説明

パターン検査方法及びパターン検査装置

【課題】
半導体製造工程における材料、プロセス、露光光学系の特徴が現れる、微小パターンのラインエッジ形状の分析を非破壊検査により行い、定量的に分析し、製造工程の欠陥や観察装置の画像歪みを見出すパターンエッジ形状検査方法を提供する。
【解決手段】
基板上に形成されたパターンを荷電粒子線を用いた走査型顕微鏡により観察して(41)得られる2次電子強度あるいは反射電子強度の2次元分布情報(42)からパターン形状を検査する方法であって、2次元面内におけるパターンのエッジの位置を表すエッジ点の集合をしきい値法により検出する工程(45)と、検出されたエッジ点の集合に対する近似線を得る工程(48)と、エッジ点の集合と近似線との差を算出する(49)ことにより、エッジラフネス形状と特性を求める工程とを具備し、しきい値法に用いるしきい値として、複数個の値を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン検査技術に係り、特に、走査型顕微鏡を用いて微細パターンを観察し、そのエッジ形状を検査する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のLSIプロセス、特に、ArFリソグラフィ以降の微細加工プロセスでは、パターン微細化に伴い、パターンのエッジラフネス(パターン端部の凹凸)が大きな問題とされている。
【0003】
ラフネスの発生原因は、材料自体の性質、露光装置、あるいは下地基板や観察装置自身である。量産工程においては、ラフネスの大きさが製品の性能に大きく影響する。また、異常に大きいラフネスでなくとも、特徴的なラフネスの出現は、製造装置の性能低下を反映していることが多く、将来的な製品不良につながる可能性がある。パターンエッジのラフネス形状を観察しその特徴から発生原因を特定するシステムの開発は急務である。また、量産工程における使用を考えれば、その検査方法は非破壊検査でなくてはならない。
【0004】
従来は、主として走査型電子顕微鏡による観察画像の目視から、経験によって情報を得てきた。例えば、レジストのラインパターン観察時に左右のエッジのゆらぎ方が同期している様子が見てとれることがある。この場合は、例としてラインが細いためパターンのトップが現像時にゆらいだ、露光時の光強度分布がもともとゆがんでいた、観察画像そのものに歪みがある、などの原因が考えられる。また、表面近傍は比較的凹凸が小さい一方で、パターン底部に大きい凹凸があるように見えることがある。このような現象からは、下地との相性が悪かったため残さが残った可能性が考えられる。
【0005】
しかし、これらの判断の基準は定量的でないため、観察者によっては結論が異なる。システマティックに、観察者に依存せずラフネスの発生原因を解析するためにはラフネス形状を定量的に議論する必要がある。
【0006】
これまでに行われてきたパターンエッジ形状の特徴を定量的に表す試みとしては、特開平8−14836号公報に記されている例が挙げられる。この方法では、SEM画像からラインパターンエッジのテーパー形状を数値化している。これにより断面形状におけるエッジ部分の情報はある程度得られるが、ラインエッジに沿った方向のエッジの特徴は得られない。また得られる値はエッジ側面の傾きの指標であって、ラフネスについては評価できない。
【0007】
パターンエッジのラフネスを検出する方法としては、エッジ位置の直線近似からのずれを何点か求め、それらの分布における標準偏差σあるいはσの3倍の値を算出する方法が一般的である。しかし、ここでいうラフネスとは、例として特開2000−58410号公報で使われているように、正確には寸法誤差にすぎず、エッジ形状評価の指標とはならない。
【0008】
【特許文献1】特開平8−14836号公報
【特許文献2】特開2000−58410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、エッジ形状の定量的な評価手法はこれまでになかった。また、目視による判断は、エッジの立体的な形状が見て取れるにも関わらず、観察者に依存してしまう。
【0010】
本発明の目的は、従来観察像の目視で行ってきたエッジの形状評価を数値化し、定量的に高精度で迅速に行って、系統的にラフネス発生原因を特定することができるパターン検査方法およびパターン検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、電子線、電離放射線、イオン粒子線のような荷電粒子線を用いた走査型顕微鏡による観察で得られた2次電子もしくは反射電子の2次元分布像から直接データ処理を行って顕微鏡の精度を保ったまま、しきい値法によってエッジ点位置を求め、エッジ点位置の近似線からのずれ、即ちエッジ位置ゆらぎを求めた。ひとつのエッジに属するエッジ点に関して求めたエッジ位置ゆらぎの集合は、エッジラフネス形状の2次元的な特徴を表している。これを異なるしきい値に対して行って複数個のエッジ位置ゆらぎの集合を得ると、これらによって元の画像の3次元的なエッジラフネス形状が表される。
【0012】
次に,その結果を用いて、エッジ位置ゆらぎの空間周波数分布、またそれらのしきい値依存性を算出し表示する工程を設けた。これにより特に強度の強い空間周期、即ちラフネスの特徴的な周期を見出すことができる。
【0013】
また、エッジ位置ゆらぎの標準偏差のしきい値依存性を算出し表示する工程を設けたことにより、エッジラフネスが表面近傍で大きい場合と底部で大きい場合を区別することができる。前者の場合はパターン形成工程の雰囲気に、後者の場合は下地層との整合性にラフネス発生の原因があると推定できる。
【0014】
また、1本のラインの左右エッジ位置ゆらぎの相関グラフ、相関係数、また相関係数のしきい値依存性を算出し、グラフ化する処理工程を設けた。これによりラインパターンエッジにおけるラフネスの方向が、(1)左右で同じ(図1)、(2)左右で反対向き(図2)、(3)左右で無関係、のどのカテゴリーに入るか、またその様子が深さ方向で変化しているかを明らかにすることができる。
【0015】
図1および図2は、画像内に縦方向に1本のラインパターンが存在する場合のエッジのゆらぎ方の例を表している。図中、1及び3はラインの左エッジ、2及び4は右エッジである。
【0016】
図1はラインの幅は一定で、ライン自体がうねっている場合、図2はラインの左右のエッジが同期しているが図1と反対の方向にゆらいでいる場合である。上記(1)の傾向があるときは左右のエッジ位置ゆらぎの相関が正になる。また、上記(2)の傾向があるときは左右のエッジ位置ゆらぎの相関は負になる。左右のエッジが独立にゆらいでいるときは、相関はない。相関係数の具体的な算出と判定基準の詳細については後述する。
【0017】
これらの算出結果を判定機能に入力し、ラフネス発生の原因と考えられるパターン形成工程の候補を選択し、表示する機能を設けた。また、この信号を該当する装置に送信できるシステムを用いて、不良出現に迅速に対応して損出を従来システムより低減することが可能となった。
【0018】
また、エッジラフネスの原因が観察装置自体にある可能性が指摘された場合に、観察装置を調べるため、ライン形状の標準試料を観察し、画像データを取り込みながら観察位置をラインパターンと平行な方向に移動して、画像を積算させた。得られた2次元データはランダムに発生するラフネスは平均化されるが、観察画像の歪みは除去されずに残る。この歪み量をデータ化し記憶させておくことにより、以後の観察において歪みを除去し、誤差のより小さい画像を得ることが可能となった。
