説明

プラスミノゲンアクティベータインヒビター1(PAI−1)のインヒビターとしての、アリール、アリールオキシ、および、アルキルオキシ置換1H−インドール−3−イルグリオキシル酸誘導体

R1、R2及びR3が明細書中で定義される式(I)で表す化合物の医薬品組成物、及び、該化合物をプラスミノゲンアクティベータインヒビター(PAI-1)の阻害剤として用いる方法、及び、深在静脈血栓症、虚血性心疾患、および肺線維症等のフィブリン溶解障害に由来する症状に対する医薬品組成物に用いる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【従来技術】
【0001】
本発明は、深部静脈血栓症、冠状動脈心臓障害、及び、肺繊維症等の、フィブリン溶解障害由来の症状を治療するための医薬組成物としての、プラスミノゲンアクティベータインヒビター-1(PAI-1)のインヒビターとして作用する、アリール、アリールオキシ、及び、アルキルオキシ置換インドール-3-イル-グリオキシル酸誘導体に関係する。
【0002】
プラスミノゲンアクティベータインヒビター-1(PAI-1)は、プラスミノゲンプラスミンシステムにおいて、主要な調節因子である。PAI-1は、組織型プラスミノゲンアクティベータ(tpA)及びウロキナーゼ型プラスミノゲンアクティベータ(uPA)の主要な生理的抑制因子である。PAI-1の高プラズマレベルは、動物実験(Krishnamurti、 Blood、 69、798 (1987); Reilly、Arteriosclerosis and Thrombosis、11、1276 (1991);Carmeliet、Journal of Clinical Investigation、92、2756 (1993) )、及び、臨床試験(Rocha、Fibrinolysis、8、294、1994;Aznar、 Haemostasis 24、243 (1994) )により、血栓症と関係があると示唆されている。PAI-1活性の抗体中和法は、血栓溶解及びその波及効果を促進させる (Biemond、Circulation、91、1175 (1995); Levi、Circulation 85、305、(1992) )。高PAI-1レベルは、女性の多嚢胞性卵巣症候群(Nordt、Journal of clinical Endocrinology and Metabolism、85、4、1563 (2000) )、及び、エストロゲンの減少による、骨粗鬆症(Daci、Journal of Bone and Mineral Research、15、8、1510 (2000) )にも関係することが知られている。従って、PAI-1を阻害する医薬品は、深在静脈血栓症、虚血性心疾患、肺線維症、アルツハイマー病、多嚢胞卵巣症候群等のフィブリン溶解障害由来の症状の治療に有効である。
【0003】
炎症の予防に有益なホスホリパーゼ酵素のインヒビターとして、WO99/43654及びWO99/43651は、式(i)のインドール誘導体を開示する。
【化1】

【0004】
WO96/32379は、式(ii)のPDEインヒビターを開示する。
【化2】

【0005】
上の式において、R1は、水素、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、保護カルボキシ、アシル、シアノ、ヒドロキシイミノ、オキソによって任意で置換された低アルケニル、又は、保護カルボキシ、カルボキシ、又は、水素によって任意で置換された低アルキルであり、
R2は、水素、ハロゲン、カルボキシ、低アルケニル、アシル、保護カルボキシ、カルボキシ、低アルコキシ、又は、水素により、任意に置換された低アルキルであり、
R3は、低アルケニル又は低アルキニルであって、両者は、オキソ、アリール及びヘテロサイクリック基から成る群より選択される1以上の置換基により置換されていてもよい、
R4は、カルボキシ、保護カルボキシ、又はアシル、シアノ、ハロゲン、ヘテロサイクリック基、アミノ、又は、低アルキル、である。
【0006】
EP 0 655 439は血小板凝集阻害体として式(iii)と対応する5,6-縮合環二環式基化合物と関連する。
【化3】

【0007】
この特許は、結合基により、五員環に結合する酸性基「A」、及び、六員環に結合する塩基性基「B」を有する、5,6-縮合二環式環状化合物について述べている。
【0008】
WO9748697は、腫瘍壊死因子のインヒビターの投与によって症状を改善させる、式(iV)に表す、インドール、2,3-ジハイドロ-1H-インドール、及び、ベンジミダゾールを含む、置換アザビシクロ化合物に関するものである
【化4】

【0009】
この式において、
Aはアザ五員複素環であり、
Bはアザ六員複素環、または、任意で置換されたベンゼン環であり、
Zは、化学結合、O、S、NHであり、
A1は、化学結合、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、又はC2-C6アルキニルであり、
R1は、水素、又は、OH又は1以上のハロで任意に置換されたC1-C4アルキルであり、そして、
R3は、カルボキシアミド、アシル、置換アルケニル、置換アルキル、アシルアミノ、オキシイミノ、アルキニル、ケトメチル、アミノアルキル、スルホニルメチル、スルフィニルメチル、CF2OR、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルスルフィニル、スルフィニル、アシルオキシ、スルホニル、OCF2R、アゾ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、またはアミノオキサリル、である。
【0010】
DE4338770は、ホスホリパーゼA2インヒビターとして有用な、式(v)のインドールカルボン酸又はテトラゾール誘導体に関するものである。
【化5】

【0011】
上の式において、
Qは、CO、CH2又はCHNHCORであり、
R1は、XH、Ar又はXarであり、
X、Y、Zは、1-19Cアルキル、2-19C アルケニル、2-19Cアルキニルであって、O原子で置換されていてもよい、
R2は、COOH、YCOOH、テトラゾール及びY-テトラゾールであり、そして、
R3は、H、HZ、Ar、ZAr、ZOR、ZSR、ZNHR、である。
【発明の実施の形態】
【0012】
発明の概要
本発明は、以下に示す式(I)の化合物に関係する、
【化6】

【0013】
ここで、
R1は、a)以下で現す部分:
【化7】

【0014】
又は
b) アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、ベンジル及びナフチル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2、-CH3、-CH2、-CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2、から、独立して選択される1から3の基により、任意に置換されていることを特徴とし、好ましくは、ベンジル、CH2-1-ナフチル、CH2-2-ナフチル、CH2CH2-フェニル、又はCH2CH2-ナフチルから選択される部分を有する、C1-C8アルキル、ベンゾ[1,3]ジオキシ-5-イルメチル、C4-C15シクロアルキルアルキル、C10-C17ヘテロアリールアルキル、C7-C14アリールアルキルであり、

R4は、水素、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2、であり、

Xは、O、S又はNHであり、

R5は、シクロアルキル、ヘテロアルキル、フェニル、及びアリール基の環が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2から独立して選択される、1から5の基に任意で置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、-CH2-ヘテロアリール、フェニル、又は、C7-C18アリールアルキルであり、

R2は、アルキル及びシクロアルキル基が、ハロゲン、 -CN、 C1-C6 アルコキシ、-COOH、-CH2CO2H、-C (O) CH3、-CO2R7、-C (O) NH2、-S (O) 2CH3、 -OH、 -NH2、又は -NO2により、任意で置換されることを特徴とする、水素、C1-C6アルキル、-CH2-C3-C6 シクロアルキル、又は、C1-C3 ペルフルオロアルキル、であり、

R3は、 (a) アルキル、 アルケニル、 アルキニル、 シクロアルキル、 ヘテロアリール、 及び、フェニル基が、ハロゲン、 C1-C3 アルキル、 C1-C3 ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3 アルコキシ、 C1-C3 ペルフルオロアルコキシ、 C1-C3 アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C (O) NH2、 -S(O)2CH3、 -OH、 -NH2、 又は、-NO2、から独立して選択される1から3の基により、任意で置換されていることを特徴とする、水素、 ハロゲン、 C1-C8 アルキル、 C2-C8 アルケニル、 C2-C8 アルキニル、 C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6 シクロアルキル、 ヘテロアリール、 又は、フェニル、であるか、あるいは、 (b) X-R6であり、

R6は、アルキル, アルケニル, アルキニル, シクロアルキル, ヘテロアリール, フェニル, 及び、ナフチル基が、ハロゲン、C1-C3 アルキル、C1-C3 ペルフルオロアルキル、好ましくは、-CF3、-O-C1-C3 ペルフルオロアルキル、 好ましくは、-OCF3、-S-C1-C3 ペルフルオロアルキル、好ましくは、 -SCF3、C1-C3 アルコキシ、-OCHF2、 -CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は -NO2 から選択される1から3の基により任意で置換されていることを特徴とする、C1-C8 アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、-CH2-C3-C6 シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、C7-C8 アリールアルキル、CH2CH2-フェニル、又は、CH2CH2-ナフチルであり、そして、

