説明

モールド・アッセンブリおよびモールド部品製造用の減衰光方法

本発明は、サイクル数を改善するための、フランジ、モールドおよび電磁放射線フィルターを含むモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリに関する。本発明は、さらにモールド・イン・プレースによるガスケッティング方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、サイクル数を改善するためのフランジ、モールドおよび電磁放射線フィルターを含むモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリに関する。本発明は、さらに、モールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリを使用するモールド・イン・プレースによるガスケッティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の簡単な説明)
モールド・イン・プレースによるガスケットは、ガスケット形成材料をモールドに液体注入することによって形成されてきた。典型的な方法は、高温および/または高圧の液体注入の利用を含む。例えば、典型的な方法はSakaiらの米国特許第5,597,523号公報に記載されている。成形方法および成形デバイスは、典型的には約24,500kPa(3,500psi)の高圧、および例えば250℃(480°F)の高温を共に必要とする。ある例では、上部および下部モールドは相互にかみ合わせられて、それらの間にモールド空洞を決定する。ある例では、平らなカバーまたはフランジがモールドにかみ合わせられて、それらの間にあるモールド空洞を決定する。ガスケット形成材料、例えば、エポキシ樹脂またはプラスチックゴムは、モールド空洞中に2,900kPa(430psi)でポンプによって送られる。モールドおよびガスケット材料は、約250℃(480°F)に加熱される。ガスケット形成材料は、モールド空洞にポンプによって送られる。次いで、モールドは高圧、例えば24,500kPa(3,500psig)で共に締め付けられる。ガスケット材料が電磁放射線または他の硬化技術によって硬化された後、モールドおよびガスケットは室温に冷却される。しかし、そのような短いサイクル時間で、そのような高い圧力および温度を利用するには、ガスケットを形成するために精密さを極めて維持しながら、圧力および温度のそのような大きな変動に耐えることができる金属モールドを使用する必要があり、そのことは装置および方法に経費がかかり、かつ運転を困難にする。
【0003】
有用なモールド・イン・プレースによるガスケットは、許容できる圧縮率を維持しつつ、高い弾性率、シール力および引張り強度を有することが最も望ましい。一般的に、弾性率、シール力および/または引張り強度を改善する技術は、望ましくない圧縮率または他の物理的特性の低下を生じる。
【0004】
従来のモールド・イン・プレースによるガスケッティングアッセンブリは、低経費で強靱性を持ち、および市販品が入手可能であるため、ポリマー状モールドを使用している。しかしながら、ポリマー状モールドは、例えばUV光に曝された後にコールドフローおよび劣化を引き起こすなどの多くの欠点に悩まされる。これらのモールドの劣化は、成形工程中にガスケットからの望ましくない分離を引き起こす可能性がある。UV光曝露による使用中のモールドの劣化は問題であり、結果として、モールドが許容できるガスケットをもはや製造できなくなるまでの使用サイクル数が非常に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまで、破壊(すなわち、モールドの劣化)が認められる前に達成される、成功サイクル数の増加をもたらすモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリに対する要求が存在する。さらに、より低い温度で有効なシール力を維持することができるようなガスケットに対する要求が存在する。また、モールドの劣化を経験する前に成功サイクル数の増加をもたらすモールド・イン・プレースによるガスケッティング方法に対する要求も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、モールド・イン・プレースによるガスケットアッセンブリ、および顕著に成形サイクルを改善させるガスケット形成方法を提供する。例えば、ある場合では、本発明によって2000を超える使用サイクル数を達成することができる。
【0007】
本発明の1つの態様では、モールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリが提供され、該アッセンブリは:流動性ガスケット形成材料を受け入れるための領域を有するフランジ;電磁放射線に対して透過性を持ち、内表面および外表面を有するモールドであって、この内表面はモールド空洞を決定し、このモールドは、前記領域に誘導されるガスケット形成材料を受け入れるための前記領域の周辺がシールされ;電磁放射線供給源と前記モールド空洞の間に配置された電磁放射線フィルターであって、ここで、この電磁放射線フィルターは、10,000nmより短い波長の光をフィルターに掛ける、および/または減衰するために前記モールドの外表面に近接し;および、電磁放射線硬化性組成物を含むガスケット形成材料、を含む。
【0008】
本発明の他の態様では、モールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリは:注入されたガスケット形成材料を受け入れるための凹型領域を有する適用フランジ;紫外光の対して透過性を持ち、内表面および外表面を有するシリコーンモールドであって、この内表面はモールド空洞を決定し、このシリコーンモールドは、前記領域に誘導されるガスケット形成材料を受け入れるための前記領域の周辺がシールされ;紫外光供給源と前記モールド空洞の間に配置された紫外線フィルターであって、ここでこの紫外光フィルターは、400nmより短い波長の光をフィルターで除くために前記シリコーンモールドの外表面に近接し;および、紫外光硬化性ポリアクリレートを含むガスケット形成材料、を含む。
【0009】
本発明の他の態様では、モールド・イン・プレースによるガスケッティング方法がガスケットを製造するために提供され、それは、以下のステップ:流動性のガスケット形成材料を受け入れるための領域を有するフランジ、電磁放射線に対して透過性を持ち、内表面および外表面を有し、この内表面はモールド空洞を決定するモールドであって、このモールドは、前記領域に誘導されるガスケット形成材料を受け入れるための前記領域の周辺がシールされ、および10,000nmより短い波長の光をフィルターに掛ける、または減衰するために前記モールドの外表面に近接して配置された電磁放射線フィルター、を含むモールド・アッセンブリを提供するステップ;電磁放射線硬化性組成物を含むガスケット形成材料を、前記モールド・アッセンブリのモールド中に注入するステップ;前記材料を硬化してガスケットを形成するために、前記フィルターおよびモールドを通って電磁放射線を誘導するステップ;および前記ガスケットまたはモールドの目視で検出できる凝集破壊なしに、ガスケットをモールドから分離するステップ、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明のモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリの各構成要素およびアッセンブリ中のそれらの配置についての斜視図である。
【0011】
【図2】図2は、本発明のモールドおよびフランジの描写であり、モールド・イン・プレースによるガスケットを表面上に有するフランジの上面図、およびフランジとかみ合わせてガスケットの形成を可能にするように設計されたモールドの底面図を示す。
【0012】
【図3】図3は、本発明の実施形態の一部を切り取った斜視図である。
【0013】
【図4】図4は、本発明のモールド・イン・プレースによるガスケッティング方法を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明のガスケットアッセンブリは、先行技術と比較して多いサイクル数で使用できる性能を提供する。例えば、ある実施形態において、本アッセンブリは許容可能なガスケットを製造するために、先行技術より1000回を超えて多く使用できる。用語「許容可能なガスケット」とは、ガスケットに明白な欠陥がなく、目視で観察できる欠陥なしでモールドから分離できるという意味と意図される。典型的には、先行技術のガスケットアッセンブリは、モールド中の破壊のため比較的短いサイクル寿命を有し、このことは多くの場合、結果として観察できる欠陥を有するモールドおよび/またはガスケットを生じる。そのような欠陥は分離の後、モールドの部分がガスケット上に残る、ならびにその逆を含む。
【0015】
本発明は、フランジ、電磁放射線に対して透過性のモールドおよび電磁放射線フィルターを、ガスケットを形成する組成物との組合せで含むアッセンブリならびにモールド・イン・プレースによるガスケットを形成するための方法を提供する。この組合せは、サイクル値を高くするモールド・イン・プレースによるアッセンブリおよび方法を可能にし、現在当該技術分野で使用されているモールドよりも遥かに多い回数使用されるモールドを可能にする。フィルター、フランジ、モールドおよびガスケット形成材料は共にその性能を著しく高め、これらの結果を達成する。
【0016】
本発明のモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリは、直接的にフランジ上で形成できる様々なモールド・イン・プレースによるガスケット形成モールドと共に使用されうる。モールドが電磁放射線に対して透過性である限り、任意の形態または任意の配置のモールドを使用できる。従来のモールドは、上部モールド部品および下部モールド部品が相互に連通してかみ合い、モールド空洞を形成するように設計されている前記2つの部品、およびこのモールド空洞と流体連通している注入ポートを含む。電磁放射線に対して透過性のモールドの内表面は、モールド空洞を決定でき、ガスケット形成材料を受け入れるのに適するフランジ領域の周辺がシールされてよい。空洞は、所望の任意の形状または大きさであってよい。ガスケット形成材料は、注入ポートを介して、ガスケット形成材料を受け入れるための領域中に導入されてよい。材料が注入された時点で、その材料を電磁放射線に曝すことができる。この態様では、電磁放射線の供給源が提供され、それはモールド空洞を通ってガスケット形成材料に透過される。電磁放射線フィルターは、放射線の供給源とモールド空洞の間に、モールドの外表面に近接して配置されてよい。
