説明

ポータブル電子通信装置、通信システム、これらのためのエラーデータの消去方法、並びに、これらのための再同調遅延の低減方法

ポータブル電子通信装置が無線データシステム通信ユニット(254)と動作可能に接続された処理リソース(202)を備える。処理リソース(202)はまた、使用時に複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定するように構成される。処理リソース(202)は複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済み周波数で通信する。データ・ストア(214)も処理リソース(202)と動作可能に接続される。無線データシステム通信ユニット(254)は、使用時に同調済み周波数から複数の利用可能な周波数のうちの別の周波数へ再同調し、次いで、第2の無線データシステムデータを別の周波数で通信するように構成される。この再同調は、同調済み周波数に関連付けられた不適切な信号強度の結果開始される任意の再同調を補う同調である。これらの複数の代替周波数は或る一定の最大値未満に保持される。上記装置はナビゲーションシステムであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば代替周波数を特定する無線データシステムデータの生成が可能な種類のポータブル電子通信装置に関する。本発明は、受信機のメモリからエラーデータを消去する方法にも関するものであり、該方法は、代替周波数を特定する無線データシステムデータを通信する種類の方法である。本発明はさらに、受信機のメモリ内のエラーデータに起因して生じる再同調遅延を低減する方法にも関し、該方法は、代替周波数を特定する無線データシステムデータを通信する種類の方法である。本発明は、例えば、代替周波数を特定する無線データシステムデータの生成が可能な種類の通信システムにも関する。
【背景技術】
【0002】
例えばGPS(全地球測位システム)信号受信及び処理機能を含むポータブルナビゲーション装置(PND)のようなポータブル演算装置が周知であり、車載用あるいは他の車両用ナビゲーションシステムとして広く採用されている。
【0003】
一般的に、現代のPNDには、プロセッサ、メモリ(揮発性と不揮発性メモリのうちの少なくとも一方であり、通常これら双方のメモリ)並びに当該メモリ内に格納された地図データが含まれている。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムを確立できる実行環境を提供する。さらに、PNDの機能を制御可能にするために、かつ、その他の種々の機能を提供するために1以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることが一般的である。
【0004】
通常、これらの装置は、ユーザが装置と対話を行い、かつ、装置の制御を可能にする1以上の入力インタフェースと、情報をユーザへ中継できるようにする1以上の出力インタフェースとをさらに備えている。出力インタフェースの実施例には、視覚表示装置と、可聴出力用スピーカとが含まれている。入力インタフェースの実施例には、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1以上の物理ボタン(これらのボタンは、必ずしも装置自体に存在する必要はなく、装置が車両に組み込まれる場合にはステアリングホイールに存在してもよい)と、ユーザの音声を検出するためのマイクが含まれている。1つの特定の構成では、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが接触により装置の動作を可能にする入力インタフェースを追加して提供できるように、(タッチパネル式オーバーレイによる、あるいは別様の)タッチパネル式ディスプレイとして構成されてもよい。
【0005】
また、この種の装置には、装置間において電力及びオプションとしてデータ信号の送受信を可能にする1以上の物理コネクタインタフェースと、オプションとして、セルラ通信、並びにその他の信号ネットワーク及びデータネットワーク(例えばブルートゥース、Wi−Fi、Wi−Max、GSM、UMTS等)を介する通信を可能にする1以上の無線送信機/受信機とが含まれる場合も多い。
【0006】
この種のPNDにはGPSアンテナもさらに含まれ、これにより、所在地データを含む衛星放送信号が受信され、その後装置の現在地を判定するための処理が可能となる。
【0007】
PNDは、現在の角加速度及び直線加速度を判定するために、及びその後GPS信号から取得される所在地情報と関連して装置及び装置が搭載されている車両の速度と相対変位とを判定するために処理可能な信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計をさらに含んでもよい。通常、このような特徴は、車載ナビゲーションシステムに装備されるのが最も一般的ではあるが、PNDに装備する方が好都合な場合はPNDに装備されてもよい。
【0008】
このようなPNDの有用性は、第1の所在地(通常は出発地又は現在地)と第2の所在地(通常は目的地)との間の経路を判定する能力において主に示される。これらの所在地は、例えば、郵便番号、街路名及び番地、事前に格納された「周知の」目的地(名所、(運動場又は水泳プール等の)市営の場所又は他の地点情報等)及びお気に入りの目的地又は最近訪問した目的地等のような、様々な異なる方法のうち任意の方法によって、装置のユーザにより入力可能である。
【0009】
通常、PNDは、地図データから出発地のアドレス位置と目的地のアドレス位置との間の「最善」又は「最適」経路を計算することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」経路は所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する際に辿る経路の選択は非常に高度であり、選択された経路は、既存の交通道路情報、予測される交通道路情報、動的受信と無線受信の少なくともいずれかで受信される交通道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路選択の決定要因に対する運転者自身の基本設定(例えば運転者は、経路が高速自動車道路又は有料道路を含むべきではないと指定してもよい)を考慮に入れてもよい。
【0010】
さらに装置は、道路及び交通の状態を連続的に監視し、変化した状態のために、残りの行程の実行経路を変更するように提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSによる艦隊の追跡)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通の遅延を識別し、かつ、通知システムに情報を供給するために利用されている。
【0011】
この種のPNDは、通常は車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されるが、車両のラジオに搭載されたコンピュータの一部あるいは車両自体の制御システムの一部として実際に形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(ポータブルデジタルアシスタント:Portable Digital Assistant)、メディアプレイヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的機能性は、経路計算と計算済みの経路に沿うナビゲーションとの双方を実行するために装置にソフトウェアをインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画/ナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動演算リソースにより提供されてもよい。例えば、イギリス王立自動車クラブ(RAC)は、http://www.rac.co.ukにおいてオンライン経路計画/ナビゲーション機能を提供する。この機能により、ユーザは出発点及び目的地を入力することができ、その結果、ユーザのPCが接続されているサーバは経路(この経路の諸側面に関してはユーザが指定してもよい)を計算し、地図を生成し、選択された出発点から選択された目的地までユーザを案内するための包括的なナビゲーション指示セットを生成する。この機能は、計算された経路の擬似3次元レンダリングを提供すると共に、経路に沿って移動するユーザをシミュレートし、それによって計算された経路のプレビューをユーザに提供する経路プレビュー機能性をさらに提供する。
【0013】
