合材が得られることを見出し、本発明を想到した。本発明は以下の構成を採用した。
【0009】
本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材は、ハニカムコアと、前記ハニカムコアの両面に接着層を介して配置された金属シートと、前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介して配置されたカーボン繊維シートとを備え、樹脂トランスファー成形法で成形されたものであることを特徴とする。
また、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材は、前記金属シートが、表面に金属膜の設けられた樹脂シートであるものとすることできる。
また、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材は、前記ハニカムコアの外周に枠状封止材が配置され、前記枠状封止材の両面に、前記接着層と前記金属シートと前記絶縁部材と前記カーボン繊維シートとが、前記ハニカムコアの両面から延在して配置されているものとすることできる。
【0010】
また、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法は、ハニカムコアの両面に接着層を介して金属シートを配置し、前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介してカーボン繊維シートを配置してなる積層体を形成する工程と、前記積層体を樹脂トランスファー(RTM)成形法で成形する工程とを備えることを特徴とする。
本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法は、前記積層体を形成する工程が、ハニカムコアの外周に枠状封止材を配置する工程と、前記ハニカムコアの両面および前記枠状封止材の両面に接着層を介して金属シートを配置し、前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介してカーボン繊維シートを配置してなる積層体を形成する工程とを備える方法とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材は、ハニカムコアと、前記ハニカムコアの両面に接着層を介して配置された金属シートと、前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介して配置されたカーボン繊維シートとを備え、RTM成形法で成形されたものであるので、成形する際にハニカムコアのセル空間がハニカムコアの両面に配置された金属シートにより封止され、セル空間内に樹脂が入り込むことが防止される。したがって、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材は、ハニカムコアのセル空間内に存在する樹脂量の少ない軽量のものとなる。
【0012】
さらに、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材は、金属シートを備えるものであるので、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有するものとなる。
また、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材は、金属シートの優れた強度と耐久性によって、優れた強度および耐久性が得られるものとなる。
なお、カーボン繊維シートは、導電性を有するものであるので、金属シートとカーボン繊維シートとが電気的に接続されると、金属シートに電蝕が生じやすくなる。本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材では、金属シートとカーボン繊維シートとの間に絶縁部材が配置されているので、金属シートとカーボン繊維シートとが電気的に接続されることによる金属シートの電蝕を防止できる。
【0013】
また、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法は、ハニカムコアの両面に接着層を介して金属シートを配置し、前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介してカーボン繊維シートを配置してなる積層体を形成する工程と、前記積層体をRTM成形法で成形する工程とを備える方法であるので、ハニカムコアのセル空間内の樹脂量を少なくすることができ、軽量で優れた強度と耐久性とを有するとともに、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有する本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明の実施形態であるハニカムサンドイッチ構造複合材の一例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の寸法関係とは異なる場合がある。
「ハニカムサンドイッチ構造複合材」
図1は本発明の実施形態であるハニカムサンドイッチ構造複合材の一例を示す断面模式図である。本実施形態のハニカムサンドイッチ構造複合材「以下「複合材」と記載する場合がある」10は、RTM成形法で成形されたものである。
【0016】
図1に示す複合材10は、ハニカムコア1の両面に接着層2と金属シート3と絶縁部材4とカーボン繊維シート5とが、この順で配置されたものである。また、本実施形態の複合材10では、図1に示すように、ハニカムコア1の外周に枠状封止材6が配置されている。そして、枠状封止材6の両面には、接着層2と金属シート3と絶縁部材4とカーボン繊維シート5とが、ハニカムコア1の両面から延在して配置されている。
【0017】
ハニカムコア1は、図1に示すように、略六角柱状の複数のセル空間1aが備えられたものである。各セル空間1aは、ハニカムコア1の厚み方向に貫通して形成されており、壁部1bによってそれぞれ仕切られている。ハニカムコア1を構成する材料としては、特に限定されないが、フェノール含浸紙などの紙、アルミニウムなどの金属、樹脂などが挙げられ、複合材10の用途等によって適宜決定することができる。
