説明

ミキシングバルブ及びそれを用いたミキシング装置

【課題】合流した流体のパラメータの正確な制御を行うことができ、かつ、流量比が大きく異なる流体を合流させる場合でも、大流量の流体の流れが小流量の流体の流れの妨げになるのを抑制できるミキシングバルブを提供する。
【解決手段】ミキシングバルブは、貫通するように形成された主流路4と、主流路4に連通する連通流路5、6と、連通流路5、6に各々連通する弁室2、3と、各々の弁室2、3に連通する副流路9、10が設けられた本体1と、弁室2、3の、連通流路5、6に通じる開口部の周辺を弁座7、8として開閉動作する弁体23、24と、弁体23、24を駆動する駆動部11、12と、を有し、連通流路5、6が、主流路4の軸線方向に互いに同じ位置で主流路4に連通しており、且つ連通流路5、6の長さが互いに等しくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学工場、半導体製造、食品、バイオなどの各種産業分野における配管ラインに用いられ複数の流体を混合するためのミキシングバルブ及びそれを用いたミキシング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流路内に取り付けられて流体を混合するために用いることができる装置として、図9に示すような基板処理装置内に用いられる排液切替バルブがあった(例えば、特許文献1参照)。この排液切替バルブは、処理液によって基板の表面処理を行う基板処理部と、基板処理部に複数種の処理液を供給する処理液供給部と、基板処理部より処理液を排出する処理液排出部とを有する装置において、処理液排出部に備えられるものである。図9に示すように、この排液切替バルブ106は、流入管部101が連通する導入流路102と、この導入流路102に連結された複数の排出流路103A、103B、103Cと、各排出流路ごとに設けられ、該排出流路を開閉する弁体104と、各弁体104ごとに設けられ、該弁体104を開閉動作させる空圧シリンダ部105A、105B、105Cとを有している。この排液切替バルブ106は、各排出流路ごとに該排出流路を開閉する弁体104の開閉動作を外部から確認する弁体動作確認手段が設けられたものであり、各排出流路を開閉する弁体104の開閉動作を排液切替バルブの外部から容易に確認することができるものであった。この従来の排液切換バルブ106は、流入管部101から流入した流体を排出流路103A、103B、103Cに分岐させて流出させる構成であり、バルブ内で流体を混合することを前提としているものではない。しかし、流体の流れ方向を逆にした場合にはミキシングバルブとして用いることが可能である。
【0003】
同様に、流体の流れ方向を逆に構成することでミキシングバルブとして使用することが可能なバルブとして、図10のような多連制御機器があった(例えば、特許文献2参照)。この多連制御器は、1つの弁箱111に複数の弁本体112が配置された構成を有している。弁箱111は1つの入口流路113と複数の出口流路114を有している。入口流路113は弁箱111内で複数方向に分岐され各分岐路端に弁本体112が配置されている。複数の出口流路114がこれらの弁本体112を介して入口流路113と連通可能となっている。この多連制御器は、1つの流通ラインで多種類の流体を順次流通させる場合において、流通させる流体の種類を変える際の内部洗浄を容易且つ確実に行うことができ、流体への残留液の混入を確実に防ぐことができるものであった。この従来の多連制御機器も、出口流路114を流入口とし、入口流路113を流出口として使用することでミキシングバルブとして用いることが可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2000−133628号公報
【特許文献2】特開平10−38106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図9の従来の排液切替バルブにおいて、排出流路103A、103B、103Cから、3種類の薬液、A液、B液、C液のそれぞれを一定の流量比で同時に流入させ、これらの薬液を導入流路102にて混合させて流入管部101から流出させる場合、混合流体が流出する流入管部101から各薬液が流入する排出流路103A、103B、103Cまでの距離が異なることになる。このため、流入管部101から流出する混合流体は、混合開始の直後にはA液とB液の混合液であり、その後A〜C液の混合液となり、所望の3液の混合流体を得るためにタイムラグが発生する。また、この排液切替バルブの下流側に、濃度などを導出するための流体特性のパラメータを計測する計測器を設置し、排出流路103A、103B、103Cから流入する薬液、A液、B液、C液の各流量を計測器の計測値に基づいてフィードバック制御する場合、排出流路103Aから流入するA液が計測器に到達する時間より、排出流路103Cから流入するC液が計測器に到達するまでの時間の方が、流路の距離の差のために長くなるため、A液に比べてC液の変化に対するフィードバック制御の応答が鈍くなる。このため、A液とC液を同じようにフィードバック制御することが困難である。さらに、B液とC液の混合液を作る際には、排出流路103Aを閉止し、且つ排出流路103Bと103Cを開放した状態で導入流路102内でB液とC液を混合させるが、導入流路102の排出流路103A付近にはA液が残留する可能性があるため、B液とC液の混合液に、残留したA液が混ざって純粋なB液とC液の混合液を作る妨げになるという問題が生じるおそれがある。
【0006】
