説明

マイクロ流体システム

マイクロ流体システムは、例えばセンサ又はポンプユニットといった要素4を有する。それらは、チャネル7で導かれる流体の特性を測定するよう又はこの液体に関する影響を与えるよう意図される。本発明において、マイクロ流体システムは、要素構造49が形成され、それと平行にチャネル構造8が、チャネル7がチャネル構造8に組み込まれるような態様で配置され、要素4がキャストジャケット物質5に埋め込まれることが提案される。斯かるマイクロ流体システムにおいて、チャネルを通る非常に良好な流れ特性を備える流体の流れが実現されることができるという態様で、要素がチャネルに対して配置されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体システム及びマイクロ流体システムを作成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体システムは、医療環境において増加的に使用される。そこでは、マイクロ流体システムのチャネルを介して導かれる、患者の体からの流体サンプルにおける特定の分子構成要素の存在又は濃度を決定するために、生物学/化学センサがシステムにおける要素として使用される。体からの流体サンプルは、特に血液サンプルであり、尿サンプルであり、及び流体中に用意される細胞サンプルである。特定の構成要素は、例えば、感染症又は他の病気への手がかりを提供する特定のたんぱく質又はDNAシーケンスである。まず体からのサンプルが研究室に送られ、そこで測定結果が得られ、それから関連する医師に伝えられるという伝統的な研究室での検査に対して、患者のベッドで多かれ少なかれ直接測定することができること及びその測定結果に対して迅速にアクセスできることが斯かるシステムの大きな利点である。生物学/化学センサに体からのサンプルを規定された態様で転送するために、少なくとも1つのチャネルを有するチャネルシステムが組み込まれるケースを持つカセット(カートリッジ)が使用される。そのチャネルは、患者のサンプルを導入する注入口から、生物学/化学センサのアクティブな測定表面にわたって広がり、可能であれば、チャネルを通過した後、体からのサンプルが運ばれる窪みで終わる。生物学/化学センサは電子的に接触され、例えば、マイクロ流体システムを適切な読み出しデバイスに接続させることにより、測定結果が電子的に読み出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
斯かるマイクロ流体システムは、1回の使用により汚染され、廃棄される。このことは、できるだけコスト効率的である製造方法を開発する必要を生じさせる。これはまた、特定の測定を行うのに使用されるセンサの表面をできるだけ小さくすることを必要とする。なぜなら、センサが小さいほど、それを製造するコストが安く済むからである。チャネルを小型化すると、体からのサンプルの量がわずかでも機能することを可能にすることができる。それは、多くの測定が行われる場合には特に好ましい。装置を小型化すると、マイクロ流体システムにおける流体の流れに特殊な要件が課せられる。
【0004】
特に、アクティブ表面への運送の間及びセンサのアクティブ表面を越える運送の間、流体の流れは一様であるべきである。即ち、流体がストリームにおいて滞るといった流れの無い領域が存在しないようであるべきであり、所与のずり速度が維持されるべきである。
【0005】
従って本発明の目的は、特に改善された流体運送を可能にするマイクロ流体システム及びマイクロ流体システムを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的は、キャストジャケット物質に埋め込まれる要素を有する要素構造を備えるマイクロ流体システムにより実現される。そこでは、その要素構造が、フラットな組み立て側面を持ち、その組み立て側面に配置されるチャネル構造を有する。そのチャネル構造は、流体を導く少なくとも1つのチャネルを組み込み、そのチャネルは、少なくとも要素領域におけるその組み立て側面に対して平行に伸びる。その要素は、チャネルに存在する流体の性質を測定するよう又はその流体に影響を与えるようデザインされる。
【0007】
その要素がジャケット物質(例えば、合成樹脂又は別の熱可塑性物質)に埋め込まれるという事実により、良い流体伝導特性を持つマイクロ流体システム(ここでは、ガスがマイクロ流体システム内を通過することができる)が特に必要とされる。その要素は、その要素と要素構造との間にそれとわかる程の隙間を設けることなく、それをキャストジャケット物質に埋め込むことにより、その要素構造に一体化される。隙間は、例えばその要素が完成された要素構造製造物に埋め込まれることになる場合、例えば射出形成により作成されることになる。キャストジャケット物質を用いて埋め込む場合、他の要素及び電気リードもまた、1つの製造ステップでその要素構造に同時に一体化されることができる。斯かるマイクロ流体システムにおいて、その要素は、非常に良好な流動特性を備える流体の流れがチャネルを通って実現されることができるという態様で、チャネルに対して配置されることができる。要素構造のフラットな組み立て側面は、チャネル構造との良い接続性を確実にする。フラットな組み立て側面という用語は、その組み立て側面が、注入口又はチャネルシステムからの排出口を持つことを除外することを意味するものではない;また、要素領域におけるマイナーな陥没もまた無視されるべきである。更に、要素領域において組み立て側面に平行に伸び、従って、要素領域を超える良い流体の流れを確実にするチャネルの実現を、フラットな組み立て側面が容易にすることも意味する。こうして、要素領域中のチャネルにおける勾配の形成が防止される。これは、流れの乏しい領域を作ることなく、制御された流体の流れをもたらし、その結果、チャネルを通過する第2の流体が、事実上完全にチャネルからの第1の液体を洗い流し、迷惑な汚染物質を後に残さない。