【0019】
このようにして、本発明によるパターン検査方法は、基板上に形成されたパターンを荷電粒子線を用いた走査型顕微鏡により観察して得られる2次電子強度もしくは反射電子強度の2次元分布情報からパターン形状を検査する方法であって、前記2次元分布情報から2次元面内における前記パターンのエッジの位置を表すエッジ点の集合をしきい値法により検出する工程と、検出された前記エッジに属するエッジ点の集合に対する近似線を得る工程と、前記エッジ点の集合と前記近似線との差を算出することにより、エッジラフネス形状を求める工程とを含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明によるパターン検査方法は、基板上に形成されたパターンを荷電粒子線を用いた走査型顕微鏡により観察して得られる2次電子強度もしくは反射電子強度の2次元分布情報からパターン形状を検査する方法であって、前記2次元分布情報から2次元面内における前記パターンのラインエッジの位置を表すエッジ点の集合を検出する工程と、各ラインエッジごとに検出された前記エッジ点の集合に対する近似線を最小自乗法により得る工程と、各ラインエッジごとに属する前記エッジ点の集合と前記近似線との差を算出することにより、エッジラフネス形状を求める工程と、異なるラインエッジのエッジラフネス形状間の相関を表示する工程とを含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記構成において、前記しきい値法に用いるしきい値として、複数個の値を用いて行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記構成において、得られた前記エッジラフネス形状の空間周波数分布を算出する工程を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、前記構成において、前記複数個のしきい値に対して得られた前記エッジ点の集合と前記近似線との差の自乗の平均の平方根で表される標準偏差を算出することにより、前記エッジラフネスの大きさを求める工程を含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記構成において、得られた前記エッジラフネス形状からラフネス発生原因となる前記基板のパターン形成工程の候補を選択し、表示する工程を有することを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明は、走査型顕微鏡に所定のピッチのラインパターン形状に加工した試料を設置し、前記試料を観察して2次電子もしくは反射電子の2次元強度分布を得る工程と、前記2次元強度分布から前記ラインパターンのエッジラフネス形状を算出する工程と、得られた前記エッジラフネス形状を画像歪み情報として記憶する工程とを含むことを特徴とするパターン検査方法を提供する。
【0026】
さらに、本発明は、走査型顕微鏡に所定のピッチのラインパターン形状に加工した試料を設置し、前記試料を観察して2次電子もしくは反射電子の第1の2次元強度分布を得る工程と、観察位置を前記ラインパターンの辺の方向に一定量の長さだけ移動して2次電子もしくは反射電子の第2の2次元強度分布を得る工程と、前記第1の2次元強度分布と前記第2の2次元強度分布との和を得る工程と、前記和のデータから前記ラインパターンのエッジラフネス形状を算出する工程と、得られた前記エッジラフネス形状を画像歪み情報として記憶する工程とを含むパターン検査方法を提供する。さらにまた、本発明は、前記パターン検査方法において、得られた前記画像歪み情報から、観察領域のラインパターンのエッジに垂直な方向の画像オフセット量を算出し、任意の試料を観察した結果得られる2次電子もしくは反射電子の第3の2次元強度分布、または前記第3の2次元強度分布から得られたパターンエッジ位置を修正する工程を含むことを特徴とするパターン検査方法を提供する。
【0027】
さらに、本発明は、荷電粒子源と、前記荷電粒子源より放出された荷電粒子線を収束レンズ、偏向器、対物レンズを通して試料に照射し、偏向・走査する荷電粒子光学系と、前記試料を載置するステージと、前記荷電粒子線照射によって前記試料から放出される2次電子もしくは反射電子の強度を検出する検出器と、前記偏向・走査を制御する制御系とを有し、かつ、得られる前記2次電子もしくは反射電子強度の2次元分布から、しきい値法に基づいて前記パターンのエッジラフネス形状および特性を求める信号処理手段を具備することを特徴とするパターン検査装置を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、これまで観察像の目視で行ってきたエッジの形状評価を数値化し、定量的に高精度で迅速に行って、系統的にラフネス発生原因を特定することができるパターン検査方法および装置が実現できる。さらには、発生原因となっている製造工程あるいは製造装置の制御に役立てることによって、超微細加工プロセスの管理を行って歩留まりとスループットの向上が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0030】
(実施例1)
本発明の第1の実施例を、図3から図6によって説明する。図3は本実施例の装置構成を示す概略図、図4は本実施例の手順を示すフローチャート、図5は評価に用いたデータを画像化したものの概略図、図6は前記データからしきい値比率0.5で検出されたラインパターンのエッジを表す図である。
【0031】
図3に示す装置を用い、図4に示すフローに従ってパターンの検査を行った。
【0032】
まず、工程41に示すように、走査型電子顕微鏡の制御系15から操作を行って、顕微鏡筐体5内のステージ12上に設置された試料11を観察した。走査型電子顕微鏡の電子銃6から放出された電子線7は収束レンズ8、偏向器9、対物レンズ10を通ってステージ12上の試料11に照射され、試料11から発せられた二次電子13は検出器14によって検出された。
【0033】
試料11は、シリコン基板上に電子線描画により形成したレジストのラインパターンを有する構造のものであった。パターンのエッジラフネスの空間周期について測定実績がない場合や特に観察領域の大きさに要求がない場合、10万倍から30万倍の倍率で観察するのが望ましい。本例では20万倍で観察を行った。試料11はラインパターンが走査方向にほぼ垂直になるようにステージ12上に設置された。
【0034】
次に工程42に進み、複数回の走査を行ってパターンから放出された2次電子強度の測定結果を積算し平均値を算出した。ノイズの少ない画像を得るためにはデータの積算回数は64回以上が望ましい。本例では128回の積算を行った。
【0035】
こうして得られる2次元の電子強度分布が解析対象となるデータである。また、得られた電子強度分布データをグレイスケールの濃度に換算し、コンピュータ16の端末の画面上に画像として表示した。この画像の概略図を、図5に示す。
【0036】
画像データは、横及び縦方向とも512個の画素で構成されていた。縦方向により長い領域についてエッジラフネス形状を検査したい場合は、横一列のデータに相当する走査線の間隔を横の画素の間隔の整数倍にすることも可能であった。例えば、横方向に675nm、縦方向に2700nmの領域を縦横512画素の画面に表すことも可能であった。本例では画像に含まれる観察領域は縦横とも675nmであり、1画素あたり、約1.318nm平方のエリアを表していることになる。以下、画像の左上を原点とし、右方向の距離をx、下方向の距離をyとする。また、x及びy方向の画素の番号をm、nで表す。実際には2次電子強度に応じた濃淡を持った像が現れるが、図5では、特に2次電子強度が大きいところ、即ちエッジが存在し得る領域を白で、小さいところを斜線で表している。図5に示されている座標は画像の画素の番号を表している。電子線が引き続いてウエハに照射されるのを停止したのち、画像データを制御系15から隣接するコンピュータ16に転送して工程42を終了し、工程43へ進み、本発明による形状分析を行うプログラムを実行させた。