また、ハニカムコア1の寸法は、複合材10の用途等によって適宜決定することができ特に限定されないが、例えば、厚みが1mm〜30mm、壁部1bの厚みが1mm〜30mm、セル空間1aのピッチが2mm〜40mmのものなどを用いることができる。
【0018】
枠状封止材6は、ハニカムコア1の外周に沿うように形成された内壁6aを備える枠状のものである。枠状封止材6は、RTM成形法で成形する際にハニカムコア1の外周からハニカムコア1のセル空間1aに樹脂が入り込むことが防止するとともに、複合材10の強度を向上させるものである。
枠状封止材6を構成する材料としては、特に限定されないが、アルミニウムなどの金属、アクリル、ウレタンなどの樹脂、木材など、RTM成形法で成形する際に樹脂が浸透しにくい材料を用いることが好ましく、複合材10の用途等によって適宜決定することができる。
また、枠状封止材6の寸法は、複合材10の用途等によって適宜決定することができ特に限定されないが、例えば、厚みが1mm〜30mm、枠の幅が1mm〜30mmのものなどを用いることができる。なお、枠状封止材6の厚みと、ハニカムコア1の厚みとの差は、小さいほど好ましく、具体的には0.5mm以下であることが好ましい。
【0019】
図1に示すように、ハニカムコア1および枠状封止材6の両面には、接着層2を介して金属シート3が配置されている。接着層2の材料は、ハニカムコア1および枠状封止材6と金属シート3とを接着できればよく、特に限定されないが、熱可塑性接着剤や熱硬化性接着剤などを用いることができる。熱可塑性接着剤としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタンなどを含む接着剤が挙げられる。熱硬化性接着剤としては、エポキシ、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、フェノール、ポリイミドなどを含む接着剤が挙げられる。また、接着層2の厚みは、ハニカムコア1および枠状封止材6と金属シート3とを接着できればよく、特に限定されないが、例えば0.05mm〜2mmとすることができる。
【0020】
金属シート3の材料は、RTM成形法で成形する際に樹脂が浸透せず、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有する金属であればよく、特に限定されないが、軽量で耐食性に優れたアルミニウムなどを用いることが好ましい。
【0021】
本実施形態において、金属シート3は、表面に金属膜の設けられた樹脂シートであってもよい。金属膜の設けられた樹脂シートとしては、例えば、樹脂シートに蒸着法やスパッタ法などの方法により金属膜を設けたものや、樹脂シートに金属膜を接着したものなどが挙げられる。金属膜の設けられた樹脂シートに用いられる樹脂シートとしては、PET(ポリエチレンテレフタラート)などが挙げられる。また、金属膜としては、RTM成形法で成形する際に樹脂が浸透せず、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有する金属膜であればよく、特に限定されないが、軽量で耐食性に優れたアルミニウムなどの金属からなるものであることが好ましい。
【0022】
金属シート3の厚み(または金属膜の設けられた樹脂シートの金属膜の厚み)は、複合材10の用途等によって適宜決定することができ、特に限定されないが、2μm〜500μmの範囲であることが好ましい。
金属シート3の厚み(または金属膜の設けられた樹脂シートの金属膜の厚み)が上記範囲未満であると、金属シート3(または金属膜)を設けることによる強度および耐久性を向上させる効果や、シールド効果が十分に得られない場合がある。また、金属シート3の厚み(または金属膜の設けられた樹脂シートの金属膜の厚み)が上記範囲未満であると、金属シート3(または金属膜)の強度が不十分となり、RTM成形法で成形する際に金属シート3(または金属膜)が破れ、ハニカムコア1のセル空間1a内に樹脂が入り込むことを十分に防止できなくなる恐れがある。また、金属シート3(または金属膜)の厚みが上記範囲を超えると、RTM成形法で成形する際に金属シート3(または金属膜)がハニカムコア1の形状に沿って変形しにくくなり、金属シート3(または金属膜)によるハニカムコア1のセル空間1aを封止する効果が不十分となる恐れがある。
【0023】
金属シート3のハニカムコア1と反対側の面には、絶縁部材4を介してカーボン繊維シート5が配置されている。絶縁部材4としては、RTM成形法で成形する際に、不織布に樹脂が染み込むことにより得られた不織布に樹脂が入り込んでなる厚み0.05mm〜5mmの絶縁部材4などが挙げられる。このような絶縁部材4に用いられる不織布としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アラミドなどからなるものが挙げられる。また、上記材料のような樹脂フィルムであってもよい。
【0024】
本実施形態の複合材10においては、以下に示すように、金属シート3および絶縁部材4がハニカムコア1の形状に沿って形成された凹凸を有するものであることが好ましい。
絶縁部材4が不織布に樹脂が入り込んでなるものである場合、RTM成形法で成形する際に金属シート3がハニカムコア1の各セル空間1aを仕切る壁部によって絶縁部材4となる不織布に押し付けられると、不織布が容易に圧縮変形されて凹凸を有するものとされる。すなわち、不織布によってハニカムコア1の凹凸形状が吸収される。
このようにして形成された絶縁部材4となる不織布の凹凸内には、RTM成形法で成形した際に使用した樹脂が入り込む。このため、絶縁部材4となる凹凸を有する不織布には、凹凸の形成されていない不織布と比較して、RTM成形法で成形することにより多量の樹脂が含浸される。その結果、絶縁部材4は、金属シート3との密着性に優れたものとなり、より一層優れた強度および耐久性が得られるとともに、金属シート3とカーボン繊維シート5とをより確実に絶縁できる。
【0025】
また、絶縁部材4が不織布に樹脂が入り込んでなるものである場合、RTM成形法で成形する際に金属シート3がハニカムコア1の各セル空間1aを仕切る壁部によって絶縁部材4となる不織布に押し付けられると、金属シート3がハニカムコア1の形状に沿って変形する。その結果、金属シート3の絶縁部材4側の一部が絶縁部材4に埋め込まれるとともに、金属シート3のハニカムコア1側の一部がハニカムコア1の形状に追従されて各セル空間1a内に埋め込まれる。したがって、RTM成形法で成形することにより、金属シート3は、凹凸を有するものとなる。このようにして形成された凹凸を有する金属シート3によって、RTM成形法で成形する際に、ハニカムコア1のセル空間1aが、より確実に密閉され、セル空間内1aに樹脂が入り込むことがより効果的に防止される。
