説明

下側の目の輪郭の下に形成される袋を低減又は除去する合成ペプチド及び化粧品又は皮膚薬剤組成物でのそれらの使用

本発明は、目の下に形成される袋を低減又は除去することができる一般式(I)
【化1】


のペプチド、それらの立体異性体及びそれらのラセミ又は非ラセミ混合物、及びそれらの化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である塩に関し、式中、Xはシステニル、セリル、トレオニル又はアミノブチリルであり、RはH又はアルキル、アリール、アラルキル又はアシル基であり、及びRはアミノ、ヒドロキシ又はチオールであり、それらの全ては脂肪族又は環状基で置換又は非置換である。本発明は、それらを有する化粧品又は皮膚薬剤組成物を得る方法、及び皮膚を処理するための、好ましくは、目の下に形成される袋を低減又は除去するためのそれらの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目の下に形成される袋を低減又は除去する合成ペプチド、及び、堅さ、水分補給及び弾力性を改善するとともに、腫れを低減又は除去する目的で、皮膚、好ましくは顔面皮膚、及び特に目の下に位置する皮膚の処理に役立つ前述のペプチドを含む化粧品又は皮膚薬剤組成物に関する。
【発明の背景】
【0002】
下側の目の輪郭で袋が現れることは、下眼瞼の皮膚がわずかに腫れて垂れ下がる場合に生じる一般的な美容上の問題である。目の周りの皮膚は、比較的薄く、皮膚の多くの他の領域より油性の組成物が少ない。この理由から、加齢、ストレス、さまざまな病気及び環境汚染は、目の下に位置する皮膚の堅さ及び弾力性の低下のため、下眼瞼の腫れ及び袋の出現とともに、それらの最初の症状を示すことがある。目の下に位置する領域での皮膚の下の液体貯留は、腫れた目のように見られ、しばしば周りの顔の領域に比較すると暗い浮腫を引き起こし(「目の周りのくま」)、これは、消費者にとって、受け入れがたく、又は美学に反すると認められる。
【0003】
これまで、美学に反する目の下の袋が形成される正確な理由は知られてないが、ストレス、過度のカフェイン又はアルコールの消費及び睡眠の不足のような異なる外部要因が、この問題の関連する要因又は誘因として特定されてきた。同様に、文献では、腎機能不全及び体液貯留、高血圧、炎症、アレルギー要素(アレルギー性鼻炎)又はリンパ排液の変化のような、下側の目袋の形成に起因する内部要因を説明してきた。紫外線放射に起因する損傷と同様に、本質的な皮膚の老化、括約筋の弛緩も、これらの要因とともに考慮する必要がある。
【0004】
皮膚がその弾力性を失い、筋肉が年齢にともなって弱るにつれて、弛緩した皮膚が目の周りに蓄積する可能性がある。そして、瞼でヒダを形成する。さらに、窩で目を収容し、支持している脂肪は、目の眼窩の外側へ向けて移動し、そして、眼球突出の形で目の周りに蓄積する傾向がある。腫れた、又は突出している瞼は、前述の領域の弛緩した皮膚の蓄積と同様に、球状の領域で脂肪の蓄積のためである可能性がある。
【0005】
表情の若くて、疲労していない外見を回復する目的で、下側の目袋を除去するために美容整形がしばしば使用される(眼瞼形成)。過剰に蓄積した脂肪及び/又は皮膚を除去する目的で、瞼に内外の切開をすることからなる処理である。眼瞼形成は、現在、アメリカ合衆国で形成外科医によって最も高い頻度で実行される処理である[カストロ(Castro),E.とフォスター(Foster),J.A(1999) Upper lid blepharoplasty Facial Plast. Surg. 15(3),173−181]。しかしながら、前述の手術が簡単な外科的処理であると考えられるという事実に関わらず、それは無リスクでない技術である。潜在的な手術後の感染症の危険性と同様に、処置で使用される麻酔の関連する危険性のためである。したがって、下側の目袋を低減し除去するために、単純で、効果的で無リスクの解決法を見つける必要がまだある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下側の目袋を低減又は除去するために、単純で、効果的で無リスクの解決法を提供するものであり、下側の瞼の領域の皮膚の堅さ及び弾力性を改善することと同様に、下側の目袋を低減又は除去することができる合成ペプチドの開発を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
したがって、本発明の第1の構成としては、目の下に形成される袋を低減又は除去することができる一般式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
のペプチド、その立体異性体とそれらのラセミ又は非ラセミ混合物、及びそれらの化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である塩に関し、式中、
Xはシステニル、セリル、トレオニル又はアミノブチリルとすることができ、
はH又はアルキル、アリール、アラルキル又はアシル基とすることができ、及び、
はアミノ、ヒドロキシ又はチオールとすることができ、これらの全ては、脂肪族又は環状基で置換又は非置換である。
【0010】
一般式(I)で示すペプチドの好ましい構造としては、式中、
Xはセリル又はアミノブチリルとすることができ、
はH又は飽和又は不飽和、分岐又は環状、直鎖CからC24アシルとすることができ、及び、
はアミノ又はヒドロキシとすることができ、飽和又は不飽和、分岐又は環状、直鎖、脂肪族CからC24基で置換又は非置換である。
【0011】
本発明のペプチドは、立体異性体又は立体異性体の混合物として存在することができ、例えば、それらを形成するアミノ酸は、L−、D−立体配置を有することができ、又は、互いに独立したラセミとすることができる。したがって、異性体又は異性体混合物が存在する不斉炭素の数に応じて、ラセミ化合物又はジアステレオマー混合物と同様に異性体混合物、又は純粋なジアステレオマー又はエナンチオマーを得ることができる。
【0012】
一般式(I)のペプチドの好ましい構造としては、純粋な異性体、すなわち、エナンチオマー又はジアステレオマーである。
【0013】
本発明の関連では、用語「脂肪族基」は、飽和又は不飽和、直鎖又は環状炭化水素族に関する。