【0037】
これにより、プログラムはこのデータに対して以下のように平均化・平滑化を行ってノイズの低減を行った。まず最初に、データをx方向に1列に512個並んだ2次電子強度の組即ちプロファイルに分割した。各プロファイルはyが一定の場合の2次電子強度のx依存性であり、プロファイルは合計でy方向の画素の個数即ち512本ある。
【0038】
このデータに関して、以下の手順でノイズ低減を行った。まず、平均化パラメータk(自然数)、平滑化パラメータk(奇数)を与えた。kが偶数のときk'=k/2、奇数の時はk'=(k−1)/2とする。また、k'=(k−1)/2とする。N−k'番目からk個のプロファイルの平均をとって、これを平均化後のn番目のプロファイルとした。次に、前記工程で得られた平均化後のプロファイル内の画素番号m−k'からm+k'までの領域について、ハミングウインドウを用いた平滑化を行って新たにm番目の平滑化後の値とした。1画素が0.8nmから2nmまでの長さに対応するデータの場合、平均化パラメータkは4以上11以下、平滑化パラメータkは3以上11以下が望ましい。どちらの値もこれらの値より小さいとノイズが十分に低減できず、また大きいと細かい空間周期のエッジラフネスが検出できない。ここでは、k=k=7とした。
【0039】
次に、ラインのエッジを検出するために、エッジ点の探索を行う領域の入力を行った。まず、左エッジについては探索領域のx方向の画素番号を図5の領域18の位置から目測で、m=210からm=250までと判断し、入力した。同様に右エッジについては領域19の位置から目測でm=280からm=320までとした。これらの計算領域の指定は、(1)数値入力、(2)図5の画面で画面入力、の2通りの方法で行うことができる。ここでは、数値入力を行った。
【0040】
次に工程44から47に示すように、エッジ点の検出を行った。検出を行うしきい値比率pは、設定されたpの最小値pから最大値pまで、設定されたΔpを刻みとして変化させて行う。本例では、p=0.2、p=0.9、Δp=0.1の各値について、y方向の画素番号nが偶数2n'で与えられる合計256本のプロファイルに対して行った。ここで用いるしきい値法は、一般的に知られているものであり、pと2次電子強度最大値Imaxと最小値Iminとから、(Imax−Imin)×p+Iminで与えられるしきい値を計算し、プロファイル上において2次電子強度がしきい値になる点をエッジとするという方法である。
【0041】
検出された左右のエッジ点のx座標をxL(2n')及びxR(2n')とした。プロファイルはx方向1画素分の長さ1.318nmの整数倍で与えられるx座標に対してその位置の2次電子強度を与える数値Iの組(x、I(x))の集合であるが計算時にはとなりあう点を直線でつなぎ、この折れ線としきい値との交点を求めた。こうして得られたエッジ点のy座標は、nmを単位として2n'×1.318となる。
【0042】
以上の工程により、ひとつのpの値について、左エッジについて256個の(xL、y)の座標が得られる。右エッジについても同様に256個の点の集合が得られる。pの値として0.2を与えて(工程44)、エッジを検出してはpの値を0.1を増やすという手順をp=0.9まで繰り返した(工程45〜47)。例として、p=0.5の場合について得られたエッジ点の集合を、図6に示す。
【0043】
次に工程48に示すように、最小自乗法を用いてこの左右合計512個の点の近似を行った。任意の関数形を表す曲線で近似を行うことが可能であったが、ここでは平行な2本の直線x=ay+bとx=ay+b+wとで近似した。
【0044】
次に工程49に進み、y座標が偶数2n'で与えられるプロファイルについて、左エッジ点のx座標xL(2n')と、近似直線とプロファイルとの交点、即ち近似点のx座標a×2n'+bとの差を、エッジ点ゆらぎΔxL(2n')として算出した。これをn'=1からn'=256のプロファイルについて行って256個の左エッジ点ゆらぎを得た。ここで計算を行う際に、点の位置をx、y、即ち長さの単位nmで表したが、画素番号m、nで表して処理を行ってもよい。後者の場合はnが正の整数となるため使用する記憶容量が少なくてすむ。同様の計算を右エッジについても行って256個の右エッジ点ゆらぎを得た。このようにして、エッジラフネスの形状をあらわす、エッジ位置ゆらぎの組の集合(ΔxL(2n')、2n')、(ΔxR(2n')、2n')(ただしn'=1、2、…256)を得ることができた。このプログラムはまた、しきい値比率ごとにこれらの値を算出した。これらの結果はコンピュータ内の記憶領域にストックされた。
【0045】
この結果、グレイスケールの濃淡で表されていた顕微鏡写真から、デジタルなデータとしてエッジラフネスの形状を取り出すことができ、またそれをグラフ上に点の集合として表示することができるようになった。そのためエッジ形状を示すときに見やすくすることができた。また、これらのデータを用いてさらに分析を行ってパターン形状の解析ができるようになった。
【0046】
(実施例2)
本発明の第2の実施例を、図5及び図7によって説明する。
【0047】
実施例1に示した方法で、図5に示したレジストパターンの画像データから、エッジ位置を検出し、さらにエッジ位置のゆらぎとしてエッジラフネス形状を表すデータを得た。
【0048】
次に、各しきい値比率に対して得られたエッジ位置ゆらぎデータ(ΔxL(2n’)、2n’)の集合(あるいは、(ΔxR(2n’)、2n’)の集合)を、y方向に周期的な関数の重ね合わせとみなしてその周期の分布を求めた。即ち、データ系列{ΔxL(2)、ΔxL(4)、ΔxL(6)、ΔxL(8)……}についてフーリエ変換を行い、y方向空間周波数fに対するフーリエ係数の絶対値即ち強度A(f)を求めた。
【0049】
この結果得られた周波数分布の例を、図7に示す。図6に例示されたライン左エッジについて、フーリエ変換を行った結果である。横軸の空間周波数fは対応する空間周期と画像領域の長さ675nmとの比であり、例えばf=10は空間周期675nm/10、即ち67.5nmの周期にあたる。
【0050】
次に、以下の手順によりこの周波数分布に特徴的な空間周波数を抽出した。15<f<128の領域における強度A(f)を最小自乗法を用いて関数A×1/fで近似し、得られたフィテッィングパラメータAを代入した関数A×1/fをf<128となる全ての領域で同グラフ上にプロットした。図7中の太い実線で表された曲線はこうして得られた近似曲線である。次にあらかじめ指定されたfの領域で実測値から得られたA(f)と近似値A×1/fとを比較し、前者が後者より大きくなるfの値をピックアップした。本例ではこの指定領域を3<f<20とした。
【0051】
この分析をすべてのしきい値比率の左右エッジラフネスについて行ったところ、f=5とf=7という空間周波数の成分がラフネスに大きく寄与していることが分かった。
【0052】
