説明

バイタルサイン監視装置

バイタルサイン監視装置の実施形態をここで説明する。このような監視システムの1つは、流体ブラダを有している。ポンプが流体ブラダと流体連通し、ポンプは、流体ブラダ内の流体圧力を上昇させるように動作可能である。センサがポンプと共に実装され、センサは、流体ブラダと流体連通し、かつ、流体ブラダ内の圧力を測定するように動作可能である。コントローラは、流体ブラダ内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサインを測定するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年1月6日に出願された米国特許出願第12/349,167号、2009年1月7日に出願された米国特許出願第12/349,667号、および2009年1月7日に出願された米国特許出願第12/349,853号に対する優先権を主張するものであり、これらすべての開示内容は参照により本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バイタルサイン(生体信号)監視装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、人間のバイタルサインの監視には、高価な機器(例えば、心電図(EKG)または心弾動計(BCG))が必要であった。EKGおよびBCGの場合、多くの状況においてコストが高すぎること(例えば、家庭用途、数台以上所有する警察または消防署)に加えて、どちらも医療施設以外で使用するには余りにも扱い難い場合がある。例えば、EKGの場合、通常は、ユーザの体に電極を取り付けなければならなく、一方、BCGの場合、ユーザが横になる力測定プラットフォームは大型で、重く、かつ美観が良くない。
【0004】
より最近になって、心拍数および呼吸数を測定するため圧電フィルムまたはセンサアレイを備えた機器が開発されている。ユーザはこの機器上に横になって、フィルムまたはセンサは、ユーザの心拍数および/または呼吸数を示す信号を生成することができる。しかし、これらの機器も高価である場合がある。
【発明の概要】
【0005】
公知のエアマットレスのあるものは、それぞれ、ホースによって各エアマットレスに接続されたポンプを有する。このポンプは、エアマットレス内に空気を押し込むために高圧を生成する。しかし、このエアマットレスは、空気が少しずつ抜けることがあり、そのため、エアマットレス中の圧力が、予め設定されたレベルを下回ってしまう。空気抜けに関する問題を減少させるために、ポンプは圧力センサを備えることができ、圧力が予め設定されたレベルを下回ると、ポンプは自動的にオンになる。その結果、ユーザは、ポンプを定期的にオンにし、エアマットレス内の空気圧を上げる必要が無くなる。
【0006】
ポンプとの通信に用いられる圧力センサは、さらにバイタルサイン(例えば、エアマットレス上に横になっている人間の心拍数および呼吸数)を検出する際にも用いることが可能である。人間の少なくとも1つのバイタルサインを測定することが可能な睡眠監視システムの一実施例によれば、睡眠監視システムは、流体ブラダを備えている。ポンプが流体ブラダと流体連通し、ポンプは、流体ブラダ内の流体圧力を上昇させるように動作可能である。センサはポンプと共に実装される。センサは流体ブラダと流体連通し、センサは、流体ブラダ内の圧力を測定するように動作可能である。コントローラは、流体ブラダ内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサインを測定するように構成されている。
【0007】
その結果、睡眠監視システムのコストを多くのバイタルサイン監視装置よりも低減することができる。さらに、多くのバイタルサイン監視装置と比較して睡眠監視システムは、扱い難くない、睡眠監視システムを医療センター外で用いることが可能である。さらに、従来のエアマットレスのポンプは圧力センサを備えているため、単にソフトウェアのアップデートを行うだけで、この圧力センサを用いて、睡眠監視システムを構築することができる。また、ある時間にわたって生成される睡眠情報を解析することにより、睡眠監視システムは、特定のユーザに合わせてカスタマイズされた圧力設定をして、ユーザの睡眠を向上させることができる。
【0008】
睡眠監視システムの別の実施例を説明する。睡眠監視システムは、流体ブラダを有している。ポンプは流体ブラダから間隔を空けて配置され、ポンプは、ハウジングを備えている。ハウジングは、ポンプ部材を有し、流体を流入するための流体吸入口と、ポンプによって加圧された流体を排出するための流体排出口とを規定している。細長導管により、ポンプの流体排出口と、流体ブラダとを流体接続させる。この導管は、ポンプにより加圧された流体の流路を提供し、流体ブラダ内の流体圧力を上昇させる。圧力センサが一体型ポンプ装置の一部となるように圧力センサがポンプハウジングの内部に物理的に接続し、圧力センサは、ポンプの流体排出口での流体の圧力を検出するように構成されている。コントローラは、流体ブラダ内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサインを測定するように構成されている。
【0009】
睡眠パッドの一実施例も説明する。このパッドは、流体ブラダを有している。圧力センサは流体ブラダと流体連通し、流体ブラダ内の流体圧力を検出するように動作可能である。コントローラは圧力センサと通信し、流体ブラダ内の圧力に基づいて、ユーザの少なくとも1つのバイタルサインを測定するように動作可能である。メモリおよびプロセッサも備えている。メモリは、流体ブラダ内の圧力および少なくとも1つのバイタルサインを含む履歴データを保存する。プロセッサは、履歴データに基づいて、流体ブラダ内の圧力と少なくとも1つのバイタルサインとの間の睡眠の質の相関関係を決定する。流体ブラダ内の圧力の上昇によってユーザの睡眠の質が向上すると睡眠の質の相関関係が示している場合、加圧流体源は、流体ブラダ内の圧力を上昇させるように動作可能である。
【0010】
別の睡眠監視システムの実施形態をここで説明する。一実施例において、センサをパディング層の下側に設けた場合、センサをマットレス上部に設けた場合よりも使用感を向上させることができる。しかし、センサをパディング層の下側に設けた場合、マットレスへの圧力入力が弱まり、その結果、センサによる圧力検出が適切に行えなくなる場合がある。例えば、センサをマットレスの脚部かつパディング層の下側に設けた場合、心拍に起因してマットレス上に加えられた圧力によってパディング層内に生成される波の強さが、パディング層全体を伝播してセンサへ到達できる程の十分な強さにならない可能性がある。パディング層の下側において流体ブラダを用いれば、パディング層上に加えられる圧力により波のセンサへの伝播を支援することができる。
【0011】
そのため、睡眠監視システムの一実施例は、第1のパディング層を有する。流体ブラダが第1のパディング層の下側に設けられる。センサが流体ブラダと流体連通し、センサは、バイタルサイン信号を出力するように構成されている。
【0012】
別の実施例において、マットレス上に横になっている人間の少なくとも1つのバイタルサインを測定するためのマットレスを説明する。マットレスは、第1の発泡体層および第2の発泡体層を有する。流体ブラダが第1の発泡体層と第2の発泡体層との間に設けられ、流体ブラダは、少なくとも1つの開口を規定しており、第1の発泡体層が載置された流体ブラダ上側と第2の発泡体層が載置された下側との間に延びている。流体ブラダと流体連通するセンサは、バイタルサイン信号を出力するように構成されている。
【0013】
救命救急現場の近くの現場において、携帯型装置上に横になっている患者の少なくとも1つのバイタルサインを監視する実施形態もここで説明する。このような一実施例において、装置は、収納可能配置と展開配置との間で変形可能である。流体ブラダは、展開配置にあるとき、サイズが大きく使用感の良い上面を有しているため、少なくとも横臥位置にある患者の胴を完全に支持し、流体ブラダは、高耐久性の耐穿刺性下層を備えている。センサは、流体ブラダ内の圧力を検出するように構成されている。コントローラは、流体ブラダ内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサインを検出するように構成されている。トリアージ状態表示器は、少なくとも1つのバイタルサインに基づいて、治療緊急度レベルを表示するように構成されている。
