説明

パターンのピッチ測定装置及び方法並びに表面検査装置及び方法

【課題】 比較的長い波長の光を用いてL/Sパターンのピッチを測定することのできるピッチ測定装置。
【解決手段】 L/Sパターン(12)のピッチを測定するピッチ測定装置は、パターンに少なくとも2つの波長の光を切り換えて照射する照射系(1〜3)と、パターンで反射された0次回折光を検出する検出系(4,5)と、検出系で第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいてパターンのピッチを測定する測定系(6)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンのピッチ測定装置および方法に関し、特に物体の表面に形成されたライン・アンド・スペース・パターン(以下、「L/Sパターン」とも表記する)のピッチを測定する装置および方法、並びに物体の表面を検査する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のピッチ測定装置では、L/Sパターンに単波長の光を照射して、L/Sパターンで反射された高次の回折光(±1次回折光、±2次回折光など)を検出し、検出した回折光の光強度に基づいてL/Sパターンのピッチを測定している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、上述のように、L/Sパターンで反射される高次回折光を検出する構成を採用している。したがって、L/Sパターンのピッチが短くなればなるほど、ブラッグの条件を満足させるために、短波長の光を使用する必要がある。一般に、短波長の光を用いる装置は、高価になり易い。
【0004】
また、例えばレジストに形成されたL/Sパターンのピッチを測定する場合、短波長の光がレジストを感光させてしまうこともある。さらに、レジスト面内においてL/Sパターンがうねり(ラフネス)を有する場合、L/Sパターンのラフネスの影響により検出される回折反射光の強度が低下し、ひいてはピッチの測定精度が低下するか、あるいはピッチの測定自体が不可能になってしまう。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、比較的長い波長の光を用いてL/Sパターンのピッチを測定することのできるピッチ測定装置および方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、L/Sパターンのラフネスの影響を実質的に受けることなく、L/Sパターンのピッチを高精度に測定することのできるピッチ測定装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定するピッチ測定装置において、
前記ライン・アンド・スペース・パターンに、少なくとも2つの波長の光を切り換えて前記ライン・アンド・スペース・パターンに照射するための照射系と、
前記ライン・アンド・スペース・パターンで反射された0次回折光を検出するための検出系と、
前記検出系で第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定するための測定系とを備えていることを特徴とするピッチ測定装置を提供する。
【0008】
本発明の第2形態では、ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定するピッチ測定方法において、
前記ライン・アンド・スペース・パターンに、少なくとも2つの波長の光を切り換えて照射する照射工程と、
前記照射工程を経て前記ライン・アンド・スペース・パターンで反射された0次回折光を検出する検出工程と、
前記検出工程で第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定する測定工程とを含むことを特徴とするピッチ測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、L/Sパターンで反射された0次回折光を検出するので、照射光として比較的長い波長の光を用いることができる。その結果、ブラッグの条件を満足させるために短波長の光を用いる従来技術に比して、簡素な構成にしたがう安価な装置を実現することができる。また、本発明では、L/Sパターンへの照射光として比較的長い波長の光を用いているので、レジストに形成されたL/Sパターンのピッチを測定する際にレジストを感光させる危険性がない。
【0010】
さらに、本発明では、L/Sパターンへの照射光の波長を少なくとも2つの波長の間で切り換え、第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、L/Sパターンのピッチを測定している。その結果、実施形態において詳述するように、L/Sパターンのラフネスの影響を実質的に受けることなく、L/Sパターンのピッチを高精度に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかるピッチ測定装置の構成を概略的に示す図である。図2は、第1実施形態にかかるピッチ測定装置の測定対象であるL/Sパターンの構成を概略的に示す図であって、(a)は上面図を、(b)は(a)の線A−Aの方向すなわちピッチ方向に沿った断面図をそれぞれ示している。なお、図2では、説明を容易にするために、測定対象であるL/Sパターンのうち、矩形状の領域部分だけを示している。
