説明

ロータリーキルンにおける漏出ダストの処理装置

【課題】 フロントウォール部から漏出する漏出ダストの処理を、多くの人手をかけることなく低コストでおこなうことができる、漏出ダストの処理装置を提供する。
【解決手段】 キルン本体12の上流側開口部を塞ぐフロントウォール13に、キルン本体12とフロントウォール13との隙間14から漏出する漏出ダストを下方へ排出する排出口16を設けるとともに、排出口16から排出された漏出ダストを支承して側方へ移送するコンベヤ30と、コンベヤ30による移送中の漏出ダスト上に散水する散水装置40と、コンベヤ30のダスト排出口32の直下部に配置され回収袋65の開口部周縁部65aを着脱自在に保持する袋保持具60と、袋保持具60に保持された回収袋65内に漏出ダストを収容した袋詰品66を、ロータリーキルン10の処理対象である大型廃棄物揚重用のリフト8への積込位置まで搬送する搬送装置70とを、備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃棄物の焼却・溶融処理に用いられるロータリーキルンにおいて、フロントウォール部から漏出する漏出ダストの処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄物処理設備において廃棄物を焼却・溶融処理する炉としては、ロータリーキルンが多く使用されている(たとえば、特許文献1および特許文献2および特許文献3および特許文献4参照。)。なおこのロータリーキルンは、特許文献4に記載のように、廃棄物を燃焼焼却する焼却処理と、さらに高温処理して廃棄物を燃焼溶融する溶融処理のいずれにも使用されるものであり、この明細書では、上記両処理を総称して焼却・溶融処理と称するものとする。
【特許文献1】特開2000−310408号公報
【特許文献2】特開2001−311511号公報
【特許文献3】特開2002−235986号公報
【特許文献4】特開2005−265303号公報
【0003】
そしてロータリーキルンにおいては、円筒状のキルン本体の上流側開口部を塞ぐフロントウォール(引用文献2では風箱として記載)部を貫通するシュートを経て炉内に投入された廃棄物を燃焼させて、焼却・溶融処理をおこなうのであるが、この廃棄物の一部が、キルン本体とフロントウォールとの隙間からキルン本体の外方へ漏出する現象が見られる。この漏出物は、粉状や粒状の廃棄物が、未燃焼のままあるいは一部が着火乃至燃焼状態で混在するものであり、この発明ではこの漏出物を漏出ダストと称するものとする。
【0004】
上記の漏出ダストの漏出は、上記特許文献2および特許文献3における前記隙間からの燃焼用空気の導入によっても防ぎきれるものではなく、またバーナによる廃棄物の燃焼効率の向上などのために、燃焼用空気の導入をバーナ近傍部においておこない前記隙間からの導入をおこなわない場合には、上記漏出ダストの漏出量が特に多量となる。
【0005】
この漏出ダストの処理方法として、従来は、フロントウォールの下方位置に置いたダストボックス内に落下させ回収した漏出ダストを、作業員がたとえば1日に10回程度、フォークリフトによりコンテナへ投入し、このコンテナ満杯時にコンテナトラックにより廃棄物貯留用のピットへ運搬・投入して、このピット内の汚泥や紙,木,プラスチックなどの一般廃棄物と共にロータリーキルンに再投入して焼却・溶融処理する方法がとられていた。このためこれらの処理作業に多くの人手と時間を要し省力化の点で好ましくなく、処理コストのかさむものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上記の点にかんがみてなされたもので、フロントウォール部から漏出する漏出ダストの処理を、多くの人手をかけることなく低コストでおこなうことができる、ロータリーキルンにおける漏出ダストの処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シュートを経て炉内に投入された廃棄物を焼却・溶融処理するロータリーキルンにおいて、キルン本体の上流側開口部を塞ぐフロントウォールに、前記キルン本体と前記フロントウォールとの隙間から漏出する漏出ダストを下方へ排出する排出口を設けるとともに、前記排出口から排出された前記漏出ダストを支承して側方へ移送するコンベヤと、前記コンベヤによる移送中の前記漏出ダスト上に散水する散水装置と、前記コンベヤのダスト排出口の直下部に配置され回収袋の開口部周縁部を着脱自在に保持する袋保持具と、前記袋保持具に保持された前記回収袋内に前記ダスト排出口から排出された