説明

プロジェクタ装置

【課題】 プロジェクタ装置に大容量メモリが搭載されるようになると、大量の動画、静止画を記録するようになり、画像検索機能が必要になり、簡単に検索キー画像を指定する方法が必要になる。
【解決手段】 レーザーポインタ等の入力手段を用いると、検索キー画像をスクリーン上で指定することが出来るので、簡単に画像検索を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を投影、検索する機能を備えたプロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーン上に投影した画像にレーザーポインタ等の入力手段を用いて、指示し撮影手段を用いて、指示位置を検出する技術は、特開平9−62444にある。
【特許文献1】特開平9−62444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、プロジェクタ装置に大容量メモリ、ハードディスクが搭載されるようになると、プロジェクタ単体で使用されるようになる。また、大量の動画、静止画を記録するようになり、画像検索機能が必要になり、簡単に検索キー画像を指定する方法が必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るプロジェクタ装置に於いては、第1に映像信号をスクリーン上に投影するプロジェクタ投影手段と、スクリーン上の任意の位置を指し示す入力手段と、スクリーンの映像を取り込むための撮影手段と、スクリーン上にあるポインタの位置を検出するポインタ位置検出手段と、映像信号を出力する映像出力処理手段と、映像信号を生成する画像処理手段と、画像検索を行うための画像検索手段と、画像を記憶するための記憶手段と、システムを制御するシステム制御手段を有することを特徴とする。
【0005】
第2にスクリーン上の任意の位置を指し示す入力手段は、レーザーポインタ、指示棒、指先であることを特徴とする。
【0006】
第3にポインタ位置検出手段を用いて、ポインタ検出位置にプロジェクタ投影手段を通してスクリーン上へ軌跡を表示することを特徴とする。
【0007】
第4にポインタ位置検出手段を用いて、ポインタ軌跡を閉曲線として認識すると、閉曲線に囲まれた画像を切り取ることを特徴とする。
【0008】
第5に閉曲線に囲まれた画像を切り取った後、画像検索用の検索キー画像として、画像を記憶する手段に記録することを特徴とする。
【0009】
第6に画像を記憶する手段に記憶された検索キー画像を用いて、画像検索を行うことを特徴とする。
【0010】
第7に画像検索の結果を、請求項1のプロジェクタ投影手段を通してスクリーン上へ表示することを特徴とする。
【0011】
第8にポインタ位置検出手段は、あらかじめ登録されたポインタ軌跡を検出することを特徴とする。
【0012】
第9にあらかじめ登録されたポインタ軌跡を検出すると、ポインタ軌跡を消去して、ポインタ指定処理を初期化することを特徴とする。
【0013】
上記手段により、簡単に検索キー画像を指定することが可能となる。また、指定処理のキャンセルを簡単に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明から容易に理解できるように、本発明によれば、第1に、プロジェクタ装置において画像検索を行う場合、検索キー画像を簡単に指定することが可能となる。
【0015】
第2に、プロジェクタ装置あるいはスクリーンから離れた位置から検索キー画像の指定を行うことが可能となる。
【0016】
第3に、検索キー画像として、画像の切り出し領域を明確にすることが可能となる。
【0017】
第4に、検索キー画像としてポインタで領域を指定すると、自動的に画像を切り出すことが可能となる。
【0018】
第5に、検索キー画像としてポインタで領域を指定すると、自動的に記憶手段に検索キー画像を保存することが可能となる。
【0019】
第6に、プロジェクタ装置を用いて、画像検索を行うことが可能となる。
【0020】
第7に、プロジェクタ装置を用いて、画像検索結果を閲覧することが可能となる。
【0021】
第8に、あらかじめポインタ軌跡と動作を登録しておくことにより、ポインタだけでプロジェクタ装置の操作を行うことが可能となる。
【0022】
第9に、検索キー画像の切り出しのための、ポインタ指示入力を簡単にキャンセルすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例の構成を示す図である。
【0025】
図1において、30はプロジェクタ装置である。
【0026】
1はプロジェクタであり、4映像信号出力ブロックからの信号を3スクリーン上へ投影する。
【0027】
2はカメラであり、1プロジェクタ上の画像と10レーザーポインタの軌跡を撮影する。
【0028】
5はスクリーン上の10レーザーポインタの軌跡を検出する差分抽出ブロックである。レーザーポインタの軌跡を検出するために、4映像信号出力ブロックの出力信号と2カメラで撮影した画像信号の差分を抽出する。
【0029】
6はメモリであり、動画像、静止画像、プログラムコードを記憶する。
【0030】
7は画像検索エンジンであり、6メモリ、11メモリカード、12ハードディスク内の画像を検索する。また、検索結果を6メモリ、11メモリカード、12ハードディスクに保存する。
【0031】
8は30プロジェクタ装置を制御するCPUである。
