説明

モータ装置、ステージ装置及び露光装置並びにデバイス製造方法

【課題】コイルユニットの収容部に生じる温度分布を抑制できるモータ装置を提供する。
【解決手段】固定子11と可動子12との一方にコイルユニットCUが設けられ、固定子と可動子との他方に発磁ユニット13,15が設けられる。収容部材31に囲まれた収容空間32にコイルユニットを収容する収容部30と、収容部材の外側に設けられ収容部材との間に気体流動空間40、41を形成する空間形成部35、36と、気体流動空間に気体を流動させる気体流動装置FLとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ装置、ステージ装置及び露光装置並びにデバイス製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体等を製造する際に用いられる露光装置におけるステージ駆動には、発塵がないことや駆動機構の構成が簡単であること等の理由からリニアモータ等のモータ装置が多く用いられている。このステージ駆動用リニアモータには、使用環境の要望から種々の厳格な仕様が求められており、その一つに温度に関する仕様がある。
【0003】
通常、露光装置のステージ駆動においては、精密な位置決め動作が必要とされ、その動作制御にはステージの位置を計測するための測長器が用いられており、リニアモータ(の可動子)はこの測長器の計測結果を基にサーボ制御されることで、ステージの高精度の位置決めが可能となっている。
ところが、リニアモータの駆動時には、モータからの発熱によって測長器に悪影響を及ぼし、位置決め精度が低下するという問題が生じる。
【0004】
そのため、従来からリニアモータの温度上昇を抑えるために種々の工夫がなされおり、例えば特許文献1には発熱体であるコイルを収容体(冷却管)内に封入して電機子を構成し、この電機子内に冷媒を流出入させて冷却する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,770,899号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
コイル体の熱を吸収して冷媒の温度が上昇すると、熱伝導や熱伝達により収容体の表面に伝わって温度分布を生じさせてしまう。このように収容体の表面に生じた温度分布が所定温度以上になると、位置決め精度、ひいては露光精度に悪影響を与える可能性がある。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、コイル体の収容部に生じる温度分布を抑制できるモータ装置、ステージ装置及び露光装置並びにデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に従えば、固定子と可動子との一方にコイルユニットが設けられ、固定子と可動子との他方に発磁ユニットが設けられるモータ装置であって、収容部材によって形成された収容空間にコイルユニットを収容する収容部と、収容空間の外側で収容部材に設けられて、収容部材との間に気体を流動させる気体流動空間を形成する空間形成部と、気体流動空間に気体を流動させる気体流動装置と、を備えるモータ装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様に従えば、本発明の第1の態様のモータ装置が用いられているステージ装置が提供される。
【0010】
本発明の第3の態様に従えば、本発明の第2の態様のステージ装置が用いられている露光装置が提供される。
【0011】
本発明の第4の態様に従えば、本発明の第3の態様の露光装置を用いて基板に露光することと、露光された基板を現像することと、を含む、デバイス製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、コイル体の収容体に生じる温度分布を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係るリニアモータの外観構成を示す斜視図。
【図2】同リニアモータにおける可動子の平面図。
【図3】リニアモータの断面図。
【図4】第2実施形態に係るリニアモータの正面図。
【図5】第3実施形態に係るリニアモータの外観構成を示す斜視図。
【図6】同リニアモータにおける可動子の平面図。
【図7】本発明の一実施形態である露光装置の概略構成を示す模式図。
【図8】別形態のリニアモータを示す断面図。
【図9】デバイス製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のモータ装置、ステージ装置及び露光装置並びにデバイス製造方法の実施の形態を、図1ないし図9を参照して説明する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、モータ装置の第1実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
図1は第1の実施形態に係るモータ装置としてのリニアモータの外観構成を示す斜視図であり、図2は可動子の平面図である。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。
【0016】
