マスフローコントローラ、マスフローコントローラシステム、基板処理装置およびガス流量調整方法
【課題】従来に比して速やかにガス流量を変化させることができるマスフローコントローラを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、マスフローコントローラ100は、ガス流路構成部材110と、流量調整部130と、変位量記憶部144と、設定回路145と、を備える。流量調整部130は、ガス流路113中に配置され、ガスの流量を調整する弁131、および弁131の変位量を制御するアクチュエータ133を有する。変位量記憶部144は、処理手順を実行する前にガス流路113に処理手順で規定される流量のガスを流すときの弁131の変位量を処理手順ごとに求めた変位量情報を記憶する。設定回路145は、処理手順に対応する変位量を変位量記憶部144から取得して、取得した変位量に基づいてアクチュエータ133を制御する。
【解決手段】実施形態によれば、マスフローコントローラ100は、ガス流路構成部材110と、流量調整部130と、変位量記憶部144と、設定回路145と、を備える。流量調整部130は、ガス流路113中に配置され、ガスの流量を調整する弁131、および弁131の変位量を制御するアクチュエータ133を有する。変位量記憶部144は、処理手順を実行する前にガス流路113に処理手順で規定される流量のガスを流すときの弁131の変位量を処理手順ごとに求めた変位量情報を記憶する。設定回路145は、処理手順に対応する変位量を変位量記憶部144から取得して、取得した変位量に基づいてアクチュエータ133を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マスフローコントローラ、マスフローコントローラシステム、基板処理装置およびガス流量調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置などの製造プロセスでは、RIE(Reactive Ion Etching)工程による多層膜加工のように、連続処理を行うため異なるガス系をチャンバ内に入れ替えるステップ処理が多数行われる。一般的に、チャンバ内に導入されるガスの流量を調整するために、マスフローコントローラが用いられる。
【0003】
ところで、従来のマスフローコントローラは、流量検出器で検出した流量と、流量設定値とを比較し、そのずれに応じてバルブの開度を調整するフィードバック制御を行うのが一般的である。そのため、たとえばガスの流量を変化させたい場合に、流量設定値を変更してから所望の流量となるバルブの開度となるまでに、時間を要してしまうという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−301692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの実施形態は、従来に比して速やかにガス流量を変化させることができるマスフローコントローラ、マスフローコントローラシステム、基板処理装置およびガス流量調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態によれば、マスフローコントローラは、ガス流路を構成するガス流路構成部材と、流量調整手段と、開度設定情報記憶手段と、設定手段と、を備える。流量調整手段は、前記ガス流路中に配置され、ガスの流量を調整する弁、および前記弁の開度を制御するアクチュエータを有する。開度設定情報記憶手段は、処理手順を実行する前に前記ガス流路に前記処理手順で規定される流量の前記ガスを流すときの前記弁の開度設定値を前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶する。設定手段は、処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得して、取得した前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1の実施形態によるマスフローコントローラが適用される基板処理装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【図2】図2は、第1の実施形態によるマスフローコントローラの構成を模式的に示す図である。
【図3】図3は、第1の実施形態による第1ステップ切替え時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態による第1ステップ定常時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図5】図5は、第1の実施形態による第2ステップ切替え時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施形態による第3ステップ定常時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施形態によるマスフローコントローラの構成の一例を模式的に示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態によるガス流量調整方法の一例を模式的に示す図である。
【図9】図9は、マスフローコントローラシステムの一般的な構成を模式的に示す図である。
【図10】図10は、第3の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
【図11】図11は、第4の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
【図12】図12は、第5の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるマスフローコントローラ、マスフローコントローラシステム、基板処理装置およびガス流量調整方法を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態によるマスフローコントローラが適用される基板処理装置の構成の一例を模式的に示す図である。ここでは、基板処理装置として、RIE装置1を例示している。RIE装置1は、ウェハなどの処理対象を処理する基板処理室であるプラズマ処理室10と、プラズマ処理室10に所定量のガスを供給するマスフローコントローラシステム160と、RIE装置1全体をプログラムにしたがって制御するプログラマブルコントローラ200と、を備える。
【0010】
プラズマ処理室10は、気密に構成されたたとえばアルミニウム製のチャンバ11によって構成される。このチャンバ11は接地されている。チャンバ11内には、処理対象としてのウェハ30を静電吸着して保持する静電チャック9と下部電極12が設けられる。静電チャック9と下部電極12の側面および底面の周縁部を覆うように絶縁リング13が設けられ、チャンバ11と静電チャック9および下部電極12との間を電気的に絶縁している。
【0011】
下部電極12には、高周波電力を供給する給電線21が接続されており、この給電線21にブロッキングコンデンサ22、整合器23および高周波電源24が接続されている。高周波電源24からは所定の周波数の高周波電力が下部電極12に供給される。
【0012】
チャンバ11内には、下部電極12と対向するように、下部電極12の上部に上部電極として機能するシャワーヘッド14が設けられる。シャワーヘッド14は支持テーブル12と平行に、支持テーブル12から所定の距離を隔てたチャンバ11の上部付近の側壁に固定される。このような構造によって、シャワーヘッド14と支持テーブル12とは、一対の平行平板電極を構成している。また、シャワーヘッド14には、板の厚さ方向を貫通する複数の貫通孔15が設けられており、この貫通孔15からシャワーヘッド14の上部に供給されたガスがチャンバ11内へと供給される。
【0013】
チャンバ11の下部にはガス排気口16が設けられており、ガス排気口16には配管を通じて図示しない真空ポンプが接続されている。また、チャンバ11の上部付近には、プラズマ処理時に使用される処理ガスが供給されるガス供給口17が設けられており、ガス供給口17にはガス配管35を通じて図示しないガス供給装置が接続されている。ガス供給口17とガス供給装置との間には、ガス配管35を流れるガスの流量を調整するマスフローコントローラシステム160が設けられる。
【0014】
マスフローコントローラシステム160は、マスフローコントローラ100と、マスフローコントローラ100のガス流の上流側に設けられるガスバルブ161と、同じく下流側に設けられるガスバルブ162と、を備える。
【0015】
マスフローコントローラ100は、詳細は後述するが、プログラマブルコントローラ200からの指示に従って、所定の流量のガスをチャンバ11内へと供給する。プログラマブルコントローラ200は、使用者によって作成され、処理手順が記録されたプログラムに基づいて、マスフローコントローラ100によるガス流量の調整やプラズマ生成のオン/オフを行う高周波電源24や整合器23の制御などを行う。また、ガスバルブ161,162も、プログラマブルコントローラ200からの指示にしたがって、開閉され、ガス配管35を流れるガス流のオン/オフを切り替える。ガスバルブ161,162は、チャンバ11内にガスを供給する際に開かれ、チャンバ11内にガスを供給しない場合には閉じられる。
【0016】
このように構成されたRIE装置1での処理の概要について説明する。まず、静電チャック9上に処理対象であるウェハ30が載置され、固定される。ついで、ガス排気口16に接続される図示しない真空ポンプでチャンバ11内が真空引きされる。その後、チャンバ11内が所定の圧力に達すると、ガスバルブ161,162が開とされ、図示しないガス供給装置からのガスが、マスフローコントローラ100によって所定の流量に調整され、シャワーヘッド14の貫通孔15を通じてからチャンバ11内へと供給される。チャンバ11内の圧力が所定の圧力に達すると、シャワーヘッド14(上部電極)を接地した状態で、下部電極12に高周波電圧を印加し、整合器23でインピーダンス整合を取ることでプラズマ処理室10内にプラズマを生成させる。ここで、下部電極には高周波電圧が印加されているので、プラズマとウェハとの間に電位勾配が生じ、プラズマガス中のイオンがウェハ30へと加速されることになり、異方性エッチング処理が行われる。
【0017】
図2は、第1の実施形態によるマスフローコントローラの構成を模式的に示す図である。マスフローコントローラ100は、ガス流路構成部材110と、流量検出部120と、流量調整部130と、流量制御処理部140と、を備える。
【0018】
ガス流路構成部材110は、図1の図示しないガス供給装置側からのガス配管35と接続されるガス流入口111と、プラズマ処理室10側のガス配管35と接続されるガス流出口112と、ガス流入口111とガス流出口112との間のガス流路113と、を有する。ガス流路113は、主流部113aから分岐したバイパス路113bに流量検出部120が設けられ、合流したガス流路113cの下流側に流量調整部130が設けられている。
【0019】
流量調整部130では、ガス流路113c,113dの間に設けられた弁131の開閉により流量を調整する。弁131の開閉は、ロッド132を介して接続されたアクチュエータ133の移動量により制御(調整)される。
【0020】
流量検出部120は、たとえば熱式質量流量計からなり、バイパス路113bに設けられる2つのサーモレジスタ121,122と、2つのサーモレジスタ121,122間での抵抗変化を検出するブリッジ回路123と、を有する。サーモレジスタ121,122は、抵抗温度係数の大きな抵抗体からなり、バイパス路113bの上流側と下流側にそれぞれ巻きつけられている。
【0021】
具体的には、センシングを行う場合に、バイパス路113bの上流側と下流側に設けた2つの同じ特性のサーモレジスタ121,122に電流を流し、2箇所が同じ温度となるようにバイパス路113bを加熱する。この状態でバイパス路113bに室温程度の温度のガスが流れると、上流側のサーモレジスタ121の温度と下流側のサーモレジスタ122の温度との間に温度差が生じ、抵抗値のつりあいが崩れる。そして、この抵抗値の変化がブリッジ回路123で検出され、流量測定値として出力される。
【0022】
流量制御処理部140は、増幅回路141と、流量設定回路142と、比較制御回路143と、変位量記憶部144と、設定回路145と、を有する。増幅回路141は、ブリッジ回路123によって電気的に出力された流量測定値を増幅する。流量設定回路142は、予め設定されたガス流量を比較制御回路143に対して設定する。
【0023】
比較制御回路143は、増幅回路141からの流量測定値を流量設定回路142で設定された流量設定値と比較し、両者に差分がある場合には、その差分を打ち消す方向に(または差分が所定の範囲内に収まるように)流量調整部130の開度(弁131の位置)を変化させる設定信号、すなわちアクチュエータ133によって変化させる弁131の変位量を算出し、設定回路145に出力する。また、比較制御回路143は、流量測定値と流量設定値との差分に対して、流量調整部130の開度をどの程度変化させればよいかについての開度調整情報を保持しており、この開度調整情報に基づいて変位量を出力する。
【0024】
変位量記憶部144は、加工条件としてガス流量を変化させた場合の、所望のガス流量を得るための流量調整部130の開度、具体的には処理工程(処理手順)ごとの弁131の変位量、を規定した変位量情報を格納する。この変位量記憶部144に記憶される変位量としては、前の工程での弁131の位置からの変位量とすることもできるし、弁131の基準位置からの変位量とすることもできる。