さらに、図10の従来の多連制御機器においては、出口流路114から各々流体を流入させ混合液を入口流路113から流出させる場合、出口流路114から各々流入させた流体は、各々の弁本体112を通過して分岐部分115で合流して入口流路113から流出しようとする。この時、この多連制御機器は、弁本体112から分岐部分115に至るまでの流路と、他の弁本体112から分岐部分115に至る流路とが必ず互いに向き合っている構成である。このため、各々の流路から流れる流体の流量が大きく異なる場合、安定した比率で流体を混合するのが困難となる恐れがあった。ミキシングバルブで流体を混合する時は、混合させる各流体の流量は異なっているのが普通である。例えば純水と塩酸を混合させて、塩酸の希釈液を作る場合、純水:塩酸=20:1などの比率で純水と塩酸が混合される。すると、分岐部分115では、互いに向き合った流路から純水:塩酸=20:1の流量で両流体が対向してぶつかるように流れるため、純水の流れる勢いに塩酸の流れは押されてしまい、塩酸の流れが妨げられることがある。また、このような場合に、図10の多連制御機器の下流側に、濃度などを導出するための流体特性を表す特定のパラメータを計測する計測器を設置し、一つの出口流路114から純水を一定流量で流入させながら、他の一つの出口流路114から流入させる塩酸の流量を計測器の計測値に基づいてフィードバック制御した場合には、制御が不安定となる恐れがある。すなわち、例えば、純水の流量が変動した場合、流量が減少した瞬間に、分岐部分115で純水がぶつかる勢いで滞っていた塩酸が急に流れ易くなって大量に流出し、純水の流量が減少した分の混合比率の変化以上に急激に濃度が変化して、濃度の制御が困難となる恐れがある。また、この時、混合比率の大きく変化した混合流体が流れることで、二次的な問題が生じる恐れもある。特に純水と薬液とを混合する場合は、純水の比率が薬液の比率より倍以上とされる場合が多く、複数の薬液と混合する場合においても同じ問題が発生する恐れがある。
【0007】
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、合流した流体のパラメータの正確な制御を行うことができ、かつ、流量比が大きく異なる流体を合流させる場合でも、大流量の流体の流れが小流量の流体の流れの妨げになるのを抑制できるミキシングバルブ及びそれを用いたミキシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明のミキシングバルブは、貫通するように形成された主流路と、主流路に連通する少なくとも2つの連通流路と、連通流路に各々連通する弁室と、各々の弁室に連通する副流路が設けられた本体と、弁室の、連通流路に通じる開口部の周辺を弁座として開閉動作する弁体と、弁体を駆動する駆動部と、を有し、少なくとも2つの連通流路が、主流路の軸線方向に互いに同じ位置で主流路に連通しており、且つ少なくとも2つの連通流路の長さが互いに等しいことを特徴とする。この構成によれば、大流量で流されるベースの流体を主流路に流すことによって、混合される流体間での流れの干渉を抑制し、また、ベースの流体に対して、他の流体を、ベースの流体の流れの方向に同じ位置で、ベースの流体の流れから等距離の位置で流量を制御して流入させることができる。
【0009】
少なくとも2つの連通流路は、周方向に等間隔の位置に放射状に設けるのが好ましい。
【0010】
主流路から各々の弁室の弁座までの距離は、主流路の直径より短くするのが好ましい。
【0011】
少なくとも2つの連通流路としては、第一連通流路及び第二連通流路を設けることができ、この場合、第一連通流路及び第二連通流路は、主流路の軸線方向に同じ位置で対峙するように設けることができる。
【0012】
あるいは、少なくとも2つの連通流路としては、第一連通流路、第二連通流路及び第三連通流路を設けることができ、この場合、第一連通流路、第二連通流路及び第三連通流路は、主流路の軸線方向に同じ位置で周方向に等間隔に放射状に設けることができる。
【0013】
主流路の、連通流路が連通している部分より下流側の位置にスタティックミキサーエレメントを配置してもよい。
【0014】
主流路の一部に主流路絞り部を設け、弁室に連通する副弁室が設け、少なくとも2つの連通流路の各々を、副弁室と主流路の、主流路絞り部より上流側の部分とに連通する入口連通流路と、副弁室と主流路絞り部内とに連通する出口連通流路で構成してもよい。
【0015】
駆動部は、モータ部と、モータ部の駆動力を弁体に伝達して弁体を上下動させるステムとを有する構成とすることができる。
【0016】
あるいは、駆動部は、シリンダ部と、シリンダ部の内周面に、該内周面との間がシールされるように接触した状態でシリンダ部内を上下動可能に配置されたピストンと、ピストンの中央から下方に延び、シリンダ部の底面中央に設けられた貫通孔を貫通し、貫通孔の内周面に、内周面との間がシールされるように接触しており、下端部に弁体が固定された連結部と、シリンダ部の底面及び内周面とピストンの下端面とで形成された第一空間部と、シリンダ部の天井面及び内周面とピストンの上端面とで形成された第二空間部とにそれぞれ連通する各エアー口の少なくとも一方に圧縮空気を注入する機構と、を有する構成としてもよい。
【0017】