【0008】
要素構造がチャネルの境界壁を形成するようなマイクロ流体システムの実施形態において、結果のチャネル高がマイクロ流体システムにおいて実質的に一定であることを保証することは容易である。特に要素構造は、フラットなチャネル構造にも接続する実質的にフラットな組み立て側面を持つので、実質的に一定の高さのチャネルが得られる。要素は、キャストジャケット物質に埋め込まれるので、要素構造の組み立て側面は、実質的にその要素のアクティブ表面の平面末端として本質的には機能することができる。実質的に一定のチャネル高だけでなくその要素のアクティブ表面が直接接触することが、こうして保証される。
【0009】
その要素に対する電気的リードが必要な場合、その要素のアクティブ表面も形成される同じ側でそれらを接続することが有利である。なぜなら、その要素を通過して他のインアクティブな側面に至る電気的なプレートスルー(plated-through)ホールが免除されることができるからである。電気リードは更に、組み立て側面の一部を形成することができる。
【0010】
別の実施形態において、基板層が、要素構造とチャネル構造との間に配置される。マイクロ流体システムの製造において、基板は、その要素が配置され、続いてジャケット物質がその周りにキャスト(cast:流し込む)されるとき、安定化支持部として使用されることができる。
【0011】
更に別の実施形態において、その要素は、例えばデータ処理及び/又は制御及び/又はエネルギー供給ユニットといった外部ユニットと、データ及び/又はエネルギーの無線交換をするべく意図される。そのおかげで、その要素に対する必要な電気リードでさえ冗長となり、その要素のアクティブ表面は、その要素構造の組み立て側面で正確に終端処理されることができる(terminate)。
【0012】
本発明は、請求項1に記載されるように、マイクロ流体システムを製造する方法にも関し、それは:
・以下のサブステップである、
o フラットな基板に少なくとも1つの要素を配置するサブステップ、
o その要素の周りにジャケット物質をキャストするサブステップ、及び
o 要素構造がフラットな組み立て側面を持つよう、その基板を部分的又は完全に除去するサブステップ
を用いて要素構造を製造するステップと、
・その要素領域においてその組み立て側面に本質的に平行に伸びるチャネルが流体を導くように作成されるよう、チャネル構造をその要素構造に接続するステップとを有する。
【0013】
この製造処理においては、処理の過程において部分的又は完全に犠牲にされる基板が使用される。こうして、安定した基板が使用されることができる。その基板上には、ジャケット物質が基板の周りにキャストされる前にその要素が配置される。その基板は、ジャケット物質が硬化し(cured)、そして除去されることができるまで、必要な安定性を提供する。なぜなら、埋め込まれた要素を備える硬化したジャケット物質は、それ自身で安定性がある完成した要素構造を形成するからである。基板のフラットなデザインは、結果として、その要素構造のフラットな組み立て側面を生じさせる。更に、フラットな基板は、例えば、機械的なストリッピング(stripping:剥がすこと)により、再度容易に除去されることができる。
【0014】
別のデザインにおいて、製造処理は、以下の追加的なステップを持つ:基板上に少なくとも1つの電気リードを作成するステップと、その要素の少なくとも1つの接点をその電気リードに接続するステップとである。特に、エネルギー供給及びデータ交換のため電気リードに接触する必要がある要素の場合、そのリードは、(例えば、フラットな基板にプリントすることにより)まず基板上に形成されることができる。その基板から剥がした後(stripping off)、電気リードは、フラットな組み立て側面の一部を形成する。
【0015】
製造処理の追加的な開発は、次のサブステップ:
その要素のアクティブ表面上に化学及び/又は生物学的領域を提供するサブステップを有する。
【0016】
製造処理の別の追加的な開発は、要素と基板との間の中間スペースにフィルタ物質を付着させる(depositing)サブステップを有する。これは、その要素が基板に対して密封されることをもたらし、従って、完成したマイクロ流体システムにおいて、流体を堆積させる部屋の形成が発生しない態様で、その要素が埋め込まれる。フィルタ物質を付着させるサブステップは、ジャケッティング処理(jacketing process)の一部とすることができる:同じ物質が使用されることができる。一層粘着性の少ない物質も使用することができる。それは、要素と基板との間の空間を特にうまく埋めることになる。これは、要素のアクティブ表面と基板との間の空間を完全に埋め尽くすことをもたらすか、又はその空間がアクティブ表面がフリーのままであるようにのみ埋められる。その要素のアクティブ表面がチャネルにおける流体と直接接触しなければならない場合に、後者は必要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のこれら及び他の側面が、以下に説明される実施形態を参照して、非限定的な例示を介して明らかとなり詳細に説明されることになる。
【0018】
以下、まず図1a、b−図6a、bを参照して、本発明によるマイクロ流体システムの製造における例示的なサブステップの説明が与えられる。図1a、bから図5a、bは、要素構造の製造を示し、図6a、bは、マイクロ流体システムを生成するためのチャネル構造を備える要素構造の接続を示す。
