説明

ビピリジン化合物、遷移金属錯体及び該錯体を用いる共役芳香族化合物の製造方法

【課題】ビピリジン化合物、遷移金属錯体及び該錯体を用いる共役芳香族化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】式(1)


(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で示されるビピリジン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビピリジン化合物、遷移金属錯体及び該錯体を用いる共役芳香族化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビピリジン化合物は種々の遷移金属に配位し錯体を形成し、その錯体が種々の有機反応の触媒として作用することが知られている。ビピリジン化合物又はその類縁体が錯形成する遷移金属の例としては、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金が知られている。錯体を触媒として利用できる有機反応としては、脱ハロゲンカップリングやクロスカップリングが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら前記の錯体の触媒活性は低い場合があり、中でも特に脱ハロゲンカップリングにおいて、高活性な触媒活性を発現する配位子の開発が強く望まれていた。
【非特許文献1】Macromolecules,1992,25,1214−1223
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる状況において、本発明者らは、有用な配位子を開発すべく鋭意検討したところ、置換基を有するビピリジン化合物が良好な結果を与えることを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
<1>:式(1)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で示されるビピリジン化合物(以下、ビピリジン化合物(1)と略記することもある);
<2>:R、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基を表わす<1>に記載のビピリジン化合物;
<3>:R、R及びRがメチル基である<1>に記載のビピリジン化合物;
<4>:Rがメチル基であり、R及びRがフェニル基である<1>に記載のビピリジン化合物;
<5>:R及びRがメチル基であり、Rがフェニル基である<1>に記載のビピリジン化合物;
<6>:R及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基である<1>に記載のビピリジン化合物;
<7>:R及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基である<1>に記載のビピリジン化合物;
<8>:R、R及びRがフェニル基である<1>に記載のビピリジン化合物;
<9>:R、R、R、R及びRが水素原子である<1>〜<8>のいずれかに記載のビピリジン化合物;
<10>:式(1)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で示されるビピリジン化合物と、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
<11>:式(1)で示されるビピリジン化合物と第10族遷移金属化合物とを接触させて得られる<10>に記載の遷移金属錯体;
<12>:第10族遷移金属化合物が、ニッケル化合物である<11>に記載の遷移金属錯体;
<13>:R、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基を表わす<10>〜<12>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<14>:R、R及びRがメチル基である<10>〜<12>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<15>:Rがメチル基であり、R及びRがフェニル基である<10>〜<12>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<16>:R及びRがメチル基であり、Rがフェニル基である<10>〜<12>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<17>:R及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基である<10>〜<12>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<18>:R及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基である<10>〜<12>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<19>:R、R及びRがフェニル基である<10>〜<12>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<20>:R、R、R、R及びRが水素原子である<10>〜<19>のいずれかに記載の遷移金属錯体;
<21>:式(2)

(式中、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
で示されるピリジン化合物と式(3)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わし、Xは、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はメタンスルホニルオキシ基を表わす。)
で示されるピリジン化合物とを、パラジウム触媒の存在下に反応させることを特徴とする式(1)

(式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるビピリジン化合物の製造方法;
<22>:式(1)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で示されるビピリジン化合物と、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体の存在下に、1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(B)とを反応させることを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法;
<23>:芳香族化合物(A)及び芳香族化合物(B)の芳香環が独立して、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、該芳香環が、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい<22>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<24>:遷移金属錯体が、式(1)で示されるビピリジン化合物と第10族遷移金属化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体である<22>又は<23>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<25>:第10族遷移金属化合物が、ニッケル化合物である<24>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<26>:芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる<22>〜<25>のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<27>:芳香族化合物(A)が、式(4):

(式中、Arはn価の芳香族基を表わし、前記芳香族基を構成する芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよく、Xは脱離基を表わし、nは1又は2を表わす。nが2のとき、Xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
で示される芳香族化合物である<26>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<28>:芳香族化合物(A)が、式(5):

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭化水素基で置換され、該炭化水素基の炭素数の合計が3〜20であるアミノ基又は炭素数3〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。mは1又は2を表わし、kは4−mを表わす。)
で示される芳香族化合物である<26>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<29>:芳香族化合物が、式(6):

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換され、該炭化水素基の炭素数の合計が3〜20であるアミノ基又は炭素数3〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
10は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。R10が複数の場合、R10は同一の基であってもよいし、異なる基であっていてもよい。また、隣接する2つのR10が結合して環を形成していてもよい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。jは0〜3の整数を表わす。)
で示される芳香族化合物である<26>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<30>:芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる<22>〜<25>のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<31>:芳香族化合物(A)として、式(4):

(式中、Ar、X及びnは、<27>で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる式(4)で示される芳香族化合物、式(5):

(式中、A、R、X、m及びkは<28>で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物、式(6):

(式中、A、R10、X及びjは<29>で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物又は式(7):

(式中、a、b及びcは独立して、0又は1を表わし、hは5以上の整数を表わす。
Ar、Ar、Ar及びArは独立して、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、下記(a2)〜(e2)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。
(a2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
(e2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;
及びYは独立して、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
及びZは独立して、−O−又はS−を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)
で示される芳香族化合物を用いる<30>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<32>:芳香族化合物(A)として、式(5)

(式中、A、R、X、m及びkは<28>で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる式(5)で示される芳香族化合物又は式(7)

(式中、a、b、c、h、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z、Z及びXは<31>で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用いる<30>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<33>:芳香族化合物(A)として、式(6)

(式中、A、R10、X及びjは<29>で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる式(6)で示される芳香族化合物又は式(7)

(式中、a、b、c、h、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z、Z及びXは<31>で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用いる<30>に記載の共役芳香族化合物の製造方法;
<34>:脱離基が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基又は炭素数6〜10のアリールスルホニルオキシ基である<22>〜<33>のいずれかに記載の共役芳香族化合物の製造方法;等を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、新規なビピリジン化合物、それと遷移金属化合物を接触させることにより得られる遷移金属錯体、該遷移金属錯体を用いた脱ハロゲンカップリングによる共役芳香族化合物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ビピリジン化合物(1)の式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。
炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、n−ノニル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、tert−ブチル基及びシクロヘキシル基が好ましい。かかるアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、フェニル基等が挙げられる。置換基を有するアルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
【0007】
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基等が挙げられる。かかるアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、フェニル基等が挙げられる。置換基を有するアルコキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0008】
炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、1−ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。かかるアリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記炭素数1〜5のアルコキシ基、ジメチルアミノ基等の炭素数2〜10のジアルキルアミノ基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、アセチル基等の炭素数2〜10のアシル基等が挙げられる。置換基を有するアリール基としては、2−ジメチルアミノフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−アセチルフェニル基等が挙げられる。
【0009】
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
、R、R、R及びRが水素原子であることが好ましい。
【0010】
好ましいビピリジン化合物(1)としては、
、R及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であるビピリジン化合物(1);
及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rが炭素数6〜10のアリール基であるビピリジン化合物(1);
が炭素数1〜10のアルキル基であり、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であるビピリジン化合物(1);
、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基であるビピリジン化合物(1);
、R及びRがメチル基であるビピリジン化合物(1);
及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基であるビピリジン化合物(1);
及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基であるビピリジン化合物(1);
及びRがメチル基であり、Rがフェニル基であるビピリジン化合物(1);
がメチル基であり、R及びRがフェニル基であるビピリジン化合物(1);
、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であるビピリジン化合物(1);
、R及びRがフェニル基であるビピリジン化合物(1);
、R及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rが炭素数6〜10のアリール基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
が炭素数1〜10のアルキル基であり、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
、R及びRがメチル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
及びRがメチル基であり、Rがフェニル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
がメチル基であり、R及びRがフェニル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
、R及びRがフェニル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1);
等が挙げられる。
【0011】
かかるビピリジン化合物(1)は、式(2)

(式中、R、R及びRは前記と同一の意味を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
で示されるピリジン化合物(以下、ピリジン化合物(2)と略記する。)と式(3)

(式中、R、R、R、R及びRは前記と同一の意味を表わし、Xは、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はメタンスルホニルオキシ基を表わす。)
で示されるピリジン化合物(以下、ピリジン化合物(3)と略記する。)とを、パラジウム触媒の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0012】
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
ピリジン化合物(2)としては、2−ピリジルジンククロリド、2−ピリジルジンクブロミド、2−ピリジルジンクヨーダイド等が挙げられる。
ピリジン化合物(3)は、J.Organomet.Chem.,2000,612,117−124に記載された方法に従って製造することができる。具体的には、下記スキーム(A):

