説明

一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物

【課題】貯蔵安定性及び速硬化性に優れると共に、高い耐熱性を有する、一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)シアネートエステル樹脂、(B)エポキシ樹脂及び(C)潜在性硬化剤を含有してなる、一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。前記潜在性硬化剤が、1個以上の3級アミノ基並びに1個以上の1級及び/又は2級アミノ基を有するアミン化合物から選ばれる少なくとも1種(a−1)と、エポキシ化合物(a−2)とを反応させてなる変性アミン化合物(a)、及びフェノール樹脂(b)を含有してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物に関し、更に詳しくは、シアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂及び特定の潜在性硬化剤を含有してなり、貯蔵安定性に優れると共に速硬化性にも優れた、一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ複合樹脂組成物は優れた電気的性能と接着力を有するので、従来、電気・電子分野の種々の用途に使用されている。
【0003】
さらに、既存のエポキシ樹脂を単独あるいは混合して用いても十分な耐熱性を得ることができない場合には、エポキシ樹脂とシアネートエステル樹脂を混合してなる高耐熱性のシアネート−エポキシ複合樹脂組成物が、半導体の封止材料として、あるいは電子回路基板等の成形用途に多用されている。
【0004】
しかしながら、例えばシアン酸エステル、エポキシ樹脂、無機充填剤、ジヒドラジド化合物などからなる半導体封止用液状エポキシ複合樹脂組成物の場合(特許文献1)には、シアン酸エステルとエポキシ樹脂に対して、それぞれ硬化剤が必要である場合があるだけでなく、硬化時には、高温にすること、或いは長い硬化時間をかけることが必要であるなどの欠点があった。
【特許文献1】特開2001−302767号公報
【0005】
また、シアン酸エステル及びエポキシ樹脂を含む複合組成物にアミン系硬化剤を使用する例も提案されている(特許文献2)が、この場合には十分な貯蔵安定性が得られないという欠点があった。
【特許文献2】特開昭60−250026号公報
【0006】
さらに、シアン酸エステル及びエポキシ樹脂にイミダゾール成分を含む潜在性硬化剤を使用した熱硬化性樹脂組成物の場合(特許文献3)には、十分な安定性を得るためにシアネート樹脂の使用量を制限する必要があるなど、未だ満足することのできるものは得られていない。
【特許文献3】特表2001−506313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の目的は、貯蔵安定性及び速硬化性に優れると共に、高い耐熱性を有する、一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、シアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂、並びに、分子内に1個以上の3級アミノ基並びに1個以上の1級及び/又は2級アミノ基を有するアミン化合物と、エポキシ化合物とを反応させてなる変性アミン化合物及びフェノール樹脂を含有する潜在性硬化剤を含有してなるシアネート−エポキシ複合樹脂組成物を使用した場合には、良好な結果を得ることができることを見出し本発明に到達した。
【0009】
即ち、本発明は、(A)シアネートエステル樹脂、(B)エポキシ樹脂及び(C)潜在性硬化剤を含有してなる複合樹脂組成物であって、前記潜在性硬化剤が、1個以上の3級アミノ基並びに1個以上の1級及び/又は2級アミノ基を有するアミン化合物から選ばれる少なくとも1種(a−1)と、エポキシ化合物(a−2)とを反応させてなる変性アミン化合物(a)及びフェノール樹脂(b)を含有してなることを特徴とする、一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物、該樹脂組成物を重合硬化させてなることを特徴とする硬化物、並びに該樹脂組成物からなることを特徴とする封止用材料及び接着剤、並びに該樹脂組成物を型内で硬化させることを特徴とする成形物の製造方法である。
【0010】
前記アミン化合物(a−1)は、前記アミン化合物(a−1)が、下記一般式(I)、(II)又は(III)で表されるアミン化合物であることが好ましい。
一般式(I)