R7 はC1-C6アルキル、C3-C6 シクロアルキル、-CH2-C3-C6 シクロアルキル, 又はC7-C18 アリールアルキルである、化合物、
あるいは、上記化合物の医薬品上許容される、塩またはエステル形態の化合物である。
【0015】
本発明の好ましい化合物は、下記の要件を満たす式(II)及び(III)である、
【化8】

【0016】
この式において、
R1は、アルキル、 シクロアルキル、 ヘテロアリール、 及び アリール 基 がハロゲン、C1-C3 アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3 ペルフルオロアルキル、 -S-C1-C3 ペルフルオロアルキル、 C1-C3 アルコキシ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S (O)2CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2から独立して選択される1から3の基により、任意で置換されていることを特徴とし、好ましくは、ベンジル、CH2-1-ナフチル、CH2-2-ナフチル、CH2CH2-フェニル、 又は、CH2CH2-ナフチル、から選択される部分を有する、C1-C8 アルキル、 ベンゾ [1,3] ジオキソル-5-イルメチル、C4-C15 シクロアルキルアルキル、C10-C17ヘテロアリールアルキル、C7-C14アリールアルキルであり、

R4は、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3 ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、-S-C1-C3 ペルフルオロアルキル、C1-C3 アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O) CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2であり、

R5は、シクロアルキル、ヘテロアリール、及び、アリール基の環が、ハロゲン、C1-C3 アルキル、 C1-C3ペルフルオロアルキル、 -O-C1-C3ペルフルオロアルキル、 -S-C1-C3ペルフルオロアルキル、 C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C (O) CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2から独立して選択される1から5の基によって、任意で置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-CH2-C3-C6 シクロアルキル、-CH2-ヘテロアリール、又は、C7-C18アリールアルキルであり、

R2 は、アルキル基が、ハロゲン、-CN、C1-C6アルコキシ、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、 又は、-NO2により、任意で置換されていることを特徴とする、水素、C1-C6アルキル、又は、C1-C3ペルフルオロアルキルであり、

R3は、アルキル、アルキニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、及びフェニル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-CF3、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-OCF3、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-SCF3、C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、-N2又は-NO2から独立して選択される1から3の基により任意で置換されることを特徴とする、水素、ハロゲン、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、又は、フェニルであり、

R6は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、フェニル、及びナフチル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-CF3、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-OCF3、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-SCF3、C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2から独立して選択される1から3の基により、任意で置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、C1-C8アリールアルキル、CH2CH2-フェニル、又は、CH2CH2-ナフチルであり、そして、

R7は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2C3-C6シクロアルキル、又は、C1-C18アリールアルキルである、化合物
あるいは、上記化合物の医薬品上許容される塩またはエステル形態の化合物を含む。
【0017】
本発明の具体的な化合物の例は、
(1-{4-[(4-シアノベンジル)オキシ]フェニル}-1H-インドール-3-イル)(オキソ)酢酸、
{1-{4-(3-メトキシベンジルオキシ)-フェニル} 1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-(4-(3-クロロベンジルオキシ)-フェニル)1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-{4-(4-シアノベンジルオキシ)-フェニル}-5-フルオロ-1 H-インドール-3-イル}-オキソ酢酸、
{1-{4-(3,5-ジメトキシベンジルオキシ)-フェニル}-5-フルオロ-1H-インドール-3-イル}-オキソ酢酸、
{1-[4-(3-クロロベンジルオキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3イル}-オキソ酢酸、 {1-[4-(4-tert ブチルベンジルオキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3-イル}-オキソ酢酸、
{1-[4-(2,4-ジクロロベンジルオキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3イル}-オキソ酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(4-シアノベンジルオキシ)-フェニル]-1H-インドール-3イル}-オキソ酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(3,5-ジメトキシベンジルオキシ)-フェニル]-1H-インドール-3イル}-オキソ酢酸、
{1-[4-(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-トリフルオロメチルベンジルオキシ)-フェニル]1H-インドール-3イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(4-[1,2,3] チアジアゾール-4-イルベンジルオキシ)-フェニルl-1H インドール-3イル]-オキソ酢酸、
{1-[4-(2,6,-ジクロロピリジン-4-イル メトキシ)-フェニル]1H-インドール-3イル}-オキソ酢酸、
5-[4-(5-フルオロ-3-カルボキシ(オキソ)メチル-1H-インドール-1-イル)フェノキシメチル]-フラン-2-カルボキシ酢酸エチルエステル、
{1-[4-(2,6,-ジクロロピリジン-4-イルメトキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3イル}-オキソ酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-トリフルオロメチル-ベンジルオキシ)-フェニル]-1H-インドール-3-イル}オキソ酢酸、
5-[3-(5-クロロ-3-カルボキシ(オキソ)メチル-1H-インドール-1-イル)フェノキシメチル] フラン-2カルボキシ酢酸エチルエステル、
{5-クロロ-1-[3-(4-[1,2,3] チアジアゾール-4-イルベンジルオキシ)-フェニル]-1Hインドール-3イル}-オキソ酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(2, 6-ジクロロピリジン-4-イルメトキシ)-フェニル]1H-インドール-3イル}-オキソ酢酸、
[1,5-ビス-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-1H-インドール-3-イル]-オキソ-酢酸、
{1-(4-フルオロベンジル)-5-{2-(4-フルオロフェニル)エトキシ}-1H-インドール-3-イル}(オキソ)酢酸、
(1-ベンジル-5-ベンジルオキシ-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
{1-ベンジル-5-(2-クロロ-4-リフルオロメチルフェノキシ)-1H-インドール-3イル} (オキソ) 酢酸、
(5-アリルオキシ-1-シクロブチルメチル-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
(5-アリルオキシ-1-フェネチル-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
(5-アリルオキシ-1-ベンゾ[1,3] ジオキソル-5-イルメチル-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
{5-アリルオキシ-1-[2-(4-メトキシフェニル)-エチル]-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
[5-アリルオキシ-1-(2-ナフタレン-1-イル-エチル)-1H-インドール-3-イル]-オキソ-酢酸、
{5-アリルオキシ-1-[2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-エチル]-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{5-アリルオキシ-1-[2-(4-ブロモフェニル)-エチル]-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
あるいは、上記化合物の医薬品上許容される、塩またはエステル形態の化合物を含む。
【0018】
本明細書中の化合物の好ましい、塩形態は、ナトリウム塩及びカリウム塩を含むがこれらに限定されない。これらの化合物の他の有用な塩形態は、本発明の技術分野で知られており、医薬品上許容されうる無機塩基あるいは有機塩基と共に形成されるものが含まれる。無機塩基を用いて、調製される塩形態は治療上許容されるナトリウムカリウム、マグネシウム、カルシウム等の、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸エステルまたは重炭酸塩を含む。許容される有機塩基は、ベンジルアミン、モノ-、ジ-、及びトリアルキルアミン等のアミンであって、好ましくは、これらの1から6の炭素原子のアルキル基を有するもの、より好ましくは、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ-、ジ-、トリエタノ−ルアミン等の1から3の炭素原子を有するものである。また、ヘキサメチレンジアミン等の6までの炭素原子を含む、アルキルジアミン、ピロリジン、ピペリジン、モノフォリン、ピペラジンを含む、6までの炭素原子を有する飽和環状基又は不飽和環状基も有用である。テトラアルキル型、 テトラメチル型、 アルキル-アルカノール型 、メチルトリエタノール 又はトリメチル-モノアタノール型等の四級塩、及び、 N-メチルピリジニウム、N-メチル-N- (2-ハイドロキシエチル)-モノフォリウム、 N,N-ジ-メチルモノフォリニウム、N-メチル-N- (2-アヒドロキシエチル)-モノフォリニウム、 又は N, N-ジメチルピペリジニウム塩形態等の、環状アンモニウム塩形態もまた有用である。これらの塩形態は式(1)の酸化合物を用いて調製する。調製手順は本技術分野で既知である。
【0019】
本発明の化合物のエステル形態は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2-メチルプロピル、及び1,1-ジメチルエステルを含む1から6の炭素原子を有する直鎖アルキルエステル、又は、3から6の炭素原子を含む分岐アルキル基を含む。本発明に有用な他のエステルは、R9が式(1)あるいは(2)から選択される式-COOR9で表される化合物である、
【化9】

