説明

ファームウェアダウンロード装置

【効果】複数接続された機能ユニットに対してファームウェアのダウンロードを行う場合、或る機能ユニットに最新のファームウェアをダウンロードすることにより、全ての機能ユニットのファームウェアバージョンを自動的に最新バージョンのファームウェアにバージョンアップすることができる。
【解決手段】バージョン管理部15−1はバッファメモリ19−1にダウンロードされた新たなファームウェアのバージョンとフラッシュメモリA14−1に格納されているファームウェアのバージョンとの比較を行い、相違していれば更に比較処理部16−1において他の機能ユニットのフラッシュメモリA14−2〜nに格納されているファームウェアのバージョンと新たなファームウェアのバージョンとの比較を行い、相違していた機能ユニットのバッファメモリ19−2〜nに新たなファームウェアを格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファームウェアダウンロード装置に関し、特に運用系共通制御ユニットと待機系共通制御ユニットに複数接続された機能ユニットに対してのファームウェアダウンロード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運用系共通制御ユニットと待機系共通制御ユニットに複数接続された機能ユニットに対してファームウェアをダウンロードする第1の従来技術として、特許文献1に記載されている技術がある。
【0003】
第1の従来の技術を図3に示す。第1の従来の技術は、通常運用の為の共通バスにより互いに接続した予め定めた機能を実現する為の機能ユニット1〜nと運用系の共通制御ユニットBと待機系の共通制御ユニットAとの構成要素を有し、共通バスを介して運用系の共通制御ユニットBの制御により機能ユニット1〜nに予め定めた機能を実現している。
【0004】
メンテナンスツール30よりダウンロードするファームウェアとダウンロード先アドレスを待機系共通制御ユニットAに転送する。運用系共通制御ユニットBは、待機系共通制御ユニット機能Aと同様の構成を有する運用系の系であり、通常、運用に影響しない待機系へファームウェアを転送するものとしている。待機系共通制御ユニットAは、機能ユニット1にダウンロードするファームウェアとダウンロード先の機能ユニットのアドレスとを、シリアルポート31を経由してダウンロード用メモリ32に格納し、主処理部33の指示に従って、バス選択部34によりダウンロード専用バスYを介して機能ユニットにファームウェアをダウンロードする方式となっている。
【0005】
各機能ユニット1〜nは、起動時のファームウェアを格納したROM部11と、起動後の機能ユニットの動作を処理する制御部12と、あらかじめ定められた機能を実現するDSP部17と、前記制御部12と前記DSP部17のファームウェアを格納したフラッシュメモリB13と、前記フラッシュメモリB13と同一ファームウェアを格納したフラッシュメモリA14と、待機系共通制御ユニットA、および運用系共通制御ユニットBと共通バスXを介して情報を記憶する通信用メモリ18から構成されるものとなっていた。
【0006】
図4は、機能ユニットに対するダウンロード手順の概略を示した図である。メンテナンスツール30より、ダウンロードを行うファームウェアとダウンロード先の機能ユニットの待機系アドレスを共通制御ユニットAのダウンロード用メモリ32に転送する(a)。転送されたダウンロードを行うファームウェアとダウンロード先の機能ユニットのアドレスは、ダウンロード用メモリ32に格納(b)され、格納されたダウンロードを行うファームウェアとダウンロード先の機能ユニットのアドレスは、主処理部33のダウンロード指示(c)によって、該当するアドレスの機能ユニットに対してファームウェアのダウンロード(d)を行う(本図の例の場合、該当するアドレスは、機能ユニット1に相当する)。また、他の機能ユニットにファームウェアをダウンロードする場合は、上記手順を繰り返し実施するものとなっている(e)。
【0007】
また第2の従来技術として、特許文献2に記載されている方式がある。第2の従来の技術を図5に示す。
【0008】