【0014】
用語「炭化水素族」は、本発明では、例えばアルキル、アルケニル及びアルキニル基を含むものとして使用される。
【0015】
用語「アルキル基」は、直鎖又は分岐、飽和炭化水素族に関し、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アミル、2−エチルヘキシル、2−メチルブチル、5−メチルヘキシル等を含む。
【0016】
用語「アルケニル基」は、ビニル基のような1以上の炭素炭素二重結合を有する直鎖又は分岐、不飽和炭化水素族に関する。
【0017】
用語「アルキニル基」は、1以上の炭素炭素三重結合を有する直鎖又は分岐、不飽和炭化水素族に関する。
【0018】
用語「環状基」は、閉鎖した炭化水素リングに関し、これは、脂環式、芳香族又は複素環基として分類されることができる。
【0019】
用語「脂環式基」は、脂肪族基と同様の特性を有する環状炭化水素族に関する。
【0020】
用語「芳香族基」又は「アリール基」は、単環又は多環式の芳香族炭化水素族に関する。
【0021】
用語「複素環基」は、閉鎖した炭化水素リングに関し、ここでは、1以上のリング原子が炭素以外の要素である(例えば、窒素、酸素、硫黄等)。
【0022】
この技術分野で理解されるように、置換の高い程度の存在は許容されるだけでなく、推奨されもする。したがって、本発明のペプチドでは置換があってもよい。本発明の説明を単純化することを目的として、用語「基」及び「ブロック」は、置換を許容し、又は置換されることができる化学種(「基」)と、置換を許容せず、又は置換されることができないもの(「ブロック」)との間で区別するために使用される。このように、用語「基」が化学置換基を説明するために使用される場合、説明される化学物質は、非置換基及びO、N又はS原子を含んでいるものの両方を含む。
【0023】
他方、用語「ブロック」が化合物又は置換基を説明するために使用される場合、非置換の化学物質のみが含まれることができる。例えば、「アルキル基」という表記は、メチル、エチル、プロピル、イソブチル等のような開鎖飽和アルキル置換基を含むのみならず、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、カルボキシル、カルボキシアミド、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル等のような、最先端の技術で知られている他の置換基を含むアルキル置換基をも含む。このように、「アルキル基」は、エーテル、ハロアルキル、アルコール、チオール、カルボキシル、アミン、ヒドロキシアルキル、スルホアルキル、グアニジン基等を含む。他方、「アルキルブロック」という表記は、メチル、エチル、プロピル、イソブチル等のような開鎖飽和アルキル置換基の包含に制限されるのみである。
【0024】
本発明で提供される一般式(I)のペプチドの化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である塩は、本発明の範囲内に含まれる。用語「化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である塩」は、金属塩又は酸付加塩であって、有機(特に、アセテート、クエン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩又はグルコン酸塩のようなもの)又は無機(例えば、特に、塩化物、硫酸塩、ホウ酸塩又は炭酸塩のようなもの)のいずれかを形成するために通常使用される塩を含む。塩の特性は、それが化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能であれば、重要でない。一般式(I)のペプチドの化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である塩は、従来の方法によって得ることができ、最先端の技術でよく知られている。
【0025】
一般式(I)のペプチドの合成は、最先端の技術で知られている従来の方法にしたがって行うことができる。例えば、固相ペプチド合成方法[スチュワート(Stewart)J.M.とヤング(Young)J.D.(1984)Solid Phase Peptide Synthesis,第2版,Pierce Chemical社,ロックフォード,イリノイ。ボダンズスキー(Bodanzsky) M.とボダンズスキー(Bodanzsky) A.(1984)The practice of Peptide Synthesis,Springer Verlag,ニューヨーク。ロイド−ウィリアムズ(Lioyd−Williams),P.、アルベリチオ(Albericio),F.とジラルト(Giralt),E.(1997)Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins.CRC,ボーカラトーン(フロリダ州、アメリカ合衆国)]、溶液合成、固相合成と溶液合成方法の組み合わせ、又は酵素方法[クルマン(Kullmann) W.(1980)Proteases as catalysts for enzymic syntheses of opioid peptides J.Biol.Chem.255,8234−8238]の適応のようなものである。ペプチドは、所望のシーケンスを実現する目的で、遺伝子工学によって修飾され、又は修飾されていない細菌の菌株の発酵によって得ることもできる。
【0026】
例えば、一般式(I)のペプチドを得る方法は、遊離型カルボキシル基又はそれらの反応型誘導体を有する一般式(I)のペプチドのフラグメントが、アミノ基を有する相補的なフラグメントと、少なくとも1つの遊離型水素原子とともに、アミド型結合のその後の構造を伴って反応する。そして、そこで、アミド型結合の形成に関与しない前述のフラグメントの官能基が、もし存在するならば、一時的又は永久的な保護基で都合良く保護される。
【0027】