図1において、リニアモータ(モータ装置)10は、Y軸方向を長手方向とし、その位置が固定された固定子11と、Y軸方向に移動可能な可動子12とを備えている。本実施形態のリニアモータ10は、所謂ムービングコイル型のリニアモータであり、固定子11は、第1磁石部材13及び第2磁石部材15を有する磁石ユニット(発磁ユニット)によって構成されている。第1磁石部材13は、Y軸方向に沿って配列された複数の永久磁石によって構成されている。同様に、第2磁石部材15も、Y軸方向に沿って配列された複数の永久磁石によって構成されている。
【0017】
第1磁石部材13及び第2磁石部材15のそれぞれは、平板状の第1ヨーク14及び第2ヨーク16に保持されている。第1ヨーク14及び第2ヨーク16は、X軸方向における一端部(+X側端部)においてスペーサSPで支持されており、第1ヨーク14に支持された第1磁石部材13と第2ヨーク16に支持された第2磁石部材15とは対向して配置されている。
【0018】
一方、可動子12はコイルユニットを有して構成されており、その可動子12の一部が、固定子11を構成する第1磁石部材13と第2磁石部材15との間の空隙部に配置されている。具体的には、可動子12は、上記空隙部にXY平面と平行に設けられた収容部30と、収容部30の−X側の端部にYZ平面と平行に設けられ図示しない移動体に連結される連結部JTとを有する側面視ト字状に形成されている。
【0019】
収容部30は、図1乃至図3に示すように、略直方体状に形成された収容部材31によって形成された収容空間32にコイルユニットCUを収容した構成を有している。収容部材31としては一体的に形成されたものや、側壁で囲まれた収容空間32の上端開口及び下端開口が天壁部材及び底壁部材で閉塞したような複数の部材で構成されたものを用いることができる。収容空間32には、コイルユニットCUを冷却する冷却装置CL(図1参照)から、例えば、水やフロリナート等の温度調整された冷媒が、連結部JTに設けられた冷媒導入部33及び冷媒排出部34を介して循環する。
【0020】
収容部材31のZ方向両外側には、CFRP等の合成樹脂材により形成され当該収容部材31との間に、例えば、数百μm程度の幅で空気流動空間(気体流動空間)40、41を形成する空間形成板(空間形成部)35、36が、スペーサ37、38を介してそれぞれ設けられている。空間形成板(空間形成部)35、36は、固定子11と収容部材31との間の隙間(空間)に位置し、可動子12と共に移動して固定子11の磁石部材13,15と対向するように配置される。スペーサ37、38の配置位置は、収容部材31の温度分布や、前記冷媒の内圧によって変形が生じる位置に基づいて適宜決めることができる。例えば、コイルユニットCUの発熱に応じて収容部材31表面の温度が高くなる部分を避けて、コイルユニットCUの発熱の影響を受け難い位置またはその近傍に配置することができる。また、収容部材31は、内部を循環する前記冷媒の圧力によって変形する可能性があるので、その変形の生じ難い位置(例えば、コイルユニットCUと収容部材31とがネジ等で固定されている位置)またはその近傍に、スペーサ37、38を配置することができる。
【0021】
具体的には、冷媒導入部33から収容空間32に導入された冷媒は、コイルユニットCUとの間の熱交換により温度が漸次上昇した状態で冷媒排出部34から排出されるため、冷媒からの熱伝導及び熱伝達により収容部材31の露出する表面は、冷媒排出部34の近傍において温度が高くなる分布を生じる。そこで、収容部材31から伝わる熱の影響を極力排除するために、本実施形態では、図2に示すように、冷媒排出部34近傍の位置を排除した隅部の三カ所ずつにスペーサ37、38を配置している。なお、スペーサ37、38の配置位置は、上記のような位置に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0022】
本実施形態のリニアモータ10には、空気流動空間40、41に空気を流動させる流動装置(気体流動装置)FLが設けられている。流動装置FLは、各空間形成板35、36における−X側の端部近傍に貫通して形成され、Y方向に間隔をあけて配置された複数(図1では3つ)の貫通孔35a、36aから吸引管42、43を介して空気流動空間40、41を負圧吸引する吸引装置44を備えている。
【0023】
また、吸引装置44による空気流動空間40、41の空気吸引に伴って、外部から空気流動空間40、41に流入する空気の流入部は、スペーサ37、38の大きさや配置で規定することができる。すなわち、図2に示したように、平面視で空気流動空間40、41の隅部にスペーサ37、38を配置した場合には、スペーサ37、38間の隙間によって、Y方向に向けて開口し空気の流入部となる開口部45Y、及びX方向に向けて開口し空気の流入部となる開口部45Xが形成される(+Y側の開口部45Yは、スペーサ37,38と連結部JTとの隙間で形成される)。
【0024】
上記の構成のリニアモータ10においては、コイルユニットCUに通電することで、通電に応じた大きさ及び方向に応じてローレンツ力が発生し、その力によって可動子12が固定子11に対してY方向に移動する。通電により生じたコイルユニットCUの熱は、収容空間32を流動する冷媒に吸収される。この熱の吸収動作により温度が上昇した冷媒の熱は、熱伝導及び熱伝達により収容部材31に伝わって収容部材31及び当該収容部材の表面と対向する空気流動空間40、41の空気の温度を上昇させる。
【0025】