PNDの場合、経路が計算されるとすぐに、ユーザはナビゲーション装置と対話し、オプションとして提案された経路のリストから所望の計算済み経路を選択する。オプションとして、ユーザは、例えば、ある特定の行程に対して特定の経路、道路、場所又は基準を避けるべきであるか、あるいは、必須である旨を指定することにより、経路の選択処理に介入したり、経路の選択処理を案内したりしてもよい。PNDの経路計算の側面は、1つの主要機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主要機能となる。
【0014】
計算済み経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDが、選択済みの経路に沿ってその経路の終点、すなわち所望の目的地にユーザを案内するための視覚命令と可聴命令の少なくともいずれかの命令を提供することは一般的である。また、PNDがナビゲーション中に地図情報を画面上に表示することも一般的であり、そのような情報は、表示される地図情報が装置の現在地を示し、従って装置が車載ナビゲーションに使用されている場合、ユーザ又はユーザの車両の現在地を示すように画面上で定期的に更新される。
【0015】
画面上に表示されるアイコンは、通常、装置の現在地を示し、装置の現在地の近辺にある現在の道路及び周辺道路の地図情報、並びに同様に表示されている他の地図特徴と共に中央に配置される。さらにナビゲーション情報は、オプションとして、表示される地図情報の上方、下方又は片側のステータスバーに表示されてもよく、このようなナビゲーション情報の例には、ユーザが選択すべき現在の道路からの次の必要な方向転換地点までの距離が含まれ、当該方向転換の特性は、例えば左折又は右折のような特定の種類の方向転換を示すさらなるアイコンにより表されることができる。また、上記ナビゲーション機能は、ユーザを経路に沿って案内する可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを決定する。「100m以内に左折」等の単純な指示は多大な処理及び解析を必要とすることが理解されるであろう。上述のように、ユーザによる装置との対話はタッチスクリーンにより行われてもよく、それに加えてあるいはその代わりに、このユーザによる対話はステアリング・コラムに搭載された遠隔制御装置により、音声起動により、あるいは、他の任意の適切な方法により行われてもよい。
【0016】
ナビゲーション中に事前に計算された経路からユーザが誤ってあるいは故意に外れた場合や、別の経路の方が適切である旨がリアルタイムの交通状態により示され、かつ、装置がそのような状態を適切に自動認識することが可能な場合、あるいは、ユーザがなんらかの理由で積極的に装置に経路の再計算を実行させる場合、装置が提供するさらなる重要な機能によって自動経路の再計算が行われる。
【0017】
また、ユーザが定義した基準で経路計算が可能であることも知られている。例えば、ユーザは、景色のよい経路が装置により計算される方を望む場合もあれば、交通渋滞が発生する可能性が高いか、予想されるか又は現在発生しているいずれの道路も回避することを所望する場合もある。その場合、装置のソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば、景勝地の例としてタグ付けされた地点情報(POIとして周知である)を経路に沿って最も多く含む経路の方により有利に重み付けしたり、あるいは特定の道路で発生しやすい交通状態を示す格納済みの情報を利用したりすることにより、発生しやすい渋滞や渋滞による遅延のレベルに関して計算される経路を配列する。他のPOI及び交通情報を利用する経路計算及びナビゲーション基準も可能である。
【0018】
経路計算機能及びナビゲーション機能は、PNDの有用性全体の基本になるものであるが、装置を単に情報表示用として、すなわち「自由運転」用として使用することが可能である。この場合には、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路計算は行われず、装置によるナビゲーションは現時点では実行されない。そのような動作モードは、ユーザが移動の際に沿って進むべき望ましい経路を既に知っていて、ナビゲーション補助を必要としないときに適用可能である場合が多い。
【0019】
上述の種類の装置、例えば、TomTom International B.V.により製造及び供給される720Tモデルは、ユーザが1つの位置から別の位置へナビゲートできるようにする信頼性の高い手段を提供する。そのような装置は、装置がナビゲートしている目的地までの経路にユーザが精通していない場合に非常に有用である。
【0020】
PNDの車内での利用を容易にするために、PNDのなかには、例えばTomTom International B.V.から購入可能な920Tモデルなどの周波数変調(FM)送信機を装備しているものもある。増幅されたオーディオ信号がPNDのスピーカにより再生される代わりに、FM送信周波数は、ユーザが選択可能な周波数でオーディオ信号を変調し、送信する。車両内にいるとき、PNDのユーザは車両内に配置されているFMラジオをユーザが選択した周波数に同調し、それによってFMラジオが周波数変調されたオーディオ信号を受信し、この周波数変調されたオーディオ信号を復調し、FMラジオと接続されたスピーカを通じてオーディオ信号の再生が行われる。言うまでもなく、FMラジオは、FM受信が可能で、かつ、コンパクトディスク(CD)マルチ切替器及び他の機能を含む車載娯楽システムの一部であってもよい。
【0021】
例えば、いわゆるMP3プレイヤと移動電話機の少なくともいずれかのような別の種類のポータブル装置にとって、FM送信信号を介して車載娯楽システムのスピーカを使用することが望ましいという点に留意されたい。特に、このような別のポータブル装置が、オーディオをFM受信機へ送信するためのいわゆる短距離無線(SRR)FM送信機を備えていることが知られている。
【0022】
近年になって、例えばRDS FMラジオなどの多くの車載娯楽システムが有している無線データシステム(RDS)機能から利点を得ることができることが発見された。ある利用可能なチャネルで、RDSエンコーダを装備したポータブル装置が、特に、番組識別子(PI)コードと、番組サービス(PS)名(例えば「TomTom」)と、代替周波数(AF)のリストと、利用可能チャネルと、ポータブル装置が動作しているFMチャネル「ランドスケープ」の間で検出される無料チャネルから選択されるAFリストとを送信する。ポータブル装置はまた、一般に同じ利用可能なチャネルでオーディオ・テストメッセージも送信する。PIコード、PS名及びAFリストの構成と送信は、国際電気標準会議(IEC)により提示されているRDS技術仕様に準拠するものである。
【0023】
AFは通常、放送事業者がそのそれぞれの放送ネットワークを識別するために使用される。送信されたAFリストが、現在受信中の送信機と同じラジオ番組に関連付けられた隣接する送信機周波数を示す。車両内のFMラジオはこのAFリストを使用して、送信機を選択し、同じネットワークに関連付けられた最良の信号強度で送信機を同調状態にする。FMラジオは送信機から受信したAFリストを格納し、FMラジオがネットワーク内の異なる送信機に同調される度にAFリストを更新する。しかし、SRR送信機の場合、PNDによってAF特性を用いて、干渉を防止できるように異なる周波数の使用を可能にすることができる。
【0024】
車両内において、例えば、ユーザはFMラジオを設定して、ポータブル装置から出されると共に、ポータブル装置によって送信されるRDS送信情報により特定されるFM送信信号の走査を行う。ポータブル装置による送信信号がFMラジオにより検知されると、ポータブル装置によって送信された周波数変調済みのオーディオ信号(通常オーディオ・テストメッセージ)がFMラジオのスピーカにより再生されると共に、FMラジオのディスプレイにPS名、すなわち本例では「TomTom」が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
RDSデータの送信は、他の無線データ送信形式の場合と同じように、例えば、いわゆるマルチパス効果のような外部からの影響の結果生じたエラーを受けやすい。移動用受信機の場合、マルチパス効果は、例えばビル、山、水域の少なくともいずれかによる送信信号の反射に起因して生じる。エラーを検出するために、RDSはいわゆる周期的冗長性チェックを採用している。これにより、送信されるデータブロックは、16ビットの情報ワード及び10ビットのチェックワードを個々に含むことになる。チェックワードは、所定のアルゴリズムに従って形成され、次いで、移動用受信機による或る種のエラーが存在する場合、関連付けられたデータブロックの情報ワード内におけるエラー検出を可能にする。しかし、巡回冗長検査(CRC)チェックワードの利用の結果得られる受信データブロックにおけるこのエラー検出能力は無制限のものではなく、16ビット情報ワード内の或る種のエラーが受信機によって検出されないことがあり得る。このようなエラーは「認識不能エラー」(NRE)として知られている。受信データブロックにおいて発生する可能性があるNREの数は、マルチパスの他に、送信される所定の受信信号の品質並びに受信機のアンテナ特性にある程度左右される。時々実行される別の周知の処置として、NREの結果生じる不正確なデータの受信を防止するために行われる、例えば送信情報の或る一定の反復などによる冗長な情報の提供がある。