【0012】
図2を参照すると、物体11のXY平面に沿った表面に形成されたL/Sパターン12は、図2(a)中において斜線部で示す凸部(以下、「ライン部」という)12aと、図2(a)中において空白部で示す凹部(以下、「スペース部」という)12bとにより構成されている。ライン部12aおよびスペース部12bはともに、+X方向および+Y方向と45度をなす方向に沿って直線的に且つ帯状に延びている。
【0013】
換言すれば、L/Sパターン12の長さ方向は+X方向および+Y方向と45度をなす方向であり、L/Sパターン12のピッチ方向は+X方向および−Y方向と45度をなす方向である。また、図2(b)に示すように、ライン部12aの幅寸法Waとスペース部12bの幅寸法Wbとは互いに等しい。したがって、ライン部12aのピッチ方向の長さである幅寸法Waおよびスペース部12bのピッチ方向の長さである幅寸法WbをWで表記すれば、L/Sパターン12のピッチPは2Wである。
【0014】
図1を参照すると、第1実施形態のピッチ測定装置は、例えば水銀ランプ1のような光源を備えている。水銀ランプ1からの光は、図示を省略した楕円反射鏡、コリメータレンズなどの光学系を介して、波長選択フィルター2に入射する。波長選択フィルター2は、例えばi線(λ=365nm)の光を選択的に透過させる特性を有する。
【0015】
波長選択フィルター2は、光路に対して挿脱自在であり、異なる特性を有する他の波長選択フィルター2a,2bと交換可能に構成されている。具体的には、波長選択フィルター2aは例えばh線(λ=405nm)の光を選択的に透過させる特性を有し、波長選択フィルター2bは例えばg線(λ=436nm)の光を選択的に透過させる特性を有する。波長選択フィルター2,2aまたは2bを介して選択された波長を有する光は、偏光子3に入射する。
【0016】
また、水銀ランプ1は、例えば波長λが248nmの光を供給するKrFエキシマレーザ光源1aと切り換え可能に構成されている。光源としてKrFエキシマレーザ光源1aを用いる場合、KrFエキシマレーザ光源1aからの光は、図示を省略したビームエキスパンダーなどの光学系を介して、偏光子3に入射する。偏光子3は、例えば図1の紙面に垂直な偏光方向を有する光を選択的に通過させる特性を有する。偏光子3を経た直線偏光の光は、物体11のXY平面に沿った表面に形成されたL/Sパターン12に斜め入射する。
【0017】
ここで、L/Sパターン12に入射する光の波長(本実施形態ではλ=248,365,405,436nm)は、比較的長い波長に設定されている。また、L/Sパターン12への光の入射方向(本実施形態ではX方向)は、L/Sパターン12のピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に設定されている。
【0018】
さらに、L/Sパターン12に入射する光の偏光方向(本実施形態では図1の紙面に垂直なY方向)も、L/Sパターン12のピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に設定されている。このように、光源1(1a)、波長選択フィルター2(2a,2b)、および偏光子3は、直線偏光状態の光を、波長を4つの波長の間で切り換えて、L/Sパターン12に照射するための照射系を構成している。
【0019】
照射系(1〜3)からの光照射を受けて、L/Sパターン12で反射した0次回折光は、クロスニコルの条件を作り出す検光子(偏光子)4に入射する。検光子4は、L/Sパターン12への入射光の偏光方向と直交する偏光方向(本実施形態では図1の紙面と平行な方向)を有する光を選択的に通過させる特性を有する。検光子4を経た所定の直線偏光状態の0次回折光は、たとえばCCDのような光検出器(受光素子)5に達する。光検出器5では、入射した0次回折光の光強度を検出する。
【0020】
こうして、検光子4および光検出器5は、L/Sパターン12で反射された0次回折光のうち、L/Sパターン12への入射光の偏光方向と直交する偏光方向を有する0次回折光を検出するための検出系を構成している。光検出器5の出力は、信号処理部としての測定系6に供給される。測定系6では、後述するように、検出系(4,5)で第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、L/Sパターン12のピッチPを算出(測定)する。
【0021】
なお、検出系(4,5)において、L/Sパターン12への入射光の偏光方向と直交する偏光方向を有する0次回折光(偏光回転成分)のみを検出するのは、ノイズ成分を取り除くためである。実際には、L/Sパターン12への入射光の偏光方向と同じ偏光方向(振動面)を有する光が光検出器5へ入射することを完全に妨げることはできないが、検光子4の許容製造誤差(公差)に起因して入射する光は許容される。
【0022】
本実施形態のピッチ測定装置では、L/Sパターン12に照射する光の波長を、4つの波長λ=248nmとλ=365nmとλ=405nmとλ=436nmとの間で切り換えて、各波長についてL/Sパターン12への入射光の偏光方向と直交する偏光方向を有する0次回折光(偏光回転成分)の光強度を検出する。このとき、例えば248nmの波長を基準波長とすると、基準波長(第1の波長)について検出される偏光回転成分の光強度と、他の波長(第2の波長)について検出される偏光回転成分の光強度との強度比は、L/Sパターン12のピッチPに依存して変化する。