上記一般式(I)中のR1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキル基、又は前記R1及びR2が結合してなるアルキレン基、R3は(m+n)価の炭化水素基、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基、又は酸素原子又は窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキル基であり、nは1、2又は3であり、mは1又は2である。
一般式(II)

上記一般式(II)中のR4は前記一般式(I)と同様であり、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基又は酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキレン基であり、lは1〜10の整数である。
一般式(III)

上記一般式(III)中のR1及びR2は前記一般式(I)と同様であり、R5は前記一般式(II)と同様であり、kは1〜10の整数である。
【0011】
更に、前記一般式(I)で表されるアミン化合物(a−1)は、下記一般式(I−1)で表されるアミン化合物であることが好ましく、い。
一般式(I−1)

上記一般式(I−1)中のR1及びR2は、前記一般式(I)と同様であり、R6は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表す。
【0012】
また、前記変性ポリアミン化合物(a)は、前記一般式(I−1)で表されるアミン化合物(a−1)1モルとなる量に対し、前記エポキシ化合物(a−2)がそのエポキシ当量が0.5〜2となる量を反応させて得られる変性ポリアミンであることが好ましい。
【0013】
前記(C)潜在性硬化剤は、前記(a)成分である変性アミン化合物100質量部に対し、(b)成分であるフェノール樹脂を10〜100質量部含有することが好ましい。
【0014】
前記(A)成分で表されるシアネートエステル樹脂は、下記一般式(1)及び(2)で表される化合物、並びにこれらのプレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(1)

上記一般式(1)中のR7は、非置換又はフッ素置換の2価の炭化水素基、R8は、それぞれ独立に、非置換又は1〜4個のアルキル基で置換されているフェニレン基である。
一般式(2)

上記一般式(2)中のR9は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、jは1〜20の整数である。
【0015】
更に、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(3)

但し、一般式(3)中のR10は、以下に表される基の何れかである。


但し、R11は、それぞれ独立に、水素原子又は非置換若しくはフッ素置換のメチル基であり、iは4〜12の整数である。
【0016】
本発明の一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物は、(A)成分であるシアネートエステル樹脂成分100質量部に対し、(B)成分であるエポキシ樹脂成分を1〜10000質量部含有することが好ましく、(C)成分である潜在性硬化剤の使用量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物は、保存安定性及び速硬化性に優れると共に、硬化後は接着力及び耐熱性に優れた成形物となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物に使用される(A)成分であるシアネートエステル樹脂は、とくに限定されるものではないが、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)

上記一般式(1)中のR7は、非置換又はフッ素置換の2価の炭化水素基、R8は、それぞれ独立に、非置換又は1〜4個のアルキル基で置換されているフェニレン基である。
一般式(2)

上記一般式(2)中のR9は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、jは1〜20の整数である。
また、一般式(1)又は(2)の化合物のシアネート基の一部がトリアジン環を形成したプレポリマーも、(A)成分として使用することができる。プレポリマーとしては、例えば、前記一般式(1)の化合物の全部又は一部が3量化した化合物が挙げられる。
【0019】
前記一般式(1)で表される化合物の中でも、特に、下記一般式(3)で表される化合物を使用することが好ましく、これらのシアネートエステル樹脂は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一般式(3)

但し、一般式(3)中のR10は、以下に表される基の何れかである。


但し、R11は、それぞれ独立に、水素原子又は非置換若しくはフッ素置換のメチル基であり、iは4〜12の整数である。
【0020】
これらの化合物の内、特に4,4’−エチリデンビスフェニレンシアネート、2,2−ビス(4―シアナトフェニル)プロパン及びビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタンを使用することが好ましい。
【0021】
本発明の一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物において、(B)成分として使用されるエポキシ樹脂としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。
【0022】
また、これらのエポキシ樹脂は、末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたもの、又は多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。
【0023】
また、本発明において、エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量は、70〜3000であることが好ましく、90〜2000であることが更に好ましい。エポキシ当量が70未満では、硬化性が低下するおそれがあり、3000よりも大きい場合では、十分な塗膜物性が得られなくなるおそれがあるので、好ましくない。
【0024】
本発明の一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物に含有される(C)潜在性硬化剤は、アミン化合物(a−1)と、エポキシ化合物(a−2)とを反応させてなる変性アミン化合物(a)及びフェノール樹脂(b)を含有する。
前記(a−1)成分として使用されるアミン化合物は、1個以上の3級アミノ基、並びに1個以上の1級及び/又は2級アミノ基を有する、少なくとも1種のアミン化合物であり、下記一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物であること好ましい。
【0025】
一般式(I)