【0026】
しかしながら、上述したエラー検出及び防止手段は、上述したRDS技術仕様によって意図されている送受信機インフラ構造におけるエラーの影響を最小化する役割を果たすものではあるが、SRR送信機が採用されて、NREの発生が増加すると、エラーの発生が増加することになる。エラーの発生が増える1つの理由として、地方の放送事業者又は全国規模の放送事業者の送信機が使用している外部アンテナと比較したとき、ポータブル電子通信装置において使用されているFMアンテナの低いパフォーマンスレベルが挙げられる。信号受信に影響を与える他の要因として、車両のフロントガラスや他の窓のサイズ及び形状と、フロントガラスや窓に皮膜された何らかのコーティングと、フロントガラスや他の窓の加熱を容易にするためにフロントガラスや他の窓の内部に埋め込まれたワイヤ又はそれらの窓の表面に付けられたワイヤの存在とのうちの少なくともいずれかがある。
【0027】
NREの発生が増加した結果、FMラジオはエラーを含むAFをFMラジオのメモリに格納する可能性がある。残念ながら、RDS技術仕様は、車両のFMラジオのメモリに格納された不正確なAFを処理するための特定の解決方法を提供するものではない。さらに、FMラジオのメモリは非SRR発呼側送信の場合ほど頻繁に更新するものではない。その理由として、SRRからの送信は、FMラジオを伴う単一の送信機を本質的に想定しているため、同じラジオ番組を放送している異なる送信機に対して再同調を行う必要が存在しないという理由が挙げられる。この問題は、FMラジオが同調されるある周波数で干渉が経験される可能性が行程の継続時間にわたって高くなるにつれて、車両により行われる長い行程中若干改良される。そのため、FMラジオのメモリが格納しているAFリストは更新されることになる。
【0028】
しかし、この問題は、逆に言えば、車両により行われる短い反復される行程によって悪化するとも言える。なぜなら、PNDが選択した最初のチャネルが短い行程の際に品質の劣化を受けない場合、FMラジオは一般にAFのいずれに対しても再同調を行わないからである。したがって、FMラジオのメモリは更新されず、単に、PNDにより送信されたAFデータでいっぱいになる。それ故、NREの結果生じたエラーを含むAFでも上記メモリはいっぱいになる。
【0029】
一般に、RDSが可能なFMラジオは、上述のようにそのメモリ内にAFデータを格納するが、メモリは無限ではなく、25個のAFという最大記憶容量が一般的である。したがって、FMラジオの実際の実装に依存して、容量に達したメモリに対する応答は変動する可能性がある。1つの実装例では、メモリは先入れ先出し(FIFO)バッファとして構成することが可能であり、メモリ容量に達した場合には、AFリストへの新たなエントリによって、最も古いAFエントリが単にAFリストから「押し出される」。別の実装構成では、メモリは固定されていて、容量に達するとすぐに、さらなるAFのエントリはそれ以上AFリストに追加されなくなる。
【0030】
一方の実装構成の方が、他方の実装構成に比べて、エラーを含むAFの保持に対する感受性が弱くなる場合があるが、メモリは容認できない複数のエラーを含むAFをそのまま格納する。FMラジオのリスナに対する、エラーを含むAFの影響として、FMラジオが、利用可能な正確なAFの発見を期待してAFリストの洗い直しを行う必要があることが挙げられる。正確なAFの発見に要する時間はリスナにとって注目に値する問題であり、特に、例えば音楽プレイヤのようなメディアプレイヤなどのポータブル電子装置によって生成される気晴らしのオーディオを聴くとき、この時間はリスナの聴取経験を台無しにする場合もあり得る。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の第1の側面によると、無線データシステム通信ユニットと動作可能に接続された処理リソースであって、使用時に、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定するように構成されると共に、上記複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済み周波数で通信するように構成される処理リソースと、該処理リソースと動作可能に接続されたデータ・ストアとを備えたポータブル電子通信装置が提供される。その場合、上記無線データシステム通信ユニットは、使用時に、同調済み周波数から複数の利用可能な周波数のうちの別の周波数に再同調し、かつ、その別の周波数で第2の無線データシステムデータを通信するように構成される。この再同調は、同調済み周波数に関連付けられた不適切な信号強度の結果として開始される任意の再同調に対する補足的な同調である。
【0032】
上記データ・ストアは複数の代替周波数を格納するように構成されてもよい。第1の無線データシステムデータは例えば複数のグループのような複数のメッセージを含んでもよい。
【0033】
上記処理リソースは、別の複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な別の複数の利用可能な周波数を特定するように構成されると共に、第2の無線データシステムデータを上記別の周波数で通信するように構成されてもよい。この第2の無線データシステムデータは上記別の複数の代替周波数を特定することができる。
【0034】
上記データ・ストアは複数の代替周波数の代わりに上記別の複数の代替周波数を格納するように構成されてもよい。
【0035】
無線データシステム通信ユニットは定期的な更新トリガ方式に従って上記別の周波数に再同調するように構成されてもよい。この定期的更新トリガ方式は、時間毎の再同調、2時間毎の再同調、毎日の再同調、毎週の再同調、毎月の再同調のうちの少なくともいずれかの再同調を含んでもよい。
【0036】
無線データシステム通信ユニットは、該無線データシステム通信ユニットの起動に応じて上記別の周波数に再同調するように構成されてもよい。
【0037】
無線データシステム通信ユニットはランダムな更新トリガ方式に従って上記別の周波数に再同調するように構成されてもよい。
【0038】
上記処理リソースは、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数のなかから、量の面で上記複数の代替周波数の総数未満になるように、上記複数の代替周波数を選択するように構成されてもよい。通信される上記複数の代替周波数は、上記複数の利用可能な周波数の総数に関して量の面で代替周波数の上限値を構成することができる。
【0039】
上記処理リソースは、複数の代替周波数からの選択に先行して上記複数の代替周波数を特定するように構成されてもよい。
【0040】
上記上限値は、無線データシステムの技術仕様又は無線放送データシステムの技術仕様に関連付けられた代替周波数の所定の最大数未満であってもよい。上記上限値は、例えば約20個未満の代替周波数や、約15個未満の代替周波数のような約25個未満の代替周波数であってもよい。上記上限値は、例えば約10個未満の代替周波数や、約5個未満の代替周波数のような約15個未満の代替周波数であってもよい。
【0041】
本発明の第2の側面によれば、本発明の第1の側面に関連して上述したポータブル電子通信装置を備えたポータブルナビゲーション装置が提供される。
【0042】
本発明の第3の側面によると、受信機のメモリからエラーデータを消去する方法が提供される。本方法は、ポータブル電子通信装置が複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定するステップと、複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済み周波数で通信するステップと、該同調済み周波数から複数の利用可能な周波数のうちの別の周波数に再同調を行うステップであって、該再同調は、同調済み周波数に関連付けられた不適切な信号強度の結果開始される任意の再同調に対する補足的な同調である再同調ステップと、第2の無線データシステムデータを上記別の周波数で通信するステップと、を有する。
【0043】