【0025】
設定回路145は、プログラマブルコントローラ200からのつぎの処理ステップ(処理手順)に移行した信号を受けた場合、または比較制御回路143からの設定信号を受けた場合に、変位量記憶部144に記憶されているその処理工程に対応する変位量に基づいてアクチュエータ133を制御する。具体的には、変位量記憶部144に変位量が記憶されている場合には、プログラマブルコントローラ200からステップ(処理手順)が切り替わった旨の信号を受けると、変位量記憶部144中の変位量情報に基づいて、アクチュエータ133の変位量を設定する。また、変位量記憶部144に変位量が記憶されていない場合には、比較制御回路143からの設定信号に基づいてアクチュエータ133の変位量を設定する。このとき、設定回路145は、設定した変位量を変位量記憶部144に記憶する。なお、変位量記憶部144に変位量が記憶されていない場合には、流量制御処理部140は、流量検出部120からの流量測定値が流量設定値となるまでフィードバック制御を行う。
【0026】
また、ステップが切り替わってガス流量を変化させた後、しばらく経過して定常状態となったときに、ガス流量が流量設定値となっているかを確認するため、またはガス流量が流量設定値と異なる場合にそれを補正するために、所定の時間間隔で、流量測定値と流量設定値とを用いて変位量記憶部144に記憶された変位量の補正処理を行ってもよい。この場合には、比較制御回路143から出力された設定信号を補正量として、設定回路145が変位量記憶部144に記憶されている変位量を補正量で補正し、最終的に補正量がゼロとなるまでまたは所定の範囲内に収まるまで、補正処理が行われることが望ましい。
【0027】
つぎに、ガス流量調整方法について説明する。図3〜図6は、第1の実施形態によるガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。図3は、第1ステップへの切り替え時の様子を示している。まず、プログラマブルコントローラ200は、第1ステップ(弁131の変位量をaとする)のプログラムを実行するが、このとき、流量設定回路142に、第1ステップの流量を設定する(シグナルS1)。また、プログラマブルコントローラ200は、第1工程に移ったことを設定回路145に通知する(シグナルS2)。
【0028】
設定回路145は、第1ステップに移ったことを検知すると、変位量記憶部144から第1ステップに対応する変位量(シグナルS3)を取得し、アクチュエータ133に設定する(シグナルS4)。アクチュエータ133の変位により、弁131が設定された変位量aだけ変位される。
【0029】
このように、予め流す流量に対応して求められた弁131の変位量となるように、弁131を変位させるフィードフォワード制御を行うことで、流量検出部120で検出された流量測定値と予め設定された流量設定値とを比較してアクチュエータ133をフィードバック制御する場合に比して、速やかに所望のガス流量値とすることが可能となる。
【0030】
図4は、第1ステップの定常状態の様子を示している。具体的には、図3のガス流量の切り替え時から所定の時間が経過して、ガス流量が安定した状態である。この状態でも、図3の場合と同様に、変位量記憶部144に記憶されている第1ステップに対応する変位量でガス流量を調整することは可能であるが、ここでは、定常状態時に、フィードバック制御を行う場合を説明する。たとえば、シグナルS1,シグナルS2でプログラマブルコントローラ200から指示を受けた後、ガス流量が定常状態に移行する時間以上の所定の時間が経過した後に、以下に示される設定回路145による制御処理が行われる。
【0031】
バイパス路113bに流れるガス流量が抵抗変化の値としてブリッジ回路123で検出され、この抵抗変化の値が流量測定値として増幅回路141に出力される(シグナルS11)。流量測定値は、増幅回路141で増幅され、比較制御回路143へと出力される(シグナルS12)。
【0032】
一方、シグナルS1でプログラマブルコントローラ200から流量設定回路142に設定された第1ステップの流量設定値は、比較制御回路143へと出力される(シグナルS13)。比較制御回路143では、流量設定値に対する流量測定値の差分を求め、その差分を打ち消す弁131の変位量である補正量を開度制御情報に基づいて算出し、設定回路145に出力する(シグナルS14)。
【0033】
設定回路145は、入力された補正量で変位量記憶部144に記憶されている変位量を補正し、新たな変位量を書き込む(シグナルS15)。また、設定回路145は、補正量に基づいてアクチュエータを制御する(シグナルS16)。このとき、補正量がゼロでない場合(または所定の範囲内に収まっていない場合)には、補正量がゼロとなるまで(所定の範囲内に収まるまで)、上記した工程を繰り返し行い、補正量がゼロである場合(または所定の範囲内に収まっている場合)には、フィードバック制御処理が終了する。
【0034】
その後、所定の時間が経過し、プログラマブルコントローラ200によって第2ステップが実行される。図5は、第2ステップへの切り替え時の様子を示している。まず、プログラマブルコントローラ200は、第2ステップ(弁131の変位量をbとする)のプログラムを実行するが、このとき、流量設定回路142に、第2ステップの流量設定値を設定する(シグナルS21)。また、プログラマブルコントローラ200は、第2ステップに移ったことを設定回路145に通知する(シグナルS22)。
【0035】
設定回路145は、第2ステップに移ったことを検知すると、変位量記憶部144から第2ステップに対応する変位量を取得し(シグナルS23)、アクチュエータ133に設定する(シグナルS24)。アクチュエータ133によって、弁131が変位量bだけ変位される。
【0036】
図6は、第2ステップの定常状態の様子を示している。具体的には、図5のガス流量の切り替え時から所定の時間が経過して、ガス流量が安定した状態である。この状態でも、図5の場合と同様に、変位量記憶部144に記憶されている第2ステップに対応する変位量でガス流量を調整することは可能であるが、ここでは、定常状態時に、フィードバック制御を行う場合を説明する。たとえば、シグナルS21,S22でプログラマブルコントローラ200から指示を受けた後、ガス流量が定常状態に移行する時間以上の所定の時間が経過した後に、以下に示される設定回路145による制御処理が行われる。
【0037】
バイパス路113bに流れるガス流量が抵抗変化の値としてブリッジ回路123で検出され、この抵抗変化の値が流量測定値として増幅回路141に出力される(シグナルS31)。流量測定値は、増幅回路141で増幅され、比較制御回路143へと出力される(シグナルS32)。
【0038】
一方、シグナルS21でプログラマブルコントローラ200から流量設定回路142に設定された第2ステップの流量設定値は、比較制御回路143へと出力される(シグナルS33)。比較制御回路143では、流量設定値に対する流量測定値の差分を求め、その差分を打ち消す弁131の変位量である補正量を開度制御情報に基づいて算出し、設定回路145に出力する(シグナルS34)。
【0039】
設定回路145は、入力された補正量で変位量記憶部144に記憶されている変位量を補正し、新たな変位量を書き込む(シグナルS35)。また、設定回路145は、補正量に基づいてアクチュエータを制御する(シグナルS36)。このとき、補正量がゼロでない場合(または所定の範囲内に収まっていない場合)には、補正量がゼロとなるまで(所定の範囲内に収まるまで)、上記した工程を繰り返し行い、補正量がゼロである場合(または所定の範囲内に収まっている場合)には、フィードバック制御処理が終了する。
【0040】
以上のように図3〜図6で説明したステップが、プログラマブルコントローラ200に設定されたプログラムにしたがって実行される。
【0041】
また、上記した説明では、予め実験によって各ステップの流量に対応する変位量を求め、それを変位量記憶部144に記憶している場合について説明したが、はじめに処理を行う際に各ステップの流量に対応する変位量を求め、変位量記憶部144に書き込むようにしてもよい。この場合には、1ロット目の第1ステップの開始時点で、変位量記憶部144には変位量についてのデータが書き込まれておらず、図4に示されるように、流量測定値がプログラマブルコントローラ200から設定される流量設定値となるように、流量制御処理部140でのフィードバック制御によって第1ステップの変位量が決定され、その変位量が第1ステップの値として変位量記憶部144に記憶される。また、第2ステップ以降も同様に、変位量が変位量記憶部144に記憶される。その結果、1ロットについてのすべてのステップが終了した時点で、変位量記憶部144に各ステップの変位量が記憶された状態となる。そして、2ロット目以降では、上記した図3と図5のように、変位量記憶部144に記憶された各ステップの変位量に基づいてフィードフォワード制御を行うようにすればよい。
【0042】
第1の実施形態では、予め流すガス流量に対して流量調整部130の開度を求めておき、ガス流量を切り替える際に、切り替え後のガス流量に対応する開度となるようにアクチュエータ133で流量調整部130を制御するようにした。これによって、流量検出部120で検出された流量測定値と予め設定された流量設定値との比較結果に基づいてアクチュエータ133を制御して、所望のガス流量となるように設定する場合に比して、短時間で所望の流量値とすることが可能となる。
【0043】
また、ガス流量を切り替えて定常状態となったときに、ブリッジ回路123で検出した流量測定値が予め設定された流量設定値となるようにフィードバック制御を行うとともに、つぎに使用する際の流量調整部130の開度情報を補正するようにした。これによって、装置の経時変化にも対応して、その都度最適な流量調整部130の開度情報に更新することができ、ガス流量の制御の信頼性を高めることができる。
【0044】
さらに、1ロット目に各ステップでの流量調整部130の開度情報をフィードバック制御によって求め、2ロット目からその開度情報を用いたフィードフォワード制御を各ステップで行うようにした。これによって、予め所望のガス流量を得るための流量調整部130の開度情報を求めるための実験を行う必要がない。
【0045】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態によるマスフローコントローラの構成の一例を模式的に示す図である。第2の実施形態では、マスフローコントローラ100のガス流路構成部材110Aには、ガス流入口111とガス流出口112との間に、2系統のガス流路113が設けられている。すなわち、上側には第1の系統のガス流路113−1が設けられ、下側には第2の系統のガス流路113−2が設けられている。また、各系統のガス流路113−1,113−2には、ガス排気口153−1,153−2が設けられており、ガス流路113−1,113−2のガス排気口153−1,153−2の形成位置には、ガス流路113−1,113−2とガス排気口153−1,153−2の間で高速にガスの流れを切り替え可能な三方弁151−1,151−2が設けられている。さらに、三方弁151−1,151−2には同期回路152が接続されている。三方弁151−1,151−2は、第1の系統のガス流路113−1が開いて第2の系統のガス流路113−2が閉じた状態か、第1の系統のガス流路113−1が閉じて第2の系統のガス流路113−2が開いた状態、のいずれかとなるように、動作が同期回路152によって制御される。ここで、第1系統のガス流路113−1が開いて第2系統のガス流路113−2が閉じた状態とは、ガス流路113−1がガス流出口112に通じ、ガス流路113−2がガス排気口153−2に通じるように三方弁151−1,151−2が配置された状態にあることをいうものとする。また、第1系統のガス流路113−1が閉じて、第2系統のガス流路113−2が開いた状態とは、ガス流路113−1がガス排気口153−2に通じ、ガス流路113−2がガス流出口112に通じるように三方弁151−1,151−2が配置された状態にあることをいうものとする。
【0046】
また、それぞれの系統には、流量調整部130−1,130−2、サーモレジスタ121−1,122−1,121−2,122−2、ブリッジ回路123−1,123−2、増幅回路141−1,141−2、流量設定回路142−1,142−2、比較制御回路143−1,143−2および設定回路145−1,145−2が設けられ、変位量記憶部144は、1台のマスフローコントローラ100に対して1つ設けられている。なお、変位量記憶部144も、それぞれの系統に対して設けられる構造としてもよい。また、第1の実施形態と同一の符号には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0047】
図8は、第2の実施形態によるガス流量調整方法の一例を模式的に示す図である。図8(a)は、第nステップでの状態を示しており、(b)は第(n+1)ステップでの状態を示している。ここでは、第nステップでは、流量Aのガスを供給する処理であり、第(n+1)ステップでは、流量Bのガスを供給する処理であるとする。
【0048】