【0014】
別の実施例において、複数の人間のバイタルサインを監視する装置を説明する。装置は、複数の患者用ベッドを備えている。各患者用ベッドは、流体ブラダと、流体ブラダ内の圧力を検出するように構成されたセンサとを備えている。コントローラは、流体ブラダ内の圧力に基づいて、バイタルサインを測定するように構成されている。トリアージ状態表示器は、少なくとも1つのバイタルサインに基づいて、複数の患者用ベッドのうち少なくとも1つの治療緊急度レベルを表示するように構成されている。
【0015】
以下、添付図面を参照して説明する。数枚の図面を通して、同一の参照符号は同一部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】エアマットレスおよびポンプを備える睡眠監視システムの端面図である。
【0017】
【図2】図1の睡眠監視システムの概略図である。
【0018】
【図3】図1のエアマットレスの図1中の線A−Aに沿った断面図である。
【0019】
【図4】圧力設定の測定を示すフローチャートである。
【0020】
【図5】検知層を有するマットレスの実施例の分解斜視図である。
【0021】
【図6】図5のマットレスの端面図である。
【0022】
【図7】図5の検知層の平面図である。
【0023】
【図8】検知層の別の実施例の平面図である。
【0024】
【図9】検知層を有するマットレスの別の実施例の側面図である。
【0025】
【図10】図5のマットレスの端面図である。
【図11】個々の患者が用いる展開配置における緊急被害者監視システムの一実施例の斜視図である。
【図12】展開配置における緊急被害者監視システムの別の実施例の斜視図である。
【図13】収納可能配置における図11の緊急被害者監視システムの概略図である。
【図14】一群の人々が用いる別の緊急被害者監視システムの一実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1および図2に示すように、睡眠監視システム10は、マットレス12と、ポンプ14と、制御装置15とを備えている。マットレス12は、流体ブラダ16を有している。マットレス12のサイズは、キングサイズ、クイーンサイズ、フルサイズ、ツインサイズ、または他のサイズのベッドフレーム11上で用いられるようなサイズにすることができる。マットレス12は、図1に示すように、流体ブラダ16の上側かつ/または下側にパディング層13をさらに有している。パディング層13は、1つ以上の発泡体パッド、ボックススプリング、追加流体ブラダ、藁入りパッド、羽毛入りパッド、おがくず入りパッド、バネ付きパッド、および/または可撓性および/または柔軟性のある別の種類のパディングを有している。あるいは、マットレス12は、椅子、病院用ベッド、ベビーベッド、またはパディングによって使用感を向上できる別の構造において使用できるサイズにしてもよい。
【0027】
ブラダ16は、空気または別の流体(例えば、水)を保持することができる。空気または別の流体の保持に加えて、ブラダ16は、予想される大きさの流体波が弱まること無く内部において十分な距離にわたって伝播することが可能な発泡体または別の材料を有している。流体ブラダ16は、マットレス12の上側の表面積とほぼ同じ表面積になるようなサイズにすることができ、これにより、ユーザのバイタルサインの検出をユーザの位置と無関係に行うことが可能になる。あるいは、ブラダ16はより小さなサイズにしてもよい(例えば、ユーザの心臓および/または肺が位置すると予想される位置よりも上方のマットレス12の領域をカバーするサイズ(例えば、成人のユーザの場合に1平方フィート単位で1フィート))。ユーザの心臓および/または肺が直接ブラダ16の上方に来ないように、ユーザをマットレス12上に横になっている場合でも、ユーザに起因する圧力変動をブラダ16が受け止めることが出来る。流体ブラダ16内の圧力は、ブラダ16中の流体の量、ユーザがブラダ16上に横になっているか否か、ブラダ16上に横になっているユーザの心拍数、ブラダ16上に横になっているユーザの呼吸数、ブラダ16上に横になっているユーザの他の動き(例えば、転がりまたは四肢の動き)、ブラダ16中の流体の温度、および他の考慮事項に応じて変化し得る。
【0028】
図1および図2に示すように、ポンプ14はマットレス12とは別の装置とすることができ、ホース18を介してブラダ16の給気口17と流体接続することができる。あるいは、ポンプ14はマットレス12と一体型にすることもでき、その場合、ポンプ14は、高圧流体を(ホース18を介してではなく)直接ブラダ16内に注入することができる。ポンプ14は、回転型ポンプあってもよいし、あるいは別の種類のポンプであってもよい。ポンプ14は、図2に示すように、出口21への接続または別の電源への接続へのための電線20を有している。ポンプ14は、制御装置15との通信のためのデータ線23も有している。あるいは、ポンプ14は、内蔵式電源(例えば、1つ以上のバッテリー)を備えてもよい。
【0029】
図2に示すように、ポンプ14は、センサ22と、センサ22および制御装置15双方と通信しているコントローラ24と共に実装される。すなわち、ポンプ14およびセンサ22は、一体型装置の一部とすることができる。例えば、ポンプ14の部品を含むケーシングとして機能するポンプハウジング19にセンサ22を備えてもよい。ポンプハウジング19は硬質材料(例えば、ABSプラスチック、ポリプロピレン、金属または別の材料)から製造することができ、ポンプハウジング19は、組立において、ポンプ14の部品を有し、センサ22は、一体型または単一の市販部品である。また、ポンプハウジング19は、流体吸入口27および加圧流体排出口28を規定し得る。周囲の圧力における流体は、吸入口27を通じてポンプ14に流入し、ポンプ14は、流体の圧力を増加させた後、排出口28を通じて流体を排出する。
【0030】
センサ22は、半導体圧力センサまたは別の種類の圧力センサを備え得る。さらに、他の種類のセンサ(例えば、温度センサ)も備えてもよい。センサ22は、ホース18内の空気圧量を検出できるように、ポンプハウジング19内に配置される。例えば、センサ22は、ホース18と連通している(例えば、図1に示すように、ポンプ14の加圧流体排出口28と流体連通している液体)ポンプ14の一部内に配置される。ホース18はマットレス12のブラダ16と流体連通可能であるため、センサ22によって検出された空気圧により、ブラダ16内の空気圧を示すことができる。ポンプ14の動作は、センサ22によって検出される圧力に影響を与える場合があるが、ポンプ14は、(例えば、ブラダ16から漏れ出る全ての流体を交換するために)ブラダ16内の平均圧力を維持するために必要とされるように動作させることができる。さらに、センサ22は、ポンプ14への電力供給も行う電源(例えば、電線21)から電力を得ることができる。センサ22は、圧力信号αをコントローラ24に出力できる。センサ22は、コントローラ24に配線接続、例えば、標準的無線プロトコル(例えば、IEEE802.11、RF、ブルートゥース(登録商標)または3G)を用いて送信機を介してコントローラ24と無線通信することも、あるいは、コントローラ24と通信できるようにコントローラ24に接続することも可能である。
【0031】
コントローラ24は、マイクロプロセッサを備えるか、または、メモリと、メモリ上に保存されているプログラムを実行するCPUとを備える別の装置であり、図2に示すポンプ14内のモータ26を制御して、図1に示すポンプ14内の排出口28の部分内において加圧空気を生成できる。コントローラ24は、モータ26に配線接続してもよいし、あるいは、例えば、標準的無線プロトコルを用いてモータ26と無線通信させてもよい。その結果、コントローラ24は、ポンプ14の動作を制御することができる。例えば、コントローラ24が、ブラダ16内の空気圧が設定量を下回ったことを測定した際に、ポンプ14にブラダ16を膨張させるよう命令などにより、圧力信号αに応答して、ポンプ14を制御することができる。そのため、コントローラ24がモータ26を動作させると、モータ26は、排出口28中に加圧空気を生成することができ、この加圧空気は、ポンプ14から出てホース18を通じてブラダ16内へと入り、ブラダ16内の流体圧力を上昇させる。コントローラ24は、排気弁または他の構造とも連通して、ブラダ16からの空気を排気し、コントローラ24が、ブラダ16内の流体圧力を低下させる命令を出す。また、コントローラ24をポンプ14と共に実装しているが、代わりに、コントローラ24を制御装置15またはポンプ14に加えて他の部品と共に実装してもよい。