【0023】
本実施形態では、基準波長について検出される光強度と各波長について検出される光強度との強度比と、L/Sパターンのピッチとの対応関係を示すテーブルが、測定系6に設けられている。この種のテーブルは、例えば理想状態に近い露光条件でレジストに高精度に形成されたL/Sパターンのピッチを、本実施形態の装置を用いて実際に測定することにより予め得られる。あるいは、基準波長について検出される光強度と各波長について検出される光強度との強度比と、L/Sパターンのピッチとの関係を、光学シミュレーションにより予め求めることもできる。
【0024】
次に、図6に示すフローチャートを参照して、第1実施形態に係るピッチ測定装置によって測定対象であるL/Sパターン12のピッチPを測定する方法を説明する。まず、L/Sパターン12に、少なくとも2つの波長の光を切り換えて照射する(照射工程S101)。具体的には、例えば波長選択フィルター2を波長選択フィルター2a又は波長選択フィルター2bと交換することにより、L/Sパターン12にi線(λ=365nm)の光とh線(λ=405nm)の光又はg線(λ=436nm)の光とを切り換えて照射する。あるいは、例えば光源である水銀ランプ1をKrFエキシマレーザ光源1aと切り換えることにより、L/Sパターン12にi線(λ=365nm)の光と波長λが248nmの光とを切り換えて照射する。
【0025】
波長選択フィルター2,2a又は2bによって波長が選択された光、あるいははビームエキスパンダーなどの光学系を介したKrFエキシマレーザ光源1aからの光を、偏光子3に入射させる。L/Sパターン12を照射する光は、偏光子3を通過することによって、L/Sパターン12のピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に偏光方向を有する直線偏光状態になる。
【0026】
このように照射系(1〜3)を介することによって得られる直線偏光状態の光を、L/Sパターン12のピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に沿ってL/Sパターン12に照射する。
【0027】
次に、照射工程S101を経てL/Sパターン12で反射され、検出子4を通過した0次回折光を光検出器5において検出する(検出工程S102)。検出工程S102では、検光子4を介することで、L/Sパターン12への入射光の偏光方向と直交する偏光方向を有する0次回折光を検出する。
【0028】
続いて、検出工程S102において第1の波長(例えば、波長λ=248nm)として検出された0次回折光の光強度と第2の波長(例えば、波長λ=365nm)として検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、測定系6でL/Sパターン12のピッチPを測定する(測定工程S103)。測定系6には、光検出器5の出力が供給される。
【0029】
ここで、測定工程S103においてL/Sパターン12のピッチPを測定する方法を説明する。まず、基準波長として例えば第1の波長を設定する。測定系6内には、基準波長について検出される光強度と他の各波長について検出される光強度との強度比とL/SパターンのピッチPとの対応関係を示すテーブルを設けておく。そして、当該テーブルに基づき、強度比と第2の波長値とから、L/Sパターン12のピッチPを求める。
【0030】
以下の表1に強度比とL/Sパターンのピッチとの対応関係を表すテーブルの例を示す。このとき、基準波長(第1の波長)として、波長λ=248nmの光を用いる。表1のテーブルは、理想状態に近い露光条件でレジストに高精度に形成されたL/Sパターン(サンプルパターン)のピッチPsを、第1実施形態の装置を用いて実際に測定することにより得られる。
【0031】
表1
Ps=90nm Ps=110nm
第2の波長λ=365nm 0.58 0.62
第2の波長λ=405nm 0.31 0.34
第2の波長λ=436nm 0.21 0.22
【0032】
表1のテーブルは、サンプルパターンの異なるピッチPs(Ps=90nm、Ps=110nm)に対して第2の波長λごとに得られた強度比を表す。表1に表されたテーブルによれば、例えばL/Sパターン12に波長λ=365nmの光を第2の波長として照射した場合に得られた強度比が0.58であった場合には、L/Sパターン12のピッチPは90nmである、と測定される。あるいは、例えばL/Sパターン12に波長λ=365nmの光を第2の波長として照射した場合に得られた強度比が0.62であった場合には、L/Sパターン12のピッチPは110nmである、と測定される。あるいは、例えばL/Sパターン12に波長λ=436nmの第2の波長として照射した場合に得られた強度比が0.21であった場合には、L/Sパターン12のピッチPは90nmである、と測定される。
【0033】
