説明

リフトピン及びそれを含むウェハ処理装置

本体部及び支持部を含むリフトピンにおいて、前記本体部はウェハが載置されるサセプタの貫通孔に垂直方向に移動できるように挿入され、前記支持部は本体部の上部面に締結されてウェハを支持し、前記ウェハの表面にスクラッチ欠陥が発生することを防止するためにウェハより硬度の低い物質からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリフトピン及びそれを含むウェハ処理装置に関し、より詳細にはウェハを垂直方向に移動させるためのリフトピン及びそれを含んで前記ウェハを処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子はシリコン材質のウェハ(wafer)上に回路パターンを形成する工
程と、前記回路パターンが形成されたウェハの電気的な特性を検査する工程と、前記検査したウェハを複数のチップで切断した後、前記チップをエポキシ樹脂で個別封止するパッケージング工程などのような一連の工程を遂行して製造される。
【0003】
そこで、前記回路パターンは、前記ウェハに薄膜を形成する工程と、前記薄膜上にフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンを利用して前記薄膜をエッチングする工程と、前記フォトレジストパターンを除去する工程などを遂行して形成される。
【0004】
前記薄膜はプラズマCVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition;以下、P
E−CVD)工程によって形成されることができる。前記PE−CVD工程は低温で相対的に薄い厚さを有する薄膜を形成することができ、また、優れた蒸着率を有することができる。
【0005】
前記PE−CVD工程を遂行するための装置は、反応チャンバ、前記反応チャンバ内に配置されて前記ウェハを支持するサセプタ(susceptor)、反応ガスを前記ウェハ上に均
一に提供するためのシャワーヘッド及び前記反応ガスからプラズマを形成するために高周波電源RFが印加される高周波電極を含む。
【0006】
前記反応チャンバ内で前記ウェハ上に薄膜を形成した後、前記ウェハは前記サセプタからアンロードでき、続いて、前記反応チャンバから搬出されることができる。ここで、前記ウェハは前記サセプタを通じて垂直方向に移動できるように配置された複数のリフトピンを通じて前記サセプタから垂直方向に分離されることができる。
【0007】
しかし、前記リフトピンは前記ウェハより高硬度を有するアルミニウム酸化物(Al)またはアノダイジング(anodizing)処理されたアルミニウム(Al)からなるの
で、前記ウェハの後面にスクラッチ(scratch)欠陥が発生することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ウェハのスクラッチ欠陥の発生を減少させることのできるリフトピンを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、上述のリフトピンを含むウェハ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面に係るリフトピンは、ウェハが載置されるサポートプレートの貫通孔に垂直方向に移動できるように挿入された本体部と、前記ウェハを支持するために前記本体部の上部に結合され前記ウェハより硬度が低い物質からなる支持部を含むことができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記支持部はイットリウム酸化物(Y)を含むことができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記本体部は上部面に挿入孔を有することができ、前記支持部は前記挿入孔に、一部が突出するように挿入されることができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記支持部は接着剤によって前記挿入孔内に固定されることができる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記支持部は前記挿入孔に挿入される時、前記挿入孔に残存するエアを受容するために下部面部位にエアホールを有することができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記支持部の外周面には第1ねじ山が形成されることができ、前記挿入孔の内周面には前記第1ねじ山に対応する第2ねじ山が形成されることができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記支持部は前記本体部の上部面に熱圧着法によって結合されることができ、前記支持部と前記本体部を結合する間、前記支持部と前記本体部との間には相転移層が形成されることができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記支持部はイットリウム酸化物(Y)を含むことができ、前記本体部はアルミニウム酸化物(Al)を含むことができ、前記相転移層はイットリウムアルミニウムガーネット(Yttrium Aluminum Garnet)を含むことがで