【0032】
さらに、コントローラ24は、圧力信号αを解析することで、マットレス12上に横になっているかまたは腰掛けているユーザの心拍数、呼吸数および/または他のバイタルサインを測定することができる。より具体的に言うと、ユーザがマットレス12上に横になると、ユーザの心拍、呼吸および他の動きそれぞれに起因してマットレス12上に力が加わり、この力がブラダ16に伝達される。ユーザの動きに起因するブラダ16へ力が入力した結果、波がブラダ16を通じてホース18内に伝播し、ポンプ14に到達する。センサ22は波を検出することができるため、センサ22から出力された圧力信号αによって、ユーザに関する心拍数、呼吸数、または他の情報を知ることができる。ポンプ14が、ブラダ16内の流体圧力を監視して、圧力を実質的に一定量に維持するように本来設計されている種類のセンサ22を備えるポンプである場合、ソフトウェアをバージョンアップすることで、ハードウェアを変更する必要無く、ユーザの心拍数、呼吸数、および他の特性を測定するためのポンプ14の機能性を向上させることができる。この場合、所望により、制御装置15のハードウェアもバージョンアップすることができる。
【0033】
圧力信号αのDCオフセットを除去するために、圧力信号αは、DC結合経路およびAC結合経路に分割された回路を通って、AC結合経路で、増幅とフィルタリングを行うことができる。。コントローラ24は、増幅およびフィルタリングが施された圧力信号αに基づいて、パターン認識アルゴリズムまたは他の計算を行って、ユーザの心拍数および呼吸数を測定することができる。例えば、アルゴリズムまたは計算は、信号αの心拍数部分の周波数が0.5〜4.0Hzの範囲でありかつ信号αの呼吸数部分の周波数が1Hz未満であるとの仮定に基づいている。コントローラ24はまた、圧力信号α(例えば、血圧、寝返り動作、転がり動作、四肢の動き、体重、ユーザが横になっているまたは横になっていない、または横になっている、および/またはユーザの識別情報)に基づいて、ユーザの他の特性を決定するように構成できる。さらに、コントローラ24は、他のセンサ(例えば、温度センサ)からの信号を受信することができる。コントローラ24は、ユーザ(例えば、心拍数および呼吸数)の特性を制御装置15に対して示すステータス信号βを出力することができる。ステータス信号βは、。さらに、マットレス12上に複数のユーザが横になったり腰掛けている場合、センサ22が検出した圧力信号αは、複数のユーザそれぞれのバイタルサインを示すことができ、コントローラ24が実行するパターン認識アルゴリズムまたは他の計算により、各ユーザの心拍数および呼吸数を検出することができる。
【0034】
制御装置15は、送信機30と、画面32と、制御部34とを備えている。送信機30は、ステータス信号βをデータベース36または他のソースに送信することができる。送信機30は、データベース36または他のソースとの通信のための標準的無線プロトコル(例えば、IEEE802.11、RF、ブルートゥース(登録商標)または3G)を用いて動作する無線送信機であればでよいが、送信機30は、その代わりに電話回線、イーサネット(登録商標)回線または他の接続を用いてデータベースに配線接続してもよい。その結果、データベース36は、ステータス信号βにより生成された睡眠情報を保存することができ、長期の睡眠傾向に基づいて睡眠問題についてユーザに注意を喚起することができ、あるいは、ユーザの睡眠(例えば、無呼吸について注意を促す警告)、健康レベル、心臓血管状態、または他の健康情報についての他の連絡事項をユーザに提供することができる。以下、データベースを用いた睡眠情報の保存の一実施例について、図4を参照して説明する。
【0035】
画面32は、ステータス信号βとして中継された情報(例えば、ユーザの心拍数、呼吸数、REM睡眠の時間の長さ、ベッドに居た時間の合計、および他の考慮事項に基づいた睡眠得点)を表示することができる。
【0036】
制御装置15は、ポンプ14のコントローラが動作できるよう、コントローラ24と配線接続または無線通信することもできる。その結果、制御部34を用いて、睡眠監視システム10の動作を制御することができる。例えば、制御部34を用いて、ブラダ16内の空気圧を上昇させることができる。別の実施例として、制御部34を用いて、センサ22および/またはコントローラ24に命令して、データの検出、保持、表示、送信および/または分析が実施されないプライバシーモードで動作するよう命令することもできるし、又は、データベース36との通信を行うように命令して、睡眠情報(例えば、睡眠傾向、前夜からの睡眠得点、睡眠のヒント)を得ることもできる。プライバシーモードにおいて、データベース36は、制御装置15を介してまたは例えばインターネット経由でコンピュータを介してアクセス可能である。
【0037】
図3に示すように、ブラダ16は、ブラダ16にわたって間隔を空けて配置された複数の縦方向支持部38を備えている。これらの支持部38は、ブラダ16内の流体のための流路40を規定することができる。流路40は、例えば、ブラダ16の先端から給気口17を介してホース18へと流れるようにするためのものである。すなわち、これらの支持部38は、ブラダ16を通じてセンサ22に向かう方向(この場合、給気口17を通過する方向)に伝播する波を妨害しないような位置に設けられる。これらの支持部38は、また、マットレス12上に横になっているユーザも支持することができる。支持部は別の位置に配置してもよいが、当該支持部はセンサ24への波の伝搬を実質的に妨害してはならない。また、マットレス12は、2つ以上のブラダ16を有してもよい。例えば、マットレス12は、2人のユーザの心拍および呼吸数を検出するように隣り合って配置された2つのブラダ16を有し得る。この場合、ポンプ14は2つ以上のセンサ22を備え得る。
【0038】
睡眠監視システム10は、図示の構造と異なる構造を有してもよい。例えば、ポンプ14は、制御装置15の代わりに送信機30を備え得る。さらに、システム10は、上述した機能に加えさらなる機能を有し得る。例えば、制御装置15は目覚まし時計として機能することができ、その場合、ユーザが目を覚ましたかまたはマットレス12から離れたとシステム10が判断するまで、目覚ましを鳴らすことができる。
【0039】
図4に示すように、データベース36内に保存された睡眠情報を用いて、ユーザの睡眠を向上させることができる。より詳しくは、ステップS1およびS2に示され、また上記に詳述したように、センサ22は流体ブラダ16内の圧力を検出することができ、コントローラ24は、流体ブラダ16内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサインを測定することができる。
【0040】
ステップS3に示すように、データベース36は、長時間にわたり生成された睡眠情報を保存することができる。この睡眠情報は、ブラダ16内の圧力、1つ以上のバイタルサイン(例えば、心拍数、呼吸数など)、ユーザの寝返りの頻度または総数、温度、光の強さおよび他の情報を含み得る。睡眠情報は必ずしもバイタルサインのうち1つを含まなくてもよい。なぜならば、バイタルサインのうち1つ以上は、コンピュータまたは他の処理装置(すなわち、コントローラ24以外のプロセッサ)によって測定することができるからである。また、図2に示すように、コントローラ24および送信機30を通信可能に接続し、そして送信機30およびデータベース36を通信可能に接続するか、または別の方法により(例えば、センサ22およびデータベース36を通信可能に直接接続するか、または、センサ22を送信機30へ、また送信機30をデータベース36へと通信可能に接続することにより)、睡眠情報をデータベース36に転送することも可能である。
【0041】
図4のステップS3に示すように、データベース36は、睡眠情報のログを保存することができる。例えば、データベース36は、1つ以上のバイタルサインに基づいて、得点を生成することができる。この睡眠得点により、例えば、心拍数が低く、呼吸数が少なく、かつ寝返り動作が少ないときに、睡眠の質が良いことを示すことができる。データベース36は、多様な状態(例えば、ブラダ16内の圧力低下、ブラダ16内の高圧、低温、高温および/または弱い光)に対する睡眠得点を長時間にわたり蓄積することができる。