ここで、図7に、異なるピッチを有するサンプルパターンについて、第2の波長として照射した光の波長と、第1の波長についての強度と第2の波長についての強度との強度比との関係を表すグラフを示す。図7において、縦軸は、基準波長であるλ=248nmの波長について検出された偏光回転成分の光強度を1に規格化したときの光強度を示している。横軸は、サンプルパターンであるL/Sパターンに照射された光の波長(nm)を示している。また、グラフG1はピッチが90nmのサンプルパターンの場合を、グラフG2はピッチが110nmのサンプルパターンの場合をそれぞれ示している。
【0034】
以下、具体的な数値例にしたがって、第1実施形態の作用効果について検証する。図3は、レジストに形成されたL/Sパターンのうねり(ラフネス)を模式的に示す図である。図3に示すように、レジスト面内においてL/Sパターン12がラフネスを有する場合、L/Sパターン12のラフネスは、例えば線幅がWaのライン部12aのラフネス振幅Amとラフネス周期Prとによりモデル化して特徴付けられる。
【0035】
第1数値例では、ライン部12aの線幅Waが55nmでピッチPが110nmのL/Sパターン12について、ラフネス周期Prが110nmで、ラフネス振幅Amが0nm,2.5nm,5nm,7.5nm,10nmの場合に、検出系(4,5)で各波長について検出される偏光回転成分の光強度をシミュレーションにより求めた。図4は、第1数値例において、ラフネス振幅の異なるL/Sパターンについて、各波長の光に対して検出された偏光回転成分の光強度を示す図である。
【0036】
図4において、縦軸は、基準波長であるλ=248nmの波長について検出された偏光回転成分の光強度を1に規格化したときの光強度を示している。横軸は、L/Sパターン12に照射される光の波長(nm)を示している。また、a1はラフネス振幅Amが0nmの場合を、a2はラフネス振幅Amが2.5nmの場合を、a3はラフネス振幅Amが5nmの場合を、a4はラフネス振幅Amが7.5nmの場合を、a5はラフネス振幅Amが10nmの場合をそれぞれ示している。
【0037】
なお、図4では、本実施形態の作用効果の理解を容易にするために、各波長について検出された偏光回転成分の光強度を小点で示し、各小点の間を直線で結んでいる。図4の表記は、第2数値例にかかる図5においても同様である。図4を参照すると、第1数値例では、ラフネス振幅Amが0nmから10nmの間で変化しても、基準波長について検出された光強度と各波長について検出された光強度との強度比がほとんど変動していないことがわかる。すなわち、第1数値例では、基準波長について検出された光強度と各波長について検出された光強度との強度比とに基づいて、L/Sパターン12のラフネス振幅の影響を実質的に受けることなく、L/Sパターン12のピッチPが測定される。
【0038】
第2数値例では、ライン部12aの線幅Waが55nmでピッチPが110nmのL/Sパターン12について、ラフネス周期Prが220nm(第1数値例の2倍の周期)で、ラフネス振幅Amが0nm,2.5nm,5nm,7.5nm,10nmの場合に、検出系(4,5)で各波長について検出される偏光回転成分の光強度をシミュレーションにより求めた。図5は、第2数値例において、ラフネス振幅の異なるL/Sパターンについて、各波長の光に対して検出された偏光回転成分の光強度を示す図である。
【0039】
図5を参照すると、第2数値例においても、第1数値例と同様に、ラフネス振幅Amが0nmから10nmの間で変化しても、基準波長について検出された光強度と各波長について検出された光強度との強度比がほとんど変動していないことがわかる。なお、第1数値例の場合とは異なり、基準波長について検出された光強度と365nmの波長について検出された光強度との強度比がわずかに変動しているが、その変動の幅は強度比(≒0.6)に比して非常に小さいものである。こうして、第2数値例においても、基準波長について検出された光強度と各波長について検出された光強度との強度比とに基づいて、L/Sパターン12のラフネス振幅の影響を実質的に受けることなく、L/Sパターン12のピッチPが測定される。
【0040】
図5では、図面の明瞭化のために、ラフネス振幅Amが2.5nmの場合の強度比および7.5nmの場合の強度比の表示を省略しているが、これらの強度比はラフネス振幅Amが0nmの場合の強度比と10nmの場合の強度比との間にあることを確認している。また、図4と図5とを比較すると、ラフネス周期Prが110nmと220nmとの間で変化しても、基準波長について検出された光強度と各波長について検出された光強度との強度比がほとんど変動していないことがわかる。こうして、本実施形態では、L/Sパターン12のラフネス振幅およびラフネス周期の影響を実質的に受けることなく、L/Sパターン12のピッチPが測定されることがわかる。
【0041】
以上のように、本実施形態では、L/Sパターンで反射された0次回折光を検出するので、L/Sパターン12への照射光として比較的長い波長の光を用いている。その結果、本実施形態では、ブラッグの条件を満足させるために短波長の光を用いる従来技術に比して、簡素な構成にしたがう安価な装置を実現することができる。また、本実施形態では、L/Sパターン12への照射光として比較的長い波長の光を用いているので、レジストに形成されたL/Sパターンのピッチを測定する際にレジストを感光させる危険性がない。
【0042】