本発明によるミキシング装置は、上記のようなミキシングバルブと、ミキシングバルブで混合された流体の特性を表すパラメータを計測し該パラメータの計測値を電信号に変換して出力する計測器と、計測器によるパラメータの計測値とパラメータの設定値との偏差に基づいて、ミキシングバルブの各々の弁体を各々制御するための信号を、ミキシングバルブの駆動部または駆動部を操作する機器へ出力する制御部と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明の他の態様のミキシング装置は、上記のようなミキシングバルブと、ミキシングバルブで混合された流体の特性を表すパラメータを計測し該パラメータの計測値を信号に変換して出力する計測器と、副流路に各々接続され、副流路に流れる流体の流量を制御する流体制御弁と、計測器によるパラメータの計測値とパラメータの設定値との偏差に基づいて、流体制御弁の各々を制御するための信号を、流体制御弁の駆動部または該駆動部を操作する機器へ出力する制御部と、を有することを特徴とする。
【0019】
計測器は、濃度計、温度計、pH計のいずれかとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、大流量で流されるベースの流体を主流路に流すことによって、混合される流体のうち、大流量で流される流体の流れによって、他の流体の流れが妨げられるのを抑制することができる。
また、主流路から流すベースの流体に対して、副流路から供給して混合させる他の流体を、ベースの流体の流れの方向に同じ位置で、ベースの流体の流れから等距離の位置で流量を制御して流入させることができる。したがって、副流路から供給する複数の流体間で、それらの流体が、合流部の下流の任意の位置に達するまでの時間に、タイムラグが生じるのを抑制することができる。それによって、必要な全ての流体の混合流体を迅速に得ることができる。また、副流路から供給する複数の流体間で、合流した流体のパラメータの計測にタイムラグが生じるのを抑制することができ、それによって、合流した流体のパラメータの正確な制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明するが、本発明が本実施形態の詳細によって限定されるものではないことは言うまでもない。図1は本発明の第一の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。図2は図1のA−A断面図である。図3は図1のミキシングバルブを用いたミキシング装置の実施形態を示す縦断面図である。図4は図1のミキシングバルブを用いたミキシング装置の他の実施形態を示す縦断面図である。図5は本発明の第二の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。図6は本発明の第三の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。図7は本発明の第四の実施形態のミキシングバルブを示す要部拡大縦断面図である。図8は本発明の第五の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。
【0022】
以下、図1、図2を参照して、本発明の第一の実施形態のミキシングバルブについて説明する。
【0023】
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)製の本体1には、上部中央に第一弁室2が設けられ、下部中央に第二弁室3が設けられ、第一、第二弁室2、3の間に、本体1を貫通する主流路4が設けられている。また、第一弁室2の底部中央には主流路4に連通する第一連通流路5が設けられ、第二弁室3の底部中央には主流路4に連通する第二連通流路6が設けられている。なお、本明細書では、便宜上、主流路側を底、主流路から遠い側を上などと称することがある。
【0024】
第一連通流路5及び第二連通流路6は、主流路4の軸線方向において同じ位置に軸線に対して対称に位置している。第一弁室2の底面の第一連通流路5の開口部の周縁、第二弁室3の底面の第二連通流路6の開口部の周縁は各々第一、第二弁体23、24が当接・離間する弁座7、8となっている。主流路4から各弁座7、8までの距離は互いに等しくなっており、この距離は主流路4の直径より短くなっている。具体的には、本実施形態では、主流路4から各弁座7、8までの距離は、主流路4の直径Dに対して0.6Dになっている。また、第一弁室2には第一副流路9、第二弁室3には第二副流路10が各々連通しており、これらは本体1の周側面に開口している。
【0025】
第一駆動部11と第二駆動部12は、本体1の上方と下方に各々配置されている。該駆動部11、12は同じ構成であるため、代表して第一駆動部11の構成を説明する。第一駆動部11はシリンダ本体13、ピストン14、ダイヤフラム押さえ15からなる。
【0026】
ポリビニリデンフルオライド(以下、PVDFと記す)製のシリンダ本体13は、円筒状のシリンダ部16を有しており、本体1にボルトおよびナット(図示せず)で固定されている。シリンダ本体13の周側面には、シリンダ部16の内周面、ダイヤフラム押さえ15の上端面、およびピストン14の下端面によって形成される第一空間部17と、シリンダ部16の内周面及び天井面とピストン14の上端面とで形成される第二空間部18とにそれぞれ連通する、圧縮空気を導入するためのエアー口19、20が設けられている。なお、第一空間部17のダイヤフラム押さえ15の上端面とピストン14の下端面との間、または第二空間部18のシリンダ部16の天井面とピストン14の上端面との間にバネを支承させ、ピストン14を上方または下方に付勢させても良い。
【0027】
PVDF製のピストン14は、円盤状で周側面にOリングが装着され、シリンダ部16の内周面との間をシールされた状態に保ちながら、上下動可能なように配置されている。また、ピストン14の中央より下方に延びる連結部21が設けられており、ダイヤフラム押さえ15に設けられた貫通孔22を貫通しており、その先端部に第一弁体23が固定されている。連結部21の外周面にもOリングが装着され、連結部21の外周面と貫通孔22の内周面との間が、シールされた状態に保たれている。
