説明

ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法

【課題】アスペクト比の高いサブミクロンサイズのエミッタ電極パタンを線幅制御性良く形成することを可能とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を提供すること。
【解決手段】エミッタコンタクト層6上にTi層(図示せず)、エッチングストッパー用のW層7、Au層8、エッチングマスク用W層9、フォトレジストパタン10を形成し、フォトレジストパタン10をマスクとしてエッチングマスク用W層9を選択的に除去することによってWパタン9とし、Wパタン9をマスクとして、Au層8を、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチング法により選択的に除去し、Wパタン9をマスクとして、エッチングストッパー用のW層7、Ti層を選択的に除去することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
InP系ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)の動作速度向上には、素子を薄層化し、電流駆動力の増加とキャリア走行時間の短縮を図る必要がある。加えて、素子の微細化を行い、薄層化に伴う寄生容量の増加を回避する必要もある。素子の微細化で最も重要になるのは電極の微細加工である。電極微細加工法として、生産性・面内均一性・異方性に優れたドライエッチング法が効果的である。一般的に、InP系HBTの電極材料として用いられているAu系材料のドライエッチングにはアルゴンガスを用いたイオンミリング法が多く用いられる。
【0003】
イオンミリング法を用いたAuの電極形成工程について図3を用いて説明する。最初に、図3の(a)に示したように、Auを用いた電極層(Au層22)を半導体層21上に形成し、この電極層上に、フォトレジストパタン23を形成する。次に、図3の(b)に示したように、このフォトレジストパタン23をマスクにし、アルゴンガスを用いたイオンミリングを用いて、Au系材料(ここではAuとする)を選択的に除去する。その後、図3の(c)に示したように、フォトレジストパタン23を除去することにより、Au電極パタン(Au層22)を得ることができる。
【0004】
しかしながら、上記の電極形成方法では、フォトレジストパタン23をマスクとしてAu系材料を物理的なスパッタ効果でエッチングするために、イオンミリングにより飛散したAu粒子が、図3の(b)に示したように、フォトレジストパタン23の側壁に付着してしまう。このため、フォトレジストパタン23が除去されると、フォトレジストパタン23に付着したAu粒子が、図3の(c)に示したように、バリとなって残存する。フォトレジストパタンの厚さが 1.4μmであれば、バリの高さも 1.4μm程度となり、層間絶縁膜を形成してもそれを突き抜け、本来接触すべきでない上側の配線と接触し、リークが発生してしまう。
【0005】
この問題に対して、バリの発生を抑制したTiマスクを用いる技術が提案されている。例えば、下記特許文献1に示された金属層の加工法では、フォトレジストの代わりにTi膜を用いる。フォトレジストのエッチングレートはAuのエッチングレートと同等であるが、TiのエッチングレートはAuのエッチングレートに比べて1/7と小さいため、0.7μm厚のAu層を加工する場合、Ti層の厚みは 0.2μmあれば十分である。Au層加工後のTi層厚は 0.1μm程度となり、バリの発生を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−013409号公報
【特許文献2】特開平5−275443号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】W. Hafez et al., Appl. Phys. Lett., 87, 252109 (2005).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年InP系HBTの動作速度向上が著しく、遮断周波数が 500GHzを超える特性が報告されている(上記非特許文献1参照)。
【0009】
上記の特性を実現するためには、コレクタ層を 75nm厚に薄層化し、エミッタ電極幅を 0.25μmまで微細化する必要がある。
【0010】
しかしながら、図4に示すように、通常、エミッタ電極34と配線36はスルーホール内に埋め込まれた配線35を介して接続されるため、電極の微細化が進むほど、電極と配線間の接触抵抗が増加し、素子の高周波特性を劣化させてしまう。
【0011】
これを解決する手段として、エミッタ電極を選択的に露出させ、配線との接触面積を拡大させる方法がある。その工程は以下の通りである。素子形成後、図5に示したように、層間絶縁膜46を形成し、マスクを設けずにドライエッチングを行い、エミッタ電極44を十分露出させ、エミッタ電極44上に配線45を設けることでプロセスを完了する。
【0012】
上記の方法を用いれば、エミッタ電極と配線の接触面積を増加させ、電極の微細化に伴う接触抵抗増加を抑制できる。たとえば、エミッタ電極幅が 0.25μmの場合、エミッタ電極を高さ 0.3μm程度露出させた状態で配線を接続すれば、スルーホールで接続した場合に比べて接触面積を3倍以上、つまり接触抵抗を1/3以下にすることが可能である。ただし、このようなエミッタ電極の頭出しを実施する場合、エミッタ電極の露出部分がベース電極やコレクタ電極に比べて十分な高さを持つことが重要である。通常、エミッタ層の厚さは 0.1μm、ベース電極の厚さは 0.2μmである。また、配線との絶縁性を確保するためにベース電極上には少なくとも 0.3μm厚の層間絶縁膜が必要である。さらに、エミッタ電極は高さ 0.3μm以上の露出をさせる必要もある。以上のことを考慮すると、エミッタ電極全体の高さは 0.7μm以上必要である。