一方、吸引装置44の作動により、空気流動空間40、41の空気は流動し、貫通孔35a、36aから、吸引管42、43を介してそれぞれ吸引されて空気流動空間40、41の外部に排気される。空気流動空間40、41の空気の排気に伴って、図3に矢印で示すように、主として空間形成板35、36と固定子11(第1、第2磁石部材13、15及びスペーサSP)との間に、開口部45X、45Y(図3では開口部45Yは不図示)に向かう空気の流れが形成され、空気流動空間40、41には、開口部45X、45Yから空気が流入する。
【0026】
従って、空気流動空間40、41においては、コイルユニットCUへの通電により生じて、冷媒及び収容部材31を介して伝わった熱で暖められた空気が、貫通孔35a、36aから吸引管42、43を介して排出されるとともに、開口部45X、45Yを介して外部から空気が流入する。また、可動子12が、例えば−Y側へ移動した際には、可動子12の−Y側の気圧が高まることでも、−Y側の開口部45Yから空気流動空間40、41に空気が流入する。そのため、コイルユニットCUへの通電により生じた熱は、空間形成板35、36を介して固定子11側に伝わることを抑制できる。また、空気流動空間40、41の空気が暖められることにより、空間形成板35、36の温度が上昇した場合でも、空間形成板35、36と固定子11との間の空気は、開口部45X、45Yから空気流動空間40、41に流入し、その後排出されるため、やはり、空間形成板35、36を介して固定子11側に熱が伝わることを抑制できる。
【0027】
このように、本実施形態におけるリニアモータ10では、空間形成板35、36が収容部材31との間に空気流動空間40、41を形成し、当該空気流動空間40、41の空気を流動させて排出しているため、収容部30に生じる温度分布を抑制することができる。また、空気流動空間40、41が断熱層として作用することで、固定子11側に伝わる熱を抑えて、可動子12の位置を計測する測長器に悪影響を及ぼすことを防止できる。特に、本実施形態では、可動子12の移動方向であるY方向に開口部45Yを形成しているため、吸引装置44の作動による負圧吸引に加えて、可動子12の移動(+Yおよび−Y方向)に伴う気圧変化によっても、空気流動空間40、41に冷媒としての空気を流入させることが可能となる。そのため、収容部材31に対する冷却効率及び固定子11に対する断熱効率を向上させることができる。
【0028】
また、本実施形態では、スペーサ37、38が収容部材31の温度分布及び変形に基づく位置に配置されているため、これら収容部材31の温度分布及び変形に起因する悪影響がスペーサ37、37を介して空間形成板35、36等に伝達することを抑制できる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、モータ装置の第2実施形態であるリニアモータについて、図4を参照して説明する。
この図において、図1乃至図3に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0030】
図4は、可動子12を+X側から視た図である。
この図に示されるように、可動子12のY方向への移動時に、空気流動空間40、41への空気の流入部(移動方向であるY方向の両側)には、流入する空気の流速を大きくする流速調整部46がそれぞれ設けられている。
【0031】
流速調整部46は、空間形成板35、36のY方向両側における、空気流動空間40、41に臨む面とは逆側の面(外側の面)に、所定のキャンバー角(可動子12の進行方向に対して反った角度)をもって形成された翼状部47、48と、収容部材31のY方向両側における、空気流動空間40、41への空気流入部に、所定のキャンバー角をもって形成された翼状部49とにより構成される。
他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0032】
上記構成のリニアモータ10では、翼状部47、48の外側の面に沿って流れる空気は、コアンダ効果によって進路が曲げられ、進行方向に流れようとする空気と曲げられる空気の関係で空気密度は希薄になり圧力が低下する。そのため、相対的に空気流動空間40、41に面する側の圧力が増大(空気流動空間40、41内の圧力が増大する)する。また、翼状部49の周囲に流れる空気は、上記コアンダ効果によって進路が曲げられて空気流動空間40、41への流入部に導かれる。
【0033】
従って、本実施形態におけるリニアモータにおいては、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、可動子12の移動に伴って、移動方向の前方側における空気流動空間40、41への流入部において、圧力増大及び周囲の空気を取り込むことが可能となる。そのため、空気流動空間40、41の内部で大きな流速で空気を流動させることが可能となり、収容部材31に対する冷却効果及び空気流動空間40、41の断熱層としての効果をさらに高めることができる。
【0034】
(第3実施形態)
続いて、モータ装置の第3実施形態について、図5乃至図6を参照して説明する。
上記第1、第2実施形態では、モータ装置としてリニアモータの例を用いて説明したが、本実施形態ではボイスコイルモータの例を用いて説明する。
これらの図において、図1乃至図3に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