【0028】
PVDF製のダイヤフラム押さえ15は、中央部にピストン14の連結部21が貫通する貫通孔22を有しており、本体1とシリンダ本体13の間に挟持されている。
【0029】
第一弁室2に収容されているPTFE製の第一弁体23は、ピストン14の連結部21の先端にねじによって取り付けられており、ピストン14の上下動に合わせて軸線方向に上下動するようになっている。第一弁体23は外周にダイヤフラム25を有しており、ダイヤフラム25の外周縁は本体1の環状溝26内に嵌め込まれ、ダイヤフラム押さえ15と本体1との間に挟持さている。第二駆動部12の構成も第一駆動部11と同様であり、第二駆動部12のピストン27の先端部に第二弁体24がねじによって取り付けられている。
【0030】
次に、本発明の第一の実施形態のミキシングバルブの作動について説明する。
【0031】
第一駆動部11のエアー口19から第一空間部17に外部より作動流体として圧縮空気が注入されると、圧縮空気の圧力でピストン14が押し上げられる。それによって、ピストン14と結合されている連結部21が上方へ引き上げられ、連結部21の下端部に結合された第一弁体23も上方へ引き上げられ弁は開状態となる(図1の状態)。
【0032】
一方、エアー口20から第二空間部18に圧縮空気が注入されると、ピストン14が押し下げられるのに伴って、連結部21とその下端部に結合された第一弁体23も下方へ押し下げられ、弁は閉状態となる。第二駆動部12による第二弁体24の作動も同様であるので説明を省略する。本実施形態のミキシングバルブは、本体1を貫通して設けられた主流路4が設けられ、主流路4に連通する各連通流路5、6が連通する構成となっている。これにより、第一駆動部11の第一弁体23が開放されると第一副流路9を流れた流体が主流路4に流れ込み、第二駆動部12の第二弁体24が開放されると第二副流路10を流れた流体が主流路4に流れ込み、主流路4を流れる流体と合流して混合しながら流出する。この構成では、流体を混合する時に他の流体より混合比率の大きいベースとなる流体を主流路4に流すことで、この流体の流れを、合流部でもスムースに保つことができる。また、各連通流路5、6から主流路4に合流する流体の流量は、主流路4を流れる流体の流量より小さいので、連通流路5、6が向かい合っていても両連通流路5、6からの流体の流れが、互いを妨げることはない。
【0033】
次に、本実施形態のミキシングバルブを流体の混合を行うミキシング装置に用いた構成について、図3に基づいて説明する。
【0034】
ミキシングバルブ31は、図1、図2に示したものと同じ構成のものである。濃度計32は、超音波を発信及び受信する超音波振動子33と、超音波を伝播させるための測定室34とを有している。測定室34には、流体流入口35及び流体流出口36が設けられ、超音波振動子33とする対向する端部には、測定室34の長さを半径とする反射面37が形成されている。濃度計32は、測定室34の内部の流体の超音波の伝播時間の変化から濃度を算出する働きをする。なお、濃度計は、流体の濃度を算出するための特定のパラメータの計測値を電気信号として制御部38へ出力できるものであればよく、濃度の計測方式は特に限定されず、吸収分光式や導電率式などであってもよい。
【0035】
制御部38は、濃度計32から出力された信号に基いて濃度を演算する演算部39と、設定された濃度が得られるようにフィードバック制御を行なうコントロール部40を有している。演算部39は、超音波振動子33に一定周期の超音波振動を出力する発信回路と、超音波振動を受信する受信回路と、超音波振動が反射面37で反射されて伝搬する時間から濃度を演算する演算回路とを備えている。コントロール部40は、演算部39から出力された濃度と設定された濃度との偏差をゼロにするように電空変換器41の操作圧を制御する制御回路を有している。
【0036】
ミキシングバルブ31の第一、第二駆動部11、12に供給する圧縮空気の圧力、すなわち操作圧を調整する電空変換器41は制御部38内に配置されている。電空変換器41は、操作圧を比例的に調整するために電気的に駆動する電磁弁から構成され、制御部38からの制御信号に応じて操作圧を調整する。なお、電空変換器41は、制御部38内に配置せずに別体として構成してもかまわない。また、前述のように、第一空間部16または第二空間部17の一方にバネを設置した場合、他方に連通する、エアー口11、12の一方にのみ電空変換器41を接続した構成とすることができる。
【0037】
次に、ミキシング装置の作動について説明する。ここでは主流路に純水、第一副流路に過酸化水素水、第二副流路にアンモニア水を、純水:過酸化水素水:アンモニア水=50:2:1の割合で流した場合について説明する。
【0038】