漏出ダストを収容した袋詰品を、前記ロータリーキルンの処理対象である大型廃棄物揚重用のリフトへの積込位置まで搬送する搬送装置とを、備えてなり、前記リフトにより上昇搬送された前記袋詰品を前記大型廃棄物の装入部を介して前記シュート内へ投入し、前記ロータリーキルンによる焼却・溶融処理に供するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、フロントウォール部からの漏出ダストは、コンベヤによる移送中に散水装置によって散水され、漏出ダスト中の着火物は消火されるので安全であり、この湿潤状態の漏出ダストはコンベヤ上から袋保持具により保持された回収袋内に落下して回収袋内に収容され、回収袋入りの袋詰品として搬送装置によりリフトの積込位置まで搬送されるので、作業員の手間は少なくて済み、上記袋詰品は大型廃棄物揚重用のリフトを利用してシュート内へ投入できるので、設備費もかからず、低コストで漏出ダストの処理をおこなうことができる。
【0009】
この発明において、散水装置としては種々の構成のものを用いることができるが、請求項2記載の発明のように、前記散水装置が、前記コンベヤの上方に配置されたスプレーノズルと、前記コンベヤから排出された前記散水後の水を、固形物分離処理後に前記スプレーノズルに前記散水用の水として供給する循環給水装置とからなる構成とすれば、散水装置においてスプレーノズルから散水した水を循環使用して散水に用いることができるので、外部から供給され消費・廃棄される新たな水の使用量が少なくて済む。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したようにこの発明によれば、ロータリーキルンのフロントウォール部から漏出する漏出ダストの処理を、多くの人手をかけることなく低コストでおこなうことができる。
【0011】
上記の効果に加えて、請求項2記載の発明によれば、散水装置で消費・廃棄される新たな水の使用量が少なくて済み、処理費用を一層低減化できるとともに省資源上も好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図1〜図4に示す一例により、この発明の実施の形態を説明する。図1は、産業廃棄物(以下、単に廃棄物という)の焼却・溶融処理をおこなう廃棄物処理設備1の全体の構成を示し、ごみ収集車Vにより受入ピット2に投入された汚泥や図示しない破砕機により投入後破砕された紙・木・廃プラスチックなどの小型廃棄物Wと、このピットへの投入や破砕機による破砕に適しない大型廃棄物Wを処理対象とする。小型廃棄物Wは、クレーン3により受入ホッパ4内へ投入され、コンベヤ5により搬送されて縦ダクト6内およびシュート7を経てロータリーキルン10内に投入され、大型廃棄物Wは仮置場80から揚重用のリフト8により上方へ搬送され、横向きダクト状の装入部9およびシュート7を経てロータリーキルン10内に投入され、それぞれバーナ11の燃焼等により焼却・溶融処理される。6aは縦ダクト6に設けたダブルゲート、9aは装入部9に設けたダブルゲートでありいずれも直動式のものである。また上昇状態のリフト8上の大型廃棄物Wを装入部9を経てシュート7内へ送入するためには、図示しないプッシャーが用いられる。
【0013】
ロータリーキルン10の図示しない回転支持・駆動機構により回転するキルン本体12の下流側端部から流出した溶融物は、二次燃焼塔20の下部の排出ダクト21からスラグ冷却水槽22へ投入され、水砕スラグとして排出口23から排出される。またロータリーキルン10の燃焼排ガスは、二次燃焼塔20の二次燃焼室24内で二次燃焼後、排気口25に接続された図示しない排ガス処理設備へと流れ、排ガスの無害化および集塵などがおこなわれたのち、大気中へ排出される。
【0014】
また図1〜図3において13は、ロータリーキルン10のキルン本体12の上流側開口部を塞ぐフロントウォールで、図示しない支持フレームにより基礎上に固設され、ケーシング部13aの内側面に短円柱状の耐火材13bを取付けてなり、この耐火材13bの外周面とキルン本体12の上流側端部内周面との間には、隙間14が形成されている。前述のシュート7およびバーナ11は、このフロントウォール13を貫通しており、また15は同じくフロントウォール13を貫通する空気吹込口で、図示しない燃焼用空気供給源に接続されている。16はフロントウォール13(のケーシング部13a)の下部に設けた下向きに開口する排出口で、上記隙間14から漏出する漏出ダストを下方へ排出するためのものであり、17はこの排出制御用のバタフライバルブ形式のダブルダンパーである。