【0042】
ステップS4に示すように、その後、睡眠情報を用いて、睡眠得点と環境状態(例えば、ブラダ16内の圧力、光の強さ、および温度)との間の関連付けを行うことができる。この関連付けは、コントローラ24または別のプロセッサがデータベース36と通信しながら行うことができる。睡眠得点と環境状態との間の関連付けとしては、例えば、睡眠得点と環境状態との間の相関の決定が挙げられる。この関連付けに基づいて、高い睡眠得点を得るために、環境状態(例えば、ブラダ16内の圧力、光の強さおよび温度)をカスタマイズするための圧力設定をすることができる。さらに、関連付けに基づいて、他の設定(例えば、温度および光の強さ)をすることも可能である。
【0043】
ステップS5に示すように、コントローラ24は、圧力設定に基づいてポンプ14を制御し得る。例えば、圧力が高くなるとより高い睡眠得点が得られることを圧力設定が示す場合、コントローラ24は、モータ26を作動させて、ブラダ16を膨張させることができる。さらに、関連付けに基づいて、他の制御(例えば、ヒーター、空調および/または常夜灯)を調節することもできる。
【0044】
図5および図6に示すようなベッドは、フレーム112およびマットレス114を有している。フレーム112は、標準サイズのベッドフレーム(例えば、ツイン、フル、クイーンまたはキングサイズのマットレスを保持するためのフレーム)である。フレーム112は、マットレス114を地面から離した状態で(例えば、ユーザがマットレス114を容易に取り付けおよび取り外しできるような高さで)保持することができる。標準的ベッドフレームとして図示されているが、フレーム112は、ベビーベッド、病院用ベッド、またはマットレス114のための別の支持構造であってもよい。また、マットレス114は地面または床上に直接配置することも可能であり、この場合、フレーム112は不要である。
【0045】
図5および図6に示すように、マットレス114は、下部パディング層116と、検知層118と上部パディング層120とを有し、検知層118はパディング層116とパディング層120とによって挟まれている。マットレス114は一体型の分離不可能な装置であってもよいし、あるいは、別個の層116、118および120を積層することによってマットレス114を形成してもよい。
【0046】
下部パディング層116は、支持するための堅い層である。例えば、下層116は、堅い高密度発泡体(例えば、粘弾性ポリウレタン発泡体(メモリ発泡体とも呼ばれる))、別の種類の発泡体、従来のマットレス、ボックススプリング、流体ブラダ、藁入りパッド、羽毛入りパッド、おがくず入りパッド、バネ付きパッド、ならびに/あるいは弾力性および/または柔軟性を有する別の材料を含み得る. 下層116の上側122は、検知層118を収容するサイズの凹部124を部分的に規定し得る。図6に示すように、通常圧力まで膨張した時に、凹部124の深さは検知層118の高さ以下となる。図6に示すように、凹部124は、マットレス114の脚部において1つの開口端部126を有している。開口端部126により、コード、ホースまたは他の構造が検知層118に容易にアクセスすることが可能となり、開口端部126は、図5および図6に示す位置以外にも、マットレス114上の別の側に配置してもよい。
【0047】
上部パディング層120は快適な層であり、下部パディング層116よりもより柔軟であり(すなわち、それほど堅くない)。上層120は、高密度発泡体(例えば、メモリ発泡体)、別の種類の発泡体、従来のマットレス、流体ブラダ、藁入りパッド、羽毛入りパッド、おがくず入りパッド、バネ付きパッド、ならびに/あるいは弾力性および/または柔軟性のある別の材料を有し得る。下側128は、凹部124を部分的に規定し得る。あるいは、凹部126全体を下層116および上層120のうち1つのみによって規定してもよい。また、他の考慮事項のうち空気ブラダ118の厚さならびに下層116および上層120の堅さに応じて、凹部124(および開口端部126)を必要とすること無く層116と層120との間にブラダ118を設けてもよい。
【0048】
図7に示すように、検知層118は、流体ブラダ130と、流体ブラダ130内の流体圧力を検知するように構成された圧力センサ132と、コントローラ134とを備えている。また、検知層118が制御装置138およびポンプ139に接続されている。しかし、ブラダ130を膨張させるためにポンプ139を用いる代わりに、別の膨張機構を用いてもよい。例えば、発泡体または他の材料をブラダ130内に設けることにより、ブラダ130を自動膨張式にすることができる。別の実施例として、圧縮ガス(例えば、圧縮空気またはCO)を用いてブラダ130を膨張させてもよい。また、以下に詳述するように、圧力センサ132は、例えば、マットレス114上のユーザの脈拍および/または呼吸に起因する圧力変化を検出することができ、検出された圧力変化に基づいて、コントローラ134は、ユーザの心拍数、呼吸数および/または他のバイタルサインを測定することができる。
【0049】
流体ブラダ130は、空気または別の流体(例えば、水、ジェル、別のガス、またはこれらの組み合わせ)を保持することができる。流体ブラダ130は、下層116の上側122の大部分(例えば、図5に示すように、下層116の全上側122のうち実質的な大部分)にわたって延びるようにサイズが決定される。あるいは、ブラダ130は、図示の場合よりも上側122のより小さな領域(例えば、ユーザの胴が位置すると予想される位置よりも上方にある上側122の領域)を被覆してもよい。このように、流体ブラダ130のサイズが大きいので、流体ブラダ130は、マットレス114上のユーザの広範囲の位置にわたり圧力変化を検知することができる。すなわち、圧力センサ132が圧力変化源(例えば、ユーザの心臓の鼓動または肺呼吸)から離隔位置にある場合でも、圧力変化に起因してブラダ130内に波を発生させて、圧力変化をセンサ132へと伝播させることができる。
【0050】
また、ブラダ130は、ブラダ130の全域に空気を通すことと、ブラダ130の面積を大きくすることの間のバランスがとれるような形状にして、これにより、ブラダ130に到達する前に圧力変化があまり弱まらないようにすることができる。ブラダ130の全域に空気を通すことは、様々な理由により有利である。第1に、空気を通すことで、熱を上層120から放散させることができ、これにより、発泡体マットレスにおいて一般的な熱気を低減することができる。第2に、空気を通すことで、湿気を除去することができ、これにより、マットレス114内においてかびが成長する可能性を低下させることができる。
【0051】
このバランスを達成するために、図7に示すように、ブラダ130は、格子パターン状に配列された複数の開口136を規定している。これらの開口136により、熱および湿気をブラダ130の全体から逃がすことができる。これらの開口136の配置のために、ブラダ130は、図7中の線135aおよび線135bにより、図示の横方向経路および長さ方向経路をそれぞれ規定している。上層120へ入力する圧力変化に起因する波は、経路135aおよび135bに沿ってセンサ132へと伝播する。そのため、図7に示すようなブラダ130により、層116と層120との間から湿気を逃がすことができ、かつ、上層120へ入力する圧力がセンサ132に到達する前に弱まる事態を回避することができる。
【0052】
しかし、ブラダ130は、類似の機能性を発揮しつつ、図示の形状と異なる形状を持つこともできる。例えば、図8中に示すブラダ140は、湿気をブラダ140から逃すための縦方向溝部142を有している。ブラダ140はまた、波をブラダ140中のセンサ132へと伝播させるのを可能にする縦方向コネクタ144も有している。溝部142のサイズおよびコネクタ144のサイズは、湿気用通路の面積を大きくすることと、圧力変化がブラダ140に到達する前に弱まらないようにブラダ140の面積を大きくすることの間のトレードオフである。ブラダ130の形状が図7に示す形状と異なる別の実施例において、流体ブラダ130は複数の個別の区画を含み、この場合、各区画は、圧力センサ132のうち1つを有し得る。例えば、マットレス114が2人のユーザが横になれるくらい大きい場合、マットレス114は2つの個別の区画を含み、各区画は、2人のユーザのバイタルサインを別個に検出するためにそれぞれ専用のセンサ132を備えている。しかし、単一のセンサ132によって検出された圧力によって複数のユーザのバイタルサインを示すことも可能であり、その場合、コントローラ134は、以下に詳述するように、パターン認識アルゴリズムまたは他の計算を行って、これらのユーザそれぞれのバイタルサインを測定することができる。