このようにして観察しているエッジのラフネスを特徴づける量のひとつとして、ラフネスの特徴的な粗さといえる空間周期を抽出することができた。上に述べたように、図5に示されたパターンを検査して得られた結果からは、f=5とf=7という数値が得られた。このようにしきい値によらず周波数が一定のラフネスが観察される場合、パターンが底部から表面近傍まで全てに渡って歪んで形成されている場合と、その周波数成分が観察画像の歪みである場合とが考えられる。前者はレジストの露光装置に発生原因があり、後者は観察装置に発生原因がある。このように、この検査を行うことによって、ラフネス発生原因となる工程の候補を選択することができた。
【0053】
(実施例3)
本発明の第3の実施例を、図5及び図8、図9によって説明する。
【0054】
実施例1に示した方法で、図5に示したレジストパターンの画像データから、エッジ位置を検出し、さらにエッジ位置のゆらぎとしてエッジラフネス形状を表すデータを得た。
【0055】
次に各しきい値比率に対して得られたエッジ位置ゆらぎデータから、以下に示す(式1)で表される量すなわちゆらぎの分布における標準偏差を算出し、その3倍即ち3σをエッジラフネスの大きさと定義する。
【0056】
【数1】

ここで、添字kは、k=Lあるいはk=Rである。この計算を各しきい値比率に対して行って、ひとつのラインエッジについてしきい値比率pとラフネスの大きさ3σとの関係が得られる。図5に概略図を示した例について上記の計算を行った結果を図8に示す。ラフネスの大きさがしきい値比率に殆ど依存せず、ほぼ一定であることが分かる。
【0057】
この3σのpに対する依存性のグラフは、以下のように定量的に分析することも可能であった。3σ対しきい値比率のグラフを、最小自乗法により一次関数y=ax+bで近似する。ここで、yは3σの値(単位はnm)、xはしきい値比率である。そして、得られたフィッティングパラメータaの値をあらかじめ設定していた値αと比較して、a>αであれば3σはpの増加に伴って増加する、即ち表面近傍でよりラフネスが大きいと判断する。また、aの値をあらかじめ設定していた値αと比較して、a<αであれば3σはpの増加に伴って減少する、即ち基板近傍でよりラフネスが大きいと判断する。
【0058】
従来レジストのラインパターンに関する検査結果から、α及びαの設定値としてはそれぞれ4、−4が標準的である。観察者が別の値に設定しておくことも可能であるが、本例ではこの標準的な値を用いて検査を行った。
【0059】
この方法を図8に示した結果に適用すると、a=0.02となり、ラフネスの大きさはパターンの底部から表面近傍まで、ほぼ同じ程度であることが分かる。
【0060】
また、別のレジストのパターンを観察して得られた像について検査を行い、図9に示すようなしきい値依存性が得られた。このグラフでは、aの値は6.62となり、表面近くでラフネスが大きいと判断された。このレジストが化学増幅型ネガ型レジストであったことから、アルカリ性雰囲気でレジスト表面の酸が失活した可能性が指摘され、雰囲気中のアミン濃度測定を行ったところ、確かにアミン濃度が以前に比べて高くなっていることが確認された。このようにラフネスの大きさのしきい値比率依存性から、ラフネス発生工程の候補を選択することができた。
【0061】
(実施例4)
本発明の第4の実施例を、図5及び図10から図12によって説明する。
【0062】
実施例1に示した方法で、図5に示したレジストパターンの画像データから、エッジ位置を検出し、さらにエッジ位置のゆらぎとしてエッジラフネス形状を表すデータを得た。
【0063】
次に、各しきい値比率に対して得られたエッジ位置ゆらぎデータ(ΔxL(2n')、2n')の集合と(ΔxR(2n')、2n')の集合から、同じy座標を持つ左エッジの位置のゆらぎと右エッジの位置のゆらぎを組み合わせて256個の点(ΔxL(2n')、ΔxR(2n'))を得た。この点をグラフに示したところ、図10のようになった。これはp=0.5の場合である。
【0064】
この結果から、左エッジのラフネスと右エッジのラフネスに正の相関があることが分かる。また、このデータから(式2)に従ってp=0.5における左エッジ位置ゆらぎと右エッジ位置ゆらぎの相関係数ρを算出した。但し、(式2)の右辺の分子は、(式3)で表される量である。
【0065】
【数2】

【0066】
【数3】

また、σL、σRはそれぞれ左エッジ位置および右エッジのゆらぎの分布における標準偏差であり、ラフネスの大きさの1/3に相当する。ρは0.64となった。
【0067】
このρの値から、ラフネスのタイプを次のように分類できる。あらかじめ設定したρの絶対値の基準値ρthと比較し、ρ>ρthであれば図1のタイプ、またρ<−ρthであれば図2のタイプ、いずれの場合でもないときは相関がないとの判断を行う。本例ではレジストパターン観察画像に関する検査結果データの蓄積から、ρth=0.4とした。この値が標準的であるが、観察者が別の値を入力することもできる。図5に示したラインパターンはp=0.5のとき、図1のタイプのラフネスを有することが分かる。
【0068】
さらに図5に示されたラインパターンについて、pを0.2から0.9まで0.1刻みで変化させ、ρの値を算出した。この結果を図11に示す。ρのpに対する依存性は小さいことが分かった。
【0069】
このρのpに対する依存性のグラフは以下のように定量的に分析することも可能であった。ρ対しきい値比率pのグラフを、最小自乗法により一次関数y=cx+dで近似する。ここで、yはρ、xはしきい値比率pの値である。
【0070】
そして得られたフィッティングパラメータcの値をあらかじめ設定していた値γと比較して、c>γであればρはpの増加に伴って増加する、即ち、表面近傍でより左右エッジのゆらぎの相関が大きいと判断する。またcの値をあらかじめ設定していた値γと比較して、c<γであればρはpの増加に伴って減少する、即ち、基板近傍でより左右エッジのゆらぎの相関が大きいと判断する。
【0071】
従来レジストのラインパターンに関する検査結果から、γ及びγの設定値としては、それぞれ0.4、−0.4が標準的である。観察者が別の値に設定しておくことも可能であるが、本例ではこの標準的な値を用いて検査を行った。
【0072】
この方法を図11に示した結果に適用すると、c=0.15となり、左右のエッジゆらぎの相関はパターンの底部から表面近傍まで一定であると分かる。
【0073】
また、別のレジストのパターンを観察して得られた像について検査を行い、図12に示されたしきい値依存性が得られた。このグラフではcの値は0.57となり、表面に近くなるに従って左右のエッジが一緒にゆらぐ傾向が強くなっていることがわかる。底部では左右エッジゆらぎの相関がないこと、表面近くでも幅が一定に保たれたままゆらいでいることから、一度形成されたパターンが、強度不足のため現像や現像後ベーク時にゆがんだものと推測された。このように、このようにρのしきい値比率依存性から、ラフネス発生工程の候補を選択することができた。
【0074】
(実施例5)
本発明の第5の実施例を、図1から図3及び図5から図8、図10、図11、図13及び図14によって説明する。
【0075】
最初に図13と図14を用いて手順の概要を説明する。図14は図13に示したフローの中の工程139の一部を詳しく述べたものである。
【0076】
まず、先述の実施例1と同様の手順で、走査型顕微鏡によりラインパターンの観察とデータとりこみを行う(工程131、工程132)。得られた二次元データに対して、実施例1に述べた方法でノイズ低減を行ったのち(工程133)、標準的なpの値(通常、0.5)を用いてエッジラフネス形状を求める(工程134)。さらにそのエッジラフネス形状のデータから、画像データ内の全てのエッジについて、(式1)に与えられたラフネスの大きさ(3σ)を算出する(工程135)。