【0019】
図1a及び図1bは、例えばアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金から作られる基板1を示す。その上には、例えば銅(Cu)といった電気的に導電する物質21の層が配置される(deposited)。当業者に知られた他の基板物質及び電気的に導電する物質が、本明細書に含まれるものと考えられる。点線は、基板及び電気的導電物質の層21に与えられることができるリセス12を表す。その重要性は、図8bのところで説明される。図1aは側面図であり、図1bは平面図である。その平面図は、画像の平面における水平軸に関して90度、低い方の画像エッジの方向に側面図を回転することにより得られる。その結果、平面図は、電気的導電物質21の層を示す。図1bの平面図においても、可能なリセス12が点線で示される。更に、図1における一点鎖線Lは、基板が2つの層を持つことができることも示す。画像平面の底部にある厚い層は、アルミニウムでできており、画像平面の上部にある薄い層は、プラスチックでできている、とすることができる。2層(又は多層)基板の意味は、図8aを参照して本書における更に先の箇所で説明される。図1a、bから図6a、b及び図8a、bにおいて、示される基板の大きさは、限定的な意味で解釈されるべきではない。示される装置は、図9に示されるより大きなマイクロ流体システムの部分、例えば図9において破線で示される部分Aの製造ステップに関連することができる。
【0020】
図2a及び図2bは、図1a及び図1bにおいて、電気的導電層がリソグラフィ処理により構築された後の側面図及び平面図をそれぞれ示す。製造処理のこのサブステップにおいて、電気的導電リード2が、層21の電気導電物質から作られる。本実施形態においてリード2は、10 μmの厚さd及びおよそ50 μmの幅wを持つ。d及びwの正確な値は、製造タイプと要件とに依存する。本書で述べられる電気導電物質21の連続層のリソグラフィによる構築の代わりに、電気導電リード2が、基板1でのプリントにより、又は他の知られた技術により生成されることもできる。本書に示される例においては、4つのリードが示される。これは、限定的な意味で解釈されるべきではない。要件に応じて、リード2が導かれる要素(図3a、b参照)が、1個、4個、10個、32個等のリード2により接触されることができる。リード2の数は、要素のタイプに依存する。本書の更に先で説明されることになるが、リード2を必要としない実施形態も存在する。その場合、電気導電物質を備える製造ステップが削除される。
【0021】
図3a及び図3bは、製造処理の次のステップをそれぞれ側面図及び平面図で示す。そこでは、要素4の1つ又は複数の接点6が1つ又は複数の電気導電リード2と接触状態にあるような態様で、特にセンサのような要素4が配置される。要素4は、基板に面する要素4の表面上に構成されるアクティブ表面41を持つ。アクティブ表面41は、大まかに言って、起こり得るリセス9の大きさとすることができる。通常の実施形態において、要素4は、シリコンベースのセンサであり、1.4 x 1.4 mm2の表面積及び0.7 mmの厚さを持つ;アクティブ表面は、約0.8 x 0.8 mm2を測定する。平面図において、反対側に構成されるアクティブ表面41は、完全な線で描かれる長方形により示される。長方形の代わりに、もちろん、アクティブ表面41が別の形状で構成されることもできる。アクティブ表面41のはっきりした特徴の1つは、例えばフォトダイオード又はそこに配置される磁場センサを用いてそこで測定が実行されることができる態様で、要素4がこの領域に構成されることである。アクティブ表面は、そのセンサの所定の深さにおいて、例えば幾つかの重畳する層において実際のセンサが形成されることを可能にする、要素の上部表面を意味するものとして理解されるべきである。センサは表面安定化(passivation)層により覆われることができる。要素4は、フリップチップ接合(bonding)による供給線2上の接点6と共に配置されることができる。接点6は、例えば、超音波のアプリケーションによる通常の態様でリード2に接続される。更に、要素4は、接着剤(例えば低粘度のエポキシド)が下部充填物質5'として使用される下部充填法(underfilling procedure)により、リード2及び/又は基板1に直接コンタクトしない領域において、リード2と基板1とに接着されることができる。この下部充填法は、要素4を密封することを確実にする。即ち、アクティブ表面41に接触するようになる流体は、ここに示されるコンステレーション(constellation)において、要素4と基板1とリード2との間から側面方向に流れることができない。更に、これは、機械的な安定性を増加させる。示される実施形態において、例えば要素4は、流体の分子構成要素を測定するのに使用されることになる、シリコンベースのセンサである。
【0022】
