プログラマブル表示器の監視操作方法、監視操作プログラムおよびプログラマブル表示器
【課題】プログラマブル表示器が複数のPLCに接続されている場合において、稼動系のPLCが切り替わったときに稼動系のPLCを監視・操作することができるプログラマブル表示器の監視操作方法を提供する。
【解決手段】二重化PLC20は、A系PLC20A、B系PLC20Bで構成され、各PLCには参照先の局番0、参照先の局番1を設定する。稼動系のPLCのみの情報を監視表示し、また稼動系のPLCのみに制御指令を送信するために、プログラマブル表示器10の各々の表示操作部品に稼動系のPLCである参照先の局番0を設定する。プログラマブル表示器10は、各PLCのRUN、STOPのステ−タス情報を所定周期で監視を行う。B系PLC20Bが待機系から稼動系に切り替わったときに、プログラマブル表示器10が稼動系のPLCが切り替わったと判断し、表示操作部品が参照先の局番を書き替え(0→1)、稼動系のみの監視操作を続行する。
【解決手段】二重化PLC20は、A系PLC20A、B系PLC20Bで構成され、各PLCには参照先の局番0、参照先の局番1を設定する。稼動系のPLCのみの情報を監視表示し、また稼動系のPLCのみに制御指令を送信するために、プログラマブル表示器10の各々の表示操作部品に稼動系のPLCである参照先の局番0を設定する。プログラマブル表示器10は、各PLCのRUN、STOPのステ−タス情報を所定周期で監視を行う。B系PLC20Bが待機系から稼動系に切り替わったときに、プログラマブル表示器10が稼動系のPLCが切り替わったと判断し、表示操作部品が参照先の局番を書き替え(0→1)、稼動系のみの監視操作を続行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下水プラント機器の監視操作をするプログラマブル表示器の監視操作方法、監視操作プログラムおよびプログラマブル表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブル表示器は、プログラマブルコントローラ(以下PLCと称す。)などのホストマシンと情報を送受信しており、ホストマシンを監視・制御するのに有用な機器となっている。
【0003】
プログラマブル表示器がイーサネット(登録商標)伝送路に二重化されたPLCと接続されている場合、プログラマブル表示器からは、稼動系のPLC、待機系のPLCの両方の情報を取得することができる。しかしながら、情報の監視と、機器の操作は、稼動系のPLCのみを対象としなければならない。このため、どちらが稼動しているかを判断し、稼動系のPLCの内部レジスタをプログラマブル表示器内の内部レジスタに転写し、その情報により表示するように構成されている。
【0004】
機器操作も同様に、プログラマブル表示器内の内部レジスタを稼動系のPLCの内部レジスタに転写し機器操作するように構成されている。つまり、プログラマブル表示器内の内部レジスタと稼動系のPLCの内部レジスタが別レジスタであり、レジスタ間の読みかえをする必要がある。読み替えをするために、レジスタ間対応表が使用されている。
【0005】
また、特許文献1のPLC二重化切換装置では、イーサネット伝送路に二重化されたPLCが接続された場合で、一方のPLCが異常になったときでも、他方のPLCと通信可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−56817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、上位監視装置が、二重化PLCの稼動系(マスタ)のみを監視しそれを1つの装置とみなしデータの送受信ができる。PLC側で稼動系の切換を行い稼動系のみの情報をPLCが送信することを特徴としている。上位監視装置は共有メモリに割りついた稼動系の情報を読むことになり、これは監視装置の内部レジスタの情報になる。また、上位監視装置は待機系(スレーブ)の情報を読むことはない。つまり、上位監視装置は、共有メモリの稼動系の情報エリアを参照するが、そのレジスタ指定はPLC内のレジスタ指定とは異なる。さらに、待機系のPLCの状態については、稼動系のPLCのみを監視の対象としているため、監視できないことになる。
【0008】
イーサネット伝送路では、伝送路上に接続されている機器などを識別するためにIP(Internet Protocol)アドレスが割り振られており、稼動系のPLCも待機系のPLCも同一プログラムがローディングされておりそれぞれ別のIPアドレスが割り振られている。しかし、プログラマブル表示器からは、1つのIPアドレスとして稼動系のPLCのみを認識したほうが都合がよい。しかしながら、前記のIPアドレスの制約上、二重化されたPLCは同一のIPアドレスを使用することは許されない。
【0009】
プログラマブル表示器がシングルのPLCとの接続の場合、該当のPLCレジスタとプログラマブル表示器の表示箇所が1:1で固定されるため、PLC内部のレジスタを直接プログラマブル表示器の表示用に指定できる。
【0010】
一方、プログラマブル表示器が二重化PLCとの接続の場合、稼動系のPLCの情報のみを表示に使うため、プログラマブル表示器の表示部品のレジスタ指定が、1:1で固定できない。このため、稼動系のPLCの情報のみを監視制御するように切り替えを行い、待機系のPLCについても必要に応じてPLCのステータス状態の監視を可能としている。
【0011】
背景技術ですでに説明したように、従来、プログラマブル表示器の内部レジスタに、稼動系のPLCのデータを転写し、そのデータを表示用に使わなければならないため、対シングルPLCと同様にプログラマブル表示器のアプリケーションプログラムを作成することができず、PLC内部レジスタとプログラマブル表示器内部のレジスタ間の読みかえ(レジスタ間対応表)も必要であった。
【0012】
このため、複数のPLCで構成された二重化PLCの場合でも、プログラマブル表示器より直接PLC内部のレジスタを表示、操作に使用でき、プログラマブル表示器の内部レジスタを使用せず、対シングルPLCと同様にPLC内部レジスタを直接使用するプログラマブル表示器のアプリケーションプログラムを作成することが望まれていた。
【0013】
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、プログラマブル表示器が複数のPLCに接続されている場合において、稼動系のPLCが切り替わったときに稼動系のPLCを監視・操作することができるプログラマブル表示器の監視操作方法、監視操作プログラムおよびプログラマブル表示器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明のプログラマブル表示器の監視操作方法は、第1のPLC(例えば、A系PLC20A)および第2のPLC(例えば、B系PLC20B)を有する二重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器(10)の監視操作方法であって、
プログラマブル表示器は、第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、第2のPLCと関連付けられた第2の局番とが局番管理情報(例えば、局番テーブル121)として記憶部に登録されており、
プログラマブル表示器に配置された各表示操作部品の参照先の局番には、稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは稼動系のPLCに操作指令を送信するための設定として第1の局番が設定されており、
プログラマブル表示器は、各PLCから受信した各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて稼動状態を監視し、待機系のPLCが稼動したと判定したとき、各表示操作部品に設定されている参照先の局番を第2の局番に書き替えをし、書き替え後プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プログラマブル表示器が複数のPLCに接続されている場合において、稼動系のPLCが切り替わったときに稼動系のPLCを監視・操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プログラマブル表示器と二重化PLCを含む上下水プラント監視制御システムを示す構成図である。
【図2】プログラマブル表示器および二重化PLCの機能を示すブロック図である。
【図3】稼動系が切り替わる時(スイッチオーバー時)の動作を示す説明図である。
【図4】比較例である、稼動系のPLCを監視制御するための内部レジスタの説明とその処理方法を示す説明図である。
【図5】本実施形態の稼動系のPLCを監視制御するためのPLCの内部レジスタの定義方法とその処理方法を示す説明図である。
【図6】参照先局番切替処理を示すフローチャートである。