【0015】
一方30は、基端側の搬送面(ベルト上面)が上記フロントウォール13の排出口16の下方に位置するベルトコンベヤからなるコンベヤで、この例では搬送方向が斜め上向きとなるように傾斜配置され、上向きに開口するケーシング31内に収容されている。コンベヤ30のコンベヤベルトとしては、着火状態の漏出ダストにも耐えられるように、たとえば金属製の小ピッチのメッシュベルトが好適に用いられる。32はこのコンベヤ30の先端部下方のケーシング31に設けたダスト排出口、33はケーシング31の下端部底面に設けた排水口である。
【0016】
40はコンベヤ30の搬送面上に散水する散水装置で、噴出口をコンベヤ30の搬送面上に向けて配置されケーシング31に取付けられたスプレーノズル41,42と、これらのスプレーノズルに給水する給水装置50とからなる。このスプレーノズル41,42としては、コンベヤベルト上の漏出ダストに広範囲にわたって噴出水が吹付けられるように、充円錐状の噴射パターンを有する充円錐型スプレーノズルを用いるのが特に好ましい。なおこの例では、ケーシング底面清掃用として、噴出口をケーシング31の底面に沿うように斜め下方向に向けて配設したスプレーノズル43を、付加的に用いており、このスプレーノズル43も給水装置50に接続されている。
【0017】
この給水装置50としてこの例では、上記スプレーノズル41,42(およびこの例ではスプレーノズル43)からの散水後の水を、固形物分離処理後に上記スプレーノズル散水用の水として供給する循環給水装置を用いており、その構成は図2に示す通りである。すなわち、51はコンベヤ30の排水口33の下方に配設した回収タンク、52は回収ポンプ、53は中間部に溢流壁をそなえた中継タンク、54は回収ポンプ52からの回収液中のごみを濾過する金網製のフィルタ、55は移送ポンプ、56は中間部に隔壁をそなえた散水タンク、57は水補給用の水位自動調整式の開閉弁(フロート弁)で、図示しない給水源に接続されている。58は散水タンク56の端壁下部に接続された散水ポンプで、その吐出側は配管59を介して前記スプレーノズル41,42,43に接続されている。
【0018】
次に60は、図2に示すようにコンベヤ30によって移送された漏出ダストが排出されるダスト排出口32の直下部において、上記漏出ダスト回収用の回収袋65の開口部周縁部65aを着脱自在に保持する袋保持具で、この例では図4に示すように、後述する搬送装置70を構成するパレット71上に固設されている。図4において60aは、袋保持具60の保持環部で、この保持環部60a内側を通して挿入し底部をパレット71上に載せた回収袋65の開口部周縁部65aを、矢印Rで示すように手で外側へ折返すことにより、回収袋65を上向きに開口した保持状態とすることができ、また漏出ダスト収容後は上記と逆の手順で上記折返し状態からもとの直立状態乃至開口部引絞り状態とすることにより、回収袋65は袋保持具60による保持を解除され、後述するように側方へ取出自在となるのである。また上記回収袋65としては、ビニル袋などの樹脂製の袋が好適に用いられるが、布製など他材質の袋を用いることもできる。
【0019】
また図2および図4に示すように、70は、上記回収袋65内に漏出ダストDを収容した袋詰品66を、前記大型廃棄物W揚重用のリフト8への積込位置まで搬送する搬送装置で、フリーローラ付きのパレット71と、このパレット71を横方向へ移送するチェーンコンベヤ72と、この移送されたパレット71の上面が、下降端位置にあるリフト8の昇降台8aの上面と同レベル位置まで上昇駆動する電動式のパレットリフタ73とからなる。81は、上記上昇状態のパレット71とリフト8との間に介在して袋詰品66を仮置きするための電動ローラーコンベヤ付きの仮置台である。なおパレット71上の袋詰品66の仮置台81上への移送は、手作業でおこなってもよいが、この例では図示しない電動式のプッシャーによりおこなうようになっている。
【0020】
次に上記構成の装置による漏出ダストの処理方法について説明する。先ず漏出ダストの処理にあたっては、コンベヤ30および散水装置40を起動し運転状態とするとともに、チェーンコンベヤ72によりパレット71及び袋保持具60をダスト排出口32の直下位置に停止保持させ、この袋保持具60に対して回収袋65の開口部周縁部65aの前述の折返し作業をおこなって、回収袋65を上向きに開口する保持状態としておく。
【0021】