図4a及び図4bは、マイクロ流体システムの製造における次のステップをそれぞれ側面図及び平面図で示す。ここで要素4が、ジャケット物質5で包まれる。更に、下部充填のサブステップにおいて、要素4と基板1との間の空間全体が下部充填物質5''で満たされるか、ジャケット物質5で包むサブステップにおいて、要素4と基板1との間の空間が、ジャケット物質5により満たされるかのいずれかであることが示される。この目的のため低粘度のジャケット物質5が使用されることができる。使用されるジャケット物質は、例えば、反応性のよい成形材料(エポキシド)又は熱可塑性物質(例えばポリカーボネート又はCOP「環状オレフィンポリマ」)等であり、特に言えばプラスチックである。生物学的な用途に互換性のある、流動性に優れた(easy flowing)他のプラスチックもまた使用されることができる。ジャケット化のために、基板1は、窪みに置かれることができる。リード2が形成され、要素4(又は幾つかの要素4)が配置される全体の基板側面は、ジャケット物質5により一様に覆われることができる(この点に関しては、図9及び図10参照)。すると、要素4が下部充填物質の層を介してその機能を実行することができる場合、要素4の完全な下部充填が可能である;もしそうであるならば、蛍光灯の生成へと導く透明な物質の使用が、フォトダイオードを用いて層を通過する測定(measure through)を可能にする。磁気片の存在も、磁気抵抗センサにより下部充填物質の層を通して測定されることができる(この点に関して、欧州特許出願 EP 04102257号への参照がなされる)。
【0023】
図5a及び図5bは、説明される製造処理の次のサブステップをそれぞれ側面図及び平面図で示す。基板1は、ここで完全に除去される。これは、基板1の化学的な溶解により又は基板1からの機械的な引き剥がしにより実現されることができる。電気リードがジャケット物質5にうまく固定される場合、引き剥がしは容易である。要素4はジャケット物質5により要素構造49に一体化される。ジャケット物質5が硬化された後、要素構造49は、ここに示される基板1の完全な除去の後でも存続する機械的な安定性を手に入れる。基板自体はフラットであるので、要素構造の結果として生じる組み立て側面48もまたフラットである。「フラットな組み立て側面48」という用語は、要素領域が、図5aに示されるような要素構造における窪みを含むことを意味するものと捉えられるべきである。それ以前に要素4と基板1との間の空間が完全にジャケット物質又は下部充填物質で満たされていた場合、要素領域において凹みのないフラットな組み立て側面48が得られる。
【0024】
要素4がセンサである場合、生物学的にアクティブな領域10が、次のサブステップにおいてアクティブ表面41に形成されることができる。生物学的にアクティブな領域10は、それらが特定の結合点(いわゆるレセプタ分子)を持つという事実により区別される。その結合点に対して、体からのサンプル(たんぱく質、RNS又はDNA要素等)の識別されるべき要素(ターゲット)がバインドする。
【0025】
識別されるべき要素は、センサにより測定可能である特性を持つラベル(例えば、光放出が1つ又は複数のフォトダイオードを用いて測定されることができる蛍光ラベル、又は磁場に関する影響が「巨大磁気共鳴センサ」つまりGMRセンサを用いて測定されることができる磁気片など)と共に予め与えられる。レセプタ分子は、識別されるべき要素を捕捉し、及び、生物学的にアクティブな領域10でラベルの測定可能な特性の強化と、従って、これらの生物学的にアクティブな領域10からの測定信号における増加とを確実にする。ここに示される生物学的にアクティブな領域10の寸法は、実際の大きさで描かれていると理解されるべきでない。これらは分子サイズの結合点であるので、こうした領域の高さ寸法は、例えば、数ナノメータを超えるものではない。センサの測定信号は、1つ又は複数のリード2を介して読み出される。他のリード2は、センサに対する電源供給のために使用される。
【0026】
ここでは、センサの代わりに、流体運搬を制御するのに使用されることができる、圧電要素といった他の要素が要素4として使用されることができる。異なる要素4は、1つのマイクロ流体システムに組み込まれることができる。すると要素4は、流体の特性(例えば、特定の分子構成要素が流体に含まれるかどうか、及びその分子構成要素の濃度、その流体の温度、その流体の速度がどれくらいか等)を測定するか、又は、例えば、流体の流れを機械的に制御する若しくは温度に影響を与えること(熱くする又は冷ます)などによって、流体に影響を与えるかのどちらかのために使用される。
【0027】
製造処理の最後のステップとして、図6a及び図6bは、チャネル壁7a、7b、7cを備える少なくとも1つのチャネル7が一体化されるチャネル構造8が、要素構造49(図5a参照)とどのように接続されるかを、それぞれ側面図及び平面図で示す。ここに示されるチャネル構造8は、プラスチック射出形成処理により製造されることができるプラスチック構造である。その接続は、接着により実現される。別の実施形態においては、チャネル壁7a、7b、7cにより規定されるチャネルシステム構造8のチャネル7は、例えばマイリング(milling)といった機械的な処理によるプラスチックブロックで形成される。しかしながら、チャネルは、プラスチックブロックを負金属(metal negative)上にホットスタンプすることにより生成されることもできる。チャネル構造8を要素構造49に接続した後、チャネル7は、チャネル壁7d(生物学的なアクティブ領域10は、単純化のためにここでは図示省略されている)で終端処理される。チャネル壁7dは、要素構造により規定される。基板1を除去した後、要素構造49はフラットな組み立て側面を持つが、必要な場合、例外として、要素4が一体化される点を除く。図6aは、いくつかの可能性があることを示す。下部充填物質5'が、基板に対して要素4を密封するためにのみ使用され、かつ、要素4のアクティブ領域が、チャネル7における流体と直接接触するようになることができるか、又は、下部充填物質5''(薄いグレーの影付けで示される)が、全体の要素4を下部充填し、結果として完全にフラットな組み立て側面を生じさせるかのいずれかである。