上記一般式(I)中のR1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキル基、又は前記R1及びR2が結合してなるアルキレン基、R3は(m+n)価の炭化水素基、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基、又は酸素原子又は窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキル基であり、nは1、2又は3であり、mは1又は2である。
【0026】
一般式(II)

上記一般式(II)中のR4は前記一般式(I)と同様であり、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基又は酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキレン基であり、lは1〜10の整数である。
【0027】
一般式(III)

上記一般式(III)中のR1及びR2は前記一般式(I)と同様であり、R5は前記一般式(II)と同様であり、kは1〜10の整数である。
【0028】
ここで、上記一般式(I)で表されるアミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジアリルアミノエチルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジベンジルアミノエチルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノエチルアミン、N−(2−アミノエチル)ピロリジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノプロピルアミン、N,N−ジアリルアミノプロピルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジベンジルアミノプロピルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノプロピルアミン、N−(3−アミノプロピル)ピロリジン、N−(3−アミノプロピル)ピペリジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−N’−メチルピペリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルアミン、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンジルアミン、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)ベンジルアミン、N,N−ジメチルイソホロンジアミン、N,N−ジメチルビスアミノシクロヘキサン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N’−エチル−N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N’−エチル−N,N−ジメチルプロパンジアミン、N’−エチル−N,N−ジベンジルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
【0029】
上記一般式(II)で表されるアミン化合物としては、例えば、N,N−(ビスアミノプロピル)−N−メチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルエチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルプロピルアミン、N,N−ビスアミノプロピルブチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルペンチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピルシクロヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピルベンジルアミン、N,N−ビスアミノプロピルアリルアミン等が挙げられる。
【0030】
前記一般式(III)で表されるアミン化合物としては、例えば、ビス〔3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジイソプロピルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジブチルアミノプロピル)〕アミン等が挙げられる。
【0031】
硬化性と保存性のバランスに優れる一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物を得るためには、前記一般式(I)〜(III)で表されるアミン化合物の内、特に下記の一般式(I−1)で表される化合物を使用することが好ましい。
一般式(I−1)