第2の従来の技術である通信装置におけるソフトウェアバージョンアップ処理装置及び通信装置におけるソフトウェアのバージョンアップ処理方法は、指示受信手段44により、上位の基地局装置40からのダウンロード指示受信時に、バージョンアップ処理装置41の第1カード42のデータ受信手段45で、上位の基地局装置40から新規ソフトウェア管理情報を受信してダウンロード領域43に格納し、バージョン比較手段46でダウンロード領域43の新旧ソフトウェアのリストを作成し、リスト上のソフトウェアを上位の基地局装置40からデータ受信手段45で受信してダウンロード領域43に格納する構成となっている。
【0009】
【特許文献1】特開2001−331336公報
【特許文献2】特開2002−123398公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、第1の技術の場合は、通常、共通制御ユニットに接続された複数の同一機能ユニットは、同一ファームウェア(バージョン)で動作させるのが一般的であるが、複数の機能ユニットが接続された構成の場合、メンテナンスツールからダウンロード先アドレスで指定された機能ユニットしかファームウェアのダウンロードができない。このため、複数の機能ユニットにファームウェアをダウンロードする場合、メンテナンスツールからファームウェアとダウンロード先アドレスを、それぞれの機能ユニットに対して、複数回転送し、共通制御ユニットのダウンロード用メモリへ格納する必要があり、オペレータの操作が面倒になり、ダウンロード時間を要するといった問題があった。
【0011】
また、第2の技術の場合は、既存のファームウェア管理情報と新規のファームウェア管理情報のファームウェアバージョンが異なるリスト(ファイル)を作成、比較、およびリスト更新を行い、リストで示されるソフトウェアを上位局装置から受信してデータを格納するものとなっているが、他にファームウェアを更新する手段については明確にはされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は共通制御ユニットに複数接続され、前記共通制御ユニットの制御により予め定めた機能を実現する機能ユニットにファームウェアのダウンロードを行うファームウェアダウンロード装置であって、前記機能ユニットは、該機能ユニット内に格納されている自己の現用ファームウェアのバージョンと前記共通制御ユニットからダウンロードされた新たなファームウェアとを比較して相違があれば該ダウンロードされた新たなファームウェアを現用ファームウェアとして格納すると共に、他の機能ユニット内に格納されている各々の機能ユニットの現用ファームウェアのバージョンと前記ダウンロードされた新たなファームウェアとのバージョンを比較して相違があった機能ユニットに対して前記新たなファームウェアを送信するようにしたことを特徴とする。
【0013】
また前記機能ユニットは、他の機能ユニットから前記新たなファームウェアを受信した際に該たなファームウェアを現用ファームウェアとして格納することを特徴とする。更に前記共通制御ユニットは運用系制御ユニットと待機系制御ユニットとから構成され、前記外部装置の指示は前記待機系制御ユニットに対して与えられることを特徴とする。
【0014】
また本発明は共通制御ユニットに複数接続され、前記共通制御ユニットの制御により予め定めた機能を実現する機能ユニットにファームウェアのダウンロードを行うファームウェアダウンロード装置であって、前記共通制御ユニットは、外部装置からの指示に基づいて特定の機能ユニットを指定し、該指定された機能ユニットに対して新たなファームウェアのダウンロードを行う機能を有し、前記機能ユニットは、自機能ユニットの動作を制御する制御部と、前記制御部からダウンロードされた新たなファームウェアを一時格納するバッファメモリと、ファームウェアを格納する第一及び第二のフラッシュメモリと、前記ダウンロードされた新たなファームウェアのバージョンと前記第一のフラッシュメモリに格納されているファームウェアのバージョンとが一致か不一致かを判断し、前記判断結果が不一致であった場合に前記ダウンロードされた新たなファームウェアを前記第一のフラッシュメモリに書き込むと共に前記第二のフラッシュメモリにも書き込むバージョン管理部と、前記判断結果が不一致であった場合に前記指定外の機能ユニット内の第一のフラッシュメモリに格納されているファームウェアのバージョンと前記ダウンロードされた新たなファームウェアとが一致か不一致かを判断し、その判断結果を自機能ユニット内の前記制御部に通知する比較処理部とを有し、前記制御ユニットは前記通知において不一致であった機能ユニット内の第一のフラッシュメモリに対して前記ダウンロードされた新たなファームウェアを上書きすると共に前記不一致であった機能ユニット内の制御部に対して前記上書きを行った旨を伝達する機能を有することを特徴とする。