きる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記本体部の上部面には突起を備えることができ、前記支持部の下部には前記突起が挿入される挿入孔が形成されることができる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記突起の外周面には第3ねじ山が形成されることができ、前記挿入孔の内周面には前記第3ねじ山に対応する第4ねじ山が形成されることができる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、前記挿入孔の天井面と前記突起の上部面との間には接着物質が介在されることができる。
【0021】
本発明の他の側面に係るウェハ処理装置は、ウェハを処理するための反応ガスが供給される反応チャンバと、前記反応チャンバ内に配置されて前記ウェハが載置され、垂直方向に貫通された貫通孔を有するサポートプレートと、前記サポートプレートの上部に配置されて前記反応ガスからプラズマを生成するために高周波電源が印加される電極と、前記ウェハを前記サポートプレートにロードし、前記サポートプレートからアンロードするために前記サポートプレートの貫通孔に垂直方向に移動できるように挿入される本体部及び前記本体部の上部に結合され、前記ウェハより硬度の低い物質からなる支持部を有するリフトピンを含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
上述のような本発明の実施形態によれば、リフトピンは本体部と支持部を含むことができ、前記支持部をウェハより硬度の低い物質で構成することによって前記ウェハを、前記リフトピンを利用して垂直方向に移動させる間、前記ウェハの表面にスクラッチ欠陥が発生することを減少または防止することがきる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るウェハ処理装置を概略的に示した構成図である。
【図2】図1に図示したウェハ処理装置のリフトピン部位を具体的に示した図面である。
【図3】図2に図示したリフトピンの例を説明するための拡大断面図である。
【図4】図2に図示したリフトピンの例を説明するための拡大断面図である。
【図5】図2に図示したリフトピンの例を説明するための拡大断面図である。
【図6】図2に図示したリフトピンの例を説明するための拡大断面図である。
【図7】図2に図示したリフトピンの例を説明するための拡大断面図である。
【図8】図2に図示したリフトピンの例を説明するための拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態は添付図面を参照してより詳細に説明する。しかし、本発明は下記にて説明する実施形態に限定するように構成しなければならないのではなく、それとは異なる様々な形態で具体化することができる。下記の実施形態は本発明が完全に完成できるように提供するというよりは、本発明の技術分野において熟練した当業者に本発明の範囲を充分に伝達するために提供する。
【0025】
一要素が異なる一要素または層上に、配置または接続されると説明される場合、前記要素は前記他の一要素上に直接配置または接続されることもでき、他の要素または層がこれらの間に掲載されることもできる。これと異なって、一要素が異なる一要素上に直接配置または接続されると説明される場合、それらの間には、また他の要素が存在することはできない。類似する要素に対しては全体的に類似する参照符号が使用されることができ、また、「及び/または」という用語は関連項目のうちのいずれか一つ、または、それ以上の組合せを含む。
【0026】
多様な要素、造成、領域、層、及び/または、部分のような多様な項目を説明するために、第1、第2、第3などの用語が使われるが、前記項目はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は単に他の要素から一つの要素を区別するために使われる。従って、下記において説明する第1要素、造成、領域、層、または部分は、本発明の範囲内で第2要素、造成、領域、層、または部分と表現できる。
【0027】
空間的に相対的用語、例えば、「下部」または「底」、そして「上部」などの用語は図面に説明したように他の要素に対して一要素の関係を説明するために使われることができる。相対的用語は図面に図示した方位に加えて装置の他の方位を含むことができる。例えば、図面のうちのいずれか一つにおいて装置の方向が変わる場合、他の要素の下部側にあることと説明された要素が、前記他の要素の上部側にあることと解釈できる。従って、「下部」という典型的な用語は、図面の特定方位に対して「下部」及び「上部」方位ともを含むことができる。これと類似に、図面のうちのいずれか一つにおいて装置の方向が変わる場合、他の要素の「の下」または「下」として説明した要素は前記他の要素の「上」と解釈できる。従って、「の下」または「下」という典型的用語は「下」と「上」の方位ともを含むことができる。