【図7】二重化PLCの稼動/待機の状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。
【図8】プログラマブル表示器および三重化PLCの機能を示すブロック図である。
【図9】三重化PLCの状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。
【図10】三重化PLCの場合の参照先局番切替処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。プログラマブル表示器のアプリケーションプログラム作成の際に、プログラマブル表示器とシングルPLC(図示せず)のイーサネット接続の場合、1:1接続のため、直接PLCの内部レジスタを指定しており、プログラマブル表示器内の内部レジスタを使用する必要がない。本実施形態では、プログラマブル表示器と複数のPLCで構成される二重化PLCのイーサネット接続の場合においても、直接PLCの内部レジスタを指定することができる方法について、図1および図2を参照して説明する。
【0018】
<実施形態1>
図1は、プログラマブル表示器と二重化PLCを含む上下水プラント監視制御システムを示す構成図である。上下水プラント監視制御システムは、プログラマブル表示器10、二重化PLC20、入出力装置(I/O)4、上下水プラント5から構成されており、上下水プラント監視制御システムの管理者は、プログラマブル表示器10を用いて、上下水プラント5の情報について入出力装置4、二重化PLC20を介して監視・操作(制御)することができる。
【0019】
プログラマブル表示器10は、監視・操作するための表示・操作部14を有し、イーサネットI/F(インターフェイス)15を介して、イーサネットN1(イーサネットのネットワーク)に接続されている。
【0020】
二重化PLC20は、A系PLC20A(第1のPLC)と、B系PLC20B(第2のPLC)とから構成されている。A系PLC20Aは、プロセッサ21A、イーサネットI/F25A、二重化I/F26Aを有する。また、B系PLC20Bは、プロセッサ21B、イーサネットI/F25B、二重化I/F26Bを有する。
【0021】
A系PLC20Aは、イーサネットI/F25Aを介してイーサネットN1に接続されており、二重化I/F26Aを介して、FLネットN3(FLネットのネットワーク)に接続されている。B系PLC20Bは、イーサネットI/F25Bを介してイーサネットN1に接続されており、二重化I/F26Bを介して、FLネットN3に接続されている。なお、FLネットとは、FA(Factory Automation)用制御ネットワークであり、伝送プロトコルとしてUDP(User Datagram Protocol)/IPおよびFAリンクプロトコルが使用される。
【0022】
ここで、A系PLC20Aとは、両PLCが正常な場合、稼動系のPLCとなるものをいう。一方、B系PLC20Bとは、両PLCが正常な場合、待機系のPLCとなり、A系PLC20Aが異常になると、稼動系のPLCなるものをいう。但し、この逆の運用も可能なものとする。
【0023】
図2は、プログラマブル表示器および二重化PLCの機能を示すブロック図である。本実施形態の特徴であるプログラマブル表示器のプログラムを作成する際のPLCの内部レジスタの指定方法の概要についても説明する。
【0024】
プログラマブル表示器10のプロセッサ11は、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12および内部レジスタ13を有している。アプリケーションプログラム12は、後記する稼動系のPLC、待機系のPLCを識別するための局番とIPアドレスを関連付けした局番テーブル121(局番管理情報)(図5参照)、プログラマブル表示器10の参照先である参照先局番切替処理をする参照先局番切替処理部122(図6参照)を有している。なお、局番の詳細については後記する。また、局番テーブル121は、プロセッサ11内に記憶しているが、図示しないメモリ(記憶部)に記憶しておき、必要に応じてプロセッサ11にロードしてもよい。
【0025】
A系PLC20Aのプロセッサ21Aは、アプリケーションプログラム22Aおよび内部レジスタ23Aを有している。同様に、B系PLC20Bのプロセッサ21Bは、アプリケーションプログラム22Bおよび内部レジスタ23Bを有している。
【0026】
ここで作成するプログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12、PLC用のアプリケーションプログラム22A,22Bは、パソコン(パーソナルコンピュータ)30のプロセッサ31により実行されるプログラミングツール32を使用して作成し、イーサネットN1経由でローディングされる。なお、アプリケーションプログラム12、PLC用のアプリケーションプログラム22A,22Bは、プログラマブル表示器10および各PLCのメモリ(図示せず)に記憶し、必要に応じてロードして、プロセッサ11,21A,22Bで実行してもよいことは言うまでもない。
【0027】
図2において、A系PLC20A、B系PLC20B、プログラマブル表示器10には、それぞれを識別するためのIPアドレスが割り付けられている。A系PLC20AのIPアドレスを「0」(通常IPアドレスは、ドット付き十進表記で表記されるが、図中では、IPアドレス0と表記している。)とし、B系PLC20BのIPアドレスを「1」とし、プログラマブル表示器10のIPアドレスを「2」とし、イーサネットN1のネットワークを構成する。またPLCの内部データの一致化を行うために、FLネットN3を介して、稼動系のPLCから待機系のPLCへ内部データを転送している。
【0028】
また、プログラマブル表示器10の局番テーブル121において、A系PLC20Aは局番0(第1の局番)と関連づけられており、B系PLC20Bは局番1(第2の局番)と関連づけられている。また、プログラマブル表示器10は局番2と関連づけられている。
【0029】
本実施形態では、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12を作成する際、表示・操作部14に使用する表示部品、操作部品、設定部品には、プログラマブル表示器10の内部レジスタ13でなく、例えば、A系PLC20A、つまり局番0のPLCの内部レジスタ23Aを直接指定することができる。
【0030】
すなわち、二重化PLC20を1台のプログラマブル表示器10で監視、操作(制御)する場合、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理でどちらのPLCが稼動系か判断し、その情報を表示・操作部14で使用するが、このアプリケーションプログラム12を作成する際に、プログラマブル表示器10の内部レジスタ13の参照でなくPLCの内部レジスタ23Aまたは内部レジスタ23Bを参照するようにする。
【0031】
内部レジスタの指定方法の例について図1を参照して説明する。符号40には、プログラマブル表示器10の内部レジスタ13の例が示されている。一方、符号41には、A系PLC20Aの内部レジスタ23AおよびB系PLC20Bの内部レジスタ23Bの例が示されている。部品への監視、操作用レジスタの設定には、符号42に示すように、従来はプログラマブル表示器10の内部レジスタ13を参照していた。これに対し、本実施形態では、符号43に示すように、A系PLC20Aの内部レジスタ23AおよびB系PLC20Bの内部レジスタ23Bを直接参照できるようにしている。A系PLC20Aの内部レジスタ23AおよびB系PLC20Bの内部レジスタ23Bの識別は、局番によってなされる。
【0032】
本実施形態では、稼動系であるA系PLC20Aが異常になると、待機系のB系PLC20Bが稼動系となるため、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理で、全ての、表示・操作部14の表示部品、操作部品、設定部品のリンク先をB系PLC20Bに切り替える。切り替え方法は、前記で示した局番0(イーサネットI/F25Aが記憶)でPLCの内部レジスタを直接指定していたものを、全て局番1(イーサネットI/F25B)に書き替えることができる。
【0033】
図3は、稼動系が切り替わる時(スイッチオーバー時)の動作を示す説明図である。A系PLC20Aが稼動系のとき故障するとB系PLC20Bに稼動系がスイッチオーバする。プログラマブル表示器10は、A系PLC20Aが稼動系であったため、A系PLC20Aを監視制御していたが、稼動系がB系PLC20Bにスイッチオーバしたことを判断し監視制御対象を、B系PLC20Bに切り替える。このスイッチオーバの際のプログラマブル表示器10の内部処理(マクロ処理)の内容を、図4(比較例)および図5(本実施形態)を参照して説明する。
【0034】