【0013】
Tiマスクを用いて、0.25μm幅のエミッタ電極パタンを形成する場合の断面図を図6に示す。Au層52の角の部分(Tiマスク53の端部と接する部分)は、垂直方向のアルゴンイオン54と水平方向のアルゴンイオン55が集中するため、角の部分以外の場所に比べ、AuとTiの横方向エッチングレートが2倍程度速い。0.7μm厚のAuをエッチングすると、Tiマスクのサイドエッチング量は片側 0.20μmとなり、Tiマスクが完全に消失してしまう。Tiマスクを残した状態でエッチングできるAu層の厚さは、厚くても 0.4μmが限界である。
【0014】
Tiマスクの他に、SiO膜やSiN膜などの絶縁膜をマスクに用いた方法も提案されている(例えば上記特許文献2参照)。しかしながら、Auに対するSiO膜やSiN膜のエッチングレートはせいぜい1/5程度であり、Tiマスクと同様にマスクのサイドエッチング量が大きい。例えば、0.7μm厚のAuをエッチングした場合、サイドエッチング量は片側 0.28μmであり、やはり 0.25μm幅マスクは消失してしまう。
【0015】
以上述べてきたように、従来の方法では、0.25μm幅でかつ厚さが 0.7μm以上の高アスペクト比のAu電極パタンを形成するのは困難であった。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、アスペクト比の高いサブミクロンサイズのエミッタ電極パタンを線幅制御性良く形成することを可能とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載のように、
ヘテロ接合バイポーラトランジスタを製造する方法において、エミッタコンタクト層上にコンタクト用の第1の金属層と、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングにより酸化物を形成する金属よりなる第2の金属層と、Auを主成分とする第3の金属層と、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングにより酸化物を形成する金属よりなる第4の金属層とを、この順序で形成する第1の工程と、前記第4の金属層上にフォトレジストパタンを形成し、該フォトレジストパタンをマスクとして反応性イオンエッチング法により前記第4の金属層を選択的に除去する第2の工程と、前記第2の工程後に、前記第4の金属層をマスクとして前記第3の金属層を、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチング法により選択的に除去する第3の工程と、前記第3の工程後に、前記第4の金属層をマスクとして前記第2及び第1の金属層を反応性イオンエッチング法により選択的に除去する第4の工程と、前記第4の工程後に、前記第2の金属層をマスクとして前記エミッタコンタクト層を選択的に除去する第5の工程とを有することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を構成する。
【0018】
また、本発明においては、請求項2に記載のように、
前記第2または第4の金属層が、WまたはMo、もしくは、Wを40重量%以上含有するTiW、WSi、WSiNまたはWNからなることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を構成する。
【0019】
また、本発明においては、請求項3に記載のように、
前記第3の金属層は、Auのみよりなる金属層、または、80重量%以上のAuを含み、Sn、Ge、Ni、PtまたはCuを例とする、Au以外の金属を含む金属層であることを特徴とする請求項1または2に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を構成する。
【0020】
また、本発明においては、請求項4に記載のように、
前記第3の工程において、前記反応性イオンエッチング法に用いる混合ガスはアルゴンと酸素との混合ガスであり、該混合ガス中の酸素の体積割合が8%以上75%以下であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を構成する。
【発明の効果】
【0021】
エッチングマスク及びエッチングストッパーに、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングにより酸化物を形成する金属であるWもしくはMoを用い、エッチング方法にアルゴンと酸素の混合ガスを用いた反応性イオンエッチング法を採用することで、Auに対するWもしくはMoのエッチングレートを飛躍的に低減することができる。これは、W及びMoの酸化膜がWやMoに比べてエッチングされにくい点を利用している。アルゴンガスに酸素を混合することにより、エッチング中にWもしくはMoを酸化させ、Auに対するWもしくはMoのエッチングレートを1/30以下にすることが可能である。
【0022】
この結果、従来作製が困難であったアスペクト比の高いサブミクロンサイズのエミッタ電極パタンを線幅制御性良く得ることができる。これにより、電極と配線における接続プロセスを容易にするとともに、電極と配線の接触面積を拡大し、接触抵抗増加を抑制できる。さらに、このエミッタ電極パタンをマスクにすることにより、サブミクロンのエミッタメサを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態例であるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を説明するための断面図である。