【0053】
図10に示すように、検知層118に加えられるせん断力は、上部パディング層120に加えられる横方向の力である。その結果、検知層118が変形して、点線118’で示す形状となる。流体ブラダ130の高さ131は、検知層118の変形量が予想される量となった場合に検知層118の上部が検知層118の下部と接触しないように、十分な高さにすることができる。検知層118の上部と下部が接触することで、力が直接上部パディング層120から下部パディング層116へと伝わることができ、その場合、圧力センサ132が流体ブラダ130内の圧力変化を正確に検出できない場合がある。また、高さ131は、上部パディング層120の予想される重量と、上部パディング層120上に横になる任意のユーザと、流体ブラダ130内の予想される圧力とに基づく。通常の条件(例えば、通常のユーザ体重および上層120の通常の重量)下において、検知層118の流体ブラダ130の部分はの高さは、およそ1.0”である。
【0054】
上述したように、圧力センサ132は、流体ブラダ130内の流体圧力を検知するように構成されている。例えば、圧力センサ132をブラダ130の内部に設けることができる。別の実施例として、圧力センサをポンプ139のうちブラダ130と流体連通する部分に設けることもできるためポンプ139の一部の圧力は、ブラダ130の圧力に対応している。センサ132は、半導体圧力センサまたは別の種類の圧力センサを備え得る。さらに、他の種類のセンサ(例えば、温度センサ)も設けることもできる。センサ132は、圧力信号αをコントローラ134に出力することができる。
【0055】
さらに、圧力信号αは、ブラダ130上に人間が横になっているか否か、ブラダ130上に横になっている人間の心拍数、ブラダ130上に横になっている人間の呼吸数、ブラダ130上に横になつている人間の他の動き(例えば、転がりまたは四肢の動き)、ブラダ130内の流体の温度、およびバイタルサインを示すことができる。なぜならば、これらは全て、流体ブラダ130内の圧力の要素であるからである。
【0056】
コントローラ134は、メモリと、メモリ上に保存されたプログラムを実行するCPUとを備え、ポンプ139を制御して、加圧空気を生成することができる。例えば、コントローラ134は、コントローラ134がブラダ130内の圧力が設定量を下回ったと判断した場合に、ブラダ130を膨張させるようにポンプ139に命令することなどにより、圧力信号αに応答してポンプ139を制御することができる。コントローラ134がブラダ130の内側にあるが、その代わりに、コントローラ134を制御装置138の一部としてもよいし、あるいは、ブラダ130の外側に配置してもよい。コントローラ134は、センサ132および/またはポンプ139に配線接続してもよいし、例えば、標準的無線プロトコル(IEEE802.11、ブルートゥース(登録商標)など)を用いてセンサ132および/またはポンプ139と無線通信させてもよいし、あるいは、別の方式でコントローラ134をセンサ132および/またはポンプ139と通信してもよい。
【0057】
さらに、コントローラ134は、圧力信号αを分析して、マットレス114上に横になっているかまたは腰掛けているユーザの心拍数、呼吸数、および/または他のバイタルサインを測定することができる。上述したように、ユーザが上層120上に横になると、ユーザの心拍および呼吸それぞれにより上層120上に力が発生し、この力がブラダ130へと伝達される。心拍または呼吸からのブラダ130へ力が入力した結果、波がブラダ130を通じてセンサ132へと伝播する。センサ132は波を検出することができ、このようにして、センサ132から出力された圧力信号αはユーザの心拍数または呼吸数を示すことができる。その結果、ブラダ130により、波がセンサ132に到達する前に発泡体に起因して波が弱まるのを回避することができる。
【0058】
圧力信号αのDCオフセットを除去するために、圧力信号αは、DC結合経路およびAC結合経路に分割さrた回路を通って、AC結合経路で、増幅とフィルタリングを行うことができる。増幅およびフィルタリングされた圧力信号αに基づいて、コントローラ134は、パターン認識アルゴリズムまたは他の計算を行って、ユーザの心拍数および呼吸数を測定することができる。例えば、アルゴリズムまたは計算は、信号αの心拍数部分の周波数が0.5〜4.0Hzの範囲であり、かつ、信号αの呼吸数部分の周波数が1Hz未満であるとの仮定に基づいている。コントローラ134はまた、圧力信号α(例えば、ユーザの血圧、寝返り動作、転がり動作、四肢の動き、体重、または識別情報)に基づいて、ユーザの他の特性を決定するように構成できる。さらに、コントローラ134は、他のセンサ(例えば、温度センサ)から信号を受信することもできる。コントローラ134は、ユーザの特性(例えば、心拍数および呼吸数)を制御装置138に対して示すステータス信号βを出力することができる。
【0059】
制御装置138は、送信機と、表示画面と、制御部とを備え得る。送信機は、ステータス信号βをデータベースまたは他のソースへと中継する。送信機は、標準的無線プロトコル(例えば、IEEE802.11、RF、ブルートゥース(登録商標)または3G)を用いて動作する無線送信機でよいが、電話回線、イーサネット(登録商標)回線または他の接続を用いて送信機を遠隔地のソースに配線接続してもよい。その結果、データベースは、ステータス信号βから得られた睡眠情報を保存することができ、ユーザに対し、長期の睡眠傾向に基づいて睡眠問題について警告を発するか、または、ユーザの睡眠についての他の連絡事項(例えば、無呼吸についての警告)、健康水準、心臓血管状態、または他の健康情報を提供することができる。
【0060】
表示画面は、ステータス信号βとして中継された情報(例えば、ユーザの心拍数、呼吸数、REM睡眠の時間の長さ、ベッドに居た時間の合計、および他の考慮事項に基づいた睡眠得点)を表示することができる。
【0061】
上記制御を用いて、センサ132および/またはコントローラ134の動作を制御することができる。例えば、上記制御を用いて、ブラダ130内の圧力を上昇させ、センサ132および/またはコントローラ134に対しプライバシーモードで動作するよう命令することができる。このプライバシーモードでは、データの検出、保持、表示、送信および/または分析は行わない。あるいは、上記制御を用いて、データベースと通信して、睡眠情報(例えば、睡眠傾向、前夜からの睡眠得点、睡眠のヒント)を得ることができる。あるいはまたはさらに、データベースは、例えば、インターネットを介してコンピュータを用いてアクセス可能である。
【0062】
ポンプ139は、回転型ポンプまたは別の種類のポンプでもよい。ポンプ139は、ホースを介してブラダ130と流体接続し得る。しかし、ホースが不要となるように、ポンプ139をマットレス114と一体化させることも可能である。
【0063】
マットレス114は、図5および図6に示すような構造と異なる構造にし得る。そのため、下層116、検知層118および上層120を個別の構造として示しているが、別の構造にすることも可能である。例えば、図9は、発泡体マットレス160を示す。発泡体マットレス160は、連結部分166によって接続された上部分162および下部分164を含む。マットレス160は、検知層118を収容する包絡部168を規定している。さらなる実施例として、マットレス114の製造時において検知層118をマットレス114内に密封することもできるし、あるいは、検知層118および上層120を一体化させてもよい。また、別の実施例において、基礎部(例えば、フレーム112)と、マットレス114の下層116との間にブラダ130を設けることができる。
【0064】
図11に示すように、装置210上に横になっている患者213の少なくとも1つのバイタルサイン監視装置210は、流体ブラダ212と、センサ214と、制御装置215と、ポンプ220とを備え得る。装置210は、後述するように、流体ブラダ212上に横になっている患者213の心拍数、呼吸数および/または他のバイタルサインを測定することができる。