に示すように、式(3’)で示されるピリジン化合物とブチルリチウムとを反応させ、次いで、対応するシラン化合物を反応させることにより、ピリジン化合物(3)を製造することができる。
【0013】
前記式(3’)で示されるピリジン化合物としては、2,5−ジクロロピリジン、2,5−ジブロモピリジン、2,5−ジヨードピリジン、2−クロロ−5−ブロモピリジン、2−(5−ブロモピリジル)−p−トルエンスルホネート、2−(5−ブロモピリジル)−トリフルオロメタンスルホネート等が挙げられ、2,5−ジブロモピリジンが好ましい。前記シラン化合物としては、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、トリへキシルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、tert―ブチルジメチルクロロシラン、ジメチルシクロヘキシルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、4−メチルフェニルジメチルクロロシラン、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、ジメチルフェニルシリルトリフルオロメタンスルホネート、メチルジフェニルシリルトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
【0014】
スキーム(A)に示される2つの反応は、通常、有機溶媒の存在下に実施される。有機溶媒の使用量は限定されない。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒が挙げられ、エーテル溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びtert−ブチルメチルエーテルがより好ましい。
反応温度は、それぞれ、通常、−78〜120℃であり、反応時間は、それぞれ、通常、1〜96時間である。
【0015】
シラン化合物との反応の終了後、例えば、得られたピリジン化合物(3)を含む反応混合物と水とを混合し、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて、抽出処理し、得られた有機層を濃縮することにより、ピリジン化合物(3)を取り出すことができる。取り出したピリジン化合物(3)は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
【0016】
ピリジン化合物(3)としては、2−ブロモ−5−トリメチルシリルピリジン、2−ブロモ−5−(ジメチルシクロヘキシルシリル)ピリジン、2−ブロモ−5−(ジメチル−tert−ブチルシリル)ピリジン、2−ブロモ−5−(ジメチルフェニルシリル)ピリジン、2−ブロモ−5−(メチルジフェニルシリル)ピリジン、2−ブロモ−5−トリフェニルシリルピリジン等が挙げられる。
【0017】
ピリジン化合物(2)とピリジン化合物(3)との反応は、J.Org.Chem.,1977,42,1821−1823に記載の方法に従って行なうことができる。具体的には、下記スキーム(B):

に示すように、ピリジン化合物(2)とピリジン化合物(3)とを、パラジウム触媒の存在下に反応させることにより、ビピリジン化合物(1)を製造することができる。
【0018】
パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム付加体、ビス(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノエタン))パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、パラジウムシアニド、アリルパラジウムクロライドダイマー、クロチルパラジウムクロライドダイマー、2−メチルアリルパラジウムクロライドダイマー、パラジウムアセチルアセトナート、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス−o−トリルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム等が挙げられ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、ピリジン化合物(3)1モルに対して、パラジウム金属換算で、通常、0.0005〜0.5モルである。
【0019】
必要に応じて、配位子を用いてもよく、配位子としては、ホスフィン配位子が好ましい。具体的には、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリ(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン、1,4−ジフェニルホスフィノブタン、1,2−ジシクロヘキシルホスフィノエタン、1,3−ジシクロヘキシルホスフィノプロパン、1,4−ジシクロヘキシルホスフィノブタン、1,2−ジメチルホスフィノエタン、1,3−ジメチルホスフィノプロパン、1,4−ジメチルホスフィノブタン、1,2−ジエチルホスフィノエタン、1,3−ジエチルホスフィノプロパン、1,4−ジエチルホスフィノブタン、1,2−ジイソプロピルホスフィノエタン、1,3−ジイソプロピルホスフィノプロパン、1,4−ジイソプロピルホスフィノブタン、トリ−2−フリルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−メチル−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジ−イソプロピルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。
配位子の使用量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、1〜10モルであり、好ましくは1〜5モルである。
【0020】
ピリジン化合物(2)とピリジン化合物(3)との反応は、通常、有機溶媒の存在下に実施され、その使用量は限定されない。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert―ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒が挙げられ、エーテル溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びtert―ブチルメチルエーテルがより好ましい。
【0021】
反応温度は、通常、0〜150℃である。反応時間は、通常、20分〜96時間である。
反応終了後、例えば、反応混合物とアンモニア水とを混合し、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて、抽出処理し、得られた有機層を濃縮することにより、ビピリジン化合物(1)を取り出すことができる。取り出したビピリジン化合物(1)は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
【0022】
ビピリジン化合物(1)と、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とを接触させることにより、遷移金属錯体を製造することができる。
第9族、第10族及び第11族遷移金属化合物としては、コバルト化合物、ニッケル化合物、銅化合物、ロジウム化合物、パラジウム化合物、イリジウム化合物、白金化合物等が挙げられる。なかでも、第10族遷移金属化合物が好ましく、ニッケル化合物がより好ましい。
【0023】
ニッケル化合物としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0);フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等のハロゲン化ニッケル;ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸ニッケル、シクロブタン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、クエン酸ニッケル等のニッケルカルボン酸塩;次亜リン酸ニッケル;硫酸ニッケル;炭酸ニッケル;硝酸ニッケル;ニッケルアセチルアセトナート等が挙げられる。かかるニッケル化合物の中には、1,2−ジメトキシエタンや2−メトキシエチルエーテル等のエーテル化合物が配位したニッケル化合物や水和物が存在するが、かかるエーテル化合物が配位したニッケル化合物や水和物を用いてもよい。
なかでも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、フッ化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)及び硝酸ニッケル(II)が好ましい。
【0024】
第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とビピリジン化合物(1)との接触は、通常、溶媒中で、両者を混合することにより実施される。溶媒としては、水、有機溶媒及び水と有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert―ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒等が挙げられる。
接触温度は、通常、−78〜200℃である。
【0025】
第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とビピリジン化合物(1)とを、適当な添加物(例えば還元剤など)の存在下に接触させてもよい。
遷移金属錯体は、例えば、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とビピリジン化合物(1)とを接触させて得られる混合物を濃縮することにより、取り出すことができる。取り出した遷移金属錯体は、再結晶等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。また、得られた遷移金属錯体を含む混合物を、そのまま、後述する共役芳香族化合物の製造方法に用いてもよい。
【0026】
かくして得られる遷移金属錯体としては、
、R及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rが炭素数6〜10のアリール基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
が炭素数1〜10のアルキル基であり、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRがメチル基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRがメチル基であり、Rがフェニル基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
がメチル基であり、R及びRがフェニル基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRがフェニル基であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRが独立して、炭素数1〜10のアルキル基であり、Rが炭素数6〜10のアリール基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
が炭素数1〜10のアルキル基であり、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRがメチル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
及びRがメチル基であり、Rがフェニル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
がメチル基であり、R及びRがフェニル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRが独立して、炭素数6〜10のアリール基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
、R及びRがフェニル基であり、R、R、R、R及びRが水素原子であるビピリジン化合物(1)とニッケル化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体;
等が挙げられる。
【0027】
続いて、かかる遷移金属錯体の存在下に、1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(B)とを反応させて、共役芳香族化合物を製造する方法について説明する。
芳香族化合物(A)及び芳香族化合物(B)は、少なくとも1つの芳香環を有し、1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している化合物である。
芳香族化合物(B)は、芳香族化合物(A)と構造的に異なっている。
【0028】
芳香環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環等の芳香族複素環が挙げられる。
【0029】
かかる芳香環は、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよく、反応に関与しない基の具体例としては、下記(a1)〜(g1)が挙げられる。
(a1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;
(e1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;
(f1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシルオキシ基;
(g1)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールスルホニル基;
(h1)下記式:

(式中、Aは1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)
で示される基;
(i1)シアノ基;
(j1)フッ素原子。
【0030】
前記(a1)〜(h1)における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。
【0031】
前記(a1)〜(h1)における炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。
【0032】
前記(a1)〜(h1)における炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
【0033】
前記(a1)における炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられる。
【0034】
前記(e1)及び(h1)における炭素数2〜20のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族もしくは芳香族アシル基が挙げられる。
【0035】
前記(f1)における炭素数2〜20のアシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基等の前記炭素数2〜20のアシル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
【0036】
前記(g1)における炭素数6〜20のアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
前記(h1)における炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、フェニル基、1,3−ブタジエン−1,4−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ビフェニル−2,2’−ジイル基、o−キシリレン基等が挙げられる。
【0037】
かかる1つもしくは2つの炭化水素基で置換され、該炭化水素基の炭素数の合計が3〜20であるアミノ基としては、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、2,2−ジメチルプロピルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、n−ウンデシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基、n−トリデシルアミノ基、n−テトラデシルアミノ基、n−ペンタデシルアミノ基、n−ヘキサデシルアミノ基、n−ヘプタデシルアミノ基、n−オクタデシルアミノ基、n−ノナデシルアミノ基、n−イコシルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基等が挙げられる。
【0038】
(a1)としては、炭素数1〜20の無置換アルキル基、トリフルオロメチル基等の1又は2以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基、メトキシメチル基等の炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、シアノメチル基等のシアノ基で置換された炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
(b1)としては、炭素数1〜20の無置換アルコキシ基、メトキシメトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
(c1)としては、炭素数6〜20の無置換アリール基が好ましい。
(d1)としては、炭素数6〜20の無置換アリールオキシ基が好ましい。
(e1)としては、炭素数2〜20の無置換アシル基、フェノキシベンゾイル基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数2〜20のアシル基が好ましい。
(f1)としては、炭素数2〜20の無置換アシルオキシ基、フェノキシベンゾイルオキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基で置換された炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましい。
(g1)としては、炭素数6〜20の無置換アリールスルホニル基が好ましい。
(h1)としては、Aが、イソプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ジエチルアミノ基又はn−ドデシルアミノ基である基が好ましく、Aが、イソプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基又はシクロヘキシルオキシ基である基がより好ましい。
かかる反応に関与しない基としては、前記(a1)、(b1)、(e1)及び(h1)が好ましい。
【0039】
脱離基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、p−メチルフェニルスルホニルオキシ基等の炭素数6〜10のアリールスルホニルオキシ基等が挙げられ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子がより好ましい。
【0040】
芳香族化合物の具体例としては、式(4):