一般式(I)のペプチドを得る方法の他の例としては、例えば、特に、トシル基、メシル基、及びハロゲン基のような離脱基を有する一般式(I)のペプチドのフラグメントが、求核置換反応によって、1以上の遊離型水素原子を持ったアミノ基を有する相補的なフラグメントと反応する。そして、そこで、N−C結合の形成に関与しないフラグメントの前述の官能基が、もし存在するならば、一時的又は永久的な保護基で都合良く保護される。保護基の例、それらの導入及び除去は、文献で説明される[グリーン(Greene) T.W.(1981)Protective groups in organic synthesis、John Wiley & Sons,ニューヨーク。アサートン(Atherton) B.とシェパード(Sheppard) R.C.(1989)Solid Phase Peptide Synthesis:A practical approach,IRL オックスフォード大学出版局]。用語「保護基」は、固相合成で使用される高分子支持体を含みもする。
【0028】
合成が固相で完全に、又は部分的に行われる場合、本発明の方法で使用するために、固体支持体として以下のように述べることができる。例えば、p−メチルベンズヒドリルアミン樹脂(MBHA)のようなポリスチレン、ポリエチレン・グリコール−グラフト化ポリスチレン等で作製される支持体[マツダ(Matsueda) G.R.とスチュアート(Stewart) J.M.(1981)A p−methylbenzhydrylamine resin for improved solid−phase synthesis of peptide amides Peptides 2,45−50]、2−クロロトリチル樹脂[(a)バルロス(Barlos) K.、ガトス(Gatos) D.、カリトシス(Kallitsis) J.、パパフォチウ(Papaphotiu) G.、ソチリウ(Sotiriu) P.、ウェンチン(Wenqing) Y.とシェーファー(Schafer) W.(1989)Darstellung geschutzter peptid−fragmente unter einsatz substituierter triphenylmethyl−harze Tetrahedron Lett.30,3943−3946。(b)バルロス(Barlos) K.、ガトス(Gatos) D.、カポロス(Kapolos) S.、パパフォチウ(Papaphotiu) G.、シェーファー(Schafer) W.とウェンチン(Wenqing) Y.(1989)Veresterung von partiell geschutzten peptid−fragmenten mit harzen. Einsatz von 2−chlortritylchlorid zur synthese von Leu15 −gastrin I Tetrahedron Lett.30,3947−3951。]、5−(4−アミノメチル−3,5−ジメトキシフェノキシ)バレリアン酸(PAL)のような不安定なスペーサーを有してもよく、又は有さなくてもよいTentaGel(登録商標)樹脂等[アルベリチオ(Albericio) F.、クナイブ−コルドニエ(Kneib−Cordonier) N.、ビアンカラナ(Biancalana) S.、ゲラ(Gera) L.、マサダ(Masada) R.I.、ハドソン(Hudson) D.とバラニー(Barany) G.(1990)Preparation and application of the 5−(4−(9−fluorenylmethyloxycarbonyl)aminomethyl−3,5−dimethoxyphenoxy)−valeric acid (PAL) handle for the solid−phase synthesis of C−terminal peptide amides under mild conditions J.Org.Chem.55,3730−3743]、2−[4−アミノメチル−(2,4−ジメトキシフェニル)]フェノキシ酢酸(AM)[リンク(Rink) H.(1987)Solid−phase synthesis of protected peptide fragments using a trialkoxy−diphenyl−methylester resin Tetrahedron Lett.28,3787−3790]、Wang[ワング(Wang),S.S.(1973)p−Alkoxybenzyl Alcohol Resin and p−Alkoxybenzyloxycarbonylhydrazide Resin for Solid Phase Synthesis of Protected Peptide Fragments J.Am.Chem.Soc.95,1328−1333]等であり、高分子支持体からの化合物の脱保護と同時に起こる開裂を許容する。
【0029】
本発明のペプチドは、哺乳類、好ましくは人間の体で、外用のために、いくつかのタイプの組成物の一部を形成することができる。この意味で、本発明は、一般式(I)のペプチドを有する化粧品又は皮膚薬剤組成物を提供する。前述の組成物は、当業者によって知られた従来の方法によって調整することができる。
【0030】
本発明のペプチド対象物は、R、R及びX基の特性にしたがって、可変の水溶性を有する。水溶性でないものでは、例えば、エタノール、プロパノール又はイソプロパノール、プロピレン・グリコール、グリセリン、ブチレン・グリコール又はポリエチレン・グリコールのような従来の化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である溶媒に可溶化することができる。リポソーム、ミリ粒子、マイクロ粒子及びナノ粒子のような化粧品キャリアの他に、スポンジ、ミリスフェア、マイクロスフェア及びナノスフェア、ミリカプセル、マイクロカプセル及びナノカプセルにも、ペプチドを前もって組み入れることもできる。
【0031】
これらの調整は、「つけたまま」及び「洗い流す」剤形を含み、例えば、クリーム、化粧水、ジェル、オイル、塗布剤、美容液、ムース、軟膏、棒、鉛筆又はスプレーのような異なるタイプの剤形で、使用されることができ、また、当業者によって知られている技術によって、タウレット、ヒドロゲル、接着性(又は非接着性)パッチ又はフェースマスクのような異なるタイプの固体状の付属物に組み入れられることもでき、又は、特に、コンシーラー、化粧ファウンデーション、化粧水、化粧除去化粧水のような異なる化粧製品に組み入れられることもできる。
【0032】