第nステップでは、図8(a)に示されるように、第1のガス流路113−1のガス流量がAとなるように設定回路によって設定される。また、同期回路によって、第1のガス流路113−1の三方弁151−1が開状態とされ、第2のガス流路113−2の三方弁151−2が閉状態とされる。この第nステップの最中に、プログラマブルコントローラは、第2のガス流路113−2の設定回路につぎのステップは第(n+1)ステップであることを通知し、第2のガス流路113−2の設定回路は、変位量記憶部から第(n+1)ステップに対応する変位量を取得し、その変位量に基づいてアクチュエータを制御し、第2のガス流路113−2に流れるガス流量がBとなるように調整する。このとき第2のガス流路113−2では、三方弁151−2は閉状態であるので、第2のガス流路113−2に流れるガスは、排気口から排出される。つまり、ガス流入口111から流入したガスは第1のガス流路113−1を通ってガス流出口112から流量Aで流出するが、第2のガス流路113−2でも流量Bのガスが排気口から排出されている。
【0049】
その後、図8(b)に示されるように、第(n+1)ステップに処理が切り替わると、プログラマブルコントローラからの指示によって同期回路が三方弁151−1,151−2を切り替える。具体的には、第1のガス流路113−1の三方弁151−1が閉状態となり、第2のガス流路113−2の三方弁151−2が開状態となるように、同時に開閉制御を行う。これによって、ガス流入口111から流入したガスは、第2のガス流路113−2を通ってガス流出口112から流量Bで流出し、第1のガス流路113−1では流量Aのガスが排気口から排出されている。
【0050】
ここでは、2系統のガス流路113を設ける場合を示したが、3系統以上のガス流路を設けるようにしてもよい。また、各流路の流量調整部は、第1の実施形態のようにフィードフォワードで制御される場合を示したが、フィードバックで制御するようにしてもよい。
【0051】
第2の実施形態では、ガス流路構成部材110に複数の独立したガス流路113−1,113−2を設け、第nステップで、第1のガス流路113−1で所定のガス流量となるように調整を行っている間に、つぎの第(n+1)ステップで必要なガス流量となるように他方の第2のガス流路113−2の流量調整部130−2の調整を行う。そして、第nステップから第(n+1)ステップに切り替わった瞬間に、第1と第2のガス流路113−1,113−2の三方弁151−1,151−2の開閉状態を同時に切り替える。具体的には第1のガス流路113−1の三方弁151−1を閉状態とし、第2のガス流路113−2の三方弁151−2を開状態とする。これによって、ステップの切り替えと同時に、ガスの供給量の切り替えを第1の実施形態の場合に比してさらに高速に行うことができるという効果を有する。
【0052】
(第3の実施形態)
第1と第2の実施形態では、マスフローコントローラについて説明したが、第3の実施形態では、マスフローコントローラとその上下流に設けられるガスバルブとを含むマスフローコントローラシステムについて説明する。
【0053】
図9は、マスフローコントローラシステムの一般的な構成を模式的に示す図である。この例では、マスフローコントローラ100の上下流にエアオペレーションバルブを設ける場合を示している。マスフローコントローラ100の上流側のガス配管35にはエアオペレーションバルブ171が設けられ、下流側のガス配管35にはエアオペレーションバルブ172が設けられている。また、エアオペレーションバルブ171のさらに上流には、ハンドバルブ176が設けられている。一般的な構成では、図示しないエア供給装置につながるエア配管173が設けられ、このエア配管173が分岐したエア配管173aが各エアオペレーションバルブ171,172に接続されている。エア配管173上には、エアオペレーションバルブ171,172に供給する側のエアの圧力を一定に保つエアレギュレータ174が設けられており、各エア配管173aにはプログラマブルコントローラ200からの指示にしたがって開閉を行う電磁弁175が設けられている。
【0054】
ガス配管35を流れるガスの流量制御を行う際には、図示しないエア供給装置からエアを供給し、エアレギュレータ174で各エア配管173aの空気圧を所定の値とする。そして、プログラマブルコントローラ200で電磁弁175を制御して、エアオペレーションバルブ171,172の開閉を制御する。このとき、プログラマブルコントローラ200は、マスフローコントローラ100に対して流量制御の指示を与え、マスフローコントローラ100は、指示にしたがってガス配管35を流れるガスの制御を行っている。
【0055】
このようなエアオペレーションバルブ171,172では、マスフローコントローラ100の上下流側にガス配管35を介して設けられるため、流路のデッドスペースが大きくなってしまうという問題点があった。そこで、第3の実施形態では、このような問題を解決することができるマスフローコントローラシステム160について説明する。
【0056】
図10は、第3の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。このマスフローコントローラシステム160では、エアオペレーションバルブ161a,162aがマスフローコントローラ100内に配置された構成としている。エアオペレーションバルブ161aは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流入口111近傍に設けられ、エアオペレーションバルブ162aは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流出口112近傍に設けられる。なお、図9に示される構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0057】
このように、マスフローコントローラ100内にエアオペレーションバルブ161a,162aを設けることで、エアオペレーションバルブ161a,162aとマスフローコントローラ100内の流量調整部130との間の距離を短くでき、デッドスペースを減らすことができる。また、エアオペレーションバルブ161a,162aの開動作の後のマスフローコントローラ100での流量制御を、従来の一般的な構造に比して素早く行うことが可能になる。
【0058】
第3の実施形態によれば、マスフローコントローラ100内にエアオペレーションバルブ161a,162aを設けて一体化したので、マスフローコントローラシステム160におけるデッドスペースを削減することができるという効果を有する。
【0059】
(第4の実施形態)
図9に示されるように、エアオペレーションバルブ171,172を用いた一般的なマスフローコントローラシステムでは、プログラマブルコントローラ200が、エアオペレーションバルブ171,172の開閉の指示(エアオペレーションバルブ171,172に接続される電磁弁175への指示)を発すると、電磁弁175が動作し、その後にエア配管173,173aを流れるエアの流れがエアオペレーションバルブ171,172に到達し、エアオペレーションバルブ171,172が動作する。その結果、プログラマブルコントローラ200が指示を出した後、電磁弁175とエアオペレーションバルブ171,172との間のエア配管173aをエアが伝達するまでの時間だけ、エアオペレーションバルブ171,172の動作が遅れ、また動作が不安定化することになる。そこで、第4の実施形態では、このような問題点を解決することができるマスフローコントローラシステム160について説明する。
【0060】
図11は、第4の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。このマスフローコントローラシステム160では、マスフローコントローラ100の上下流に設けられるバルブを、電磁弁161b,162bで構成している。なお、図9に示される構成と同一要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0061】
このように、マスフローコントローラ100の上下流に電磁弁161b,162bを配置することで、プログラマブルコントローラ200からの弁の開閉の指示は、信号として電磁弁161b,162bへ到達する。その結果、プログラマブルコントローラ200が指示を発してからエアオペレーションバルブ171,172にエアが伝達するまでの時間に比して、電磁弁161b,162bへの信号の到達が速くなる。
【0062】
第4の実施形態によれば、マスフローコントローラ100の上下流に設けられるガスバルブとして電磁弁161b,162bを用いるようにしたので、エアオペレーションバルブを用いる場合よりも高速にガス配管35を流れるガスのオン/オフを切り替えることができるとともに、動作を安定化させることができるという効果を有する。
【0063】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、流路のデッドスペースを小さくすることができるとともに、ガスバルブの動作を高速化および安定化させることができるマスフローコントローラシステムについて説明する。
【0064】
図12は、第5の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。このマスフローコントローラシステム160では、マスフローコントローラ100内に電磁弁161c,162cを配置した構成を有する。電磁弁161cは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流入口111近傍に設けられ、電磁弁162cは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流出口112近傍に設けられる。なお、図9に示される構成と同一要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0065】
このように、マスフローコントローラ100内に電磁弁161c,162cを設けることで、電磁弁161c,162cとマスフローコントローラ100内の流量調整部130との間の距離を短くでき、デッドスペースを減らすことができるとともに、プログラマブルコントローラ200からのバルブの開閉を、従来の一般的な構造に比して速やかに行うことができる。
【0066】
第5の実施形態によれば、マスフローコントローラ100内に電磁弁161c,162cを設けて一体化したので、マスフローコントローラシステム160におけるデッドスペースを削減することができるとともに、エアオペレーションバルブを用いる場合よりも高速にガス配管35を流れるガスのオン/オフを切り替えることができ、動作を安定化させることができるという効果を有する。
【0067】
なお、第3〜第5の実施形態に使用されるマスフローコントローラ100として、第1と第2の実施形態で示したマスフローコントローラ100を使用することができる。
【0068】
なお、上述した説明で、プログラムに記録される処理手順としては、1種類のガスの流量を切り換える場合を例に挙げて説明したが、複数種類のガスの切り替えを行う場合にも、上記した実施形態を適用することができる。たとえば、図示した例では、チャンバ11に1種類のガスを供給する場合が示されているが、複数種類のガスを供給する場合には、チャンバ11に接続されるガス配管35に、マスフローコントローラ100を含む複数のガス供給ラインを設ければよい。そして、ガスの切り替え指示が記録された処理手順にしたがって、異なるガス供給ラインのガスの切り替えが行われる。また、複数種類のガスの切り替えを行う場合としては、第1のガス供給ラインから第1の流量で第1のガスを供給し、第2のガス供給ラインから第2の流量で第2のガスを供給して、ガスを混合してチャンバ11内に供給する場合のように、複数種類のガスを混合する場合の処理も処理手順として記録することができる。さらに、第1と第2の実施形態において、マスフローコントローラ100からプラズマ処理室10までのコンダクタンスができるだけ小さいガス流路とすることが望ましい。たとえば、マスフローコントローラ100とチャンバ11との間の距離は1m以下であり、口径が3/8以上のガス配管35で接続することが望ましい。また、上述した説明では、基板処理装置としてRIE装置1を例示したが、これに限定されるものではなく、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などにも適用することができる。さらに、これらのRIE装置1やプラズマCVD装置のようなプラズマ処理装置だけでなく、チャンバ11内にガスを供給して基板に対して処理を行う装置にも適用することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…RIE装置、10…プラズマ処理室、35…ガス配管、100…マスフローコントローラ、110,110A…ガス流路構成部材、111…ガス流入口、112…ガス流出口、113,113c,113d,113−1,113−2…ガス流路、113a…主流部、113b…バイパス路、120…流量検出部、121,121−1,121−2,122,122−1,122−2…サーモレジスタ、123,123−1,123−2…ブリッジ回路、130,130−1,130−2…流量調整部、131…弁、132…ロッド、133…アクチュエータ、140,140−1,140−2…流量制御処理部、141,141−1,141−2…増幅回路、142,142−1,142−2…流量設定回路、143,143−1,143−2…比較制御回路、144…変位量記憶部、145,145−1,145−2…設定回路、151−1,151−2…三方弁、152…同期回路、153−1,153−2…ガス排気口、160…マスフローコントローラシステム、161,162…ガスバルブ、161a,161b,162a,162b…エアオペレーションバルブ、161c,162c…電磁弁、173,173a…エア配管、174…エアレギュレータ、175…電磁弁、200…プログラマブルコントローラ。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マスフローコントローラ、マスフローコントローラシステム、基板処理装置およびガス流量調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置などの製造プロセスでは、RIE(Reactive Ion Etching)工程による多層膜加工のように、連続処理を行うため異なるガス系をチャンバ内に入れ替えるステップ処理が多数行われる。一般的に、チャンバ内に導入されるガスの流量を調整するために、マスフローコントローラが用いられる。
