説明

ワーク搬送装置及び方法

【課題】 把持ハンドの交換が容易に行われるワーク搬送装置及び方法を提供する。
【解決手段】 コクピットモジュール(ワーク)2を把持する把持ハンドと、この把持ハンドを作業者によって搬送できるように支持する助力装置50とを備え、把持ハンドを介してコクピットモジュール2を搬送するワーク搬送装置において、異なるコクピットモジュール2を把持する第一、第二把持ハンド4,5と、この第一、第二把持ハンド4,5にそれぞれ予め接続される第一、第二配線・配管71,72と、助力装置50に対して第一、第二把持ハンド4,5を着脱可能に連結するハンド切り替え装置60とを備え、作業者が第一、第二把持ハンド4,5からコクピットモジュール2にいずれかを選択して搭載助力装置50にハンド切り替え装置60を介して連結し、第一、第二把持ハンド4,5の一方を介してコクピットモジュール2を搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の製造ライン等においてワークを搬送するワーク搬送装置及び方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として特許文献1に開示されたものは、荷役物を搬送するアタッチメントを手動で交換するようになっている。
【0003】
このアタッチメントを交換する装置は、アタッチメントと駆動エアを導く配管を同時に着脱する機能を有し、交換作業時間を短縮できる。
【特許文献1】実用新案登録3106471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来装置あっては、アタッチメントを交換するときに配管の着脱が同時に行われるため、作業者の操作力が大きくなる。このため、自動車の製造ライン等において、アタッチメントの交換作業が頻繁に行われる場合、生産性の悪化を招くという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、把持ハンドの交換が容易に行われるワーク搬送装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ワークを把持する把持ハンドと、この把持ハンドを作業者によって搬送できるように支持する助力装置とを備え、把持ハンドを介してワークを搬送するワーク搬送装置において、異なるワークを把持する複数の把持ハンドと、この各把持ハンドにそれぞれ予め接続される各配線・配管と、助力装置に対して把持ハンドを着脱可能に連結するハンド切り替え装置とを備え、ハンド切り替え装置は複数の把持ハンドからいずれかを選択して助力装置に連結され、この把持ハンドを介してワークを搬送することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ワークを把持する把持ハンドと、この把持ハンドを作業者によって搬送できるように支持する助力装置とを用い、把持ハンドを介してワークを搬送するワーク搬送方法において、異なるワークを把持する複数の把持ハンドと、この各把持ハンドにそれぞれ予め接続される各配線・配管と、助力装置に対して把持ハンドを着脱可能に連結するハンド切り替え装置とを用い、ハンド切り替え装置は複数の把持ハンドからいずれかを選択して助力装置に連結され、この把持ハンドを介してワークを搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、作業者が助力装置に対して把持ハンドを付け替える交換作業時、配線・配管の繋ぎ込み作業を行う必要が無く、作業者が把持ハンドをハンド切り替え装置を介して助力装置に連結する作業の省力化がはかれる。これにより、例えば自動車の製造ライン等において、把持ハンドの交換作業が頻繁に行われる場合、生産性の向上がはかられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施形態を説明する。
【0010】
図1〜3は自動車の製造ラインにおいて車両1にコクピットモジュール(ワーク)2を組み付けるワーク搬送装置の全体構成を示す。図1〜3において、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略略水平横方向に延び、Y軸が水平前後方向に延び、Z軸が略垂直方向に延びるものとし、ワーク搬送装置の構成について説明する。
【0011】
ワーク搬送装置は、車両1をY軸方に搬送する車両搬送ライン10と、作業台車21を車両1と並んでY軸方向に移動する作業台車移動ライン22と、コクピットモジュール2を載せて移動するワーク搬送台車31と、コクピットモジュール2を把持する第一、第二把持ハンド4,5と、この第一、第二把持ハンド4,5を載せてY軸方向に移動する第一、第二ハンド置き台41,42と、第一、第二把持ハンド4,5を作業者Wが搬送可能に支持する助力装置50と、この助力装置50に第一、第二把持ハンド4,5を着脱可能に連結するハンド切り替え装置60とを備える。