本発明で述べる組成物は、皮膚の手入れと処理のための組成物で一般的に使用される追加の成分を含むことができる。例えば、制限されない意味で、乳液剤、皮膚軟化剤、有機溶媒、スキンコンディショナー、(例えば、湿潤剤、アルファハイドロキシ酸、保湿剤、ビタミン、顔料や染料)、ゲル化ポリマー、増粘剤、軟化剤、シワ取り剤、ホワイトニング剤、フリーラジカルを捕らえる化合物、抗酸化化合物、真皮又は表皮の高分子の合成を刺激し、及び/又はそれらの分解を防ぐことができる化合物であり、例えば、コラーゲン合成を刺激する化合物、エラスチン合成を刺激する化合物、コラーゲン分解を阻止する化合物、繊維芽細胞の増殖を刺激する化合物、ケラチン生成細胞の増殖を刺激する化合物、ケラチン生成細胞の分化を刺激する化合物、皮膚緩和化合物、グリコサミノグリカン合成を刺激する化合物、安定化合物、毛細血管循環に作用する化合物、細胞の代謝に作用する化合物、メラニン合成を刺激する化合物、防腐剤、香料、キレート剤、植物抽出物、エッセンシャルオイル、海産物抽出物、細胞抽出物及び日焼け止め剤(紫外線A及びB光線に対して活性である有機又は無機物の光保護剤である)等である。とりわけ、それらは、それらが組成物の残りの成分と、特に本発明のペプチドと物理的及び化学的に適合する場合である。
【0033】
本発明の組成物は、下側の目袋に関連する腫れ及び刺激を低減する目的のため、鎮痛作用の化合物及び/又は抗炎症性の化合物を含み、又は併用されることができる。内因性の抗炎症性及び鎮痛作用を持つヒドロコルチゾンや天然抽出物やエッセンシャルオイルのようなステロイドタイプの化合物は、これらの化合物の間で強調されることができる。
【0034】
一般式(I)のペプチドは、望ましい効果を発揮するために、化粧品的又は皮膚薬剤的に効果的な濃度で、本発明の化粧品又は皮膚薬剤組成物で使用される。好ましくは、0.00001%(重量)から10%(重量)であり、好ましくは、0.0001%(重量)から5%(重量)であり、より詳しくは、0.001%(重量)から1%(重量)である。
【0035】
したがって、本発明の追加の構成としては、皮膚、好ましくは顔面皮膚の処理のための、より詳しくは、下側の目袋を低減又は除去するための、化粧品又は皮膚薬剤組成物の製造における一般式(I)のペプチドの使用に関する。
【0036】
本発明は、さらに、人間の目の下に形成される袋を低減又は除去する化粧品又は皮膚薬剤の方法を提供し、一般式(I)のペプチドの有効量の投与を含み、好ましくは、それを含む化粧品又は皮膚薬剤組成物の形で行う。
【実施例】
【0037】
本明細書で提供される以下の特定の実施例は本発明の特質を例示することに役立つ。これらの実施例は、例示的な目的のためにのみ含まれ、本明細書で特許請求の範囲の発明に制限されるように解釈すべきでない。
【0038】
(一般的な方法)
(化学合成)
全ての合成処理は、多孔質のポリエチレンディスクを備えたポリプロピレンシリンジで実行される。全ての試薬及び溶媒は合成用の品質であり、いかなる追加処理もなく使用される。Fmoc基の除去は、ピペリジン−DMF(2:8、v/v)(1×1分、1×5分、5mL/g樹脂)で実行される[ロイド−ウィリアムズ(Lloyd−Williams),P.,アルベリチオ(Albericio),F.とジラルト(Giralt),E.(1997)Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Protein.CRC,ボーカラートン(フロリダ、米国)]。脱保護、カップリング、及び、再度、脱保護のステップの間の洗浄は、各回で、10mLの溶媒/g樹脂を使用して、DMF(3×1分)で実行された。カップリング反応は、3mLの溶媒/g樹脂で実行された。カップリングの制御は、ニンヒドリン試験によって実行される[カイザー(Kaiser),E.、コールスコット(Colescott) R.L.、ボッシンジャー(Bossinger) C.D.とクック(Cook) P.I.(1970) Color test for detection of free terminal amino groups in the solid−phase synthesis of peptides Anal. Biochem. 34,595−598]。全ての合成変換及び洗浄は、25℃で実行された。
【0039】
HPLCによるクロマトグラフ分析は、30℃で温度調節された逆相カラムを使用して、シマヅ(Shimadzu)の装置(京都、日本)で実行された(250×4.0mm、Kromasil C、5μm、Akzo Nobel、スウェーデン)。溶出は、1mL/分の流れで、水中(+0.1%TFA)のアセトニトリル(+0.07%TFA)の勾配によって実行され、また、検出は220nmで実行される。
【0040】
(略語)
アミノ酸に使用される略語は、Eur.J.Biochem.(1984)138,9−37及びJ.Biol.Chem.(1989)264,633−673で定められる生化学命名法においてIUPAC−IUB委員会の規則に従う。
【0041】
Abu、2−アミノ酪酸;βAla、ベータ−アラニン,3−アミノプロピオン酸;AM、2−[4−アミノメチル−(2,4−ジメトキシフェニル)−フェノキシ酢酸];Boc、3級−ブチルオキシカルボニル;DCM、ジクロロメタン;DIEA、N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DIPCDI;N,N’−ジイソピロピルカルボジイミド;DMF、N,N−ジメチルホルムアミド;ES−MS、エレクトロスプレー質量分析;Fmoc、フルオレニルメトキシカルボニル;HOBt、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC、高速液体クロマトグラフィー;MBHA、樹脂p−メチルベンズヒドリルアミン;MeCN、アセトニトリル;MeOH、メタノール;PAL、5−(4−アミノメチル−3,5−ジメトキシフェノキシ)バレリアン酸;Palm、パルミトイル;tBu、3級−ブチル;THF、テトラヒドロフラン;TFA、トリフルオロ酢酸;Trt、トリチル。
【0042】
(実施例1)
(Ac−βAla−His−Cys−His−OHを得る)