ロータリーキルン10においては、前述の小型廃棄物Wおよび大型廃棄物Wの焼却・溶融処理がおこなわれるが、これに伴ってキルン本体12とフロントウォール13との隙間14から漏出した漏出ダストは、ダブルダンパー17開放状態の排出口16から落下し、コンベヤ30により側方へ移送され、この移送中にスプレーノズル41,42からの散水により漏出ダスト中の着火物が消火され、安全な湿潤状態となってダスト排出口32から回収袋65内に落下し蓄積される。
【0022】
この回収袋65内の漏出ダスト量が適量となった時点で、コンベヤ30および散水装置40の運転を一時停止させ、ダブルダンパー17も一時閉鎖の状態とするとともに、搬送装置70の起動スイッチ操作によりチェーンコンベヤ72によるパレット71のパレットリフタ73上方位置への移動と、これに続くパレットリフタ73によるパレット71の仮置台81と同レベル迄の上昇駆動とを自動的におこなわせ、この上昇位置において袋保持具60からの回収袋65の開口部周縁部65aの折返し解除を手作業でおこなって、袋保持具60による保持を解除された漏出ダスト入りの回収袋65、すなわち漏出ダストDを収容した袋詰品66とする。そしてこの袋詰品66を図示しないプッシャーにより矢印X(図2参照)で示すように側方へ押圧して、パレット71上から仮置台81上へ移送すれば、回収袋1個分の漏出ダストの搬送処理が終わる。なお上記の袋保持具60による保持を解除した漏出ダスト入りの回収袋65の上向きの開口部は、そのままあるいは手で少し絞る形とした状態でも自立した袋詰品66が得られるが、手で絞った開口部を粘着テープで止めて絞り形状を保持させるようにしてもよい。
【0023】
そこで搬送装置70により上記と逆の経路でパレット71をダスト排出口32の直下位置に戻し、新しい回収袋65の袋保持具60への取付作業と、コンベヤ30および散水装置40の運転の再開操作およびダブルダンパー17の開放操作をおこなって、上記と同じ漏出ダストの処理を繰返せばよい。
【0024】
仮置台81上の袋詰品66は適時リフト8の昇降台8a上へ移送し、大型廃棄物Wと混載するなどして上昇搬送し、装入部9を介してシュート7内へ投入し、ロータリーキルン10による焼却・溶融処理に供する。
【0025】
以上のように漏出ダストの処理に必要な作業は、回収袋65の袋保持具60への着脱と、搬送装置70やコンベヤ30等の装置の起動・停止操作やダブルダンパー17の開閉操作などの、短時間で済む軽作業であるので、作業員の手間は少なくて済み、また袋詰品66は大型廃棄物W用のリフト8を利用してシュート7へ投入できるので、設備費もかからず、低コストで漏出ダストの処理をおこなうことができるのである。
【0026】
一方、散水装置40部および給水装置50部における各部の動作について説明すると、スプレーノズル41,42からコンベヤ30による移送中の漏出ダスト上に散水された水は、前記のように漏出ダストを消火して下方へ滴下して、漏出ダストを少量含む状態でケーシング31内を排水口33へと流れ、また下部のスプレーノズル43から噴射された水は、ケーシング31の底部に堆積しようとする漏出ダストを押流す形で排水口33へと流れ、共に回収タンク51に流入する。
【0027】
そしてこの回収タンク51内の回収液は回収ポンプ52により汲上げられて、フィルタ54によるろ過作用を受けたのち中継タンク53へ流入し、沈澱により含有ダスト分が減少し溢流壁部を溢流した回収液は、移送ポンプ55により散水タンク56へ流入し、隔壁によりダスト沈澱がさらに促進されて、スプレーノズルによる噴射に支障のない程度迄含有ダスト分が低減化された状態で散水ポンプ58により配管59を経てスプレーノズル41,42、および43に供給され再使用される。
【0028】
長時間の使用により各タンクの底部に溜ったダスト分は、槽底部から適時排出して、要すればさらに沈澱池などでの沈澱分離工程後、他の汚泥などの処理対象物と共にロータリーキルン10による焼却・溶融処理に供すればよい。
【0029】
上記の各タンク等により構成される循環給水装置形式の給水装置50を用いれば、スプレーノズルにより散水した水を循環使用して散水に用いることができ、開閉弁57による新規な水の補充量も少なくて済むので、処理費用は低コストで済むのである。
【0030】
この発明は上記の例に限定されるものではなく、たとえばコンベヤ30のケーシング31の底部の形状を変えたり底部清掃用のスクレーパなどを付設して、上記底部のスプレーノズル43は省略してもよい。また上記の例ではコンベヤ30と搬送装置70とを平面視で一直線上に配列させたが、屈曲線上に配列してもよく、また搬送装置70自体を、平面視で屈曲経路に沿って搬送路を形成するものとしてもよい。さらに搬送装置70は、パレット71をプッシャー付きあるいは電動ローラーコンベヤ付きのものとしたり、リフト8の最下端停止位置のレベルによってはパレットリフタ73などの昇降搬送手段を省略したり、あるいはパレットを用いずコンベヤにより直接漏出ダスト入りの回収袋65あるいは袋詰品66を搬送する形式のものなど、その具体的構成は上記以外のものとしてもよい。