【0032】
9は画像処理ブロックであり、5差分抽出ブロックで検出した差分を用いて、スクリーン上へポインタを表示するための処理を行う。あるいは、ポインタ軌跡を検出し、例えば平曲線を検出すると、曲線で囲まれた領域をスクリーンへの投影画像から切り取る処理を行う。
【0033】
図2は、本発明の実施例を説明する、プロジェクタ投影スクリーンの概念図である。
【0034】
100はプロジェクタで映像を投影するためのスクリーンである。
【0035】
101はプロジェクタの投影映像であり、例えば、プロジェクタ内の11メモリカード内に保存されている画像を再生している。この画像の任意の部分を切り取り、検索キー画像とすることが可能である。
【0036】
102は10レーザーポインタの軌跡を表示している。
【0037】
103は10レーザーポインタの指し示す位置である。
【0038】
104は画像検索結果画像である。104検索結果画像を拡大再生したい場合は、10レーザーポインタで目的の画像の上で、円を描いて選択することも可能である。
【0039】
105は検索キー画像である。この画像を用いて、画像検索を行う。図2では、105検索キー画像は切り取り時に四角形に補正されている。
【0040】
102のポインタ軌跡は、103のレーザーポインタの指し示す位置を2カメラで取り込み、9画像処理ブロックで投影画像に重ね合わせ、1プロジェクタを通して2スクリーンに投影している。
【0041】
10レーザーポインタの代わりに、例えば、指示棒、指先の動きを2カメラで取り込み、ポインタ軌跡としてスクリーン上に投影することも可能である。
【0042】
10レーザーポインタの出力光の軌跡は、円、四角形であって、その大きさを自由に変えることが出来るようなものでも構わない。例えば、円の大きさを変えて、投影画像の任意の場所から10レーザーポインタの円で検索キー画像を指定して切り出すことが可能となる。
【0043】
図3は、本発明の実施例1を説明するフローチャートである。実施例1は、スクリーン上に投影している画像から、ポインタで検索キー画像を指定し、画像から切り取り、メモリへ記録するシステムの説明である。
【0044】
S1は画像検索サブルーチンの開始である。
【0045】
S2はポインタ指示であり、2スクリーン上の10レーザーポインタからのポインタ位置を5差分抽出手段で検出する処理である。
【0046】
S3はS2におけるポインタ指示の軌跡が交点を持った場合、S4へ分岐する処理である。軌跡が交点を持たない場合は、S2へ分岐し検索キー画像の切り取るための10レーザーポインタによる領域指定を継続する。
【0047】
S4は軌跡を閉曲線としてスクリーン投影画像から閉曲線内の画像を切り取る処理である。切り取った画像は、105検索キー画像となる。
【0048】
S5はS4でスクリーン投影画像から切り出した105検索キー画像を6メモリ、11メモリカード、12ハードディスク装置へ記録する。
【0049】
S6は画像検索処理で、S4で切り出した105検索キー画像を用いて、6メモリ、11メモリカード、12ハードディスク装置へ記録されている画像のなかから、目的の画像を検索する。
【0050】
S7は検索結果の表示である。表示は、1プロジェクタを通して、2スクリーン上へ投影される。
【0051】
S8は検索結果の保存処理であり、6メモリ、11メモリカード、12ハードディスク装置へ記録する。
【0052】
S9は検索キー画像指定サブルーチンの終了である。
【0053】
スクリーン上に投影されている画像は、静止画像でなくても良い。例えば、動画の場合は一時停止で画像を静止させ、検索キー画像を切り取ることも可能である。また、検索対象の画像は、動画も可能である。
【0054】
S4のキー画像の切り取り後に、例えば、USBインターフェースを用いてパソコンに転送することも可能である。また、パソコンからプロジェクタ投影画像を入力し、その画像を切り取ることも可能である。
【0055】
S7の検索結果の表示において、104結果画像の中から絞込みを行う場合、104結果画像の切り出したい部分を10レーザーポインタで囲み、検索キー画像を生成することも可能である。
【0056】
S7の画像表示において、3スクリーン上の104結果画像の上で、10レーザーポインタを用いて例えば、円を描くことにより、104結果画像を拡大再生することが出来る。
【0057】
S8の検索結果の保存において、3スクリーン上の104結果画像の上で、10レーザーポインタを用いて、例えば、円を描くことにより、104結果画像を選択して6メモリ、11メモリカード、12ハードディスク装置へ保存することが出来る。上記の機能により、結果画像の中から、自分の必要なものだけを選択して保存することが出来る。
【0058】
図4は実施例2を説明するための概念図である。実施例2は、検索キー画像指定の取り消し処理に関する。
【0059】
200はプロジェクタ投影スクリーンである。
【0060】
201は1プロジェクタの投影画像である。
【0061】
202は検索キー画像を切り出すために、10レーザーポインタで指定したポインタ軌跡である。
【0062】
203は10レーザーポインタで200スクリーン上へ特徴的な軌跡を描いた軌跡である。例えば、ポインタで何度もほぼ同じ場所に線を描くと、今まで10レーザーポインタで指定したポインタ軌跡が初期化され、最初から指定し直すことが可能になる。
【0063】
図5は実施例2を説明するためのフローチャートである。