図4は、比較例である、稼動系のPLCを監視制御するための内部レジスタの説明とその処理方法を示す説明図である。図2を適宜参照する。比較例の場合、稼動系のPLCの内部レジスタ(内部レジスタ23Aもしくは内部レジスタ23B)を判断し、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理を使用し、稼動系のPLCの内部レジスタとプログラマブル表示器10の内部レジスタ13との間でデータの転写処理を行い、監視制御を実現していた。このため、アプリケーションプログラム12の作成者は、PLCの内部レジスタ23A,23Bとプログラマブル表示器10の内部レジスタ13との間の対応表13Rを作成し、レジスタの割付を意識する必要があった。
【0035】
図5は、本実施形態の稼動系のPLCを監視制御するためのPLCの内部レジスタの定義方法とその処理方法を示す説明図である。本実施形態では、局番テーブル121において、A系PLC20Aを局番0、B系PLC20Bを局番1、プログラマブル表示器10を局番2として定義し、アプリケーションプログラム12を作成する。プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理において、PLCの稼動状況を判断し、参照先局番切替処理(図6参照、具体的には、局番0→1、局番1→0)を行う。
【0036】
本実施形態では、アプリケーションプログラム12のマクロ処理は、稼動系のPLCの状態を監視制御している。また、プログラマブル表示器10の表示操作部品毎にPLCの内部レジスタ23A,23Bの情報(符号80A1、符号80A2または符号80B1、符号80B2参照)を直接設定することが可能である。プログラマブル表示器10が対二重化PLC接続において、対シングルPLC接続と同様に、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12を作成することができる。また、このことにより、レジスタの対応表13Rも不要となりアプリケーションプログラム作成者の負担を減らすこともできる。さらに、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12の作成段階で稼動系と逆の局番を参照する(符号83、符号84)ことで待機系のPLCのレジスタ情報も監視可能とした。
【0037】
次に、参照先局番切替処理について説明する。
図6は、参照先局番切替処理を示すフローチャートである。図6(a)は、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のローディング後のイニシャル処理S1を示し、図6(b)は、所定時間毎(例えば、1秒周期)の定周期処理を示す。なお、本実施形態では、アプリケーションプログラム12のローディング直後は、プログラマブル表示器10に配置された各表示操作部品の参照先局番を0(A系PLCが稼動系)として説明する。
【0038】
プロセッサ11は、図6(a)に示すイニシャル処理S1を実行すると(ステップS11)、イニシャル値として現状の局番をワークデータに設定し(ステップS12)、処理を終了する。具体的には、稼動系のPLCであるA系PLC20Aの局番0がワークW1に設定され、待機系のPLCであるB系PLC20Bの局番1がワークW2に設定される。なお、ワークには、内部レジスタ13の一時記憶領域を使用するとよい。
【0039】
プロセッサ11は、図6(b)に示す定周期処理を開始すると(ステップS21)、例えば1秒周期毎にステップS22からステップS27の処理をする。プロセッサ11は、A系PLC20AのRUN(稼動)またはSTOP(停止)のステ−タス情報をワークW11へ設定し(ステップS22)、B系PLC20BのRUNまたはSTOPのステ−タス情報をワークW12へ設定する(ステップS23)。そして、プロセッサ11は、ワークW11,W12より「待機系のPLCが稼動したか?」の条件を判定し(ステップS24)、待機系のPLCが稼動したと判定した場合(ステップS24,Yes)、ワークW1とワークW2の値の入替えを実施する(ステップS25)。
【0040】
プロセッサ11は、プログラマブル表示器81の表示操作部品毎の参照先の局番について切り替え処理を実行する(ステップS26)。具体的には、プログラマブル表示器81の表示操作部品毎の参照先の局番をワークW1の値として切り替え(書き替え)する。そして、プログラマブル表示器10の表示・操作部14の画面にリセットを実行し(ステップS27)、処理を終了する。プロセッサ11は、ステップS27において、プログラマブル表示器10のリセット要求があると、図6(a)に示すイニシャル処理S1を実行し(ステップS11)、現在の局番をワークデータに設定する(ステップS12)。具体的には、稼動系PLCの局番1がワークW1に、待機系PLCの局番0がワークW2に設定される。
【0041】
ステップS24において、待機系のPLCが稼動したと判定しない場合(ステップS24,No)、処理を終了する。
【0042】
なお、イニシャル処理S1において、局番を読み込みワークデータに設定する処理を行うことにより、定周期処理では局番を毎回読み出す必要がないので、プロセッサ11の処理負担を軽減する方法を採用している。
【0043】
本実施形態では、プログラマブル表示器81の表示操作部品毎の参照先の局番を入れ替えることで常に稼動系のPLCの局番を参照するようになる。さらに、ここで逆の局番を参照すれば、それが待機系のPLCということになる。
【0044】
図7は、二重化PLCの稼動/待機の状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。A系PLC20Aの稼動/待機の状態とB系PLC20Bの稼動/待機の状態により、4つの組合せがある。図6に示した参照先局番切替処理は、ハードウェア回路上、稼動系は必ず一方のみでありA系PLC20A、B系PLC20Bが同時に稼動系(符号71参照)となることは無いため、本参照先局番切替処理が成立する。通常は一方が稼動系でもう一方が待機系(符号72もしくは符号73参照)の状態であり、符号72の場合、参照先局番は1であり、符号73の場合、参照先局番は0となる。両系が故障などで、両系待機系の場合(符号74参照)は、局番の書き替えは行われず、前回値保持となる。なお、待機の状態には、故障の状態も含んでいる。
【0045】
以上述べたように、本実施形態によれば、二重化されたPLCをプログラマブル表示器10で監視制御するアプリケーションプログラム12を作成する場合、稼動系のPLCを自動的に判断し局番を利用しこの局番の参照先を切り換えることで常に稼動系のPLCの監視制御が行えるようになる。また、局番を利用したことでPLCの内部レジスタ(例えば、内部レジスタ23A,23B)をプログラマブル表示器10で直接設定することができるようになる。つまり、シングルPLCと接続し監視制御する場合と同様のアプリケーションプログラムの作成方法でよいこととなり、プログラムの作成者はシングルPLCであるか、二重化されたPLCであるか意識することなくアプリケーションプログラムを作成することができるという利点がある。さらに、待機系のPLCの状態監視も稼動系と逆の局番を指定すれば良いこととなり、稼動系のPLC経由でなく、待機系のPLCを直接的にプログラマブル表示器10で状態監視を行うことができる。
【0046】
具体的には、本実施形態の二重化PLC20は、A系PLC20A、B系PLC20Bで構成され、各PLCには稼動系のPLC局番0、待機系のPLCの局番1を設定する。稼動系のPLCのみの情報を監視表示し、また稼動系のPLCのみに制御指令を送信するために、プログラマブル表示器10の各々の表示操作部品に稼動系のPLCである参照先の局番0を設定する。プログラマブル表示器10は、各PLCのRUN(稼動)、STOP(停止)のステ−タス情報を所定周期で監視を行う。B系PLC20Bが待機系から稼動系に切り替わったときに、プログラマブル表示器10が稼動系のPLCが切り替わったと判断し、参照先の局番を書き替え(0→1)、稼動系のみの監視操作を続行する。これにより、上下水プラント監視操作用のプログラマブル表示器10と二重化PLC20のイーサネット接続において、対シングルPLC接続と同等のプログラマブル表示器のアプリケーションプログラムを使用し、自動的に稼動系のPLCの情報を表示、操作可能とすることができる。
【0047】
<実施形態2>
実施形態1においてプログラマブル表示器10を二重化PLCに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。実施形態2において、プログラマブル表示器10を三重化PLCに適用した場合について説明する。
【0048】
図8は、プログラマブル表示器および三重化PLCの機能を示すブロック図である。3重化PLCは、A系PLC20A(PLC1)、B系PLC20B(PLC2)、C系PLC20C(PLC3)から構成されている。図8において、図2に記載の同一構成品については同一番号を付しており、説明は省略する。図8を参照して、上下水プラント監視制御システムとして現実的である3台のPLCの同時RUN方式で3台のデータ一致化を行わないシステムを考え、参照する優先順位をPLC1、PLC2、PLC3とする。