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(4)と略記する。)が挙げられる。
式(4)中、Arはn価の芳香族基を表わし、前記芳香族基を構成する芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい芳香環である。また、Xは脱離基を表わし、nは1又は2を表わす。nが2のとき、Xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
反応に関与しない基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
脱離基としては、上記したものと同様のものが挙げられ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子がより好ましい。
【0041】
芳香族化合物(4)としては、
クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、4−クロロフルオロベンゼン、3−クロロフルオロベンゼン、2−クロロフルオロベンゼン、4−クロロベンゾニトリル、3−クロロベンゾニトリル、2−クロロトルエン、2,5−ジメチルクロロベンゼン、2−エチルクロロベンゼン、3−n−プロピルクロロベンゼン、4−イソプロピルクロロベンゼン、5−n−ブチルクロロベンゼン、2−イソブチルクロロベンゼン、3−sec−ブチルクロロベンゼン、4−tert−ブチルクロロベンゼン、5−(2,2−ジメチルプロピル)クロロベンゼン、2−n−ヘキシルクロロベンゼン、4−シクロヘキシルクロロベンゼン、4−クロロビフェニル、2−クロロビフェニル、4−ベンジルクロロベンゼン、4−クロロベンゾトリフルオリド、2−クロロベンゾトリフルオリド、4−クロロベンゾトリクロリド、3−クロロベンゾトリクロリド、2−クロロベンゾトリクロリド、(4−クロロフェニル)アセトニトリル、
4−クロロアニソール、2,3−ジメトキシクロロベンゼン、2,4−ジメトキシクロロベンゼン、2,5−ジメトキシクロロベンゼン、2−エトキシクロロベンゼン、3−n−プロポキシクロロベンゼン、4−イソプロポキシクロロベンゼン、5−n−ブトキシクロロベンゼン、4−tert−ブトキシクロロベンゼン、4−フェノキシクロロベンゼン、4−ベンジルオキシクロロベンゼン、4−(メトキシメチル)クロロベンゼン、4−(n−ブトキシメチル)クロロベンゼン、4−(メトキシメトキシ)クロロベンゼン、4−(ベンジルオキシメトキシ)クロロベンゼン、4−{2−(n−ブトキシ)エトキシ}クロロベンゼン、
3−クロロアセトフェノン、2−クロロアセトフェノン、4−クロロプロピオフェノン、1−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチルプロパノン、(4−クロロベンゾイル)シクロヘキサン、4−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンザルアセトン、1−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−2−プロペン−1−オン、3−(4−クロロフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、4−クロロ安息香酸メチル、2−クロロ安息香酸メチル、3−クロロ安息香酸エチル、4−クロロ安息香酸(n−プロピル)、3−クロロ安息香酸(n−ブチル)、2−クロロ安息香酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−クロロ安息香酸フェニル、p−クロロフェニル酢酸メチル、3−(4−クロロフェニル)プロピオン酸メチル、p−クロロケイ皮酸メチル、酢酸(4−クロロフェニル)、酢酸(2−クロロフェニル)、プロピオン酸(4−クロロフェニル)、ピバリン酸(4−クロロフェニル)、4−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)クロロベンゼン、酢酸(4−クロロベンジル)、(4−クロロフェニル)メチルスルホキシド、(4−クロロフェニル)フェニルスルホキシド、(4−クロロフェニル)エチルスルホン、4−クロロベンゼンスルホン酸メチル、3−クロロベンゼンスルホン酸メチル、2−クロロベンゼンスルホン酸メチル、4−クロロベンゼンスルホン酸エチル、4−クロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3−クロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2−クロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、4−クロロベンゼンスルホン酸フェニル、3−クロロベンゼンスルホン酸フェニル、2−クロロベンゼンスルホン酸フェニル、メタンスルホン酸(4−クロロフェニル)、メタンスルホン酸(2−クロロフェニル)、ベンゼンスルホン酸(4−クロロフェニル)、p−トルエンスルホン酸(3−クロロフェニル)、
【0042】
2−(4−クロロフェニル)ピリジン、3−(4−クロロフェニル)ピリジン、4−(4−クロロフェニル)ピリジン、1−(4−クロロフェニル)ピロール、2−(4−クロロフェニル)ピロール、3−(4−クロロフェニル)ピロール、N,N−ジメチル−4−クロロベンジルアミン、N−(4−クロロフェニル)アセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−N−メチルアセトアミド、N−(4−クロロフェニル)−N−フェニルアセトアミド、安息香酸(4−クロロフェニル)アミド、N−(4−クロロフェニル)カルバミン酸(tert−ブチル)、N−(4−クロロベンジル)アセトアミド、
4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホン酸ジメチルアミド、メタンスルホン酸(4−クロロアニリド)、p−トルエンスルホン酸(4−ベンジルアミド)、1−クロロ−4−(トリメチルシリル)ベンゼン、1−クロロ−4−(tert−ブチルジメチルシリル)ベンゼン、1−クロロ−4−(トリメチルシリルオキシ)ベンゼン、1−クロロ−4−(トリエチルシリルオキシ)ベンゼン、1−クロロ−4−(トリイソプロピルシリルオキシ)ベンゼン、1−クロロ−4−(トリフェニルシリルオキシ)ベンゼン、1−クロロ−4−(フェニルジメチルシリルオキシ)ベンゼン、
【0043】
4−クロロインダン、4−クロロインデン、1−クロロナフタレン、2−ブロモチオフェン、5−ブロモ−3−ヘキシルチオフェン、2−ブロモ−3−ドデシルチオフェン、5−ブルモ−2,2’−ビチオフェン、5−ブロモ−3−シクロヘキシルチオフェン、2−クロロ−3−オクチルチオフェン、5−クロロ−3−フェニルチオフェン、1−メチル−5−クロロピロール、1−ヘキシル−2−ブロモピロール、1−オクチル−5−クロロピロール、2−クロロピリジン、3−クロロピリジン、5−ブロモピリジン、3−メチル−2−クロロピリジン、3−ヘキシル−5−クロロピリジン、5−クロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジメチル−5−クロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジオクチル−5−ブロモ−2,2’−ビピリジン、2−クロロピリミジン、5−クロロピリミジン、2−ブロモピリミジン、5−クロロキノリン、8−ブロモキノリン、2−クロロキノリン、1−クロロイソキノリン、4−クロロイソキノリン、8−ブロモイソキノリン、5−ブロモイソキノリン、4−ブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、7−クロロベンゾイミダゾール、4−クロロベンゾイミダゾール、5−クロロキノキサリン、5−クロロ−2,3−ジフェニルキノキサリン、2−ブロモキノキサリン、6−ブロモキノキサリン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、3,5−ジブロモトルエン、2,5−ジヨードトルエン、1,3−ジクロロ−4−メトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−メトキシベンゼン、1,4−ジヨード−3−メトキシベンゼン、1,3−ジクロロ−4−アセトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−3−アセトキシベンゼン、1,3−ジヨード−4−アセトキシベンゼン、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、1,4−ジブロモ−2−エチルベンゼン、1,4−ジブロモ−2−メトキシベンゼン、ジメチル 2,5−ジブロモテレフタレート、1,4−ジブロモナフタレン、1,1’−ジブロモ−4,4’−ビフェニル、1,4−ジブロモ−2,5−ジヘキシルオキシベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−4−クロロトルエン、1−ブロモ−4−クロロ−2−プロピルベンゼン、2,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン、5,5’−ジブルモ−2,2’−ビチオフェン、2,5−ジブロモ−3−シクロヘキシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−オクチルチオフェン、2,5−クロロ−3−フェニルチオフェン、1−メチル−2,5−ジクロロピロール、1−ヘキシル−2,5−ジブロモピロール、1−オクチル−2,5−ジクロロピロール、2,5−ジクロロピリジン、3,5−ジクロロピリジン、2,5−ジブロモピリジン、3−メチル−2,5−ジクロロピリジン、3−ヘキシル−2,5−ジクロロピリジン、5,5’−ジクロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジクロロ−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジオクチル−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン、2,5−ジクロロピリミジン、2,5−ジブロモピリミジン、5,8−ジクロロキノリン、5,8−ジブロモキノリン、2,6−ジクロロキノリン、1,4−ジクロロイソキノリン、5,8−ジブロモイソキノリン、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、4,7−ジクロロベンゾイミダゾール、5,8−ジクロロキノキサリン、5,8−ジクロロ−2,3−ジフェニルキノキサリン、2,6−ジブロモキノキサリン、
【0044】
2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン等が挙げられる。
【0045】
芳香族化合物の具体例としては、式(5):