図5に示すボイスコイルモータ(モータ装置)10Aは、可動子12が固定子11に対してY方向に相対移動する構成となっている。
また、本実施形態におけるスペーサ37、38は、図6に示すように、Y方向の両端側の側縁に沿って、空間形成板35、36と同一長さで設けられることにより、空気流動空間40、41に対する空気の流入部となる開口部45Xとは異なる位置に開口する開口部(例えば、図1、図2で示した開口部45Y)の面積を調整している。
【0036】
上記の構成のリニアモータ10Aでは、開口部45Xとは異なる位置に開口部(以下、他の開口部と称する)が形成されている場合、吸引装置44の作動により空気流動空間40、41の空気を吸引すると、他の開口部から空気が流入することにより、空気流動空間40、41を吸引する際の負圧が弱まって吸引効果(冷却効果及び断熱効果)が低下する可能性がある。これに対して、本実施形態では、スペーサ37、38が他の開口部を閉塞して開口面積を調整しているため、負圧が弱まることなく効果的に空気流動空間40、41の空気を吸引することが可能となり、収容部材31に対する冷却効果及び空気流動空間40、41の断熱層としての効果を高めることができる。
【0037】
(露光装置)
続いて、本発明に係るモータ装置が適用された本発明の一実施形態である露光装置の構成について説明する。図7は、本発明の一実施形態である露光装置の概略構成を示す模式図である。
【0038】
図7に示すように、本発明の一実施形態である露光装置1は、液晶表示装置等に用いられる矩形形状のガラスプレートP(以下、基板Pと略記)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置1は、照明系IOP,マスクMを保持するマスクステージMST,投影光学系PL,マスクステージMST及び投影光学系PLが搭載されたボディ2,基板Pを保持する基板ステージ装置PST,及びこれらの動作を制御する主制御装置Sを備える。
【0039】
以下、本明細書中では、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対しそれぞれ相対走査される方向をX軸方向として、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義する。また、X軸方向,Y軸方向,及びZ軸方向周りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx方向,θy方向,θz方向と表現する。
【0040】
照明系IOPは、米国特許第5,729,331号明細書に開示されている照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、それぞれ図示しない反射鏡,ダイクロイックミラー,シャッター,波長選択フィルタ,各種レンズ等を介して、図示しない水銀ランプ等の光源から射出された光を露光用照明光(以下、照明光と略記)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、i線(波長365nm),g線(波長436nm),h線(波長405nm)等の光やi線,g線,h線の合成光を例示することができる。照明光ILの波長は、図示しない波長選択フィルタによって要求される解像度に応じて適宜切り替えることができる。
【0041】
マスクステージMSTには、回路パターンがそのパターン面(図7における下面)に形成されたマスクMが真空吸着によって固定されている。マスクステージMSTは、ボディ2の一部を構成する鏡筒定盤23の上面に固定されたマスクステージガイド24上に図示しないエアベアリングを介して非接触状態で搭載されている。マスクステージMSTは、コアレスリニアモータを含む図示しないマスクステージ駆動系によって、マスクステージガイド24上で、X軸方向に所定のストロークで駆動されると共に、Y軸方向及びθz方向にそれぞれ適宜微小駆動される。θz方向の回転情報を含むマスクステージMSTのXY平面内の位置情報は、マスクステージMSTが有する図示しない反射面に測長ビームを照射するレーザ干渉計3を含むマスク干渉計システムによって計測される。
【0042】
投影光学系PLは、マスクステージMSTの下方において、ボディ2の一部を構成する鏡筒定盤23によって支持されている。投影光学系PLは、米国特許第5,729,331号明細書に開示された投影光学系と同様に構成されている。すなわち、投影光学系PLは、レンズモジュール等を含む光学系を複数有し、複数の光学系は、Y軸方向にそって千鳥状に配列されている。複数の光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられる。
【0043】
照明系IOPは、複数の光学系に対応した複数の照明光ILをそれぞれマスクMに照射するように構成されている。このため、マスクM上には、千鳥状に配列された複数の照明光ILの照明領域が形成されると共に、投影光学系PLの下方に配置された基板P上には、複数の光学系それぞれに対応して、千鳥状に配列された複数の照明光ILの照明領域が形成される。この露光装置1では、基板P上に形成される複数の照明領域が合成されることによって、千鳥状に配置された複数の光学系からなる投影光学系PLが、Y軸方向を長手方向とする単一の長方形状(帯状)のイメージフィールドを有する投影光学系と同等に機能する。