【0020】
ここで、R10、R11、R12及びR13は、水素、1から10まので炭素原子を有するアルキル、6から12までの炭素原子を有するアリール、6から12までの炭素原子を有するアリールアルキル、ヘテロアリール環が炭素原子1から6までのアルキル鎖に結合しているヘテロアリール、又は、アルキルへテロアリールである。
【0021】
本明細書中の化合物の好ましいエステル形態は、C1-C6アルキルエステル、C3-C6分岐アルキルエステル、ベンジルエステル等を含むがこれらに限定されない。
【0022】
本発明の目的に関する「アルキル」という語は、直鎖及び分岐アルキルの一部を含み、好ましくは、1から8の炭素原子を含むものを言う。「アルケニル」の語は、1の二重結合を含む脂肪族炭化水素及び2から7の炭素原子の直鎖及び分岐アルケニルを言う。このようなアルケニルの一部はE又はZ立体配位の中に存在しており、本発明の化合物は両方の立体配位を含む。「アルキニル」という語は、少なくとも1の三重結合を有し、2から7の炭素原子を含む、直鎖及び分岐の両方の部分をいう。「シクロアルキル」という語は、3から12の炭素原子を有する脂環式炭化水素グループをいい、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロフェニル、ノルボルニル、アダマンチルを含むがこれらに限定されない。本発明の目的に関して用いる「アリール」という語は、芳香族炭化水素の一部を言い、該部分は置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。アリールは、フェニル、α-ナフチリル、β-ナフチリル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、フェナフチル、フルオレニル、インデニル、ビフェニルエニル、アセナフタレニル、アセナフチレニル、フェナトレニル基から選択されるが、これらに限定されない。
【0023】
本発明の目的において、「ヘテロアリール」という語は、芳香族複素環(単環式、又は二環式)であって、ヘテロアリール部分が、S、N及びOから成る群より選択される1から4のヘテロアトムを含む五員環又は六員環であって、(1)フラン、チオフェン、インドール、アザインドール、オキサゾール、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、N-メチル-イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピロール、N-メチルピロール、ピラゾール、N-メチルピラゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,4-トリアゾール、1-メチル-1,2,4-トリアゾール、1H-テトラゾール、1-メチルテトラゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンジスオキサゾール、ベンジミダゾール、N-メチルベンジミダゾール、アザベンジミダゾール、インダゾール、キゾナリン、キノリン、ピロリジール;(2)(i)1の窒素原子を有する六員環芳香族(不飽和)複素環に融合するフェニル、ピリジン、ピリミジン、又はピリダジン環;(ii) 2の窒素原子を有する五又は六員環芳香族(不飽和)複素環に融合するフェニル、ピリジン、ピリミジン、又はピリダジン環;(iii) 1の酸素または1の硫黄原子のどちらかと共に1の窒素原子を有する五員環芳香族(不飽和)複素環に溶融するフェニル、ピリジン、ピリミジン、又はピリダジン環;あるいは、(iv)O、N又はSから選択される1のヘテロアトムを有する五員環芳香族(不飽和)複素環に融合するフェニル、ピリジン、ピリミジン、又はピリダジン環、を含む(これらに限定されない)、芳香族複素環(単環式、又は二環式)である。
【0024】
本発明の目的に関して用いる「アルコキシ」の語は、C1-C6アルキル-O-を言う。アルキルは上で定義する。
【0025】
本発明の目的において用いる「アリールアルキル」の語は、アリールC1-C6-アルキルとして定義され、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、3-フェニルピロピル、2-フェニルプロピル等を含むアリールアルキル部分を言う。本発明の目的に関して用いる「シクロアルキルアルキル」の語は、シクロアルキル基(上で定義する)で置換された、アルキル基(上で定義する)を意味する。
【0026】
本発明の化合物は、セリンプロテアーゼインヒビターPAI-1のインヒビターである。それゆえ、哺乳類、特にヒトにおいて、PAI-1の生産及び/又は活性が関与するプロセスの、治療、阻害、予防、又は防御に有用である。従って本発明の化合物は、非インシュリン依存真性糖尿病、これに由来する心臓血管障害及び、冠動脈疾患及び脳血管障害に関係する血栓症の治療あるいは予防に有用である。これらの化合物は、また、アテローム性動脈硬化プラークの形成、静脈及び動脈血栓、心筋虚血、心房細動、深部静脈血栓症、凝固症候群、肺線維症、脳血栓症、外科的治療(人工関節等の)に伴う血栓塞栓性合併症、および、抹消動脈閉塞を含む、プロトロンビンの状態に関係している病状の進行を抑制することに有益である。これらの化合物はまた、心房性細動に関係する、あるいは、心房性細動を招く、発作の治療にも有用である。
【0027】
本発明の化合物は、また、腎臓繊維症、慢性閉塞性肺疾患、多嚢胞卵巣症候群、再狭窄、腎血管疾患、および臓器移植拒絶を含む、細胞外基質の蓄積に伴う疾患の治療に用いてもよい。
【0028】
本発明の化合物はまた、悪性腫瘍、糖尿病性網膜症等の新血管形成に伴う症状の治療にも有用である。
【0029】
発明における化合物は、血管手術、血管移植、ステント開通手術、器官、組織および細胞の埋め込み、およびこれらの移植に伴う血管開通性(パテンシー)を維持する処置と共に、あるいはその処置後に使用してもよい。
【0030】
本発明の化合物は、炎症性疾患、敗血症ショック、および、感染に伴う血管障害の治療に用いてもよい。
【0031】
発明の化合物は、透析、流動相における血液の保存、特にエキソビボでの血小板凝集に用いられる血液及び血液製剤に関する処置に有益である。本化合物は、また、患者のフィブリン溶解能力を決定するための病院の現場における血液化学的分析において、ヒト血漿に添加してもよい。
【0032】
本発明の中の化合物はまた、プロトロンビン溶解、フィブリン溶解剤及び抗凝集剤と組み合わせて用いてもよい。
【0033】
本発明の化合物は、乳癌及び卵巣癌を含む、各種癌の処置、および転移癌の同定のための映像試薬として用いられる。
【0034】
本発明の化合物は、アルツハイマー疾患の治療に用いることもできる。この方法は、哺乳動物特に、アルツハイマー病歴を有する又はアルツハイマー病に罹患したヒトのPAI-1によるプラスミノゲン活性因子を阻害することが特徴である。この方法はまた、哺乳動物、特に、アルツハイマー病歴を有する又はアルツハイマー病に罹患したヒトにおいて、プラスミン濃度のレベルを増やすかあるいは通常のレベルに維持する方法でもある。
【0035】
本発明の化合物は、間質細胞の過形成及び細胞外基質タンペルク質の増加を調節することによる、脊髄変質形成を伴う骨髄繊維症の治療に有用である。
【0036】
発明の化合物は、また、プロテアーゼインヒビターを含む、高活性抗レトロウイルスセラピー(HAART)と組み合わせて、前記治療を受けているHIV-1感染患者のフィブリン溶解欠損及び過剰な血液凝固能力から生じる疾患の治療に用いてもよい。
【0037】
発明の化合物は糖尿病性腎障害の治療とこれに伴う腎臓の透析に用いてもよい。
【0038】
本発明の化合物は、癌、敗血症、肥満症、インスリン抵抗性、乾癬等の増殖疾患の治療に、血液凝固の恒常性、脳血管障害、微小血管障害、高血圧、痴呆、骨粗鬆症、関節炎、喘息、心不全、不整脈、狭心症を改善するために、ホルモン代替薬剤として、アテローム動脈硬化症、骨粗鬆症、骨減少症の進行の処置、予防、又は回復のために、炎症マーカーのを低下させるために、C-反応タンペルク質を減少させるために、又は、低グレードの血管炎症、脳卒中、痴呆、冠状動脈性心臓症を予防または治療するために、心筋梗塞症の一次及び二次予防、安定及び不安定狭心症、心臓発作イベントの一次予防、心血管系イベントの二次予防、抹消血管の障害、抹消動脈疾患、急性血管症候群の予防あるいは治療のために、心筋再血管開通処置のリスクの低減のために、腎症、神経症、網膜症、ネフローゼ症候群等の微小血管障害、高血圧、タイプ1及びタイプ2の糖尿病、高血糖症、高インスリン血症、悪性癌病変、前癌症状、胃腸癌、脂肪肉腫、乾癬等の増殖性疾患、凝固物ホメオスタシスの改善のために、及び/又は、上皮機能、及び脳血管障害の全形態の改善のために用いることができる。
【0039】
発明の化合物は瘢痕化の防止のために創傷治癒における局所適用に有用である。
【0040】
各種哺乳動物において、本明細書中に記載する疾患又は疾病を治療、阻害、予防、又は防御する方法は本発明の一部である。これらの方法は、本発明の化合物を必要とする哺乳動物へ、本発明の化合物の医薬上または治療上有効である量、あるいは、その医薬上許容される塩又はエステル形態を投与することを含む。
【0041】
ここで述べる各方法は、本発明の化合物を、治療上有効な量で、あるいは、医薬品上許容される塩又はエステル形態を投与することを含む。該化合物の医薬品的に有効な量は、少なくとも、病状、あるいは、疑わしい病気の改善に必要な量、あるいは、病気の症状の開始を抑制又は低減するのに必要な量である。
【0042】
従って、本発明は、さらに、式(I)の化合物の有効投与量を哺乳動物に投与することを含む、プラスミノゲンアクティベータ(PAI-1)の阻害方法にも関連する、
【化10】