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(5)と略記する。)も挙げられる。
式(5)中、Aとしては、炭素数3〜20の無置換アルコキシ基が好ましく、イソプロピル基、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基及びシクロヘキシルオキシ基がより好ましい。
【0046】
における炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。Rとしては、水素原子、炭素数1〜20の無置換アルキル基、炭素数1〜20の無置換アルコキシ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
としては、塩素原子、臭素原子が好ましく、mは1であることが好ましい。
【0047】
芳香族化合物(5)としては、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、
【0048】
2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、
【0049】
2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、1−(2,5−ジクロロベンゼンスルホニル)ピロリジン等が挙げられる。
【0050】
なかでも、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド及びN−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミドが好ましい。
【0051】
芳香族化合物の具体例としては、式(6):

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(6)と略記する。)も挙げられる。
式(6)中、Aとしては、前記Aと同様のものが挙げられ、炭素数3〜20の無置換アルコキシ基が好ましく、イソプロピル基、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基及びシクロヘキシルオキシ基がより好ましい。
10における炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基としては、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。R10としては、炭素数1〜20の無置換アルキル基、炭素数1〜20の無置換アルコキシ基が好ましい。
としては、塩素原子、臭素原子が好ましく、jは0であることが好ましい。
【0052】
芳香族化合物(6)としては、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
【0053】
N,N−ジエチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−プロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−ブチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソブチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−オクチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−ドデシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−イコシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、
【0054】
3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、6,6’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、6,6’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、
【0055】
4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
【0056】
N,N−ジエチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−プロピル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−ブチル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソブチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−オクチル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−ドデシル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−イコシル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジフェニル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド等が挙げられる。
【0057】
なかでも、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル及び4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)が好ましい。
【0058】
芳香族化合物(4)としては、市販のものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
芳香族化合物(5)は、WO07/043274に記載の方法に従い、第3級アミン化合物又はピリジン化合物の存在下に、式(10):

(式中、R、X、m及びkは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(10)と略記する。)と式(11):

(式中、Aは、上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(11)と略記する。)とを反応させることにより製造することができる。
【0059】
化合物(10)としては、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸クロリド、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸クロリド等が挙げられる。かかる化合物(10)としては、通常市販されているものが用いられる。
化合物(11)としては、イソプロパノール、イソブタノール、2,2−ジメチルプロパノール、シクロヘキサノール、n−オクタノール、n−ペンタデカノール、n−イコサノール、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、2,2−ジメチルプロピルアミン、n−ドデシルアミン、n−イコシルアミン等が挙げられる。かかる化合物(11)としては、通常市販されているものが用いられる。
【0060】
化合物(11)の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、通常0.2モル以上であり、その上限は特になく、化合物(11)が反応温度において液体である場合には、反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。実用的な化合物(11)の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、0.5〜2モルである。
【0061】
第3級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルピロリジン等が挙げられる。第3級アミン化合物は、通常、市販されているものが用いられる。第3級アミン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、通常1モル以上であり、その上限は特になく、第3級アミン化合物が反応温度において液体である場合には、反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。実用的な第3級アミン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、1〜30モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜10モルである。
【0062】
ピリジン化合物としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。ピリジン化合物は、通常市販されているものが用いられる。ピリジン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、通常1モル以上であり、その上限は特になく、ピリジン化合物が反応温度において液体である場合には、反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。実用的なピリジン化合物の使用量は、化合物(10)中の−SOClで示される基1モルに対して、1〜30モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜10モルである。
【0063】
化合物(10)と化合物(11)との反応は、通常、溶媒の存在下に、化合物(10)と化合物(11)と第3級アミン化合物もしくはピリジン化合物とを混合することにより実施される。混合順序は特に制限されない。
溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。また、上記したとおり、化合物(11)、第3級アミン化合物もしくはピリジン化合物が、反応温度において液体である場合には、これらを反応溶媒として用いてもよい。かかる溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は特に制限されない。
【0064】
化合物(10)と化合物(11)との反応温度は、通常−30〜150℃、好ましくは−10〜70℃である。反応時間は、通常0.5〜24時間である。
反応終了後、例えば、反応混合物に、水もしくは酸の水溶液、及び、必要に応じて、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒等の水に不溶の有機溶媒を加えて、抽出処理することにより、芳香族化合物(5)を含む有機層を得ることができる。得られた有機層を、必要に応じて、水、アルカリ水溶液等で洗浄した後、濃縮することにより、芳香族化合物(5)を取り出すことができる。
【0065】
芳香族化合物(6)は、前記芳香族化合物(5)の製造方法において、化合物(10)に代えて、式(12):

(式中、R10、X及びjは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(12)と略記する。)を用い、化合物(11)に代えて、式(13):

(式中、Aは、上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(13)と略記する。)を用い、同様に実施することにより製造することができる。
【0066】
化合物(12)としては、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメチル4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、3,3’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、5,5’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド、6,6’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド等が挙げられ、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリド及び4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジクロリドが好ましい。かかる化合物(12)としては、市販されているものを用いてもよいし、例えば、Bull.Soc.Chim.Fr.,4,49(1931),1047−1049等に記載の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
化合物(13)としては、化合物(11)と同様のものが挙げられ、通常市販されているものが用いられる。
【0067】
芳香族化合物の具体例としては、式(7):

で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(7)と略記する。)も挙げられる。
式(7)中、hは5以上の整数であることが好ましく、10以上の整数であることがより好ましい。
Ar、Ar、Ar及びArにおける2価の芳香族基としては、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニル−1,1’−ジイル基等の2価の単環状芳香族基;ナフタレン−1,3−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−1,7−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基、9H−フルオレン−2,7−ジイル基等の2価の縮合芳香族基;ピリジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、キノキサリン−2,6−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジイル基、ピロール−2,5−ジイル基、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、キノリン−5,8−ジイル基、キノリン−2,6−ジイル基、イソキノリン−1,4−ジイル基、イソキノリン−5,8−ジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、ベンゾイミダゾール−4,7−ジイル基、キノキサリン−5,8−ジイル基、キノキサリン−2,6−ジイル基等の2価の複素芳香族基;等が挙げられる。なかでも、2価の単環状芳香族基及び2価の縮合芳香族基が好ましく、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基及びナフタレン−2,7−ジイル基がより好ましい。
かかる2価の芳香族基は、下記(a2)〜(e2)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。
(a2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
(e2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基。
(a2)〜(e2)における炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数2〜20のアシル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
(a2)としては、前記(a1)と同様のものが挙げられる。(b2)としては、前記(b1)と同様のものが挙げられる。(c2)としては、前記(c1)と同様のものが挙げられる。(d2)としては、前記(d1)と同様のものが挙げられる。(e2)としては、前記(e1)と同様のものが挙げられる。
としては、塩素原子、臭素原子が好ましい。
【0068】
芳香族化合物(7)の具体例としては、下記に示す化合物、下記に示す化合物の両末端の塩素原子が臭素原子に代わった化合物等が挙げられる。なお、下記式中、hは上記と同一の意味を表わす。