【0049】
このとき、PLC1が正常にRUN(稼動)していれば、PLC1を参照、PLC1が故障で、PLC2が正常RUNであればPLC2を参照、同様に、PLC2も故障であれば、PLC3の正常RUNを判断しPLC3を参照する(組み合わせは図9参照)というように、切換えを行い、冗長性を確保するシステムを考えたときにも、実施形態1で示した参照先局番処理は有効である。
【0050】
図9は、三重化PLCの状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。PLC1が正常にRUNの場合、参照先局番は0であり、PLC1が故障し、かつPLC2が正常にRUNの場合、参照先局番は1である。PLC1およびPLC2が故障し、PLC3が正常にRUNの場合、参照先局番は2である。なお、PLC1、PLC2およびPLC3ともに故障の場合、参照先局番は、前回値を保持する設定となる。
【0051】
図10は、三重化PLCの場合の参照先局番切替処理を示すフローチャートである。図10(a)は、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のローディング後のイニシャル処理S2を示し、図10(b)は、局番0のPLCが故障した場合の故障処理を示す。なお、アプリケーションプログラム12をローディング直後は、参照先局番は0(PLC1に対応)として説明する。
【0052】
プロセッサ11は、図10(a)に示すイニシャル処理S2を実行すると(ステップS41)、イニシャル値として各PLCに局番を設定し(ステップS42)、処理を終了する。具体的には、PLC1の局番を0に設定され、PLC2の局番が1に設定され、PLC3の局番が2に設定される。
【0053】
プロセッサ11は、局番0のPLCが故障であると判定すると図10(b)に示す故障処理を開始する(ステップS51)。プロセッサ11は、局番1(優先度が2番)のPLCがRUNであるか否かを判定し(ステップS52)、RUNである場合(ステップS52、Yes)、局番0と局番1を入換え(ステップS57)、局番書替処理を実行し(ステップS55)、最後にプログラマブル表示器10のリセットを実行し(ステップS56)、処理を終了する。
【0054】
ステップS52において、プロセッサ11は、局番1のPLCがRUNでない場合(ステップS52,No)、局番2(優先順位が3番)のPLCがRUNであるか否かを判定し(ステップS53)、RUNである場合(ステップS53、Yes)、局番0と局番2を入替え(ステップS54)、ステップS55に進む。ステップS53において、局番2(優先順位が3番)のPLCがRUNでない場合(ステップS53、No)、処理を終了する。
【0055】
実施形態2においては、局番書替処理の適用はPLCの故障時を想定しているが、オペレータ判断による手動切り換え時にも本局番書替処理は有効である。
【0056】
本実施形態では、上下水プラント制御システムとして説明したが、これに限定されるものではない。プログラマブル表示器と二重化PLCまたは三重化PLCを含む構成である制御システムであれば、搬送系制御システムなど各種制御システムに適用できる。
【符号の説明】
【0057】
4 入出力装置(I/O)
5 上下水プラント
10 プログラマブル表示器
11 プロセッサ
12 アプリケーションプログラム(マクロ処理)
13 内部レジスタ
14 表示・操作部
15 イーサネットI/F
20 二重化PLC
20A A系PLC(第1のPLC)
20B B系PLC(第2のPLC)
21A,21B プロセッサ
22A,22B アプリケーションプログラム(ラダー)
23A,23B 内部レジスタ
25A,25B イーサネットI/F
26A,26B 二重化I/F
121 局番テーブル(局番管理情報)
122 参照先局番書替処理部
N1 イーサネット(イーサネットのネットワーク)
N3 FLネット(FLネットのネットワーク)
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下水プラント機器の監視操作をするプログラマブル表示器の監視操作方法、監視操作プログラムおよびプログラマブル表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラマブル表示器は、プログラマブルコントローラ(以下PLCと称す。)などのホストマシンと情報を送受信しており、ホストマシンを監視・制御するのに有用な機器となっている。
【0003】
プログラマブル表示器がイーサネット(登録商標)伝送路に二重化されたPLCと接続されている場合、プログラマブル表示器からは、稼動系のPLC、待機系のPLCの両方の情報を取得することができる。しかしながら、情報の監視と、機器の操作は、稼動系のPLCのみを対象としなければならない。このため、どちらが稼動しているかを判断し、稼動系のPLCの内部レジスタをプログラマブル表示器内の内部レジスタに転写し、その情報により表示するように構成されている。
【0004】
機器操作も同様に、プログラマブル表示器内の内部レジスタを稼動系のPLCの内部レジスタに転写し機器操作するように構成されている。つまり、プログラマブル表示器内の内部レジスタと稼動系のPLCの内部レジスタが別レジスタであり、レジスタ間の読みかえをする必要がある。読み替えをするために、レジスタ間対応表が使用されている。
【0005】
また、特許文献1のPLC二重化切換装置では、イーサネット伝送路に二重化されたPLCが接続された場合で、一方のPLCが異常になったときでも、他方のPLCと通信可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−56817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、上位監視装置が、二重化PLCの稼動系(マスタ)のみを監視しそれを1つの装置とみなしデータの送受信ができる。PLC側で稼動系の切換を行い稼動系のみの情報をPLCが送信することを特徴としている。上位監視装置は共有メモリに割りついた稼動系の情報を読むことになり、これは監視装置の内部レジスタの情報になる。また、上位監視装置は待機系(スレーブ)の情報を読むことはない。つまり、上位監視装置は、共有メモリの稼動系の情報エリアを参照するが、そのレジスタ指定はPLC内のレジスタ指定とは異なる。さらに、待機系のPLCの状態については、稼動系のPLCのみを監視の対象としているため、監視できないことになる。
【0008】
イーサネット伝送路では、伝送路上に接続されている機器などを識別するためにIP(Internet Protocol)アドレスが割り振られており、稼動系のPLCも待機系のPLCも同一プログラムがローディングされておりそれぞれ別のIPアドレスが割り振られている。しかし、プログラマブル表示器からは、1つのIPアドレスとして稼動系のPLCのみを認識したほうが都合がよい。しかしながら、前記のIPアドレスの制約上、二重化されたPLCは同一のIPアドレスを使用することは許されない。
【0009】
プログラマブル表示器がシングルのPLCとの接続の場合、該当のPLCレジスタとプログラマブル表示器の表示箇所が1:1で固定されるため、PLC内部のレジスタを直接プログラマブル表示器の表示用に指定できる。
【0010】
一方、プログラマブル表示器が二重化PLCとの接続の場合、稼動系のPLCの情報のみを表示に使うため、プログラマブル表示器の表示部品のレジスタ指定が、1:1で固定できない。このため、稼動系のPLCの情報のみを監視制御するように切り替えを行い、待機系のPLCについても必要に応じてPLCのステータス状態の監視を可能としている。
【0011】
背景技術ですでに説明したように、従来、プログラマブル表示器の内部レジスタに、稼動系のPLCのデータを転写し、そのデータを表示用に使わなければならないため、対シングルPLCと同様にプログラマブル表示器のアプリケーションプログラムを作成することができず、PLC内部レジスタとプログラマブル表示器内部のレジスタ間の読みかえ(レジスタ間対応表)も必要であった。
【0012】
このため、複数のPLCで構成された二重化PLCの場合でも、プログラマブル表示器より直接PLC内部のレジスタを表示、操作に使用でき、プログラマブル表示器の内部レジスタを使用せず、対シングルPLCと同様にPLC内部レジスタを直接使用するプログラマブル表示器のアプリケーションプログラムを作成することが望まれていた。
【0013】