【0017】
本発明に関連して有用な電磁放射線としては、紫外光、可視光、赤外光およびそれらの組合せが挙げられる。本明細書で用いる場合、「電磁放射線」は、約200nmから約10,000nm、望ましくは約200nmから1,000nmの波長を有する任意の放射線を意味し、それは直接的または間接的に、樹脂組成物の特定の樹脂成分を硬化することができる。この文脈において間接的硬化とは、他の化合物によって開始、促進、あるいは媒介されるような電磁放射線条件下での硬化を意味する。有用な紫外光(UV)として、UVA(約320nmから約410nm)、UVB(約290nmから約320nm)、UVC(約220nmから約290nm)およびそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。有用な可視光として、青色光、緑色光、赤色光、およびそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。そのような有用な可視光は、約450nmから約750nmの波長を有する。有用な赤外光として、近赤外(NIR)、短波長赤外(SWIR)、中波長赤外(MWIR)、長波長赤外(LWIR)、および遠赤外(FIR)が挙げられるが、これらに限定されない。そのような有用な赤外光は、約750nmから約10,000nmの波長を有する。
【0018】
フィルターは、ガスケット形成材料が曝される放射線の量を制限するために使用されてよい。フィルターは、ガスケット形成材料に対して有害な波長の光を減衰させることによって、光供給源の出力を修正できる。放射線の供給源、モールドおよびガスケット形成材料に基づいて、フィルターを選択することができる。フィルターおよび供給源の組合せによって、ガスケット形成材料に照射される放射線の量を制御する。さらに、モールドは、ガスケット形成材料に照射された光を減衰することによって、フィルターとしても機能できる。
【0019】
有用なフィルターの例としては、光学フィルターを挙げることができる。光学フィルターとしては例えば、バンドパス、ショートパス、ロングパス、狭帯域、広帯域、阻止帯域、吸収帯域、UV、着色基板、着色添加物およびそれらの任意の組合せといった、光減衰特性に焦点を合わせるフィルターを挙げることができる。光学的フィルターとしては、ガラスフィルター、被覆ガラスフィルター、積層ガラスフィルター、プラスチックフィルター、被覆プラスチックフィルター、積層プラスチックフィルターおよびそれらの組合せを挙げることができる。光学的フィルターは、吸収性フィルター、反射型フィルター、屈折性フィルター、回折フィルターまたはそれらの組合せであってよい。
【0020】
本発明に関連して有用な電磁放射線フィルターとしては、標準的および光学的ロングパスおよびUVフィルター、例えば、Omega Optical Inc.によって製造されたものを挙げることができる。有用な薄膜フィルター、例えば、Optical Filters Ltd.によって製造されたものは、同様に使用されうる。バンドパスおよびダイクロイックフィルター、例えば、Newport Corporationによって製造されたものは、同様に使用されうる。顕微鏡の使用に対して有用なフィルター、バンドパスフィルター、多重バンドパスフィルター、ロングパスフィルターおよびロングパス・ダイクロイックミラーフィルター、例えば、Chroma Technology Groupによって製造されたものは使用されてよい。Andover Corporationによって製造されたフィルター、例えば、バンドパスフィルター、減光フィルター、ロングパスフィルター、ショートパスフィルターおよび熱制御フィルターは使用されてよい。ダイオードのための光学的フィルター、例えば、Intor Inc.によって製造されたものは使用されてよい。フォトニクス産業で使用するためのフィルター、例えば、Stering Precision Opticsによって製造されたものは使用されてよい。吸収ガラス光学的フィルター、例えば、Ocean Optics Worldwide Headquartersによって製造されたものは使用されてよい。さらに、Midwest Optical Systems Inc.によって製造された任意のフィルター、例えば、着色バンドパスフィルター、保護/UVブロックフィルターおよびロングパス/着色フィルターは使用されてよい。ウィンドウフィルター、例えば、Custom Scientific Inc.によって製造されたものは使用されてよい。BES Optics Inc.によって製造された任意の型のフィルターは使用されてよい。Spectro Filmのダイオードフィルターは、本発明に関連して有用でありうる。ロングパスフィルター、例えば、UGQ(Optics)Ltd.によって製造されたものは使用されてよい。UVフィルター機能を有するガラス積層体、例えば、DuPont、SaflexまたはViracon Inc.によって製造されたものは、本発明との関連で有用でありうる。
【0021】
フィルターのための光学的被覆、例えば、Princeton Instrument Inc.によって製造されたものは使用されてよい。
【0022】
モールドおよびフランジが実質的に隣接関係で配置されている場合、供給源から発生された放射線は、ガスケット形成材料を受け入れるための領域およびモールド空洞に対して透過性である。ガスケット形成材料を受け入れるための領域およびモールド空洞に電磁放射線を透過する手段は、電磁放射線供給源の使用を含んでいてよく、これによって電磁放射線は直接的にモールドを通して透過されうる。電磁放射線供給源は、放射線をモールド全体またはモールドの一部を通して透過させることができる。さらに電磁放射線供給源は、モールド部品(単数または複数)中の1つ以上の導管であってよく、それを通って電磁放射線は、ガスケット形成材料を受け入れるための領域に移動することができる。電磁放射線供給源または供給源の一部は、透過性熱可塑性材料、例えば、ポリカーボネートアクリレート、シリコーン、ポリイソブチレンまたは他の透過性ポリマー状部材から製造されていてよく、および/または通路、例えば、導管または光ファイバー・ケーブルを含んでいてよく、それを通って電磁放射線が透過または通過可能になる。
【0023】
本発明の他の態様では、ガスケット形状空洞(すなわち、ガスケット形成材料を受け入れるための領域)を形成するモールド部品の1つは、それ自体製造品または車両の一部分、例えば、バルブカバーのように製造品の部品であってよい。本発明の組成物は、本発明方法によって直接的にそのような製造品またはその上で形成されてよい。すなわち、本発明のガスケット形成組成物を硬化し、電磁放射線照射実行モールド(これは電磁放射線に対して透過性である)を除去して、集積ガスケットと共に物品または部品は製造される。このことによって、部位または部品に別に形成されたガスケットを機械的および/または化学的に取り付ける必要がなくなる。
【0024】
本発明は、モールド・イン・プレースによるガスケットを形成するのに有用な電磁放射線硬化性組成物を含む。本発明のモールド・イン・プレースによるガスケットは、充分な圧縮レベルを維持しながら、圧縮下で改善された引張り弾性率およびシール力を示す。
【0025】
広い範囲の電磁放射線硬化性組成物が、ガスケットを形成するために使用されうる。有用な組成物としては、電磁放射線硬化性シロキサン、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステル、それらのコポリマーおよびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
ガスケット形成材料は、少なくとも1種のモノマーを含むことがより望ましい。広く様々なモノマーが使用されてよい。本発明で使用されるモノマーとして、(メタ)アクリレートモノマーが望ましい。そのようなモノマーは、柔軟性または硬直性のいずれかとして特徴付けられるのが望ましい。モノマーの選択が、得られるシーラント製造物の所望の特性によって決まることは当業者とって明らかと思われる。(メタ)アクリレート成分において、HC=CGCORによって表される広く様々な材料が存在し、ここでGは、水素、ハロゲンまたは約4の炭素原子数のアルキルであってよく、Rは、1から16の炭素原子数のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、アラルキルまたはアリール基から選択されてよく、それらのどれもが任意に、シラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カルバメート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、スルホンなどで、それぞれの場合により置換、または割り込まれていてもよい。
【0027】
本発明で使用するのに特に望ましく、さらに具体的な(メタ)アクリレートモノマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、望ましくはトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、例えば、エトキシ化ビスフェノール−A(メタ)アクリレート(「EBIPA」または「EBIPMA」)、およびテトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、シトロネリルアクリレートおよびシトロネリルメタクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(「HDDA」または「HDDMA」)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(「ETTA」)、トリエチレングリコールジアクリレートおよびトリエチレングリコールジメタクリレート(「TRIEGMA」)が挙げられる。
【0028】
ただ例証するだけの目的で、ここに本発明のガスケット形成組成物で使用するのに適したウレタン−アクリレートモノマーの例が示されている。しかし当然のことながら、非ウレタンアクリレートおよびメタクリレートを含めて、あらゆるアクリレート樹脂が本発明において使用されうる。本発明で使用されるモノマーは、ポリウレタンポリアクリレートモノマーが望ましい。そのようなモノマーの例としては、Gormanらの米国特許第3,425,988号公報に記載されており、特に参照により本明細書に組み込まれる。これらのモノマーは、下記の一般式:
【0029】
【化1】