【0028】
下記において使われた専門用語は単に特定実施形態を説明するための目的で使われるものであり、本発明を限定するためのものではない。下記において使われたように、単数形態で表示するのは特別明確に指示しない以上、複数形態も含む。また、「含む」または「含んでいる」という用語が使われる場合、これは言及した形態、領域、完全体、段階、作用、要素、及び/または、成分の存在を特徴づけることであり、他の一つ以上の形態、領域、完全体、段階、作用、要素、成分、及び/または、これらのグループの追加を排除することではない。
【0029】
特別に限定しない以上、技術及び科学用語を含む全ての用語は、本発明の技術分野において通常の知識を有する当業者に理解されることのできる同一の意味を有する。通常の辞書において限定する用語のような前記用語は、関連技術と本発明の説明の文脈においてそれらの意味と一致する意味を有することと解釈するべきであり、明確に限定しない限り、理想的或いは過度に外形的な直感で解釈してはならない。
【0030】
本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態の概略的な図面の断面図を参照して説明する。これに従がって、前記図面の形状からの変化、例えば、製造方法及び/または許容誤差の変化は予想できるものである。従って、本発明の実施形態は、図面で説明した領域の特定形状に限定された通り説明するのではなく、形状での偏差を含む。例えば、平たいと説明した領域は一般的に、荒さ及び/または非線形的形態を有することができる。また、図面において説明した尖っている隅は、ラウンド状であることもできる。従って、図面において説明した領域は全面的に概略的であり、これらの形状は領域の正確な形状を説明するためではなく、且つ、本発明の範囲を限定するものではない。
【0031】
図1は本発明の一実施形態に係るウェハ処理装置を概略的に示した構成図であり、図2は図1に図示したウェハ処理装置のリフトピン部位を具体的に示した図面である。
【0032】
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係るウェハ処理装置1000は反応チャンバ100、サセプタ200、ガス注入部300、シャワーヘッド400、高周波電極500、及びリフトピン600を含む。
【0033】
前記反応チャンバ100は半導体素子の製造のためのシリコン材質のウェハWに薄膜を蒸着するための空間を提供する。そこで、前記反応チャンバ100の内壁は、その内部空間に生成されるプラズマから保護するためにセラミック物質で溶射コーティングされることができる。
【0034】
前記サセプタ200は前記反応チャンバ100内に配置される。前記サセプタ200には前記ウェハWが載置される。これに、前記サセプタ200は前記ウェハWが実質的に載置されるサポートプレート210及び前記サポートプレート210の中心部位から前記反応チャンバ100の下部を通じて延長されたチューブ220を含む。
【0035】
前記サポートプレート210は、前記ウェハWが載置される面に前記ウェハWを既設定された位置に案内するための案内部(図示せず)を含むことができる。前記サポートプレート210には前記ウェハWを工程温度に加熱するためのヒーター(図示せず)が内装されることができる。また、前記サポートプレート210は垂直方向に貫通された複数の貫通孔212を有することができる。
【0036】
前記チューブ220は前記反応チャンバ100の下部を通過しながら垂直方向に移動できるように構成される。これによって、前記サポートプレート210は前記チューブ220によって垂直方向に移動することになる。また、前記チューブ220には前記サポートプレート210に内装されたヒーター(図示せず)に、外部から駆動電源を供給するための配線が内装されることができる。
【0037】
前記ガス注入部300は前記反応チャンバ100の上部に構成される。前記ガス注入部300は、前記反応チャンバ100の内部に反応ガスGを注入する。そこで、前記反応ガスGは一例として、アルゴン(Ar)、シラン(SiH)、窒素(N)、アンモニア(NH)、塩素(Cl)、またはフッ素(F)などを含むことができる。
【0038】
前記シャワーヘッド400は前記ガス注入部300と連結され、前記反応チャンバ100内部で前記サセプタ200に載置されたウェハW上に前記反応ガスGを供給する。前記シャワーヘッド400には一定大きさの噴射孔410が一定間隔で形成される。よって、前記反応ガスGが前記シャワーヘッド400から前記ウェハW上に均一に供給されることができる。
【0039】