【0015】
また前記第二のファームウェアに格納されているファームウェアを機能ユニットの現用ファームウェアとして使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のファームウェアダウンロード装置によれば、複数接続された機能ユニットに対してファームウェアのダウンロードを行う場合、個々の機能ユニット単位にダウンロードを行う必要がなく、或る機能ユニットに最新のファームウェアをダウンロードすることにより、全ての機能ユニットのファームウェアバージョンを自動的に最新バージョンのファームウェアにバージョンアップすることができるので、オペレータが係わる操作やダウンロードに要する時間を削減出来るという効果が得られる。また、機能ユニット間でファームウェアの転送を行うので、待機系共通制御ユニットAの負担が大幅に削減できる効果がある。
【0017】
更に、ダウンロード時間を短くするために一括で各機能ユニットのバッファメモリに最新のファームウェアを一時格納し、各機能ユニットの制御部の指示によりダウンロードするか否かの機能を設けることにより、ダウンロード時間を削減できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係わるファームウェアダウンロード装置の実施形態を示すブロック図である。図1によれば本発明の実施形態は、新たなファームウェアとダウンロード先アドレスを転送するためのメンテナンスツール30と、通常運用の為の共通バスにより互いに接続した予め定めた機能を実現する為の機能ユニット1〜nと運用系の共通制御ユニットBと待機系の共通制御ユニットAとの構成要素を有し、共通バスを介して運用系の共通制御ユニットBの制御により機能ユニット1〜nに予め定めた機能を実現している。共通制御ユニットの構成は第1の従来技術と同じなのでここでは説明を行わない。
【0020】
待機系共通制御ユニットAと運用系共通制御ユニットBは同様の構成で、二重化運用している。つまり、共通制御ユニットBに障害が発生した場合には共通制御ユニットAが代わって運用系となり、共通制御ユニットBが待機系となる。この場合、新たなファームウェアのダウンロードは、運用動作に影響しない待機系にファームウェアをダウンロードするものとする。
【0021】
次に機能ユニットの構成について説明する。各機能ユニット1〜nは、起動時のファームウェアを格納したROM部11と、起動後の機能ユニットの動作を処理する制御部12と、あらかじめ定められた機能を実現するDSP部17と、ダウンロードされたファームウェアを一時格納するバッファメモリ19と、制御部12とDSP部17の現用ファームウェアを格納したフラッシュメモリB13と、フラッシュメモリB13と同一ファームウェアを格納したフラッシュメモリA14と、フラッシュメモリA14に格納されたファームウェアのバージョンを管理するバージョン管理部15と、バージョン管理部15の管理バージョンと複数接続された他の機能ユニットの管理バージョンとを比較する比較処理部16と、待機系共通制御ユニットA及び運用系共通制御ユニットBと共通バスXを介して情報を記憶する通信用メモリ18から構成される。
【0022】
メンテナンスツール30から転送された新たなファームウェアとダウンロード先アドレスa(ダウンロード先の機能ユニットのアドレス)とを格納する待機系共通制御ユニットAのダウンロード用メモリ32は、主処理部33の指示に従ってバス選択部34を切り換え、ダウンロード専用バスYを介してアドレスaに対応した機能ユニットに対してファームウェアのダウンロードを行う。また、主処理部33はアドレスaに対応した機能ユニットの制御部12に対して管理バスZを通じて新たなファームウェアのダウンロードが行われた旨の通知を行う。
【0023】
仮にアドレスaに対応した機能ユニットが機能ユニット1とし、その機能ユニット1にファームウェアがダウンロードされた場合、ダウンロードされたファームウェアは、バッファメモリ19−1に一時格納される。バージョン管理部15−1は制御部12−1からの指示を受けて、バッファメモリ19−1に一時格納されたファームウェアのバージョンと現在機能ユニット1で運用されているファームウェア(フラッシュメモリA14−1に格納されているファームウェア)のバージョンとの比較を行う。ここでバージョンに相違があれば、フラッシュメモリA14−1に格納されている現用のファームウェアを、ダウンロードされた新たなファームウェアに書き換える。またフラッシュメモリA14−1の内容が書き換わると、フラッシュメモリA14−1に接続されているスイッチを切り替え、フラッシュメモリB13−1に格納されているファームウェアをフラッシュメモリA14−1に書き込まれているファームウェア、つまり新たなファームウェアに書き換える。