で表すことができ、式中、Bは、置換されたおよび置換されていないアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリールおよび複素環式基からなる群より選択される多価有機基であってよく、Xは、−O−および
【0030】
【化2】

基からなる群より選択されてよく;nは、2から6を含んだ整数であってよく、Rは、水素、塩素ならびにメチルおよびエチル基からなる部類から選択されてよく、およびRは、1から8の炭素原子数の低級アルキレン、フェニレンおよびナフタレン基からなる群より選択される二価有機基であってよい。
【0031】
追加して、ウレタン−アクリレート−キャップ化ポリ(アルキレン)エーテルポリオールモノマー、例えば、Bacceiにより米国特許第4,018,851号公報に記載され、特に参照により本明細書に組み込まれたものは、本発明のガスケット形成組成物で使用されてよい。さらに、ウレタン−アクリレート−キャップ化ポリブタジエン系モノマー、例えば、Bacceiの米国特許第4,295,909号公報に記載され、特に参照により本明細書に組み込まれたものは、本発明で使用されてよい。
【0032】
本発明で有用な追加の嫌気硬化性モノマーとしては、一般式:
【0033】
【化3】

を有するアルキレングリコールジアクリレートが挙げられ、式中、Rは、水素、1から4の炭素原子数を含んだ低級アルキル、1−4の炭素原子数を含んだヒドロキシアルキル、および
【0034】
【化4】

からなる群より選択される基を表し、式中、Rは、水素、ハロゲン、および1−4の炭素原子数の低級アルキルからからなる群より選択される基であってよく、Rは、水素、−OHおよび
【0035】
【化5】

