説明

ポジ型感光性樹脂組成物及びその硬化物

【課題】調製が容易であり、かつ、耐熱衝撃性に優れた硬化物を得ることが可能なポジ型感光性樹脂組成物、及びそれを硬化してなる硬化物を提供する。
【解決手段】本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド基を有する化合物、(C)分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、(D)下記一般式(D−1)で表されるエポキシ樹脂、及び(S)溶剤を含有する。


[式中、Rd1及びRd2はそれぞれ独立にメチル基等を示し、Rd3〜Rd6はそれぞれ独立に水素原子等を示す。Aはジ(エチレンオキシ)エチル基等を示す。nは自然数であり、その平均は1.2〜5である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜等に用いられるポジ型感光性樹脂組成物、及びそれを硬化してなる硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の半導体素子に用いられる層間絶縁膜、表面保護膜等には、耐熱性、機械的特性等に優れているポリイミド系樹脂が広く使用されている。また、生産性の向上、膜形成精度の向上等のため、感光性を付与した感光性ポリイミド系樹脂の検討もなされている。例えば、特許文献1,2には、ポリイミド前駆体及びオルソキノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性組成物が開示されている。しかしながら、これらのポジ型感光性組成物では、耐熱性、電気絶縁性、基板への密着性等に問題があった。
【0003】
そこで、特許文献3では、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド基を有する化合物、架橋微粒子、分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、及び溶剤を含有するポジ型感光性絶縁樹脂組成物が提案されている。このポジ型感光性絶縁樹脂組成物によれば、解像性、電気絶縁性、基板への密着性等に優れた硬化物を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−5996号公報
【特許文献2】特開2000−98601号公報
【特許文献3】特開2003−215789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、層間絶縁膜、表面保護膜等の硬化物としては、耐熱衝撃性に優れていることも重要な特性の1つである。上記特許文献3のポジ型感光性絶縁樹脂組成物では、架橋微粒子を添加することにより耐熱衝撃性を改善しているが、そのような効果が得られる架橋微粒子の合成には、粒子径制御等、製造面での負荷がかかる。このため、調製が容易であり、かつ、耐熱衝撃性に優れた硬化物を得ることが可能な組成物が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、調製が容易であり、かつ、耐熱衝撃性に優れた硬化物を得ることが可能なポジ型感光性樹脂組成物、及びそれを硬化してなる硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、特定構造のエポキシ樹脂を含有するポジ型感光性樹脂組成物によれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
本発明の第一の態様は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド基を有する化合物、(C)分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、(D)下記一般式(D−1)で表されるエポキシ樹脂、及び(S)溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物である。
【化1】

[一般式(D−1)中、Rd1及びRd2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Rd3〜Rd6はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、塩素原子、又は臭素原子を示す。Aはエチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基、又は炭素数2〜15のアルキレン基を示す。nは自然数であり、その平均は1.2〜5である。]
【0009】
本発明の第二の態様は、本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、調製が容易であり、かつ、耐熱衝撃性に優れた硬化物を得ることが可能なポジ型感光性樹脂組成物、及びそれを硬化してなる硬化物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
≪ポジ型感光性樹脂組成物≫
本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド基を有する化合物、(C)分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、(D)特定構造のエポキシ樹脂、及び(S)溶剤を含有するものである。以下、本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
【0012】
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂(以下、「(A)成分」ともいう。)としては、特に限定されないが、ノボラック樹脂が好ましい。このようなノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下で付加縮合させることにより得ることができる。
【0013】
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基も炭素数1〜4である);α−ナフトール、β−ナフトール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのフェノール類の中でも、m−クレゾール、p−クレゾールが好ましく、m−クレゾールとp−クレゾールとを併用することがより好ましい。この場合、両者の配合割合を調整することにより、感度、耐熱性等の諸特性を調整することができる。
【0014】
上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
上記酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸類;蟻酸、シュウ酸、酢酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類;酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
このようにして得られるノボラック樹脂としては、具体的には、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
【0017】
また、ノボラック樹脂以外のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、ポリヒドロキシスチレン及びその共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。
【0018】
これらの樹脂の質量平均分子量は、解像性、得られる硬化物の耐熱衝撃性、耐熱性等の観点から、1000〜50000であることが好ましい。
【0019】
(A)成分の含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物の固形分に対して50〜90質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましい。(A)成分の含有量を上記範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の現像性を良好なものとすることができる。
【0020】
<(B)キノンジアジド基を有する化合物>
キノンジアジド基を有する化合物(以下、「(B)成分」ともいう。)としては、特に限定されないが、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物と、キノンジアジド基含有スルホン酸との完全エステル化物や部分エステル化物が好ましい。このようなキノンジアジド基を有する化合物は、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物とキノンジアジド基含有スルホン酸とを、ジオキサン等の適当な溶剤中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリの存在下で縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化することにより得ることができる。
【0021】
上記フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;
トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等のトリスフェノール型化合物;
2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物;
1,1−ビス〔3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル〕イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型4核体フェノール化合物;
2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型5核体フェノール化合物;
ビス(2,3,−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール等のビスフェノール型化合物;
1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等の多核枝分かれ型化合物;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の縮合型フェノール化合物;等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
上記キノンジアジド基含有スルホン酸としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸等が挙げられる。
【0023】
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し5〜50質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましい。(B)成分の含有量を上記範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の感度を良好なものとすることができる。
【0024】
<(C)分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物>
分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物(以下、「(C)成分」ともいう。)は、上記(A)成分と反応する架橋剤として作用するものである。この化合物としては、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレア等の活性メチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、又はこれらを混合したものが挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的には、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミン、テトラメトキシメチル化グリコールウリル、テトラブトキシメチル化グリコールウリル等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し5〜60質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。(C)成分の含有量を上記範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化性及びパターニング特性、硬化物の電気絶縁性及び耐熱性を良好なものとすることができる。
【0026】
<(D)特定構造のエポキシ樹脂>
特定構造のエポキシ樹脂(以下、「(D)成分」ともいう。)は、下記一般式(D−1)で表される。このようなエポキシ樹脂は、アルキレンオキシ基の繰返し構造によって骨格が柔軟なものとなっている。また、グリシジルオキシ基が芳香核に直接結合しているため、エポキシ基の活性が高くなり、硬化反応時には適度な架橋を形成して優れた靭性を発現する。このため、このようなエポキシ樹脂をポジ型感光性樹脂組成物に添加することで、硬化物の耐熱衝撃性を向上させ、クラックの発生を抑制することができる。
【0027】
【化2】