前記高周波電極500は前記シャワーヘッド400の上部に配置され、前記高周波電極500には前記反応ガスGからプラズマを発生させるために高周波電源RFが印加される。一方、前記シャワーヘッド400は前記高周波電極500と電気的に連結されることができ、これによって前記シャワーヘッド400にも前記高周波電源RFが印加されることができる。
【0040】
前記ウェハW上には前記反応ガスGから生成されたプラズマによって薄膜が蒸着できる。一方、前記サセプタ222は電気的に接地されることができる。
【0041】
前記リフトピン600は前記サセプタ200のサポートプレート210に形成された前記貫通孔212に、垂直方向に移動できるように挿入される。前記リプトピン600は、前記ウェハWを前記サセプタ200上にロードするために、そして、前記サセプタ200からアンロードするために使われることができる。特に、移送ロボット(図示せず)によって反応チャンバ100内部に搬入されたウェハWは前記サポートプレート210に対して相対的に上昇されたリフトピン600上にロードされることができ、前記リフトピン600の下降によって前記サポートプレート210上に載置されることができる。
【0042】
また、前記ウェハW上に薄膜を蒸着した後、前記リフトピン600は前記ウェハWを前記サポートプレート210からアンロードするために上昇されることができ、続いて、前記ウェハWは前記移送ロボットによって前記反応チャンバ100から搬出されることができる。
【0043】
一方、前記リフトピン600の上部は、徐々に増加する直径を有することができ、前記サポートプレート210の貫通孔212は前記リフトピン600と対応する直径を有することができる。従って、前記リフトピン600の上部は前記サポートプレート210が上方に移動する場合、前記貫通孔212の内側面によって支持されることができる。
【0044】
前記ウェハ処理装置1000は、前記リフトピン600の垂直方向移動のために固定板700及び移動板800をさらに含むことができる。
【0045】
前記固定板700は前記サポートプレート210の下部で前記チューブ220を包みながら前記反応チャンバ100に固定される。
【0046】
前記移動板800は前記サポートプレート210と前記固定板700との間で前記リフトピン600の下段部と接続される。このような移動板800は前記サセプタ200が下方に移動する場合、前記固定板700により支持されることができ、これによって前記サポートプレート210に対して相対的に上昇することができる。
【0047】
また、前記サセプタ200が上方に移動する場合、前記リフトピン600は前記サポートプレート210に対して相対的に下降することができ、前記リプトピン600の上部が前記貫通孔212内部に挿入された後、前記貫通孔212の内側面によって支持されることができる。続いて、前記リフトピン600と前記移動板800は、前記サセプタ200と共に上方に移動することができる。
【0048】
前記リフトピン600と移動板800を利用して前記ウェハWを前記サセプタ200上にロードし、続いて、前記サセプタ200からアンロードする方法を詳細に説明すると、次のようである。
【0049】
前記サセプタ200の下方移動によって前記リフトピン600が前記サポートプレート210に対して相対的に上昇した後、前記移送ロボットによって前記ウェハWが前記反応チャンバ100内部に搬入されることができる。続いて、前記ウェハWは前記移送ロボットによって前記リフトピン600上に載置されることができる。
【0050】
前記サセプタ200は上方に移動されることができ、これによって前記リプトピン600とウェハWは、前記サポートプレート210に対して相対的に下方に移動されることができる。結果的に前記サセプタ200が上方に移動する間、前記ウェハWは前記サポートプレート210上に載置されることができる。前記ウェハWが前記サポートプレート210に載置された後、前記ウェハWは前記サセプタ200の上方移動によって前記リフトピン600及び移動板800と共に既設定された位置、つまり、工程位置に移動することができる。
【0051】
前記ウェハW上に薄膜が形成された後、前記サセプタ200は下方に移動することができ、これによって、前記移動板800が前記固定板700上に載置されることができる。続いて、前記リフトピン600は前記サセプタ200の下方移動によって前記サポートプレート210に対して相対的に上昇されることができ、これによって、前記ウェハWが前記サポートプレート210からアンロードされることができる。
【0052】
前記リフトピン600により前記ウェハWが前記サポートプレート210からアンロードされた後、前記ウェハWは前記移送ロボットによって前記工程チャンバ100から搬出されることができる。
【0053】
本発明の他の実施形態によれば、前記サセプタ200とは関係なしで前記リプトピン600は別途の駆動部(図示せず)により垂直方向に移動することもできる。この場合、前記移動板800は前記駆動部と接続されることができ、前記駆動部は前記ウェハWのロード及びアンロードのために前記リフトピン600と移動板800を垂直方向に移動させることができる。
【0054】