からなる群より選択される基であってよく、式中、mは、少なくとも1、望ましくは1から8、さらに望ましくは1から4に等しい整数であってよく;nは、少なくとも1、望ましくは1から20に等しい整数であってよく;およびpは、0または1であってよい。
【0036】
本発明のガスケット形成組成物において有用な追加の嫌気硬化性モノマーとしては、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−およびポリエチレングリコールジメタクリレートならびに対応するジアクリレート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ(クロロアクリレート)、ジグリセロールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。
【0037】
本発明のガスケット形成組成物で役立つ有用な重合架橋性成分は、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,2−ブチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリルプロポキシレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレートおよびそれらの組合せである。他の有用なモノマーとしては、ビスフェノール−Aから誘導されたアクリレート、例えば、ビスフェノール−Aジメタクリレート、水素化ビスフェノール−Aジメタクリレート、およびエトキシ化ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0038】
ガスケット形成組成物としては、ポリアクリレートを含むことが望ましい。有用なポリアクリレートとしては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、メチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノール−A−ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、および対応するメタクリレート化合物が挙げられる。ガスケット形成材料は、アクリレート末端テレケリックポリアクリレートを含むことが最も望ましい。また、有用なのは(メタ)アクリル酸とエポキシド樹脂との反応生成物、およびウレタン樹脂との反応生成物である。適したポリ(メタ)アクリルエステル化合物は、また米国特許第4,051,195号、同2,895,950号、同3,218,305号、および同3,425,988号各公報に記載されている。
【0039】
ジ−および他のポリアクリレートエステルは、特に望ましいことが見いだされたが、単官能アクリレートエステル(1つのアクリレート基を含有するエステル)も使用されうる。単官能アクリレートエステルに関しては、比較的極性のアルコール部分を有するエステルを使用することが望ましいであろう。そのような材料は、低分子量のアルキルエステルと比べ揮発性が低く、さらに重要なことは、極性基は硬化の間および後に分子間引力を与える傾向があり、すなわち、より望ましい硬化特性、ならびにより耐久性を有するシーラントまたは接着剤を生み出す。特に望ましいのは、不安定な水素、複素環式、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、およびハロゲン極性基から選択される極性基である。この部類中の有用な化合物の例としては、シクロへキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、およびクロロエチルメタクリレートが挙げられる。これらの材料は、様々な他の重合性材料が存在する際に共重合することができる反応性希釈剤として包含されることが多い。
【0040】
本発明のガスケット形成組成物で使用されるモノマーは、望ましくは約1,000から約100,000、さらに望ましくは約3,000から約40,000の分子量を有することができる。モノマーは、約10Pas(10,000cPs)から約120Pas(120,000cPs)の粘度を有することが望ましい。さらに、モノマーは、約1.0から約1.30の比重を有することが望ましい。特に望ましい材料は、Kaneka Corporation(日本)から、例えば、商品表示RC220C、RC210C、RC200C、RC100CおよびXX0013Cの市販品が入手可能である。RC220C、RC210C、RC200CおよびXX00113Cは、各々、置換および未置換アルキルアクリレート、例えば、エチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレートおよびn−ブチルアクリレート(分子量によって変わる)の組合せのターポリマーであると考えられるが、RC100Cはn−ブチルアクリレートのホモポリマーである。
【0041】
本発明のガスケット形成材料は、活性ヒュームドシリカを含んでいてよい。活性ヒュームドシリカを使用すると、形成された時点でガスケットの物理的特性が改善されることが判明した。これらの改善は、以下の実施例においてさらに充分に証明される。本明細書で用いる場合、「活性」ヒュームドシリカは、化学的に活性化され、望ましくは固体状架橋剤として機能するヒュームドシリカを意味する。活性ヒュームドシリカは、望ましくはアクリレート化処理されたヒュームドシリカであってよい。活性ヒュームドシリカは、最も望ましくはメタクリルシラン処理されたシリカであってよく、それは架橋剤として機能する。有用な活性ヒュームドシリカとしては、2−プロペノイック酸、2−メチル−3−(トリメトキシシリル)プロピルエステルとシリカとの反応生成物が挙げられる。適した活性ヒュームドシリカは、例えば、Evonik Industriesから商品名Aerosilで販売されている市販品が入手可能である。そのような活性ヒュームドシリカとしては、R7200の商品表示で入手できるものが挙げられ、それは、構造が変性され、メタクリルシランで後処理されたヒュームドシリカである。
【0042】
ヒュームドシリカフィラーを含めて他のフィラー、例えば、従来の(すなわち、非活性)疎水性ヒュームドシリカは、ガスケット形成材料に追加的に含まれてよい。そのようなヒュームドシリカは、ヘキサメチルジシラザン、トリメトキシオクチルシランおよびポリジメチルシロキサンのような材料で処理されてよく、それらは追加的に疎水性を与えるが、反応性のない官能基に対してはほとんど疎水性を与えない。例えば、従来の疎水性ヒュームドシリカとして、例えば、Evonik IndustriesからAerosilの商品名で販売、Cabot CorporationからCABOSILの商品名で販売、Wacker社からHDK−2000の商品名で販売されている市販品が入手可能である。
【0043】
本ガスケット形成材料は、さらに、可塑剤を含んでいてよい。ガスケット形成材料において可塑剤を使用すると、形成されたガスケットの物理的特性が改善されることが判明した。可塑剤は製造物の伸びを増加するだけではなく、さらに製造物のガラス転移温度(Tg)を下げる効果を有することが見いだされた。低いTgを有することで、低い温度でのより高いシール力を有する製造物が生じる。可塑剤を含むことで、製造物は約−20℃から約−30℃までの低い温度で充分なシール力を有する。さらに、可塑剤は予想される供給媒体中での抽出率を下げ、弾性率に対する影響が小さいことが見いだされた。改善された特質は下記の実施例においてさらに充分に証明される。
【0044】
適した可塑剤としては、当該技術分野において周知の可塑剤が挙げられ、単量体および二量体可塑剤が含まれるが、それらに限定されない。1つの望ましい可塑剤は、ジ(ブトキシエトキシエトキシエチル)グルタレートであり、それはHallStar社から市販品が入手可能であり、Plasthall DBEEEGの商品名で販売されている。他の従来の可塑剤は、本明細書で記載されたガスケット形成材料のために適している。
【0045】