本発明の第4の側面によると、無線データシステム通信ユニットと動作可能に接続された処理リソースであって、使用時に、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定するように構成されると共に、上記複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済み周波数で通信するように構成される処理リソースと、該処理リソースと動作可能に接続されたデータ・ストアとを備えたポータブル電子通信装置とが提供される。その場合、上記処理リソースは、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数のなかから、量の面で複数の代替周波数の総数未満になるように、使用時に、複数の代替周波数を選択するように構成される。上記通信される複数の代替周波数は、上記複数の利用可能な周波数の総数に関して量の面で代替周波数の上限値を構成する。上記上限値は、無線データシステムの技術仕様又は無線放送データシステムの技術仕様に関連付けられた代替周波数の所定の最大数未満であってもよい
上記上限値は、例えば約20個未満の代替周波数や、約15個未満の代替周波数のような約25個未満の代替周波数であってもよい。上記上限値は、例えば約10個未満の代替周波数や、約5個未満の代替周波数のような約15個未満の代替周波数であってもよい。
【0044】
本発明の第5の側面によると、本発明の第4の側面に関して上述したようなポータブル電子通信装置を備えた通信システムと、最大数の代替周波数の格納が可能なメモリ容量を有する受信機とが提供される。その場合、上記処理リソースは代替周波数の最大数未満として上限値を実現するように構成される。
【0045】
受信機はFM受信機であってもよい。上記上限値は所定のマージンあたり代替周波数の最大数未満であってもよい。この所定マージンは少なくとも5個の代替周波数であってもよい。
【0046】
本発明の第6の側面によれば、受信機のメモリ内においてエラーデータに起因して生じる再同調遅延の低減方法が提供される。本方法は、ポータブル電子通信装置が複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定するステップと、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数のなかから、量の面で複数の代替周波数の総数未満になるように、複数の代替周波数を選択するステップと、上記複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済み周波数で通信するステップと、を有し、通信される上記複数の代替周波数は、上記複数の利用可能な周波数の総数に関して量の面で代替周波数の上限値を構成する。
【0047】
本方法は、複数の代替周波数からの選択に先行して該複数の代替周波数を特定するステップをさらに有してもよい。
【0048】
本発明の第7の側面によれば、本発明の第3又は第6の側面と関連して上述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム要素が提供される。
【0049】
上記コンピュータプログラム要素はコンピュータ可読媒体上で実現されてもよい。
【0050】
したがって、受信機のメモリからエラーデータを消去するポータブル電子通信装置及び方法の提供が可能となる。このエラーデータは、NREの結果生じるエラーを含む代替周波数を使用しようとする受信機が発生する確率を下げる結果をもたらすことになる。さらに、メモリがエラーのみを含むか、あるいは、ほとんどエラーのみを含む場合受信機のメモリによるNREの収集は行われなくなる。エラーを含む代替周波数の利用が減少する結果、受信機による再同調遅延数の減少が生じ、そのため、リスナのための改善された聴取経験が得られることになる。さらに、受信機を手動で再同調する必要性も減り、それによって、例えば運転者の作業負荷が減らされるため、ポータブル通信装置と受信機の少なくともいずれかの安全な使用が改善されることになる。受信機のメモリ内でのエラーデータに起因して生じる再同調遅延を低減するポータブル電子通信機装置と、通信システムと、方法との提供も可能となる。このエラーデータは、NREの結果生じるエラーを含む代替周波数を利用しようとする受信機が発生する確率を下げる結果をもたらすことになる。さらに、メモリがエラーのみを含むか、あるいは、ほとんどエラーのみを含む場合、受信機のメモリによるNREの収集は最小化される。エラーを含む代替周波数の利用が減少する結果、受信機による再同調遅延数の減少が生じ、そのため、リスナのための改善された聴取経験が得られることになる。さらに、受信機を手動で再同調する必要性も減り、それによって、例えば運転者の作業負荷が減らされるため、ポータブル通信装置と受信機の少なくともいずれかの安全な使用が改善されることになる。
【0051】
以下、上記の実施形態の他の利点が説明されるが、上記の各実施形態のさらなる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び以下の詳細な説明において定義される。
【0052】
添付の図面を参照して、以下本発明の少なくとも一つの実施形態を単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)を示す例示部分の概略図である。
【図2】本発明の実施形態を構成するナビゲーション装置の電子部品の概略図である。
【図3】通信ユニットと接続された図2の一部を示す概略図である。
【図4】図2のナビゲーション装置により採用される構造的スタックを概略的に示す図である。
【図5】車両内における図2のナビゲーション装置の概略図である。
【図6】図5の車両内においてオプション使用のためのドッキング構成を示す概略図である。
【図7】図2のナビゲーション装置を用いる再同調遅延の低減方法を示すフローチャートである。
【図8】図7の方法に従うナビゲーション装置のディスプレイから得られる画面である。
【図9】図7の方法に従うナビゲーション装置のディスプレイから得られる画面である。
【図10】図7の方法に従うナビゲーション装置のディスプレイから得られる画面である。
【図11】図7の方法に従うナビゲーション装置のディスプレイから得られる画面である。
【図12】図7の方法に従うナビゲーション装置のディスプレイから得られる画面である。
【図13】図7の方法に従うナビゲーション装置のディスプレイから得られる画面である。
【図14】本発明の別の実施形態を構成する受信機のメモリの消去方法を示すフローチャートである。
【図15】図14の方法に対する受信機による応答を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の説明を通じて同一の参照番号は同様の部分を識別するために使用される。
【0055】
特にPNDを参照して、本発明のいくつかの実施形態について以下説明する。しかし、本発明の教示はPNDに限定されるのではなく、代わりにポータブル式のナビゲーションソフトウェアの実行により経路計画/ナビゲーション機能性を提供するように構成される任意の種類の処理装置に一般に適用可能であることに留意するべきである。従って、本出願の説明においてナビゲーション装置は、当該装置がPND、自動車等の車両、あるいは実際は経路計画/ナビゲーションソフトウェアを実行する、例えばポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA)のようなポータブル演算リソースとして実現されるかどうかに関わらず、任意の種類の経路計画/ナビゲーション装置を制限なく含むことを意図するものである。しかし、本書面で説明する実施形態は、経路計画とナビゲーション機能の少なくともいずれかの提供のためには使用されないポータブル電子装置に対しも適用可能であると理解すべきである。
【0056】
また、ユーザが1つの場所から別の場所へナビゲートする方法に関する指示を求めているのではなく、単に1以上の近くのスピーカへオーディオ出力を行うことを所望する状況においても本発明の教示が有用であることは、以下の説明から明らかになるであろう。
【0057】
図1は、本願の実施形態のナビゲーション装置を含むナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す図である。そのようなシステムは周知であり、種々の目的に使用される。上述の条件を考慮しつつ、図1の全地球測位システム(GPS)及びそれと同様のものは様々な目的に使用される。一般に、GPSは、連続的な位置、速度、時間及びいくつかの例においては方向情報を無数のユーザに対して判定できる衛星無線ナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして周知であったが、GPSは極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を使用する。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は、それらの場所を任意の数の受信装置に中継できる。
【0058】
GPSデータを受信する能力を特別に備える装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0059】