【0043】
上の式において、
R1は、a)以下に示す部分
【化11】

【0044】
又は、
b) アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、ベンジル、及びナフチル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2から選択される1から3の基によって任意で置換されていることを特徴とし、CH2-1-ナフチル、CH2-2-ナフチル、CH2-CH2-フェニル、又はCH2-CH2-ナフチルから選択される部分を有する、C1-C8アルキル、C1-C3シクロアルキルアルキル、C1-C3へテロアリールアルキル、C1-C3アリールアルキル、であり、

R4は、水素、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は、-NO2であり、

XはO、S又はNHであり、

R5は、シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、及びアリール基の環が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-COHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2から選択される1から5の基によって任意に置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、-CH2-ヘテロアリール、フェニル、又は、C1-C8アリールアルキルであり、

R2は、アルキル及びシクロアルキル基が、ハロゲン、-CN、C1-C6アルコキシ、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は-NO2により、任意に置換されることを特徴とする、水素、C1-C6アルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、又は、C1-C3ペルフルオロアルキルであり、

R3は、(a) アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール及びフェニル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は-NO2から選択される1から3の基によって任意に置換されることを特徴とする、水素、ハロゲン、C1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール又は、フェニルであるか、もしくは、(b)X-R6の部分、であり、

R6は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、及びナフチル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-CF3、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-OCF3、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-SCF3、C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2から選択される1から3の基によって、任意で置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C1-C8アルケニル、C1-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、C1-C8アリールアルキル、CH2-CH2-フェニル、又はCH2-CH2ナフチルであり、そして、

R7は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、又はC1-C8アリールアルキルである、化合物あるいは、上記化合物の医薬品上許容される塩又はエステル形態の化合物を含む。
【0045】
本発明のプロセス
本発明の化合物は、以下に示す、容易に利用可能な開始物質、試薬及び簡易な合成手順を用いた、方法及び実施例に従って、容易に調製することができる。医薬品化学の技術分野において、同様の範囲内であると認識される、変更プロセス工程を利用することも可能である。以下の反応スキームにおいて、R1からR8は、前記の群から選択される。
【0046】
方法A
置換インドールは、さらなる合成のために好適なハンドルを有するアリールヨウ化物、ブロム化合物、塩化物、およびトリフラートを用いて、窒素に接触させることにより、最初にアリール基導入される。このハンドルは、メトキシ又はベンゾキシ等のエーテル置換基であるが、これらに限られない。銅(I)塩又は銅(II)塩を含む、ピリジン、コリジン、ジメチルホルムアミド(DME)、N-メチルピロリジオン、あるいはDMSO溶液中、100から210℃に高められた温度条件下において、インドールは、アリールハリド、特に、アリールインドールを用いた反応により窒素に接触させ、アリール基導入される。インドールN-アリール化は、80℃から100℃の温度において、トルエン等の挿入溶媒中を用いて、Pb2(dba)3との組み合わせ、好ましくは、ベースとして、NaOt-Bu、又はK3PO4、及び、ブチル、電子が豊富なフォスフィン配位子の存在下において、アリールヨウ化物、ブロム化合物、塩化物、およびトリフラートを用いて行うことができる。エーテル保護基は、任意の簡便な手段(例えば、メチルエーテルの場合には、-78から25℃の温度におけるジクロロメタン(DCM)等の導入溶媒中のBBr3を用いて、あるいは、ベンンジルエーテルの場合には、メタノールなどの極性溶媒の中で過剰のパラジウムと炭素(Pd-C)を接触させることによる水素化)により、その後、取り除かれる。水酸基は、-40℃から100℃の温度において、THF、ジオキサン、ピリジン、DMF、又はDMSO等の導入溶媒中のKOH又はNaH等のベースの存在化、アルキル、又はベンジルヨウ化物、臭化物、塩化物を用いて、次々にアルキル化される。得られた生成物を、次に、-40℃から64℃において、DCM、THF、又はジオキサン等の挿入溶媒中で、1-100の塩化オキサリルの等価物を用いて反応させる。得られた、グリオキシル塩化物中間体を、水又は、Na2CO3、NaHCO3、NaOH等のベース水溶液を用いて加水分解する。得られた溶液は、酸性化され、生成物を単離するために、ジクロロメタン、又はエチルアセテート等の加水分解溶液を用いて抽出する。
【化12】

【0047】
方法B
3-又は4-ヒドロキシインドールを、-40℃から100℃の温度において、THF、ジオキサン、ピリジン、DMF、NMP又はDMSO等の導入溶媒中、KOH、NaH等のベースの存在下、ベンジル、ジフェニルメチル又はナフチルメチルヨウ化物、臭化物、又は塩化物又はトリフラートを用いて、アルキル化する。得られたエーテルは、水素化により、好ましくは、25℃から100℃において、Pd-C、あるいは、H2、NH4CHO、NH4OAc、HCO2H等の水素源、シクロヘキサジエン又はイソプロピルアルコールを用いた、あるいは、メタノール、エタノール又はプロペルノール等の溶媒中における転移水素化によって、選択的に保護がはずされる。得られたハイドロキシインドールは、-25℃から-110℃の温度において、ピリジン、コリジン、DMF、NMP、又はDMSO等の挿入溶媒中の、Cs2CO3又はK2CO3等のベースの存在下、アリールフッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物を用いて、O-アリール化することができる。該エーテル中間体は、前記方法Aで述べた方法を用いて、グリオキシル酸生成物に転化することができる。
【化13】

【0048】
方法C
5-ヒドロキシインドールは、0-25℃において、挿入溶媒、好ましくは、THF中の、トリフェニルフォスフィン、及びアゾジカルボキシレート、特に、ジエチル、ジイソプロピル又はジ-t-ブチルアゾジカルボキシレートの存在下、脂肪族アルコールを用いて、O-アルキレート化することができる。別法として、N-ベンジル-5-ヒドロキシインドールは、方法Bで説明した手順にしたがって調製することができ、-40℃から100℃において、THF、ジオキサン、ピリジン、DMF、NMP、又はDMSO等の挿入溶液中のK2CO3、Cs2CO3、KOH、NaH等のベースの存在下、アルキル、ベンジル、フェネチル、又は、ナフチルメチルヨウ化物、臭化物、塩化物、又はトリフラートを用いて、アルキル化する。該1H-インドール中間体は、すでに述べたように、アルキル、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルヨウ化物、臭化物、塩化物、又はトリフラートを用いて次々にアルキル化することができる。得られたN,O-アルキル化ヨウ化物は、目的物を得るために、オキサリル塩を用いて反応させる。
【化14】