1.3mLのDIEA(2.9mmol、0.33当量)が添加される55mLのDCMに溶解した5.5gのFmoc−L−His(Trt)−OH(8.9mmol、1当量)が2−クロロトリチル樹脂(5.5g、8.8mmol)を乾燥するために組み入れられた。それは5分間撹拌状態を維持し、その後に、2.5mLのDIEA(5.9mmol、0.67当量)が添加された。それは、40分間反応することができた。残った塩化物基は4.4mLのMeOHでの処理によってブロックされた。
【0043】
アミノ末端のFmoc基は、一般的な方法で説明されるように脱保護され、そして、12.89gのFmoc−L−Cys(Trt)−OH(22mmol、2.5当量)は、DIPCDI(3.39mL、22mmol、2.5当量)及びHOBt(3.37g、22mmol、2.5当量)の存在下で、溶媒としてDMFを使用して、1時間、ペプチジル−樹脂に組み入れられた。続いて、樹脂は一般的な方法で説明されるように洗浄され、Fmoc基を脱保護する処理が次のアミノ酸を組み入れるために繰り返された。説明した手順にしたがって、13.63gのFmoc−L−His(Trt)−OH(22mmol、2.5当量)及び6.85gのFmoc−βAla−OH(22mmol、2.5当量)は、3.37gのHOBt(22mmol、2.5当量)及び3.39mLのDIPCDI(22mmol、2.5当量)の各カップリングにおいて、その存在とともに連続して結合された。
【0044】
N−末端のFmoc基は、一般的な方法で説明されるように脱保護され、ペプチジル−樹脂は無水酢酸(2.1mL、22mmol)で30分間、DIEA(7.53mL、22mmol)の存在下で、溶媒としてDMFを使用して処理され、それは、DMF(5×1分)、DCM(4×1分)、ジエチル・エーテル(4×1分)で洗浄され、そして、真空下で乾燥された。
【0045】
12.36gの乾燥ペプチジル−樹脂は87mLのTFA−PrSi−HO(90:5:5)で、2時間、室温で処理された。ろ液は、冷却したジエチル・エーテル(700mL)上に集められ、それは多孔質プレートを通してろ過され、沈殿物はエーテル(500mL)で5回洗浄された。最終的な沈殿物は真空下で乾燥された。
【0046】
O(+0.1%TFA)中の2から32%のMeCN(+0.07%TFA)の勾配においてHPLC分析は、12.63分の保持時間と、85%以上の純度を示した。その分子量はES−MSによって決定された[(M+M)理論値509.19、(M+H)経験値509.2]。
【0047】
(実施例2)
(Palm−βAla−His−Ser−His−NHの合成)
0.73mmol/g(0.5mmol)の官能基化を備えた0.685mgのFmoc−AM−MBHA樹脂は、ピペリジン−DMFとともに、説明される一般的な手順にしたがって、Fmoc基を除去する目的で、処理された。1.58gのFmoc−L−His(Trt)−OH(2.5mmol、5当量)は、DIPCDI(385μL、2.5mmol、5当量)及びHOBt(385mg、2.5mmol、5当量)の存在下で、溶媒としてDMFを使用して、1時間、樹脂に組み入れられた。
【0048】
樹脂は、続いて、一般的な方法で説明されるように、洗浄され、そして、Fmoc基を脱保護する処理が次のアミノ酸を組み入れるために繰り返された。説明された手順にしたがって、0.95gのFmoc−L−Ser(tBu)−OH(2.5mmol、5当量)、1.59gのFmoc−L−His(Trt)−OH(2.5mmol、5当量)、及び0.77gのFmoc−βAla−OH(2.5mmol、5当量)は、385mgのHOBt(2.5mmol、5当量)及び385μLのDIPCDI(2.5mmol、5当量)の各カップリングにおいて、その存在とともに連続して結合された。
【0049】
N−末端のFmoc基は、一般的な方法で説明されるように、脱保護され、そして、事前にDML(10mL)に溶解された1.28gのパルミチン酸(5mmol、10当量)が770mgのHOBt(5mmol、10当量)及び770μLのDIPCDI(5mmol、10当量)の存在下で組み込まれた。それは、15時間、反応している状態を維持し、その後に、樹脂は、THF(5×1分)、DCM(5×1分)、DMF(5×1分)、MeOH(5×1分)、DMF(5×1分)、THF(5×1分)、DMF(5×1分)、DCM(4×1分)、エーテル(3×1分)で洗浄され、そして、真空下で乾燥された。
【0050】
1.17gの乾燥ペプチジル−樹脂は、15mLのTFA−PrSi−HO(90:5:5)で、2時間、室温で処理された。ろ液は、冷却したジエチル・エーテル(100mL)上に集められ、5分、4000rpmで遠心分離され、そして、エーテル溶液は上澄みを移された。エーテルでの洗浄は5回繰り返された。最終的な沈殿物は真空下で乾燥された。
【0051】
O(+0.1%TFA)中の5から95%のMeCN(+0.07%TFA)の勾配においてHPLCによる分析は、19.3分の保持時間及び70%以上の純度を示した。その分子量は、ES−MSによって決定された[(M+H)理論値688.45,(M+H)経験値688.7]。
【0052】
(実施例3)
(Ac−βAla−His−Ser−His−NH−(CN−CHを得る)
500μLのDIEA(1.1mmol、0.33当量)が添加されている20mLのDCMに溶解された2.0gのFmoc−L−His(Trt)−OH(3.23mmol、1当量)は、乾燥2−クロロトリチル樹脂(2.0g、3.3mmol)に組み入れられた。それは、5分間、撹拌状態を維持し、その後に、1mLのDIEA(2.2mmol、0.67当量)が添加された。それは、40分間、反応することができた。残った塩化物基は、1.6mLのMeOHでの処理によってブロックされた。
【0053】
アミノ末端のFmoc基は、一般的な方法で説明されるように、1mmolのアミノアシル−樹脂上で脱保護され、そして、1.95gのFmoc−L−Ser(tBu)−OH(5mmol、5当量)は、DIPCDI(770μL、5mmol、5当量)及びHOBt(770mg、5mmol、5当量)の存在下で、溶媒としてDMFを使用して、1時間、組み入れられた。樹脂は、続いて、一般的な方法で説明されるように、洗浄され、そして、Fmoc基を脱保護する処理は、次のアミノ酸を組み入れるために繰り返された。説明される手順にしたがって、3.09gのFmoc−L−His(Trt)−OH(5mmol、5当量)及び1.60gのFmoc−βAla−OH(5mmol、5当量)は、770mgのHOBt(5mmol、5当量)及び770μLのDIPCDI(5mmol、5当量)の各カップリングにおいて、その存在とともに連続して結合された。