上記一般式(I−1)中のR1及びR2は、前記一般式(I)と同様であり、R6は炭素原子数1〜10のアルキレンである。
【0032】
上記一般式(I−1)で表されるアミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジアリルアミノエチルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジベンジルアミノエチルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノエチルアミン、N−(2−アミノエチル)ピロリジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノプロピルアミン、N,N−ジアリルアミノプロピルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジベンジルアミノプロピルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノプロピルアミン、N−(3−アミノプロピル)ピロリジン、N−(3−アミノプロピル)ピペリジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−N’−メチルピペリジン等が挙げられる。
これらの中でも、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン又はN,N−ジエチルアミノプロピルアミンを使用することがさらに好ましい。
【0033】
本発明の一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物において、(a−2)成分として使用されるエポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、第二ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル化合物;バーサティック酸グリシジルエステル等のモノグリシジルエステル化合物;ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。
【0034】
本発明においては、(a−2)成分として使用されるエポキシ化合物としては、分子内にエポキシ基を2個以上有するポリグリシジルエーテル化合物を使用することが好ましい。特に、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)等のビスフェノール化合物のポリグリシジルエーテルを使用することが好ましい。
【0035】
本発明における、変性ポリアミン化合物(a)は、(a−1)成分が1モルとなる量に対し、(a−2)成分をそのエポキシ当量が0.2〜3当量となる量を反応させて得ることが好ましく、0.5〜2当量となる量を反応させて得ることが更に好ましい。
特に、(a−1)成分として一般式(I−1)で表されるポリアミン化合物を用いる場合には、(a−2)成分のエポキシ当量は、(a−1)成分が1モルとなる量に対し、0.5〜2当量であることが好ましく、0.8〜1.5当量であることが更に好ましい。
【0036】
本発明においては、(a−1)成分として、異なる変性アミン化合物を組み合わせて使用することができる。
【0037】
本発明で使用する潜在性硬化剤(C)に、(b)成分として含有されるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類から合成されるフェノール樹脂である。前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、第三ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−チオジフェノール、ジヒドロキシジフェニルメタン、ナフトール、テルペンフェノール、フェノール化ジシクロペンタジエン等があげられ、前記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドが挙げられる。
【0038】
また、貯蔵安定性と硬化性とのバランスに優れた一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物を得るためには、(b)成分のフェノール樹脂は、数平均分子量が750〜1200であることが好ましい。
【0039】
潜在性硬化剤(C)における(b)成分の使用量は、(a)成分100質量部に対し、10〜100質量部であることが好ましく、20〜60質量部であることが更に好ましい。10質量部未満では、十分な硬化性が得られず、100質量部を超えた場合には、硬化物の物性の低下を招くため好ましくない。
【0040】
本発明のシアネート−エポキシ複合樹脂組成物において(A)成分と(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対し、(B)成分が1〜10000質量部であることが好ましく、10〜1000質量部、20〜500質量部であることが更に好ましい。
【0041】
本発明のシアネート−エポキシ複合樹脂組成物における(C)成分の使用量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、5〜60質量部であることが更に好ましい。
また、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量は、本発明のシアネート−エポキシ複合樹脂組成物中の50質量%以上であることが好ましい。
【0042】
本発明のシアネート−エポキシ複合樹脂組成物は、取り扱いを容易にするために、種々の溶剤に溶解して使用することが出来る。これらの溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;イソ−又はn−ブタノール、イソ−又はn−プロパノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;トリエチルアミン、ピリジン、ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられる。
【0043】
上記有機溶剤の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100質量部に対し、0〜200質量部であることが好ましく、0〜40質量部であることが更に好ましい。有機溶剤の使用量が200質量部を越えると、揮発して危険であると共に、有害であるので好ましくない。
【0044】
また、本発明のシアネート−エポキシ複合樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質などの充填剤若しくは顔料;増粘剤;チキソトロピック剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を含有してもよく、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
【0045】
以下、製造例及び実施例を示して本発明のシアネート−エポキシ複合樹脂組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0046】
[製造例1:潜在性硬化剤(EH−1)の製造]
フラスコに、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン130gを仕込んで80℃に加温した。この系内の温度を100〜110℃に保ちながら、アデカレジンEP−4100E((株)ADEKAの商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)213g([N,N−ジメチルアミノプロピルアミン1モルに対するアデカレジンEP−4100Eのエポキシ当量は1.12])を、少しずつ加えた。アデカレジンEP−4100Eを添加した後、系を140℃に昇温し、1.5時間反応させて変性ポリアミンを得た。得られた変性ポリアミン100gに対してフェノール樹脂30gを仕込み、180〜190℃、30〜40トールで1時間かけて脱溶媒を行い、潜在性硬化剤(EH−1)を得た。
【0047】
[製造例2:潜在性硬化剤(EH−2)の製造]
アミンをN,N−ジエチルアミノプロピルアミン100gとし、製造例1と同様の手法によりアデカレジンEP−4100E((株)ADEKAの商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)213g([N,N−ジエチルアミノプロピルアミン1モルに対するアデカレジンEP−4100Eのエポキシ当量は1.12])と反応させて変性ポリアミンを得た。得られた変性ポリアミン100gに対してフェノール樹脂30gを仕込み、180〜190℃、30〜40トールで1時間かけて脱溶媒を行い、潜在性硬化剤(EH−2)を得た。
【0048】
[製造例3:比較用潜在性硬化剤(EH−3)の製造]
上記製造例1のアミンをm−キシリレンジアミン100gとし、製造例1と同様の手法により、アデカレジンEP−4100E((株)ADEKAの商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)213g[m−キシリレンジアミン1モルに対するアデカレジンEP−4100Eのエポキシ当量は1.53]と反応させて変性ポリアミンを得た。得られた変性ポリアミン100gに対してフェノール樹脂30gを仕込み、180〜190℃、30〜40トールで1時間かけて脱溶媒を行い、比較用潜在性硬化剤(EH−3)を得た。
【0049】
[実施例及び比較例]
シアネートエステル樹脂(ロンザ社製;シアネートLeCy:CE)、エポキシ樹脂((株)ADEKA社製;EP−4901E、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量168:EP)及び製造例1〜3により製造された潜在性硬化剤を配合して一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物とした。
得られた一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物について、以下の試験を行い、評価した。〔表1〕〜〔表3〕に各成分の配合比及び試験結果を示す。
【0050】
(粘度)
ブルックフィールドE型回転粘度計を用いて、1rpmで、25℃における初期粘度及び25℃下で24時間放置した後の粘度を測定し、増粘率を求めた。
【0051】
(ゲルタイム)
各測定温度に保たれた熱盤上に、各組成物0.5gを滴下し、スパチュラでかき混ぜ、流動性がなくなるまでの時間を測定した。
【0052】
(ガラス転移点測定)
SIIナノテクノロジーズ社製熱・応力・歪測定装置TMA6100を用いて、昇温速度10℃/分、走査温度範囲−35〜250℃としてTMAチャートを測定した。線膨張率の変曲点からガラス転移点を測定した。
【0053】
(接着性)
ガラスエポキシ基板上に底面直径2mm×上面直径1.5mm×高さ3mmの円柱型を接着し、所定の温度及び時間で硬化させて成形物を作製した。設定温度雰囲気下で、この成形物に横方向から5mm/分で力を加え、押し剥がして接着強度を測定し、更に下記式により保持率を算出した。