【図2】図1の続きである。
【図3】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を説明するための断面図である。
【図4】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を説明するための断面図である。
【図5】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を説明するための断面図である。
【図6】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1、図2は本発明の一実施の形態例による微細エミッタ電極パタン及びエミッタメサ形成方法を示す工程断面図である。
【0025】
まず、図1の(a)に示したように、半絶縁性InP基板1上に、InPからなるサブコレクタ層2、InGaAsからなるコレクタ層3、InGaAsからなるベース層4、InPからなるエミッタ層5、InGaAsからなるエミッタコンタクト層6を、この順序で成長し、ヘテロ接合バイポーラトランジスタとなる半導体層構造を構成し、
エミッタコンタクト層6の上に、第1の金属層であるTi層(図示せず)、第2の金属層である厚さ 100nmのエッチングストッパー用のW層7、第3の金属層である厚さ 700nmのAu層8、第4の金属層である厚さ 200nmのエッチングマスク用W層9を、この順序で、スパッタ法もしくは蒸着法により形成し、さらに、その上に、幅 0.25μmのフォトレジストパタン10を形成する。なお、エッチングマスク用W層9の厚さはAu層8とエッチングストッパー用のW層7をエッチングしても十分に残る厚さに設定されている。上記Ti層の形成からエッチングマスク用W層9の形成までの工程を第1の工程とする。
【0026】
次に、図1の(b)に示したように、フォトレジストパタン10をマスクとして、SFガスを用いた反応性イオンエッチング法により、エッチングマスク用W層9を選択的に除去することによって、エッチングマスク用W層9をマスクと同一の大きさのWパタン(同じく9で示す)とする。上記フォトレジストパタン10の形成からWパタン9の形成までの工程を第2の工程とする。
【0027】
次に、図1の(c)に示したように、Wパタン9をマスクとして、アルゴンと酸素の混合ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、Au層8を選択的に除去する。このエッチング工程を第3の工程とする。ここで、混合ガス中の酸素の割合は 50%(体積割合)とする。また、エッチング圧力は、Auに対するWのエッチングレートが 1/40以下になる 0.3Paとする。この時、Wのサイドエッチング量はせいぜい片側 0.02μm程度であり、線幅制御性良好なエッチングが可能であり、しかも、エッチング後にWのマスクは十分な厚さで残存する。なお、このエッチングにおいて、酸素ガスが使用されているため、フォトレジストパタン10は直ちにエッチングされ、Wパタン9が露出し、実質的にはWパタン9がエッチングのマスクとして機能する。
【0028】
次に、図1の(d)に示したように、Wパタン9をマスクとして、SFガスを用いた反応性イオンエッチング法により、エッチングストッパー用のW層7とエミッタコンタクトメタル用Ti層(図示せず)を選択的に除去する。このエッチング工程を第4の工程とする。ここで、Auはフッ素系のガスに対して化学的に安定であるため、このエッチングにより、Au層8がエッチングされることはない。このエッチング後、Wパタン9は、厚さ 100nm程度となって残存している。
【0029】
さらに、エッチングストッパー用のW層7をマスクとして、Clガスを用いた反応性イオンエッチング法により、エミッタコンタクト層6を、厚さで8割程度、選択的に除去する(この状態は図示せず)。このとき、エッチングストッパー用のW層7はInGaAsに対して10倍程度の選択比(エッチングレートが 1/10)を持つのでマスクとして十分機能する。
【0030】
次に、図2の(e)に示したように、反応性イオンエッチング後の残りのエミッタコンタクト層6を、エッチングストッパー用のW層7をマスクとするウェットエッチングにより選択的に除去する。このエミッタコンタクト層6の選択的除去工程を第5の工程とする。
【0031】
このように、自己整合によりエミッタメサを形成しているので、エミッタコンタクト抵抗が増加しないため、良好な高周波特性が期待できる。
【0032】
次に、図2の(f)に示したように、層構造上にSiN層11を堆積し、SiN層11とエミッタ層5を部分的に除去し、ベース電極12を形成し、さらに、ベース・コレクタメサを形成し、コレクタ電極13を形成し、素子間分離を行う。
【0033】
次に、BCBよりなる層間絶縁膜15を形成し、図2の(g)に示したように、CF系ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、エミッタ電極としてのAu層8を、層間絶縁膜15上に高さ 0.3μm程度露出させた後に、エミッタ電極としてのAu層8上に配線14を接続し、素子形成工程を終了する。
【0034】
このように配線を接続することで、エミッタ電極と配線間の接触抵抗増加を抑制できる。
【0035】