【0012】
コクピットモジュール2はインパネと各種電装品や各種設備がユニット化されたものであり、作業者Wが人力のみで運搬できないほどの重量がある。
【0013】
ワーク搬送装置は、助力装置50が第一、第二把持ハンド4,5を支持することにより、作業者Wは第一、第二把持ハンド4,5を操作して重いコクピットモジュール2をワーク搬送台車31から車両1の内部へと搬送することができる。
【0014】
助力装置50は、作業台車移動ライン22の上方に設けられるレール(図示せず)に沿ってY軸方向に移動する架台51と、この架台51に対して三次元方向に移動するブーム52と、このブーム52の先端部にハンド切り替え装置60をZ軸まわりに旋回可能に支持する旋回軸53とを備える。
【0015】
これにより、助力装置50は第一、第二把持ハンド4,5が把持したコクピットモジュール2をその姿勢を維持しながら三次元方向に移動する。
【0016】
図4に示すように、第一把持ハンド4は、本体フレーム9に固定される複数の固定側把持ピン6と、この固定側把持ピン6に対向してスライドする複数の作動側把持ピン7と、この作動側把持ピン7を駆動する把持スライドシリンダー8とを備える。この把持スライドシリンダー8がエア圧によって伸縮作動して作動側把持ピン7を駆動することにより、作動側把持ピン7と固定側把持ピン6との間でコクピットモジュール2を把持したり、コクピットモジュール2を離す作動が行われる。
【0017】
第一把持ハンド4は、本体フレーム9から上方に突出する2本の操作ハンドル12と、この各操作ハンドル12の上端部に設けられる操作ボックス13とを備える。作業者Wは各操作ハンドル12を持って第一把持ハンド4を移動し、操作ボックス13に設けられる操作ボタンを操作して把持スライドシリンダー8とハンド切り替え装置60を作動させる。
【0018】
第一把持ハンド4は、本体フレーム9の両端部に取り出しハンドル15と引き込みハンドル16がそれぞれ突出して設けられる。作業者Wは引き込みハンドル16を介して第一把持ハンド4を車両1内に引き込み、取り出しハンドル15を介して第一把持ハンド4を車両1内から引き出す。
【0019】
ハンド切り替え装置60は2本のガイドピン61が水平方向に突出して設けられる一方、第一把持ハンド4にはこの各ガイドピン61が挿入される2つのガイド穴17が設けられる。作業者Wが取っ手18を持って各ガイドピン61を第一把持ハンド4の長手方向から各ガイド穴17に押し込むようになっている。各ガイド穴17にはリニアブッシュが介装され、各ガイドピン61の摩耗が抑えられる。
【0020】
ハンド切り替え装置60は各ガイド穴17に対する各ガイドピン61の抜け止めをするハンド切り替えロック機構65を備える。このハンド切り替えロック機構65はZ軸方向にスライド可能に支持されたストッパーピン(図示せず)と、このストッパーピンを駆動する落下防止ストッパーシリンダー62とを備える。第一把持ハンド4にはこのストッパーピンが挿入されるガイド穴19が設けられる。
【0021】
各ガイド穴17は把持ハンド4(本体フレーム9)の長手方向に沿って形成される。各ガイドピン61は把持ハンド4の長手方向から各ガイド穴17に挿入されるようになっている。
【0022】
落下防止ストッパーシリンダー62は駆動エアが給排されることによって伸縮作動する。落下防止ストッパーシリンダー62に駆動エアを導く配管(図示せず)と、落下防止ストッパーシリンダー62の作動を制御する駆動電流、制御信号を導く配線(図示せず)は、助力装置50のブーム52等に沿って配設されている。
【0023】
すなわち、ハンド切り替えロック機構65から延びる配線・配管(図示せず)は助力装置50に配設される。
【0024】
第一把持ハンド4がコクピットモジュール2を把持したり離す作動を駆動する把持スライドシリンダー8は、駆動エアが給排されることによって伸縮作動する。把持スライドシリンダー8に駆動エアを導く配管(71)と、把持スライドシリンダー8の作動を制御する駆動電流、制御信号を導く配線(71)が配設されている。
【0025】
第二把持ハンド5も第一把持ハンド4と同様の構成をしている。第一、第二把持ハンド4,5は異なるコクピットモジュール2に対応して大きさ、形状等が異なるが、両者は同様の構成をしている。
【0026】
第二把持ハンド5がコクピットモジュール2を把持したり離す作動を駆動する把持スライドシリンダー8は駆動エアが給排されることによって伸縮作動する。把持スライドシリンダー8に駆動エアを導く配管(72)と、把持スライドシリンダー8の作動を制御するための配線(72)が配設されている。