【0077】
次に工程136に進み、ウエハの良・不良判定を行う。これは測定された全てのエッジの3σが基準値より小さい場合のみ観察対象であるパターンつき基板を良品と判断し次工程に回すというものである。またこの判定の結果に関わらず、引き続いて工程139以降の形状分析を行うか否かを選択できる(工程137、138)。否である場合は観察基板の検査を終了し、良品は次工程に回し、不良品はロットアウトする。
【0078】
形状分析を行う場合は、工程139に進み、まずノイズを低減された2次元データから対象とするラインを選択し、実施例1に示したように複数個のしきい値比率を用いて次々とエッジ検出を行って、各しきい値比率に対するエッジラフネス形状のデータを得る。
【0079】
これを得た後、図14に示すフローに従ってデータ処理を行う。データ処理はエッジ形状の特徴を表すための3種類の検査であるが、これらのうち実行したい項目を選択する(工程147)。より信頼性の高い結論を得るためには全ての処理を選択することが望ましいが、時間の短縮のために2つ以下の項目を実行してもよい。以下に、工程148から150の詳細を述べる。
【0080】
第一には、エッジラフネス形状の特徴的な空間周波数の算出。これは実施例2に示した方法で空間周波数分布を求めた後、すべてのしきい値比率に対するエッジラフネス形状の空間周波数分布に共通な特徴的空間周波数をピックアップするという方法で求められ(工程148)。
【0081】
第二には、ラフネスの大きさのしきい値比率依存性の算出。これは実施例3に示した方法で求められる(工程149)。
【0082】
第三には、各しきい値比率における、1本のラインに属する左右のエッジ点ゆらぎの相関を表すグラフと、左右のエッジ点ゆらぎの相関係数のしきい値比率依存性の算出。これは実施例4に示した方法で求められる(工程150、151)。
【0083】
これらの項目について分析結果を表示する(工程152)。その後、図13の工程140に示したようにラフネス発生工程の特定を自動で行うか否かを選択する。否である場合は必要があれば上記の結果の考察を人が行って、観察基板の検査を終了する。ウエハは良・不良判定の結果に従って処理される(工程144)。ラフネス発生工程の特定を自動で行う場合は、工程141で上記の結果を基準と照らし合わせて、パターン形成過程のいずれがラフネス発生原因となっている可能性があるかをプログラムが判定し結果を出力する。さらに本検査装置からパターン形成工程にある製造装置の制御を行っている場合は、工程142、143に示したように、この結果に応じて製造装置へ信号が送られて観察基板の検査を終了し、ウエハは良・不良判定に従って処理される(工程144〜146)。以下、本例で行った検査の具体的内容を示す。
【0084】
本例においては、実施例1と同じく、図3の装置を用いて、図5にその概略図を示す電子線レジストのラインパターン画像の検査を行った。本パターン作製に用いられたレジストはネガ型であった。
【0085】
まず、実施例1に述べた方法とパラメータを用いて画像をあらわす二次元データを加工し、しきい値比率p=0.5における左右エッジのエッジラフネス形状を求めた。これは図6に示されたようになる。次に、前記データを用いて左右エッジのラフネスの大きさを算出し、画像とともに表示した。また、観察試料の良・不良判定を行った結果、良品と判定された。本検査における良品のラフネスの基準値は6nmに設定されていた。なお、不良品と判定された場合、警告音が発せられ、基準値より大きいラフネスの数値は画像上に赤い数字で表示される。基準値以下の数字は白または黒で表示される。
【0086】
ここで、試料は良品と判定されたが、ラフネス形状に関する分析は引き続き行うことにした。まず実施例2に述べた方法とパラメータを用いて空間周波数の分析を行い、しきい値比率p=0.2からp=0.9までの空間周波数分布を得、これらに共通の特徴的な周波数としてf=5とf=7を見出した。p=0.5の場合を図7に示す。
【0087】
次に、実施例3に述べた方法とパラメータを用いてラフネスの大きさ3σのしきい値比率pに対する依存性を算出し、図8に示すグラフを表示すると同時に3σがpに殆ど依存しないという結果を得た。
【0088】
次に、実施例4に述べた方法とパラメータを用いて、左右エッジラフネス形状の相関を相関係数として算出し、そのしきい値比率pに対する依存性を求めた。その結果、図10、図11に示すグラフが得られ、相関係数は正で基準値より大きい、即ち図1に示す型であること、またこの傾向はしきい値比率pによらないことが分かった。
【0089】
観察者は、これらの結果を表示させたのち、ラフネス発生工程を判断する自動判定機能を動作させた。以下、一般的な自動判定プログラムのレジストのラフネス発生工程の候補絞込み手順を記す。但しこれらの判定法に用いるα、αなどの値の設定、またさらに候補を絞り込む基準の設定や例外の設定には、本例で用いた一般的な基準のほかにユーザーによるデータ蓄積も役に立つ。またそれによりレジスト以外のパターンのラフネスの検査も可能である。本例ではデータ蓄積のためにコンピュータに記憶装置を設けた。
【0090】
まず、ラフネス発生原因の候補として、(1)レジストの性質、(2)露光装置、(3)現像液、(4)雰囲気、(5)下地表面、(6)下地パターン、(7)観察装置、があげられる。
【0091】
具体的には、(2)はレチクルパターンのエッジの凹凸や描画時のビームの位置あるいは強度のゆらぎを指している。(3)は現像液濃度が合わないための膨潤や現像液の渦によるライン全体のゆがみ、(4)は雰囲気中のアミンや酸によるパターン表面部の侵食である。(5)は下地表面処理の不足など化学的性質によるフッティング、(6)は下層パターンによる反射率のむら、(7)は電気的ノイズや振動による画面の歪みである。
【0092】
前述の検査項目のうち、第一の周波数分布算出において、p=0.5で特徴的な周波数がみられない場合は上記原因のうち(1)、(2)、(4)、(5)が原因である可能性があり、(3)、(6)、(7)は除かれる。特徴的周波数が見られる場合、(5)の可能性は除かれる。周波数が20以上である場合、(7)が除かれる。また特徴的周波数が周期に換算して0.5μm以下の場合、(3)が除かれる。またp=0.2、0.3では特徴的周波数が見られず、p=0.8、0.9において見られる場合、(3)であり、さらに詳しく述べるならば、レジストの物理的強度が弱いところに、現像液の渦などのパターン形成後に発生した外力によって、表面近傍が曲げられたと考えられる。
【0093】
第二の検査項目であるラフネスの大きさのしきい値比率依存性からは、以下のように判定される。実施例3に述べた方法を用いてp=0.2から0.9までのエッジラフネスの大きさを示すグラフから、ラフネスが表面近傍でより大きいと判断された場合、(1)、(4)の可能性が残され、他は除かれる。逆にラフネスが下地近くで大きくなっていると判断された場合は(1)、(5)の可能性がある。
【0094】
第三の検査項目であるp=0.5における左右エッジラフネスの相関で図1に示すタイプであると判断された場合、(2)、(3)、(7)の可能性が残され、図2に示すタイプであった場合、(2)、(6)の可能性がある。また相関係数のしきい値比率依存性を算出した結果表面近傍のみで相関が強い場合、上記の図1あるいは図2タイプのラフネスに加えて(5)の原因のため、底部近傍で左右の相関のないラフネスが発生しており、そのため左右の相関の強いラフネスが底部でめだたなくなっていると考えられる。逆に底部でのみ相関が強いと判断された場合は上記の図1あるいは図2タイプのラフネスに加えて、(4)を原因とする左右の相関のないラフネスのため表面近傍が大きく侵食されていると考えられる。