ガスケット形成材料は、光開始剤を含むことが望ましい。本発明では、上で触れた本発明の利益および利点を提供するために多くの種類の光開始剤を使用することができる。光開始剤は、光硬化性組成物が全体として電磁放射線、例えば、化学線に曝された場合、硬化工程速度を増大させる。光開始剤は、望ましくは非ペルオキシド光開始剤であってよく、最も望ましくはプロパノンおよびホスフィンオキシドのブレンドであってよく、しかしながら、他の光開始剤も適切に使用することができる。光開始剤は、電磁放射線に応答し、関与する成分が実質的に重合を起こすことによって硬化を開始および誘導するために、組成物に有効な量で添加されてよい。
【0046】
紫外線(UV)の電磁放射線でモノ−およびポリオレフィン性モノマーを硬化するのに有用な適した光開始剤としては、置換ベンゾフェノンおよび置換アセトフェノン、ベンゾインおよびそのアルキルエステルならびにキサントンおよび置換キサントンのようなフリーラジカル発生UV開始剤が挙げられる。好ましい光開始剤としては、ジエトキシ−アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジエトキシキサントン、クロロ−チオ−キサントン、アゾビスイソブチロニトリル、N−メチルジエタノール−アミン−ベンゾフェノン、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明で使用するのに特に適した光開始剤の例としては、Ciba Specialty Chemicals社の「IRGACURE」および「DAROCURE」の商品名、具体的には、IRGACURE 184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)、369(2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン)、500(1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンおよびベンゾフェノンの組合せ)、651(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、1700[ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの組合せ]、819[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド]、2022[DAROCUR 1173(下に記載された)に溶解したIRGACURE 819]、およびDAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン)および4265(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−ホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの組合せ)で市販品が入手可能な光開始剤、ならびに可視光(青色)光開始剤のdl−カムファーキノンおよびIRGACURE 784DCが挙げられるが、これらに限定されない。当然ながら、これらの材料の組合せもまた本発明において使用されうる。
【0047】
本発明で有用な他の光開始剤としては、アルキルピルベート、例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルピルベート、およびアリールピルベート、例えば、フェニル、ベンジル、ならびにそれらの適切に置換された誘導体が挙げられる。本発明で使用するのに特に適した光開始剤としては、紫外線光開始剤、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(例えば、IRGACURE 651)、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン(例えば、DAROCUR 1173)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(例えば、IRGACURE 819およびIRGACURE 2022)、ならびに紫外線/可視光開始剤の組合せである、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(例えば、IRGACURE 1700)の組合せ、ならびに可視光開始剤であるビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタン(例えば、IRGACURE 784DC)が挙げられる。
【0048】
上に記載された組成物に加えて、本組成物は、さらに、(メタ)アクリロイル末端ポリエーテル、(メタ)アクリロイル末端ポリオレフィン、(メタ)アクリロイル末端ポリウレタン、(メタ)アクリロイル末端ポリエステル、(メタ)アクリロイル末端シリコーン、それらのコポリマー、およびそれらの組合せから選択される、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルペンダント基を有する(メタ)アクリロイル末端化合物を含むことができる。そのような(メタ)アクリロイル末端材料の詳細は、Nakagawaらの欧州特許出願第EP1 059 308号に見いだすことができ、Kaneka Corporation(日本)から市販品が入手できる。
【0049】
本発明のガスケット形成組成物は、さらに、反応性希釈剤、ゴム強化剤、酸化防止剤および/または離型剤を含むことができる。
【0050】
反応性希釈剤として、本組成物は、単官能(メタ)アクリレートを含んでいてよい。有用な単官能(メタ)アクリレートは、一般構造:CH=C(R)COORに包含されてよく、構造中、Rは、H、CH、Cまたはハロゲン、例えば、Clであり、Rは、C1−8のモノ−またはビシクロアルキル、環中に最高2個の酸素原子を有する3から8員複素環式基、H、アルキル部分がC1−8の直鎖または分岐鎖炭素原子鎖であるアルキル、ヒドロキシアルキルまたはアミノアルキルである。特に望ましい具体的な単官能(メタ)アクリレートモノマーで、上記の構造の一部に対応するものは、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、および対応するアクリレートである。
【0051】
さらに、N,N−ジメチルアクリルアミド(「DMAA」)アクリル酸、およびβ−カルボキシエチルアクリレート(例えば、Rhodia社からSIPOMERの商品名で市販品が入手できるもの)は、本発明のガスケット形成組成物で使用するのに有用である。
【0052】
そのような反応性希釈剤の市販品で入手可能な代表的な例としては、下の試料で使用されるものが挙げられる。より具体的には、SARTOMER SR395[Sartomer Company Inc.(Exton、PA)から市販品が入手可能なイソデシルアクリレート]、SARTOMER SR495(Sartomerから市販品が入手可能なカプロラクトンアクリレート)、SARTOMER SR531(Sartomerから市販品が入手可能な環状トリメチロールプロパンホルマルアクリレート)、およびSARTOMER PRO6622(Sartomerから市販品が入手可能な3,3,5トリメチルシクロヘキシルアクリレート)の単独または相互の組合せのいずれか、もしくは他の記述された反応性希釈剤との組合せが、各々適切な選択である。
【0053】
また、本発明のガスケット形成組成物は、ゴム強化剤、例えば、下の試料で使用されるようなものを含んでいてよい。市販品で入手できるものとしてより具体的には、VAMAC DP(DuPontから市販品で入手可能なエチレンアクリルジポリマーエラストマー)、HYCAR VTBN(Hanse Chemieから市販品が入手可能なメタクリレート官能性アクリロニトリル−ブタジエン−コポリマー)、HYPALON 20(DuPontから市販品が入手可能で、96%を超えるクロロスルホン化ポリエチレン、0.4%未満の四塩化炭素、0.04%未満のクロロホルムおよび2%未満のタルクであると公表されている)、NEOPRENE AD−10(DuPontから市販品が入手可能で、98%を超える2クロロ−1,3−ブタジエンポリマーおよびコポリマー、1%未満の水ならびに1%未満のタルクであると公表されている)、NIPOL IR2200L(Zeonから市販品が入手可能で、99%を超えるポリイソプレンポリマーであると公表されている)、RICACRYL 3100(Sartomerから市販品が入手可能で、メタクリレート化ポリブタジエン低官能性UV硬化性樹脂であると公表されている)、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0054】