一方、前記ウェハWを安定的に支持するために前記ウェハ処理装置1000は、三つまたは四つのリフトピン600を含むことができ、前記サポートプレート210は前記リフトピン600を装着するために三つまたは四つの貫通孔212を有することができる。
【0055】
図3〜図8は図2に図示したリフトピンの例を説明するための拡大断面図である。
【0056】
図3及び図4を参照すれば、リフトピン600は本体部610及び支持部620を含む。
【0057】
前記本体部610は垂直方向に延長される棒状を有することができ、前記サポートプレート210の貫通孔212に垂直方向に移動できるように挿入される。前記本体部610は耐久性向上のために比較的に硬度の高い物質からなる。
【0058】
例えば、前記本体部610はシリコン材質のウェハWより硬度の高いアノダイジング(Anodizing)処理されたアルミニウム(Al)、アルミニウム酸化物(Al)、チ
タン(Ti)、またはチタン窒化物(Tin)などの材質を含むことができる。
【0059】
この中で、アルミニウム酸化物(Al)は、約10〜10.5Gpaの硬度を有するシリコンより高い約11.8〜16.0Gpaの硬度を有することができる。一方、前記本体部610は、上部面に所定の深さで加工された第1挿入孔612を有する。
【0060】
前記支持部620は前記本体部610の上部面で前記第1挿入孔612に挿入されて締結される。この時、前記支持部620は、一部が前記本体部610の上部面から突出するように前記第1挿入孔612に挿入される構造を有する。よって、前記支持部620は前記本体部610が上昇する時に前記ウェハWを支持する。
【0061】
そこで、前記支持部620は、図3に示した通りその上部面のように、側面部が一部露出されるように前記本体部610の上部面から突出して締結されることができる。
【0062】
これとは異なって、前記支持部620は図4に示した通り、その上部面のみが前記本体部610の上部面から突出して締結されることができる。この場合、前記支持部620と前記本体部610との接する部位が滑らかに構成されるので、その接合部位に工程中に生成される副産物などの汚染物質が安着することを防止することができる。
【0063】
前記支持部620は前記ウェハWの材質であるシリコンより硬度の低いセラミック物質からなる。一例として、前記支持部620はシリコンの硬度である約10〜10.5Gpaより低い約6〜6.5Gpaの硬度を有するイットリウム酸化物(Y)材質を含むことができる。
【0064】
このように、前記リフトピン600の前記ウェハWを支持する支持部620を前記ウェハWより低い硬度を有する物質で構成することによって、前記リプトピン600が上昇して前記ウェハWを前記サポートプレート210から離隔させる時に前記リフトピン600によって前記ウェハWにスクラッチ(scratch)不良が発生することを減少または防止す
ることができる。
【0065】
また、前記リフトピン600は前記支持部620の上部面を膨らんでいるように構成して前記支持部620と前記ウェハWが互いに点接触するように誘導することによって、前記スクラッチ不良が発生する可能性を大きく減少させることができる。
【0066】
また、前記イットリウム酸化物(Y)は他のセラミック物質に比べて前記反応チャンバ100内で生成される反応性プラズマとの反応性が相対的に低いため、反応副産物の生成を減少させることができ、これによって、前記ウェハWの汚染を減少させることができる。
【0067】
特に、前記アルミニウム酸化物(Al)は前記反応ガスGのうち、フッ素(F)と反応してフッ化アルミニウム(AlF)のような副産物を生成することができるが、イットリウム酸化物(Y)は前記フッ素(F)とは反応しない特徴がある。
【0068】
つまり、前記リフトピン600を前記アルミニウム酸化物(Al)のみで構成する場合には、前記フッ化アルミニウム(AlF)を含む汚染物が前記ウェハW上に残留することができ、前記汚染物は後続工程である、フォトリソグラフィ工程で光学装備を利用するアライン作業に誤謬を発生させる原因になることができる。
【0069】
一方、前記第1挿入孔612の内側表面上には前記支持部620を固定させるために前記支持部620を接着させる接着物質630が塗布される。そこで、前記接着物質630は、前記本体部610と前記支持部620が全部セラミック材質で形成されているので、通常、アルミニウム酸化物(Al)、イットリウム酸化物(Y)、アルミニ
ウム窒化物(AlN)、またはシリコン(SiO)を含むことができる。
【0070】
例えば、前記第1挿入孔612内には接着ペーストが塗布されることができ、前記接着ペーストは前記支持部620が前記挿入孔612内に挿入された後、時間の経過により硬化されることができる。結果的に、前記支持部620は前記接着物質630によって前記第1挿入孔612内で固く固定されることができる。
【0071】