【0044】
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILによって、投影光学系PLを介して照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置される、表面にレジストが塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照明領域に形成さ
れる。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTとの同期駆動によって、照明領域に対してマスクMをX軸方向に相対移動させると共に、露光領域に対して基板PをX軸方向に相対移動させることによって、基板P上の1つのショット領域の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMの回路パターンが転写される。すなわち、この露光装置1では、照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMの回路パターンが生成され、照明光ILによる基板P上のレジスト層の露光によって基板P上にその回路パターンが形成される。
【0045】
ボディ2は、基板ステージ架台21,一対のサイドコラム22,及び鏡筒定盤23を備える。基板ステージ架台21は、Y軸方向に延びる部材によって構成され、X軸方向に所定の間隔で2つ設けられている(図7では、2つの基板ステージ架台21は紙面垂直方向に重なっている)。2つの基板ステージ架台21それぞれは、Y軸方向の両端部が床面4上に設置された空気バネを含む防振装置5によって下方から支持され、床面4に対して振動的に分離されている。
【0046】
一対のサイドコラム22は、X軸方向に延びる部材によって構成され、2つの基板ステージ架台21の+Y側(図7における左方向)の端部上、及び−Y側(図7における右方向)の端部上にそれぞれ架け渡された状態で搭載されている。鏡筒定盤23は、水平面に平行な平板状の部材によって構成され、投影光学系PLを支持している。鏡筒定盤23の上面にはマスクステージガイド24が固定され、マスクステージガイド24の上面には図示しないエアベアリングを介して非接触状態でマスクステージMSTが搭載されている。鏡筒定盤23は、一対のサイドコラム22によってY軸方向の両端部が下方から支持されている。従って、ボディ2及びボディ2に支持された投影光学系PLは、床面4に対して振動的に分離されている。
【0047】
基板ステージ装置PSTは、定盤6,一対のベースフレーム7,及び基板ステージ8を備える。定盤6は、例えば石材によって形成された平面視でX軸方向を長手方向とする矩形形状の板状部材によって構成され、その上面は平面度が非常に高く仕上げられている。定盤6は、2つの基板ステージ架台21上に架け渡された状態で搭載されている。
【0048】
一対のベースフレーム7は、一方が定盤6の+Y側に、他方が定盤6の−Y側に配置されている。一対のベースフレーム7は、X軸方向に延びる部材であり、基板ステージ架台21に非接触状態(基板ステージ架台21を跨いだ状態)で床面4上に設置されている。一対のベースフレーム7の床面4との設置面には、Z軸方向に進退可能な高さ調整ネジ71が設けられている。高さ調整ネジ71をZ軸方向に進退させることによって一対のベースフレーム7のZ軸方向位置を調整することができる。一対のベースフレーム7の+Y側及び−Y側の側面及び上端面には、それぞれX軸方向に平行に延びるXリニアガイド部材72が固定されている。
【0049】
基板ステージ8は、X粗動ステージ81,X粗動ステージ81上に搭載され、X粗動ステージ81と共にいわゆるガントリー式のXY2軸ステージ装置を構成するY粗動ステージ82、Y粗動ステージ82の上方に配置された微動ステージ83,及び定
盤6上で微動ステージ83を下方から支持する重量キャンセル装置84を備える。X粗動ステージ81は、Y軸方向を長手方向とする平面視矩形形状の枠状部材によって構成され、その中央部にY軸方向を長手方向とする長孔状の開口部81aが形成されている。X粗動ステージ81の下面には、一対のXスライダ9が一対のベースフレーム7に対応する間隔で取り付けられている。
【0050】
一対のXスライダ9は、X軸方向から見て断面逆U字状の部材によって構成され、その一対の対向面間にベースフレーム7が挿入されている。Xスライダ9の一対の対向面及び天井面には、Xリニアガイド部材72にスライド可能に係合するスライダ93が固定されている。Xスライダ9の一対の対向面それぞれには、固定子ユニット73に対向する可動子ユニット94が固定されている。可動子ユニット94は、鉄芯にコイルを巻回することによって形成された電磁石を含む。固定子ユニット73と可動子ユニット94とは、X粗動ステージ81をX軸方向に駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式のXリニアモータ(コア付きリニアモータ)を構成する。Xリニアモータは、X粗動ステージの位置情報を計測する計測系(エンコーダヘッド95aとエンコーダスケール95b)の出力に基づいて主制御装置Sによって制御される。
【0051】