【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
2級アミノ基又は3級アミノ基を有するアミン化合物を使用している潜在性硬化剤(EH−1、2)を含有していても、(A)成分を含有しない樹脂組成物(比較例1−1、1−2)は、該(A)成分を含有する樹脂組成物(実施例、比較例1−3)と比べてガラス転移温度が低い上、高温域での接着強度のみならず保持率も低く、耐熱性に劣ることが表2及び3から確認された。
【0058】
しかしながら、表1〜3の結果から、2級アミノ基又は3級アミノ基を有するアミン化合物を使用していない潜在性硬化剤(EH−3)を使用した樹脂組成物(比較例3)は、初期粘度が高く、取り扱い性に劣る上、80℃以下の低温域では、硬化性が著しく低いことが確認された。
【0059】
また、表1及び2の結果から、2級アミノ基又は3級アミノ基を有するアミン化合物を使用した潜在性硬化剤(EH−1、2)を使用した場合には(実施例、比較例1−1、2)、初期粘度が低下すると共に、低温域においても硬化性が得られるが、シアネートエステル樹脂(A)を含有しない場合(比較例1−1、1−2)には、初期粘度が本発明のものよりはるかに高いだけでなく、ゲルタイムが長いので、十分な取り扱い性及び硬化性が得られないことが確認された。
【0060】
以上の結果から、本発明の一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物は、貯蔵安定性及び成形物の耐熱性に優れる上、低温から高温までの広い硬化温度範囲において優れた硬化性及び接着性を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明のシアネート−エポキシ複合樹脂組は、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料あるいは接着剤などの広範な用途に使用することができ、特に、高い耐熱性と優れた接着性を有するため、半導体保護のための封止材料として、あるいは電子部品の接着等の電子材料や自動車材料としての用途等に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアネートエステル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含有してなる一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物であって、前記潜在性硬化剤(C)が、1個以上の3級アミノ基並びに1個以上の1級及び/又は2級アミノ基を有するアミン化合物から選ばれる少なくとも1種(a−1)と、エポキシ化合物(a−2)とを反応させてなる変性アミン化合物(a)及びフェノール樹脂(b)を含有してなることを特徴とする、一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
【請求項2】
前記アミン化合物(a−1)が、下記一般式(I)、(II)又は(III)で表されるアミン化合物である、請求項1に記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
一般式(I)