さらに、本実施形態では、L/Sパターン12への照射光の波長を4つの波長の間で切り換え、λ=248nmの基準波長(第1の波長)について検出された0次回折光の光強度と、λ=365,405nm,436nmの各波長(第2の波長)について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、L/Sパターン12のピッチPを測定している。その結果、上述したように、本実施形態では、L/Sパターン12のラフネスの影響を実質的に受けることなく、L/Sパターン12のピッチPを高精度に測定することができる。
【0043】
なお、上述の実施形態では、L/Sパターン12への照射光の波長を4つの波長の間で切り換えている。しかしながら、これに限定されることなく、L/Sパターンへの照射光の波長を少なくとも2つの波長の間で切り換えることにより、第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比を少なくとも1つ得ることができ、ひいてはこの少なくとも1つの強度比に基づいてL/Sパターンのピッチを測定することが可能になる。
【0044】
また、上述の実施形態では、L/Sパターン12に照射する光の波長を、4つの波長λ=248nmとλ=365nmとλ=405nmとλ=436nmとの間で切り換えている。しかしながら、これに限定されることなく、比較的長い波長から適宜選択された少なくとも2つの波長の間で、L/Sパターンへの照射光の波長を切り換えることができる。
【0045】
なお、L/Sパターン12に照射する光の波長を、L/Sパターン12から0次回折光の反射光しか生じない波長に設定することもできる。これは、L/Sパターン12から0次回折光とともに高次回折光が発生すると、この高次回折光がノイズ成分となって、L/Sパターン12のピッチPに依存する所要の特性を0次回折光の強度に見出することができなくなる可能性があるからである。これに対し、L/Sパターン12への照射光の波長を、L/Sパターン12から0次回折光の反射光しか生じない波長に設定すれば、L/Sパターン12からの0次回折光の強度が最大になり、L/Sパターン12のピッチPの測定精度も向上する。
【0046】
また、上述の実施形態では、L/Sパターン12への光の入射方向が、パターン面(XY平面)においてL/Sパターン12のピッチ方向および長さ方向の双方と45度をなす方向に設定されている。しかしながら、これに限定されることなく、L/Sパターン12への光の入射方向がL/Sパターン12のピッチ方向および長さ方向の双方と交差する所定の方向に設定することも可能である。これは、L/Sパターン12への光の入射方向とL/Sパターン12のピッチ方向または長さ方向とが一致すると、検出系(4,5)により検出されるL/Sパターン12からの偏光回転成分の強度が0になるからである。これに対し、L/Sパターン12への光の入射方向をL/Sパターン12のピッチ方向および長さ方向の双方と45度をなす方向に設定すれば、L/Sパターン12からの偏光回転成分の強度が最大になり、L/Sパターン12のピッチPの測定精度も向上する。
【0047】
また、上述の実施形態では、ライン部12aの幅寸法Waとスペース部12bの幅寸法Wbとが互いに等しいL/Sパターン12を測定対象としているが、これに限定されることなく、ライン部の幅寸法とスペース部の幅寸法とが互いに異なるL/Sパターンを測定対象とすることもできる。
【0048】
また、上述の実施形態では、偏光子3が照射系に設けられ、検光子4が検出系に設けられている。しかしながら、これに限定されることなく、偏光子3または検光子4、あるいは偏光子3と検光子4との両方の設置を省略することもできる。検出系で検出する0次回折光のノイズ成分が小さい場合、偏光子3や検光子4を省略した構成でもL/Sパターン12のピッチPを高精度に測定することが可能である。
【0049】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る表面測定装置及びそれを用いた表面検査方法について説明する。先ず、表面検査装置の構成を説明する。
【0050】
図8に示すように、表面検査装置10には、被検ウェハ20を支持するステージST、アライメント系AL、照明系13、受光系14、制御演算装置15、画像表示装置16、入力器17などが備えられる。
【0051】
被検ウェハ20は、その最上層が露光及び現像済みのレジスト膜となった半導体ウェハであり、表面にL/Sパターン12が形成されている。被検ウェハ20は、不図示のウェハカセットまたは現像装置から不図示の搬送系により運ばれ、ステージST上に固定保持される。その被検ウェハ20は、ステージSTにより、上面中心における法線1Aを回転軸として回転可能である。その回転中の被検ウェハ20の回転位置は、その外縁に設けられたノッチやオリフラ等の形状からアライメント系ALによって検出される。このアライメント系ALとステージSTとにより、被検ウェハ20の回転位置は、表面検査に適した位置に設定される。
【0052】
照明系13には、光源31と、波長選択部32と、ライトガイドファイバ33と、偏光フィルター34と、凹面反射鏡35とを順に配置した偏心光学系である。光源31は、水銀ランプやメタルハライドランプなどの放電光源であり、波長選択部32は、その光源31からライトガイドファイバ33へと向かう光の波長を切り替える機構である。
【0053】