また、前記支持部620は前記第1挿入孔612に挿入される時、前記第1挿入孔612内に残存するエアによって充分に挿入されないことがある。本発明の一実施形態によれば、前記支持部620は前記第1挿入孔612内のエアを受容するためのエアホール622を有することができる。つまり、前記第1挿入孔612に残存するエアは前記エアホール622に受容されることができ、これによって、前記支持部620が前記第1挿入孔612に充分に挿入されることができる。
【0072】
一方、本発明の他の実施形態によれば、前記支持部620は前記本体部610の第1挿入孔612に締まりばめすることもできる。
【0073】
図5及び図6を参照すれば、本発明の他の実施形態に係るリフトピン640は上部面に第1挿入孔642を有する本体部641及び前記第1挿入孔642に頭部分645が突出するように結合される支持部644を含む。
【0074】
特に、前記支持部644は、外周面に沿って第1ねじ山646を有し、前記本体部641は前記第1挿入孔642の内側の内周面に沿って前記第1ねじ山646と締結される第2ねじ山643を有する。
【0075】
この時、前記第1挿入孔642の底面と前記支持部644の下部面との間にはねじ締結されながら挿入される支持部644をより確実に固定させるためにセラミック材質からなる接着物質647が塗布されることができる。
【0076】
前記支持部644は、図5に示したように、前記頭部分645がその上部面とともに側面部の一部が露出するように前記本体部641の上部面から突出して構成されることができる。
【0077】
これとは異なって、前記支持部644は図6に示したように、前記頭部分645が前記第1挿入孔642に挿入されて、その上部面のみが前記本体部641の上部面から突出して締結されることができる。この場合、前記支持部644と前記本体部641との接する部位が滑らかに構成されるので、その接合部位に工程中に生成される副産物などの汚染物質が安着することを防止することができる。
【0078】
本発明のまた他の実施形態によれば、前記支持部644の頭部分645が除去されることができ、この場合、前記第1ねじ山646を有する前記支持部644の本体部分はその上部面が露出するように前記本体部641に締結されることができる。
【0079】
一方、前記支持部644は前記第1挿入孔642から突出した頭部分645が前記第1挿入孔642の内径よりさらに大きく構成されることができる。このような場合、前記頭部分645は、前記支持部644が前記第1挿入孔642に挿入される時、ストッパ(stopper)役割を遂行することができる。一方、前記頭部分645の上部面は前記ウェハW
と点接触できるように膨らんでいるように構成することができる。
【0080】
前記支持部644と前記本体部641とを上述のような相対的に強力な結合力を提供す
ることのできるねじ結合方法を利用して結合することによって前記支持部644が前記第1挿入孔642から分離されることを充分に防止することができる。
【0081】
図7を参照すれば、本発明のまた他の実施形態に係るリフトピン650は本体部652及び前記本体部652の上部面に熱圧着法、つまり、高温で加圧する方法によって結合される支持部653を含む。
【0082】
例えば、前記支持部653がイットリウム酸化物(Y)材質からなり、前記本体部652がアルミニウム酸化物(Al)からなる場合、前記支持部653を前記本体部652の上部面に高温状態で加圧して接合する場合、その接合部位が一部溶融して相転移層654が生成される。
【0083】
この時、前記熱圧着をするための温度は約900℃ 未満の場合には接合部位が溶融し
ないので望ましくなく、約1100℃を超過する場合には前記支持部653と前記本体部652が過度に溶融することがあるので望ましくない。従って、前記熱圧着をするための温度は約900℃ 〜1100℃の範囲で設定することができる。
【0084】
このような相転移層645は、イットリウム酸化物(Y)とアルミニウム酸化物(Al)の間の中間物質を含むことができる。例えば、前記相転移層645はイットリウムアルミニウムガーネット(Yttrium Aluminum Garnet;YAG)を含むことがで
きる。
【0085】
そこで、前記支持部653は前記相転移層654の強力な結合力を通じて前記本体部652の上部面に付着して締結されることができる。特に、本実施形態によれば、一度の熱圧着工程を通じて複数の支持部653を複数の本体部652に一度で付着させることができるという長所がある。一方、前記支持部653の上部面は前記ウェハWと点接触できるように膨らんでいるように構成することができる。
【0086】
図8を参照すれば、また他の実施形態に係るリフトピン660は、上部面に突起663を有する本体部662及び前記突起663が挿入される第2挿入孔666を有しながら前記突起663と結合する支持部665を含む。
【0087】
特に、前記突起663は外周面に第3ねじ山664を有し、前記支持部665は前記第2挿入孔666の内側の内周面に前記第3ねじ山664と締結する第4ねじ山667を有する。
【0088】
この時、前記第2挿入孔666の天井面と前記突起663の上部面との間にはねじ締結されながら挿入される前記突起663をより確実に固定させるためにセラミック材質からなる接着物質668が塗布されることができる。