第一弁体23と第二弁体24が開放されている時、第一副流路9から流入した過酸化水素水は第一連通流路5を通って主流路4に流れ、第二副流路10から流入したアンモニア水は第二連通流路6を通って主流路4に流れる。第一、第二副流路9、10から流入した過酸化水素水とアンモニア水は、主流路4と第一、第二連通流路5、6が合流する所で主流路4を流れる純水と合流した後、合流した流体が混合しながらミキシングバルブ31から流出して濃度計32へと流れる。濃度計32に流入した流体は、流体流入口35から測定室34に流入し、流体流出口36から流出する。このとき、超音波振動子33から発信された超音波は測定室34の流体を伝搬し、反射面37によって反射され、再び超音波振動子33により受信される。超音波振動子33によって受信された超音波は電気信号に変換されて制御部38の演算部39へ出力され、演算部39で超音波の伝搬時間に基づいて濃度が算出される。演算部39で演算された濃度は電気信号に変換されてコントロール部40に出力される。コントロール部40では、任意の設定濃度に対して、リアルタイムに計測された濃度との偏差から、偏差をゼロにするように信号を電空変換器41に出力し、電空変換器41はその信号に応じた操作圧をミキシングバルブ31の第一駆動部11、第二駆動部12に各々供給する。このようにして、濃度が設定濃度となるように、つまり設定濃度と計測された濃度の偏差がゼロに収束するようにミキシングバルブ31が制御される。
【0039】
このとき、主流路4を流れる純水に対して、過酸化水素水とアンモニア水が、主流路4の軸線方向に同位置で合流させられるため、合流部から濃度計32へ到達するまでの時間に、過酸化水素水とアンモニア水との間でタイムラグが生じることがない。それによって、精度の良い濃度の制御を行うことができる。また、主流路4を流れる純水の流量が過酸化水素水とアンモニア水と比べて格段に多いにもかかわらず、純水に対して過酸化水素水とアンモニア水を、純水の流れ方向に対して横方向から合流させるため、過酸化水素水とアンモニア水の流れが、純水の流れによって妨げられることがない。したがって、流体の混合をスムースに行うことができる。さらに、過酸化水素水とアンモニア水が流れる第一連通流路5と第二連通流路6は互いに向き合っているが、主流路4を流れる純水の流量が大きいので、過酸化水素水とアンモニア水の流れは、ほとんど互いに干渉し合うことはない。
【0040】
また、第一弁体23、第二弁体24によって開閉される弁座7、8から主流路4までの距離を、必要最低限の長さにして、短く設定しているため、流体の混合が効率よく行われる。また、弁体23、24が閉位置にされたときには、主流路4を流れる純水で第一、第二連通流路5、6をきれいに洗浄することができ、第一、第二連通流路5、6の部分で流体がほとんど滞留することがない。そのため、例えばミキシング装置の第一弁体23を開位置にし、第二弁体24を閉位置にして、純水と過酸化水素水を混合するときも、アンモニア水が混ざるのを抑制することができる。このように、効率の良い流体の混合と第一、第二連通流路5、6の部分での流体の滞留の抑制を実現するために、主流路4から各々の弁室2、3の弁座7、8までの距離は、主流路4の直径より短くなるように設定するのが好適である。
【0041】
また、他の実施形態のミキシング装置では、図4に示すように、第一、第二副流路42、43に各々接続され、流路の開口面積を変化させることにより流体の流量を制御する流体制御弁、すなわちニードルバルブ44、45を設けても良い。この場合、ミキシングバルブ31の第一、第二駆動部11、12は、第一、第二連通流路5、6の開放・遮断を行うのにのみ用い、第一、第二副流路42、43を流れる流体の流量はニードルバルブ44、45によって調整する。なお、バルブの主流路4の上流側にもニードルバルブを設けても良い。図4に示す例では、ニードルバルブ44、45は電動式であり、コントロール部40で、任意の設定濃度に対して、リアルタイムに計測された濃度との偏差を求め、偏差をゼロにするように、各々のニードルバルブ44、45の駆動部にそれを駆動する信号を出力する。このようにして、各々のニードルバルブ44、45は、実際の濃度が設定濃度となるように、つまり設定濃度と計測された濃度の偏差がゼロに収束するように制御される。このとき、ニードルバルブ44、45によって微細に流量が制御されることにより、安定した濃度制御を行うことができる。なお、図4のミキシング装置のニードルバルブ44、45はエアー駆動方式でも良く、その場合には、制御部38に電空変換器が設けられる(図示せず)。コントロール部40では、任意の設定濃度に対して、リアルタイムに計測された濃度との偏差から、偏差をゼロにするように信号が電空変換器に出力され、電空変換器はそれに応じた操作圧をニードルバルブ44、45の各々の駆動部に供給する。
【0042】
また、本実施形態では、ミキシング装置で濃度の制御を行っているが、濃度以外に温度やpHの制御を行うこともでき、その場合、計測器としては、濃度計32の代わりに温度計やpHを計などを用いることができる。温度計やpH計の場合についても、温度やpHを導出するための流体特性を表す特定のパラメータを計測して計測値を電気信号に変換して出力できるものであれば計測方式は特に限定されない。
【0043】
次に、図5を参照して、本発明の第二の実施形態のミキシングバルブについて説明する。
【0044】
PTFE製の本体51には、本体51を貫通する主流路52が設けられ、上部中央に第一弁室53が設けられ、第二弁室54と第三弁室55とが主流路52を中心に第一弁室53から各々120°ずつずれた位置に設けられている。第一弁室53の底部中央には主流路52に連通する第一連通流路56が設けられ、第二弁室54の底部中央には主流路52に連通する第二連通流路57が設けられ、第三弁室55の底部中央には主流路52に連通する第三連通流路58が設けられている。第一連通流路56、第二連通流路57及び第三連通流路58は、主流路52の流路軸線方向において同じ位置に周方向に等間隔で主流路52から放射状に延びるように配置されている。第一弁室53の底面の第一連通流路56の開口部周縁、第二弁室54の底面の第二連通流路57の開口部周縁、第三弁室55の底面の第三連通流路58の開口部周縁は、各々第一、第二、第三弁体59、60、61が当接・離間する弁座62、63、64となっている。主流路52から各々の弁座62、63、64までの距離は等しくなっており、この距離は、主流路52の直径より短くなっている。具体的には、主流路52から弁座62、63、64までの距離は、主流路52の直径Dに対して0.6Dになっている。また、第一弁室53には第一副流路65、第二弁室54には第二副流路66、第三弁室55には第三副流路67が各々連通しており、これらは本体51の周側面に開口している。