酸化防止剤として本発明のガスケット形成組成物は、望ましくはフェノール性および/またはホスファイト酸化防止剤を含むことができ、Ciba Specialty ChemicalsからIRGANOXの商品名で市販品として入手できるものを含み、それらの代表は下の試料におけるいくつかの例で見られる。他の酸化防止剤は、本発明のガスケット形成材料において適している。
【0055】
本発明のガスケット形成組成物は、離型剤として、例えばCrompton CorporationからMOLD−PRO 678(粉末ステアリン酸)の商品名で市販品として入手できるものを含んでいてよい。
【0056】
任意に、または代替的に、離型剤はガスケット形成材料を導入する前にガスケット形成材料を受け入れるための領域に塗布されてよい。必要であれば、離型剤は硬化したガスケットをその領域から容易に取り除くのに役立つ。有用なモールド離型剤組成物としては、ポリテトラフルオロエチレンのような乾式スプレー、およびシリコーンまたは有機オイルのようなスプレー式オイルまたはワイプ式オイルが挙げられるが、これらに限定されない。有用なモールド離型剤組成物としては、少なくとも1つの末端が有機親水性基、例えば、ベタイン、ヒドロキシル、カルボキシル、アンモニウム塩の群、およびそれらの組合せで末端置換されたCからC14のペルフルオロアルキル化合物を含む組成物が挙げられるが、それらに限定されることなく、それらは金属表面と化学的および/または物理的に反応性である。様々なモールド離型剤は、Henkelの商標FREKOTEで市販されているものが入手可能である。さらに、離型剤は熱可塑性フィルムであってよく、それはモールド形状に形成されうる。
【0057】
モノマー(単数または複数)、例えば、ポリアクリレートは、望ましくは組成物の約40重量%から約75重量%、最も望ましくは約50重量%から約70重量%の量で存在してよい。
【0058】
活性ヒュームドシリカは、望ましくは本発明のガスケット形成組成物の約5重量%から約30重量%、最も望ましくは少なくとも10重量%から約20重量%の量で存在してよい。他のフィラー、例えば、疎水性ヒュームドシリカは、約0.1重量%から約10重量%、最も望ましくは約2重量%から約5重量%の量で存在してよい。従来のヒュームドシリカは、望ましくは活性ヒュームドシリカより少ない量で存在してよい。
【0059】
可塑剤が本発明のガスケット形成組成物で使用される場合、それは組成物の約5重量%から約20重量%、最も望ましくは約10重量%から約15重量%の量で存在してよい。
【0060】
本発明のガスケット形成組成物で使用される光開始剤は、望ましくは組成物の約0.5重量%から約5重量%、最も望ましくは約1重量%から約2重量%の量で存在してよい。
【0061】
反応性希釈剤が本発明のガスケット形成組成物に存在する場合、それは、望ましくは0.5から約50重量%の範囲、例えば、約5から約30重量%、最も望ましくは約10から約20重量%の範囲で使用されてよい。
【0062】
ゴム強化剤が本発明のガスケット形成組成物に存在する場合、それは、望ましくは約0.5から約30重量%の範囲、例えば、約2.5から約10重量%の範囲で使用されてよい。
【0063】
酸化防止剤が本発明のガスケット形成組成物に存在する場合、それは、望ましくは約0.1重量%から約5重量%、最も望ましくは約0.3から約1重量%の量で使用されてよい。
【0064】
本発明の形成されたガスケットは、充分な圧縮率を維持して、改善された弾性率および伸びレベルを有することが望ましい。形成されたガスケットは、100%伸びで300psiから500psi、より具体的には約400psiから約450psiの引張り弾性率を有することが望ましい。さらに、本発明の形成されたガスケットは、改善された初期シール力(Dyneon CSR固定具を使い、25%圧縮で測定される)、望ましくは約80Nから約100Nの初期シール力を有することが望ましい。引張り弾性率および初期シール力の物理的特性は改善されるが、本発明の形成されたガスケットは低い圧縮永久歪を維持することが望ましい。形成されたガスケットは約55%未満、最も望ましくは約45%から約55%の圧縮永久歪(1000時間、150℃にて)を有することが最も望ましい。
【0065】
さらに本発明は、液体注入によってガスケットを形成するための方法を提供する。1つの態様では、ガスケット形成材料は、電磁放射線硬化性組成物を含み、それはポリアクリレート、活性ヒュームドシリカおよび光開始剤を含む。上記のように、反応性希釈剤、強化剤、酸化防止剤、可塑剤および離型剤を含めて他の追加成分が含まれてよい。さらに注入モールド、例えば、上記のものが提供される。モールドは、包囲されたガスケット形成空洞を決定するために相互に連通して配置されうる1つ以上の分離片を含んでいてよい。さらに、モールドは、ガスケット形成材料の注入を受け入れるための領域と連通している少なくとも1つの注入ポート含んでいることが望ましい。注入モールドは上記のように、さらに電磁放射線を空洞に通させる手段を有する。
【0066】
図1は、電磁放射線を利用する本発明のモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリ10を表し、その電磁放射線の波長は、フィルターに掛けられ、および/またはフィルターによって減衰されてガスケット形成製造物を硬化する。モールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリ10は、電磁放射線供給源400、電磁放射線フィルター100、電磁放射線透過性のモールド200およびガスケット形成材料310を受け入れるための領域を有するフランジ300を含んでいてよい。フィルター110、モールド200およびフランジ310は、組み立てられたモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリを提供するために、一緒に挟み込まれ、締め付けられてシールされてよい。そのような締付けは、ボルト110または当該技術分野において公知である他の固定デバイスを用いて達成された。組み立てられたモールドは、示されていないが圧力下でガスケット形成材料を導入するための入口通路を有し、その材料は電磁放射線に曝された場合、モールド中で硬化して、選択されたモールドの形状を取るガスケットを形成する。このモールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリおよび方法は、フランジに取り付けられ、およびその指定された用途に対してその目的を果たす用意ができているガスケットを提供する。構成要素の組合せ、特にフィルター110、および電磁放射線に対して透過性のモールドおよびガスケット形成組成物の選択は、許容できるガスケット特性の損失を伴わず、モールドの使用サイクルを著しく増大させることを可能にする。本発明のモールド・イン・プレースによるアッセンブリから形成されたモールド・イン・プレースによるガスケットは、少なくとも100サイクル、望ましくは少なくとも500サイクル、最も望ましくは1000より多いサイクルの後でも許容できるガスケットを提供する。許容できるガスケットが2000より多く製造されても、すなわち2000を超えるサイクルが実施されても、なおも許容できるガスケットが製造された。上で定義されたように、許容できるガスケットは、欠陥または目視できる劣化の形跡を伴わないガスケットおよびモールドを含む。用語、欠陥とは、モールド残留物および/または望まれない空隙を伴わないガスケットの表面に関係し、そのいずれもが選択した用途でシール性能に影響を与える可能性がある。本発明のガスケットおよびモールド・イン・プレースは、本発明のガスケットに目視で観察できるいかなるモールド残留物または欠陥が存在することを伴わずに、モールドとガスケットとの分離を可能にする。フィルターの選択は、モールドに劣化の影響を及ぼすことなく、ガスケット形成組成物を充分に硬化させるように行なわれなければならない。このことは、モールド200がポリマー、例えばシリコーンから製造されている場合特に重要であり、それは電磁放射線による劣化の影響を受ける傾向がある。