波長選択部32には、光源31からの光を平行光束に変換するコリメータレンズ25と、その平行光束に対し透過波長域の異なる複数の波長選択フィルターF1,F2,F3,F4,F5,F6を選択的に挿入するターレット12bと、ターレット12bを通過した平行光束をライトガイドファイバ33の入射端へ集光する集光レンズ26と、ターレット12bを回転させるモータ23cとを備える。そのモータ23cが駆動されると、ライトガイドファイバ33の入射端へ入射する光の波長が切り替わる。なお、光源31の輝線スペクトルと波長選択フィルターF1,F2,F3,F4,F5の透過波長域については、後述する。
【0054】
ライトガイドファイバ33の入射端へ入射した光は、そのライトガイドファイバ33の内部を伝播し、その射出端から射出する。その光は、射出端の近傍に配置された偏光フィルター34によって直線偏光に変換された後、凹面反射鏡35を介して被検ウェハ20の略全面を斜め方向から照明する。この凹面反射鏡35の射出光軸O1は、ステージSTの中心を通り、ステージSTの法線1Aに対して所定の角度θだけ傾いている。
【0055】
この凹面反射鏡35は、球面の内側を反射面とした反射鏡であり、その前側焦点がライトガイドファイバ33の射出端と略一致し、その後側焦点が被検ウェハ20の表面と略一致する。この凹面反射鏡35により、被検ウェハ20の全面は、テレセントリックな直線偏光L1で照明される。被検ウェハ20上の各点へ向かう各直線偏光L1の主光線(進行方向)は、凹面反射鏡35の射出光軸O1に対し略平行である。上述した偏光フィルター34の透過軸の方位は、これらの直線偏光L1の偏光方向が被検ウェハ20の表面に対しp偏光となるように予め設定されている。
【0056】
このように、照明系13は、波長選択フィルターF1,F2,F3,F4,F5,F6を選択的に挿入することで、少なくとも2つの波長の光を切り換えてL/Sパターン12に照射するための照射系として機能する。ここで、L/Sパターン12に切り換えて照射される2つの波長を第1の波長(基準波長)及び第2の波長と呼ぶ。
【0057】
受光系14は、凹面反射鏡36と、偏光フィルター38と、結像レンズ37と、撮像素子39とを順に配置した偏心光学系である。凹面反射鏡36は、照明系13の凹面反射鏡35と同様の反射鏡であり、その入射光軸O2は、法線1A及び凹面反射鏡35の射出光軸O1と同一平面上にあり、かつ、入射光軸O2が法線1Aと成す角度は、射出光軸O1が法線1Aと成す角度と同じくθである。したがって、被検ウェハ20からの正反射光(0次回折光)L2は、凹面反射鏡36の入射光軸O2に沿って進行する。凹面反射鏡36は、その正反射光L2を反射して偏光フィルター38の方に導き、結像レンズ37と協働して撮像素子39の撮像面上に被検ウェハ20の反射像を形成する。
【0058】
ここで、偏光フィルター38の透過軸の方位は、照明系13内の偏光フィルター34の透過軸に対して直交するように設定されている(クロスニコル(直交ニコル)の状態)。したがって、偏光フィルター38を通過した直線偏光L4は、正反射光L2のうち、直線偏光L1の偏光方位と直交する偏光成分に相当する。この直線偏光L4の強度が、上述した反射像の強度を決定する。
【0059】
この反射像は、撮像素子39によって撮像される。撮像素子39は、例えばCCD撮像素子などであり、その反射像を光電変換して電気信号を生成し、その電気信号を回路や計算機等からなる制御演算装置15へと送出する。
【0060】
このように、受光系14は、被検ウェハ20に形成されたL/Sパターン12で反射された正反射光(0次回折光)を検出するための検出系として機能する。
【0061】
制御演算装置15は、その電気信号に基づき被検ウェハ20の反射画像を認識すると、その反射画像上の各領域の輝度に基づき、被検ウェハ20上のパターンの欠陥の程度をショット領域毎に判断する。具体的には、制御演算装置15は、撮像素子39で第1の波長(基準波長)について検出された正反射光(0次回折光)の光強度と第2の波長について検出された正反射光(0次回折光)の光強度との強度比に基づいて、L/Sパターン12のピッチを測定する測定系として機能する。
【0062】
制御演算装置15には、第1の波長(基準波長)について検出される正反射光(0次回折光)の光強度と各波長について検出される正反射光(0次回折光)の光強度との強度比と、L/Sパターンのピッチとの対応関係を示すテーブルが設けられている。制御演算装置15は、このテーブルに基づき、光強度の強度比と第2の波長値とから、被検ウェハ20のL/Sパターンのピッチを求める。
【0063】
制御演算装置15は、こうして得られた被検ウェハ20のL/Sパターンのピッチと、制御演算装置15に予め設定された目標値とを比較し、その比較結果に基づき被検ウェハ20が良品であるか否かの良否判定を行う良否判定系としても機能する。制御演算装置15での良否判定は、具体的には、例えば測定されたピッチと目標値との差(差の絶対値)が予め設定された閾値より大きい場合に被検ウェハ20を不良であると判断して行う。
【0064】
また、制御演算装置15は、このような演算機能の他、表面検査装置10の各部を制御する制御機能も有している。
【0065】