【0065】
流体ブラダ212は、空気または別の流体(例えば、水)を含むことができる。ブラダ212は、単一の流体区画を規定し得る。あるいは、ブラダ212は複数の区画を規定することもできる。その場合、圧力測定の対象となる各区画は、センサ214を備え得る。ポンプ220によってブラダ212を膨張させることが可能なように、ブラダ212はポンプ220と流体連通し得る。
【0066】
ブラダ212のサイズは、通常のサイズの患者213を快適に収容できるくらいのサイズにすることができる(例えば、体の大きな患者213でも収容できるように、ブラダ212を長さ7フィート×幅4フィートとすることができる)。しかし、ブラダ212の構造を図11に示す構造と異なってもよい。例えば、ブラダ212はより小さなサイズ(例えば、患者213の胴領域のみを完全に支持できるくらいの十分なサイズ)にすることもできる(例えば、患者213がブラダ212上の中央位置に居ない場合でも、通常のサイズの胴を収容できるように、ブラダ212を長さ2フィート×幅3フィートとすることができる)。その場合、患者213の残り部分を支持する別の種類のパッドとより小さいサイズのブラダ212を一体化させることができる。別の例として、図示のブラダ212の代わりに、患者の心臓および/または肺の位置が予想される領域の近くにおいて空気ブラダを含む発泡体パッドを用いることもできる。
【0067】
さらに、ブラダ212は、使用感の良い(例えば、柔軟かつ/または弾力性のある)上面212aを有し得る。上面212aは、発泡体または他の何らかの種類のパディングの層(例えば、肉薄の流体層またはジェル封入層)を有し得る。あるいは、流体ブラダ212内の流体212aの圧力を上面212aの使用感が良くなる位に十分にすることも可能である。また、清掃が容易にできるよう、上面212a内に疎水性材料を用いることもできる。例えば、疎水性材料を用いることにより、上面212a上の流体を拭いて取り除くことが容易になる。疎水性材料は、コーティング(例えば、Cotec−GmbHによるDuralon UltraTecまたは別の疎水性材料)でよい。さらに、上面212aを使い捨て保護コーティング部で被覆することもでき、その場合、健康および安全上の理由により、各患者213に対して新規のコーティング部を提供することができる。
【0068】
ブラダ212は、高耐久化耐穿刺性層212bをその下部上に有し得る。この耐穿刺性層212bは、例えば、鋭利な破片(例えば、ガラスまたは金属片、釘またはネジ、または類似の物体)が存在する領域内の地面にブラダ212を配置する場合に、穿刺の可能性を低減するためのものである。高耐久化耐穿刺性層212bは、十分な厚さの材料の層であるため、ブラダ212が鋭利な破片(例えば、ガラスまたは金属片、釘またはネジ、または類似の物体)に当たった場合に、ブラダ212が穿刺されるのを回避することができる。例えば、層212bの厚さは0.01”〜0.25”でよいが、層212bの厚さをその材料に応じて変更してもよい。層12bは高強度材料(例えば、Kevlar(アラミド繊維))で製造することができるが、他の材料(例えば、ゴム)を追加的にまたは代替的に用いることも可能である。シーリング材を流体ブラダ212内に設けることにより、耐穿刺性を向上させることも可能である。
【0069】
流体ブラダ212内の圧力は、患者213が地面またはブラダ212の下側の他の表面と接触することなく、患者213を地面から上方に保持できるほど十分大きくなければならない。しかし、ブラダ212内の流体の量が一定であっても、流体ブラダ212内の圧力は、ブラダ212内の流体の温度、患者213がブラダ212上に横になっているか、患者213がブラダ212上に横になっている時期、患者213の心拍数、患者213の呼吸数、患者213の他の動き(例えば、転がりまたは四肢の動き)、ならびに他の考慮事項に応じて変動する場合がある。
【0070】
センサ214は、半導体圧力センサまたは別の種類の圧力センサを有し得る。センサ214は、流体ブラダ212内の圧力を検出できる位置に設けられる。例えば、センサ214は、図11に示すように、流体ブラダ212の内側に設けられる。その結果、センサ214から出力された圧力信号は、ブラダ212上に横になっている患者213の心拍数、ブラダ212上に横になっている患者213の呼吸数、ブラダ212上に横になっている患者213の動き、および他の考慮事項に対応する。センサ214および制御装置215を配線接続するか、(例えば、標準的無線プロトコル(例えば、IEEE802.11、3G、またはブルートゥース(登録商標))を用いた)無線通信を用いるか、または別の接続を用いることにより、センサ214を制御装置215と通信することができ、これにより、センサ214は、ブラダ212内の圧力に対応する圧力信号を制御装置215に通信することができる。また、装置210は、さらなるセンサ(例えば、2つ以上のセンサ214、専用温度センサ、および他の種類のセンサ)も有し得る。
【0071】
制御装置215は、コントローラ216と、表示画面217と、制御部218とを備え得る。制御装置215は、図11に示すように、流体ブラダ212と一体化させることができる。例えば、表示画面217が視認可能でありかつ制御部218へのアクセスがブラダ212の上面212aの近くにおいて、制御部218が操作可能である状態で、制御装置215のコントローラ216を備える本体をブラダ212の上面212aの下側に設けることができる。あるいは、制御装置215の構成を図示の構成と異なるものにすることもできる。例えば、制御装置215をブラダ212とは別個の装置とし、センサ214と通信することができる。
【0072】
コントローラ216は、メモリと、メモリ上に保存されたプログラムを実行するCPUとを備えている。コントローラ216は、(例えば、コントローラ216をポンプ220に配線接続するかまたはコントローラ216をポンプ220に無線通信するかにより)ポンプ220と通信することで、ポンプ220の動作を制御する。例えば、コントローラ216は、ブラダ212内の圧力が設定量(例えば、制御部218を介して入力された量)を下回ったことをセンサ214が検出した場合に、ブラダ212を膨張させるようにポンプ220を制御し得る。
【0073】
さらに、コントローラ216は、センサによる圧力信号出力を解析して、流体ブラダ212上に横になっているかまたは腰掛けている患者213の心拍数、呼吸数および/または他のバイタルサインを測定することができる。圧力信号は、ブラダ212上の患者213の心拍、呼吸または他の動きそれぞれに対する圧力変化を含み得るため、コントローラ216は、アルゴリズムまたは他の計算を行って、患者213の心拍数および呼吸数を測定することができる。例えば、アルゴリズムまたは計算は、信号αの心拍数部分の周波数が0.5〜4.0Hzの範囲でありかつ信号αの呼吸数部分の周波数が1Hz未満であるとの仮定に基づいている。コントローラ216により圧力信号を解析する前に、圧力信号のフィルタリングおよび/または増幅をを行う。コントローラ216は、圧力信号(例えば、患者213が横になっているか、患者213の血圧、寝返り動作、転がり動作、四肢の動き、体重、および患者213の識別情報)に基づいて、患者213の他のバイタルサインを測定するように構成することもできる。さらに、コントローラ216は、他のセンサ(例えば、温度センサ)からの信号を受信することができる。コントローラ216は、患者213の特性(例えば、心拍数および呼吸数)を示すステータス信号を表示部217に出力することができる。さらに、装置210は、患者のバイタルサインおよび/または他の情報を遠隔地(例えば、トリアージ)に無線によりまたは他の方法によって送信する送信機を備え得る。
【0074】
加えて、コントローラ216は、センサ214によって検出または他の方法によって装置210に入力された圧力に基づいた心拍数、呼吸数、体重、血圧、ユーザが横になっている、体重、動き量および/または他の考慮事項に基づいて、治療緊急度レベルを計算することができる。例えば、治療緊急度レベルは、患者213に付与されるべき治療の緊急度(例えば、患者213に対して応急処置が必要か)を示すことができ、治療緊急度レベルは、単独で用いてもよいし、あるいは、治療順位を決定するために別の装置210の治療緊急度値と組み合わせてもよい。治療緊急度レベルは、多レベル表示(例えば、低、中および高)であってもよいし、あるいは、緊急度のランキング(例えば、最高緊急度レベル、その次の緊急レベルなど)であってもよい。