X粗動ステージ81の上面には、Y軸方向に延びる複数のYリニアガイド部材81b(図7では、複数のYリニアガイド部材81bは紙面垂直方向に重なっている)、及びY軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石からなる図示しない固定子ユニットが固定されている。X粗動ステージ81の上面であって、Yリニアガイド部材81bの長手方向近傍には、それぞれショックアブソーバを含むストッパ装置81cが固定されている。
【0052】
Y粗動ステージ82は、平面視略正方形状の枠状部材によって構成され、その中央部に平面視略正方形状の開口部82aが形成されている。Y粗動ステージ82の下面の四隅近傍には、Yリニアガイド部材81bにスライド可能に係合するスライダ82bが固定されている。Y粗動ステージ82の下面には、X粗動ステージ81の上面に固定された図示しない固定子ユニットに対向する電磁石を含む図示しない可動子ユニットが固定されている。図示しない固定子ユニットと図示しない可動子ユニットとは、Y粗動ステージ82をX粗動ステージ81上でY軸方向に駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式のYリニアモータ(コア付きリニアモータ)を構成する。Yリニアモータは、Y粗動ステージ82の位置情報を計測する図示しない計測系の出力に基づいて、主制御装置Sによって制御される。Y粗動ステージ82のX軸方向に関する移動範囲はストッパ装置81cによって機械的に固定される。
【0053】
微動ステージ83は、平面視略正方形の高さの低い直方体状の部材からなるステージ本体83a、及びステージ本体83aの上面に固定された基板ホルダ83bを含む。微動ステージ83は、複数のボイスコイルモータを含む微動ステージ駆動系83cによって、Y粗動ステージ82に対して6自由度方向(X軸方向,Y軸方向,Z軸方向,θx方向,θy方向,θz方向)に微小駆動される。微動ステージ83は、微動ステージ駆動系を介してY粗動ステージ82に同期駆動されることによって、Y粗動ステージ82と一体的にX軸方向及び/又はY軸方向に所定のストロークで移動される。基板ホルダ83bは、図示しない真空吸着装置を有し、その上面に基板Pを吸着保持する。
【0054】
ステージ本体83aの−Y側の側面には、ミラーベース83dを介してY軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(バーミラー)83eが固定されている。ステージ本体83aの−X側の側面には、図示しないミラーベースを介してX軸方向に直交する反射面を有する図示しないX移動鏡が固定されている。ステージ本体83aのXY平面内の位置情報は、Y移動鏡83e及びX移動鏡それぞれに測長ビームを照射し、その反射光を受光するレーザ干渉計を含む図示しない基板干渉計システムによって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。図示しない基板干渉計システムは、Y移動鏡83eに測長ビームを照射するYレーザ干渉計85、及び図示しないX移動鏡に測長ビームを照射する図示しないXレーザ干渉計を含む。図示しない基板干渉計システムの構成については、米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0055】
重量キャンセル装置84は、Z軸方向に延びる一本の柱状部材によって構成され、レベリング装置86を介して微動ステージ83を下方から支持する。重量キャンセル装置84は、X粗動ステージ81の開口部81a内、及びY粗動ステージ82の開口部82a内に挿入されている。重量キャンセル装置84は、その下端に取り付けられた複数の気体静圧軸受、例えば3つのエアベアリング84aによって、定盤6上に所定のクリアランスを介して非接触状態で支持されている。重量キャンセル装置84は、その内部に設けられた図示しない空気バネ等が発生する上向きの力でその支持対象物、具体的には、微動ステージ83及び基板P、レベリング装置86等の重量(重力加速度による下向きの力)を打ち消す。
【0056】
重量キャンセル装置84は、板バネ又はバネ性を有さない薄い鋼板を含む図示しない複数の連結装置によってY粗動ステージ82に機械的に接続されている。これにより、重量キャンセル装置84は、Y粗動ステージ82と一体的にX軸及び/又はY軸方向に移動する。重量キャンセル装置84は、その上端に取り付けられた図示しないエアベアリングから噴出される気体の静圧によって、レベリング装置86を下方から所定のクリアランスを介して非接触支持している。
【0057】
従って、微動ステージ83と重量キャンセル装置84とは、X軸方向及びY軸方向に関して振動的に分離されている。レベリング装置86は、複数の気体静圧軸受を含み、微動ステージ83を水平面に対してチルト可能(水平面に平行な軸線周りに微小角度回転可能)に下方から非接触支持している。重量キャンセル装置84,レベリング装置86、及び図示しない連結装置の具体的構成は、米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0058】