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、プログラマブル表示器が複数のPLCに接続されている場合において、稼動系のPLCが切り替わったときに稼動系のPLCを監視・操作することができるプログラマブル表示器の監視操作方法、監視操作プログラムおよびプログラマブル表示器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明のプログラマブル表示器の監視操作方法は、第1のPLC(例えば、A系PLC20A)および第2のPLC(例えば、B系PLC20B)を有する二重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器(10)の監視操作方法であって、
プログラマブル表示器は、第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、第2のPLCと関連付けられた第2の局番とが局番管理情報(例えば、局番テーブル121)として記憶部に登録されており、
プログラマブル表示器に配置された各表示操作部品の参照先の局番には、稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは稼動系のPLCに操作指令を送信するための設定として第1の局番が設定されており、
プログラマブル表示器は、各PLCから受信した各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて稼動状態を監視し、待機系のPLCが稼動したと判定したとき、各表示操作部品に設定されている参照先の局番を第2の局番に書き替えをし、書き替え後プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プログラマブル表示器が複数のPLCに接続されている場合において、稼動系のPLCが切り替わったときに稼動系のPLCを監視・操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プログラマブル表示器と二重化PLCを含む上下水プラント監視制御システムを示す構成図である。
【図2】プログラマブル表示器および二重化PLCの機能を示すブロック図である。
【図3】稼動系が切り替わる時(スイッチオーバー時)の動作を示す説明図である。
【図4】比較例である、稼動系のPLCを監視制御するための内部レジスタの説明とその処理方法を示す説明図である。
【図5】本実施形態の稼動系のPLCを監視制御するためのPLCの内部レジスタの定義方法とその処理方法を示す説明図である。
【図6】参照先局番切替処理を示すフローチャートである。
【図7】二重化PLCの稼動/待機の状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。
【図8】プログラマブル表示器および三重化PLCの機能を示すブロック図である。
【図9】三重化PLCの状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。
【図10】三重化PLCの場合の参照先局番切替処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。プログラマブル表示器のアプリケーションプログラム作成の際に、プログラマブル表示器とシングルPLC(図示せず)のイーサネット接続の場合、1:1接続のため、直接PLCの内部レジスタを指定しており、プログラマブル表示器内の内部レジスタを使用する必要がない。本実施形態では、プログラマブル表示器と複数のPLCで構成される二重化PLCのイーサネット接続の場合においても、直接PLCの内部レジスタを指定することができる方法について、図1および図2を参照して説明する。
【0018】
<実施形態1>
図1は、プログラマブル表示器と二重化PLCを含む上下水プラント監視制御システムを示す構成図である。上下水プラント監視制御システムは、プログラマブル表示器10、二重化PLC20、入出力装置(I/O)4、上下水プラント5から構成されており、上下水プラント監視制御システムの管理者は、プログラマブル表示器10を用いて、上下水プラント5の情報について入出力装置4、二重化PLC20を介して監視・操作(制御)することができる。
【0019】
プログラマブル表示器10は、監視・操作するための表示・操作部14を有し、イーサネットI/F(インターフェイス)15を介して、イーサネットN1(イーサネットのネットワーク)に接続されている。
【0020】
二重化PLC20は、A系PLC20A(第1のPLC)と、B系PLC20B(第2のPLC)とから構成されている。A系PLC20Aは、プロセッサ21A、イーサネットI/F25A、二重化I/F26Aを有する。また、B系PLC20Bは、プロセッサ21B、イーサネットI/F25B、二重化I/F26Bを有する。
【0021】
A系PLC20Aは、イーサネットI/F25Aを介してイーサネットN1に接続されており、二重化I/F26Aを介して、FLネットN3(FLネットのネットワーク)に接続されている。B系PLC20Bは、イーサネットI/F25Bを介してイーサネットN1に接続されており、二重化I/F26Bを介して、FLネットN3に接続されている。なお、FLネットとは、FA(Factory Automation)用制御ネットワークであり、伝送プロトコルとしてUDP(User Datagram Protocol)/IPおよびFAリンクプロトコルが使用される。
【0022】
ここで、A系PLC20Aとは、両PLCが正常な場合、稼動系のPLCとなるものをいう。一方、B系PLC20Bとは、両PLCが正常な場合、待機系のPLCとなり、A系PLC20Aが異常になると、稼動系のPLCなるものをいう。但し、この逆の運用も可能なものとする。
【0023】
図2は、プログラマブル表示器および二重化PLCの機能を示すブロック図である。本実施形態の特徴であるプログラマブル表示器のプログラムを作成する際のPLCの内部レジスタの指定方法の概要についても説明する。
【0024】
プログラマブル表示器10のプロセッサ11は、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12および内部レジスタ13を有している。アプリケーションプログラム12は、後記する稼動系のPLC、待機系のPLCを識別するための局番とIPアドレスを関連付けした局番テーブル121(局番管理情報)(図5参照)、プログラマブル表示器10の参照先である参照先局番切替処理をする参照先局番切替処理部122(図6参照)を有している。なお、局番の詳細については後記する。また、局番テーブル121は、プロセッサ11内に記憶しているが、図示しないメモリ(記憶部)に記憶しておき、必要に応じてプロセッサ11にロードしてもよい。
【0025】
A系PLC20Aのプロセッサ21Aは、アプリケーションプログラム22Aおよび内部レジスタ23Aを有している。同様に、B系PLC20Bのプロセッサ21Bは、アプリケーションプログラム22Bおよび内部レジスタ23Bを有している。
【0026】
ここで作成するプログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12、PLC用のアプリケーションプログラム22A,22Bは、パソコン(パーソナルコンピュータ)30のプロセッサ31により実行されるプログラミングツール32を使用して作成し、イーサネットN1経由でローディングされる。なお、アプリケーションプログラム12、PLC用のアプリケーションプログラム22A,22Bは、プログラマブル表示器10および各PLCのメモリ(図示せず)に記憶し、必要に応じてロードして、プロセッサ11,21A,22Bで実行してもよいことは言うまでもない。
【0027】
図2において、A系PLC20A、B系PLC20B、プログラマブル表示器10には、それぞれを識別するためのIPアドレスが割り付けられている。A系PLC20AのIPアドレスを「0」(通常IPアドレスは、ドット付き十進表記で表記されるが、図中では、IPアドレス0と表記している。)とし、B系PLC20BのIPアドレスを「1」とし、プログラマブル表示器10のIPアドレスを「2」とし、イーサネットN1のネットワークを構成する。またPLCの内部データの一致化を行うために、FLネットN3を介して、稼動系のPLCから待機系のPLCへ内部データを転送している。
【0028】
また、プログラマブル表示器10の局番テーブル121において、A系PLC20Aは局番0(第1の局番)と関連づけられており、B系PLC20Bは局番1(第2の局番)と関連づけられている。また、プログラマブル表示器10は局番2と関連づけられている。
【0029】
本実施形態では、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12を作成する際、表示・操作部14に使用する表示部品、操作部品、設定部品には、プログラマブル表示器10の内部レジスタ13でなく、例えば、A系PLC20A、つまり局番0のPLCの内部レジスタ23Aを直接指定することができる。
【0030】