【0003】
ところで、従来のマスフローコントローラは、流量検出器で検出した流量と、流量設定値とを比較し、そのずれに応じてバルブの開度を調整するフィードバック制御を行うのが一般的である。そのため、たとえばガスの流量を変化させたい場合に、流量設定値を変更してから所望の流量となるバルブの開度となるまでに、時間を要してしまうという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−301692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの実施形態は、従来に比して速やかにガス流量を変化させることができるマスフローコントローラ、マスフローコントローラシステム、基板処理装置およびガス流量調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態によれば、マスフローコントローラは、ガス流路を構成するガス流路構成部材と、流量調整手段と、開度設定情報記憶手段と、設定手段と、を備える。流量調整手段は、前記ガス流路中に配置され、ガスの流量を調整する弁、および前記弁の開度を制御するアクチュエータを有する。開度設定情報記憶手段は、処理手順を実行する前に前記ガス流路に前記処理手順で規定される流量の前記ガスを流すときの前記弁の開度設定値を前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶する。設定手段は、処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得して、取得した前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1の実施形態によるマスフローコントローラが適用される基板処理装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【図2】図2は、第1の実施形態によるマスフローコントローラの構成を模式的に示す図である。
【図3】図3は、第1の実施形態による第1ステップ切替え時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態による第1ステップ定常時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図5】図5は、第1の実施形態による第2ステップ切替え時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施形態による第3ステップ定常時のガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施形態によるマスフローコントローラの構成の一例を模式的に示す図である。
【図8】図8は、第2の実施形態によるガス流量調整方法の一例を模式的に示す図である。
【図9】図9は、マスフローコントローラシステムの一般的な構成を模式的に示す図である。
【図10】図10は、第3の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
【図11】図11は、第4の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
【図12】図12は、第5の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかるマスフローコントローラ、マスフローコントローラシステム、基板処理装置およびガス流量調整方法を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態によるマスフローコントローラが適用される基板処理装置の構成の一例を模式的に示す図である。ここでは、基板処理装置として、RIE装置1を例示している。RIE装置1は、ウェハなどの処理対象を処理する基板処理室であるプラズマ処理室10と、プラズマ処理室10に所定量のガスを供給するマスフローコントローラシステム160と、RIE装置1全体をプログラムにしたがって制御するプログラマブルコントローラ200と、を備える。
【0010】
プラズマ処理室10は、気密に構成されたたとえばアルミニウム製のチャンバ11によって構成される。このチャンバ11は接地されている。チャンバ11内には、処理対象としてのウェハ30を静電吸着して保持する静電チャック9と下部電極12が設けられる。静電チャック9と下部電極12の側面および底面の周縁部を覆うように絶縁リング13が設けられ、チャンバ11と静電チャック9および下部電極12との間を電気的に絶縁している。
【0011】
下部電極12には、高周波電力を供給する給電線21が接続されており、この給電線21にブロッキングコンデンサ22、整合器23および高周波電源24が接続されている。高周波電源24からは所定の周波数の高周波電力が下部電極12に供給される。
【0012】
チャンバ11内には、下部電極12と対向するように、下部電極12の上部に上部電極として機能するシャワーヘッド14が設けられる。シャワーヘッド14は支持テーブル12と平行に、支持テーブル12から所定の距離を隔てたチャンバ11の上部付近の側壁に固定される。このような構造によって、シャワーヘッド14と支持テーブル12とは、一対の平行平板電極を構成している。また、シャワーヘッド14には、板の厚さ方向を貫通する複数の貫通孔15が設けられており、この貫通孔15からシャワーヘッド14の上部に供給されたガスがチャンバ11内へと供給される。
【0013】
チャンバ11の下部にはガス排気口16が設けられており、ガス排気口16には配管を通じて図示しない真空ポンプが接続されている。また、チャンバ11の上部付近には、プラズマ処理時に使用される処理ガスが供給されるガス供給口17が設けられており、ガス供給口17にはガス配管35を通じて図示しないガス供給装置が接続されている。ガス供給口17とガス供給装置との間には、ガス配管35を流れるガスの流量を調整するマスフローコントローラシステム160が設けられる。
【0014】
マスフローコントローラシステム160は、マスフローコントローラ100と、マスフローコントローラ100のガス流の上流側に設けられるガスバルブ161と、同じく下流側に設けられるガスバルブ162と、を備える。
【0015】
マスフローコントローラ100は、詳細は後述するが、プログラマブルコントローラ200からの指示に従って、所定の流量のガスをチャンバ11内へと供給する。プログラマブルコントローラ200は、使用者によって作成され、処理手順が記録されたプログラムに基づいて、マスフローコントローラ100によるガス流量の調整やプラズマ生成のオン/オフを行う高周波電源24や整合器23の制御などを行う。また、ガスバルブ161,162も、プログラマブルコントローラ200からの指示にしたがって、開閉され、ガス配管35を流れるガス流のオン/オフを切り替える。ガスバルブ161,162は、チャンバ11内にガスを供給する際に開かれ、チャンバ11内にガスを供給しない場合には閉じられる。
【0016】
このように構成されたRIE装置1での処理の概要について説明する。まず、静電チャック9上に処理対象であるウェハ30が載置され、固定される。ついで、ガス排気口16に接続される図示しない真空ポンプでチャンバ11内が真空引きされる。その後、チャンバ11内が所定の圧力に達すると、ガスバルブ161,162が開とされ、図示しないガス供給装置からのガスが、マスフローコントローラ100によって所定の流量に調整され、シャワーヘッド14の貫通孔15を通じてからチャンバ11内へと供給される。チャンバ11内の圧力が所定の圧力に達すると、シャワーヘッド14(上部電極)を接地した状態で、下部電極12に高周波電圧を印加し、整合器23でインピーダンス整合を取ることでプラズマ処理室10内にプラズマを生成させる。ここで、下部電極には高周波電圧が印加されているので、プラズマとウェハとの間に電位勾配が生じ、プラズマガス中のイオンがウェハ30へと加速されることになり、異方性エッチング処理が行われる。
【0017】
図2は、第1の実施形態によるマスフローコントローラの構成を模式的に示す図である。マスフローコントローラ100は、ガス流路構成部材110と、流量検出部120と、流量調整部130と、流量制御処理部140と、を備える。
【0018】
ガス流路構成部材110は、図1の図示しないガス供給装置側からのガス配管35と接続されるガス流入口111と、プラズマ処理室10側のガス配管35と接続されるガス流出口112と、ガス流入口111とガス流出口112との間のガス流路113と、を有する。ガス流路113は、主流部113aから分岐したバイパス路113bに流量検出部120が設けられ、合流したガス流路113cの下流側に流量調整部130が設けられている。
【0019】
流量調整部130では、ガス流路113c,113dの間に設けられた弁131の開閉により流量を調整する。弁131の開閉は、ロッド132を介して接続されたアクチュエータ133の移動量により制御(調整)される。
【0020】
流量検出部120は、たとえば熱式質量流量計からなり、バイパス路113bに設けられる2つのサーモレジスタ121,122と、2つのサーモレジスタ121,122間での抵抗変化を検出するブリッジ回路123と、を有する。サーモレジスタ121,122は、抵抗温度係数の大きな抵抗体からなり、バイパス路113bの上流側と下流側にそれぞれ巻きつけられている。
【0021】
具体的には、センシングを行う場合に、バイパス路113bの上流側と下流側に設けた2つの同じ特性のサーモレジスタ121,122に電流を流し、2箇所が同じ温度となるようにバイパス路113bを加熱する。この状態でバイパス路113bに室温程度の温度のガスが流れると、上流側のサーモレジスタ121の温度と下流側のサーモレジスタ122の温度との間に温度差が生じ、抵抗値のつりあいが崩れる。そして、この抵抗値の変化がブリッジ回路123で検出され、流量測定値として出力される。
【0022】
流量制御処理部140は、増幅回路141と、流量設定回路142と、比較制御回路143と、変位量記憶部144と、設定回路145と、を有する。増幅回路141は、ブリッジ回路123によって電気的に出力された流量測定値を増幅する。流量設定回路142は、予め設定されたガス流量を比較制御回路143に対して設定する。
【0023】
比較制御回路143は、増幅回路141からの流量測定値を流量設定回路142で設定された流量設定値と比較し、両者に差分がある場合には、その差分を打ち消す方向に(または差分が所定の範囲内に収まるように)流量調整部130の開度(弁131の位置)を変化させる設定信号、すなわちアクチュエータ133によって変化させる弁131の変位量を算出し、設定回路145に出力する。また、比較制御回路143は、流量測定値と流量設定値との差分に対して、流量調整部130の開度をどの程度変化させればよいかについての開度調整情報を保持しており、この開度調整情報に基づいて変位量を出力する。
【0024】
変位量記憶部144は、加工条件としてガス流量を変化させた場合の、所望のガス流量を得るための流量調整部130の開度、具体的には処理工程(処理手順)ごとの弁131の変位量、を規定した変位量情報を格納する。この変位量記憶部144に記憶される変位量としては、前の工程での弁131の位置からの変位量とすることもできるし、弁131の基準位置からの変位量とすることもできる。
【0025】
設定回路145は、プログラマブルコントローラ200からのつぎの処理ステップ(処理手順)に移行した信号を受けた場合、または比較制御回路143からの設定信号を受けた場合に、変位量記憶部144に記憶されているその処理工程に対応する変位量に基づいてアクチュエータ133を制御する。具体的には、変位量記憶部144に変位量が記憶されている場合には、プログラマブルコントローラ200からステップ(処理手順)が切り替わった旨の信号を受けると、変位量記憶部144中の変位量情報に基づいて、アクチュエータ133の変位量を設定する。また、変位量記憶部144に変位量が記憶されていない場合には、比較制御回路143からの設定信号に基づいてアクチュエータ133の変位量を設定する。このとき、設定回路145は、設定した変位量を変位量記憶部144に記憶する。なお、変位量記憶部144に変位量が記憶されていない場合には、流量制御処理部140は、流量検出部120からの流量測定値が流量設定値となるまでフィードバック制御を行う。
【0026】