【0028】
上記一般式(D−1)中、Rd1及びRd2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。Rd3〜Rd6はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、塩素原子、又は臭素原子を示し、中でも水素原子が好ましい。Aはエチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基、又は炭素数2〜15のアルキレン基を示す。nは自然数であり、その平均は1.2〜5である。
【0029】
上記一般式(D−1)で表されるエポキシ樹脂の具体例としては、下記式(D−1−1)〜(D−1−14)で表される樹脂が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
【化3】

【0031】
【化4】

【0032】
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し1〜20質量部であることが好ましく、5〜15質量部であることがより好ましい。(D)成分の含有量を上記範囲とすることにより、硬化物の耐熱衝撃性を良好なものとすることができる。
【0033】
<(E)(メタ)アクリルモノマー>
本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物は、酸素原子を含んでもよい鎖状のアルキレン鎖で互いに連結された2以上のエチレン性不飽和結合を有する(メタ)アクリルモノマー(以下、「(E)成分」ともいう。)を含有していてもよい。このような(メタ)アクリルモノマーは、硬化反応後においてもその多くがモノマーのままで存在する。このモノマーとして存在する(メタ)アクリルモノマーが硬化物の内部において緩衝材のような役割を果たす結果、硬化物の残留応力が低減され、クラックの発生を抑制することができる。また、低応力性に優れると、ウェーハ等の基板を薄化させても基板及び硬化膜の反り曲がりを防ぐことができる。
【0034】
ここで、2以上のエチレン性不飽和結合が「酸素原子を含んでもよい鎖状のアルキレン鎖で互いに連結された」とは、(メタ)アクリルモノマーに2以上の不飽和結合が含まれ、かつ、それら2以上の不飽和結合の間に環状構造が含まれないことを意味する。
(メタ)アクリルモノマーに含まれる不飽和結合の数は、3以上であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。不飽和結合の数が3以上であることにより十分な解像性を得ることができ、6以下であることによりモノマーの経時重合を抑制することができる。
【0035】
この(メタ)アクリルモノマーとしては、下記一般式(E−1)〜(E−3)で表される化合物の少なくとも1種が好ましい。
【0036】
【化5】

[一般式(E−1)中、Lはそれぞれ独立に−CHCH又は−CHOHを示し、Mはそれぞれ独立に−CHO(C=O)CH=CH又は−CHOC(=O)C(CH)=CHを示す。aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、a+b=3である。]
【0037】
【化6】

[一般式(E−2)中、Xはそれぞれ独立に−CHCH又は−CHOHを示し、Yはそれぞれ独立に−CHO(C=O)CH=CH、−CHOC(=O)C(CH)=CH、−CHO(CO)C(=O)CH=CH、又は−CHO(CO)(C=O)CH=CHを示す。pは0〜2の整数であり、qは2〜4の整数であり、p+q=4である。r及びsはそれぞれ独立に1〜15の整数である。]
【0038】
【化7】