なお、本実施の形態例では、Auを主成分とする第3の金属層がAuのみを含む場合について述べたが、この場合の他に、反応性イオンエッチング法によるエッチング特性がAuとほぼ同じである、Auを主成分とする金属配線層、すなわち、主成分であるAuを80重量%以上含み、その他にSn、Ge、Ni、Pt、または、Cu等の金属を含む金属配線層の場合にも、本発明に係る、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法は有用であり、それによって、アスペクト比の高いサブミクロンサイズのエミッタ電極パタンを線幅制御性良く形成することが可能となる。
【0036】
また、本実施の形態例では、エッチングストッパー及びエッチングマスクにWを用いたが、Moを用いても同様の結果が得られる。一般に、Wに代えて、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングによって酸化物を形成する金属を用いてもよい。貴金属を除けば、ほとんど全ての金属が安定な酸化物を形成するので、その金属は、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングによって酸化物を形成する。さらに、この場合に、Auと合金を形成しにくい、高融点の金属、例えば、Wを40重量%以上含有するTiW、WSi、WSiNまたはWN、Ti、Nb、Ta、Mo、Reなどを用いることが望ましい。貴金属であるAuは、むしろ例外的であって、安定な酸化物を形成せず、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングによって酸化物を形成しないので、それによるエッチングレートの低下も起こらない。このことが、本発明の有効性を高める要因となっている。
【0037】
また、本実施の形態例では、アルゴンと酸素の混合ガスを用いたAuの反応性イオンエッチングにおいて、酸素の割合(体積割合)を 50%としたが、酸素の割合が 25%から 75%の間でも、Auに対するWのエッチングレートが 1/30以下を確保できる。さらに、酸素の割合が 8%未満の場合、Wの酸化が不十分で、Wのエッチングレートが速い。また、酸素の割合が 75%を超える場合、アルゴンガスの割合が少ないため、Auもほとんどエッチングされなくなり、実用に適さない。従って、混合ガス中の酸素の割合は 8%以上 75%以下が適当である。
【符号の説明】
【0038】
1:半絶縁性InP基板、2:サブコレクタ層、3:コレクタ層、4:ベース層、5:エミッタ層、6:エミッタコンタクト層、7:エッチングストッパー用のW層、8:Au層、9:エッチングマスク用W層、10:フォトレジストパタン、11:SiN層、12:ベース電極、13:コレクタ電極、14:配線、15:層間絶縁膜、21:半導体層、22:Au層、23:フォトレジストパタン、31:ベース層、32:ベース電極、33:エミッタ層、34:エミッタ電極、35:スルーホール内に埋め込まれた配線、36:配線、37:層間絶縁膜、41:ベース層、42:ベース電極、43:エミッタ層、44:エミッタ電極、45:配線、46:層間絶縁膜、51:半導体層、52:Au層、53:Tiマスク、54:垂直方向のアルゴンイオン、55:水平方向のアルゴンイオン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘテロ接合バイポーラトランジスタを製造する方法において、
エミッタコンタクト層上にコンタクト用の第1の金属層と、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングにより酸化物を形成する金属よりなる第2の金属層と、Auを主成分とする第3の金属層と、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチングにより酸化物を形成する金属よりなる第4の金属層とを、この順序で形成する第1の工程と、
前記第4の金属層上にフォトレジストパタンを形成し、該フォトレジストパタンをマスクとして反応性イオンエッチング法により前記第4の金属層を選択的に除去する第2の工程と、
前記第2の工程後に、前記第4の金属層をマスクとして前記第3の金属層を、酸素ガスを含有する混合ガスを用いる反応性イオンエッチング法により選択的に除去する第3の工程と、
前記第3の工程後に、前記第4の金属層をマスクとして前記第2及び第1の金属層を反応性イオンエッチング法により選択的に除去する第4の工程と、
前記第4の工程後に、前記第2の金属層をマスクとして前記エミッタコンタクト層を選択的に除去する第5の工程とを有することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
【請求項2】
前記第2または第4の金属層が、WまたはMo、もしくは、Wを40重量%以上含有するTiW、WSi、WSiNまたはWNからなることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
【請求項3】
前記第3の金属層は、Auのみよりなる金属層、または、80重量%以上のAuを含み、Sn、Ge、Ni、PtまたはCuを例とする、Au以外の金属を含む金属層であることを特徴とする請求項1または2に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
【請求項4】
前記第3の工程において、前記反応性イオンエッチング法に用いる混合ガスはアルゴンと酸素との混合ガスであり、該混合ガス中の酸素の体積割合が8%以上75%以下であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−232397(P2010−232397A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77887(P2009−77887)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】