【0026】
カーボン繊維シート5としては、厚みが0.05mm〜5mmのものなどを用いることができる。カーボン繊維シート5は、導電性を有するものであるので、金属シート3とカーボン繊維シート5とが電気的に接続されると、金属シート3に電蝕が生じやすくなる。本実施形態の複合材10では、金属シート3とカーボン繊維シート5との間に絶縁部材4が配置されているので、金属シート3とカーボン繊維シート5とが電気的に接続されることがなく、金属シート3の電蝕を防止できる。したがって、本実施形態の複合材10は、長期に渡って優れた耐久性を有するものとなる。
【0027】
「ハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法」
次に、本発明のハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法の一例として、図1に示す複合材10の製造方法を説明する。
図1に示す複合材10を製造するには、まず、ハニカムコア1の外周に枠状封止材6を配置する。次いで、ハニカムコア1の両面および枠状封止材1の両面に接着層2を介して金属シート3を配置する。
【0028】
次いで、金属シート3のハニカムコア5と反対側の面に絶縁部材4を介してカーボン繊維シート5を配置して積層体とする。なお、積層体を製造する際には、カーボン繊維シート5の絶縁部材4側の面に、スプレー糊などを用いて予め接着剤を塗布しておくことが好ましい。
その後、積層体をRTM成形法で成形する。この際、本実施液体においては、金属シート3および枠状封止材6によって、ハニカムコア1のセル空間1a内に樹脂が入り込むことが防止される。以上の工程を行うことにより図1に示す複合材10が得られる。
【0029】
本実施形態の複合材10は、ハニカムコア1と、ハニカムコア1の両面に接着層2を介して配置された金属シート3と、金属シート3のハニカムコア1と反対側の面に絶縁部材4を介して配置されたカーボン繊維シート5とを備え、RTM成形法で成形されたものであるので、金属シート3によって、RTM成形法で成形する際にハニカムコア1のセル空間1aが封止され、セル空間1a内に樹脂が入り込むことが防止される。このため、セル空間1a内に存在する樹脂量が少なく、軽い複合材10となる。
さらに、本実施形態の複合材10は、金属シート3を備えるものであるので、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有するものとなる。
【0030】
また、本実施形態の複合材10によれば、金属シート3の優れた強度と耐久性によって、優れた強度および耐久性が得られる。
また、本実施形態の複合材10は、ハニカムコア1の外周に枠状封止材6が配置され、枠状封止材6の両面に、接着層2と金属シート3と絶縁部材4とカーボン繊維シート5とが、ハニカムコア6の両面から延在して配置されているものであるので、より一層優れた強度を有するものとなるとともに、RTM成形法で成形する際に、ハニカムコア1の外周からハニカムコア1のセル空間1aに樹脂が入り込むことがより一層効果的に防止され、非常に軽いものとなる。
【0031】
また、本実施形態の複合材10の製造方法によれば、ハニカムコア1のセル空間1a内の樹脂量が少なく、軽量で、優れた強度と耐久性とを有し、電磁波を反射および減衰吸収するシールド効果を有する複合材10が得られる。
【符号の説明】
【0032】
1…ハニカムコア、2…接着層、3…金属シート、4…絶縁部材、5…カーボン繊維シート、6…枠状封止材、10…ハニカムサンドイッチ構造複合材(複合材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカムコアと、
前記ハニカムコアの両面に接着層を介して配置された金属シートと、
前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介して配置されたカーボン繊維シートとを備え、
樹脂トランスファー成形法で成形されたものであることを特徴とするハニカムサンドイッチ構造複合材。
【請求項2】
前記金属シートが、表面に金属膜の設けられた樹脂シートであることを特徴とする請求項1に記載のハニカムサンドイッチ構造複合材。
【請求項3】
前記ハニカムコアの外周に枠状封止材が配置され、
前記枠状封止材の両面に、前記接着層と前記金属シートと前記絶縁部材と前記カーボン繊維シートとが、前記ハニカムコアの両面から延在して配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハニカムサンドイッチ構造複合材。
【請求項4】
ハニカムコアの両面に接着層を介して金属シートを配置し、前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介してカーボン繊維シートを配置してなる積層体を形成する工程と、
前記積層体を樹脂トランスファー成形法で成形する工程とを備えることを特徴とするハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法。
【請求項5】
前記積層体を形成する工程が、ハニカムコアの外周に枠状封止材を配置する工程と、
前記ハニカムコアの両面および前記枠状封止材の両面に接着層を介して金属シートを配置し、前記金属シートの前記ハニカムコアと反対側の面に絶縁部材を介してカーボン繊維シートを配置してなる積層体を形成する工程とを備えることを特徴とする請求項4に記載のハニカムサンドイッチ構造複合材の製造方法。




【図1】
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【公開番号】特開2012−71514(P2012−71514A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218655(P2010−218655)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】