[一般式(E−3)中、Zは−C(=O)CH=CH又は−C(=O)C(CH)=CHを示し、Z’は−OC(=O)CH=CH又は−O(C=O)C(CH)=CHを示し、Re1は−(OC−、−(OC−、又は−(OC−(OC−を示す。t及びuはそれぞれ独立に1〜15の整数であり、v及びwはそれぞれ独立に自然数であり、v+w≦15である。]
【0039】
上記一般式(E−1)で表される化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記一般式(E−2)で表される(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記一般式(E−3)で表される(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン−プロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】
これらの中でも、パターニング特性の観点から、上記一般式(E−1)で表される化合物が好ましい。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し1〜20質量部であることが好ましく、5〜15質量部であることがより好ましい。(E)成分の含有量を上記範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の諸特性を維持したまま、硬化物の残留応力を低減することができる。
【0042】
<(S)溶剤>
溶剤(以下、「(S)成分」ともいう。)としては、特に限定されず、本分野で汎用されている溶剤を用いることができる。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類;等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
(S)成分の含有量は、特に限定されないが、一般にはポジ型感光性樹脂組成物の固形分濃度が10〜60質量%となる量が好ましく、20〜50質量%となる量がより好ましい。
【0044】
<その他の成分>
本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物は、所望により、その他のモノマー、付加的樹脂、熱酸発生剤、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤等を含有していてもよい。
【0045】
≪硬化物≫
本発明に係る硬化物は、本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物を硬化してなるものである。このような硬化物としては、半導体素子の層間絶縁膜や表面保護膜等の硬化膜が挙げられる。
【0046】
このような硬化膜を形成するには、まず、シリコンウェーハ等の基板に本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥して塗膜を形成する。塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法等が挙げられる。塗膜の厚さは、塗布方法、ポジ型感光性樹脂組成物の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
【0047】
次いで、所望のマスクパターンを介して塗膜を露光する。露光に用いられる放射線としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパー等の紫外線、電子線、レーザー光線等が挙げられる。露光量としては、使用する光源や塗膜の膜厚等によっても異なるが、膜厚10μmにおいて500〜1500mJ/cm程度である。
【0048】
次いで、塗膜をアルカリ現像液により現像し、露光部を溶解、除去することにより、所望の樹脂パターンを得る。現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10質量%程度になるように水に溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液で現像した後は、水で洗浄し、乾燥する。
【0049】
その後、得られた樹脂パターンを加熱することにより、硬化膜を得ることができる。加熱条件としては、特に限定されないが、100〜250℃の温度で30分間〜10時間程度である。この際、2段階で加熱してもよい。例えば、第1段階として50〜100℃の温度で10分間〜2時間加熱し、第2段階として100〜250℃の温度で20分間〜3時間加熱するようにしてもよい。
【実施例】
【0050】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
<実施例1〜7、比較例1〜8>
表1,2に記載の処方(単位は質量部)に従って、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド基を有する化合物、架橋剤、エポキシ樹脂、(メタ)アクリルモノマー、及び溶剤を混合して、実施例1〜7、比較例1〜8のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
なお、簡略化のため、表1,2では、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を「フェノール樹脂」と表記するとともに、キノンジアジド基を有する化合物を「キノンジアジド化合物」と表記している。表1,2における各成分の詳細は下記のとおりである。
【0052】
フェノール樹脂A:m−クレゾールにホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量8000)
フェノール樹脂B:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量20000)
フェノール樹脂C:ポリヒドロキシスチレン(質量平均分子量2500)
キノンジアジド化合物A:ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンの全水酸基の2.0モル%の水素原子を、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基で置換した化合物
キノンジアジド化合物B:4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールの全水酸基の2.2モル%の水素原子を、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基で置換した化合物
架橋剤A:2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン(三和ケミカル社製、Mw−100LM)
【0053】
エポキシ樹脂A:上記式(D−1−1)で表される樹脂(DIC社製、EXA4850−150)
エポキシ樹脂B:2官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、jER828)
エポキシ樹脂C:下記式(I)で表される2官能ビスフェノールA型プロピレンオキサイド変性エポキシ樹脂(ADEKA社製、EP−4000)
【化8】

エポキシ樹脂D:下記式(II)で表される水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ADEKA社製、EP−4080S)
【化9】