図1に示すように、GPSシステム全体を参照番号100で示す。複数の衛星102は、地球104の周囲の軌道上にある。各衛星102の軌道は、他の衛星102の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期であることが多い。GPS受信機106は、種々の衛星102からスペクトル拡散GPS衛星信号108を受信するように示される。
【0060】
各衛星102から連続的に送信されるスペクトル拡散信号108は、極めて正確な原子時計を用いて達成される非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星102は、そのデータ信号送信108の一部として、その特定の衛星102を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機106が三角測量によりその2次元位置を計算するために、GPS受信機106は少なくとも3つの衛星102からスペクトル拡散GPS衛星信号108を取得することが当業者には理解される。更なる信号を取得すると、全部で4つの衛星102から信号108を取得する結果となり、これによってGPS受信機106は、その3次元位置を周知の方法で計算できる。
【0061】
図2を参照してわかるように、ここで注目すべき点は、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置のすべての構成要素を含むわけではなく、多くの構成要素の例を単に表す図であるという点である。ナビゲーション装置200は筐体(不図示)内部に配置される。ナビゲーション装置200は、例えばプロセッサ202を備えた処理リソースを含み、プロセッサ202は、入力装置204及び表示装置(例えば表示画面206)と接続されている。本明細書では単一の入力装置204を参照するが、入力装置204は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル、情報入力に使用される他の任意の周知の入力装置のうちの少なくともいずれかを含む任意の数の入力装置を示すことが当業者には理解されるべきである。同様に、表示画面206は、例えば、液晶ディスプレイ(LDC)のような任意の種類の表示画面を含んでもよい。
【0062】
一つの構成において、入力装置204の1つの態様であるタッチパネル及び表示画面206は一体化され、(直接入力、メニュー選択等を通じて行う)情報入力と、タッチパネル画面を介する情報表示との双方を可能にするために、タッチパッド又はタッチスクリーン入力320(図6)を含む入力兼表示装置を提供する。この場合、ユーザは、表示された複数の選択肢のうち1つを選択するために、あるいは複数の仮想ボタン又は「ソフト」ボタンのうち1つをアクティブにするために表示画面320の一部に触れるだけでよい。この点に関して、プロセッサ202はタッチスクリーン320と関連して動作するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)をサポートする。
【0063】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ202は、接続210を介して入力装置204に動作可能に接続され且つ入力装置204から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ202は、情報を出力するために、表示画面206及び出力装置208のうちの少なくとも一方に出力接続212を介して動作可能に接続される。ナビゲーション装置200は、出力装置208、例えば音響出力装置(例えば、ラウドスピーカ)を有してもよい。出力装置208が、ナビゲーション装置200のユーザに対して音響情報を生成することができることと同様に、入力装置204も、入力音声コマンドを受信するためのマイクロフォン及びソフトウェアを有することが可能であることを理解すべきである。さらに、ナビゲーション装置200は、例えば、音声入出力装置のような、更なる入力装置204とさらなる出力装置との少なくともいずれかを有することもできる。
【0064】
プロセッサ202は、接続部216を介して、データ・ストアを構成するメモリ214と動作可能に接続され、接続部220を介して入出力(I/O)ポート218との間で情報を送受信するようにさらに適合される。この場合、I/Oポート218はナビゲーション装置200の外部I/O装置222に接続可能である。外部I/O装置222は、例えばイヤホン等の外部聴取装置を含んでもよいが、聴取装置に限定されるわけではない。さらに、I/O装置222との接続は、例えば、ハンズフリー操作、音声起動操作の少なくともいずれかの操作(例えば、イヤホン又はヘッドホンとの接続、移動電話との接続の少なくともいずれかの接続のための、カーステレオユニット等の他の任意の外部装置との有線接続又は無線接続であってもよい。その場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は他の任意のネットワーク等との間のデータ接続を確立するためか、インターネット又は他の何らかのネットワーク等を介するサーバとの接続を確立するためかの少なくともいずれかのために使用可能である。
【0065】
図2はさらに、接続部226を介するプロセッサ202とアンテナ/受信機224との間の動作接続部を示す。その場合、アンテナ/受信機224は、例えば、GPSアンテナ/受信機であってもよい。なお、参照番号224で示されるアンテナ及び受信機は図示のために概略的に組み合わされているが、アンテナ及び受信機は、別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは、例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよい。
【0066】
本願に記載の機能をサポートするために、プロセッサ202は周波数変調(FM)ポート228とも接続される。
【0067】
当然、図2に示す電子部品が1以上の電源(不図示)により従来の態様で給電されることは当業者であれば理解されるであろう。当業者であれば同様に理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成が考えられる。例えば、図2に示す構成要素は、有線接続と無線接続等の少なくともいずれかの接続を介して互いに通信状態になることができる。従って、本明細書中で説明されるナビゲーション装置200はポータブルの又はハンドヘルドのナビゲーション装置200であってもよい。
【0068】
図3を参照すると、プロセッサ202は無線データシステム(RD)通信ユニット254とFMポート228とを介して通信を行うことが可能である。RDS通信ユニット254は、RDSエンコーダ256及び、例えばRDS用のIEC/CENELEC EN62106仕様に記載されているようなRDS技術仕様に準拠して、オーディオ並びにRDSの両データを送信するための通信回路を備える。RDS通信ユニットは、当業において周知のものであるので、説明の明瞭さと簡潔さを旨としてRDS通信ユニット254の構造についてのさらなる詳細な説明は本明細書では行わない。
【0069】
次に図4を参照すると、プロセッサ202及びメモリ214は協働して、ナビゲーション装置200の機能ハードウェア構成要素280と、ナビゲーション装置200により実行されるソフトウェアとの間のインタフェースとして機能するBIOS(基本入出力システム)282をサポートする。その後、プロセッサ202はオペレーティングシステム284をメモリ214からロードする。該メモリ214は(上述の経路計画/ナビゲーション機能性の一部又は全部を実現する)アプリケーションソフトウェア286が実行できる環境を提供する。アプリケーションソフトウェア286は、ナビゲーション装置200の基本機能、例えば、地図閲覧、経路計画、ナビゲーション機能及びこれらに関連付けられる他の任意の機能をサポートするGUIを含む動作環境を提供する。地図データはメモリ214により格納される。さらに、メモリ214は、本明細書において後程説明する国コードデータ(不図示)も格納する。
【0070】