【0045】
第一駆動部68と第二駆動部69と第三駆動部70は、本体51の第一、第二、第三弁室53、54、55の上部に各々配置されている。これらの駆動部68、69、70は、第一、第二、第三弁室53、54、55内に配置された第一、第二、第三弁体59、60、61を開閉駆動する働きをする。駆動部68、69、70の各々の構成は第一の実施形態における駆動部11、12と同様なので説明を省略する。
【0046】
本発明の第二の実施形態のミキシングバルブの作動については、第一の実施形態では2つの副流路から流れる流体が主流路で合流するのに対して、本実施形態では3つの副流路から流れる流体が主流路に合流するもので、各駆動部の作動は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0047】
次に、図6を参照して、本発明の第三の実施形態のミキシングバルブについて説明する。
【0048】
スタティックミキサーエレメント71は、矩形板を180度捻ったねじり羽根状板を最小単位部材として、複数の最小単位部材を、それらの捻り方向が交互に異なる方向になるように一列に並べて一体的に結合した構造を有している。このスタティックミキサーエレメント71が、本体72の主流路73の、連通流路5,6との合流部より下流側に、流体の流れによって下流へ押し流されないように設置されている。このスタティックミキサーエレメント71の材質は、特に限定されないが、耐薬品性が高く可撓性を有する樹脂が望ましい。このような材質としては、フッ素樹脂が好適に用いられ、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(以下、PFAと記す)、PTFE、PVDFなどが挙げられる。本発明の他の構成は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0049】
次に、本発明の第三の実施形態であるミキシングバルブの作動について説明する。
【0050】
第一、第二弁体23、24が開位置にあるとき、第一、第二副流路9、10を通って第一、第二弁室2、3に各々供給された流体は第一、第二連通流路5、6から主流路73に入り、主流路73の流入口から流入してきた流体と合流する。このようにして合流した混合流体は、スタティックミキサーエレメント71の配置された流路を通過する時に、スタティックミキサーエレメント71のねじり羽根状板によって撹拌されて流出口から流出する。このとき、スタティックミキサーエレメント71によって撹拌が行われるので流体を均一に混合させることができる。そのため、図3のようなミキシング装置に用いた場合においても流体が均一に混合され、より正確で安定した流体の濃度の計測および制御を行うことができる。なお、スタティックミキサーエレメント71の構造は、流体を撹拌できる構造であれば特に限定されず、例えば螺旋状の構造や、2つのねじれ羽根状撹拌体が流路内に横方向に並んで設けられた構造であっても良い。
【0051】
次に、図7を参照して、本発明の第四の実施形態のミキシングバルブについて説明する。
【0052】
PTFE製の本体74には、上部中央に第一弁室75が設けられ、下部中央に第二弁室76が設けられ、第一、第二弁室75、76の間に、本体74を貫通する主流路77が設けられている。また、第一弁室75の下方には、第一弁室75より小さい第一副弁室78が設けられ、第一弁室75の底部中央に開口しており、第二弁室76の上方には、第二弁室76より小さい第二副弁室79が設けられ、第二弁室76の底部中央に開口している。また、主流路77には、第一、第二弁体23、24の軸線と交わる位置よりも下流側に主流路絞り部80が設けられている。第一副弁室78の底面には主流路絞り部80の内周面に連通する第一出口連通流路81と、主流路絞り部80より上流側で主流路77に連通する第一入口連通流路82が設けられている。第二副弁室79の底面には主流路絞り部80の内周面に連通する第二出口連通流路83と、主流路絞り部80より上流側の主流路77に連通する第二入口連通流路84が設けられている。第一出口連通流路81と第二出口連通流路83、および第一入口連通流路82と第二入口連通流路84は、主流路77の軸線方向に同じ位置に軸線に関して対称に配置され、したがって、主流路77からの長さが等しくなるように形成されている。また、第一弁室75には第一副流路85、第二弁室76には第二副流路86が各々連通しており、これらは本体74の周側面に開口している。なお、入口連通流路82、84は主流路77の内周面の、弁体23、24の軸線と交わる位置よりも上流側の位置に連通することが望ましく、副弁室78、79から直線状に斜めに形成することが望ましい。また、入口連通流路82、84及び出口連通流路81、83は主流路絞り部80より小径に形成されることが望ましい。
【0053】
また、主流路絞り部80の内径dは、主流路77の内径Dに対して、0.65Dになっている。なお、主流路絞り部80の内径dは、主流路77の内径Dに対して、0.5D≦d≦0.8Dの範囲内であることが好適であり、0.6D≦d≦0.7Dであることがより好適である。主流路絞り部80の内径dは、主流路77内の流体が流れにくくならないように0.5D以上とするのが好適であり、主流路絞り部80の部分で他の主流路77の部分との差圧を発生させて後述するように滞留防止の効果を得るために、0.8D以下とするのが好適である。