すると、生物学的にアクティブな領域は、下部充填物質の上に形成されることができる。図6aに見られるように、もし、アクティブ領域が自由なままである場合、この領域におけるチャネル壁7dを形成するチャネル壁7aとアクティブ表面との間のチャネル高h'(図における低い方の破線と、上部の一点鎖線との間の距離)は、チャネル構造8自身において図示されるチャネル7のチャネル高h(図における低い方の破線と、上側の破線との間の距離)とあまり変わらない。そして、それは、チャネル壁7dが硬化したジャケット物質5により規定される(更なる説明は図11も参照のこと)、一体化される要素4の外側の領域にも届く。下部充填物質5''が要素全体を下部充填する場合、チャネル壁7dは下部充填物質により形成され、チャネル高もまた、要素領域において一定のままである。例示的な実施形態において、チャネル寸法は、高さがh = 100μmであり、幅がb = 1 mmである。しかしながら、ここで、幅 b = 1 mmの単一のチャネルの代わりに、幅b = 100μmを備える複数のチャネルが互いに隣合って使用されることもできる。そうすると、流体の流れに関して有利である。更に、他のチャネル寸法も考えられる。特に一層小さな寸法、例えば、チャネル寸法を10 μmまでにすれば、更なる小型化をもたらすことになる。チャネル構造8は、片側で開であるチャネルにより区別される。チャネル壁7a、7b、7c、7dを備える閉じたチャネル7は、チャネル構造8を要素構造49に接続することにより形成される。
【0028】
一様な流れ及び一定のずり速度を備える流体を運送する仕様(specification)には適合しない、一体化された要素4と流体チャネル7とを有する装置の実施形態が、図7a及び図7bの断面図に示される。これらの側面図は、流れの方向に沿って取られる断面を示す。流体の流れは、図7aにおける破線矢印により示される。電気リード2は、担体9に配置され、要素4は、接点を介するフリップチップ接合によりリード2に接続される。要素4は、下部充填物質5'を用いて担体9に対して密封される。チャネル高h(ここでは約100 μm)を備えるチャネルが要素4の外側を形成するような態様で、チャネル構造8は、担体9に接着される。しかしながら、担体9を用いることにより、チャネルは、要素4が配置される点を深くし、これが、結果として、チャネル自身の高さhから得られるチャネル高h''と、担体9の厚さHと、電気リード2及び接点の厚さとを生じさせる。要素4の端部では、チャネルがチャネル高hにまで再度狭まる(図7aの右側につなげるために、図7aの断面を画像平面に垂直に鏡像化することを想像されたい)。担体9の通常の厚さHは、H = 100 - 300 μmであり、それは、要素4の外側の領域において、要素4のアクティブ表面上のチャネル高h''が少なくともチャネル高hの2倍であることを意味する。担体9は、機械的な安定性を提供する機能を実行するので、H = 100より小さな厚さは、通常の態様では実現されることができない。特に、傾斜のあるチャネル壁及び斯かるかなりの窪みの場合、流体が運送されない静止した領域がある場合がある。これは、要素4の周囲の領域において、第1の流体の含有物を第2の流体が洗い流すと考えられている測定処理にとっては不都合である。すると、静止領域は洗い流されることがなく、そのことが測定処理に影響を与える。
【0029】
図7a及び図7bは、従来技術によるマイクロ流体システムのチャネルに沿った流れの方向における断面図である(斯かるマイクロ流体システムは、欧州特許庁に提出された特許出願第03103820.1号に記載されている)。ここでは、説明のため、チャネル7が要素4に会う要素4の片側の領域だけが示される。
【0030】
図7aにある破線Mは、チャネルの幾何中心軸の経路を示す。担体9の想定される非常に小さな高さH = 100μmとチャネル高h = 100μmとに対して、中央軸は、要素4の方向に少なくとも50μm沈み込む(供給線2、関連付けられる接点及び可能性として追加的な不動態化層の結果としての追加的な高低差は、ここでは無視される)。更に、想定されるチャネル幅b = 1mm(図6b参照)に対して、チャネルの断面積h x bは、h x b = 100μm x 1000μmからh'' x b = 200μm x 1000μmへと増加する。チャネルの中央軸は、チャネルの拡張平面では主に広がらないが、要素の領域における拡張平面から明らかに外れる。更にチャネルの断面が2倍に増加するので、流体の流れが沈滞する領域の発展が促進される。
【0031】
図7bは、図7aに関する修正された実施形態を示す。チャネルが広がる位置においてバルジ8'を持つようデザインされた、より複雑なチャネル構造8がここでは使用される。バルジ8'は、チャネル高hが保持されるよう寸法が取られる;従って窪みが埋め合わせられ、それに従ってチャネル断面もまた、多かれ少なかれ一定を保つ。しかしながら、これは、幾つかの不都合点を持つ:最初に、チャネルは拡張平面に流れず、要素4に向かって及び要素4から離れて傾斜する。それは、逆流効果を持つ。破線はここでも再度チャネルの幾何中心を示す。従って、担体の想定される高さH = 100μmに対して、中央軸は要素4の方向に100μm沈み込む。これは、ここで想定されるチャネル高100μmに対応する。第2に、これは、バルジ8'を備えるチャネル構造8の製造をより複雑で従ってよりコストのかかるものにする。なぜなら、特に、これは、全体のチャネル構造8、8'の精度に関する一層高い要求を課すからである。第3に、チャネル構造8、8'及び担体9の組み立て及び位置揃えは、より困難なものになり、高い要件を満たさなければならない。特におよそh = 100μm又はそれ以下の所望のチャネル高に対して、前述の不都合点が重要である。