【0064】
S100はキー画像の指定サブルーチンの開始である。
【0065】
S101はポインタ指示であり、2スクリーン上の10レーザーポインタからのポインタ位置を5差分抽出手段で検出する処理である。
【0066】
S102はS101におけるポインタ指示の軌跡が、検索キー画像領域指定を取り消す指示を示す軌跡(例えば、何度も線を重ねた軌跡、バツ印を描いた軌跡)ならば、S103へ分岐し、ポインタ指示を初期化する。
【0067】
S104はS101におけるポインタ指示の軌跡が交点を持った場合、S105へ分岐する処理である。軌跡が交点を持たない場合は、S101へ分岐し検索キー画像の切り取るための10レーザーポインタによる領域指定を継続する。
【0068】
S105は軌跡を閉曲線としてスクリーン投影画像から閉曲線内の画像を切り取る処理である。
【0069】
S106はS4でスクリーン投影画像から切り出した検索キー画像を6メモリ、11メモリカード、12ハードディスク装置へ記録する。
【0070】
S107はキー画像指定サブルーチンの終了である。
【0071】
S102のポインタの指定領域を取り消す処理により、検索キー画像の取り消し処理を例えば10レーザーポインタを用いて簡単に行うことが可能となる。
【0072】
S106で切り出した検索キー画像を用いて、実施例1のS6、S7、S8を用いて画像検索を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】プロジェクタ装置の構成図。
【図2】実施例1の概念図。
【図3】実施例1のフローチャート。
【図4】実施例2の概念図。
【図5】実施例2のフローチャート。
【符号の説明】
【0074】
1 プロジェクタ
2 カメラ
3 スクリーン
4 映像信号出力ブロック
5 差分抽出ブロック
6 メモリ
7 画像検索エンジン
8 CPU
9 画像処理ブロック
10 レーザーポインタ
11 メモリカード
12 ハードディスク装置
30 プロジェクタ装置
100 プロジェクタ投影スクリーン
101 投影画像
102 10レーザーポインタの軌跡
103 10レーザーポインタの指し示す点
104 画像検索結果画像
105 検索キー画像
200 プロジェクタ投影スクリーン
201 投影画像
202 10レーザーポインタで指定したポインタ軌跡
203 10レーザーポインタで描いた特徴的な軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号をスクリーン上に投影するプロジェクタ投影手段と、スクリーン上の任意の位置を指し示す入力手段と、スクリーンの映像を取り込むための撮影手段と、スクリーン上にあるポインタの位置を検出するポインタ位置検出手段と、映像信号を出力する映像出力処理手段と、映像信号を生成する画像処理手段と、画像検索を行うための画像検索手段と、画像を記憶するための記憶手段と、システムを制御するシステム制御手段を有することを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項2】
請求項1のスクリーン上の任意の位置を指し示す入力手段は、レーザーポインタ、指示棒、指先であることを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項3】
請求項1のポインタ位置検出手段を用いて、ポインタ検出位置にプロジェクタ投影手段を通してスクリーン上へ軌跡を表示することを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項4】
請求項1のポインタ位置検出手段を用いて、ポインタ軌跡を閉曲線として認識すると、閉曲線に囲まれた画像を切り取ることを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項5】
請求項4で閉曲線に囲まれた画像を切り取った後、画像検索用の検索キー画像として、請求項1の画像を記憶する手段に記録することを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項6】
請求項1の画像を記憶する手段に記憶された検索キー画像を用いて、画像検索を行うことを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項7】
請求項6の画像検索の結果を、請求項1のプロジェクタ投影手段を通してスクリーン上へ表示することを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項8】
請求項1のポインタ位置検出手段は、あらかじめ登録されたポインタ軌跡を検出することを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項9】
請求項8のあらかじめ登録されたポインタ軌跡を検出すると、請求項4のポインタ軌跡を消去して、ポインタ指定処理を初期化することを特徴とするプロジェクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−72891(P2007−72891A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260984(P2005−260984)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】