また、ステップが切り替わってガス流量を変化させた後、しばらく経過して定常状態となったときに、ガス流量が流量設定値となっているかを確認するため、またはガス流量が流量設定値と異なる場合にそれを補正するために、所定の時間間隔で、流量測定値と流量設定値とを用いて変位量記憶部144に記憶された変位量の補正処理を行ってもよい。この場合には、比較制御回路143から出力された設定信号を補正量として、設定回路145が変位量記憶部144に記憶されている変位量を補正量で補正し、最終的に補正量がゼロとなるまでまたは所定の範囲内に収まるまで、補正処理が行われることが望ましい。
【0027】
つぎに、ガス流量調整方法について説明する。図3〜図6は、第1の実施形態によるガス流量調整方法の手順の一例を示す図である。図3は、第1ステップへの切り替え時の様子を示している。まず、プログラマブルコントローラ200は、第1ステップ(弁131の変位量をaとする)のプログラムを実行するが、このとき、流量設定回路142に、第1ステップの流量を設定する(シグナルS1)。また、プログラマブルコントローラ200は、第1工程に移ったことを設定回路145に通知する(シグナルS2)。
【0028】
設定回路145は、第1ステップに移ったことを検知すると、変位量記憶部144から第1ステップに対応する変位量(シグナルS3)を取得し、アクチュエータ133に設定する(シグナルS4)。アクチュエータ133の変位により、弁131が設定された変位量aだけ変位される。
【0029】
このように、予め流す流量に対応して求められた弁131の変位量となるように、弁131を変位させるフィードフォワード制御を行うことで、流量検出部120で検出された流量測定値と予め設定された流量設定値とを比較してアクチュエータ133をフィードバック制御する場合に比して、速やかに所望のガス流量値とすることが可能となる。
【0030】
図4は、第1ステップの定常状態の様子を示している。具体的には、図3のガス流量の切り替え時から所定の時間が経過して、ガス流量が安定した状態である。この状態でも、図3の場合と同様に、変位量記憶部144に記憶されている第1ステップに対応する変位量でガス流量を調整することは可能であるが、ここでは、定常状態時に、フィードバック制御を行う場合を説明する。たとえば、シグナルS1,シグナルS2でプログラマブルコントローラ200から指示を受けた後、ガス流量が定常状態に移行する時間以上の所定の時間が経過した後に、以下に示される設定回路145による制御処理が行われる。
【0031】
バイパス路113bに流れるガス流量が抵抗変化の値としてブリッジ回路123で検出され、この抵抗変化の値が流量測定値として増幅回路141に出力される(シグナルS11)。流量測定値は、増幅回路141で増幅され、比較制御回路143へと出力される(シグナルS12)。
【0032】
一方、シグナルS1でプログラマブルコントローラ200から流量設定回路142に設定された第1ステップの流量設定値は、比較制御回路143へと出力される(シグナルS13)。比較制御回路143では、流量設定値に対する流量測定値の差分を求め、その差分を打ち消す弁131の変位量である補正量を開度制御情報に基づいて算出し、設定回路145に出力する(シグナルS14)。
【0033】
設定回路145は、入力された補正量で変位量記憶部144に記憶されている変位量を補正し、新たな変位量を書き込む(シグナルS15)。また、設定回路145は、補正量に基づいてアクチュエータを制御する(シグナルS16)。このとき、補正量がゼロでない場合(または所定の範囲内に収まっていない場合)には、補正量がゼロとなるまで(所定の範囲内に収まるまで)、上記した工程を繰り返し行い、補正量がゼロである場合(または所定の範囲内に収まっている場合)には、フィードバック制御処理が終了する。
【0034】
その後、所定の時間が経過し、プログラマブルコントローラ200によって第2ステップが実行される。図5は、第2ステップへの切り替え時の様子を示している。まず、プログラマブルコントローラ200は、第2ステップ(弁131の変位量をbとする)のプログラムを実行するが、このとき、流量設定回路142に、第2ステップの流量設定値を設定する(シグナルS21)。また、プログラマブルコントローラ200は、第2ステップに移ったことを設定回路145に通知する(シグナルS22)。
【0035】
設定回路145は、第2ステップに移ったことを検知すると、変位量記憶部144から第2ステップに対応する変位量を取得し(シグナルS23)、アクチュエータ133に設定する(シグナルS24)。アクチュエータ133によって、弁131が変位量bだけ変位される。
【0036】
図6は、第2ステップの定常状態の様子を示している。具体的には、図5のガス流量の切り替え時から所定の時間が経過して、ガス流量が安定した状態である。この状態でも、図5の場合と同様に、変位量記憶部144に記憶されている第2ステップに対応する変位量でガス流量を調整することは可能であるが、ここでは、定常状態時に、フィードバック制御を行う場合を説明する。たとえば、シグナルS21,S22でプログラマブルコントローラ200から指示を受けた後、ガス流量が定常状態に移行する時間以上の所定の時間が経過した後に、以下に示される設定回路145による制御処理が行われる。
【0037】
バイパス路113bに流れるガス流量が抵抗変化の値としてブリッジ回路123で検出され、この抵抗変化の値が流量測定値として増幅回路141に出力される(シグナルS31)。流量測定値は、増幅回路141で増幅され、比較制御回路143へと出力される(シグナルS32)。
【0038】
一方、シグナルS21でプログラマブルコントローラ200から流量設定回路142に設定された第2ステップの流量設定値は、比較制御回路143へと出力される(シグナルS33)。比較制御回路143では、流量設定値に対する流量測定値の差分を求め、その差分を打ち消す弁131の変位量である補正量を開度制御情報に基づいて算出し、設定回路145に出力する(シグナルS34)。
【0039】
設定回路145は、入力された補正量で変位量記憶部144に記憶されている変位量を補正し、新たな変位量を書き込む(シグナルS35)。また、設定回路145は、補正量に基づいてアクチュエータを制御する(シグナルS36)。このとき、補正量がゼロでない場合(または所定の範囲内に収まっていない場合)には、補正量がゼロとなるまで(所定の範囲内に収まるまで)、上記した工程を繰り返し行い、補正量がゼロである場合(または所定の範囲内に収まっている場合)には、フィードバック制御処理が終了する。
【0040】
以上のように図3〜図6で説明したステップが、プログラマブルコントローラ200に設定されたプログラムにしたがって実行される。
【0041】
また、上記した説明では、予め実験によって各ステップの流量に対応する変位量を求め、それを変位量記憶部144に記憶している場合について説明したが、はじめに処理を行う際に各ステップの流量に対応する変位量を求め、変位量記憶部144に書き込むようにしてもよい。この場合には、1ロット目の第1ステップの開始時点で、変位量記憶部144には変位量についてのデータが書き込まれておらず、図4に示されるように、流量測定値がプログラマブルコントローラ200から設定される流量設定値となるように、流量制御処理部140でのフィードバック制御によって第1ステップの変位量が決定され、その変位量が第1ステップの値として変位量記憶部144に記憶される。また、第2ステップ以降も同様に、変位量が変位量記憶部144に記憶される。その結果、1ロットについてのすべてのステップが終了した時点で、変位量記憶部144に各ステップの変位量が記憶された状態となる。そして、2ロット目以降では、上記した図3と図5のように、変位量記憶部144に記憶された各ステップの変位量に基づいてフィードフォワード制御を行うようにすればよい。
【0042】
第1の実施形態では、予め流すガス流量に対して流量調整部130の開度を求めておき、ガス流量を切り替える際に、切り替え後のガス流量に対応する開度となるようにアクチュエータ133で流量調整部130を制御するようにした。これによって、流量検出部120で検出された流量測定値と予め設定された流量設定値との比較結果に基づいてアクチュエータ133を制御して、所望のガス流量となるように設定する場合に比して、短時間で所望の流量値とすることが可能となる。
【0043】
また、ガス流量を切り替えて定常状態となったときに、ブリッジ回路123で検出した流量測定値が予め設定された流量設定値となるようにフィードバック制御を行うとともに、つぎに使用する際の流量調整部130の開度情報を補正するようにした。これによって、装置の経時変化にも対応して、その都度最適な流量調整部130の開度情報に更新することができ、ガス流量の制御の信頼性を高めることができる。
【0044】
さらに、1ロット目に各ステップでの流量調整部130の開度情報をフィードバック制御によって求め、2ロット目からその開度情報を用いたフィードフォワード制御を各ステップで行うようにした。これによって、予め所望のガス流量を得るための流量調整部130の開度情報を求めるための実験を行う必要がない。
【0045】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態によるマスフローコントローラの構成の一例を模式的に示す図である。第2の実施形態では、マスフローコントローラ100のガス流路構成部材110Aには、ガス流入口111とガス流出口112との間に、2系統のガス流路113が設けられている。すなわち、上側には第1の系統のガス流路113−1が設けられ、下側には第2の系統のガス流路113−2が設けられている。また、各系統のガス流路113−1,113−2には、ガス排気口153−1,153−2が設けられており、ガス流路113−1,113−2のガス排気口153−1,153−2の形成位置には、ガス流路113−1,113−2とガス排気口153−1,153−2の間で高速にガスの流れを切り替え可能な三方弁151−1,151−2が設けられている。さらに、三方弁151−1,151−2には同期回路152が接続されている。三方弁151−1,151−2は、第1の系統のガス流路113−1が開いて第2の系統のガス流路113−2が閉じた状態か、第1の系統のガス流路113−1が閉じて第2の系統のガス流路113−2が開いた状態、のいずれかとなるように、動作が同期回路152によって制御される。ここで、第1系統のガス流路113−1が開いて第2系統のガス流路113−2が閉じた状態とは、ガス流路113−1がガス流出口112に通じ、ガス流路113−2がガス排気口153−2に通じるように三方弁151−1,151−2が配置された状態にあることをいうものとする。また、第1系統のガス流路113−1が閉じて、第2系統のガス流路113−2が開いた状態とは、ガス流路113−1がガス排気口153−2に通じ、ガス流路113−2がガス流出口112に通じるように三方弁151−1,151−2が配置された状態にあることをいうものとする。
【0046】
また、それぞれの系統には、流量調整部130−1,130−2、サーモレジスタ121−1,122−1,121−2,122−2、ブリッジ回路123−1,123−2、増幅回路141−1,141−2、流量設定回路142−1,142−2、比較制御回路143−1,143−2および設定回路145−1,145−2が設けられ、変位量記憶部144は、1台のマスフローコントローラ100に対して1つ設けられている。なお、変位量記憶部144も、それぞれの系統に対して設けられる構造としてもよい。また、第1の実施形態と同一の符号には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0047】
図8は、第2の実施形態によるガス流量調整方法の一例を模式的に示す図である。図8(a)は、第nステップでの状態を示しており、(b)は第(n+1)ステップでの状態を示している。ここでは、第nステップでは、流量Aのガスを供給する処理であり、第(n+1)ステップでは、流量Bのガスを供給する処理であるとする。
【0048】
第nステップでは、図8(a)に示されるように、第1のガス流路113−1のガス流量がAとなるように設定回路によって設定される。また、同期回路によって、第1のガス流路113−1の三方弁151−1が開状態とされ、第2のガス流路113−2の三方弁151−2が閉状態とされる。この第nステップの最中に、プログラマブルコントローラは、第2のガス流路113−2の設定回路につぎのステップは第(n+1)ステップであることを通知し、第2のガス流路113−2の設定回路は、変位量記憶部から第(n+1)ステップに対応する変位量を取得し、その変位量に基づいてアクチュエータを制御し、第2のガス流路113−2に流れるガス流量がBとなるように調整する。このとき第2のガス流路113−2では、三方弁151−2は閉状態であるので、第2のガス流路113−2に流れるガスは、排気口から排出される。つまり、ガス流入口111から流入したガスは第1のガス流路113−1を通ってガス流出口112から流量Aで流出するが、第2のガス流路113−2でも流量Bのガスが排気口から排出されている。
【0049】
その後、図8(b)に示されるように、第(n+1)ステップに処理が切り替わると、プログラマブルコントローラからの指示によって同期回路が三方弁151−1,151−2を切り替える。具体的には、第1のガス流路113−1の三方弁151−1が閉状態となり、第2のガス流路113−2の三方弁151−2が開状態となるように、同時に開閉制御を行う。これによって、ガス流入口111から流入したガスは、第2のガス流路113−2を通ってガス流出口112から流量Bで流出し、第1のガス流路113−1では流量Aのガスが排気口から排出されている。