【0032】
図8a及び図8bは、本発明によるマイクロ流体システムの2つの別の実施形態を示す。
【0033】
基板層1'は、図8aにおける装置に残されている。もとの基板1(図1a参照)は、例えば、機械的又は化学的な処理によって、より薄い厚にまで減らされることができる。図1aにおいて線Lにより示されるように、基板1が2つの層から構成されること、及び例えば、機械的な引き剥がし又は化学的な溶解により、要素4のジャケッティングの後に1つの層が除去されることも可能である。引き剥がしが、2層基板に適用されると、基板1'の1つの層は、要素構造49の上に残ったままになる。2つの基板層は、互いに容易に除去されることができる。適切に選択された異なる物質の2つの層が存在する場合、他の層に反作用をもたらすことなく、1つの層を化学的に除去(= 溶解)することが可能である。これは、例えば、安定性を作り出すために使用されるアルミニウムの厚い層が利用される場合、及びアルミニウムが溶解した後も基板層1'として残るプラスチックの薄い層が利用される場合にあてはまる。図1aにおいて、生物学的にアクティブな領域10が、基板層1'に配置される。もし要素4がセンサである場合、センサは、基板1を介して、生物学的にアクティブな領域10に結合されるラベル付きターゲットの濃度を測定することができる。それは、例えば、磁気ラベルの場合、アルミニウム又はプラスチックの基板1'を介して測定が行われる間に行われる。ここでもまた、上述された製造処理により、要素4のアクティブ表面が、残りの基板層1'の非常に近くに配置れることが有利である。これは、距離が増加するにつれ、測定が悪くなるので、そうなる。これは、アクティブ表面の適切な立体角が距離と共に二次関数的に減少し、その事が、例えば蛍光ラベルの場合、距離が増加するにつれ一層弱い信号をもたらし、従って、(バックグラウンド信号及びノイズに影響され)より悪い測定結果をもたらすという事実に帰結されることができる。
【0034】
図8bにおいて、もとの基板1又は上部基板層は、リセス12を具備する(図1a、図1b参照)。図8aに関して説明されたように、連続するリセス12を備える基板1は、より小さな厚へと機械的又は化学的に減らされることができる。また、リセス12(図1a参照)が与えられる画面内平面(a- in the image plane-)上部層1''と、開口(opening)なしの下位層とから構成される基板1となり、そこでは、下位層が、開口を備える基板層1''のみが残されるよう、例えば、機械的に引き剥がされる。この実施形態において、生物学的にアクティブな領域が、再度アクティブ表面に提供され、図6aに示されるように、要素4のアクティブ表面は、チャネルを通って運ばれる流体と直接接触することになる。
【0035】
図9は、本書に説明される製造処理により製造されたマイクロ流体システムを示す。示される実施形態は、6つの一体化された要素4を持ち、それぞれ説明目的のため、2つの電気リード2を具備する;しかしながらこれは概略的なものとして理解されたく、電気リードの数は、これに限定されるものではない。別の実施形態において、一体化された要素4は、32の電気リードを持つ。更に別の実施形態において、一体化された要素4は、何のリード2も持たない(この意味において、図12との関連で説明が参照される)。リード2の数は、要素4のタイプ、可能であれば、一体化された要素4から読み出されることになる測定値の数等に依存する。斯かるマイクロ流体システムは、ここに示される6つの一体化された要素4の代わりに、単一の要素又は100の要素を有することもできる。ここでは、電気リード2は、おそらく、示されるタイプの斯かるマイクロ流体システムに対する読み出しデバイスへの標準化された結合であろう、接続要素22への接点23で終わる。要素4及びリード2に加えて、装置内に既にある要素4の測定値を処理する、又は圧電要素として構成された要素を作動し、従って時間的な流体の流れを制御する、例えば信号プロセッサといった他の電気要素がマイクロ流体システムに付随することもできる。信号プロセッサの代わりに、又はそれらに加えて、1つ又は複数のメモリチップが、測定値の中間的な格納のために一体化されることもできる。斯かる電気要素も、装置がジャケット物質で覆われる前に、フリップチップ接合を介して電気リード2と接続されることができる。
【0036】
更に、画像平面において水平に伸びる3つのチャネル7及び他の供給チャネル部分から構成される、簡単なチャネルシステムが図9に示される。そこでは、チャネルシステムにおける各チャネル7に沿って2つの要素4が存在する。更に、そのチャネルシステムは、流体(例えば、血液サンプル)が、注入口を介してチャネルシステムに充填されることができるような注入口71と、チャネルシステムを通過した後、流体を集める空洞72とを持つ。示される簡単なチャネルシステムの代わりに、その装置は、異なる厚及び長さの他のチャネル、バルブ、ポンプ等を持つ、より複雑なチャネルシステムを持つこともできる。特に、斯かる装置は、洗い流し用流体が格納されることができる1つ又は複数の他の空洞も持つことができる。洗い流し用流体は、マーカにバインドしなかったラベル付き要素の偶発的な沈殿物の要素4を洗い流すため、第1の流体(血液サンプル)の通過の後、チャネルを通り運ばれる。図9に示される装置の様々な要素は、実際の大きさで描かれていると解釈されるべきではない。
【0037】