すなわち、二重化PLC20を1台のプログラマブル表示器10で監視、操作(制御)する場合、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理でどちらのPLCが稼動系か判断し、その情報を表示・操作部14で使用するが、このアプリケーションプログラム12を作成する際に、プログラマブル表示器10の内部レジスタ13の参照でなくPLCの内部レジスタ23Aまたは内部レジスタ23Bを参照するようにする。
【0031】
内部レジスタの指定方法の例について図1を参照して説明する。符号40には、プログラマブル表示器10の内部レジスタ13の例が示されている。一方、符号41には、A系PLC20Aの内部レジスタ23AおよびB系PLC20Bの内部レジスタ23Bの例が示されている。部品への監視、操作用レジスタの設定には、符号42に示すように、従来はプログラマブル表示器10の内部レジスタ13を参照していた。これに対し、本実施形態では、符号43に示すように、A系PLC20Aの内部レジスタ23AおよびB系PLC20Bの内部レジスタ23Bを直接参照できるようにしている。A系PLC20Aの内部レジスタ23AおよびB系PLC20Bの内部レジスタ23Bの識別は、局番によってなされる。
【0032】
本実施形態では、稼動系であるA系PLC20Aが異常になると、待機系のB系PLC20Bが稼動系となるため、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理で、全ての、表示・操作部14の表示部品、操作部品、設定部品のリンク先をB系PLC20Bに切り替える。切り替え方法は、前記で示した局番0(イーサネットI/F25Aが記憶)でPLCの内部レジスタを直接指定していたものを、全て局番1(イーサネットI/F25B)に書き替えることができる。
【0033】
図3は、稼動系が切り替わる時(スイッチオーバー時)の動作を示す説明図である。A系PLC20Aが稼動系のとき故障するとB系PLC20Bに稼動系がスイッチオーバする。プログラマブル表示器10は、A系PLC20Aが稼動系であったため、A系PLC20Aを監視制御していたが、稼動系がB系PLC20Bにスイッチオーバしたことを判断し監視制御対象を、B系PLC20Bに切り替える。このスイッチオーバの際のプログラマブル表示器10の内部処理(マクロ処理)の内容を、図4(比較例)および図5(本実施形態)を参照して説明する。
【0034】
図4は、比較例である、稼動系のPLCを監視制御するための内部レジスタの説明とその処理方法を示す説明図である。図2を適宜参照する。比較例の場合、稼動系のPLCの内部レジスタ(内部レジスタ23Aもしくは内部レジスタ23B)を判断し、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理を使用し、稼動系のPLCの内部レジスタとプログラマブル表示器10の内部レジスタ13との間でデータの転写処理を行い、監視制御を実現していた。このため、アプリケーションプログラム12の作成者は、PLCの内部レジスタ23A,23Bとプログラマブル表示器10の内部レジスタ13との間の対応表13Rを作成し、レジスタの割付を意識する必要があった。
【0035】
図5は、本実施形態の稼動系のPLCを監視制御するためのPLCの内部レジスタの定義方法とその処理方法を示す説明図である。本実施形態では、局番テーブル121において、A系PLC20Aを局番0、B系PLC20Bを局番1、プログラマブル表示器10を局番2として定義し、アプリケーションプログラム12を作成する。プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のマクロ処理において、PLCの稼動状況を判断し、参照先局番切替処理(図6参照、具体的には、局番0→1、局番1→0)を行う。
【0036】
本実施形態では、アプリケーションプログラム12のマクロ処理は、稼動系のPLCの状態を監視制御している。また、プログラマブル表示器10の表示操作部品毎にPLCの内部レジスタ23A,23Bの情報(符号80A1、符号80A2または符号80B1、符号80B2参照)を直接設定することが可能である。プログラマブル表示器10が対二重化PLC接続において、対シングルPLC接続と同様に、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12を作成することができる。また、このことにより、レジスタの対応表13Rも不要となりアプリケーションプログラム作成者の負担を減らすこともできる。さらに、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12の作成段階で稼動系と逆の局番を参照する(符号83、符号84)ことで待機系のPLCのレジスタ情報も監視可能とした。
【0037】
次に、参照先局番切替処理について説明する。
図6は、参照先局番切替処理を示すフローチャートである。図6(a)は、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のローディング後のイニシャル処理S1を示し、図6(b)は、所定時間毎(例えば、1秒周期)の定周期処理を示す。なお、本実施形態では、アプリケーションプログラム12のローディング直後は、プログラマブル表示器10に配置された各表示操作部品の参照先局番を0(A系PLCが稼動系)として説明する。
【0038】
プロセッサ11は、図6(a)に示すイニシャル処理S1を実行すると(ステップS11)、イニシャル値として現状の局番をワークデータに設定し(ステップS12)、処理を終了する。具体的には、稼動系のPLCであるA系PLC20Aの局番0がワークW1に設定され、待機系のPLCであるB系PLC20Bの局番1がワークW2に設定される。なお、ワークには、内部レジスタ13の一時記憶領域を使用するとよい。
【0039】
プロセッサ11は、図6(b)に示す定周期処理を開始すると(ステップS21)、例えば1秒周期毎にステップS22からステップS27の処理をする。プロセッサ11は、A系PLC20AのRUN(稼動)またはSTOP(停止)のステ−タス情報をワークW11へ設定し(ステップS22)、B系PLC20BのRUNまたはSTOPのステ−タス情報をワークW12へ設定する(ステップS23)。そして、プロセッサ11は、ワークW11,W12より「待機系のPLCが稼動したか?」の条件を判定し(ステップS24)、待機系のPLCが稼動したと判定した場合(ステップS24,Yes)、ワークW1とワークW2の値の入替えを実施する(ステップS25)。
【0040】
プロセッサ11は、プログラマブル表示器81の表示操作部品毎の参照先の局番について切り替え処理を実行する(ステップS26)。具体的には、プログラマブル表示器81の表示操作部品毎の参照先の局番をワークW1の値として切り替え(書き替え)する。そして、プログラマブル表示器10の表示・操作部14の画面にリセットを実行し(ステップS27)、処理を終了する。プロセッサ11は、ステップS27において、プログラマブル表示器10のリセット要求があると、図6(a)に示すイニシャル処理S1を実行し(ステップS11)、現在の局番をワークデータに設定する(ステップS12)。具体的には、稼動系PLCの局番1がワークW1に、待機系PLCの局番0がワークW2に設定される。
【0041】
ステップS24において、待機系のPLCが稼動したと判定しない場合(ステップS24,No)、処理を終了する。
【0042】
なお、イニシャル処理S1において、局番を読み込みワークデータに設定する処理を行うことにより、定周期処理では局番を毎回読み出す必要がないので、プロセッサ11の処理負担を軽減する方法を採用している。
【0043】
本実施形態では、プログラマブル表示器81の表示操作部品毎の参照先の局番を入れ替えることで常に稼動系のPLCの局番を参照するようになる。さらに、ここで逆の局番を参照すれば、それが待機系のPLCということになる。
【0044】
図7は、二重化PLCの稼動/待機の状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。A系PLC20Aの稼動/待機の状態とB系PLC20Bの稼動/待機の状態により、4つの組合せがある。図6に示した参照先局番切替処理は、ハードウェア回路上、稼動系は必ず一方のみでありA系PLC20A、B系PLC20Bが同時に稼動系(符号71参照)となることは無いため、本参照先局番切替処理が成立する。通常は一方が稼動系でもう一方が待機系(符号72もしくは符号73参照)の状態であり、符号72の場合、参照先局番は1であり、符号73の場合、参照先局番は0となる。両系が故障などで、両系待機系の場合(符号74参照)は、局番の書き替えは行われず、前回値保持となる。なお、待機の状態には、故障の状態も含んでいる。
【0045】