【0031】
また袋保持具60は、上記以外の形状のものとしてもよく、また上記のようにパレット71に取付ける他、ダスト排出口32の直下部においてチェーンコンベヤ72の基枠や地上などに固定配置してもよく、この場合は漏出ダストを収容した回収袋65は先ず袋保持具60による保持を解除し、袋詰品66の形で搬送装置70によりリフトへの積込位置(上記の例では仮置台81上)まで搬送すればよい。また上記の例における仮置台81を省略して、搬送装置70による搬送端部(上記の例では上昇状態のパレット71上)から直接リフト8上に袋詰品66を積込むようにしたり、あるいは袋詰品66を大型廃棄物Wの仮置場80(図1参照)へ搬送して大型廃棄物Wと共にリフト8上に積込むようにしてもよい。
【0032】
また循環給水装置を構成する給水装置50は、上記以外の槽構成としてもよく、また外部からの新規な水のみを散水用に使う場合は、上記の中継タンク53や散水タンク56(および排水を一時貯留しない場合はさらに回収タンク51に相当するタンク)は使用しなくてよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態の一例を示す廃棄物処理設備の略示縦断面図である。
【図2】図1におけるロータリーキルンの下側部の各装置を示す詳細縦断面図である。
【図3】図1におけるフロントウォール部のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2における搬送装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
8…リフト、10…ロータリーキルン、12…キルン本体、13…フロントウォール、16…排出口、30…コンベヤ、32…ダスト排出口、40…散水装置、41…スプレーノズル、42…スプレーノズル、50…給水装置、51…回収タンク、53…中継タンク、55…移送ポンプ、56…散水タンク、58…散水ポンプ、59…配管、60…袋保持具、65…回収袋、65a…開口部周縁部、66…袋詰品、70…搬送装置、71…パレット、72…チェーンコンベヤ、73…パレットリフタ、81…仮置台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュートを経て炉内に投入された廃棄物を焼却・溶融処理するロータリーキルンにおいて、
キルン本体の上流側開口部を塞ぐフロントウォールに、前記キルン本体と前記フロントウォールとの隙間から漏出する漏出ダストを下方へ排出する排出口を設けるとともに、
前記排出口から排出された前記漏出ダストを支承して側方へ移送するコンベヤと、
前記コンベヤによる移送中の前記漏出ダスト上に散水する散水装置と、
前記コンベヤのダスト排出口の直下部に配置され回収袋の開口部周縁部を着脱自在に保持する袋保持具と、
前記袋保持具に保持された前記回収袋内に前記ダスト排出口から排出された漏出ダストを収容した袋詰品を、前記ロータリーキルンの処理対象である大型廃棄物揚重用のリフトへの積込位置まで搬送する搬送装置とを、
備えてなり、前記リフトにより上昇搬送された前記袋詰品を前記大型廃棄物の装入部を介して前記シュート内へ投入し、前記ロータリーキルンによる焼却・溶融処理に供するようにしたことを特徴とする、ロータリーキルンにおける漏出ダストの処理装置。
【請求項2】
前記散水装置が、前記コンベヤの上方に配置されたスプレーノズルと、前記コンベヤから排出された前記散水後の水を、固形物分離処理後に前記スプレーノズルに前記散水用の水として供給する循環給水装置とからなる、請求項1記載の漏出ダストの処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−202862(P2008−202862A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39721(P2007−39721)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(591231524)サンエイ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】