図5を参照してわかるように、以下の例では、ナビゲーション装置200は、例えば車両搭載型娯楽システムを有する自動車300などの車両内において使用される。このようなオーディオ娯楽システムの例として、例えばFMラジオ302又はFM受信機(不図示)を内蔵し、ディスプレイ302を備えたチューナなどがある。FMラジオ303はスピーカシステム304と接続されている。しかし、1以上のスピーカと接続されたRDS可能FM受信機が存在する別の環境においてもナビゲーション装置200の配備が可能であることは当業者であれば理解するはずである。別の装置や機器から発生するオーディオ信号のオーディオ出力用としてスピーカの使用が望まれている。スピーカの使用を容易にするために、図2のポータブルの又はハンドヘルドのナビゲーション装置200を接続したり、自動車300、あるいは、例えば自転車、バイク、車又はボートなどの別の任意の適切な車両と周知の方法で「ドッキング」したりすることが可能である。その場合ポータブルの又はハンドヘルドのナビゲーションを利用するために、ナビゲーション装置200はドッキングされた場所から取り外すことが可能である。この点に関して(図6)、ナビゲーション装置200は、一体型の入力兼表示装置320、並びに、図2のその他の構成要素(内部GPS受信機224、マイクロプロセッサ202、電源(不図示)、メモリシステム214などを含むが、これらのみに限定されるわけではない)を含むユニットであってもよい。
【0071】
ナビゲーション装置200はアーム322に取り付けることができる。このアーム自体は吸着カップ324を用いて車両ダッシュボード/窓/などに固着するものであってもよい。このアーム322は、ナビゲーション装置200のドッキングが可能なドッキング・ステーションの1例である。ナビゲーション装置200は、ドッキングされたり、あるいは、例えばナビゲーション装置200をアーム322とスナップ接続することによりドッキング・ステーションのアーム322と別様に接続されたりすることが可能である。その場合アーム322上でナビゲーション装置200を回動可能にしてもよい。ナビゲーション装置200とドッキング・ステーション間での接続を解除するために、例えばナビゲーション装置200に設けられたボタン(不図示)を押してもよい。ナビゲーション装置200のドッキング・ステーションとの接続及び分離を行うための他の同様に適切な構成については当業者に周知されている。
【0072】
運転中(図7)、ナビゲーション装置200のユーザが、ナビゲーション装置200の交通渋滞回避機能を利用して自宅から約6km離れたオフィスまで運転することを所望するものとする。自動車300の中に入った後、ユーザは、ナビゲーション装置200(図8)の電源を投入し(ステップ400)、GUIにより提供されるメニュー構造にアクセスするためにタッチスクリーンディスプレイ320に触れる(ステップ402)。次いで、ユーザは「基本設定の変更」メニューオプション350(図9)を選択し(ステップ404)、それから、「スピーカの基本設定」を示すメニューオプション352(図10)に達するためにメニュー構造とのネゴシエーションを行う(ステップ406)。スピーカの基本設定を示すメニューオプション352の選択時に、GUIは、ナビゲーション装置200により提供される可聴指示に関してスピーカの基本設定オプション354(図11)を示す第1の画面を表示する。本例では、ユーザは、自動車300内でスピーカ304を通じて再生される可聴指示を所望しているため、「あなたのカーラジオとつながるFM」オプション356を選択する(ステップ408)。それからユーザは最終選択を行ったことを示すために「実行」ソフトボタン358を押す。次いで、GUIはナビゲーション装置200によって、又は、ナビゲーション装置200を介して提供される音楽に関してスピーカの基本設定オプション360(図12)を示す第2の画面を表示する。本例では、電子音楽プレイヤをナビゲーション装置200と接続して、ナビゲーション装置200を経由して、(ナビゲーション装置200の内部スピーカか、別の外部出力装置かのいずれかを通じて)音楽の再生を許可することが可能である。単純さを旨として、本例では音楽プレイヤ又は他のオーディオ信号ソースがナビゲーション装置200と接続されていないものと仮定する。しかし、当業者であれば理解できるように、FMラジオ302のスピーカ304を通じて行われるナビゲーション指示の再生に関する本願に記載の原理は、別のオーディオ信号ソースに関係するスピーカ304の使用オプションに対しても適用可能である。上記仮定の結果、ユーザは、第2のスピーカの基本設定オプションを示す画面360上に提示される音楽に関するオプションをいずれも変更せず、単に別の「実行」ソフトキー362を押す。
【0073】
次いで、RDS通信ユニット254と協働するプロセッサ202はFMラジオ放送用に割り当てられた周波数帯域を走査し(ステップ410)、次いで、他の放送事業者によって占有されていない、そのため、FM受信機の同調が可能な周波数並びにそれぞれの複数の代替周波数(AF)として使用できる複数の利用可能な周波数を特定する。次いで、プロセッサ202は、複数のAFのなかからいくつかのAFを選択する(ステップ412)。この選択されたいくつかのAFはメモリ214内に格納される。この点に関して、FM受信機に関して行われる典型的なメモリ割当ては、25個のAFを格納するためのメモリであることが知られている。このメモリ割当ては、RDS技術仕様に提示されているタイプOAメッセージを用いるPIコードに関連して送信され得る複数の代替周波数に従うものである。受信機のメモリがいっぱいになることを防止するために、FMラジオ302の例の場合、プロセッサ202は、例えばエントリのマージンによって、受信機の典型的メモリ容量未満の容量であるAFの所定最大量に選択される複数のAFの上限値を設ける。したがって、本例では、選択された複数のAFは25個未満(例えば約20個)である。しかし、さらに少数のAF(例えば約10個未満のAFのような約15個未満のAF)を選択してもよい。選択されたAFの数は、例えば約5個未満のAFなどのさらに少ないものであってもよい。特定された複数のAFのなかから複数のAFが選択されるとすぐに、ナビゲーション装置200のRDS通信ユニット254は、上記選択された同調済み周波数に同調し、次いで、選択されたAFのリストを含む、例えばタイプOAグループのような第1のRDSデータを送信する(ステップ414)。言うまでもなく、RDS通信ユニット254は、例えば同調済み周波数に関連付けられた番組識別コード及び番組サービス名(「TomTom」)などの別のRDSデータを送信する。本例では、番組識別コードは、当業者には周知のポータブル電子装置のためのRDSフォーラムにより提案された方式に従って生成されたものであってもよい。さらに、AFリストは通常一連のメッセージ又はグループを介して通信される。
【0074】
次いで、GUIは、本例では自動車300に配置されたFMラジオ302を番組サービス名「TomTom」によって識別されるチャネルに同調するようにユーザに指示する指示スクリーン(図13)へ移る。したがって、ユーザはFMラジオ302をセットしてFMラジオ302局の走査を行う(ステップ416)。RDS機能によって、FMラジオ302のディスプレイ303による、個々の検出された局名の表示が可能になる。
【0075】
したがって、走査処理手順は最終的にFMラジオ302がTomTomチャネルに同調するという結果をもたらすことになる。TomTom「チャネル」に関連付けられた周波数が同調された周波数になる。例えば選択済みのAFリストを含むタイプOAグループのような第1のRDSデータも同調済みの周波数に関して受信される。同調処理の一部として、FMラジオ302は、受信チャネル用として予約されたFMラジオ302のメモリ(不図示)に割り当てられたそれぞれの空間内に受信した選択済みのAFを格納する。複数のAFに対して量の面で上限値が設けられているので、FMラジオ302のメモリに格納された複数のAFが、単一チャネルに対して割り当てられたFMラジオ302のメモリ容量全体を占めることはない。このため、ナビゲーション装置200が行程の進行中にAFを通信した結果、さらなるAFがFMラジオ302の使用中にFMラジオ302のメモリに追加されると、上記NREの発生が、したがってFMラジオ302のメモリ内へのエラーを含むAFの格納が結果として生じなくなるか、エラーを含むAFに優先して正確なAFがFMラジオ302のメモリから消去される処理が最小化されることになる。
【0076】
FMラジオ302が「TomTom」放送を取得するとすぐに、ユーザは、別の「実行」ソフトキー364(図13)を押し、次いで、GUIは地図表示画面(図8)へ戻る(ステップ418)ことによって応答を行う。
【0077】
上記の例では、RDS通信ユニット254は、例えば、すべての利用可能な周波数のような複数の利用可能な周波数を探索したが、すべての利用可能な周波数又は必要以上の利用可能な周波数を特定することなく、ナビゲーション装置200が実行する走査処理中に必要な複数のAFのみを通信用として特定できることを当業者であれば理解すべきである。例えば、走査中に遭遇する第1のAFを単に選択し、次いで、十分な数のAFが実装済みの上限値に一致したことが判明するとすぐに、プロセッサ202は停止することができる。
【0078】
FMラジオ302によるエラーを含むAFの格納に関連する問題を防ぐための上述した方式に対する追加の又は代替の方策として、ナビゲーション装置200は以下のように機能する。
【0079】