【0027】
そして本発明の要旨とするところであるが、第一、第二把持ハンド4,5に第一、第二配線・配管71,72をそれぞれ予め接続し、作業者が搭載助力装置50に対して第一、第二把持ハンド4,5を着脱可能に連結するハンド切り替え装置60を備え、作業者が第一、第二把持ハンド4,5からコクピットモジュール2にいずれかを選択して搭載助力装置50にハンド切り替え装置60を介して連結し、第一、第二把持ハンド4,5の一方を介してコクピットモジュール2を搬送する構成とする。すなわち、第一把持ハンド4から延びる第一配線・配管71と第二把持ハンド5から延びる第二配線・配管72は互いに独立して助力装置50を介さずに配設される。
【0028】
図4に示すように、第一把持ハンド4は、本体フレーム9の端部にL字形に延びるブラケット11を取り付け、第一配線・配管71はこのブラケット11に沿って配設され、ブラケット11の上端部から上方へと延びる。これにより、第一配線・配管71の自由長部分71aが本体フレーム9及びコクピットモジュール2から離れ、作業の邪魔になることを防止できる。
【0029】
第一、第二ハンド置き台41,42の上方にはY軸方向に延びる第一、第二ガイドレール81,82が設けられる。この第一、第二ガイドレール81,82に沿って第一、第二配線・配管71,72がY軸方向にスライドするようになっている。
【0030】
第一、第二配線・配管71,72の第一、第二ガイドレール81,82に沿ってスライドする部位は、ブラケット75を介して互いに連結される。第一、第二配線・配管71,72の自由長部71a,72aはその間隔がこのブラケット75を介して一定に保たれ、両者が絡み合わないようにしている。
【0031】
作業台車移動ライン22に沿ってハンド切替え装置本体40が設けられる。このハンド切替え装置本体40上にY軸方向に延びるレール43が設けられる。このレール43上を走行するハンド置き台44が設けられる。このハンド置き台44に第一、第二ハンド置き台41,42が固定される。これにより、第一、第二ハンド置き台41,42は互いに一定の間隔を持って図2に矢印で示すようにY軸方向に移動する。ハンド置き台44は作動シリンダー(図示せず)によって駆動される。
【0032】
図2に矢印で示すように、ワーク搬送台車31はコクピットモジュール2を載せてX軸方向(図2にて右方向)に移動して所定のモジュール取り位置に停止する。このワーク搬送台車31上から第一、第二把持ハンド4,5等を介してコクピットモジュール2が運ばれた後、ワーク搬送台車31はY軸方向に移動した後、X軸方向(図2にて左方向)に移動する。
【0033】
図5に示すように、操作ボックス13から信号に応じて第一把持ハンド4、助力装置50等の作動を制御する制御盤25が設けられる。
【0034】
制御盤25は、ホストコントローラ26から送られる部品指示信号に応じて、ハンド置き台44を駆動する作動シリンダー45の作動を制御し、第一、第二ハンド置き台41,42のうち組み付けられるコクピットモジュール2に対応するものをその上方位置へと自動的に配置する。
【0035】
制御盤25は、助力装置50の作動をこれが受ける荷重によって自動的に切り替える制御を行う。このため、制御盤25は、ハンド切り替え装置60に対する第一、第二把持ハンド4,5の着脱状態を知らせる信号、第一、第二把持ハンド4,5を介してコクピットモジュール2が把持されているかどうかを知らせる信号、ホストコントローラ26から送られる部品指示信号とを入力し、これらの信号に応じて助力装置50の作動を自動的に切り替える。
【0036】
制御盤25は、操作ボックス13からの指令信号に応じてハンド切り替え装置60の落下防止ストッパーシリンダー62のロック・アンロック作動を制御するとともに、第一、第二把持ハンド4,5の把持スライドシリンダー8の作動を制御し、コクピットモジュール2を把持したり、コクピットモジュール2を離す作動が行われる。
【0037】
作業者Wがワーク搬送装置を介してコクピットモジュール2を車両1に組み付ける作業は以下の手順で行われる。
【0038】
・ホストコントローラ26から送られる部品指示信号に応じて第一ハンド置き台41に載せられた第一把持ハンド4をモジュール取り位置の上方へと自動的に配置する。
【0039】
・コクピットモジュール2を載せたワーク搬送台車31を図1に示す矢印B方向から所定のモジュール取り位置へと移動し停止する。
【0040】
・作業者Wが助力装置50の取っ手18を持ってモジュール取り位置へと移動する。
【0041】
・作業者Wが助力装置50の取っ手18を持ってハンド切り替え装置60のガイドピン61を第一把持ハンド4のガイド穴17に差し込み、ハンド切り替え装置60に第一把持ハンド4を連結する。