【0069】

【0070】

【0071】

【0072】

【0073】

【0074】

【0075】

【0076】

【0077】
芳香族化合物(7)としては、日本国特許第2,745,727号公報等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセルPES等が挙げられる。
芳香族化合物(7)としては、そのポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000以上のものを用いることが好ましく、3,000以上であるものがより好ましい。
本願発明の共役芳香族化合物の製造方法は、芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させるものである。
本明細書において、共役芳香族化合物とは、少なくとも1つの芳香環を有し、その分子の一部又は全部に、非局在化したπ−電子系を有する化合物を意味する。
【0078】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合の具体例としては、
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(5)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(6)を用いる場合;等が挙げられる。
芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合の具体例としては、
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(4)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(5)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(6)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(7)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(5)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(4)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(5)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(5)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(5)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(6)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(5)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(7)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(6)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(4)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(6)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(5)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(6)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(6)を用いる場合;
芳香族化合物(A)として、芳香族化合物(6)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(7)を用いる場合;等が挙げられる。
用いる遷移金属錯体は、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とビピリジン化合物(1)とを接触させて得られる遷移金属錯体であり、第10族遷移金属化合物とビピリジン化合物(1)とを接触させて得られる遷移金属錯体が好ましく、ニッケル化合物とピリジン化合物(1)とを接触させて得られる遷移金属錯体がより好ましい。
遷移金属錯体の使用量が少なすぎると、分子量の小さい共役芳香族化合物が得られる、あるいは、共役芳香族化合物の収率が低い傾向があり、遷移金属錯体の使用量が多すぎると、分子量の大きい共役芳香族化合物が得られる、あるいは、共役芳香族化合物の収率が高い傾向があるものの、反応終了後の後処理が煩雑になるため、遷移金属錯体の実用的な使用量は、遷移金属換算で、用いる全ての芳香族化合物1モルに対して、0.001〜1モルである。
【0079】
必要に応じて、還元剤を用いてもよく、還元剤の種類と使用量は、用いる遷移金属錯体や芳香族化合物の種類や使用量に応じて、適宜選択される。還元剤としては、亜鉛、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ナトリウム等の金属が挙げられ、亜鉛、マグネシウム及びマンガンが好ましい。還元剤を用いる場合の使用量は、用いる全ての芳香族化合物1モルに対して、通常1〜10モルであり、好ましくは、1〜5モルである。
反応は、通常、溶媒の存在下に実施される。溶媒としては、用いる芳香族化合物及び生成する共役芳香族化合物が溶解し得る溶媒であればよい。かかる溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。かかる溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、エーテル溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアセトアミドがより好ましい。溶媒の使用量は、多すぎると、分子量の小さな共役芳香族化合物が得られる、あるいは、共役芳香族化合物の収率が低い傾向があり、溶媒の使用量が少なすぎると、反応混合物の性状が悪くなりやすいため、実用的な溶媒の使用量は、用いる全ての芳香族化合物1重量部に対して、1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部である。
【0080】
反応は、通常、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で、溶媒、芳香族化合物、遷移金属錯体及び必要に応じて還元剤を混合することにより実施される。溶媒、芳香族化合物、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物及びビピリジン化合物(1)を混合し、遷移金属錯体の調製とともに、反応を実施してもよい。
反応温度は、通常0〜250℃であり、好ましくは30〜100℃である。反応時間は、通常0.5〜48時間である。
【0081】
生成した共役芳香族化合物が重合体である場合には、例えば、反応終了後、生成した共役芳香族化合物を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合することにより、共役芳香族化合物を析出させ、次いで、濾過することにより、析出した共役芳香族化合物を反応混合物から分離することができる。生成した共役芳香族化合物を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒と反応混合物とを混合した後、塩酸等の酸の水溶液を加え、析出した共役芳香族化合物を濾過により、反応混合物から分離してもよい。得られた共役芳香族化合物の分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。生成した共役芳香族化合物を溶解しない溶媒もしくは溶解しにくい溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル等が挙げられ、水及びメタノールが好ましい。
生成した共役芳香族化合物が重合体でない場合には、例えば、反応終了後、反応混合物を濃縮することにより、生成した共役芳香族化合物を取り出すことができる。取り出した共役芳香族化合物は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
【0082】
得られる共役芳香族化合物の具体例を以下に示す。
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)としてnが1である芳香族化合物(4)を用いた場合には、下記式(20):

(Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される共役芳香族化合物が得られる。
かかる式(20)で示される共役芳香族化合物としては、
ビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジフルオロビフェニル、2,2’−ジフルオロビフェニル、2,2’−ジメチルビフェニル、2,2’,5,5’−テトラメチルビフェニル、2,2’−ジエチルビフェニル、3,3’−ジ−n−プロピルビフェニル、4,4’−ジイソプロピルビフェニル、5,5’−ジ−n−ブチルビフェニル、2,2’−ジイソブチルビフェニル、3,3’−ジ−sec−ブチルビフェニル、4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル、5,5’−ビス(2,2−ジメチルプロピル)ビフェニル、2,2’−ジ−n−ヘキシルビフェニル、4,4’−ジシクロヘキシルビフェニル、4,4’−ジベンジルビフェニル、4,4’−ジシアノビフェニル、4,4’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(シアノメチル)ビフェニル、
3,3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジメトキシビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメトキシビフェニル、2,2’,4,4’−テトラメトキシビフェニル、2,2’,5,5’−テトラメトキシビフェニル、2,2’−ジエトキシビフェニル、3,3’−ジ−n−プロポキシビフェニル、4,4’−ジイソプロポキシビフェニル、5,5’−ジ−n−ブトキシビフェニル、4,4’−ジ−tert−ブトキシビフェニル、4,4’−ジフェノキシビフェニル、4,4’−ジベンジルオキシビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(n−ブトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(ベンジルオキシメトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス{2−(n−ブトキシ)エトキシ}ビフェニル、
4,4’−ジアセチルビフェニル、4,4’−ジベンゾイルビフェニル、4,4’−ビス(フェニルスルホニル)ビフェニル、ビフェニル−4,4’−ジスルホン酸ジメチル、ビフェニル−4,4’−ジスルホン酸ジエチル、ビフェニル−4,4’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、1,1’−ビナフタレン、2,2’−ビチオフェン、3,3’−ジヘキシル−5,5’−ビチオフェン、1,1’−ジメチル−5,5’−ビピロール、2,2’−ビピリジン、3,3’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、3,3’−ジヘキシル−5,5’−ビピリジン、2,2’−ビピリミジン、5,5’−ビキノリン、1,1’−ビイソキノリン、4,4’−ビス(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)、7,7’−ビス(ベンゾイミダゾール)等が挙げられる。
【0083】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)としてnが2である芳香族化合物(4)を用いた場合には、下記式(21):

(Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位を有する共役芳香族化合物が得られる。かかる共役芳香族化合物は、通常2〜10,000個の式(21)で示される繰り返し単位を含んでおり、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常500〜3,000,000である。
かかる式(21)で示される繰り返し単位の具体例としては、下記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0084】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(5)を用いた場合には、下記式(22):

(A、R、k及びmは上記と同一の意味を表わす。)
で示される繰り返し単位を有する共役芳香族化合物が得られる。かかる共役芳香族化合物は、通常2〜10,000個の式(22)で示される繰り返し単位を含んでおり、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常500〜3,000,000である。
【0085】
式(22)で示される繰り返し単位の具体例としては、下記式(22a)〜(22e)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0086】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(6)を用いた場合には、下記式(23):

で示される繰り返し単位を有する共役芳香族化合物が得られる。かかる共役芳香族化合物は、通常2〜10,000個の式(23)で示される繰り返し単位を含んでおり、そのポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜6,000,000である。
【0087】
式(23)で示される繰り返し単位の具体例としては、下記式(23a)〜(23d)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0088】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として、nが2である芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(7)を用いた場合には、前記式(21)で示される繰り返し単位と下記式(24):

で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物が得られる。該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000〜3,000,000である。
【0089】
式(24)で示されるセグメントの具体例としては、下記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントが挙げられる。なお、下記式中、hは上記と同一の意味を表わし、好ましくは5以上の整数であり、より好ましくは10以上の整数である。

【0090】

【0091】

【0092】

【0093】

【0094】

【0095】

【0096】

【0097】

【0098】
式(21)で示される繰り返し単位と式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物としては、前記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(I−1)〜(I−16)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。ここで、下記式中、hは上記と同一の意味を表わし、pは2以上の整数を表わす。

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(5)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(7)を用いた場合には、前記式(22)で示される繰り返し単位と前記式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物が得られる。
該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000〜3,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(22)で示される繰り返し単位の量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、30重量%以上、90重量%以下がより好ましく、式(24)で示されるセグメントの量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、10重量%以上、70重量%以下がより好ましい。
【0108】
式(22)で示される繰り返し単位と式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物としては、前記式(22a)〜(22e)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(II−1)〜(II−9)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。ここで、下記式中、h及びpは上記と同一の意味を表わす。

【0109】

【0110】

【0111】


【0112】

【0113】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)として芳香族化合物(6)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(7)を用いた場合には、前記式(23)で示される繰り返し単位と前記式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物が得られる。
該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常3,000〜3,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(23)で示される繰り返し単位の量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、30重量%以上、90重量%以下がより好ましく、式(24)で示されるセグメントの量は、5重量%以上、95重量%以下が好ましく、10重量%以上、70重量%以下がより好ましい。
【0114】
式(23)で示される繰り返し単位と式(24)で示されるセグメントを含む共役芳香族化合物としては、前記式(23a)〜(23d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(24a)〜(24x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントとを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(III−1)〜(III−6)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。ここで、下記式中、h及びpは上記と同一の意味を表わす。

【0115】

【0116】

【0117】

【0118】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)としてnが2である芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(5)を用いた場合には、前記式(21)で示される繰り返し単位と前記式(22)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が得られる。
該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(21)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましく、式(22)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましい。
【0119】
式(21)で示される繰り返し単位と式(22)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物としては、前記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(22a)〜(22e)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(IV−1)〜(IV−4)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。

【0120】

【0121】

【0122】
芳香族化合物(A)と、これと構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる場合であって、芳香族化合物(A)としてnが2である芳香族化合物(4)を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(6)を用いた場合には、前記式(21)で示される繰り返し単位と前記式(23)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が得られる。
該共役芳香族化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000である。該共役芳香族化合物中の式(21)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましく、式(23)で示される繰り返し単位の量は、1重量%以上、99重量%以下が好ましい。
【0123】
式(21)で示される繰り返し単位と式(23)で示される繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物としては、前記式(21a)〜(21d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(23a)〜(23d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位とを含む共役芳香族化合物が挙げられる。具体的には、下記(V−1)〜(V−4)で示される共役芳香族化合物が挙げられる。