【0049】
本発明はまた、本発明の化合物単独で、あるいは、1以上の医薬品適合基材又は賦形剤との組合せのいずれかから成る、医薬品組成物を提供する。該組成物は、深部静脈血栓症、冠状動脈心疾患、肺繊維症等のフィブリン溶解障害の治療に有用である。
【0050】
用いられる正確な投与量は、宿主を含むいくつかの要素(獣医学や医学においては、治療を受ける種類、病状の程度、投与方法及び用いられる活性物質)に依存している。本発明の化合物は、錠剤又はカプセルの形で、具体的には、経腸的に、好ましくは、経口的な簡便なあらゆる手段で投与することができる。投与された化合物は、特にアテローム性動脈硬化症の予防薬として、あるいは、治療的処理と、その後遺症(狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、腎不全、発作、周辺の幹線の咬合、および関連した病気状態)を治癒するために、体内で遊離形態になるか、医薬品として用いるのに適切な塩形態になる。このような機作により、病状経過の速度が遅くなり、身体の自然治癒力を助けることとなる。
【0051】
該分野で既知の任意の適切なキャリアは、医薬品組成物を調製するために使うことができる。そのようなキャリアは、固形、液体又はそれらの混合物であってもよい。固形組成物は、粉体、錠剤、カプセルを含む。固体キャリアは、また着香料、潤滑油、可溶化剤、懸濁化剤、結合剤、または錠剤崩壊剤として作用しうる1つ以上の物質である。粉末剤において、キャリアは、固形物を微細に砕いたものであり、細かく粉砕された活性成分との混合物である。錠剤において、有効成分は、好適な割合で、必要な結合性を有するキャリアと混合し、所望の形とサイズに圧縮される。適切な固形キャリアは、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、スターチ、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、低融点ろう、ココアバター等である。カプセル化剤もまた、本発明の化合物に用いられる。「組成物」の語は、製剤としてカプセル化された物質との組み合わされた活性成分を含むことを意図し、他のキャリアは含んでいてもふくまなくてもよい。オブラートはまたこの発明の反アテローム性動脈硬化症薬物の輸送手段となり得る。
【0052】
適切な液体組成物は、溶液、懸濁液、乳液、シロップ又はエリキシル剤を含む。本発明の組成物は、医薬品上許容される、キャリア、無菌水、滅菌有機溶媒、またはその混合物等に、溶解又は懸濁してよい。好ましくは、液体キャリアは、非経口注入に適したものでもある。化合物の溶解性が高い場合、それらは直接、通常、塩水に、あるいは、適当な有機溶媒に溶解することができ、あるいは、必要に応じてプロピレングリコール又はポリエチレングリコール等に直接溶解することもできる。細分された化合物は、必要に応じて、デンプン水またはナトリウムカルボキシルメチルセルロース溶液中で、または落花生油などの好適な油の中で、懸濁することもできる。攪拌溶液又は懸濁液である液体医薬品組成物は、筋肉内、腹腔内又は皮下注射により投与することができる。多くの例において、液体組成物は、固形物の経口投与の代わりに用いることができる。
【0053】
標準的な投与管理のために、本発明の組成物の投与形態単位を調整することが望ましい。この方法において、該組成物は、医師の指示により、直ちにより小さな投与単位に再分割することができる。例えば、投与単位は、包装された粉体、バイアル又はアンプル、好ましくは、カプセル又はタブレットの形状に作り上げられる。該組成物の投与単位中に存在する活性成分の1回の又は数回に及ぶ、一日あたりの投与量は、患者の必要性に応じて約1グラムから約15グラムの間又はそれ以上の量である。活性成分の一日あたりの投与量は、投与の方法、患者の体格、年齢、性別、病状及び血液検査及び患者の回復速度から決定され、治療に対する反応に大きく依存している。一日当たり約1グラムの最小投与量を用いた初期の治療により、PAI-1の血液レベル及び患者の病状の緩和の程度を解析し、より高投与量が望ましいかどうかを決定する。以下に示すデータに基づいて、人及び獣医学的使用の両方に予定される一日当たりの投与量は、約25から約200ミリグラム/キログラムである、あるいは、より一般的には、一日あたり約50から約100ミリグラム/キログラムである。
【0054】
本発明の組成物がプラスミノゲンアクティベータインヒビター-1を阻害する能力を、以下の試験法により確認した。
【0055】
PAI-1阻害のプライマリースクリーン
試験化合物を、最終濃度が10mMになるようにDMSO中で溶解し、次いで、生理的緩衝液中で100倍(100X)に希釈する。この阻害アッセイは、組換えヒトプラスミノゲンアクティベータインヒビター-1(Molecular Innovations, Royal Oak, MI)104nMを含むpH6.6の緩衝液中に試験化合物(1-100μM 最終濃度, 0.2%の最大 DMSO 濃度)を添加することにより開始する。引き続き室温で1時間インキュベートした後、70nMの組換えヒト組織プラスミノゲンアクティベータ(tPA)を添加し、次いで、試験化合物、PAI-1及びtPAの混合物を、さらに30分間インキュベートする。第二のインキュベーション後に続いて、tPAの色素生産基質である、Spectrozyme-tPA (American Diagnostica, Greenwich,CT)、を添加し、0分及び60分において、405nmの吸光度を測定する。相対PAI-1阻害は、試験化合物及びPAI-1の存在中のにおける残余tPA活性に等しい。正常割合である2:1のモル比におけるPAI-1のtPAに対する完全な阻害を対象処置とした。tPA単独では、試験化合物にいかなる効果も生じなかった。
【0056】
PAI-1阻害のIC50を決定するためのアッセイ
このアッセイは、tPAと活性PAI-1の間の非SDS分離可能相互作用に基づいている。このアッセイプレートは、あらかじめヒトtPA(10 μg/ml)でコートされている。試験化合物は、10 nMになるようにDMSO中で溶解し、次いで、1-50 μMの最終濃度になるように生理緩衝液(pH 7.5)で希釈する。試験化合物は、ヒトPAI-1(50 ng/ml)を添加して、室温で15分間インキュベートされる。このtPAコートプレートを、0.05%Tween20及び0.1%BSAで洗浄し、3%のBSA溶液を用いて反応を停止させる。試験化合物/PAI-1溶液のアリコート(試料の分割単位)を、tPAコートプレートに添加し、1時間室温でインキュベートした後、洗浄する。プレートに結合したPAI-1活性は、ヒトPAI-1に対するモノクローナル抗体33B8の1:1000希釈溶液の一部を添加し、室温で1時間インキュベートし(Molecular Innovations,Royal Oak, MI)、測定される。このプレートは、再度洗浄し、ヤギ-抗-マウスIgG-アルカリフォスファターゼコンジュゲートの溶液を、ヤギ血清中に1:5000希釈になるように、添加する。このプレートを、30分室温でインキュベートし、洗浄し、アルカリフォスファターゼ溶液を添加する。このプレートを、室温で45分間インキュベートし、OD405nmにて発色を測定する。試験化合物のさまざまな濃度におけるtPAに結合する活性PAI-1の定量により、IC50を決定する。結果は、対数最適等式を用いて解析する。このアッセイ感度は、0-100 ng/mlの幅の標準曲線で決定され、5 ng/mlヒトPAI-1である。
【0057】
本発明の化合物は、表1に示すように、プラスミノゲンアクティベータインヒビター-1を阻害した。
【表1】

【実施例】
【0058】
実施例1
(1-{4-[(4-シアノベンジル)オキシ]フェニル}-1H-インドール-3-イル)(オキソ)酢酸
【化15】

【0059】
工程1:
60 mlの無水N-メチル-ピロリドン(NMP)中に2.63 g(22.5 mmol)のインドール、5.26 g(22.5 mmol)の4-ヨードアニソール、0.43 g(3 mmol)のCuBr、及び、4.14 g(30 mmol) のK2CO3を有する懸濁液を、加熱し、16時間還流攪拌した。次いで、この溶液を冷却し、水の中に注ぎ、酢酸エチルを添加して、振騰した。この二相系全体を、セライト(Celite)のパッドを用いてフィルター処理することにより分離し、分離した有機溶媒相を、MgSO4を用いて乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物は、3.53 gの1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-インドールを得るために、シリカ(5-7%EtOAc-ヘキセン)を用いてクロマト処理した。
【0060】
工程2:
-78 ℃の温度で、80 mlの無水DCM中に2.90 g (13 mmol)の1-(4-メトキシフェニル)-1H-インドールを含む溶液に、2.27 ml(24 mmol)BBr3を添加した。この溶液を、徐々に温め、室温で一晩放置した。この溶液を、氷と水の懸濁液中に注いだ。次いで、塩水を添加し、酢酸エチルを用いて生成物を抽出した。この有機相は、MgSO4を用いて乾燥し、濃縮された。該粗生成物は、オイル状の0.37gの1-(4-ハイドロキシフェニル)-1H-インドールを得るために、SiO2を用いてクロマト処理された。
【0061】
工程3:
1.2 mlのDMF中に0.038 g(0.18 mmol)の1-(4-ハイドロキシフェニル)-1H-インドールを有する溶液に、0.05 g(0.38 mol)のK2CO3を添加した。この懸濁液を30分間混合した。次いで、59 g(0.3 mol)のα-ブロモ-p-トルエン及び0.01 g(66μmol)のNalを添加し、この懸濁液を60℃で4時間混合した。この溶液を冷却し、次いで2 mlのDMFを添加し、続いて、0.10 gのPS-Trisamine スカベンジャー試薬(Argonaut Technologies, San Carlos, CA)を、添加した。この懸濁液をさらに3時間60 ℃で混合し、冷却した。この反応物をフィルター処理し、得られた溶液は、オイル状の0.045 gの1-{4-[(シアノベンジル)オキシ]フェニル}-1H-インドールを得るために濃縮された。
【0062】
工程4:
1 mlのTHF中に工程3の生成物を有する溶液に、1 Mの(COCl2)200μlを添加した。この溶液を、5分間攪拌し、この間に、さらに200μlの1 M(COCl2)を添加した。該溶液を55℃で6時間過熱し、次いで、冷却した。次いで、この溶液を、反応管から、2 mlの水性NaHCO3を含むバイアル内に排出し、1 mlの2 N水性HClを添加し、一晩混合した。生成物を、2 mlのDCMを用いて抽出し、有機層を分離し、濃縮した。オイル状の(1-{4-[(4-シアノベンジル)オキシ] フェニル}-1H-インドール-3-イル)(オキソ) 酢酸 (19.9 mg)を得るために、残査を、RP-HPLCを用いて精製した(以下の記1を参照のこと)。LC/MSデータ(以下の記2を参照のこと)(分子データ及び保持時間):m/z(M+H);1.97分。
【0063】
記 1. 分取 RP-HPLC 条件:
ユニポイントソフトウェアを用いたギルソン分取 HPLC システム
カラム:PhenomenexCis Luna 21.6 mm x 60 mm、5μM ;
溶液A:水(0.02% TFA緩衝液);溶液 B:アセトニトリル (0.02 % TFA 緩衝液);
溶液勾配:0分:5% B、2.5分:5% B、7分:95% B、95% Bを5分間保持
流速: 22.5 mL/min
生成物はUV吸光度によるピークに基づいて収集され、濃縮された。
【0064】
記2. LC/MS分析条件
ケムステーションソフトウェアを用いたヒューレットパッカード1100MSD
カラム:YMC ODS-AM2.0 mm×50mm、5μカラム、23℃
溶液A:水(0.02% TFA緩衝液)
溶液 B:アセトニトリル (0.02 % TFA緩衝液)
勾配:0分:5% B、0.3分:5% B、3.0分:90% B、95% B を2分間保持
流速:1.5 ml/分
検出:254 nmDAD;API-ESスキャニングモードポシティブ150-700;
フアグメンター 70mV。
【0065】
実施例2-19の化合物は、インドール、5-フルオロインドール、5-メチルインドール、5-クロロインドール、4-ヨードアニソール、3-ヨードアニソール、α-ブロモ-p-トルニトリル、3-メトキシベンジルブロマイド、3-クロモベンジルブロマイド、3,5-ジメトキシベンジルブロマイド、4-t-ブチルベンジルブロマイド、2,4-ジクロロメンジルブロマイド、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジルブロマイド、4-(4-ブロモメチル)フェニル-1,2,3-チアジアゾリル、4-(ブロモメチル)-2,6-ジクロロピリジン、及びエチル5-クロロメチルフランカルボキシレートを用いて、実施例1で説明したのと同じ手順を用いて調製した。
【表2】