エポキシ樹脂E:下記式(III)で表される2官能ジシクロペンタニル型エポキシ樹脂(ADEKA社製、EP−4088S)
【化10】

【0054】
(メタ)アクリルモノマーA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(6官能(1分子中の不飽和結合の数を官能数として表す。以下同じ)、日本化薬社製)
(メタ)アクリルモノマーB:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(4官能、東亞合成社製、アロニックスM−450)
(メタ)アクリルモノマーC:エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(3官能、東亞合成株式会社製、アロニックスM−350)
溶剤A:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0055】
<耐熱衝撃性の評価>
実施例1〜7、比較例1〜8のポジ型感光性樹脂組成物を8インチのシリコンウェーハ上に塗布し、125℃で3分間乾燥して塗膜を得た。さらに、180℃で2時間、オーブンで加熱し、膜厚10μmの硬化膜を得た。
この硬化膜の耐熱衝撃性を、冷熱衝撃試験機TSE−11A(ESPEC社製)を用いて評価した。具体的には、−55℃及び+125℃のそれぞれの温度で30分間保持する操作を1サイクルとし、これを1000サイクル繰り返した後のクラックの有無を目視により観察した。結果を表1,2に示す。なお、表1,2において「○」は1000サイクル後にクラックが観察されなかったことを示し、「×」はクラックが観察されたことを示す。
【0056】
<誘電率の測定>
上記と同様にして得た硬化膜について、誘電率測定装置SSM495(日本SSM社製)を用いて、膜厚方向の真空に対する比誘電率を測定した。結果を表1,2に示す。
【0057】
<残留応力の測定>
上記と同様にして得た硬化膜について、応力測定装置Tencor FLX−2908(KLA−Tencor社製)を用いて残留応力を測定した。結果を表1,2に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
表1,2から分かるように、上記一般式(D−1)で表されるエポキシ樹脂を含有する実施例1〜7のポジ型感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜は、冷熱衝撃試験を1000サイクル繰り返した後もクラックが発生せず、耐熱衝撃性に優れていた。一方、エポキシ樹脂を含有していない比較例1,2,4,5のポジ型感光性樹脂組成物、あるいは上記一般式(D−1)とは異なる構造のエポキシ樹脂を含有する比較例3,6〜8のポジ型感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜は、いずれも1000サイクルの冷熱衝撃試験によってクラックが発生した。
【0061】
また、上記一般式(D−1)で表されるエポキシ樹脂を含有する実施例1〜7のポジ型感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜は、エポキシ樹脂を含有していない比較例1,2,4,5のポジ型感光性樹脂組成物、あるいは上記一般式(D−1)とは異なる構造のエポキシ樹脂を含有する比較例3,6〜8のポジ型感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜よりも誘電率が低く、電気絶縁性にも優れていた。
さらに、上記一般式(D−1)で表されるエポキシ樹脂に加えて特定の(メタ)アクリルモノマーを含有する実施例2〜7のポジ型感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜は、残留応力が低下していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)キノンジアジド基を有する化合物、(C)分子中に少なくとも2つのアルキルエーテル化されたアミノ基を有する化合物、(D)下記一般式(D−1)で表されるエポキシ樹脂、及び(S)溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
【化1】

[一般式(D−1)中、Rd1及びRd2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Rd3〜Rd6はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、塩素原子、又は臭素原子を示す。Aはエチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基、又は炭素数2〜15のアルキレン基を示す。nは自然数であり、その平均は1.2〜5である。]
【請求項2】
さらに、(E)酸素原子を含んでもよい鎖状のアルキレン鎖で互いに連結された2以上のエチレン性不飽和結合を有する(メタ)アクリルモノマーを含有する請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(E)成分が、下記一般式(E−1)〜(E−3)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化2】

[一般式(E−1)中、Lはそれぞれ独立に−CHCH又は−CHOHを示し、Mはそれぞれ独立に−CHO(C=O)CH=CH又は−CHOC(=O)C(CH)=CHを示す。aは0〜2の整数であり、bは1〜3の整数であり、a+b=3である。]
【化3】

[一般式(E−2)中、Xはそれぞれ独立に−CHCH又は−CHOHを示し、Yはそれぞれ独立に−CHO(C=O)CH=CH、−CHOC(=O)C(CH)=CH、−CHO(CO)C(=O)CH=CH、又は−CHO(CO)(C=O)CH=CHを示す。pは0〜2の整数であり、qは2〜4の整数であり、p+q=4である。r及びsはそれぞれ独立に1〜15の整数である。]
【化4】

[一般式(E−3)中、Zは−C(=O)CH=CH又は−C(=O)C(CH)=CHを示し、Z’は−OC(=O)CH=CH又は−O(C=O)C(CH)=CHを示し、Re1は−(OC−、−(OC−、又は−(OC−(OC−を示す。t及びuはそれぞれ独立に1〜15の整数であり、v及びwはそれぞれ独立に自然数であり、v+w≦15である。]
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。

【公開番号】特開2011−180520(P2011−180520A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46739(P2010−46739)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】