【0050】
ここでは、2系統のガス流路113を設ける場合を示したが、3系統以上のガス流路を設けるようにしてもよい。また、各流路の流量調整部は、第1の実施形態のようにフィードフォワードで制御される場合を示したが、フィードバックで制御するようにしてもよい。
【0051】
第2の実施形態では、ガス流路構成部材110に複数の独立したガス流路113−1,113−2を設け、第nステップで、第1のガス流路113−1で所定のガス流量となるように調整を行っている間に、つぎの第(n+1)ステップで必要なガス流量となるように他方の第2のガス流路113−2の流量調整部130−2の調整を行う。そして、第nステップから第(n+1)ステップに切り替わった瞬間に、第1と第2のガス流路113−1,113−2の三方弁151−1,151−2の開閉状態を同時に切り替える。具体的には第1のガス流路113−1の三方弁151−1を閉状態とし、第2のガス流路113−2の三方弁151−2を開状態とする。これによって、ステップの切り替えと同時に、ガスの供給量の切り替えを第1の実施形態の場合に比してさらに高速に行うことができるという効果を有する。
【0052】
(第3の実施形態)
第1と第2の実施形態では、マスフローコントローラについて説明したが、第3の実施形態では、マスフローコントローラとその上下流に設けられるガスバルブとを含むマスフローコントローラシステムについて説明する。
【0053】
図9は、マスフローコントローラシステムの一般的な構成を模式的に示す図である。この例では、マスフローコントローラ100の上下流にエアオペレーションバルブを設ける場合を示している。マスフローコントローラ100の上流側のガス配管35にはエアオペレーションバルブ171が設けられ、下流側のガス配管35にはエアオペレーションバルブ172が設けられている。また、エアオペレーションバルブ171のさらに上流には、ハンドバルブ176が設けられている。一般的な構成では、図示しないエア供給装置につながるエア配管173が設けられ、このエア配管173が分岐したエア配管173aが各エアオペレーションバルブ171,172に接続されている。エア配管173上には、エアオペレーションバルブ171,172に供給する側のエアの圧力を一定に保つエアレギュレータ174が設けられており、各エア配管173aにはプログラマブルコントローラ200からの指示にしたがって開閉を行う電磁弁175が設けられている。
【0054】
ガス配管35を流れるガスの流量制御を行う際には、図示しないエア供給装置からエアを供給し、エアレギュレータ174で各エア配管173aの空気圧を所定の値とする。そして、プログラマブルコントローラ200で電磁弁175を制御して、エアオペレーションバルブ171,172の開閉を制御する。このとき、プログラマブルコントローラ200は、マスフローコントローラ100に対して流量制御の指示を与え、マスフローコントローラ100は、指示にしたがってガス配管35を流れるガスの制御を行っている。
【0055】
このようなエアオペレーションバルブ171,172では、マスフローコントローラ100の上下流側にガス配管35を介して設けられるため、流路のデッドスペースが大きくなってしまうという問題点があった。そこで、第3の実施形態では、このような問題を解決することができるマスフローコントローラシステム160について説明する。
【0056】
図10は、第3の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。このマスフローコントローラシステム160では、エアオペレーションバルブ161a,162aがマスフローコントローラ100内に配置された構成としている。エアオペレーションバルブ161aは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流入口111近傍に設けられ、エアオペレーションバルブ162aは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流出口112近傍に設けられる。なお、図9に示される構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0057】
このように、マスフローコントローラ100内にエアオペレーションバルブ161a,162aを設けることで、エアオペレーションバルブ161a,162aとマスフローコントローラ100内の流量調整部130との間の距離を短くでき、デッドスペースを減らすことができる。また、エアオペレーションバルブ161a,162aの開動作の後のマスフローコントローラ100での流量制御を、従来の一般的な構造に比して素早く行うことが可能になる。
【0058】
第3の実施形態によれば、マスフローコントローラ100内にエアオペレーションバルブ161a,162aを設けて一体化したので、マスフローコントローラシステム160におけるデッドスペースを削減することができるという効果を有する。
【0059】
(第4の実施形態)
図9に示されるように、エアオペレーションバルブ171,172を用いた一般的なマスフローコントローラシステムでは、プログラマブルコントローラ200が、エアオペレーションバルブ171,172の開閉の指示(エアオペレーションバルブ171,172に接続される電磁弁175への指示)を発すると、電磁弁175が動作し、その後にエア配管173,173aを流れるエアの流れがエアオペレーションバルブ171,172に到達し、エアオペレーションバルブ171,172が動作する。その結果、プログラマブルコントローラ200が指示を出した後、電磁弁175とエアオペレーションバルブ171,172との間のエア配管173aをエアが伝達するまでの時間だけ、エアオペレーションバルブ171,172の動作が遅れ、また動作が不安定化することになる。そこで、第4の実施形態では、このような問題点を解決することができるマスフローコントローラシステム160について説明する。
【0060】
図11は、第4の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。このマスフローコントローラシステム160では、マスフローコントローラ100の上下流に設けられるバルブを、電磁弁161b,162bで構成している。なお、図9に示される構成と同一要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0061】
このように、マスフローコントローラ100の上下流に電磁弁161b,162bを配置することで、プログラマブルコントローラ200からの弁の開閉の指示は、信号として電磁弁161b,162bへ到達する。その結果、プログラマブルコントローラ200が指示を発してからエアオペレーションバルブ171,172にエアが伝達するまでの時間に比して、電磁弁161b,162bへの信号の到達が速くなる。
【0062】
第4の実施形態によれば、マスフローコントローラ100の上下流に設けられるガスバルブとして電磁弁161b,162bを用いるようにしたので、エアオペレーションバルブを用いる場合よりも高速にガス配管35を流れるガスのオン/オフを切り替えることができるとともに、動作を安定化させることができるという効果を有する。
【0063】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、流路のデッドスペースを小さくすることができるとともに、ガスバルブの動作を高速化および安定化させることができるマスフローコントローラシステムについて説明する。
【0064】
図12は、第5の実施形態によるマスフローコントローラシステムの構成の一例を模式的に示す図である。このマスフローコントローラシステム160では、マスフローコントローラ100内に電磁弁161c,162cを配置した構成を有する。電磁弁161cは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流入口111近傍に設けられ、電磁弁162cは、たとえばマスフローコントローラ100内のガス流出口112近傍に設けられる。なお、図9に示される構成と同一要素には同一の符号を付して、その説明を省略している。
【0065】
このように、マスフローコントローラ100内に電磁弁161c,162cを設けることで、電磁弁161c,162cとマスフローコントローラ100内の流量調整部130との間の距離を短くでき、デッドスペースを減らすことができるとともに、プログラマブルコントローラ200からのバルブの開閉を、従来の一般的な構造に比して速やかに行うことができる。
【0066】
第5の実施形態によれば、マスフローコントローラ100内に電磁弁161c,162cを設けて一体化したので、マスフローコントローラシステム160におけるデッドスペースを削減することができるとともに、エアオペレーションバルブを用いる場合よりも高速にガス配管35を流れるガスのオン/オフを切り替えることができ、動作を安定化させることができるという効果を有する。
【0067】
なお、第3〜第5の実施形態に使用されるマスフローコントローラ100として、第1と第2の実施形態で示したマスフローコントローラ100を使用することができる。
【0068】
なお、上述した説明で、プログラムに記録される処理手順としては、1種類のガスの流量を切り換える場合を例に挙げて説明したが、複数種類のガスの切り替えを行う場合にも、上記した実施形態を適用することができる。たとえば、図示した例では、チャンバ11に1種類のガスを供給する場合が示されているが、複数種類のガスを供給する場合には、チャンバ11に接続されるガス配管35に、マスフローコントローラ100を含む複数のガス供給ラインを設ければよい。そして、ガスの切り替え指示が記録された処理手順にしたがって、異なるガス供給ラインのガスの切り替えが行われる。また、複数種類のガスの切り替えを行う場合としては、第1のガス供給ラインから第1の流量で第1のガスを供給し、第2のガス供給ラインから第2の流量で第2のガスを供給して、ガスを混合してチャンバ11内に供給する場合のように、複数種類のガスを混合する場合の処理も処理手順として記録することができる。さらに、第1と第2の実施形態において、マスフローコントローラ100からプラズマ処理室10までのコンダクタンスができるだけ小さいガス流路とすることが望ましい。たとえば、マスフローコントローラ100とチャンバ11との間の距離は1m以下であり、口径が3/8以上のガス配管35で接続することが望ましい。また、上述した説明では、基板処理装置としてRIE装置1を例示したが、これに限定されるものではなく、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などにも適用することができる。さらに、これらのRIE装置1やプラズマCVD装置のようなプラズマ処理装置だけでなく、チャンバ11内にガスを供給して基板に対して処理を行う装置にも適用することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…RIE装置、10…プラズマ処理室、35…ガス配管、100…マスフローコントローラ、110,110A…ガス流路構成部材、111…ガス流入口、112…ガス流出口、113,113c,113d,113−1,113−2…ガス流路、113a…主流部、113b…バイパス路、120…流量検出部、121,121−1,121−2,122,122−1,122−2…サーモレジスタ、123,123−1,123−2…ブリッジ回路、130,130−1,130−2…流量調整部、131…弁、132…ロッド、133…アクチュエータ、140,140−1,140−2…流量制御処理部、141,141−1,141−2…増幅回路、142,142−1,142−2…流量設定回路、143,143−1,143−2…比較制御回路、144…変位量記憶部、145,145−1,145−2…設定回路、151−1,151−2…三方弁、152…同期回路、153−1,153−2…ガス排気口、160…マスフローコントローラシステム、161,162…ガスバルブ、161a,161b,162a,162b…エアオペレーションバルブ、161c,162c…電磁弁、173,173a…エア配管、174…エアレギュレータ、175…電磁弁、200…プログラマブルコントローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流路を構成するガス流路構成部材と、
前記ガス流路中に配置され、ガスの流量を調整する弁、および前記弁の開度を調整するアクチュエータを有する流量調整手段と、
処理手順を実行する前に前記ガス流路に前記処理手順で規定される流量の前記ガスを流すときの前記弁の開度設定値を前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶する開度設定情報記憶手段と、
処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得して、取得した前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する設定手段と、
を備えることを特徴とするマスフローコントローラ。
【請求項2】
前記開度設定値は、前記処理手順で規定される前記ガスの流量である流量設定値と、前記流量設定値にしたがって前記ガスを前記ガス流路に流すときに測定される流量測定値との差分が、所望の範囲となるように前記処理手順を実行する前に予め求められた前記弁の開度の値であることを特徴とする請求項1に記載のマスフローコントローラ。