【0024】
またバージョンに相違があった場合、バージョン管理部15−1はダウンロードされた新たなファームウェアのバージョンを比較処理部16−1に通知する。比較処理部16−1では、機能ユニット1に新たにダウンロードされたファームウェアのバージョンと機能ユニット2〜nのそれぞれにおいて現在運用されているファームウェアのバージョン(フラッシュメモリA14−2〜nに格納されているファームウェア)との比較を行い、管理バスZを介して共通制御ユニットの主処理部33、及び制御部12−1に対してバージョンが一致しているか否かの判定結果の通知を行う。
【0025】
制御部12−1はバージョン管理部15−1に指示を出し、機能ユニット1のバッファメモリ19−1にダウンロードされている新たなファームウェアを、バージョンに相違があった機能ユニット2〜nのバッファメモリ19−2〜nにダウンロード専用バスYを介して一時格納する。また制御部12−1は、管理バスZを介して共通制御ユニットの主処理部33、及びバージョンに相違のあった機能ユニット2〜nの制御部12−2〜nに対してファームウェアの格納を行った旨の通知を行う。
【0026】
該通知を受けた機能ユニット2〜nにおいては、各々の制御部12−2〜nがバージョン管理部15−2〜nに対して指示を出し、フラッシュメモリA14−2〜nに新たなファームウェアを書き換え、それに伴ってフラッシュメモリB13−2〜nの書き換えも行う。
次に、各機能ユニットのバージョン管理部15と比較部16の詳細について図2を用いて説明する。ここでは機能ユニット1を例に挙げて説明を行う。バージョン管理部15−1は、バッファメモリ19−1に新たにダウンロードされたファームウェアのバージョン及びフラッシュメモリA14−1に格納されているファームウェアのバージョンを抽出するバージョン抽出部20−1と、抽出した2つのファームウェアのバージョンの比較を行うバージョン比較部21−1と、バージョン比較部21−1での比較結果を受けてバッファメモリ19−1及びフラッシュメモリA14−1にファームウェアの書き換え指示を出すファームウェア書換/送出指示部22−1から構成されている。またファームウェア書換/送出指示部22−1は制御部12−1からの命令を受けて、バッファメモリ19−1に対し、該命令で指定された他の機能ユニット2〜nのバッファメモリ19−2〜nにバッファメモリ19−1に格納されているファームウェアを送出する指示を出す機能を有する。
【0027】
比較処理部16−1は、前記バージョン抽出部20−1を介してバッファメモリ19−1にダウンロードされた新たなファームウェアのバージョンの抽出、及び管理バスZを介して得たその他の機能ユニットそれぞれのファームウェアバージョンを抽出するバージョン抽出処理部23−1と、前記新たなファームウェアのバージョンとその他の機能ユニットのファームウェアのバージョンとを比較するバージョン比較処理部24−1と、バージョン比較処理部24−1の比較結果を管理バスZを介して待機系共通制御ユニットAの主処理部33、および機能ユニット1の制御部12−1に通知する判定結果通知部25−1から構成される。
【0028】
バージョン管理部15−1のバージョン抽出処理部20−1は、制御部12−1の指示を受け、バッファメモリ19−1にダウンロードされた新たなファームウェアのヘッダ等に含まれるバージョンの抽出を行う。またバージョン抽出処理部20−1はフラッシュメモリA14−1に格納されているファームウェアのバージョン、つまりフラッシュメモリB13−1に格納されているファームウェアのバージョンであり、更に言えば現在機能ユニット1において使用されているファームウェアのバージョンの抽出も行う。
【0029】
またバージョン抽出処理部20−1は抽出したバッファメモリ19−1に格納されているファームウェアのバージョンを比較処理部16−1内のバージョン抽出処理部23−1に通知する機能と、制御部12−1の指示があった場合に、フラッシュメモリA14−1に格納されているファームウェアのバージョンを管理バスZを介して他の機能ユニット2〜nのバージョン抽出処理部23−2〜nに送信する機能とを有する。
【0030】