【0095】
これらの判定基準に従って、図5に示したエッジラフネスは(2)か(7)と判定された。観察されたウエハは良品として次工程に送り、いったん検査を終了させた。
【0096】
次に、異なる露光装置を用いて形成したレジストパターンを検査したところ、上記の結果を同じ結論が出た。そのため観察者は(2)よりも(7)が原因である可能性が高いと判断し、走査型電子顕微鏡の点検を行ったところ、周辺装置から発生する磁場の影響で本観察装置の画面が歪んでいることが分かった。磁場の徹底したシールディングを行って、歪みはなくなり、より精度の高い測定が行えるようになった。
【0097】
(実施例6)
次に、本発明の第6の実施例を図3、図15および図16によって説明する。図15は評価に用いたデータを画像化したものの概念図、図16は観察したラインパターンの左右のエッジ位置ゆらぎの相関を示すグラフである。
【0098】
パターン形状評価と判定は実施例5と同じフローに従って図3に示す装置を用いて行われた。
【0099】
まず、測長機能を有する走査型電子顕微鏡の制御系15から操作を行って、試料11上にあるArFリソグラフィによりシリコンウエハ上に形成されたポジ型ArFレジストのラインパターンの観察を行った。空間周期の大きいエッジラフネスを観察する目的であるとき倍率は10万倍以下が望ましい。本例では10万倍の倍率で行った。観察対象となるパターンは、ラインパターンが走査にほぼ垂直な方向になるよう設置された。観察領域はラインパターンに垂直な方向に1.35μm、平行な方向に5.40μmであり、隣り合う走査線間の距離は10.55nmであった。細いラインパターンに関する空間周期の大きいエッジ位置ゆらぎの有無を観測する目的であるときは、観察領域の縦横比率を2:1以上にするのが望ましい。本例では観察対象としたい領域が縦方向に6μmあったため、4:1とした。64回行った走査により、パターンから放出された2次電子強度の測定結果は積算され、平均値をグレイスケールの濃度として制御系15の画面上に画像として表示された。
【0100】
画面上に現れた画像の模式図を、図15に示す。本画像データは横及び縦方向とも512個のピクセルで構成されている。以下、以下画像の左上を原点とし、右方向の距離をx、下方向の距離をyとする。またx及びy方向の画素の番号をm、nで表す。1画素あたり、x方向は2.637nm、y方向は10.55nmの領域を表していることになる。実際には2次電子強度に応じた濃淡を持った像が現れるが、図15では、特に2次電子強度が大きいところ、即ちエッジが存在し得る領域を白で、小さいところを斜線で表している。図15に示されている座標は画像の画素の番号を表している。
【0101】
次に、電子線が引き続いてウエハに照射されるのを停止したのち、画像データを制御系15から隣接するコンピュータ16に転送した。このコンピュータ16の端末から本発明による検査を行うプログラムを実行させた。これによりプログラムは512×512個の数値データに変換された画像ファイルを実施例1に示したしきい値法を用いて処理し、画像内に存在する2本のライン、合計4本のエッジについてそのエッジ点座標を検出した。ただし、ノイズ低減と精度のバランスから、平均化パラメータは4、平滑化パラメータは3とした。算出は、全てのプロファイル、即ち512本のプロファイルについて行い、しきい値比率pは0.5、入力したエッジ探索領域は第一のラインの左エッジが領域20の位置から目測で判断しm=170からm=200まで、第一のラインの右エッジについては領域21の位置から判断しm=230からm=270まで、第二のラインの左エッジについては領域22の位置から判断しm=340からm=380まで、第二のラインの右エッジについては領域23の位置から判断しm=410からm=450まで、とした。
【0102】
次に、これら4本のエッジを表す点の集合を互いに平行な4本の直線x=ay+b、x=ay+b+w、x=ay+b、x=ay+b+wで最小自乗法により近似し、実施例1と同じ方法でエッジ点ゆらぎを求めた。y座標が整数nで与えられるプロファイルについて得られた第一のラインの左エッジ点のゆらぎをΔx1L(n)、右エッジ点のゆらぎをΔx1R(n)などと表記する。n=1からn=512のプロファイル全てについてゆらぎの算出を行った。
【0103】
次に、この試料が良品であるかどうかを判定したところ、すべてのラインエッジラフネスの大きさが6nmを超えており、警告音が発せられた。大きいラフネスの原因を調べるためさらに形状分析を行うことにし、実施例5に記されているところの第一と第三の検査項目のみを行った。
【0104】
第一の検査項目である、空間周波数解析は第一及び第二のラインの左右両エッジ合計4本のエッジについて行った。得られたグラフはコンピュータ16の画面上に表示された。次に、第一の実施例と同様の方法で15<f<256の領域における強度A(f)を関数A×1/fで近似し、得られたフィテッィングパラメータAを代入した関数A×1/fをf<256となる全ての領域で同グラフ上にプロットした。全てのエッジについて計算を行った結果、いずれの場合にもf=6、7、13、14、19、20、27、34で実測値の強度が近似値を上回っていた。これはライン幅が一定の周期で変化しており、その周期はデータ処理した画像の長さ5.40μmのだいたい1/7から1/6であることを意味している。
【0105】
次に、第三の検査即ち1本のラインに関する左右エッジ点の集合間の相関係数を求めたところ、いずれのpの値の場合にも相関係数は第一のラインで−0.52±0.12、第二のラインでは−0.45±0.14の領域にあり、強い負の相関があることが分かった。p=0.5のときの第一のラインにおける左右エッジの相関のグラフを、図16に示す。
【0106】
ここでラフネス発生工程判定の機能を実行したところ、実施例5に記したところのラフネス発生原因(6)である下地パターンの異常を警告する表示と共に、かかる基板が経たリソグラフィ工程を一時停止させ、チェックするよう指示が出た。警告の詳細を表示させると、基板下地にピッチが0.7から0.9μmの間の値をとる周期的なパターンが存在し反射率の分布の原因となっている可能性が指摘された。
【0107】
警告に従ってコンピュータ16からパターン形成装置17に信号を送り、リソグラフィ工程を停止させるとともに、リソグラフィ以前の工程も一時停止させ、基板の履歴を参照したところ基板には観測しているラインパターンと垂直な方向に金属のラインパターンが存在し、そのピッチが0.8μmであることが確認された。この金属層の上層にあたる領域では反射防止が不完全になり、そのためラインパターンが細くなったものと推測された。これに基づいて反射防止を徹底したところこのような現象は現れなくなり、歩留まりが向上した。また警告により工程を一時停止させたことで、反射防止膜の製膜をやりなおすウエハ枚数を最小限にとどめることができた。
【0108】
(実施例7)
本発明の第7の実施例を、図3及び図17から図20によって説明する。図17は画像歪みデータ取得のフロー、図18は用いるサンプル構造断面の模式図、図19は観察時の試料配置を表す顕微鏡画面の模式図、図20は得られた画像歪み量のグラフである。
【0109】
歪み検出および修正用データ取得は図17に示すフローに従って、図3の装置を用いて以下のように行われた。
【0110】