【0075】
表示部217は、バイタルサイン(例えば、心拍数、呼吸数、周波数および/または動きの量、および他の情報)を表示することができる。また、表示部217は、治療緊急度レベルを表示することもできる。その結果、表示部217およびコントローラ216が協働して、治療緊急度レベルを示すトリアージ状態表示器を形成することができる。しかし、別の装置(例えば、スピーカー、通報装置(例えば、ポケットベル、トリアージステーションまたは携帯電話)と無線または他の方法により通信する送信機、標識または他の何らかの通報装置が治療緊急度レベルを表示することによりトリアージ状態表示器としてさらにまたはあるいは機能することも可能である。表示部217は、トリアージ値が高い治療緊急度レベルを示す際に例えば点滅または色を変更することにより、バイタルサインおよび/またはトリアージ値に基づいて警告を発することができる。
【0076】
制御部218を用いて、センサ214および/またはコントローラ216の動作を制御することができる。例えば、制御部218を用いて、ブラダ212内の空気圧の上昇、患者213の年齢または体重情報の入力、患者の健康履歴(既往症)歴(例えば、アレルギーまたは現在服用している処方薬)の入力、および他の制御を行うことができる。
【0077】
ポンプ220は、回転型ポンプまたは別の種類のポンプでもよい。ポンプ220の吸入口部分は、通風孔222を介して周囲の環境と流体接続され、ポンプの排出口部分は、ブラダ212を膨張させるようにブラダ212と流体接続される。ポンプ220はブラダ212と一体化可能であるが、ポンプ220は、ホースを介してブラダ212に接続された別の装置であってもよい。さらに、単一のポンプ220を複数のブラダ222に接続することも可能である。ポンプ220は制御装置215と通信可能であり、これにより、コントローラ216および制御部218のうち少なくとも1つがポンプ220の動作を制御することが可能となる。制御装置215およびポンプ220は、保護をするために装置10の硬い外部内に実装できる。
【0078】
装置240上に横になっている患者の少なくとも1つのバイタルサイン監視装置240の別の実施例は、制御装置215に流体接続された自動膨張式流体ブラダ242を有し得る。流体ブラダ242は、発泡体43または別の材料を有し得る。この発泡体43または別の材料は、ブラダ242を強制的に展開位置へ膨張させる。この展開位置は、図12に示すようなブラダ242の位置であり、この展開位置において、流体波はブラダ242を通じて伝播することができる。流体ブラダ242は、流体を流体ブラダ242内に流入するための流体吸入口(例えば、図示の一方向弁245)を有し得る。動作時において、収縮状態から展開されると、発泡体243は流体ブラダ242を強制的に膨張させることにより真空状態が生じして、流体が弁245を通じて引き込まれる。一方向弁245を用いることにより、患者がブラダ242上に横になったときに流体がブラダ242から押し出される事態を回避することができる。流体ブラダ242は、流体排出口244をさらに有し得る。流体排出口244は、ブラダ242から流体を排出してブラダ242を収納位置へと戻すためのものである。この例において、制御装置215はセンサ214を備え、ホース246が流体ブラダ242の流体排出口244および制御装置215へと取り付けられ、これにより、センサ14を流体ブラダ42に流体接続する。その結果、流体ブラダ242内の圧力変動をセンサ214によって検出することが可能になり、センサ214は、検出された圧力をコントローラ(例えば、マイクロプロセッサ)またはブラダ242上の患者のバイタルサイン(例えば、心拍数および/または呼吸数)を測定するための制御装置215内の類似の装置へ中継することができる。自動膨張式の流体ブラダ242の場合、構成が図示の構成とは異なる場合があり、例えば、ブラダ242およびセンサ214と、センサ214によって検出された圧力をバイタルサイン測定のためにリモートコントローラへと中継する送信機とを単一の実装内に備えることができる。
【0079】
装置210および240をそれぞれ図1および図2に示したが、装置210および240上に患者213が横になることが可能な展開配置において、装置210および240を収納可能配置にすることも可能である。例えば、ブラダ212を収縮させた後に包み込むかまたは他の方法でブラダ212を再配置することにより、ブラダ212を図13に示すような収納可能配置に変形させることができる。あるいは、ブラダ212を畳むかまたは他の方法によってブラダ212の占有面積を低減することにより、ブラダ212を収納できるように配置することも可能である。
【0080】
ブラダ212を収納可能配置から展開配置へと変形させるには、ブラダ212を収納可能配置において保持する任意のストラップまたは他のコネクタを外し、ポンプ220を用いてブラダ212を膨張させればよい。あるいは、装置210は、ポンプ220以外の流体源を有してもよい。例えば、装置210は、ブラダ212を高速充填する際に作動させることが可能な圧縮流体源(例えば、COカートリッジ)を備え得る。別の実施例として、上述した自動膨張式ブラダ242は、流体を自動的に吸入し得る。
【0081】
ブラダ212、センサ214、制御装置215およびポンプ220は、収納可能な一体実装装置の一部とすることが可能であるため、装置210は、別の部品または収納不可能な部品を含むモニターよりもより容易に輸送および展開を行うことが可能である。さらに、装置210は治療順位をより適切に決定することが可能な緊急治療レベルを示すことができる。また、緊急治療レベルを用いて、非常に緊急に治療が必要な場合に警告を発することも可能である。さらに、装置210の構造(例えば、使用感の良い上層212aおよび高耐久化耐穿刺性下層212bを設けたこと)により、装置210を、破片が存在し得る救急現場での使用に適したものとすることができる。
【0082】
図14中に、装置230上に横になっている複数の患者のバイタルサイン監視装置230の別の実施例を示す。この装置230は、複数の空気ブラダ232を有している。これらの複数の空気ブラダ232はそれぞれセンサ234を備えている。ブラダ232およびセンサ234は、図11を参照して上述したブラダ212およびセンサ214、または図12を参照して上述したブラダ242、およびセンサ214と同様のものでよい。例えば、センサ234は、各ブラダ232内の圧力を測定することができる。これらのセンサ234は、制御装置236と通信し得る。制御装置236は、図11を参照して上述した制御装置215と同様に、制御部と、表示部と、バイタルサイン(例えば、心拍数および呼吸数)を測定するコントローラとを備え得る。しかし、各ブラダ232に対して専用制御装置を用いるのに対して、単一の制御装置236を用いて複数の患者のバイタルサインを測定することも可能である。さらに、制御装置236は、これらのブラダ232上の患者に対して治療緊急度ランクも含むことができる。その結果、制御装置236をトリアージステーションとして機能させることが可能となる。さらに、図11を参照して上述したポンプ220と同様に、単一のポンプ238を複数のブラダ232と流体連通させることも可能である。さらに、ポンプ238は、センサ234および/または制御装置236と通信することも可能である。
【0083】
本発明について、現時点において最も実際的な例と考えられるものに関し説明してきたが、本発明は開示した実施例に限定することを意図しているのではなく、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な変更例および同様の構成を網羅することを意図していることを理解すべきである。添付の特許請求の範囲は、法の下において許される上記の全ての変更例および同様の構成を包含するように、最も広く解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイタルサインを監視する機能を有するマットレス構造であって、
流体を含むブラダと、
前記流体ブラダと流体連通し、前記流体の圧力を示す出力を生成する圧力センサと、
前記流体ブラダと流体連通し、前記ポンプは、前記圧力が予め設定されたレベルを下回ったときに、前記センサの出力に応答して流体圧力を上昇させるポンプと、
前記センサおよび前記ポンプが一体型ポンプ装置を構成するように、内部に前記ポンプおよび圧力センサが配置されたポンプハウジングと、