バージョン比較部21−1では前記抽出されたバッファメモリ19−1内のファームウェアバージョンとフラッシュメモリA14−1内のファームウェアバージョンとを比較し、一致するか否かの比較結果をファームウェア書換指示部22−1に通知する。バージョンが一致しなかった場合、ファームウェア書換指示部22−1はバッファメモリ19−1に指示を出し、バッファメモリ19−1に格納されているファームウェアの内容をフラッシュメモリA14−1に上書きさせる。その後フラッシュメモリA14−1に同様に指示を出し、フラッシュメモリA14−1に格納されているファームウェアの内容をフラッシュメモリB13−1に上書きさせる。これにより、バッファメモリ19−1にダウンロードされた新しいファームウェアが機能ユニット1のファームウェアとなる。
【0031】
次に比較処理部16−1の動作の説明を行う。バージョン抽出処理部23−1はバージョン抽出部20−1からバッファメモリ19−1に格納されているファームウェアのバージョンを受け取ると、管理バスZを介して他の機能ユニット2〜nの現用ファームウェアのバージョンの抽出を行う。
【0032】
バージョン比較処理部24−1ではバージョン抽出部23−1で抽出されたバッファメモリ19−1に格納されているファームウェアのバージョンと他の機能ユニット2〜nの現用ファームウェアのバージョンとが一致するか否かの比較を行い、比較結果を判定結果通知部25−1に通知する。
【0033】
判定結果通知部25−1は、全ての機能ユニットのバージョンを管理する待機系共通制御ユニットAの主処理部33、及び制御部12−1に対して判定結果の通知を行う。
【0034】
通知を受けた制御部12−1はファームウェア書換/送出指示部22−1に指示を出し、バッファメモリ19−1にダウンロードされている新たなファームウェアを、バージョンに相違があった機能ユニット2〜nのバッファメモリ19−2〜nにダウンロード専用バスYを介して一時格納させる。また制御部12−1は、管理バスZを介して共通制御ユニットの主処理部33、及びバージョンに相違のあった機能ユニット2〜nの制御部12−2〜nに対してファームウェアの格納を行った旨の通知を行う。
【0035】
該通知を受けた各々の機能ユニット2〜nにおいては、ファームウェア書換/送出指示部22−2〜nが制御部12−2〜nからの命令を受けて、バッファメモリ19−2〜nに対し、バッファメモリ19−2〜nに格納されているファームウェアをフラッシュメモリA14−2〜nに書き込む指示を出す。その後、フラッシュメモリA14−2〜nに対してフラッシュメモリA14−2〜nに新たに書き込まれたファームウェアをフラッシュメモリB2〜nに書き込む指示を出す。
【0036】
上記において機能ユニット1のバッファメモリ19−1に新たなファームウェアがダウンロードされた例を説明したが、別の機能ユニット2〜nにファームウェアがダウンロードされた場合は、制御部12−1の指示を受けてバージョン抽出部20−1がフラッシュメモリA14−1に格納されているファームウェアのバージョンを抽出する。バージョン抽出部20−1は管理バスZを介してファームウェアダウンロードが行われた機能ユニット2〜nのバージョン抽出処理部23−2〜nにバージョン情報を送出する。
【0037】
また第二の実施形態として、メンテナンスツール30から転送された新たなファームウェアを一括で全ての機能ユニット1〜nのバッファメモリ19−1〜nに格納してもよい。この場合、各々の機能ユニットにおいて、上記機能ユニット1を例に説明したように現用のファームウェアとのバージョン比較を行い、相違があった場合フラッシュメモリA14−1〜n及びフラッシュメモリB13−1〜nに新たなファームウェアか書き込まれることとなる。この方法によれば、ダウンロード時間を更に短縮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のファームウェアダウンロード装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】バージョン管理部と比較処理部のブロック図である。
【図3】第1の従来のファームウェアダウンロード方式の実施形態を示すブロック図である。
【図4】第1の従来のファームウェアダウンロード方式の動作を示す図である。
【図5】第2の従来のファームウェアダウンロード方式の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
11:ROM部