上記の露光装置1においては、固定子ユニット73と可動子ユニット94とにより構成されるローレンツ電磁力駆動方式のXリニアモータ(コア付きリニアモータ)、図示しない固定子ユニットと図示しない可動子ユニットにより構成され、Y粗動ステージ82をX粗動ステージ81上でY軸方向に駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式のYリニアモータ(コア付きリニアモータ)が上述したリニアモータ10で構成される。また、微動ステージ83をY粗動ステージ82に対して微小駆動する微動ステージ駆動系83cが上述したボイスコイルモータ10Aで構成される。
【0059】
従って、本実施形態の露光装置1では、コイルユニットCUの駆動に伴って生じる温度分布等の熱の悪影響を抑制することで、高い精度で基板Pを移動及び位置決めすることが可能となり、パターンの転写精度向上を図ることができる。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態では、収容部材31と空間形成板35、36とが別の部材である構成を例示したが、これに限定されるものではなく一つの部材に、空気流動空間が設けられ、当該空気流動空間を挟んで収容部材と空間形成部とが一体的に設けられる構成であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、コイルユニットCUが可動子12に設けられ、磁石ユニット(発磁ユニット)が固定子11に設けられるムービングコイル型のリニアモータ10及びボイスコイルモータについて説明したが、コイルユニットCUが固定子に設けられ、磁石ユニット(発磁ユニット)が可動子に設けられる、いわゆるムービングマグネット型のリニアモータやボイスコイルモータにも適用可能であることは言うまでもない。
【0063】
また、上記実施形態では、空気流動装置FLとして吸引装置44を用い、空気を負圧吸引することにより、空気流動空間40、41の空気を流動させる構成を例示したが、これに限られず、例えば、空気流動空間40、41に圧縮された空気を供給する供給装置を設け、供給した空気の圧力で空気流動空間40、41の空気を流動させる構成としてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、収容部材31に対する冷却及び断熱層の形成として空気を用いる構成を例示しているが、窒素ガス等の不活性ガスを用いる等、モータ装置が設置される環境に応じて、種々の気体を選択することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、空間形成板35、36がCFRP等の合成樹脂材により形成される構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、少なくとも一部が多孔質材で形成される構成としてもよい。この場合は、例えば、図8に示されるように、上記実施形態で説明した開口部45Xを閉塞部材48(スペーサ37、38や空間形成板35、36の一部であってもよい)により閉塞した状態で吸引装置44により空気流動空間40、41の空気を負圧吸引することにより、多孔質材の空間形成板35、36を介して空気流動空間40、41の空気を導入して流動させることができる。この構成では、空間形成板35、36のほぼ全面に亘り空気を導入することが可能となり、局所的に空気を導入した場合に空気流動空間40、41を流動する間に空気が暖められることにより生じる温度分布の影響を抑制することができる。また、この構成を採る場合には、空気流動空間40、41に導入する空気が空間形成板35、36を通過する前に温度上昇することを抑制するために、図8に示すように、固定子11(スペーサSP)に空気導入孔11aを設けておくことが好ましい。
【0066】
また、上記の実施形態では、リニアモータ10及びボイスコイルモータ10Aを、基板ステージ装置PSTに適用した場合を例にして説明したが、マスクステージMSTを駆動するためのモータ装置に適用することももちろん可能である。さらに、上記実施形態では、本発明に係るモータ装置を露光装置1に適用する構成を例示したが、この他に、各種計測装置や工作機械等に適用することが可能である。
【0067】
また、本発明は、マスクと基板とを同期移動してマスクのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを一括露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板とをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板上に転写した後、第2パターンと基板とをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板を順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
【0068】
本発明は、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのパターンの像を投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などに適用することができる。また、本発明は、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも適用することができる。
【0069】
本発明は、複数の基板ステージ装置と計測ステージ装置とを備えた露光装置にも適用することができる。
【0070】