以上述べたように、本実施形態によれば、二重化されたPLCをプログラマブル表示器10で監視制御するアプリケーションプログラム12を作成する場合、稼動系のPLCを自動的に判断し局番を利用しこの局番の参照先を切り換えることで常に稼動系のPLCの監視制御が行えるようになる。また、局番を利用したことでPLCの内部レジスタ(例えば、内部レジスタ23A,23B)をプログラマブル表示器10で直接設定することができるようになる。つまり、シングルPLCと接続し監視制御する場合と同様のアプリケーションプログラムの作成方法でよいこととなり、プログラムの作成者はシングルPLCであるか、二重化されたPLCであるか意識することなくアプリケーションプログラムを作成することができるという利点がある。さらに、待機系のPLCの状態監視も稼動系と逆の局番を指定すれば良いこととなり、稼動系のPLC経由でなく、待機系のPLCを直接的にプログラマブル表示器10で状態監視を行うことができる。
【0046】
具体的には、本実施形態の二重化PLC20は、A系PLC20A、B系PLC20Bで構成され、各PLCには稼動系のPLC局番0、待機系のPLCの局番1を設定する。稼動系のPLCのみの情報を監視表示し、また稼動系のPLCのみに制御指令を送信するために、プログラマブル表示器10の各々の表示操作部品に稼動系のPLCである参照先の局番0を設定する。プログラマブル表示器10は、各PLCのRUN(稼動)、STOP(停止)のステ−タス情報を所定周期で監視を行う。B系PLC20Bが待機系から稼動系に切り替わったときに、プログラマブル表示器10が稼動系のPLCが切り替わったと判断し、参照先の局番を書き替え(0→1)、稼動系のみの監視操作を続行する。これにより、上下水プラント監視操作用のプログラマブル表示器10と二重化PLC20のイーサネット接続において、対シングルPLC接続と同等のプログラマブル表示器のアプリケーションプログラムを使用し、自動的に稼動系のPLCの情報を表示、操作可能とすることができる。
【0047】
<実施形態2>
実施形態1においてプログラマブル表示器10を二重化PLCに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。実施形態2において、プログラマブル表示器10を三重化PLCに適用した場合について説明する。
【0048】
図8は、プログラマブル表示器および三重化PLCの機能を示すブロック図である。3重化PLCは、A系PLC20A(PLC1)、B系PLC20B(PLC2)、C系PLC20C(PLC3)から構成されている。図8において、図2に記載の同一構成品については同一番号を付しており、説明は省略する。図8を参照して、上下水プラント監視制御システムとして現実的である3台のPLCの同時RUN方式で3台のデータ一致化を行わないシステムを考え、参照する優先順位をPLC1、PLC2、PLC3とする。
【0049】
このとき、PLC1が正常にRUN(稼動)していれば、PLC1を参照、PLC1が故障で、PLC2が正常RUNであればPLC2を参照、同様に、PLC2も故障であれば、PLC3の正常RUNを判断しPLC3を参照する(組み合わせは図9参照)というように、切換えを行い、冗長性を確保するシステムを考えたときにも、実施形態1で示した参照先局番処理は有効である。
【0050】
図9は、三重化PLCの状態の組み合わせとそのときの参照先局番の関係を示す説明図である。PLC1が正常にRUNの場合、参照先局番は0であり、PLC1が故障し、かつPLC2が正常にRUNの場合、参照先局番は1である。PLC1およびPLC2が故障し、PLC3が正常にRUNの場合、参照先局番は2である。なお、PLC1、PLC2およびPLC3ともに故障の場合、参照先局番は、前回値を保持する設定となる。
【0051】
図10は、三重化PLCの場合の参照先局番切替処理を示すフローチャートである。図10(a)は、プログラマブル表示器10のアプリケーションプログラム12のローディング後のイニシャル処理S2を示し、図10(b)は、局番0のPLCが故障した場合の故障処理を示す。なお、アプリケーションプログラム12をローディング直後は、参照先局番は0(PLC1に対応)として説明する。
【0052】
プロセッサ11は、図10(a)に示すイニシャル処理S2を実行すると(ステップS41)、イニシャル値として各PLCに局番を設定し(ステップS42)、処理を終了する。具体的には、PLC1の局番を0に設定され、PLC2の局番が1に設定され、PLC3の局番が2に設定される。
【0053】
プロセッサ11は、局番0のPLCが故障であると判定すると図10(b)に示す故障処理を開始する(ステップS51)。プロセッサ11は、局番1(優先度が2番)のPLCがRUNであるか否かを判定し(ステップS52)、RUNである場合(ステップS52、Yes)、局番0と局番1を入換え(ステップS57)、局番書替処理を実行し(ステップS55)、最後にプログラマブル表示器10のリセットを実行し(ステップS56)、処理を終了する。
【0054】
ステップS52において、プロセッサ11は、局番1のPLCがRUNでない場合(ステップS52,No)、局番2(優先順位が3番)のPLCがRUNであるか否かを判定し(ステップS53)、RUNである場合(ステップS53、Yes)、局番0と局番2を入替え(ステップS54)、ステップS55に進む。ステップS53において、局番2(優先順位が3番)のPLCがRUNでない場合(ステップS53、No)、処理を終了する。
【0055】
実施形態2においては、局番書替処理の適用はPLCの故障時を想定しているが、オペレータ判断による手動切り換え時にも本局番書替処理は有効である。
【0056】
本実施形態では、上下水プラント制御システムとして説明したが、これに限定されるものではない。プログラマブル表示器と二重化PLCまたは三重化PLCを含む構成である制御システムであれば、搬送系制御システムなど各種制御システムに適用できる。
【符号の説明】
【0057】
4 入出力装置(I/O)
5 上下水プラント
10 プログラマブル表示器
11 プロセッサ
12 アプリケーションプログラム(マクロ処理)
13 内部レジスタ
14 表示・操作部
15 イーサネットI/F
20 二重化PLC
20A A系PLC(第1のPLC)
20B B系PLC(第2のPLC)
21A,21B プロセッサ
22A,22B アプリケーションプログラム(ラダー)
23A,23B 内部レジスタ
25A,25B イーサネットI/F
26A,26B 二重化I/F
121 局番テーブル(局番管理情報)
122 参照先局番書替処理部
N1 イーサネット(イーサネットのネットワーク)
N3 FLネット(FLネットのネットワーク)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のPLCおよび第2のPLCを有する二重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器の監視操作方法であって、
前記プログラマブル表示器は、
前記第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、前記第2のPLCと関連付けられた第2の局番とが局番管理情報として記憶部に登録されており、
前記プログラマブル表示器に配置された各表示操作部品の参照先の局番には、稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは該稼動系のPLCに操作指令を送信するための設定として前記第1の局番が設定されており、
前記プログラマブル表示器は、
前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて稼動状態を監視し、待機系のPLCが稼動したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている前記参照先の局番を前記第2の局番に書き替えをし、
前記書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する
ことを特徴とするプログラマブル表示器の監視操作方法。
【請求項2】
前記プログラマブル表示器は、
前記プログラム表示器のリセット後、前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて稼動状態を監視し、前記待機系のPLCが稼動したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている前記参照先の局番を前記第1の局番に書き替えをし、
前記第1の局番への書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル表示器の監視操作方法。
【請求項3】
前記プログラマブル表示器は、
前記稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは前記稼動系のPLCに操作指令を送信するための設定のためのアドレスとして、前記各PLCの内部レジスタのアドレスを指定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル表示器による監視操作方法。