【0066】
記3. 実施例5は、より大きな規模にて、異なるルートによる再合成、および、EtOAcを用いた再結晶化により、以下に示す黄色い固形物を得た。
【0067】
融点175-177 ℃;
1H NMR(CDC13, 400 MHz)δ2.49 (s, 3H), 5.23 (s, 2H), 7.17 (d, J = 8 Hz,1H), 7.25 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8 Hz,1H), 7.40-7. 50 (m, 3H), 7.57-7. 63 (m, 4H), 8.10 (s,1H), 8.47 (s,1 H) ;
マススペクトル:m/z (ESI) 420 (M+H);
C24H18CINO4に対する分析値:C, H, N。
【0068】
実施例20
[1,5-ビス-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-1H-インドール-3-イル]-オキソ-酢酸
【化16】

【0069】
工程1:
6.56 g の(62 mmol)Na2CO3、3.03 g (15.5 mmol) 5-ブロモインドール、 3.415 g (16.5 mmol)4-(トリフルオロメトキシ) フェニルボロン酸、及び 0.50 g (0.43 mmol) テトラキストリフェニルフォスフェリンペルラジウムの攪拌スラリーを、加熱し、3時間還流させた。この反応混合物を、冷却し、300 mlの水の中に注ぎ、エチルアセテートと共に振とうした。結合した水溶性及び有機溶媒の相を、フィルター処理し、有機相を分離し、MgSO4を用いて乾燥し、濃縮した。2.49 g(58 %)5-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]インドール固形物を得るために、残査を、シリカを用いてクロマトグラム処理(20-33 % のEtOAc-ヘキサンで溶離)した。
【0070】
工程2:
無水 N-メチルピロリドン10 mL中に、0.6 g (2.6 mmol)の 5-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-1 H-インドール、 0.53 mL (2.8 mmol)の4-(トリフルオロメトキシヨードベンゼン、 0.075 g (0.52 mmol)の臭化銅(l)、及び0.54 g (3.9 mmol)の K2CO3 を含む混合物を、加熱し、一晩還流攪拌した。この反応物を、冷却し、水200 ml中に注いだ。水溶液を、200 mlの酢酸エチルとともに振とうし、結合した水性相と有機相を、フィルター処理し、有機相を分離した。水性相を、複数の200 mlのエチルアセテート処理により抽出し、有機相は、塩水で洗浄し、濃縮した。粗生成物は、2.49 g (58 %)5-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H-インドール固形物を得るために、シリカ上でクロマトグラム処理された(5-7 %のEtOAc-ヘキサンで溶離)。
【0071】
工程3:
3 mL 無水THF中に0.505 g (1.15 mmol)の 1, 5-ビス-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-1H-インドールを含む溶液に、0.13 ml(2.9 mmol)の塩化オキサリルを添加した。この溶液を、室温で18時間混合し、次いで、反応管の内容物を、10 ml水性NaHCO3を含むバイアル内に移し替えた。このバイアルの蓋を閉め、該バイアルを振とうし、次いで、バイアル内の溶液に、10 mlの2 N水性HClを滴下して、酸性に調製した。有機層を、除去し、濃縮した。粗生成物を、0.142 g の[1,5-ビス-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-1H-インドール-3-イル]-オキソ-酢酸エチルエステルを得るために RP-HPCLを用いて精製した(記1参照)。
【0072】
工程4:
1ml THF中に、工程3で得られた、0.142 gの[1,5-ビス- (4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-1H-インドール-3-イル]-オキソ-酢酸エチルエステルを含む溶液に、2 mlの0.5 M水性LiOHを添加した。この反応物を、オービタルシェーカーを用いて5時間混合した後、TLCを用いて、反応が、完結したことを確認した。この溶液を、2 NのHClを滴下して、酸性に調製し、ジクロロメタンを用いて有機相を抽出した。該有機相を、ChemElute column (VarianInc., Palo Alto, CA)を通してフィルター処理し、乾燥、蒸発させて、以下に示す黄色い固形物である、[1,5-ビス-(4-トリフルオロメトキシ-フェイル)-1H-インドール-3-イル]-オキソ-酢酸(82 mg)を得た。
【0073】
1H NMR (CDCI3, 400 MHz) δ9.13 (s,1 H), 8.64 (s,1 H), 7.70 (d, J= 6.6 Hz, 2H), 7.57-7.68 (m, 3H), 7.46-7. 56 (m, 3H), 7.33 (d, J= 8 Hz, 2H);
マススペクトル:m/z (ESI) 508.2 (M-H);
【0074】
実施例21
{1-(4-フルオロベンジル)-5-[2-(4-フルオロフェニル)エトキシ]-1H-インドール-3-イル} (オキソ) 酢酸
【化17】

【0075】
工程1:
氷中で0℃に冷却されている、40 mlの無水THF中に、1.06 g(8 mmol)の5-ハイドロキシインドール及び2.09 g(8 mmol)のトリフェニルフォスフィンを含む溶液に、1.0 ml(8 mmol)の4-フルオロフェネチルアルコール及び1.6 ml(8 mmol)のジイソプロピルアゾジカルボキシレートを添加した。この溶液を、一晩かけて、緩やかに室温に戻した。この溶液を、濃縮し、残査を、白い固形物である0.525 gの5-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エトキシ]-1H-インドールを得るために、20-25 %のEtOAc-ヘキサンを用た、シリカで、クロマトグラム処理した。
【0076】
工程2:
20 ml無水THF中に懸濁している0.2 g の、60 % NaH分散を有するミネラルオイルに、工程1で得られた、0.61 g(2.38 mmol)の5-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エトキシ]-1H-インドールを添加した。この懸濁液を、15分間攪拌し、次いで、0.33 ml(2.6 mmol)の4-フルオロベンジルブロマイドを添加した。この懸濁液を、一晩攪拌した。この懸濁液をバキュームにより濃縮し、残査を酢酸エチルに再溶解し、塩水で洗浄した。有機相を、MgSO4を用いて、乾燥、濃縮した。この残査は、綿毛状の粉体である、0.61gの1-(4-フルオロ-ベンジル)-5-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エトキシ]-1H-インドールを得るために、シリカを用いてクロマトグラム処理された。
【0077】
工程3:
10mlの無水THF中にパート3で得られた生成物を含む溶液に、0.30 mlの(COCl)2を添加した。この溶液を、室温で4晩以上攪拌した。次いで、この溶液を、20 mlの水溶性NaHCO3を含むフラスコ内に注いだ。10 mlの2 N水性HClを、この溶液を酸性にするために添加し、溶媒をDMCを用いて抽出し、有機相を濃縮した。残査を、以下に示す、0.43 gの黄色い結晶を得るためにRP-HPLC(記1参照)を用いて精製した。
【0078】
融点:171-173 ℃;
1H NMR (CDCI3, 400 MHz)δ 3.10 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.24 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 5.33 (s, 2H), 6.90-6. 93 (m,1H), 6.97-7.05 (m, 4H), 7.14-7.18 (m, 3H), 7.24-7.28 (m, 2H), 7.85 (s,1H), 8.92 (s,1 H) ;
マススペクトル: m/z(ESI) 434 (M-H)
【0079】
実施例22
(1-ベンジル-5-ベンジルオキシ-1 H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸
1-ベンジル-5-ベンジルオキシ-1 H-インドールを用いて、実施例21の工程3の方法に従い、以下に示す(1-ベンジル-5-ベンジルオキシ-1 H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸を調製した。
【0080】
1H NMR (CDCI3, 400 MHz)δ 8.60 (s,1H), 7.79 (d, J= 2.5 Hz,1H), 7.45-7.52 (m, 3H), 7.25-7.43 (m, 7H), 6.99 (dd, J= 6.8, 2.5 Hz,1H), 5.55 (s, 2H), 5.13 (s, 2H);
マススペクトル:m/z(ESI) 386 (M+H)
【0081】
実施例23
[1-ベンジル-5-(2-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-1H-インドール-3-イル] (オキソ) 酢酸
【化18】