【0067】
本発明の他の態様では、本発明のガスケット形成組成物は、電磁放射線硬化性および嫌気硬化性であるガスケット形成組成物を使用する。これらの組成物は、電磁放射線、例えばUV、赤外または可視光を使用してガスケット形成組成物の部分的な硬化を可能にし、さらに、ガスケットの残留物をモールド上に残さないように表面を皮張りさせることを可能にする。そのような場合において、ガスケットは次いで、追加的な光、熱を用いた、または嫌気硬化条件に曝す後硬化ステップによって、さらに硬化されうる。
【0068】
図2は、ガスケット形成材料340のための受け入れ領域を有するフランジ330の上部図を示す。受け入れ領域340は、平らであるかガスケット材料を収容するために凹型であってよく、用途によって任意の適した形状であってよい。同様にフランジ330は、様々な用途で使用される1つの部品を代表することができ、任意のサイズ、形状または材料であってよい。ガスケットを必要とする多くの部品は、特に自動車、電子機器および機械市場において金属から製造されるが、セラミック、プラスチック、および木材のような他の材料も、フランジ330のための材料として使用されうる。また、図2は、内表面250およびモールド空洞240を有するモールド230を示す。モールド230は、フランジ330とかみ合わせて配置される。受け入れ領域340およびモールド空洞240の周辺は、モールド・イン・プレース注入工程中にガスケット形成材料を受け入れるためのシールされた室を提供するためにかみ合わせられた場合、同一の広がりを持つ。
【0069】
図3は、ガスケット形成アッセンブリの一部を切り取った側面図を表し、アッセンブリから作られた完全に形成されたガスケットを示している。フランジ350は、モールド210の形状で、受け入れ領域610からフランジの外部表面上に注入成形された、ガスケット500を示す。フィルター130、モールド210およびフランジ350は、注入成形方法のためのシールされた固定具を形成するためにボルト110を使って締め付けられる。フィルター130およびモールド210は、内在する形成されたガスケットを示すために一部が切り取られている。プラテン固定具510は任意のものであり、アッセンブリの支持を提供するために示されている。製造工程で支持を提供するために、フィルター130上に追加の固定具を置くことができる。フィルター130はモールド210の外表面上に置かれるが、しかし、モールド210の表面に接触するのとは反対に、ただ近接することを必要とする。モールド210は、モールド空洞290を決定する外表面280および内表面270を含む。モールド260は、電磁フィルター130とフランジ350の間に配置される。モールド260の内表面270は、フランジ350に隣接する。モールド空洞290は、フランジ350のガスケット形成材料360を受け入れるための領域に対して相補的である。外表面280は、フィルター130に隣接する。フィルター130は、電磁放射線供給源430とモールド260の間に配置される。
【0070】
図4で流れ図の形態で示されているが、本発明の第1ステップはアッセンブリを提供することである。本発明のモールド・イン・プレースによるガスケッティング方法の第2ステップは、ガスケット形成材料をアッセンブリに注入することである。本発明の第3ステップは、電磁放射線をアッセンブリに向かって誘導することである。最終ステップは、モールドまたは形成されたガスケットのいずれかに凝集破壊を目視で観察することなくモールドをフランジから分離することである。
【0071】
組成物および注入モールドが提供された時点で、ガスケット形成材料は、少なくとも部分的に空洞を充填するために、注入ポートからガスケット形成材料を受け入れるための領域中に注入されてよい。空洞は完全に充填、または任意の所望のレベルに充填されてよい。組成物が注入された時点で、ガスケット形成空洞中でガスケットを形成するために、電磁放射線は、電磁放射線の照射実行手段により組成物をモールド中で硬化するのに充分な量で透過されてよい。組成物が硬化された時点で、ガスケットは空洞から取り出されてよい。本方法は、ほぼ室温で実施されるのが望ましいが、任意の所望の温度で実施されてよい。
【0072】
本発明の1つの態様では、電磁放射線を透過させるステップは、使用中に照射レベルを変化させることができてよい。透過性の部品を通って前記注入されたガスケット形成材料上へ透過された電磁放射線の量は、検出およびモニターされうる。ガスケット形成材料上に透過された電磁放射線の量は、電磁放射線照射レベルが事前にセットされた下限値に低下した場合には増加させることができ、または電磁放射線照射レベルがあまりに高すぎる場合には減少させることができる。照射レベルが事前にセットされた下限値に低下した場合、透過性部品のあわせ面は、その合わせ面を通る電磁放射線透過率を増加するために、簡単に清浄化されうる。あるいは、電磁放射線の量は、透過性部品のあわせ面に第1の移動可能なライナーを提供すること;照射レベルが事前にセットされた下限値に低下した場合、第1の移動可能なライナーを除去すること;およびあわせ面を通る電磁放射線透過率を増加するために、透過性部品のあわせ面で第2の移動可能なライナーを提供すること、によって制御されうる。
【0073】
本発明のある態様では、電磁放射線硬化性組成物は、ガスケットを形成するために硬化されてよい。ある実施形態では、UV硬化性ポリアクリレートは、ガスケットを形成するためにUV硬化されてよい。望ましくは、電磁放射線硬化性組成物は、ガスケットを形成するためにUV硬化される。
【0074】
本発明の他の態様では、電磁放射線硬化性組成物は、硬化システムおよび、シリコーン、エポキシ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、アクリレート、メタクリレート、ポリメタクリレート、エチレン−アクリレートエラストマー、ポリオレフィン、フルオロエラストマー、フルオロ−材料、炭化水素、スチレン系およびスチレン系エラストマー、ホットメルト、反応性ホットメルト、イソプレンおよびイソプレン含有エラストマー、EPDM、ブタジエンおよびブタジエン含有エラストマー、樹脂油化合物、アセテートおよびそれらの組合せから選択される組成物を含んでいてよい。ある態様では、電磁放射線硬化性組成物は、UV硬化性ポリアクリレートを含んでいてよい。
【0075】
本発明のある態様では、形成されたガスケットのモールドへの接着力は、ガスケットの凝集力およびモールドの凝集力のいずれよりも低くてよい。
【0076】
ある実施形態では、モールドおよびフィルターは固定具に共に保持されてよい。ある実施形態では、フランジは固定具に共に保持されてよい。モールド、フィルターおよび固定具は、望ましくはフランジとモールドの間に加圧されたシールを形成するために共に締め付けられてよい。
【0077】
ある実施形態では、モールドは電磁放射線に対して透過性のポリマーを含んでいてよい。ポリマーは、望ましくは3次元の空洞を形成することができる。有用なポリマーは、キャスタブルまたは成形できるエラストマーを含んでいてよい。追加の有用なポリマーは、熱硬化性シリコーンキャストまたは注入成形シリコーンを含んでいてよい。モールドは望ましくはシリコーンを含んでいてよい。
【0078】
ある実施形態では、フィルターは、モールドに対して受け板としての役割を果たすことができる。
【0079】
ガスケット形成材料を受け入れるための領域は、望ましくは平面、隆起、凹型または3次元的であってよい。
【実施例】
【0080】
下記の実施例は、異なった成分を評価する様々な試料を提供する。
【0081】
実施例1
【0082】
下の表1は、本発明で使用したガスケット形成材料を説明する:
【0083】
【表1】