【0124】

【0125】

【0126】

【0127】
二種類以上の繰り返し単位を含む共役芳香族化合物中の各繰り返し単位の含量は、用いる芳香族化合物の使用量を適宜調整することにより、調整することができる。
式(22)又は式(23)で示される繰り返し単位を含む共役芳香族化合物は、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質の合成原料として用いることができ、その場合の好ましいポリスチレン換算の重量平均分子量は、2,000〜1,000,000であり、より好ましくは3,000〜800,000である。
【実施例】
【0128】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
得られた共役芳香族化合物が重合体でない場合には、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、その結果から収量を算出した。得られた共役芳香族化合物が重合体である場合には、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略記する。)により分析し(分析条件は下記のとおり)、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
<分析条件>
GPC測定装置:CTO−10A(株式会社島津製作所製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルアセトアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
【0129】
<実施例1−1>
滴下ロートを取り付けた反応容器に、2,5−ジブロモピリジン8g及びジエチルエーテル90mLを加えた。得られた溶液を−70℃に冷却した後、ブチルリチウム(1.58M/ヘキサン溶液)21.37mLを滴下した。得られた混合物を1時間30分攪拌した後、トリメチルクロロシラン4.32mLをジエチルエーテル6.2mLに溶解させて得られた溶液を滴下した。得られた混合物を2時間40分攪拌した後、0℃で水60mLを滴下した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した後、ジエチルエーテル30mLを加えた。得られた溶液をジエチルエーテル30mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ブロモ−5−トリメチルシリルピリジン5.96gを得た。純度:90%(ガスクロマトグラフィー分析により得られた面積百分率値)。
【0130】
<実施例1−2>
冷却管を取り付けた反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.75g、前記実施例1−1で得られた2−ブロモ−5−トリメチルシリルピリジン1g及びテトラヒドロフラン25mLを加えた。得られた混合物に、室温で攪拌しながら、2−ピリジルジンクブロミド(0.5M/テトラヒドロフラン溶液)8.69mLを加えた。得られた混合物を50℃で8時間攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、28%アンモニア水33mLを加えた。得られた混合物を、クロロホルム50mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。
【0131】
<実施例1−3>
前記実施例1−2において、各試剤の使用量を2倍にした以外は、実施例1−2と同様に実施し、粗生成物を得た。得られた粗生成物と前記実施例1−2で得られた粗生成物とを混合した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに蒸留し、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン1.17gを得た。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.77(s,1H),8.69(d,1H),8.42(d,1H),8.36(d,1H),7.93(dd,1H),7.82(m,1H),7.27−7.33(m,1H),0.34(s,9H)
【0132】
<実施例2−1>
滴下ロートを取り付けた反応容器に、2,5−ジブロモピリジン24g及びジエチルエーテル270mLを加えた。得られた溶液を−70℃に冷却した後、ブチルリチウム(1.61M/ヘキサン溶液)62.93mLを滴下した。得られた混合物を2時間攪拌した後、シクロヘキシルジメチルクロロシラン18.75mLをジエチルエーテル18.6mLに溶解させて得られた溶液を滴下した。得られた混合物を4時間攪拌した後、0℃で水140mLを滴下した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した後、水40mL及びジエチルエーテル150mLを加えた。得られた溶液をジエチルエーテル150mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ブロモ−5−シクロヘキシルジメチルシリルピリジン23gを得た。純度:93%(ガスクロマトグラフィー分析により得られた面積百分率値)。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.38(s,1H),7.59(dd,1H),7.45(dd,1H),1.60−1.76(c,5H),1.00−1.22(c,5H),0.78−0.84(m,1H),0.25(s,6H)
【0133】
<実施例2−2>
冷却装置を取り付けた反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.61g、前記実施例2−1で得られた2−ブロモ−5−シクロヘキシルジメチルシリルピリジン6.75g及びテトラヒドロフラン135mLを加えた。得られた混合物に、室温で攪拌しながら、2−ピリジルジンクブロミド(0.5M/テトラヒドロフラン溶液)45.26mLを加えた。得られた混合物を50℃で9時間攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、28%アンモニア水200mLを加えた。得られた混合物を、クロロホルム230mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに蒸留して、5−シクロヘキシルジメチルシリル−2,2’−ビピリジン4.04gを得た。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.74(s,1H),8.69(d,1H),8.42(d,1H),8.36(d,1H),7.90(dd,1H),7.81(m,1H),7.27−7.32(m,1H),1.68−1.71(c,5H),1.07−1.20(c,5H),0.79−0.90(m,1H),0.34(s,6H)
13C−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒)
156.27,156.04,153.80,149.16,142.69,136.82,133.57,123.66,120.96,120.11,27.87,27.26,26.72,25.54,−5.40
【0134】
<実施例3−1>
滴下ロートを取り付けた反応容器に、2,5−ジブロモピリジン21.6g及びジエチルエーテル243mLを加えた。得られた溶液を−70℃に冷却した後、ブチルリチウム(1.65M/ヘキサン溶液)55.26mLを滴下した。得られた混合物を3時間10分攪拌した後、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート20.96mLをジエチルエーテル16.7mLに溶解させて得られた溶液を滴下した。得られた混合物を17時間55分攪拌した後、0℃で水162mLを滴下した。得られた混合物を、室温で30分攪拌した後、酢酸エチル81mLを加えた。得られた溶液を酢酸エチル81mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに、ヘキサンで再結晶し、2−ブロモ−5−tert−ブチルジメチルシリルピリジン2.57gを得た。純度:98%(ガスクロマトグラフィー分析により得られた面積百分率値)。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.40(s,1H),7.62(d,1H),7.46(d,1H),0.88(s,9H),0.29(s,6H)
【0135】
<実施例3−2>
冷却装置を取り付けた反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.64g、前記実施例3−1で得られた2−ブロモ−5−tert−ブチルジメチルシリルピリジン1g及びテトラヒドロフラン25mLを加えた。得られた混合物に、室温で攪拌しながら、2−ピリジルジンクブロミド(0.5M/テトラヒドロフラン溶液)7.35mLを加えた。得られた混合物を50℃で7時間40分攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、28%アンモニア水33mLを加えた。得られた混合物を、クロロホルム50mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにヘキサンで再結晶し、5−tert−ブチルジメチルシリル−2,2’−ビピリジン0.35gを得た。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.76(s,1H),8.69(d,1H),8.42(d,1H),8.36(d,1H),7.93(dd,1H),7.83(m,1H),7.26−7.34(m,1H),0.91(s,9H),0.34(s,6H)
【0136】
<実施例4−1>
滴下ロートを取り付けた反応容器に、2,5−ジブロモピリジン24g及びジエチルエーテル270mLを加えた。得られた溶液を−70℃に冷却した後、ブチルリチウム(1.65M/ヘキサン溶液)61.4mLを滴下した。得られた混合物を3時間40分攪拌した後、ジメチルフェニルクロロシラン16.79mLをジエチルエーテル18.6mLに溶解させて得られた溶液を滴下した。得られた混合物を3時間攪拌した後、0℃で水80mLを滴下した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した後、水100mL及び酢酸エチル150mLを加えた。得られた溶液を酢酸エチル150mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ブロモ−5−ジメチルフェニルシリルピリジン25.1gを得た。純度:95%(ガスクロマトグラフィー分析により得られた面積百分率値)。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.41(s,1H),7.58(dd,1H),7.36−7.50(c,6H),0.58(s,6H)
【0137】
<実施例4−2>
冷却装置を取り付けた反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.37g、前記実施例4−1で得られた2−ブロモ−5−ジメチルフェニルシリルピリジン6g及びテトラヒドロフラン125mLを加えた。得られた混合物に、室温で攪拌しながら、2−ピリジルジンクブロミド(0.5M/テトラヒドロフラン溶液)41.06mLを加えた。得られた混合物を50℃で6時間20分攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、28%アンモニア水170mLを加えた。得られた混合物を、クロロホルム200mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにヘキサンで再結晶し、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン1.63gを得た。
HーNMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.77(s,1H),8.68(d,1H),8.41(d,1H),8.38(d,1H),7.92(dd,1H),7.81(m,1H),7.52−7.56(c,2H),7.27−7.39(c,4H),0.62(s,6H)
【0138】
<実施例5−1>
滴下ロートを取り付けた反応容器に、2,5−ジブロモピリジン8g及びジエチルエーテル90mLを加えた。得られた溶液を−70℃に冷却した後、ブチルリチウム(1.65M/ヘキサン溶液)20.47mLを滴下した。得られた混合物を2時間攪拌した後、メチルジフェニルクロロシラン7.08mLをジエチルエーテル6.2mLに溶解させて得られた溶液を滴下した。得られた混合物を5時間50分攪拌した後、0℃で水60mLを滴下した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した後、酢酸エチル50mLを加えた。得られた溶液を酢酸エチル50mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。
【0139】
<実施例5−2>
前記実施例5−1において、各試剤の使用量を3倍にした以外は、実施例5−1と同様に実施し、粗生成物を得た。得られた粗生成物と前記実施例5−1で得られた粗生成物とを混合した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ブロモ−5−メチルジフェニルシリルピリジン36.1gを得た。純度:97%(ガスクロマトグラフィー分析により得られた面積百分率値)。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.41(s,1H),7.34−7.60(c,12H),0.86(s,3H)
【0140】
<実施例5−3>
冷却装置を取り付けた反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.28g、前記実施例5−2で得られた2−ブロモ−5−メチルジフェニルシリルピリジン7g及びテトラヒドロフラン125mLを加えた。得られた混合物に、室温で攪拌しながら、2−ピリジルジンクブロミド(0.5M/テトラヒドロフラン溶液)39.51mLを加えた。得られた混合物を50℃で7時間25分攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、28%アンモニア水170mLを加えた。得られた混合物を、クロロホルム200mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにヘキサンで再結晶し、5−メチルジフェニルシリル−2,2’−ビピリジン2.56gを得た。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.75(s,1H),8.69(d,1H),8.36−8.43(c,2H),7.93(dd,1H),7.81(m,1H),7.29−7.56(c,11H),0.90(s,3H)
【0141】
<実施例6−1>
滴下ロートを取り付けた反応容器に、2,5−ジブロモピリジン8g及びジエチルエーテル90mLを加えた。得られた溶液を−70℃に冷却した後、ブチルリチウム(1.65M/ヘキサン溶液)20.47mLを滴下した。得られた混合物を1時間20分攪拌した後、トリフェニルクロロシラン9.96gを少量ずつ添加し、さらに、ジエチルエーテル10mLを加えた。得られた混合物を室温で、27時間20分攪拌した後、0℃で水60mLを滴下した。得られた混合物を、室温で一晩攪拌した後、水60mL及びクロロホルム100mLを加えた。得られた混合物をクロロホルム100mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。
【0142】
<実施例6−2>
前記実施例6−1において、各試剤の使用量を1.25倍にした以外は、実施例6−1と同様に実施し、粗生成物を得た。得られた粗生成物と前記実施例6−1で得られた粗生成物とを混合した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに、クロロホルム/ヘキサンで再結晶し、2−ブロモ−5−トリフェニルシリルピリジン19.01gを得た。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.46(s,1H),7.65(dd,1H),7.37−7.55(c,16H)
13C−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒)
156.91,145.93,144.31,136.16,132.34,130.16,129.08,128.18,127.74
【0143】
<実施例6−3>
冷却装置を取り付けた反応容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.50g、前記実施例6−2で得られた2−ブロモ−5−トリフェニルシリルピリジン9g及びテトラヒドロフラン125mLを加えた。得られた混合物に、室温で攪拌しながら、2−ピリジルジンクブロミド(0.5M/テトラヒドロフラン溶液)43.23mLを加えた。得られた混合物を50℃で7時間40分攪拌し、反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、28%アンモニア水170mLを加えた。得られた混合物を、クロロホルム200mLで3回抽出した。得られた有機層を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにジエチルエーテルで再結晶し、5−トリフェニルシリル−2,2’−ビピリジン1.92gを得た。
H−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒、TMS基準)
8.81(s,1H),8.68(d,1H),8.39−8.43(c,2H),8.00(dd,1H),7.80(m,1H),7.49−7.61(c,6H),7.36−7.46(c,9H),7.24−7.32(m,1H)
13C−NMR(δ:ppm,CDCl溶媒)
156.56,155.79,155.75,149.01,144.68,136.56,136.07,132.83,129.78,129.64,127.92,123.65,120.91,120.10
【0144】
<実施例7>
ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)0.55mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン0.46mg及びテトラヒドロフラン4mLを、室温で混合し、ニッケル錯体を含む溶液を得た。
UV−Vis(テトラヒドロフラン溶媒):λmax 570nm
【0145】
<実施例8>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、4−クロロトルエン88.6mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は56.5mgであった。
【0146】
<実施例9>
実施例8において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−シクロヘキシルジメチルシリル−2,2’−ビピリジン24.9mgを用いた以外は、実施例8と同様に実施し、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は58.3mgであった。
【0147】
<比較例1>
実施例8において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、2,2’−ビピリジン13.1mgを用いた以外は、実施例8と同様に実施し、4,4’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメチルビフェニルの収量は36.5mgであった。
【0148】
<実施例10>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン24.4mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、2−クロロトルエン88.6mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、2,2’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。2,2’−ジメチルビフェニルの収量は25.5mgであった。
【0149】
<実施例11>
実施例10において、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−メチルジフェニルシリル−2,2’−ビピリジン29.6mgを用いた以外は、実施例10と同様に実施し、2,2’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。2,2’−ジメチルビフェニルの収量は36.5mgであった。
【0150】
<実施例12>
実施例10において、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジンに代えてに、5−トリフェニルシリル−2,2’−ビピリジン34.8mgを用いた以外は、実施例10と同様に実施し、2,2’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。2,2’−ジメチルビフェニルの収量は34.6mgであった。
【0151】
<比較例2>
実施例10において、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、2,2’−ビピリジン13.1mgを用いた以外は、実施例10と同様に実施し、2,2’−ジメチルビフェニルを含む反応混合物を得た。2,2’−ジメチルビフェニルの収量は12.8mgであった。
【0152】
<実施例13>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、4−クロロアニソール99.8mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、4,4’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジメトキシビフェニルの収量は66.4mgであった。
【0153】
<実施例14>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、3−クロロアニソール99.8mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、3,3’−ジメトキシビフェニルを含む反応混合物を得た。3,3’−ジメトキシビフェニルの収量は68.6mgであった。
【0154】
<実施例15>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、1−クロロ−4−(メトキシメチル)ベンゼン109.6mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニルの収量は67.8mgであった。
【0155】
<実施例16>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、4−クロロアセトフェノン108.2mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、4,4’−ジアセチルビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジアセチルビフェニルの収量は73.9mgであった。
【0156】
<実施例17>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、4−クロロフェノール90.0mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジヒドロキシビフェニルの収量は24.2mgであった。
【0157】
<実施例18>
実施例17において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−シクロヘキシルジメチルシリル−2,2’−ビピリジン24.9mgを用いた以外は、実施例17と同様に実施し、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジヒドロキシビフェニルの収量は37.2mgであった。
【0158】
<実施例19>
実施例17において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン24.4mgを用いた以外は、実施例17と同様に実施し、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジヒドロキシビフェニルの収量は22.3mgであった。
【0159】
<実施例20>
実施例17において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−メチルジフェニルシリル−2,2’−ビピリジン29.6mgを用いた以外は、実施例17と同様に実施し、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを含む反応混合物を得た。4,4’−ジヒドロキシビフェニルの収量は22.3mgであった。
【0160】
<実施例21>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、2−クロロピリミジン80.2mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、2,2’−ビピリミジンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビピリミジンの収量は7.9mgであった。
【0161】
<実施例22>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン19.2mg及び亜鉛粉末91.6mgを加えた。得られた混合物に、室温で、2−ブロモチオフェン114.1mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を70℃で2時間反応させ、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は34.9mgであった。
【0162】
<実施例23>
実施例22において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−シクロヘキシルジメチルシリル−2,2’−ビピリジン24.9mgを用いた以外は、実施例22と同様に実施し、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は36.6mgであった。
【0163】
<実施例24>
実施例22において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン24.4mgを用いた以外は、実施例22と同様に実施し、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は38.2mgであった。
【0164】
<実施例25>
実施例22において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−メチルジフェニルシリル−2,2’−ビピリジン29.6mgを用いた以外は、実施例22と同様に実施し、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は34.9mgであった。
【0165】
<実施例26>
実施例22において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−トリフェニルシリル−2,2’−ビピリジン34.8mgを用いた以外は、実施例22と同様に実施し、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は36.6mgであった。
【0166】
<比較例3>
実施例22において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、2,2’−ビピリジン13.1mgを用いた以外は、実施例22と同様に実施し、2,2’−ビチオフェンを含む反応混合物を得た。2,2’−ビチオフェンの収量は24.9mgであった。
【0167】
<実施例27>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル22.9mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン28.8mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)400.1mg、亜鉛粉末91.6mg及びN−メチル−2−ピロリドン5mLを加えた。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌、反応させ、下記式(i)