図10は、線D-D'に沿った、図9に示される装置の断面図を示す。2つの一体化された要素4が、チャネル7上に配置され、ジャケット物質5により包まれる。機械的に安定したユニットが得られるよう、図6a、図6bに基づき基板1が全体的又は部分的に(図8a、図8b参照)除去される前に、ジャケット物質5(図4a、図4b参照)が装置の表面に一様な厚で沈着されることがここでは示される。チャネル7は、粘着により要素構造49に接続されるチャネル構造8において形成される。図10には何らリードは示されていない。なぜなら、線D-D'は、いかなる電気リード2も遮ることがないからである。接続要素22は、全体がチャネル構造により覆われるものではない。その結果、接点23は、読み出しデバイスにより接触されることができる。破線Eは、チャネル7の拡張平面を示す。
【0038】
図11は、線C-C'に沿った、図9において示される装置を通る断面を示す。ここでも、何のリードも示されない。なぜなら、図10同様、線C-C'は、いかなるリード2も遮ることはないからである。ジャケット物質5により包まれる2つの一体化された要素4が断面図において示される。下部充填物質で密封されるだけの要素4が左側に示される。その結果、アクティブ領域は自由なままである。基板が除去される前に、要素4が下位充填物質5''により完全に下位充填される実施形態が右側に示される。完全に下位充填された要素と、下位充填物質により密封されただけの要素とは、マイクロ流体システムにおいて同時に生じることができる。要素4の下の画像平面において、チャネル構造8に一体化されるチャネルシステムのチャネル7が伸びる。チャネル壁7aとチャネル壁7dとの間のチャネル高は、左側の非充填要素に対するチャネル7のコースに沿って最小限だけしか変化しない。チャネル構造8におけるチャネル高自身は、hであり、例えばh = 100μmである。上述された製造処理の結果として、要素4のアクティブ表面は、わずかにだけ窪む(recessed)。非下位充填要素4の場合、(画像平面下の)チャネル壁と、アクティブセンサ表面との間のチャネル高は、h'= h + rである。約10μmの電気リードの高さ及び別の約10μmの接点厚に対して、高さの変化は、約r = h'- h = 20μm、従って、チャネル高はh'= 120μmとして得られる。チャネル7の幾何中心軸は、こうした領域において約10μm分だけ要素の方向において上昇する。従って、チャネル7の中心軸は、チャネル7の拡張平面において大部分が存在する。想定されるチャネル幅b = 500μmに対して、チャネル7の断面は、h x b = 100μm x 500μm及びh' x b = 120μm x 500μmの間でのみ変化し、従って、実質的に一定のままである。連続的に、電気リードが基板上に形成され、要素4がリード2に接続され、要素4がジャケット物質5により包まれ、及び基板1が除去されるという上述された製造処理を通して、ほとんどフラットな要素構造49が作成される。そこでは、完全に下位充填されているわけではないアクティブセンサ表面が、約r = 20μm分だけへこまされる(recessed)。100μmの小さなチャネル高に対してさえ、この値は問題ではない。流体(体からのサンプル)の流れは、このチャネル高変動によっては事実上は影響を受けないままである;一定のずり速度が維持され、流れが静止する領域は生じない。完全に下位充填された要素4に対するチャネル高h'は、h'= hにより与えられる。斯かる場合、チャネル高は、要素領域においても窪みなしに一定のままである。更に、チャネル7の中央軸は実質的に1つの平面(拡張平面E - 図10参照)において伸びる点で有利である;こうして、例えば、プラスチック射出形成法又は単純な負金属を用いるホットスタンピングを用いて、チャネル構造8が規定されることができる。なぜなら、何らバルジ8'(図7参照)が必要とされることがないからである。プラスチック射出形成アプライアンスにおいて使用されるこの負金属は、リソグラフィック処理により製造される。傾斜もチャネルも図7bに示される様々な平面に構成される必要がないので、斯かる負金属の製造は容易でありかつコスト効率的でもある。
【0039】
図9の装置の別の実施形態として、図12は、線C-C'に沿った断面を示す。示される別の実施形態において、図3a、図3bに示される製造ステップにおける要素4は、基板1の上に直接配置され、そして、ジャケット物質5で包まれる。この別の実施形態において、要素4は、要素4からの測定データ及び外部ユニットからの制御データが交換されるのに用いられる送信/受信ユニット45を持つ。こうして、エネルギーもまた知られた態様で無線により供給されることができる。斯かる無線実施形態において、要素4のアクティブ表面は、基板1上に直接存在する(図3a、図3b参照)。なぜなら、リード及び接点が省略されることができるからである。アクティブ表面は、基板の除去の後、硬化されたジャケット物質を備える1つの平面に配置される。その結果、共にアクティブ表面上にあり、かつ要素4のアクティブ表面の外側にあるチャネル壁7aとチャネル壁7dとの間の一定のチャネル高h= h'が得られる。本実施形態において、何らリードが必要とされないので、その基板は、要素の正確な位置決めに対するマーキングを持つことができる。その結果、結果として生じる要素構造49及びチャネル構造8が、互いに正確に適合する。リードを備える要素とリードなしの要素とが、マイクロ流体システムにおいて結合されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1a】本発明によるマイクロ流体システムを製造する方法の第1のサブステップにおける側面図である。
【図1b】本発明によるマイクロ流体システムを製造する方法の第1のサブステップにおける平面図である。