【0082】
工程1:
0.98 g(3.12 mmol)の1-ベンジル-5-ベンジルオキシ-1H-インドール、0.20 gの20 %パラジウムカーボン、及び1.51 g(24 mmol)NH4CHOを、3日間攪拌して、加熱により還流させた。この反応物を、冷却し、0.20 gの20 %パラジウムカーボン及び1.33 gのNH4CHOを添加した。この反応物を、さらに24時間還流し、次いで、TLCを用いて、反応が完結したことを確認した。この反応物を、ろ紙を用いてフィルター処理することにより濃縮した。0.44 gの1-ベンジル-5-ハイドロキシ-1H-インドール固形物を得るために、残査を、25-40 %EtOA-ヘキサンを用いて、クロマトグラム処理した。
【0083】
工程2:
12 mlの中に0.413 g(1.85 mmol)1-ベンジル-5-ハイドロキシ-1H-インドール、0.3 ml(2.2 mmol)の3-クロロ-4-フルオロベンゾトリフルオライド及び1.0 g(0.3 mmol)のCs2CO3を有する懸濁液を、130℃に加熱し、16時間攪拌した。この溶液を、冷却し、Cs2CO3を除くためにフィルター処理した。この溶液を、真空条件において濃縮し、油状の0.51 gの1-ベンジル-5-(2-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-1H-インドールを得るために、5-7 %EtOAc-ヘキサンを用いたシリカ上でクロマトグラム処理した。
【0084】
工程3:
8 mlの無水THF中に工程2の生成物を加えた溶液に、(COCl2)の0.22 mlを添加した。この溶液を、室温で4時間攪拌した。10 mlのNaHCO3飽和水溶液を添加した後、この二相系を30分間攪拌した。酸性にするために、2 Nの水溶性HClを溶液に添加した。溶媒をDMCで抽出し、有機相を濃縮した。残査を、RP-HPCLを用いて精製し、以下に示す0.315 gの黄色い固形物を得た。
【0085】
融点:152-154 ℃;
1H NMR (CDCI3, 400 MHz) 5.42 (s, 2H), 6.89 (d, J =4.4 Hz,1H), 7.05 (dd, J =6.2 Hz, 1.2 Hz, 1H), 7.20-7.25 (m, 2H), 7.34-7.40 (m, 5H), 7.74 (s,1 H), 8.06 (s,1 H), 9.04 (s,1 H) ;
マススペクトル:m/z(ESI) 472 (M-H)
【0086】
実施例24
(5-アリルオキシ-1-シクロブチルメチル-1H-インドール)-オキソ-酢酸
【化19】

【0087】
工程1:
110 mlのアセトン中に0.292 g(22 mmol)の5-ヒドロキシインドール及び12.43 g(90 mmol)K2CO3を含む懸濁液に、2.07 ml(24 mmol)のアリルブロマイドを添加した。この反応物を、室温で2日間以上攪拌し、TLCにて、この反応が完結したことを確認した。さらに、0.66 mlのアリルブロマイドを添加し、この反応物を1.5時間、加熱による還流で、一晩攪拌した。この反応物は、沈殿物を取り除くために、フィルター処理され、濃縮された。油状の3.128 g (18 mmol)5-アリルオキシインドールを得るために、この粗生成物を、シリカゲルを用いた20-33 %のEtOAc-ヘキサンの溶離条件で、クロマトグラム処理した。
【0088】
工程2:
40 mlの無水THF中に、0.45 g(9.4 mmol)の水素化ナトリウム(ミネラルオイル中に50 %の分散)を含む、懸濁液に、1.90 gの5-アリルオキシインドールを添加した。この懸濁液を、室温で15分間攪拌し、この間に、1.14 ml(9 mmol)のベンゼンスルホニルクロライドを、滴下した。この反応物を室温で3晩以上攪拌した後、水の中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出を行った。この有機抽出物を、MgSO4を用いて乾燥、濃縮した。この生産物は、濃縮することによって固形物化された。この粗生成物は、薄茶色固形物の5-アリルオキシ-1-ベンゼンスルホニル-1H-インドール、1.36 gを得るために、ジエチルエーテルと共に粉砕された。
【0089】
工程3:
スクリューキャップバイアル中にある1.6 mlのトルエンに、43 mg(0.14mmol)の5-アリルオキシ-1-ベンゼンスルホニル-1H-インドールを含む懸濁液に、31μL(0.41 mmol)のシクロブタン-メタノール、及び、0.66 mlのトルエン中に0.6 Mビス(トリメチルシリルアミド)ナトリウムを含む溶液を添加した。この溶液を、100 ℃において、一晩、オービタルシェーカーを用いて、加熱攪拌した。この反応物を濃縮し、得られた粗生成物を、2.4 Nの1 N水性HCl中に再溶解し、この水溶液を、1.6 mlのジクロロメタンを用いて抽出した。分離された有機相を濃縮し、残査を、約50 ℃の適度な温度で、一晩真空乾燥した。
【0090】
工程4:
工程3で得られた、粗5-アリルオキシ-1-シクロブチルメチル-1H-インドールを、0.5 mlの無水THFに溶解し、ここに0.22 ml(2.5 mmol)のオキサリルクロライドを添加した。この反応物を、オービタルシェーカーで一晩攪拌した。この反応物を、濃縮し、粗生成物をジクロロメタンの最小容量で溶解した。この反応物に、0.8 mlの1N水性NaOHを添加し、蓋をして、振とうした。この溶液を、2Nの水性HClの滴下により酸性に調製し、1.6 mlのジクロロメタンで抽出を行った。LC/MS(記2参照のこと)が、この反応が完結していないことを示したため、この粗物質を、0.5 mlの無水THF中に再溶解し、オキサリルクリライドを、添加した。ついで、この反応物を、オービタルシェーカーを用いて40 ℃、6時間攪拌した。反応が完結したことが確認されたため、この粗生成物を、6.2 mg(1.98 mmol)の(5-アリルオキシ-1-シクロブチルメチル-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸(LC/MSデータ(分子イオン及び保持時間):m/z 312(M-H);2.49分)を得るために、RP-HPLCにて精製した。
【0091】
フェネチルアルコール、ピペロニルアルコール、4−メチルオキシフェネチルアルコール、1-ナフチレン-エタノール、3-トリフルオロメチルフェネチルアルコール及び4-ブロモフェネチルアルコール、を用いて、実施例24の工程3及び4に記載の手順に従い、実施例25-30の化合物を調製した。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下に示す式1の化合物であって、
【化1】

上の式において、R1は、a)以下で示す部分
【化2】

あるいは、b) アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、ベンジル、及びナフチル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2から独立して選択される、1-3の基により任意で置換されることを特徴とし、ベンジル、CH2-1-ナフチル、CH2-2-ナフチル、CH2-CH2-フェニル、又はCH2-CH2ナフチルから選択される部分を有する、C1-C8アルキル、ベンゾ[1,3]ジオキソル-5-イルメチル、C4-C15シクロアルキルアルキル、C10-C17ヘテルアリールアルキル、C7-C14-アリールアルキルであり、

R4は、ハイドロゲン、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、-NO2であり、

Xは、O、S、又はNHであり、

R5は、シクロアルキル、ヘテロアルキル、フェニル、及びアリール基の環が、水素、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2から独立して選択される1から5の基により任意で置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、-CH2-ヘテロアリール、フェニル、又はC7-C18アリールアルキルであり、