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは184,200、Mnは52,100であった。
【0168】
<比較例4>
実施例27において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、2,2’−ビピリジン19.7mgを用いた以外は、実施例27と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは72,700、Mnは25,300であった。
【0169】
<実施例28>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル15.3mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン16.0mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)394.1mg、亜鉛粉末75.6mg、及びN,N−ジメチルアセトアミド5mLを加えた。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌、反応させ、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは168,600、Mnは53,000であった。
【0170】
<実施例29>
実施例28において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−シクロヘキシルジメチルシリル−2,2’−ビピリジン20.8mgを用いた以外は、実施例28と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは137,900、Mnは43,000であった。
【0171】
<実施例30>
実施例28において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−tert−ブチルジメチルシリル−2,2’−ビピリジン18.9mgを用いた以外は、実施例28と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは139,400、Mnは48,600であった。
【0172】
<実施例31>
実施例28において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン20.3mgを用いた以外は、実施例28と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは194,900、Mnは64,500であった。
【0173】
<実施例32>
実施例28において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−トリフェニルシリル−2,2’−ビピリジン29.0mgを用いた以外は、実施例28と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは145,500、Mnは48,200であった。
【0174】
<比較例5>
実施例28において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、2,2’−ビピリジン10.9mgを用いた以外は、実施例28と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは131,200、Mnは45,700であった。
【0175】
<実施例33>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル4.6mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン5.8mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)402.2mg、亜鉛粉末94.3mg、及びN,N−ジメチルアセトアミド5mLを加えた。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌、反応させ、前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは12,600、Mnは7,400であった。
【0176】
<実施例34>
実施例33において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン7.3mgを用いた以外は、実施例33と同様に実施し前記式(i)で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは49,700、Mnは20,200であった。
【0177】
<実施例35>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル30.6mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン38.4mg、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン462.5mg、亜鉛粉末91.6mg、N,N−ジメチルアセトアミド3.5mL及びトルエン1.5mLを加えた。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌、反応させ、下記式