12:主処理部
13:フラッシュメモリB
14:フラッシュメモリA
15:バージョン管理部
16:比較処理部
17:DSP部
18:通信用メモリ
19:バッファメモリ
20:バージョン抽出部
21:バージョン比較部
22:ファームウェア書換/送出指示部
23:バージョン抽出処理部
24:バージョン比較処理部
25:判定結果通知部
30:メンテナンスツール
31:シリアルポート
32:ダウンロード用メモリ
33:主処理部
34:バス選択部
X:共通バス
Y:ダウンロード専用バス
Z:管理バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通制御ユニットに複数接続され、前記共通制御ユニットの制御により予め定めた機能を実現する機能ユニットにファームウェアのダウンロードを行うファームウェアダウンロード装置において、
前記機能ユニットは、該機能ユニット内に格納されている自己の現用ファームウェアのバージョンと前記共通制御ユニットからダウンロードされた新たなファームウェアとを比較して相違があれば該ダウンロードされた新たなファームウェアを現用ファームウェアとして格納すると共に、
他の機能ユニット内に格納されている各々の機能ユニットの現用ファームウェアのバージョンと前記ダウンロードされた新たなファームウェアとのバージョンを比較して相違があった機能ユニットに対して前記新たなファームウェアを送信する手段を有することを特徴とするファームウェアダウンロード装置。
【請求項2】
前記機能ユニットは、他の機能ユニットから前記新たなファームウェアを受信した際に該新たなファームウェアを現用ファームウェアとして格納することを特徴とする請求項1記載のファームウェアダウンロード装置。
【請求項3】
前記共通制御ユニットは運用系制御ユニットと待機系制御ユニットとから構成されることを特徴とする請求項1及び2記載のファームウェアダウンロード装置。
【請求項4】
共通制御ユニットに複数接続され、前記共通制御ユニットの制御により予め定めた機能を実現する機能ユニットにファームウェアのダウンロードを行うファームウェアダウンロード装置において、
前記共通制御ユニットは、外部装置からの指示に基づいて特定の機能ユニットを指定し、該指定された機能ユニットに対して新たなファームウェアのダウンロードを行う機能を有し、
前記機能ユニットは、自機能ユニットの動作を制御する制御部と、
前記制御部からダウンロードされた新たなファームウェアを一時格納するバッファメモリと、
ファームウェアを格納する第一及び第二のフラッシュメモリと、
前記ダウンロードされた新たなファームウェアのバージョンと前記第一のフラッシュメモリに格納されているファームウェアのバージョンとが一致か不一致かを判断し、前記判断結果が不一致であった場合に前記ダウンロードされた新たなファームウェアを前記第一のフラッシュメモリに書き込むと共に前記第二のフラッシュメモリにも書き込むバージョン管理部と、
前記判断結果が不一致であった場合に前記指定外の機能ユニット内の第一のフラッシュメモリに格納されているファームウェアのバージョンと前記ダウンロードされた新たなファームウェアとが一致か不一致かを判断し、その判断結果を自機能ユニット内の前記制御部に通知する比較処理部とを有し、
前記制御ユニットは前記通知において不一致であった機能ユニット内の第一のフラッシュメモリに対して前記ダウンロードされた新たなファームウェアを上書きすると共に前記不一致であった機能ユニット内の制御部に対して前記上書きを行った旨を伝達する機能を有することを特徴とするファームウェアダウンロード装置。
【請求項5】
前記第二のファームウェアに格納されているファームウェアを機能ユニットの現用ファームウェアとして使用することを特徴とする請求項4記載のファームウェアダウンロード装置。
【請求項6】
前記共通制御ユニットは運用系制御ユニットと待機系制御ユニットとから構成され、前記外部装置の指示は前記待機系共通制御ユニットに対して与えられることを特徴とする請求項4及び5記載のファームウェアダウンロード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−193501(P2007−193501A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9885(P2006−9885)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】