【0042】
・作業者Wが操作ボックス13の操作ボタンを操作することにより、ロックの信号を制御盤25に出力する。制御盤25はこの信号を受けてハンド切り替え装置60の落下防止ストッパーシリンダー62をロック作動させて、ストッパーピンをガイド穴19に挿入し、第一把持ハンド4が作業中に落下することを防ぐ。
【0043】
このとき、制御盤25は把持ハンド有りの信号を受けて助力装置50の支持荷重を切り替える。
【0044】
・作業者Wが操作ハンドル12を持ち、第一把持ハンド4を一旦上昇させてから手前に引き、その後下降させてコクピットモジュール2に対応する位置に移動する。
【0045】
・作業者Wが操作ボックス13の操作ボタンを操作することにより、モジュール把持の信号を制御盤25に出力する。制御盤25はこの信号を受けて第一把持ハンド4の把持スライドシリンダー8を作動させ、作動側把持ピン7と固定側把持ピン6との間でコクピットモジュール2を把持する。
【0046】
このとき、制御盤25はモジュール把持の信号を受けて助力装置50の支持荷重を切り替える。
【0047】
・作業者Wが操作ハンドル12,16等を持ち、助力装置50と第一把持ハンド4等を介してコクピットモジュール2を車両1内へと移動し、コクピットモジュール2を車両1に搭載する。
【0048】
・作業者Wが操作ボックス13の操作ボタンを操作することにより、モジュール無しの信号を制御盤25に出力する。制御盤25はこの信号を受けて第一把持ハンド4の把持スライドシリンダー8を作動させ、作動側把持ピン7と固定側把持ピン6との間からコクピットモジュール2を放す。
【0049】
このとき、制御盤25はモジュール無しの信号を受けて助力装置50の支持荷重を切り替える。
【0050】
・作業者Wが操作ハンドル15,12等を持ち、助力装置50を介して第一把持ハンド4を車両1内から引き出し、元の第一ハンド置き台41に載せる。
【0051】
・作業者Wが操作ボックス13の操作ボタンを操作することにより、アンロックの信号を制御盤25に出力する。制御盤25はこの信号を受けてハンド切り替え装置60の落下防止ストッパーシリンダー62をアンロック作動させて、ストッパーピンをガイド穴19から抜く。
【0052】
このとき、制御盤25は把持ハンド無しの信号を受けて助力装置50の支持荷重を切り替える。
【0053】
・作業者Wが助力装置50の取っ手18を持ってハンド切り替え装置60のガイドピン61を第一把持ハンド4のガイド穴17に抜き、ハンド切り替え装置60から第一把持ハンド4を放す。
【0054】
こうしてワーク搬送装置を介して一つのコクピットモジュール2を車両1に組み付ける作業を終了し、次のコクピットモジュール2を車両1に組み付ける作業を開始する。
【0055】
以上のように構成されて、次に作用及び効果について説明する。
【0056】
作業者が把持ハンドを介してコクピットモジュール2を搬送するワーク搬送装置において、異なるコクピットモジュール2を把持する第一、第二把持ハンド4,5と、この第一、第二把持ハンド4,5にそれぞれ予め接続される第一、第二配線・配管71,72と、助力装置50に対して第一、第二把持ハンド4,5を着脱可能に連結するハンド切り替え装置60とを備えたため、助力装置50に対して第一、第二把持ハンド4,5を付け替える交換作業時、配線・配管の繋ぎ込み作業を行う必要が無く、作業者Wが第一、第二把持ハンド4,5がハンド切り替え装置60を介して助力装置50に連結する作業の省力化がはかれる。すなわち、ハンド切り替え装置60のガイドピン61を第一、第二把持ハンド4,5のガイド穴17に挿入するとき、配線・配管の各プラグ等を接続する必要がないため、この動作を小さな押し込み力で行え、作業者Wの労力を削減できる。また、ハンド切り替え装置60のガイドピン61を第一、第二把持ハンド4,5のガイド穴17から抜くとき、配線・配管の各プラグ等を接続を解除する必要がないため、この動作を小さな押し込み力で行え、作業者Wの労力を削減できる。
【0057】
ハンド切り替え装置60は第一、第二把持ハンド4,5のガイド穴17に挿入されるガイドピン61と、ガイド穴17に対するガイドピン61の抜け止めをするハンド切り替えロック機構65を備え、ハンド切り替えロック機構65から延びる配線・配管を助力装置50に配設したため、助力装置50に対して第一、第二把持ハンド4,5を付け替える交換作業時、配線・配管の繋ぎ込み作業を行う必要が無く、作業者Wが第一、第二把持ハンド4,5がハンド切り替え装置60を介して助力装置50に連結する作業の省力化がはかれる。
【0058】