R2は、アルキル及びシクロアルキル基が、ハロゲン、-CN、C1-C6アルコキシ、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2HC3、-OH、-NH2又は-NO2により任意で置換されることを特徴とする、ハロゲン、C1-C6アルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、又はC1-C3ペルフルオロアルキルであり、

R3は、(a)アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール及びフェニル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、C1-C3ペルフルオロアルコキシ、C1-C3アルキルチオ、C1-C3ペルフルオロアルキルチオ、-OCHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2から独立して選択される1から3の基により、任意で置換されることを特徴とする、水素、ハロゲン、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、又はフェニルであるか、
あるいは、(b)X-R6部分であり、

R6は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、フェニル、及びナフチル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は-NO2から独立に選択される、1から3の基により任意で置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、C7-C18アリールアルキル、CH2-CH2-フェニル、又はCH2-CH2-ナフチルであり、そして、

R7がC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、又は、C7-C8アリールアルキルである、化合物、
あるいは、上記化合物の医薬品上許容される、塩またはエステル形態の化合物。
【請求項2】
式(II)で表す請求項1に関する化合物であって、
【化3】

上の式において、
R2、R3、R4及びR5が、請求項1で定義されているものと同様であることを特徴とする化合物。
【請求項3】
式(III)で表す請求項1に関する化合物であって、
【化4】

上の式において、
R1、R2、R3は請求項1で定義されているものと同様であることを特徴とする化合物。
【請求項4】
R2が水素である請求項1から3のいずれか1請求項の化合物。
【請求項5】
R3が水素、C1-C8アルキル、ハロゲン、又は、-O-C2-C8アルケニルであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1請求項の化合物。
【請求項6】
式(II)又は(III)の化合物であって、
【化5】

上の式において、
R1は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、及びアリール基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、-COHF2、-CN、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2から独立して選択される1から3の基により任意で置換されることを特徴とし、ベンジル、CH2-1-ナフチル、CH2-2-ナフチル、CH2CH2-フェニル、又は、CH2CH2-ナフチルから選択される部分を有する、C1-C8アルキル、ベンゾ[1,3]ジオキソル-5-イルメチル、C4-C15シクロアルキルアルキル、C10-C17ヘテロアリールアルキル、C7-C14アリールアルキルであり、

R4は、水素、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C3ハロアルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2HC3、-OH、-NH2、又は、-NO2であり、

R5は、シクロアルキル、ヘテロアリール及びアリール基の環が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、及びC1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2又は-NO2から独立して選択される1-5の基により任意で置換されることを特徴とする、
C1-C8アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、又は、C7-C18アリールアルキルであり、

R2は、アルキル基が、ハロゲン、-CN、C1-C6アルコキシ、-COOH、-CH2CO2H、-C(O)CH3、-CO2R7、-C(O)NH2、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は、-NO2により任意で置換される、ハロゲン、C1-C6アルキル、又は、C1-C3ペルフルオロアルキルであり、

R3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、及びフェニル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、-N2から独立して選択される1から3の基により任意で置換されることを特徴とする、水素、ハロゲン、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール又はフェニルであり、

R6は、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、フェニル、及びナフチル基が、ハロゲン、C1-C3アルキル、C1-C3ペルフルオロアルキル、-O-C1-C3ペルフルオロアルキル、好ましくは、-OCF3、-S-C1-C3ペルフルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、-OCHF2、-CN、-C(O)CH3、-CO2R7、-S(O)2CH3、-OH、-NH2、又は-NO2から独立して選択される1から3の基により、任意で置換されることを特徴とする、C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル、C3-C6シクロアルキル、-CH2-C3-C6シクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、C1-C8アリールアルキル、CH2CH2-フェニル、又はCH2CH2-ナフチルであり、そして、

R7は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-CH2C3-C6シクロアルキル又はC7-C18アリールアルキルである、化合物、
あるいは、上記化合物の医薬品上許容される、塩またはエステル形態の化合物。
【請求項7】
請求項1の化合物が、
(1-{4-[(4-シアノベンジル)オキシ]フェニル}-1H-インドール-3-イル)(オキソ) 酢酸、
{1-[4-(3-メトキシ-ベンジルオキシ)-フェニル]1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-フェニル]1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(4-シアノベンジルオキシ)-フェニル]-5-フルオロ-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(3,5-ジメトキシ-ベンジルオキシ)-フェニル]-5-フルオロ-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(3-クロロ-ベンジルオキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(4-tert-ブチル-ベンジルオキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(2,4-ジクロロベンジルオキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(4-シアノ-ベンジルオキシ)-フェニル]1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(3,5-ジメトキシ ベンジルオキシ)-フェニル]1H インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-トリフルオロメチル-ベンジルオキシ)-フェニル] 1H-インドール-3-イル}- オキソ-酢酸、
{1-[4-(4-[1,2,3]チアジアゾール-4-イル-ベンジルオキシ)-フェニル]-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{1-[4-(2,6-ジクロロ-ピリジン-4-イルメトキシ)-フェニル]1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
5- [4- (5-フルオロ-3-カルボキシ(オキソ)メチル-1 H-インドール-1-イル)フェノキシメチル]-フラン-2カルボキシ酸 エチルエステル、
{1-[4-(2,6-ジクロロピリジン-4-イルメトキシ)-フェニル]-5-メチル-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(2, 3,5,6-テトラフルオロ-4-トリフルオロメチル-ベンジルオキシ)-フェニル]1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
5-[3-(5-クロロ-3-カルボキシ(オキソ)メチル-1 H-インドール-1-イル)フェノキシメチル] フラン-2-カルボキシ酸 エチルエステル、
{5-クロロ-1-[3-(4-[1,2,3] チアジアゾール-4-イル-ベンジルオキシ)-フェニル]1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
{5-クロロ-1-[3-(2,6-ジクロロ-ピリジン-4-イルメトキシ)-フェニル] 1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
[1,5-ビス-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-1 H-インドール-3-イル]-オキソ-酢酸、
{1-(4-フルオロベンジル)-5-[2-(4-フルオロフェニル)エトキシ]-1H-インドール-3-イル}(オキソ)酢酸、
(1-ベンジル-5-ベンジルオキシ-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
[1-ベンジル-5-(2-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-1H-インドール-3-イル] (オキソ) 酢酸、
(5-アリルオキシ-1-シクロブチルメチル-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
(5-アリルオキシ-1-フェネチル-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
(5-アリルオキシ-1-ベンゾ [1,3]ジオキソl-5-イルメチル-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
(5-アリルオキシ-1-[2-(4-メトキシフェニル)-エチル]-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
(5-アリルオキシ-1-[2-ナフチレン-1-イル-エチル]-1H-インドール-3-イル)-オキソ-酢酸、
{5-アリルオキシ-1-[2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-エチル]-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、又は、
{5-アリルオキシ-1-[2-(4-ブロモフェニル)-エチル]-1H-インドール-3-イル}-オキソ-酢酸、
あるいは、上記化合物の医薬品上許容される、塩またはエステル形態の化合物。
【請求項8】
哺乳動物におけるプラスミノゲンアクティベータインヒビターを阻害する方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1請求項の化合物、及び、医薬品キャリアを含む医薬品組成物。
【請求項10】
哺乳動物の全血栓、又は、繊維素溶解障害を治療する方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を投与することから成る方法。
【請求項11】
アテローム性動脈硬化プラークの形成、静脈及び動脈血栓、心筋虚血、心房細動、深部静脈血栓症、凝固症候群、肺線維症、脳血栓症、外科(人工関節等の)の血栓塞栓性合併症、および抹消動脈閉塞と関連する、血栓症または線維素溶解現象の障害を治療する、請求項10の方法。
【請求項12】
哺乳動物における抹消動脈障害の治療に関する方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を投与することから成る方法。
【請求項13】
心房性細動と関係する、あるいは、心房性細動を招く発作に対する治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を投与することから成る方法。
【請求項14】
哺乳動物における深部静脈血栓症の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項15】
哺乳動物における心筋虚血の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項16】
哺乳動物における非インシュリン依存真性糖尿病由来の循環器疾患の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項17】
哺乳動物における動脈硬化性プラークの形成の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項18】
哺乳動物における慢性閉塞性肺疾患の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項19】
哺乳動物における腎繊維形成の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項20】
哺乳動物における多嚢胞卵巣の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1請求項の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項21】
哺乳動物におけるアルツハイマー病の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。
【請求項22】
哺乳動物における癌の治療方法であって、医薬品上有効な量の請求項1から7のいずれか1の化合物を、治療が必要な哺乳動物に投与することから成る方法。


【公表番号】特表2006−510673(P2006−510673A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559413(P2004−559413)
【出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/038934
【国際公開番号】WO2004/052854
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505088569)
【Fターム(参考)】