前記センサに接続され、前記圧力センサの前記出力に基づいて、前記マットレス上に横になっている人間の少なくとも1つのバイタルサインを測定するように構成されたコントローラと、
を備えることを特徴とするマットレス構造。
【請求項2】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのバイタルサインに応答して、前記予め設定されたレベルを変更するように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載のマットレス構造。
【請求項3】
前記コントローラは、前記圧力センサの前記出力に応答して前記ポンプを制御するように動作可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のマットレス構造。
【請求項4】
前記少なくとも1つのバイタルサインは、心拍数または呼吸数のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のマットレス構造。
【請求項5】
前記流体ブラダは、流体吸入口に整列された通路を取り囲むことを特徴とする請求項1または2に記載のマットレス構造。
【請求項6】
前記流体ブラダの一端は前記流体吸入口を規定し、前記通路は、前記流体吸入口に向かって縦方向に延びることを特徴とする請求項5に記載のマットレス構造。
【請求項7】
前記流体ブラダは、前記流体ブラダの上側と前記流体ブラダの下側との間に延びる平行な支持部を備え、前記支持部は、前記通路を少なくとも部分的に規定することを特徴とする請求項5に記載のマットレス構造。
【請求項8】
前記コントローラと通信する制御装置をさらに備え、前記制御装置は、前記少なくとも1つのバイタルサインを表示するように構成された表示部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のマットレス構造。
【請求項9】
メモリをさらに備え、前記コントローラは、睡眠の質と前記予め設定されたレベルとの間の関連付けが得られるように、前記予め設定されたレベルの値と、バイタルサインの測定情報とを長時間にわたり前記メモリ内に保存するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のマットレス構造。
【請求項10】
前記センサおよび前記ポンプは、一体型ポンプ装置を構成し、前記一体型ポンプ装置は、バイタルサインを検出するように構成された前記コントローラとは別売される市販の一体型製品であることを特徴とする請求項1に記載のマットレス構造。
【請求項11】
バイタルサインを監視する機能を有するマットレスであって、
第1のパディング層と、
前記パディング層の下側にある流体ブラダであり、前記流体ブラダは、少なくとも1つの開口を規定し、前記少なくとも1つの開口が、前記第1のパディング層が載置された前記流体ブラダの上側と、前記流体ブラダの下側との間に延びる流体ブラダと、
前記流体ブラダと流体連通するセンサであり、前記センサは、バイタルサイン信号を出力するように構成されたセンサと、
を備えることを特徴とするマットレス。
【請求項12】
前記第1のパディング層の下側に第2のパディング層をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のマットレス。
【請求項13】
前記第2のパディング層の硬さは、前記第1のパディング層の硬さよりも硬いことを特徴とする請求項12に記載のマットレス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの開口は、格子状に配置された複数の開口を含むことを特徴とする請求項11に記載のマットレス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの開口は、前記流体ブラダの幅方向において間隔を空けて配置された複数の縦方向に延びる溝部を有することを特徴とする請求項11に記載のマットレス。
【請求項16】
前記流体ブラダは、縦方向に延びる流体通路を散り囲むことを特徴とする請求項11に記載のマットレス。
【請求項17】
前記センサは、前記流体通路のうち少なくとも1つと流体連通することを特徴とする請求項16に記載のマットレス。
【請求項18】
前記流体ブラダは、前記第1のパディング層上が載置された前記流体ブラダの上側と、前記流体ブラダの下側との間に延びる支持部を取り囲み、前記支持部は、前記流体通路を少なくとも部分的に規定することを特徴とする請求項16または17に記載のマットレス。
【請求項19】
前記支持部は相互に垂直であることを特徴とする請求項18に記載のマットレス。
【請求項20】
前記流体ブラダの高さは、予想されるせん断力が前記流体ブラダに対して働いた場合に、前記流体ブラダの上部と前記流体ブラダの下部とが接触しないような十分な高さであることを特徴とする請求項11または16に記載のマットレス。
【請求項21】
携帯型装置上に横になつている患者の少なくとも1つのバイタルサインを救急現場の近くにおいて監視する前記携帯型装置であって、
収納可能配置と展開配置との間で変形可能である流体ブラダであり、前記流体ブラダは、前記展開配置にある際、横になった前記患者の少なくとも一部を完全に支持できるような十分なサイズの使用感の良い上面を有し、かつ、高耐久化耐穿刺性下層を有する流体ブラダと、
前記流体ブラダ内の圧力を検出するように構成されたセンサと、
前記流体ブラダ内の前記圧力に基づいて、前記少なくとも1つのバイタルサインを測定するように構成されたコントローラと、
前記少なくとも1つのバイタルサインに基づいて、治療緊急度レベルを表示するように構成されたトリアージ状態表示器と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項22】
前記治療緊急度レベルは、前記患者の緊急治療レベルを第2の患者に対してランク付けするために、前記第2の患者の第2のバイタルサインに少なくとも部分的に基づくことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記バイタルサインまたは前記トリアージ値のうち少なくとも1つを示すように構成された表示器をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記表示器および流体ブラダは一体的に実装されることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記バイタルサインは、患者が横になっているか否か、患者の心拍数、患者の呼吸数または患者の動作のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記コントローラは、警告指示を発するように構成されたことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記流体ブラダの上面は疎水性であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記流体ブラダの上面は快適な表面であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記流体ブラダと流体連通するポンプをさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項30】
前記ポンプおよび流体ブラダは一体的に実装されることを特徴とする請求項25に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−514501(P2012−514501A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544672(P2011−544672)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/020205
【国際公開番号】WO2010/080794
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511161535)バム ラブズ,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】BAM Labs,Inc.
【Fターム(参考)】