次に、図9に示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係る表面検査装置10によってL/Sパターンが形成された被検ウェハ20の表面を検査する方法を説明する。まず、L/Sパターンに、少なくとも2つの波長の光を切り換えて照射する(照射工程S201)。具体的には、例えばターレット12bを回転させて、集光レンズ26を介してライトガイドファイバ33へ入射する平行光速が通過する波長選択フィルターF1,F2,F3,F4,F5,F6を選択することにより2つの波長の光を切り換えて照射する。波長選択フィルターF1,F2,F3,F4,F5,F6を選択することによって波長が選択された光を、集光レンズ26を介してライトガイドファイバ33へ入射させる。ライトガイドファイバ33から射出した光を、偏光フィルター34に入射させる。偏光フィルター34を通過した光は直線偏光に変換される。偏光フィルター34を通過した光を、凹面反射鏡35で反射させて被検ウェハの略全面を照射するようにステージSTの法線に対して斜めに入射させる(照射工程S201)。
【0066】
被検ウェハ20で反射された正反射光(0次回折光)を、凹面反射鏡36で反射させて偏光フィルター38に入射させる。偏光フィルター38を通過した光を、結像レンズ37に入射させる。結像レンズ37を通過した光は撮像素子39の撮像面上に被検ウェハ20の反射像を形成する。これにより、被検ウェハ20のL/Sパターンからの0次回折光が撮像素子39において検出される(検出工程S202)。
【0067】
続いて、検出工程S202において第1の波長として検出された0次回折光の光強度と第2の波長として検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、制御演算装置15において被検ウェハ20のL/Sパターンのピッチを測定する(測定工程S203)。制御演算装置15には、撮像素子39において反射像から光電変換して生成された電気信号が撮像素子39から供給される。
【0068】
制御演算装置15には、基準波長である第1の波長について検出される光強度と他の各波長について検出される光強度との強度比とL/Sパターンのピッチとの対応関係を示すテーブルを設けておく。そして、当該テーブルに基づき、強度比と第2の波長値とから、被検ウェハ20のL/Sパターンのピッチを求める。
【0069】
次に、測定工程S203で測定された被検ウェハ20のL/Sパターンのピッチと予め設定された目標値とを比較し、その結果に基づいて被検ウェハ20が良品であるか否かの良否判定を行う(良否判定工程S204)。良否判定工程では、例えば測定されたピッチと目標値との差(差の絶対値)が閾値より大きい場合に被検ウェハ20は不良であると判断され、閾値以下だった場合に被検ウェハ20は良品であると判断される。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしもこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、L/Sパターンへの入射光は、直線偏光状態の光でなくてもよい。また、検出される0次回折光は、L/Sパターンへの入射光の偏光方向と直交する偏光方向を有していなくてもよい。また、L/Sパターンへの入射光は、L/Sパターンのピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に沿っていなくてもよい。また、L/Sパターンへの入射光は、L/Sパターンのピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に偏光方向を有する光でなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、比較的長い波長の光を用いてL/Sパターンのピッチを測定することのできるピッチ測定装置および方法に利用できる。
【0072】
また、本発明は、L/Sパターンのラフネスの影響を実質的に受けることなく、L/Sパターンのピッチを高精度に測定することのできるピッチ測定装置および方法に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるピッチ測定装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】第1実施形態にかかるピッチ測定装置の測定対象であるL/Sパターンの構成を概略的に示す図であって、(a)は上面図を、(b)は(a)の線A−Aの方向すなわちピッチ方向に沿った断面図をそれぞれ示している。
【図3】レジストに形成されたL/Sパターンのうねり(ラフネス)を模式的に示す図である。
【図4】第1数値例において、ラフネス振幅の異なるL/Sパターンについて、各波長の光に対して検出された偏光回転成分の光強度を示す図である。
【図5】第2数値例において、ラフネス振幅の異なるL/Sパターンについて、各波長の光に対して検出された偏光回転成分の光強度を示す図である。
【図6】第1実施形態に係るピッチ測定装置によってL/Sパターンのピッチを測定する方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】異なるピッチを有するサンプルパターンについて、第2の波長と、光強度の強度比との関係を表すグラフである。