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは97,400、Mnは37,200であった。
【0178】
<実施例36>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル45.9mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン57.5mg、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン240.2mg、亜鉛粉末91.6mg及びN,N−ジメチルアセトアミド5mLを加えた。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌、反応させ、下記式

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは85,700、Mnは18,000であった。
【0179】
<実施例37>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル45.9mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン57.5mg、2,5−ジクロロ−1−デシルオキシベンゼン212.3mg、亜鉛粉末91.6mg及びN−メチル−2−ピロリドン3mLを加えた。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌、反応させ、下記式

で示される繰り返し単位のみからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは13,800、Mnは7,700であった。
【0180】
<実施例38>
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、室温で、臭化ニッケル22.9mg、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジン28.8mg、亜鉛粉末105.3mg、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)402.2mgをN,N−ジメチルアセトアミド3mLに溶解させて得られた溶液及び下記式(ii)

で示されるスミカエクセルPES 3100P(住友化学株式会社製;Mw 36,000、Mn 18,000:上記分析条件で測定)71.1mgをN,N−ジメチルアセトアミド2mLに溶解させて得られた溶液を加えた。得られた混合物を、70℃で4時間攪拌、反応させ、前記式(i)で示される繰り返し単位と下記式(iii)

で示されるセグメントとからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは359,800、Mnは106,500であった。
【0181】
<実施例39>
実施例38において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン36.6mgを用いた以外は、実施例38と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位と前記式(iii)で示されるセグメントとからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは371,900、Mnは109,500であった。
【0182】
<実施例40>
実施例38において、式(ii)で示されるスミカエクセルPES 3100Pに代えて、下記式(iv)

で示される芳香族化合物(Mw 5,900、Mn 3,900:上記分析条件で測定)206.3mgを用いた以外は、実施例38と同様に実施して、前記式(i)で示される繰り返し単位と下記式(v)

で示されるセグメントとからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは351,600、Mnは94,500であった。
【0183】
<実施例41>
実施例40において、5−トリメチルシリル−2,2’−ビピリジンに代えて、5−ジメチルフェニルシリル−2,2’−ビピリジン36.6mgを用いた以外は、実施例40と同様に実施し、前記式(i)で示される繰り返し単位と前記式(v)で示されるセグメントとからなる共役芳香族化合物を含む反応混合物を得た。得られた共役芳香族化合物のMwは372,100、Mnは97,200であった。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明の新規なビピリジン化合物は、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物と接触させることにより、新規な遷移金属錯体に導くことができ、該遷移金属錯体を用いることにより、共役芳香族化合物をよりに有利に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で示されるビピリジン化合物。
【請求項2】
、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基を表わす請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項3】
、R及びRがメチル基である請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項4】
がメチル基であり、R及びRがフェニル基である請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項5】
及びRがメチル基であり、Rがフェニル基である請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項6】
及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基である請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項7】
及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基である請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項8】
、R及びRがフェニル基である請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項9】
、R、R、R及びRが水素原子である請求項1に記載のビピリジン化合物。
【請求項10】
式(1)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で示されるビピリジン化合物と、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体。
【請求項11】
請求項10に記載の式(1)で示されるビピリジン化合物と第10族遷移金属化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体。
【請求項12】
第10族遷移金属化合物が、ニッケル化合物である請求項11に記載の遷移金属錯体。
【請求項13】
、R及びRが独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、メトキシ基又はエトキシ基を表わす請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項14】
、R及びRがメチル基である請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項15】
がメチル基であり、R及びRがフェニル基である請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項16】
及びRがメチル基であり、Rがフェニル基である請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項17】
及びRがメチル基であり、Rがシクロヘキシル基である請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項18】
及びRがメチル基であり、Rがtert−ブチル基である請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項19】
、R及びRがフェニル基である請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項20】
、R、R、R及びRが水素原子である請求項10に記載の遷移金属錯体。
【請求項21】
式(2)

(式中、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
で示されるピリジン化合物と式(3)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わし、Xは、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基又はメタンスルホニルオキシ基を表わす。)
で示されるピリジン化合物とを、パラジウム触媒の存在下に反応させることを特徴とする式(1)

(式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは上記と同一の意味を表わす。)
で示されるビピリジン化合物の製造方法。
【請求項22】
式(1)

(式中、R、R及びRは独立して、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、R、R、R、R及びRは独立して、水素原子又は置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表わす。)
で示されるビピリジン化合物と、第9族、第10族又は第11族遷移金属化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体の存在下に、1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)又は前記芳香族化合物(A)とは構造的に異なる1個又は2個の脱離基が芳香環に結合している芳香族化合物(B)とを反応させることを特徴とする共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項23】
芳香族化合物(A)及び芳香族化合物(B)の芳香環が独立して、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、該芳香環が、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよい請求項22に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項24】
遷移金属錯体が、請求項10に記載の式(1)で示されるビピリジン化合物と第10族遷移金属化合物とを接触させて得られる遷移金属錯体である請求項22に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項25】
第10族遷移金属化合物が、ニッケル化合物である請求項24に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項26】
芳香族化合物(A)と、これと同一の構造を有する芳香族化合物(A)とを反応させる請求項22に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項27】
芳香族化合物(A)が、式(4):

(式中、Arはn価の芳香族基を表わし、前記芳香族基を構成する芳香環は、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環又はキノキサリン環であり、且つ、少なくとも1つの反応に関与しない基で置換されていてもよく、Xは脱離基を表わし、nは1又は2を表わす。nが2のとき、Xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。)
で示される芳香族化合物である請求項26に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項28】
芳香族化合物(A)が、式(5)

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭化水素基で置換され、該炭化水素基の炭素数の合計が3〜20であるアミノ基又は炭素数3〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。Rが複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。mは1又は2を表わし、kは4−mを表わす。)
で示される芳香族化合物である請求項26に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項29】
芳香族化合物が、式(6)

(式中、Aは、1つもしくは2つの炭素数1〜20の炭化水素基で置換され、該炭化水素基の炭素数の合計が3〜20であるアミノ基又は炭素数3〜20のアルコキシ基を表わす。ここで、前記炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
10は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表わし、前記炭素数1〜20のアルキル基、前記炭素数1〜20のアルコキシ基、前記炭素数6〜20のアリール基、前記炭素数6〜20のアリールオキシ基及び前記炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。R10が複数の場合、R10は同一の基であってもよいし、異なる基であっていてもよい。また、隣接する2つのR10が結合して環を形成していてもよい。
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。jは0〜3の整数を表わす。)
で示される芳香族化合物である請求項26に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項30】
芳香族化合物(A)と、該芳香族化合物(A)とは構造的に異なる芳香族化合物(B)とを反応させる請求項22に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項31】
芳香族化合物(A)として、式(4)

(式中、Ar、X及びnは、請求項27で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる式(4)で示される芳香族化合物、式(5)

(式中、A、R、X、m及びkは請求項28で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物、式(6)

(式中、A、R10、X及びjは請求項29で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物又は式(7)

(式中、a、b及びcは独立して、0又は1を表わし、hは5以上の整数を表わす。
Ar、Ar、Ar及びArは独立して、2価の芳香族基を表わす。ここで、2価の芳香族基は、下記(a2)〜(e2)からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。
(a2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
(b2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
(c2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
(d2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
(e2)フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;
及びYは独立して、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表わす。
及びZは独立して、−O−又はS−を表わす。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす。)
で示される芳香族化合物を用いる請求項30に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項32】
芳香族化合物(A)として、式(5)

(式中、A、R、X、m及びkは請求項28で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる式(5)で示される芳香族化合物又は式(7)

(式中、a、b、c、h、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z、Z及びXは請求項31で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用いる請求項30に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項33】
芳香族化合物(A)として、式(6)

(式中、A、R10、X及びjは請求項29で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用い、芳香族化合物(B)として、芳香族化合物(A)とは構造的に異なる式(6)で示される芳香族化合物又は式(7)

(式中、a、b、c、h、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z、Z及びXは請求項31で定義したと同一の意味を表わす。)
で示される芳香族化合物を用いる請求項30に記載の共役芳香族化合物の製造方法。
【請求項34】
脱離基が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基又は炭素数6〜10のアリールスルホニルオキシ基である請求項22に記載の共役芳香族化合物の製造方法。

【公開番号】特開2009−23996(P2009−23996A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158938(P2008−158938)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】