【0054】
N−末端のFmoc基は、一般的な方法で説明されるように、脱保護され、そして、ペプチジル−樹脂は、30分間、2.36mLの無水酢酸(25mmol、25当量)で、4.28mLのDIEA(25mmol、25当量)の存在下で、溶媒としてDMFを使用して処理され、それは、DMF(5×1分)、DCM(4×1分)、ジエチル・エーテル(4×1分)で洗浄され、そして、真空下で乾燥された。
【0055】
完全に保護されたペプチド[Ac−βAla−L−His(Trt)−L−Ser(tBu)−L−His(Trt)−OH]は、KOHの存在下で真空下で事前に乾燥されたペプチジル−樹脂の、DCM中の3%のTFA溶液との5分間の処理によって得られた。ろ液は、冷却されたジエチル・エーテルに集められ、そして、処理は3回繰り返された。エーテル溶液は、室温で、回転式で蒸発乾固され、沈殿物は、HO中の50%MeCNで再度懸濁され、凍結乾燥された。得られた原料は、HO(+0.1%TFA)中の5から95%のMeCN(+0.07%TFA)の勾配において、HPLCによって分析され、24.1分の保持時間及び88%以上の純度を示した。その分子量は、ES−MSによって決定された[(M+H)理論値1034.2,(M+H)経験値1034.0]。
【0056】
380mgのAc−βAla−L−His(Trt)−L−Ser(tBu)−L−His(Trt)−OH(367μmol)はバルーンに秤量され、350mgのデシルアミン(3当量)及び30mLの無水DMFが添加された。120μLのDIPCDI(2当量)が添加され、そして、それは、47℃でマグネチックスターラーで反応することができた。反応は、Ac−βAla−L−His(Trt)−L−Ser(tBu)−L−His(Trt)−OHの消失によるHPLCによって制御され、2.5時間で完了された。溶媒は、蒸発乾固され、DCMで2回同時蒸発された。得られた残留物[Ac−βAla−L−His(Trt)−L−Ser(tBu)−L−His(Trt)−NH−(CH−CH]は、50mLのTFA−DCM−アニソール(49:49:2)の混合物に再懸濁され、そして、30分間、室温で反応することができた。250mLの冷却したジエチル・エーテルが添加され、溶媒は回転式で蒸発され、そして、2回の追加の同時蒸発がエーテルで実行された。残留物は、HO中の50%のMeCNの混合物で溶解され、冷却乾燥された。
【0057】
O(+0.1%TFA)中の5から85%のMeCN(+0.07%TFA)の勾配においてHPLCによる分析は、16.6分の保持時間及び71%以上の純度を示した。その分子量は、ES−MSによって決定された[(M+H)理論値632.4,(M+H)経験値632.6]。
【0058】
(実施例4)
(Ac−βAla−His−Ser−His−OHを得る)
実施例4のペプチドは、実施例1のように、同様の合成の手順にしたがって、得られるが、Fmoc−L−Ser(tBu)−OH(8.43g、22mmol)をFmoc−L−Cys(Trt)−OHの代わりに第2のアミノ酸として組み入れる。合成が完了すると、樹脂は、DMF(5×1分)、DCM(4×1分)、ジエチル・エーテル(4×1分)で洗浄され、そして、真空下で乾燥された。
【0059】
ペプチドは、実施例1のように、同様の合成手順にしたがって、固体支持体から放出された(量、溶媒、過剰の量及び反応物質)。
【0060】
O(+0.1%TFA)中の0から10%のMeCN(+0.07%TFA)の勾配においてHPLCによる分析は、90%以上の純度を示し、そして、その分子量は、ES−MSによって決定された[(M+H)理論値493.22,(M+H)経験値493.2]。
【0061】
(実施例5)
(Ac−βAla−His−Ser−His−OHを含有する化粧品組成物の調整)
次の剤形は本発明で説明されるように調整された。
【0062】
油分、表面活性剤、及びカルボマーは十分に大きい反応装置に秤量された。ペプチドは、他の反応装置に秤量され、それは、水に溶解され、そして、防腐剤(Phenonip(登録商標))がそれに添加された。ペプチド溶液は、一定の強力な撹拌で、油性溶液に注がれた。添加が終わると、pHがトリエタノールアミンで6.5〜7.0に調整される。
【0063】
【表1】

【0064】
(実施例6)
(Ac−βAla−His−Cys−His−OHを含有する化粧品組成物の調整)
次の剤形は本発明で説明されるように調整された。
【0065】
油分、ワックス、シリコーン及びカルボマーは、十分に大きい反応装置に秤量された。混合物は、ワックスを溶かすために、65〜70℃に加熱される。グリセリンは、他の反応装置に秤量され、それは、水中で再懸濁され、そして、防腐剤(Phenonip(登録商標))及びトリエタノールアミンが添加された。混合物は、一定の強力な撹拌で、又は剪断力を適用する手段によって、65〜70℃に加熱された。添加が終わると、それは、遅い撹拌で冷却することができ、そして、混合物が40℃であるときに、水溶性Ac−βAla−His−Cys−His−OH溶液が添加された。クリームは、室温に冷却することができ、そして、pHは必要であればトリエタノールアミンで修正される。
【0066】
【表2】

【0067】
(実施例7)
目の下に形成された袋を持つ20人の被験者で実施された実施例5で説明された化粧品組成物の臨床研究では、組成物は、目の下に形成される袋の大きさを低減することができることを示した。被験者は、化粧品組成物を目の輪郭領域に、柔らかいマッサージで、1日に1度、2ヶ月間、適用するように支持された。コルネオメーター(Skinlab(登録商標))による皮膚の水分補給及びエラストメーターによる皮膚の弾力性の程度の客観的な計測は、時間0と、処理の開始後15、30及び60日とで実行され、そして、下側の目袋の大きさは皮膚科医によって観察もされた。
【0068】