【図8】第2実施形態の表面検査装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図9】第2実施形態に係る表面検査装置によって被検査ウェハの良否を判定する方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1,1a 光源
2 波長選択フィルター
3 偏光子
4 検光子
5 光検出器
6 測定系
11 物体
12 L/Sパターン
12a ライン部
12b スペース部
10 表面検査装置
ST ステージ
AL アライメント系
13 照明系
14 受光系
15 制御演算装置
20 被検ウェハ
31 光源
F1〜F6 波長選択フィルター
33 ライトガイドファイバ
34,38 偏光フィルター
35,36 凹面反射鏡
37 結像レンズ
39 撮像素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定するピッチ測定装置において、
前記ライン・アンド・スペース・パターンに、少なくとも2つの波長の光を切り換えて前記ライン・アンド・スペース・パターンに照射するための照射系と、
前記ライン・アンド・スペース・パターンで反射された0次回折光を検出するための検出系と、
前記検出系で第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定するための測定系とを備えていることを特徴とするピッチ測定装置。
【請求項2】
前記光は、直線偏光状態の光であることを特徴とする請求項1に記載のピッチ測定装置。
【請求項3】
前記検出系は、前記ライン・アンド・スペース・パターンへの入射光の偏光方向と直交する偏光方向を有する0次回折光を検出することを特徴とする請求項2に記載のピッチ測定装置。
【請求項4】
前記ライン・アンド・スペース・パターンへの光の入射方向は、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のピッチ測定装置。
【請求項5】
前記ライン・アンド・スペース・パターンに入射する光の偏光方向は、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のピッチ測定装置。
【請求項6】
ライン・アンド・スペース・パターンが形成された被検基板の表面を検査する装置であって、
請求項1〜5の何れか一項記載のピッチ測定装置と、
前記ピッチ測定装置で測定された前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチと予め設定された目標値との比較結果に基づいて前記被検基板が良品であるか否かの良否判定を行う良否判定系と、を備える表面検査装置。
【請求項7】
ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定するピッチ測定方法において、
前記ライン・アンド・スペース・パターンに、少なくとも2つの波長の光を切り換えて照射する照射工程と、
前記照射工程を経て前記ライン・アンド・スペース・パターンで反射された0次回折光を検出する検出工程と、
前記検出工程で第1の波長について検出された0次回折光の光強度と第2の波長について検出された0次回折光の光強度との強度比に基づいて、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチを測定する測定工程とを含むことを特徴とするピッチ測定方法。
【請求項8】
前記光は、直線偏光状態の光であることを特徴とする請求項7に記載のピッチ測定方法。
【請求項9】
前記検出工程では、前記ライン・アンド・スペース・パターンへの入射光の偏光方向と直交する偏光方向を有する0次回折光を検出することを特徴とする請求項8に記載のピッチ測定方法。
【請求項10】
前記照射工程では、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に沿って前記ライン・アンド・スペース・パターンに光を照射することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のピッチ測定方法。
【請求項11】
前記照射工程では、前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチ方向および長さ方向の双方と交差する方向に偏光方向を有する光を前記ライン・アンド・スペース・パターンに照射することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のピッチ測定方法。
【請求項12】
ライン・アンド・スペース・パターンが形成された被検基板の表面を検査する方法であって、
請求項6〜11の何れか一項記載のピッチ測定方法で測定された前記ライン・アンド・スペース・パターンのピッチと予め設定された目標値との比較結果に基づいて前記被検基板が良品であるか否かの良否判定を行う良否判定工程を備える表面検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−25293(P2009−25293A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156223(P2008−156223)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】