本発明は、基板に半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0071】
本発明において、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測し、その計測結果を基板の位置の管理等に用いることもできる。また、レーザ干渉計を含む干渉計システムの他に、例えば基板ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
【0072】
本発明は、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板上に形成することによって、基板上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)に、適用することができる。
【0073】
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。
各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0074】
露光装置1を用いて製造されるデバイスは、図9に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【符号の説明】
【0075】
1…露光装置、 10…リニアモータ(モータ装置)、 10A…ボイスコイルモータ(モータ装置)、 11…固定子、 12…可動子、 30…収容部、 31…収容部材、 32…収容空間、 35、36…空間形成板(空間形成部)、 37、38…スペーサ、 40、41…空気流動空間(気体流動空間)、 46…流速調整部、 CU…コイルユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と可動子との一方にコイルユニットが設けられ、固定子と可動子との他方に発磁ユニットが設けられるモータ装置であって、
収容部材によって形成された収容空間に前記コイルユニットを収容する収容部と、
前記収容空間の外側で前記収容部材に設けられて、該収容部材との間に気体を流動させる気体流動空間を形成する空間形成部と、
前記気体流動空間に前記気体を流動させる気体流動装置と、を備えるモータ装置。
【請求項2】
前記気体流動装置は、前記気体流動空間を負圧吸引する吸引装置を備える請求項1記載のモータ装置。
【請求項3】
前記気体流動装置は、前記気体流動空間に圧縮された前記気体を供給する供給装置を備える請求項1または請求項2記載のモータ装置。
【請求項4】
前記発磁ユニットと、前記コイルユニットとを協働させて駆動力を発生し、
前記空間形成部が、前記発磁ユニットと前記収容部との間の空間に位置して前記発磁ユニットと対向する請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項5】
前記空間形成部材の少なくとも一部は、多孔質材で形成される請求項1から4のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項6】
前記気体流動空間における前記気体の流入部と異なる位置に開口する開口部の面積を調整する開口調整部を備える請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項7】
前記開口調整部の少なくとも一部は多孔質材で形成される請求項6記載のモータ装置。
【請求項8】
前記収容部材と前記空間形成部との間にスペーサが設けられ、
前記スペーサは、前記収容部材の温度分布に応じて配置される請求項1から7のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項9】
前記収容空間の内部に流体を供給する供給装置と、
前記収容部材と前記空間形成部との間に設けられたスペーサと、をさらに有し、
前記スペーサは、前記流体によって前記収容部材に生じる変形の量に応じて配置される請求項1から8のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項10】
前記気体流動空間への前記気体の流入部には、流入する気体の流速を大きくする流速調整部が設けられる請求項1から9のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項11】
前記流速調整部は、前記気体の流入部における前記空間形成部に、前記気体の流入方向に対して所定のキャンバー角で形成された翼状部を有する請求項10記載のモータ装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のモータ装置を備えるステージ装置。
【請求項13】
請求項12記載のステージ装置を備える露光装置。
【請求項14】
請求項13記載の露光装置を用いて基板に露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含む、デバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−223017(P2012−223017A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88324(P2011−88324)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】