【0089】
上記では本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域の範疇内で本発明を多様に修正及び変更できることが理解できるはずである。
【産業上の利用可能性】
【0090】
上述のような本発明の実施形態に係るリフトピンはウェハと接触する支持部をウェハより硬度の低い物質、例えば、イットリウム酸化物(Y)で形成することによって、前記ウェハにスクラッチ(scratch)不良が発生することを減少または防止することがで
きる。
【0091】
また、前記イットリウム酸化物(Y)が相対的に高価である点を考慮して前記支持部665のみを前記イットリウム酸化物(Y)で形成することによって前記リフトピンの製造原価を節減することができ、接着剤を使う方法、熱圧着法、またはねじ締結方法などを利用して前記支持部を本体部に簡単に結合することができるので前記リフトピンの製造にかかる時間を短縮させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハが載置されるサポートプレートの貫通孔に垂直方向に移動できるように挿入された本体部と、
前記ウェハを支持するために前記本体部の上部に結合され前記ウェハより硬度の低い物質からなった支持部と、を含むリフトピン。
【請求項2】
前記支持部はイットリウム酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載のリフトピン。
【請求項3】
前記本体部は上部面に挿入孔を有し、前記支持部は前記挿入孔に、一部が突出するように挿入されることを特徴とする請求項1に記載のリフトピン。
【請求項4】
前記支持部は接着剤によって前記挿入孔内に固定されることを特徴とする請求項3に記載のリフトピン。
【請求項5】
前記支持部は前記挿入孔に挿入される時、前記挿入孔に残存するエアを受容するために下部面部位にエアホールを有することを特徴とする請求項3に記載のリフトピン。
【請求項6】
前記支持部の外周面には第1ねじ山が形成されていて、前記挿入孔の内周面には前記第1ねじ山に対応する第2ねじ山が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のリプトピン。
【請求項7】
前記支持部は、前記本体部の上部面に熱圧着法によって結合され、前記支持部と前記本体部を結合する間、前記支持部と前記本体部との間には相転移層が形成されることを特徴とする請求項1に記載のリフトピン。
【請求項8】
前記支持部はイットリウム酸化物を含み、前記本体部はアルミニウム酸化物を含み、前記相転移層はイットリウムアルミニウムガーネットを含むことを特徴とする請求項7に記載のリフトピン。
【請求項9】
前記本体部の上部面には突起を備え、前記支持部の下部には前記突起が挿入される挿入孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリフトピン。
【請求項10】
前記突起の外周面には第3ねじ山が形成されていて、前記挿入孔の内周面には前記第3ねじ山に対応する第4ねじ山が形成されていることを特徴とする請求項9に記載のリフトピン。
【請求項11】
前記挿入孔の天井面と前記突起の上部面との間には接着物質が介在されていることを特徴とする請求項10に記載のリプトピン。
【請求項12】
ウェハを処理するための反応ガスが供給される反応チャンバと、
前記反応チャンバ内に配置されて前記ウェハが載置され、垂直方向に貫通された貫通孔を有するサポートプレートと、
前記サポートプレートの上部に配置され、前記反応ガスからプラズマを生成するために高周波電源が印加される電極と、
前記ウェハを前記サポートプレートにロードし、前記サポートプレートからアンロードするために前記サポートプレートからアンロードするために前記サポートプレートの貫通孔に垂直方向に移動できるように挿入される本体部及び前記ウェハを支持するために前記本体部の上部に結合され、前記ウェハより硬度の低い物質からなった支持部を有するリフトピンと、を含むウェハ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−519393(P2012−519393A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552889(P2011−552889)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001349
【国際公開番号】WO2010/101423
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(502394184)コミコ株式会社 (12)
【住所又は居所原語表記】79,Sinmosan−dong,Anseong−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】