結果の定量化は、処理の60日後に、水分補給指数の5.8%の増加を、弾力性指数の35%の増加とともに示した。フリードマン検定[クリストーニ(Cristoni) A.(2001) La significativita del risultato sperimentale. Quali test usare? Cosmetic News 130, January/February pp30−32]にしたがって、目袋の外見の皮膚科医による主観的な評価では、70%のボランティアが15日間のみで下側の目袋の低減を経験することを確認した。この割合は、処理の60日後に95%のボランティアに上がった(30%はわずかに低減、30%は目立たない低減及び35%はかなりの低減である)。
【0069】
第1の構成にしたがって、本発明は、一般式(I)
【0070】
【化2】

【0071】
のペプチド、その立体異性体、その化粧品的及び皮膚薬剤的に許容可能である塩及びそれらの混合物に関し、式中、
−Xは、システニル、セリン、トレオニル、及びアミノブチリルによって形成されるグループから選択され、
−Rは、H又はアルキル、アリール、アラルキル、及びアシル基によって形成されるグループから選択され、及び、
−Rは、アミノ、ヒドロキシ及びチオールによって形成されるグループから選択され、脂肪族又は環状基で置換又は非置換である。
【0072】
第2の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Rは、好ましくは、飽和又は不飽和、分岐又は環状、直鎖CからC24のアシルである。
【0073】
本発明の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Rは、好ましくは、アミノ又はヒドロキシであり、飽和又は不飽和、分岐又は環状、直鎖脂肪族CからC24基で置換又は非置換である。
【0074】
本発明の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Xは、好ましくは、L−セリルであり、RはHであり、また、Rはアミノであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換である。
【0075】
本発明の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Xは、好ましくは、L−セリルであり、Rはアセチルであり、また、Rはアミノであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換である。
【0076】
本発明の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Xは好ましくは、L−セリルであり、Rはパルミトイルであり、また、Rはアミノであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換である。
【0077】
本発明の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Xは、好ましくは、L−セリルであり、RはHであり、Rはヒドロキシであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換である。
【0078】
本発明の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Xは、好ましくは、L−セリルであり、Rはアセチルであり、また、Rはヒドロキシであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換である。
【0079】
本発明の重要な構成によれば、一般式(I)のペプチドにおいて、Xは、好ましくはL−セリルであり、Rはパルミトイルであり、また、Rはヒドロキシであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換である。
【0080】
他の重要な構成によれば、本発明は、一般式(I)のペプチドを固相ペプチド合成に基づいて得る処理に関する。
【0081】
他の重要な構成によれば、本発明は、一般式(I)のペプチドを、Fmoc/tブチル、Fmoc/トリチル及びFmoc/アリルによって形成されるグループから選択される保護基を使用して、得る処理に関する。
【0082】
他の重要な構成によれば、本発明は、化粧品又は皮膚薬剤組成物に関し、化粧品的又は皮膚薬剤的に有効量の少なくとも1つの一般式(I)のペプチド及び少なくとも1つの化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である賦形剤又はアジュバントを有する。
【0083】
他の重要な構成によれば、本発明は、化粧品又は皮膚薬剤組成物に関し、リポソーム、ミリカプセル、マイクロカプセル及びナノカプセル、スポンジ、ミリスフェア、マイクロスフェア、ナノスフェア、ミリ粒子、マイクロ粒子及びナノ粒子によって形成されるグループから選択される化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能であるキャリアに組み入れられる一般式(I)のペプチドを有する。
【0084】
別の重要な構成によれば、本発明は、化粧品又は皮膚薬剤組成物に関し、水中油型乳剤、油中水型乳剤、クリーム、ミルク、化粧水、ジェル、軟膏、塗布剤、美容液、ムース、香油、泡、ボディオイル、石けん、棒、鉛筆及びスプレーによって形成されるグループから選択される剤形を有する。
【0085】
他の重要な構成によれば、本発明は、化粧品又は皮膚薬剤組成物に関し、タオレット、ヒドロゲル、パッチ及びフェースマスクによって形成されるグループから選択される固体支持体に組み入れられる一般式(I)のペプチドを有する。
【0086】
他の重要な構成によれば、本発明は、化粧品又は皮膚薬剤組成物に関し、コンシーラー、化粧ファンデーション、化粧水及び化粧除去化粧水によって形成されるグループから選択される化粧製品に組み入れられる一般式(I)のペプチドを有する。
【0087】
他の重要な構成によれば、本発明は、皮膚処理用化粧品又は皮膚薬剤組成物の製造における式(I)のペプチドの使用に関する。
【0088】
他の重要な構成によれば、本発明は、顔面皮膚処理用化粧品又は皮膚薬剤組成物の製造における式(I)のペプチドの使用に関する。