【請求項4】
第1のPLC、第2のPLCおよび第3のPLCを有する三重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器の監視操作方法であって、
前記プログラマブル表示器は、
前記第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、前記第2のPLCと関連付けられた第2の局番と、前記第3のPLCと関連付けられた第3の局番が記憶部に登録されており、
前記プログラマブル表示器に配置された各表示操作部品の参照先の局番には、前記第1のPLCの情報を監視表示するためまたは前記第1のPLCに操作指令を送信するための設定として前記第1の局番が対応づけられて設定されており、
前記プログラマブル表示器は、
前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて前記各PLCの稼動状態を監視し、前記第1のPLCが停止したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている局番を前記第2の局番に書き替えをし、
前記第1のPLCおよび前記第2のPLCが停止したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている局番を前記第3の局番に書き替えをし、
前記書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する
ことを特徴とするプログラマブル表示器の監視操作方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器の監視操作方法をコンピュータに実行させるための監視操作プログラム。
【請求項6】
第1のPLCおよび第2のPLCを有する二重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器であって、
前記第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、前記第2のPLCと関連付けられた第2の局番とが局番管理情報として記憶される記憶部と、
稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは該稼動系のPLCに操作指令を送信するための参照先の局番の設定として前記第1の局番が設定された前記プログラマブル表示器に配置される各表示操作部品と、
前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて前記各PLCの状態を監視し、待機系のPLCが稼動したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている前記参照先の局番を前記第2の局番に書き替えをし、前記書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する参照先局番切替処理部とを有する
ことを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項1】
第1のPLCおよび第2のPLCを有する二重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器の監視操作方法であって、
前記プログラマブル表示器は、
前記第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、前記第2のPLCと関連付けられた第2の局番とが局番管理情報として記憶部に登録されており、
前記プログラマブル表示器に配置された各表示操作部品の参照先の局番には、稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは該稼動系のPLCに操作指令を送信するための設定として前記第1の局番が設定されており、
前記プログラマブル表示器は、
前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて稼動状態を監視し、待機系のPLCが稼動したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている前記参照先の局番を前記第2の局番に書き替えをし、
前記書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する
ことを特徴とするプログラマブル表示器の監視操作方法。
【請求項2】
前記プログラマブル表示器は、
前記プログラム表示器のリセット後、前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて稼動状態を監視し、前記待機系のPLCが稼動したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている前記参照先の局番を前記第1の局番に書き替えをし、
前記第1の局番への書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル表示器の監視操作方法。
【請求項3】
前記プログラマブル表示器は、
前記稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは前記稼動系のPLCに操作指令を送信するための設定のためのアドレスとして、前記各PLCの内部レジスタのアドレスを指定する
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラマブル表示器による監視操作方法。
【請求項4】
第1のPLC、第2のPLCおよび第3のPLCを有する三重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器の監視操作方法であって、
前記プログラマブル表示器は、
前記第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、前記第2のPLCと関連付けられた第2の局番と、前記第3のPLCと関連付けられた第3の局番が記憶部に登録されており、
前記プログラマブル表示器に配置された各表示操作部品の参照先の局番には、前記第1のPLCの情報を監視表示するためまたは前記第1のPLCに操作指令を送信するための設定として前記第1の局番が対応づけられて設定されており、
前記プログラマブル表示器は、
前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて前記各PLCの稼動状態を監視し、前記第1のPLCが停止したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている局番を前記第2の局番に書き替えをし、
前記第1のPLCおよび前記第2のPLCが停止したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている局番を前記第3の局番に書き替えをし、
前記書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する
ことを特徴とするプログラマブル表示器の監視操作方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器の監視操作方法をコンピュータに実行させるための監視操作プログラム。
【請求項6】
第1のPLCおよび第2のPLCを有する二重化PLCにネットワークを介して接続される、プログラマブル表示器であって、
前記第1のPLCと関連付けられた第1の局番と、前記第2のPLCと関連付けられた第2の局番とが局番管理情報として記憶される記憶部と、
稼動系のPLCの情報を監視表示するためまたは該稼動系のPLCに操作指令を送信するための参照先の局番の設定として前記第1の局番が設定された前記プログラマブル表示器に配置される各表示操作部品と、
前記各PLCから受信した前記各PLCの稼動または停止のステ−タス情報に基づいて前記各PLCの状態を監視し、待機系のPLCが稼動したと判定したとき、前記各表示操作部品に設定されている前記参照先の局番を前記第2の局番に書き替えをし、前記書き替え後前記プログラマブル表示器をリセットして監視操作を継続する参照先局番切替処理部とを有する
ことを特徴とするプログラマブル表示器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−227597(P2011−227597A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94729(P2010−94729)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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