【0054】
次に、本発明の第四の実施形態のミキシングバルブの作動について説明する。ここでは主流路に純水、第一副流路に塩酸、第二副流路に過酸化水素水を流した場合について説明する。
【0055】
弁の開状態から第一、第二弁体23、24を閉位置にしたとき(図7の状態)、閉位置にした直後には、第一副弁室78、第一入口連通流路82、第一出口連通流路81には塩酸が残り、および第二副弁室79、第二入口連通流路84、第二出口連通流路83には過酸化水素水が残っている。ミキシングバルブに流入した純水は主流路77を通って主流路絞り部80を通過して流出されるが、主流路絞り部80を流れる時に流速が早くなる。その結果、ベルヌーイの定理によって、主流路絞り部80での圧力は主流路77の他の部分での圧力より低くなる。そのため、主流路絞り部80の内周に連通された第一、第二出口連通流路81、83内に残った塩酸及び過酸化水素水は、圧力の低くなった主流路絞り部80側へと吸引される。さらに、第一、第二出口連通流路81、83に各々連通する第一、第二副弁室78、79、これらに連通する第一、第二入口連通流路82、84内にあった塩酸及び過酸化水素水も第一、第二出口連通流路81、83を通って主流路77へと引き出される。これにより、主流路77から各々の入口連通流路、副弁室、出口連通流路を通って主流路77に流れ込む流体の流れが形成される。これにより、残っていた塩酸及び過酸化水素水は弁の閉止後に最初に洗い流される。また、流体が滞留するのを防止することができ、流路内に滞留部がなくなるためにコンタミネーションの発生を抑制することができる。
【0056】
ミキシングバルブの駆動部は、図1に示すようなエアー式でなく図8に示すような電気式でもよく、この場合、第一駆動部91及び第二駆動部92は、ステッピングモータを有するモータ部93と、モータ部93から下方に延びモータの軸にギアを介して連結されたステム94を有している。ステム94はボンネット98の貫通孔95内に位置するように配置されている。第一、第二駆動部91、92のステム94の下端部には、第一弁体96及び第二弁体97が各々ねじにより取り付けられており、モータ部93を駆動してステム94を上下動させることにより、第一、第二弁体96、97を上下動させることができる。なお、第一、第二弁体96、97は、ステム94を回転させることで上下動するように、ステム94と連結しても良い。また、第一、第二弁体96、97は、円錐形状にしても良く、それによって、ミキシングバルブの第一、第二駆動部91、92を制御して弁室に連通する流路の開口面積を線形に変化させることで、混合する流体を微細に調整することができる。
【0057】
さらに、ミキシングバルブの本体1、シリンダ本体13、ピストン14、ダイヤフラム押さえ15、弁体23、24等の各部品の材質は、樹脂であればポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどいずれでも良い。特に流体に腐食性流体を用いる場合は、PTFE、ポリビニリデンフルオロライド、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂などのフッ素樹脂であることが好ましい。フッ素樹脂を用いることによって、腐食性流体に耐えるものとすることができ、また腐食性ガスが透過しても配管部材の腐食の心配がなくなるため好適である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第一の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のミキシングバルブを用いたミキシング装置の実施形態を示す縦断面図である。
【図4】図1のミキシングバルブを用いたミキシング装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態のミキシングバルブを示す要部拡大縦断面図である。
【図8】本発明の第五の実施形態のミキシングバルブを示す縦断面図である。
【図9】従来の排液切替バルブを示す平面図である。
【図10】従来の多連制御器を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 本体
2 第一弁室
3 第二弁室
4 主流路
5 第一連通流路
6 第二連通流路
7 弁座
8 弁座
9 第一副流路
10 第二副流路
11 第一駆動部
12 第二駆動部
13 シリンダ本体
14 ピストン
23 第一弁体
24 第二弁体
31 ミキシングバルブ
32 濃度計
38 制御部
42 第一副流路
43 第二副流路
44 ニードルバルブ
45 ニードルバルブ
51 本体
52 主流路
53 第一弁室
54 第二弁室
55 第三弁室
56 第一連通流路
57 第二連通流路
58 第三連通流路
59 第一弁体
60 第二弁体
61 第三弁体
62 弁座
63 弁座
64 弁座
65 第一副流路
66 第二副流路
67 第三副流路
68 第一駆動部
69 第二駆動部
70 第三駆動部
71 スタティックミキサーエレメント
74 本体
75 第一弁室
76 第二弁室
77 主流路
78 第一副弁室
79 第二副弁室
80 主流路絞り部
81 第一出口連通流路
82 第一入口連通流路
83 第二出口連通流路
84 第二入口連通流路
91 第一駆動部
92 第二駆動部
96 第一弁体