【図2a】電気リードが基板上に生成される製造処理の第2のサブステップの側面図である。
【図2b】電気リードが基板上に生成される製造処理の第2のサブステップの平面図である。
【図3a】このケースに要素が配置される製造処理の第3のサブステップの側面図である。
【図3b】このケースに要素が配置される製造処理の第3のサブステップの平面図である。
【図4a】このケースに要素がジャケットされる製造処理の第4のサブステップの側面図である。
【図4b】このケースに要素がジャケットされる製造処理の第4のサブステップの平面図である。
【図5a】このケースにおいて基板が除去される製造処理の第5のサブステップの側面図である。
【図5b】このケースにおいて基板が除去される製造処理の第5のサブステップの平面図である。
【図6a】このケースにおいてマイクロ流体システムが作成されるようチャネル構造が与えられる製造処理の第6のサブステップの側面図である。
【図6b】このケースにおいてマイクロ流体システムが作成されるようチャネル構造が与えられる製造処理の第6のサブステップの平面図である。
【図7a】知られた実施形態によるマイクロ流体システムから、流れのない又は流れの乏しい領域に発展しがちな断面を示す図である。
【図7b】知られた実施形態によるマイクロ流体システムから、流れのない又は流れの乏しい領域に発展しがちな断面を示す図である。
【図8a】本発明による製造処理の別の実施形態によるマイクロ流体システムを示す図である。
【図8b】本発明による製造処理の別の実施形態によるマイクロ流体システムを示す図である。
【図9】複数の要素が組み込まれ複数のチャネルが形成されるようなマイクロ流体システムを図式的に示す図である。
【図10】線D-D'に沿った図9のマイクロ流体システムの断面図である。
【図11】線C-C'に沿った図9のマイクロ流体システムの断面図である。
【図12】別の実施形態による、線C-C'に沿った図9のマイクロ流体システムの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャストジャケット物質に埋め込まれる要素を有する要素構造を備えるマイクロ流体システムであって、前記要素構造が、フラットな組み立て側面を持ち、かつ前記組み立て側面に配置されるチャネル構造を有し、前記チャネル構造は、流体を導く少なくとも1つのチャネルを組み込み、前記チャネルが、少なくとも要素領域において前記組み立て側面に平行に伸び、前記要素は、前記チャネルに存在する前記流体の特性を測定するよう又は前記流体に影響を与えるようデザインされる、マイクロ流体システム。
【請求項2】
前記要素領域における前記チャネル高が実質的に一定であるよう、前記要素構造が、前記チャネルの境界壁を形成する、請求項1に記載のマイクロ流体システム。
【請求項3】
前記要素領域における前記チャネル高が、前記チャネル高の3分の1まで変化し、特にチャネル高が約100μmの場合、前記チャネル高の前記高さ変動が、約30μmを超えない、請求項2に記載のマイクロ流体システム。
【請求項4】
前記要素に対する電気リードが、前記組み立て側面の一部を形成する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項5】
前記基板層が、前記要素構造と前記チャネル構造との間に配置される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項6】
前記要素が、データ及び/又はエネルギーの無線送信及び/又は受信のために備えられる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロ流体システム。
【請求項7】
請求項1に記載のマイクロ流体システムを製造する方法において、
・サブステップである、
oフラットな基板に少なくとも1つの要素を配置するサブステップ、
o要素の周囲にジャケット物質をキャストするサブステップ、及び
o要素構造がフラットな組み立て側面を持つよう、前記基板を部分的又は完全に除去するサブステップを用いて前記要素構造を製造するステップと、
・前記要素領域において前記組み立て側面に実質的に平行に伸びるチャネルが流体を導くよう作成されるべく、チャネル構造を前記要素構造に接続するステップとを有する、方法。
【請求項8】
前記要素構造を製造するステップが、
前記基板に少なくとも1つの電気リードを作成するサブステップと、
前記要素の少なくとも1つの接点を前記電気リードに接続するサブステップとを更に有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記要素のアクティブ表面に化学的及び/又は生物学的領域を提供するステップを更に有する、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記要素構造を製造するステップが、前記要素と前記基板との間の空間にフィルタ物質を付着させるサブステップを更に有する、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−511825(P2008−511825A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529113(P2007−529113)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052825
【国際公開番号】WO2006/025014
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】