まず、測長機能を有する走査型電子顕微鏡の制御系15から操作を行って、電子線顕微鏡のステージ12に備え付けられている、シリコンからなる標準試料を観察した(工程171)。試料の構造は、図18にその断面を、図19にその上方観察図を示してあるが、ラインアンドスペース形状になっている。ラインパターンのエッジラフネス測定で10万倍以上の倍率が望ましいこと、またこの方法では少なくとも2本以上のラインパターンのエッジを観察する必要があることから、前記標準試料に形成されたラインアンドスペースパターンのピッチは0.5μm以下が望ましい。またライン幅対スペース幅の比率は1以下が望ましい。本例ではピッチ0.24μm、ライン幅0.10μmの試料を使用し、観察倍率は20万倍で行った。観察される領域は縦横とも675nmの正方形の領域であった。観察した結果、即ち検出された2次電子の強度分布は、前記領域を512個ずつ並んだ画素に分割し対応する部分の画素にグレイスケールの濃度として表示された。
【0111】
初期位置として、2本のライン部24の間にあるスペース部25の中心が観察領域の中心を表す縦軸26にほぼ一致するように設置した。またこのとき、ラインパターンのエッジ方向が目視で縦軸26と平行になるようにした。
【0112】
次に、歪み検出のためのデータ積算プログラムを実行させた。
【0113】
まず、走査型電子顕微鏡の制御系15内にある画像データ取り込みのための記憶領域を初期化し、全て0の値にした。次に、以下に示す第一および第二の手順を繰り返しを行った(図中工程172から174、そして再び工程171にもどる操作に相当)。
【0114】
第一に、走査型電子顕微鏡走査を8回行って試料から放出される2次電子強度を積算しその平均値を算出したのち、制御系の記憶領域にその値を足す(工程172)。第二に電子線の照射を止め、設定された繰り返し回数に達していないかをチェックし(工程173)、達していれば次工程175に進むが、達していなければ走査位置を画面上方向へ8画素分即ち10.55nm移動する(工程174)。ここでは、繰り返し回数を128回と設定した。走査8回の平均画像データを128個分積算するのにおよそ40秒を要した。上記第一の手順における走査の回数はノイズ低減のために少なくとも4回以上行うことが望ましい。また最初と最後で観察領域に重なりがないことが望ましいので、第二の手順における移動距離と、第一及び第二の手順を繰り返す回数との積は1回に観察できる領域の縦方向の長さ以上となるようにするのがよい。以下、以下画像の左上を原点とし、右方向の距離をx、下方向の距離をyとする。またx及びy方向の画素の番号をm、nで表す。
【0115】
上記工程を終了し、制御系15の記憶領域に記憶された512×512個の2次電子強度分布のデータを繰り返し回数で割って観察1回あたりの平均値にした。次に、工程175へ進み、得られた512×512個の2次元データ配列を1枚の画像データとして扱って、実施例1に記した方法でノイズ低減(工程175)と、しきい値法によるエッジ検出と近似線の算出(工程176)を行った。検出は画像内にある第一のラインおよび第二のラインの左右両エッジについて行った。平均化パラメータ及び平滑化パラメータは両方とも11とした。また、しきい値比率は0.5を用いた。検出は全てのプロファイルについて行い、1本のエッジについて512点のエッジ点を算出した。これらのデータからエッジ点ゆらぎの集合を得(工程177)、さらに参考として(式1)に従ってエッジのラフネスの大きさ、即ち3σを求めた。3σを求めずに次工程178にすすんでも構わない。
【0116】
本例においては、主として走査型顕微鏡近傍に設置された電源を有する装置あるいは電源ケーブルの影響による画像歪みを検出することを目的とした。これらの画像歪みは、画像に対して空間周波数20以下の領域に現れる。空間周波数20は空間周期に換算すると約25画素となるため平均化パラメータ、平滑化パラメータには25以下の数値を用いる必要がある。これらのパラメータは大きい方がよりノイズを低減できるが大きすぎると画像を全体的に平均化しすぎる。これらのバランスから7〜15の値を用いるのが望ましい。
【0117】
上記の工程の結果、4本のエッジのデータが得られた。1本のエッジのデータは512点のエッジ点の位置座標から構成されている。またこのエッジは実際に存在するエッジではなく、上記の方法によって実際のエッジデータをy方向に平均化したものである。従って観察しているラインにランダムに生じているラフネスは平均化によって消去されている。
【0118】
しかし、実際にはこのエッジデータのラフネスの大きさ3σは、3から4nm程度の値を示した。この値はノイズとしては大きく、顕微鏡画像自身に歪みが生じている可能性がある。このデータから実施例4に示した方法で左右のエッジラフネスの相関係数を求めたところ、0.68であった。また、第二のラインの左右エッジラフネスの相関係数も0.55と高かった。
【0119】
また、異なるラインに属するエッジ間、即ち、(1)第一および第二のラインの左エッジ、(2)第一のラインの左エッジと第二のラインの右エッジ、(3)第一のラインの右エッジと第二のラインの左エッジ、(4)第一および第二のラインの右エッジ、の組み合わせでエッジラフネスの相関係数を求めたところ、いずれも0.5以上の値であった。これは、画像全体に、一部のプロファイルがx方向に平行移動して見えるような画像歪みがあることを示している。そこで、工程179において画像を修正する必要があると判断した。
【0120】
次に、4本のエッジラフネスをプロファイル番号ごとに平均し、これを顕微鏡自身の画像歪みとした。得られたプロファイル番号nに対する画像歪み量Δx(n)のグラフを、図20に示す。なお、4本のエッジのデータを平均化せず、中心に近いエッジのラフネスを画像歪み量とみなしてもよい。こうして得られた画像歪み量のデータをファイルとして記録した(工程180)。
【0121】
引き続き同じ倍率で任意の試料の観察を行い、得られた2次電子強度のプロファイルに対して、−Δx(n)のオフセットをかけて画像歪みを修正した。なお歪み量が大きい場合は各プロファイルに対してオフセット量−Δx(n)を走査の速度で割ってオフセット時間を算出し、各プロファイルの走査開始タイミングをオフセット時間分だけずらしても同様の効果が得られる。
【0122】
また、異なる観察倍率で観察を行う際には、上記手順により各倍率における画像歪み量データΔx(n)のファイルを作製し、それを用いて上記の方法で画像歪みを修正した。
【0123】
これにより、従来のようにハードの徹底した修理によらなくとも、安価で簡便な方法で走査型電子顕微鏡の画像歪みを除去し精度の高い検査を行えるようになった。
【0124】
なお、上述した実施例はすべて、電子線を用いた走査型顕微鏡による2次電子の2次元分布の観察を対象に説明してきたが、試料から2次的に放出される、反射電子等のような粒子の2次元分布を用いても適用可能であるし、また、イオン粒子線、電離放射線のような荷電粒子線、さらには光を用いた走査型顕微鏡による場合であっても、本発明は適用可能である。
【0125】
以上のように、本発明によれば、微細パターンの走査型顕微鏡観察、即ち非破壊検査により、パターンエッジの3次元的な形状を数値データに表すことができる。また、エッジラフネスのラインに沿った方向の粗さや1本のラインがうねる様子、また、パターン底部と表面近傍とのラフネス形状の違いを定量的に表すことが可能になる。
【0126】