ハンド切り替え装置60は突出するガイドピン61を備える一方、第一、第二把持ハンド4,5にこのガイドピン61が挿入されるガイド穴17を備え、各ガイド穴17を把持ハンド4の長手方向に沿って形成したため、把持ハンド4の長手方向に対する直交方向にハンド切り替え装置60が突出する寸法を抑えられ、把持ハンド4に把持したコクピットモジュール2を車両1内に搬送する際、ハンド切り替え装置60と車両1の間隙を十分に確保することができる。
【0059】
ワーク搬送装置はこの第一、第二把持ハンド4,5を載せてY軸方向に移動する第一、第二ハンド置き台41,42を備え、第一、第二ハンド置き台41,42のうち組み付けられるコクピットモジュール2に対応するものをこのコクピットモジュール2の上方位置へと自動的に配置するため、作業者Wがハンド切り替え装置60を介して助力装置50に連結される第一、第二把持ハンド4,5を交換する際の動きを少なくし、作業の省力化がはかれる。
【0060】
本実施の形態では、ワーク搬送装置に第一、第二把持ハンド4,5を備えるが、これに限らず3つ以上の把持ハンドを助力装置50にハンド切り替え装置60を介して連結する構成としても良い。
【0061】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のワーク搬送装置及び方法はコクピットモジュールを車両に組み付けるものに限らず、他の物を搬送するものに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態を示すワーク搬送装置の斜視図。
【図2】同じくワーク搬送装置の平面図。
【図3】同じくワーク搬送装置の正面図。
【図4】同じく第一把持ハンド等の斜視図。
【図5】同じく制御系の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0064】
1 車両
2 コクピットモジュール(ワーク)
4 第一把持ハンド
5 第二把持ハンド
17 ガイド穴
41 第一ハンド置き台
42 第二ハンド置き台
50 助力装置
60 ハンド切り替え装置
61 ガイドピン
65 ハンド切り替えロック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを把持する把持ハンドと、この把持ハンドを作業者によって搬送できるように支持する助力装置とを備え、前記把持ハンドを介してワークを搬送するワーク搬送装置において、
異なるワークを把持する複数の把持ハンドと、この各把持ハンドにそれぞれ予め接続される各配線・配管と、前記助力装置に対して前記把持ハンドを着脱可能に連結するハンド切り替え装置とを備え、前記ハンド切り替え装置は前記複数の把持ハンドからいずれかを選択して前記助力装置に連結され、この把持ハンドを介してワークを搬送することを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項2】
前記把持ハンドに開口するガイド穴と、前記ハンド切り替え装置から突出しこのガイド穴に挿入されるガイドピンと、前記ガイド穴に対するこのガイドピンの抜け止めをするハンド切り替えロック機構とを備え、このハンド切り替えロック機構から延びる配線・配管を助力装置に配設したことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記把持ハンドに開口するガイド穴と、前記ハンド切り替え装置から突出しこのガイド穴に挿入されるガイドピンとを備え、前記ガイド穴を前記把持ハンドの長手方向に沿って形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
ワークを把持する把持ハンドと、この把持ハンドを作業者によって搬送できるように支持する助力装置とを用い、前記把持ハンドを介してワークを搬送するワーク搬送方法において、
異なるワークを把持する複数の把持ハンドと、この各把持ハンドにそれぞれ予め接続される各配線・配管と、前記助力装置に対して前記把持ハンドを着脱可能に連結するハンド切り替え装置とを用い、前記ハンド切り替え装置は前記複数の把持ハンドからいずれかを選択して前記助力装置に連結され、この把持ハンドを介してワークを搬送することを特徴とするワーク搬送方法。
【請求項5】
前記各把持ハンドを載せて移動するハンド置き台を備え、このハンド置き台のうち搬送するワークに対応するものをこのワークの上方位置へと自動的に配置することを特徴とする請求項4に記載のワーク搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−321009(P2006−321009A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146543(P2005−146543)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】