上記一般式(I)中のR1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキル基、又は前記R1及びR2が結合してなるアルキレン基であり、R3は(m+n)価の炭化水素基、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基、又は酸素原子又は窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキル基であり、nは1、2又は3であり、mは1又は2である。
一般式(II)

上記一般式(II)中のR4は前記一般式(I)と同様であり、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基又は酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含有するアルキレン基であり、lは1〜10の整数である。
一般式(III)

上記一般式(III)中のR1及びR2は前記一般式(I)と同様であり、R5は前記一般式(II)と同様であり、kは1〜10の整数である。
【請求項3】
前記一般式(I)で表されるアミン化合物(a−1)が、下記一般式(I−1)で表されるアミン化合物である、請求項2に記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
一般式(I−1)

上記一般式(I−1)中のR1及びR2は、前記一般式(I)と同様であり、R6は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。
【請求項4】
前記変性ポリアミン化合物(a)が、前記一般式(I−1)で表されるアミン化合物(a−1)1モルとなる量に対し、前記エポキシ化合物(a−2)がそのエポキシ当量が0.5〜2となる量を反応させて得られる変性ポリアミンである、請求項3に記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
【請求項5】
前記(C)が、前記(a)成分である変性アミン化合物100質量部に対し、(b)成分であるフェノール樹脂を10〜100質量部含有する、請求項1〜4の何れかに記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
【請求項6】
前記(A)成分であるシアネートエステル樹脂が、下記一般式(1)及び(2)で表される化合物、並びにこれらのプレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5の何れかに記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
一般式(1)

上記一般式(1)中のR7は、非置換又はフッ素置換の2価の炭化水素基、R8は、それぞれ独立に、非置換又は1〜4個のアルキル基で置換されているフェニレン基である。
一般式(2)

上記一般式(2)中のR9は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、jは1〜20の整数である。
【請求項7】
前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
一般式(3)

但し、一般式(3)中のR10は、以下に表される基の何れかである。


但し、R11は、それぞれ独立に、水素原子又は非置換若しくはフッ素置換のメチル基であり、iは4〜12の整数である。
【請求項8】
前記(A)成分であるシアネートエステル樹脂成分100質量部に対し、(B)成分であるエポキシ樹脂成分を1〜10000質量部使用する、請求項1〜7の何れかに記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
【請求項9】
前記(C)成分である潜在性硬化剤の使用量が、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して1〜100質量部である、請求項1〜8の何れかに記載された一液型シアネート−エポキシ複合樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載された樹脂組成物を重合硬化させてなることを特徴とする硬化物。
【請求項11】
請求項1〜9の何れかに記載された樹脂組成物からなることを特徴とする封止用材料。
【請求項12】
請求項1〜9の何れかに記載された樹脂組成物からなることを特徴とする接着剤。
【請求項13】
請求項1〜9の何れかに記載された樹脂組成物を型内で硬化させることを特徴とする成形物の製造方法。

【公開番号】特開2010−6991(P2010−6991A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169454(P2008−169454)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】