【請求項3】
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を検出する流量測定手段と、
前記処理手順において前記ガス流路に流す前記ガスの流量である流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する比較制御手段と、
をさらに備え、
前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段の前記処理手順に対応する前記開度設定値を、前記補正量で補正した新たな前記開度設定値に書き替えるとともに、前記補正量に基づいて前記アクチュエータを制御する機能をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のマスフローコントローラ。
【請求項4】
前記ガス流路構成部材は、
1つのガス流入口と、
1つのガス流出口と、
前記ガス流入口と前記ガス流出口との間を接続する独立した複数のガス流路と、
それぞれの前記ガス流路に設けられるガス排気口と、
それぞれの前記ガス排気口の形成位置の前記ガス流路に設けられる三方弁と、
それぞれの前記ガス流路の前記三方弁の開閉制御を同期して行う同期手段と、
をさらに備え、
それぞれの前記ガス流路には前記流量調整手段および前記設定手段が設けられ、
第1のガス流路の前記三方弁が開状態で他の前記ガス流路の前記三方弁が閉状態となっているときに、前記第1のガス流路の前記設定手段は、一の処理手順にしたがって、第1のガス流量となるように前記開度設定情報記憶手段から取得した前記一の処理手順に対応する第1の開度設定値で前記第1のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
第2のガス流路の前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段から取得したつぎの処理手順に対応する第2の開度設定値で前記第2のガス流路に第2のガス流量のガスが流れるように前記第2のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
前記同期手段は、処理手順が切り替わったときに、前記第2のガス流路の前記三方弁のみ開状態とし、前記第1のガス流路を含む他のガス流路の前記三方弁を閉状態にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマスフローコントローラ。
【請求項5】
前記ガス流入口近傍と前記ガス流出口近傍にガスバルブをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のマスフローコントローラ。
【請求項6】
前記ガスバルブは、エアオペレーションバルブまたは電磁弁であることを特徴とする請求項5に記載のマスフローコントローラ。
【請求項7】
ガス配管に設けられる請求項1〜4のいずれか1つに記載のマスフローコントローラと、
前記マスフローコントローラを挟んで両側の前記ガス配管に設けられる電磁弁と、
を備えることを特徴とするマスフローコントローラシステム。
【請求項8】
処理対象を保持する処理対象保持手段を有する基板処理室と、
前記基板処理室への前記ガスの供給量を弁の開度に基づいて調整するマスフローコントローラをプログラムにしたがって制御する制御手段と、
を備える基板処理装置において、
前記制御手段は、処理手順を実行する前に予め求められた、前記処理手順で規定される流量の前記ガスを前記基板処理室に流すときの弁の開度設定値に基づいて前記マスフローコントローラを制御すること、
を特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
前記マスフローコントローラをさらに備え、
前記マスフローコントローラは、
ガス流路を構成するガス流路構成部材と、
前記ガス流路中に配置され、ガスの流量を調整する弁、および前記弁の開度を制御するアクチュエータを有する流量調整手段と、
前記開度設定値を前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶する開度設定情報記憶手段と、
処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得して、取得した前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する設定手段と、
を有することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記開度設定値は、前記処理手順で規定される前記ガスの流量である流量設定値と、前記流量設定値にしたがって前記ガスを前記ガス流路に流すときに測定される流量測定値との差分が、所望の範囲となるように前記処理手順を実行する前に予め求められた前記弁の開度の値であることを特徴とする請求項8または9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記マスフローコントローラは、
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を検出する流量測定手段と、
前記処理手順において前記ガス流路に流す前記ガスの流量である流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する比較制御手段と、
をさらに備え、
前記マスフローコントローラの前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段の前記処理手順に対応する前記開度設定値を、前記補正量で補正した新たな前記開度設定値に書き替えるとともに、前記補正量に基づいて前記アクチュエータを制御する機能をさらに有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記マスフローコントローラの前記ガス流路構成部材は、
1つのガス流入口と、
1つのガス流出口と、
前記ガス流入口と前記ガス流出口との間を接続する独立した複数のガス流路と、
それぞれの前記ガス流路に設けられるガス排気口と、
それぞれの前記ガス排気口の形成位置の前記ガス流路に設けられる三方弁と、
それぞれの前記ガス流路の前記三方弁の開閉制御を同期させて行う同期手段と、
をさらに備え、
それぞれの前記ガス流路には前記流量調整手段および前記設定手段が設けられ、
前記制御手段は、前記プログラム中の一の処理手順を、第1のガス流路の設定手段に通知した後、前記一の処理手順の実行中につぎの処理手順を第2のガス流路の設定手段に通知し、
前記第1のガス流路の前記三方弁が開状態で他の前記ガス流路の前記三方弁が閉状態となっているときに、前記第1のガス流路の前記設定手段は、前記一の処理手順にしたがって、第1のガス流量となるように前記開度設定情報記憶手段から取得した前記一の処理手順に対応する第1の開度設定値で前記第1のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
前記第2のガス流路の前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段から取得したつぎの処理手順に対応する第2の開度設定値で前記第2のガス流路に第2のガス流量のガスが流れるように前記第2のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
前記マスフローコントローラの前記同期手段は、前記プログラムが前記一の処理手順から前記つぎの処理手順に切り替わったときに、前記第2のガス流路の前記三方弁のみ開状態とし、前記第1のガス流路を含む他のガス流路の前記三方弁を閉状態にすることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記マスフローコントローラは、前記ガス流入口近傍と前記ガス流出口近傍にそれぞれガスバルブを備えることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記ガスバルブは、エアオペレーションバルブまたは電磁弁であることを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記マスフローコントローラを挟んで両側のガス配管に電磁弁をさらに備えることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の基板処理装置。
【請求項16】
ガス流路中に配置された弁と、前記弁の開度を制御するアクチュエータと、を有する流量調整手段で、前記ガス流路中に流れるガスの流量を調整するガス流量調整方法において、
処理手順ごとにガス流量が記録されたプログラム中の第1の処理手順の実行指示を受けると、処理手順を実行する前に前記ガス流路に前記処理手順で規定される流量の前記ガスを流したときの前記弁の開度設定値を、前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶した開度設定情報記憶手段から前記第1の処理手順に対応する開度設定値を取得する開度設定値取得工程と、
前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する第1流量調整工程と、
を含むことを特徴とするガス流量調整方法。
【請求項17】
前記開度設定値は、前記処理手順で規定される前記ガスの流量である流量設定値と、前記流量設定値にしたがって前記ガスを前記ガス流路に流すときに測定される流量測定値との差分が、所望の範囲となるように前記処理手順を実行する前に予め求められた前記弁の開度の値であることを特徴とする請求項16に記載のガス流量調整方法。
【請求項18】
前記第1流量調整工程で、前記アクチュエータの制御を行ってから所定の時間が経過した後、
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を測定する第1流量測定工程と、
前記実行指示に含まれる前記ガス流路に流す前記ガスの流量である流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する第1補正量算出工程と、
前記補正量で前記アクチュエータを制御し、前記弁の開度を補正する第1弁補正工程と、
を含むことを特徴とする請求項16または17に記載のガス流量調整方法。
【請求項19】
前記第1弁補正工程では、前記開度設定情報中の前記処理手順に対応する前記開度設定値を前記補正量で補正した値に書き替えることを特徴とする請求項18に記載のガス流量調整方法。
【請求項20】
前記補正量が所定の範囲内に収まるまで、前記第1流量測定工程から前記第1補正量算出工程までの処理を繰り返し実行することを特徴とする請求項16〜19のいずれか1つに記載のガス流量調整方法。
【請求項21】
前記開度設定情報記憶手段に前記プログラム中の前記処理手順に対応した前記開度設定情報が記憶されていない場合に、
前記第1の処理手順に含まれる流量設定値に基づいて前記アクチュエータを制御しガスを流すガス供給工程と、
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を測定する第2流量測定工程と、
前記実行指示に含まれる前記ガス流路に流す前記ガスの流量である第2流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する第2補正量算出工程と、
前記補正量で前記アクチュエータを制御し、前記弁の開度を補正し、前記開度設定情報中の前記処理手順に対応する前記開度設定値を前記補正量で補正した値に書き替える第2弁補正工程と、
をさらに含み、前記補正量が所定の範囲内に収まるまで前記第2流量測定工程から前記第2弁補正工程まで繰り返し行う処理を、前記プログラム中のガスを流すすべての処理手順について実行し、前記開度設定情報を作成することを特徴とする請求項16〜20のいずれか1つに記載のガス流量調整方法。
【請求項22】
前記第1流量調整工程と並行して、前記プログラム中の前記第1の処理手順のつぎの第2の処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得し、前記第1の処理手順の実行指示で行われる前記ガス流路とは異なる他の一のガス流路中のアクチュエータを前記第2の処理手順に対応する前記開度設定値に基づいて制御する第2流量調整工程と、
前記第1の処理手順から前記第2の処理手順に切り替わったときに、前記ガス流路を流れるガスの流れを止め、前記他の一のガス流路のガスを流す処理を同時に行うガス流路切り替え工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項16〜21のいずれか1つに記載のガス流量調整方法。
【請求項1】
ガス流路を構成するガス流路構成部材と、
前記ガス流路中に配置され、ガスの流量を調整する弁、および前記弁の開度を調整するアクチュエータを有する流量調整手段と、
処理手順を実行する前に前記ガス流路に前記処理手順で規定される流量の前記ガスを流すときの前記弁の開度設定値を前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶する開度設定情報記憶手段と、