FMラジオ302がTomTomチャネルに同調されるとすぐに、例えばナビゲーション指示のような、ナビゲーション装置200によって送信されるオーディオ信号がスピーカ304によって一度再現され、例えばナビゲーション装置200のユーザによって経路が設定され、交通渋滞を回避する指示が提供される。
【0080】
上述したように、ナビゲーション装置200がFM放送を介してRDSデータをFMラジオ302へ通信しているようにするために、ナビゲーション装置200及びFMラジオ302の使用中に、FMラジオ302によって受信された「TomTom」チャネルに関するFMラジオ302の割り当てられたメモリ空間は、NREの発生の結果、エラーを含むAFでいっぱいになる可能性がある。この問題は比較的短距離の行程に起因して生じる場合に特に深刻であり、結果としてFMラジオ302が、行程の進行中、同調済み周波数に関する信号強度不良のために再同調を必要とする蓋然性が低くなる。
【0081】
図14を参照すると、ナビゲーション装置200はRDS通信ユニット254を介して送信を行う(ステップ420)。RDSデータは上述したように複数のAFを含み、これらのAFはFMラジオ302の割り当てられたメモリ空間に格納される。さらに、プロセッサ202は更新トリガ方式を動作させる。この更新トリガ方式は、ナビゲーション装置200に関連付けられた番組識別コードに関して、FMラジオ302のメモリを更新するためにFMラジオ302のトリガアクションを行う必要時点の判定に利用される。本例では、プロセッサ200は、例えば毎時間、2時間毎、1日毎、毎週、毎月の少なくともいずれかのような周期ベースでアクションを行うことにより定期的更新トリガ方式を実行する。本例では、定期的更新トリガ方式は、番組識別コードに関してFMラジオのメモリ更新を毎日行うためにFMラジオ302をトリガするように構成される。したがって、プロセッサ202は、ナビゲーション装置200によって維持されるクロック(不図示)を監視して、1日が経過した時刻と、RDS通信ユニット254を別の周波数に再同調する必要がある時刻とを決定する(ステップ422)。この点に関して、1日が経過するとすぐに、事前に選択された複数のAFから別の周波数が選択される(ステップ424)。一般に、この別の周波数は、上記複数のAFであるAFのリスト内の第1のAFである。したがって、RDS通信ユニット254による再同調アクションは、例えば干渉などに起因して生じる不適切な信号強度の結果必要となる再同調を行うための補助的なアクションであるということがわかる。
【0082】
上記とは別に、周期的又は定期的方式の代わりに、ランダム方式の採用が可能であり、このランダム方式ではトリガ処理間の時間間隔はランダムな時間量となる。ナビゲーション装置200は、該装置の非使用時間に後続するRDS通信ユニット254の起動検出を可能にすると共に、トリガとして起動検出の利用を可能にすることにより装置200をさらに拡張することが可能となる。
【0083】
FM送信機が上記別の周波数を選択するとすぐに、RDS通信ユニット254は、AFの探索の実行へ進み(ステップ426)、その後に、新たなAFを含むRDSデータの生成(ステップ428)が続く。前回選択された複数のAFの代わりに、発見されたこれらの新たなAFはメモリ214に格納される。次いで、RDS通信ユニット254は上記別の周波数に再同調する(ステップ430)と共に、例えば新たなAFを特定するタイプAグループのような第2のRDSデータの送信を行う(ステップ432)。
【0084】
FMラジオ302においてFMラジオの受信機は受信信号強度を監視する(ステップ450)。同調済み周波数に関連付けられた受信信号強度が十分に強い間、FMラジオ302の受信機はRDS技術仕様に準拠して同調済み周波数で受信を継続する。しかし、受信信号強度がしきい値を下回ると、FMラジオ302は、FMラジオ302のメモリに格納された複数のAFのなかから第1のAFを特定するために上記メモリにアクセスし、次いで、選択した第1のAFに再同調する(ステップ452)。次いで、FMラジオ302は、FMラジオ302のメモリから検索された第1のAFに関連付けられた受信信号強度を監視する(ステップ454)。第1のAFに関連付けられた信号強度が不足している場合、FMラジオ302はFMラジオ302のメモリに格納された複数のAFのなかから第2のAFを再び特定するためにFMラジオ302のメモリにアクセスし、次いで、選択した第2のAFに再同調する(ステップ456)。上記処理手順(ステップ454及び456)は関連付けられた十分な信号強度を有する別のAFが発見されるまで繰り返される。言うまでもなく、信号強度の測定不良が生じる得る原因として、NREの結果FMラジオ302のメモリに記録された使用AFがエラーを含むものであるという点が挙げられる。このような環境では、FMラジオ302は、TomTomチャネルに関連付けられた番組識別コードを取得することができなくなる。その場合、たとえ信号強度が十分なものであっても、FM受信機はFMラジオ302が格納したAFリスト内の次のAFにそのまま再同調することになる。
【0085】
FM受信機302がAFに関連付けられた十分な信号強度と正確な番組識別コードとを有するAFに同調するとすぐに、FMラジオ302は、上述したようなナビゲーション装置200による第2の送信済みRDSデータの受信へ進む。特に、FMラジオ302は、新たなAFを特定するタイプOAグループを受信し、かつ、FMラジオ302のメモリに現在格納されている複数のAFの代わりに上記新たなAFを保存する。したがって、FMラジオ302のメモリに事前に格納され、かつ、NREに起因するエラーを含む可能性のある複数のAFは、別の周波数でナビゲーション装置200から受信した新たなAFによって置き換えられ、その結果FMラジオ302のメモリは消去されることになる。
【0086】
上記例では、FMラジオ302及びナビゲーション装置200が、通信システムを構成することが理解されるべきである。
【0087】
RDSに関連して上記諸例について主に説明したが、当業者であれば理解できるように、上記実施形態は、例えばアメリカ合衆国などの北米において実施されている無線放送データシステム(RBDS)として公知の種々の技術仕様と関連して採用され得るものである。したがって、誤解のないように付言すれば、本書面におけるRDSの引用はRBDSも含むものと解釈されるべきである。
【0088】
以上、本発明の種々の側面及び実施形態を説明したが、本発明の範囲は本明細書に記載される特定の構成に限定されるのではなく、代わりに添付の請求の範囲の範囲に含まれる全ての構成、並びにそれらに対する変更及び変形を含むように拡張されることが理解されるべきである。
【0089】
例えば、ここで注目すべき点として、本願に記載のRDS通信ユニット254はナビゲーション装置200の内部にあるものではあるが、FMポート228はナビゲーション装置200と接続する外部RDS通信ユニット又は他の任意の適切なポータブル電子装置として提供されてもよいという点が挙げられる。
【0090】
別例として、前述の詳細な説明中で説明した実施形態はGPSを参照するものであるが、ナビゲーション装置は、GPSの代わりに(又は実際はGPSに追加して)任意の種類の位置検知技術を利用してもよいことに注目すべきである。例えば、ナビゲーション装置は、提案されている欧州のガリレオシステム等の他の全地球的航法衛星システム(GNSS)を利用できる場合には、これを利用することも可能である。同様に、ナビゲーション装置は、衛星の使用に限定されず、地上ベースのビーコンや装置によって地理的な場所の判定が可能な他の任意の種類のシステム、例えば、長距離ナビゲーション(LORAN)−Cシステムなどを使用しても容易に機能することが可能である。
【0091】
別の例によれば、上記実施形態はナビゲーション装置に関連して説明されたものではあるが、本願に記載の方式はナビゲーション装置に対して適用可能であるだけでなく、他の任意の電子通信装置に対しても適用可能であると理解すべきである。この電子通信装置に関して、例えば移動電話機又は音楽プレイヤのようなメディアプレイヤ(特にMP3プレイヤやMP3プレイヤ用アクセサリ、但しこれ以外を排除するものではない)などのFM受信機による受信のためにRDS又はRDBSデータをFMチャネルで送信することが望ましい。
【0092】
本発明の代替の実施形態は、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータプログラム製品として実現可能である。コンピュータプログラム製品は、例えばディスク、CD−ROM、ROM又は固定ディスク等の有形データ記録媒体に格納された一連のコンピュータ命令であるか、あるいは有形媒体又は無線媒体、例えばマイクロ波又は赤外線を介して送信されるコンピュータデータ信号において実現される。これら一連のコンピュータ命令は上述の機能性の全部又は一部を構成することが可能であり、半導体メモリ素子、磁気メモリ素子、光メモリ素子又は他のメモリ素子等の任意の揮発性又は不揮発性メモリ素子にも格納可能である。