97 第二弁体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通するように形成された主流路と、該主流路に連通する少なくとも2つの連通流路と、該連通流路に各々連通する弁室と、各々の該弁室に連通する副流路が設けられた本体と、
前記弁室の、前記連通流路に通じる開口部の周辺を弁座として開閉動作する弁体と、
該弁体を駆動する駆動部と、
を有し、
前記少なくとも2つの連通流路が、前記主流路の軸線方向に互いに同じ位置で前記主流路に連通しており、且つ前記少なくとも2つの連通流路の長さが互いに等しいことを特徴とするミキシングバルブ。
【請求項2】
前記少なくとも2つの連通流路が、周方向に等間隔の位置に放射状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のミキシングバルブ。
【請求項3】
前記主流路から各々の前記弁室の前記弁座までの距離が、前記主流路の直径より短いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミキシングバルブ。
【請求項4】
前記少なくとも2つの連通流路として、第一連通流路及び第二連通流路が設けられ、
前記第一連通流路及び前記第二連通流路が、前記主流路の軸線方向に同じ位置で対峙するように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のミキシングバルブ。
【請求項5】
前記少なくとも2つの連通流路として、第一連通流路、第二連通流路及び第三連通流路が設けられ、
前記第一連通流路、前記第二連通流路及び前記第三連通流路が、前記主流路の軸線方向に同じ位置で周方向に等間隔に放射状に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のミキシングバルブ。
【請求項6】
前記主流路の、前記連通流路が連通している部分より下流側の位置にスタティックミキサーエレメントが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のミキシングバルブ。
【請求項7】
前記主流路の一部に主流路絞り部が設けられ、
前記弁室に連通する副弁室が設けられ、
前記少なくとも2つの連通流路の各々が、前記副弁室と前記主流路の、前記主流路絞り部より上流側の部分とに連通する入口連通流路と、前記副弁室と前記主流路絞り部内とに連通する出口連通流路で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のミキシングバルブ。
【請求項8】
前記駆動部が、モータ部と、該モータ部の駆動力を前記弁体に伝達して前記弁体を上下動させるステムとを有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のミキシングバルブ。
【請求項9】
前記駆動部が、
シリンダ部と、
該シリンダ部の内周面に、該内周面との間がシールされるように接触した状態で該シリンダ部内を上下動可能に配置されたピストンと、
該ピストンの中央から下方に延び、前記シリンダ部の底面中央に設けられた貫通孔を貫通し、該貫通孔の内周面に、該内周面との間がシールされるように接触しており、下端部に前記弁体が固定された連結部と、
前記シリンダ部の底面及び内周面と前記ピストンの下端面とで形成された第一空間部と、前記シリンダ部の天井面及び内周面と前記ピストンの上端面とで形成された第二空間部とにそれぞれ連通する各エアー口の少なくとも一方に圧縮空気を注入する機構と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のミキシングバルブ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のミキシングバルブと、
該ミキシングバルブで混合された流体の特性を表すパラメータを計測し該パラメータの計測値を信号に変換して出力する計測器と、
該計測器による前記パラメータの計測値と前記パラメータの設定値との偏差に基づいて、前記ミキシングバルブの各々の前記弁体を各々制御するための信号を、前記ミキシングバルブの前記駆動部または前記駆動部を操作する機器へ出力する制御部と、
を有することを特徴とするミキシング装置。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のミキシングバルブと、
該ミキシングバルブで混合された流体の特性を表すパラメータを計測し該パラメータの計測値を信号に変換して出力する計測器と、
前記副流路に各々接続され、前記副流路に流れる流体の流量を制御する流体制御弁と、
前記計測器による前記パラメータの計測値と前記パラメータの設定値との偏差に基づいて、前記流体制御弁の各々を制御するための信号を、前記流体制御弁の駆動部または該駆動部を操作する機器へ出力する制御部と、
を有することを特徴とするミキシング装置。
【請求項12】
前記計測器が濃度計、温度計、pH計のいずれかであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のミキシング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−281476(P2009−281476A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133436(P2008−133436)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000117102)旭有機材工業株式会社 (235)
【Fターム(参考)】