処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得して、取得した前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する設定手段と、
を備えることを特徴とするマスフローコントローラ。
【請求項2】
前記開度設定値は、前記処理手順で規定される前記ガスの流量である流量設定値と、前記流量設定値にしたがって前記ガスを前記ガス流路に流すときに測定される流量測定値との差分が、所望の範囲となるように前記処理手順を実行する前に予め求められた前記弁の開度の値であることを特徴とする請求項1に記載のマスフローコントローラ。
【請求項3】
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を検出する流量測定手段と、
前記処理手順において前記ガス流路に流す前記ガスの流量である流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する比較制御手段と、
をさらに備え、
前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段の前記処理手順に対応する前記開度設定値を、前記補正量で補正した新たな前記開度設定値に書き替えるとともに、前記補正量に基づいて前記アクチュエータを制御する機能をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のマスフローコントローラ。
【請求項4】
前記ガス流路構成部材は、
1つのガス流入口と、
1つのガス流出口と、
前記ガス流入口と前記ガス流出口との間を接続する独立した複数のガス流路と、
それぞれの前記ガス流路に設けられるガス排気口と、
それぞれの前記ガス排気口の形成位置の前記ガス流路に設けられる三方弁と、
それぞれの前記ガス流路の前記三方弁の開閉制御を同期して行う同期手段と、
をさらに備え、
それぞれの前記ガス流路には前記流量調整手段および前記設定手段が設けられ、
第1のガス流路の前記三方弁が開状態で他の前記ガス流路の前記三方弁が閉状態となっているときに、前記第1のガス流路の前記設定手段は、一の処理手順にしたがって、第1のガス流量となるように前記開度設定情報記憶手段から取得した前記一の処理手順に対応する第1の開度設定値で前記第1のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
第2のガス流路の前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段から取得したつぎの処理手順に対応する第2の開度設定値で前記第2のガス流路に第2のガス流量のガスが流れるように前記第2のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
前記同期手段は、処理手順が切り替わったときに、前記第2のガス流路の前記三方弁のみ開状態とし、前記第1のガス流路を含む他のガス流路の前記三方弁を閉状態にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマスフローコントローラ。
【請求項5】
前記ガス流入口近傍と前記ガス流出口近傍にガスバルブをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のマスフローコントローラ。
【請求項6】
前記ガスバルブは、エアオペレーションバルブまたは電磁弁であることを特徴とする請求項5に記載のマスフローコントローラ。
【請求項7】
ガス配管に設けられる請求項1〜4のいずれか1つに記載のマスフローコントローラと、
前記マスフローコントローラを挟んで両側の前記ガス配管に設けられる電磁弁と、
を備えることを特徴とするマスフローコントローラシステム。
【請求項8】
処理対象を保持する処理対象保持手段を有する基板処理室と、
前記基板処理室への前記ガスの供給量を弁の開度に基づいて調整するマスフローコントローラをプログラムにしたがって制御する制御手段と、
を備える基板処理装置において、
前記制御手段は、処理手順を実行する前に予め求められた、前記処理手順で規定される流量の前記ガスを前記基板処理室に流すときの弁の開度設定値に基づいて前記マスフローコントローラを制御すること、
を特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
前記マスフローコントローラをさらに備え、
前記マスフローコントローラは、
ガス流路を構成するガス流路構成部材と、
前記ガス流路中に配置され、ガスの流量を調整する弁、および前記弁の開度を制御するアクチュエータを有する流量調整手段と、
前記開度設定値を前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶する開度設定情報記憶手段と、
処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得して、取得した前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する設定手段と、
を有することを特徴とする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記開度設定値は、前記処理手順で規定される前記ガスの流量である流量設定値と、前記流量設定値にしたがって前記ガスを前記ガス流路に流すときに測定される流量測定値との差分が、所望の範囲となるように前記処理手順を実行する前に予め求められた前記弁の開度の値であることを特徴とする請求項8または9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記マスフローコントローラは、
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を検出する流量測定手段と、
前記処理手順において前記ガス流路に流す前記ガスの流量である流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する比較制御手段と、
をさらに備え、
前記マスフローコントローラの前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段の前記処理手順に対応する前記開度設定値を、前記補正量で補正した新たな前記開度設定値に書き替えるとともに、前記補正量に基づいて前記アクチュエータを制御する機能をさらに有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記マスフローコントローラの前記ガス流路構成部材は、
1つのガス流入口と、
1つのガス流出口と、
前記ガス流入口と前記ガス流出口との間を接続する独立した複数のガス流路と、
それぞれの前記ガス流路に設けられるガス排気口と、
それぞれの前記ガス排気口の形成位置の前記ガス流路に設けられる三方弁と、
それぞれの前記ガス流路の前記三方弁の開閉制御を同期させて行う同期手段と、
をさらに備え、
それぞれの前記ガス流路には前記流量調整手段および前記設定手段が設けられ、
前記制御手段は、前記プログラム中の一の処理手順を、第1のガス流路の設定手段に通知した後、前記一の処理手順の実行中につぎの処理手順を第2のガス流路の設定手段に通知し、
前記第1のガス流路の前記三方弁が開状態で他の前記ガス流路の前記三方弁が閉状態となっているときに、前記第1のガス流路の前記設定手段は、前記一の処理手順にしたがって、第1のガス流量となるように前記開度設定情報記憶手段から取得した前記一の処理手順に対応する第1の開度設定値で前記第1のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
前記第2のガス流路の前記設定手段は、前記開度設定情報記憶手段から取得したつぎの処理手順に対応する第2の開度設定値で前記第2のガス流路に第2のガス流量のガスが流れるように前記第2のガス流路の前記流量調整手段を調整し、
前記マスフローコントローラの前記同期手段は、前記プログラムが前記一の処理手順から前記つぎの処理手順に切り替わったときに、前記第2のガス流路の前記三方弁のみ開状態とし、前記第1のガス流路を含む他のガス流路の前記三方弁を閉状態にすることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記マスフローコントローラは、前記ガス流入口近傍と前記ガス流出口近傍にそれぞれガスバルブを備えることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記ガスバルブは、エアオペレーションバルブまたは電磁弁であることを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記マスフローコントローラを挟んで両側のガス配管に電磁弁をさらに備えることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の基板処理装置。
【請求項16】
ガス流路中に配置された弁と、前記弁の開度を制御するアクチュエータと、を有する流量調整手段で、前記ガス流路中に流れるガスの流量を調整するガス流量調整方法において、
処理手順ごとにガス流量が記録されたプログラム中の第1の処理手順の実行指示を受けると、処理手順を実行する前に前記ガス流路に前記処理手順で規定される流量の前記ガスを流したときの前記弁の開度設定値を、前記処理手順ごとに予め求めた開度設定情報を記憶した開度設定情報記憶手段から前記第1の処理手順に対応する開度設定値を取得する開度設定値取得工程と、
前記開度設定値に基づいて前記アクチュエータを制御する第1流量調整工程と、
を含むことを特徴とするガス流量調整方法。
【請求項17】
前記開度設定値は、前記処理手順で規定される前記ガスの流量である流量設定値と、前記流量設定値にしたがって前記ガスを前記ガス流路に流すときに測定される流量測定値との差分が、所望の範囲となるように前記処理手順を実行する前に予め求められた前記弁の開度の値であることを特徴とする請求項16に記載のガス流量調整方法。
【請求項18】
前記第1流量調整工程で、前記アクチュエータの制御を行ってから所定の時間が経過した後、
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を測定する第1流量測定工程と、
前記実行指示に含まれる前記ガス流路に流す前記ガスの流量である流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する第1補正量算出工程と、
前記補正量で前記アクチュエータを制御し、前記弁の開度を補正する第1弁補正工程と、
を含むことを特徴とする請求項16または17に記載のガス流量調整方法。
【請求項19】
前記第1弁補正工程では、前記開度設定情報中の前記処理手順に対応する前記開度設定値を前記補正量で補正した値に書き替えることを特徴とする請求項18に記載のガス流量調整方法。
【請求項20】
前記補正量が所定の範囲内に収まるまで、前記第1流量測定工程から前記第1補正量算出工程までの処理を繰り返し実行することを特徴とする請求項16〜19のいずれか1つに記載のガス流量調整方法。
【請求項21】
前記開度設定情報記憶手段に前記プログラム中の前記処理手順に対応した前記開度設定情報が記憶されていない場合に、
前記第1の処理手順に含まれる流量設定値に基づいて前記アクチュエータを制御しガスを流すガス供給工程と、
前記ガス流路を流れる前記ガスの流量である流量測定値を測定する第2流量測定工程と、
前記実行指示に含まれる前記ガス流路に流す前記ガスの流量である第2流量設定値に対する前記流量測定値の差分に基づいて、前記流量設定値となる前記弁の位置の補正量を算出する第2補正量算出工程と、
前記補正量で前記アクチュエータを制御し、前記弁の開度を補正し、前記開度設定情報中の前記処理手順に対応する前記開度設定値を前記補正量で補正した値に書き替える第2弁補正工程と、
をさらに含み、前記補正量が所定の範囲内に収まるまで前記第2流量測定工程から前記第2弁補正工程まで繰り返し行う処理を、前記プログラム中のガスを流すすべての処理手順について実行し、前記開度設定情報を作成することを特徴とする請求項16〜20のいずれか1つに記載のガス流量調整方法。
【請求項22】
前記第1流量調整工程と並行して、前記プログラム中の前記第1の処理手順のつぎの第2の処理手順に対応する開度設定値を前記開度設定情報記憶手段から取得し、前記第1の処理手順の実行指示で行われる前記ガス流路とは異なる他の一のガス流路中のアクチュエータを前記第2の処理手順に対応する前記開度設定値に基づいて制御する第2流量調整工程と、
前記第1の処理手順から前記第2の処理手順に切り替わったときに、前記ガス流路を流れるガスの流れを止め、前記他の一のガス流路のガスを流す処理を同時に行うガス流路切り替え工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項16〜21のいずれか1つに記載のガス流量調整方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−33150(P2012−33150A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122390(P2011−122390)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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