【0093】
好適な実施形態はある特定の機能性をソフトウェアにより実現するが、その機能性はハードウェアにおいて(例えば1以上のASIC(特定用途向け集積回路)により)単独で実現されてもよく、又は実際はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてもよいことも当業者には理解されるであろう。そのため、本発明の範囲はソフトウェアにおける実現のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0094】
最後に、添付の請求の範囲は本明細書中で説明した特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の範囲は、以下に特許請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の請求の範囲に特に記載されているか否かに関わらず、本明細書中で開示された特徴又は実施形態の任意の組み合わせを含むように拡張されるという点にも注目すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル電子通信装置であって、
無線データシステム通信ユニットと動作可能に接続された処理リソースと、
前記処理リソースと動作可能に接続されたデータ・ストアと
を備え、
前記処理リソースは、使用時に複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定する共に、前記複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済みの周波数で通信するように構成され、
前記無線データシステム通信ユニットは、使用時に同調済み周波数から複数の利用可能な周波数のうちの別の周波数に再同調すると共に、第2の無線データシステムデータを前記別の周波数で通信するように構成され、
前記再同調は、前記同調済み周波数に関連付けられた不適切な信号強度の結果開始される任意の再同調を補う同調である
ことを特徴とするポータブル電子通信装置。
【請求項2】
前記データ・ストアは前記複数の代替周波数を格納するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項3】
前記処理リソースは、別の複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な別の複数の利用可能な周波数を特定すると共に、前記第2の無線データシステムデータを前記別の周波数で通信するように構成され、
前記第2の無線データシステムデータは前記別の複数の代替周波数を特定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項4】
前記データ・ストアは、前記複数の代替周波数の代わりに前記別の複数の代替周波数を格納するように構成されることを特徴とする、請求項2に従属する請求項3に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項5】
前記無線データシステム通信ユニットは、定期的更新トリガ方式に従って前記別の周波数に再同調するように構成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項6】
前記無線データシステム通信ユニットは、前記無線データシステム通信ユニットの起動に応じて前記別の周波数に再同調するように構成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項7】
前記無線データシステム通信ユニットは、ランダムな更新トリガ方式に従って前記別の周波数に再同調するように構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項8】
前記処理リソースは、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数の中から、前記複数の代替周波数の総数未満の数の、前記複数の代替周波数を選択し、
前記通信される複数の代替周波数の個数は、前記複数の利用可能な周波数の総数に関して代替周波数の上限値を構成する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項9】
前記処理リソースは、前記複数の代替周波数の選択に先行して、前記複数の代替周波数を特定するように構成されることを特徴とする請求項8に記載のポータブル電子通信装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のポータブル電子通信装置を備えることを特徴とするポータブルナビゲーション装置。
【請求項11】
受信機のメモリからエラーデータを消去する方法であって、
ポータブル電子通信装置が、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定するステップと、
複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済み周波数で通信するステップと、
前記同調済み周波数から前記複数の利用可能な周波数のうちの別の周波数に再同調を行うステップであって、前記同調済み周波数に関連付けられた不適切な信号強度の結果開始される任意の再同調を補う同調を行う、再同調ステップと、
第2の無線データシステムデータを前記別の周波数で通信するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
ポータブル電子通信装置であって、
無線データシステム通信ユニットと動作可能に接続された処理リソースと、
前記処理リソースと動作可能に接続されたデータ・ストアと
を備え、
前記処理リソースは、使用時に複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定する共に、前記複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済みの周波数で通信するように構成され、
前記処理リソースは、複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数の中から、前記複数の代替周波数の総数未満の数の、使用時に前記複数の代替周波数を選択するように構成され、
前記通信される複数の代替周波数の個数は、前記複数の利用可能な周波数の総数に関して代替周波数の上限値を構成する
ことを特徴とするポータブル電子通信装置。
【請求項13】
請求項12に記載のポータブル電子通信装置と、
最大数の代替周波数を格納することが可能なメモリ容量を有する受信機と
を備え、
前記処理リソースは、代替周波数の最大数未満の上限値を実現するように構成される
ことを特徴とする通信システム。
【請求項14】
前記上限値は、前記代替周波数の最大数から所定マージンを引いた値であることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
受信機のメモリにおいてエラーデータに起因して生じた再同調遅延を低減する方法であって、
ポータブル電子通信装置が複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数を特定するステップと、
複数の代替周波数としてそれぞれ機能することが可能な複数の利用可能な周波数の中から、複数の代替周波数の総数未満の数の、複数の代替周波数を選択するステップと、
前記複数の代替周波数を特定する第1の無線データシステムデータを同調済み周波数で通信するステップと
を有し、
通信される前記複数の代替周波数の個数は、前記複数の利用可能な周波数の総数に関して代替周波数の上限値を構成する
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記複数の代替周波数を選択するステップに先行して、該複数の代替周波数を特定するステップをさらに有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項11、15、16のいずれか1項に記載の方法に係る各手順をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−524665(P2011−524665A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510839(P2011−510839)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004612
【国際公開番号】WO2009/143875
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】