【0089】
他の重要な構成によれば、本発明は、下側の目の輪郭の下に形成される袋を低減又は除去するための化粧品又は皮膚薬剤組成物の製造における式(I)のペプチドの使用に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

のペプチド、その立体異性体、それらの混合物、及びその化粧品的及び皮膚薬剤的に許容可能である塩であって、式中、
Xは、システニル、セリル、トレオニル及びアミノブチリルによって形成されるグループから選択され、
は、H又はアルキル、アリール、アラルキル及びアシル基によって形成されるグループから選択され、
及び、Rは、アミノ、ヒドロキシ及びチオールによって形成されるグループから選択され、脂肪族又は環状基で置換又は非置換であることを特徴とする。
【請求項2】
は飽和又は不飽和、分岐又は環状、直鎖CからC24アシルであることを特徴とする請求項1に記載されたペプチド。
【請求項3】
はアミノ又はヒドロキシであり、飽和又は不飽和、分岐又は環状、直鎖CからC24脂肪族基で置換又は非置換であることを特徴とする請求項1に記載されたペプチド。
【請求項4】
XはL−Serであり、RはHであり、及びRはアミノであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載されたペプチド。
【請求項5】
XはL−Serであり、Rはアセチルであり、及びRはアミノであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載されたペプチド。
【請求項6】
XはL−Serであり、Rはパルミトイルであり、及びRはアミノであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載されたペプチド。
【請求項7】
XはL−Serであり、RはHであり、及びRはヒドロキシであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載されたペプチド。
【請求項8】
XはL−Serであり、Rはアセチルであり、及びRはヒドロキシであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載されたペプチド。
【請求項9】
XはL−Serであり、Rはパルミトイルであり、及びRはヒドロキシであり、メチル又はエチル又はドデシル又はヘキサデシル基で置換又は非置換であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載されたペプチド。
【請求項10】
固相で実行されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載された一般式(I)のペプチドを得る処理。
【請求項11】
Fmoc/tブチル、Fmoc/トリチル及びFmoc/アリルによって形成されるグループから選択される保護基を使用することを特徴とする請求項10に記載された一般式(I)のペプチドを得る処理。
【請求項12】
化粧品的又は皮膚薬剤的に有効量の少なくとも1つの一般式(I)のペプチド及び少なくとも1つの化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能である賦形剤又はアジュバントを有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載された化粧品又は皮膚薬剤組成物。
【請求項13】
リポソーム、ミリカプセル、マイクロカプセル、ナノカプセル、スポンジ、ミリスフェア、マイクロスフェア、ナノスフェア、ミリ粒子、マイクロ粒子及びナノ粒子によって形成されるグループから選択される化粧品的又は皮膚薬剤的に許容可能であるキャリアに組み入れられる少なくとも1つの一般式(I)のペプチドを有することを特徴とする請求項12に記載された化粧品又は皮膚薬剤組成物。
【請求項14】
水中油型乳剤、油中水型乳剤、ミルク、化粧水、ジェル、軟膏、香油、泡、ボディオイル、石けん、棒、鉛筆、スプレー、クリーム、塗布剤、膏薬、美容液及びムースによって形成されるグループから選択される剤形を有することを特徴とする請求項12及び13のいずれか1項に記載された化粧品又は皮膚薬剤組成物。
【請求項15】
タオレット、ヒドロゲル、パッチ及びフェースマスクによって形成されるグループから選択される固体支持体に組み入れられる少なくとも1つの一般式(I)のペプチドを有することを特徴とする請求項12及び13のいずれか1項に記載された化粧品又は皮膚薬剤組成物。
【請求項16】
コンシーラー、化粧ファンデーション、化粧水、及び化粧除去化粧水によって形成されるグループから選択される化粧製品に組み入れられる少なくとも1つの一般式(I)のペプチドを有することを特徴とする請求項12及び13のいずれか1項に記載された化粧品又は皮膚薬剤組成物。
【請求項17】
皮膚処理用化粧品又は皮膚薬剤組成物の製造における請求項1から9のいずれか1項に記載された式(I)のペプチドの使用。
【請求項18】
顔面皮膚処理用化粧品又は皮膚薬剤組成物の製造における請求項17に記載された式(I)のペプチドの使用。
【請求項19】
下側の目の輪郭の下に形成される袋を低減又は除去するための化粧品又は皮膚薬剤組成物の製造における請求項17及び18のいずれか1項に記載された式(I)のペプチドの使用。

【公表番号】特表2008−515858(P2008−515858A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535186(P2007−535186)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【国際出願番号】PCT/ES2005/000514
【国際公開番号】WO2006/040374
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(506362152)
【氏名又は名称原語表記】LIPOTEC, S.A.
【住所又は居所原語表記】C/Isaac Peral, N 15, Pol. Ind. Cami Ral, E−08550 Gava (Barcelona) (ES)
【Fターム(参考)】