【0084】
下の表2は、本発明で使用した透過性のモールドを説明する:
【0085】
【表2】

【0086】
下の表3は、本発明で使用するガラス紫外線フィルターを説明する:
【0087】
【表3】

【0088】
下の表4は、表1から3に記載した組成物から製造したガスケットに関する様々な試験の結果を示す。表2に示すように、ガスケットは、透過性モールドおよびUVフィルターと併用して使用する場合(下にまとめて「本発明のアッセンブリ」と呼ばれる)、ガスケットおよび透過性モールドだけを使用する場合(コントロール)より高いサイクル数を有する。すなわち、UVフィルターを使用すると、サイクルは増加するという結果となる。
【0089】
【表4】

【0090】
実施例2:液体注入成形シリコーン
【0091】
下の表5に、ガスケット形成材料の物理的特性を示す:
【0092】
【表5】

【0093】
下の表6に、ガスケット形成材料の物理的特性を示す:
【0094】
【表6】

【0095】
下の表7に、ガスケット形成材料の物理的特性を示す:
【0096】
【表7】

【0097】
下の表8に、ガスケット形成材料の物理的特性を示す:
【0098】
【表8】

【0099】
実施例3:
【0100】
モールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリを本発明に従って製造した。第1に、モールド・アッセンブリを提供した。このモールド・アッセンブリは、ガスケット形成材料を受け入れるための領域を有するフランジ、紫外放射線に対して透過性のモールド、および紫外放射線フィルターを含んでいた。第2に、ガスケット形成材料を、ガスケット形成材料を受け入れるための領域中に注入した。アッセンブリを紫外放射線源の近くに配置した。次いで、ガスケット形成材料を硬化するために、紫外放射線を紫外放射線フィルターおよびモールドを通して誘導した。その結果、ガスケットを形成した。最後に、目視で検出できるガスケットの凝集破壊を伴わないガスケットをモールドから分離した。この全体の方法を1253回反復したが、破壊は認められなかった。
【0101】
実施例4:
【0102】
実施例3で記載した方法を反復した。しかしながら、注入温度を140°Fに下げた。このレベルに注入温度を下げると、破壊を認めるまでのサイクル数は2000回に増加した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)流動性のガスケット形成材料を受け入れるための領域を有するフランジ;
(ii)電磁放射線に対して透過性で内表面および外表面を有するモールドであって、前記内表面はモールド空洞を決定し、前記モールドは、前記領域に誘導されたガスケット形成材料を受け入れるための前記領域の周辺がシールされ;
(iii)電磁放射線の供給源と前記モールド空洞との間に配置された電磁放射線フィルターであって、ここで前記電磁放射線フィルターは、前記モールドの前記外表面に近接し、10,000nmより短い波長の光をフィルターに掛け、および/または減衰し;および
(iv)電磁放射線硬化性組成物を含むガスケット形成材料;
を含む、モールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリ。
【請求項2】
前記電磁放射線硬化性組成物が、ガスケットを形成するために硬化される、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項3】
前記フィルターが、750nmより短い波長の光をフィルターに掛ける、および/または減衰する、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項4】
前記フィルターが、400nmより短い波長の光をフィルターに掛ける、および/または減衰する、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項5】
前記電磁放射線硬化性組成物が、硬化システムおよびポリアクリレートを含む、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項6】
前記電磁放射線硬化性組成物が、硬化システムおよびシリコーンを含む、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項7】
前記電磁放射線硬化性組成物が、硬化システムおよびエポキシ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、ポリ塩化ビニル、アクリレート、メタクリレート、ポリメタクリレート、エチレン−アクリレートエラストマー、ポリオレフィン、フルオロエラストマー、フルオロ−材料、炭化水素、スチレン系およびスチレン系エラストマー、ホットメルト、反応性ホットメルト、イソプレンおよびイソプレン含有エラストマー、EPDM、ブタジエンおよびブタジエン含有エラストマー、樹脂油化合物、アセテートおよびそれらの組合せを含む、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項8】
前記モールドへの前記形成されたガスケットの接着力が、前記ガスケットの凝集力および前記モールドの凝集力のいずれよりも低いままである、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項9】
前記モールド、フィルターおよびフランジが、固定具に共に保持されている、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項10】
前記固定具が、前記フランジと前記モールドの間に加圧されたシールを形成するために共に締め付けられている、請求項9に記載のアッセンブリ。
【請求項11】
前記モールドが、熱硬化性キャストまたは注入成形シリコーンを含む、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項12】
前記フィルターが、前記モールドのための受け板として機能する、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項13】
前記領域が、平ら、平面、隆起、凹型または3次元的である、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項14】
前記モールドが、シリコーンを含む、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項15】
前記フィルターが、UVフィルター、可視フィルター、赤外線フィルターおよびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項16】
(i)注入されたガスケット形成材料を受け入れるための凹型領域を有する適用フランジ;
(ii)内表面および外表面を有し紫外光に対して透過性のシリコーンモールドであって、前記内表面はモールド空洞を決定し、前記シリコーンモールドは、前記凹型領域に注入されたガスケット形成材料を受け入れるための前記凹型領域の周辺がシールされ;
(iii)400nmより短い波長をフィルターで除くために前記シリコーンモールドの前記外表面に近接して配置された紫外線フィルター;および
(iv)紫外線硬化性ポリアクリレートを含むガスケット形成材料;
を含む、モールド・イン・プレースによるガスケット形成アッセンブリ。
【請求項17】
前記UV硬化性ポリアクリレートが、ガスケットを形成するためにUV硬化される、請求項16に記載のアッセンブリ。
【請求項18】
前記モールドを反復して取り除くのを容易にするために、前記形成されたガスケットが、前記ガスケットまたはモールドの凝集強度より低い界面接着力を有する、請求項16に記載のアッセンブリ。
【請求項19】
a)(i)流動性のガスケット形成材料を受け入れるための領域を有するフランジ;
(ii)電磁放射線に対して透過性で、内表面および外表面を有するモールドであって、前記内表面はモールド空洞を決定し、前記モールドは、前記領域に誘導されたガスケット形成材料を受け入れるための前記領域の周辺がシールされ;および
(iii)10,000nmより短い波長の光をフィルターに掛ける、または減衰するために、前記モールドの前記外表面に近接して配置された電磁放射線フィルター;を含むモールド・アッセンブリを提供するステップ;
b)電磁放射線硬化性組成物を含むガスケット形成材料を、前記モールド・アッセンブリの流動性ガスケット形成材料を受け入れるための前記領域中に注入すること;
c)前記ガスケット形成材料を硬化してガスケットを形成するために、前記フィルターおよびモールドを通して電磁放射線を誘導するステップ;および
d)前記ガスケットまたは前記モールドの目視で検出できる凝集破壊を伴わず、前記ガスケットを前記モールドから分離するステップ;
を含む、モールド・イン・プレースによるガスケッティング方法。
【請求項20】
さらに、前記ガスケットの前記表面を後硬化することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記領域が、平ら、平面、隆起、凹型または3次元的である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記モールドが、シリコーンを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記フィルターが、750nmより短い波長の光をフィルターに掛ける、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記フィルターが、400nmより短い波長の光をフィルターに掛ける、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記モールドが、目視で観察できる欠陥なしで、少なくとも500回繰り返し使用される、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記モールドが、目視で観察できる欠陥なしで、少なくとも1200回繰り返し使用される、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記モールドが、目視で観察できる欠陥なしで、少なくとも5000回繰り返し使用される、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記注入温度が、420°Fより低い、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記ガスケットの前記モールドへの前記界面接着力が、前記ガスケットおよび前記モールドの凝集強度より小さい、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−529002(P2011−529002A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520195(P2011−520195)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/051532
【国際公開番号】WO2010/011835
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(500538520)ヘンケル コーポレイション (99)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL CORPORATION
【Fターム(参考)】