さらに、これらの結果を分析することにより、ラフネス発生の主原因となる工程の候補を選択し、半導体装置やマイクロマシンの製造工程を制御することが可能である。また、観察に用いる顕微鏡自体の画像歪みを抽出し、任意の画像から簡便で安価な方法で顕微鏡画像の歪みを除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】ラインエッジラフネスの第1の型を説明するエッジの概略図。
【図2】ラインエッジラフネスの第2の型を説明するエッジの概略図。
【図3】本発明を実施するための装置の構成を表す概念図。
【図4】本発明の第1の実施例の手順を表すフロー図。
【図5】本発明の第1の実施例において評価された観察画像の概略図。
【図6】本発明の第1の実施例により得られたラインエッジを表す図。
【図7】本発明の第2の実施例により得られたラインエッジラフネスの空間周波数分布を示す図。
【図8】本発明の第3の実施例により得られたラインエッジのラフネス量のしきい値依存性(1)を表す図。
【図9】本発明の第3の実施例により得られたラインエッジのラフネス量のしきい値依存性(2)を表す図。
【図10】本発明の第4の実施例により得られたひとつのラインにおける左エッジラフネスと右エッジラフネスの相関を表す図。
【図11】本発明の第4の実施例により得られたひとつのラインにおける左エッジラフネスと右エッジラフネスの相関係数のしきい値比率依存性(1)を表す図。
【図12】本発明の第4の実施例により得られたひとつのラインにおける左エッジラフネスと右エッジラフネスの相関係数のしきい値比率依存性(2)を表す図。
【図13】本発明の第5の実施例の手順を説明するフロー図。
【図14】図13に示したフローにおけるラフネス発生原因解析工程を説明するフロー図。
【図15】本発明の第5の実施例において評価された観察画像の概略図。
【図16】本発明の第5の実施例により得られたひとつのラインにおける左エッジラフネスと右エッジラフネスの相関係数のしきい値比率依存性を表す図。
【図17】本発明の第6の実施例の手順を表すフロー図。
【図18】本発明の第6の実施例において観察された試料の構造の概略図。
【図19】本発明の第6の実施例において評価された観察画像の模式図。
【図20】本発明の第6の実施例により得られた画像歪み量を示す図。
【符号の説明】
【0128】
1、3…ラインの左エッジ、2、4…ラインの右エッジ、5…走査型電子顕微鏡の筐体、6…電子銃、7…電子線、8…収束レンズ、9…偏向器、10…対物レンズ、11…試料、12…ステージ、13…2次電子、14…検出器、15…走査型電子顕微鏡の制御系、16…検査を行うコンピュータ、17…パターン形成装置、18…画像に写ったライン左エッジ近傍を示す領域、19…画像に写ったライン右エッジ近傍を示す領域、20…画像に写った第1のラインの左エッジ近傍を示す領域、21…画像に写った第1のラインの右エッジ近傍を示す領域、22…画像に写った第2のラインの左エッジ近傍を示す領域、23…画像に写った第2のラインの右エッジ近傍を示す領域、24…シリコンからなるラインアンドスペースパターンのライン部分、25…シリコンからなるラインアンドスペースパターンのスペース部分、26…画像の横方向の中心位置を表す縦軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成されたパターン上の所定領域に電子線を照射し、発生する二次電子または反射電子を検出することにより得られる二次元電子分布データを処理するデータ処理装置であって、
当該処理のためのプログラムが格納される記憶装置と、
当該プログラムを処理する処理手段とを有し、
該処理手段は、
前記2次元電子分布データから、前記パターンのエッジ部に相当するエッジ点の集合を計算し、
前記パターンエッジの近似線を算出し、
前記パターンエッジ部の近似線と前記エッジ点の集合と前記近似線の差で定まるエッジラフネスデータを計算し、
前記パターン上の第1の部分のエッジラフネスデータと第2の部分のエッジラフネスデータの相関または相関または相関係数を計算することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
走査電子顕微鏡により得られた、半導体基板上に形成されたパターン上の所定領域から得られる二次電子または反射電子の二次元電子分布データを処理するデータ処理装置であって、
当該処理のためのプログラムが格納される記憶装置と、
当該プログラムを処理する処理手段とを有し、
該処理手段は、
前記2次元電子分布データから、前記パターン上の第1の領域におけるエッジラフネスデータと、第2の領域におけるエッジラフネスデータを計算し、
当該第1の部分のエッジラフネスデータと第2の部分のエッジラフネスデータの相関または相関または相関係数を計算することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項3】
半導体基板上に形成されたパターン上の所定領域に電子線を照射し、発生する二次電子または反射電子を検出することにより得られる二次元電子分布データを処理するデータ処理装置であって、
当該処理のためのプログラムが格納される記憶装置と、
当該プログラムを処理する処理手段とを有し、
該処理手段は、
前記2次元電子分布データから、前記パターン上の第1の領域におけるエッジラフネスデータと、第2の領域におけるエッジラフネスデータを計算し、
当該第1の部分のエッジラフネスデータと第2の部分のエッジラフネスデータの相関または相関または相関係数を計算することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項4】
請求項1から3に記載のデータ処理装置において、
前記パターンがラインパターンであり、
前記処理手段は、当該ラインパターンの左右のエッジ点に対応する第1のエッジラフネスデータと第2のエッジラフネスデータ間の相関または相関係数を計算することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ処理装置において、
前記試料が複数のラインパターンが形成された試料であり、
前記処理手段は、一のラインパターンの任意箇所のエッジラフネスデータと、該一のラインパターンとは異なるラインパターンの任意箇所のエッジラフネスデータ間の相関または相関係数を計算することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のデータ処理装置において、
得られた前記相関または相関係数を表示する表示手段を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ処理装置において、
前記処理手段が、前記エッジラフネスデータの空間周波数分布を算出することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ処理装置において、
前記処理手段は、前記エッジラフネスの指標として標準偏差を用いることを特徴とするデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−319351(P2006−319351A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171190(P2006−171190)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【分割の表示】特願2001−224017(P2001−224017)の分割
【原出願日】平成13年7月25日(2001.7.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】