両開きホッパ、ホッパ、ホッパユニットおよび組合せ計量装置
【課題】処理速度を低下させることなく、物品の損傷を抑制し得るホッパを提供する。
【解決手段】物品を収容する収容空間A1を形成する内面41、42を持つ第1および第2ゲートG1,G2が互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記両ゲートG1,G2の双方が回動して開くことで物品を排出する両開きホッパ4に関する。第1ゲートG1の第1内面41のうち、上端部G1uの傾斜角θ2に比べ下端部G1dの傾斜角θ3の方が、水平面H1となす角が小さくなるように第1内面41が連続して形成されていることで、第1内面41上を滑落した物品が第2ゲートG2の第2内面42に沿って斜め上方に滑り上がることを可能としたことを特徴とする。
【解決手段】物品を収容する収容空間A1を形成する内面41、42を持つ第1および第2ゲートG1,G2が互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記両ゲートG1,G2の双方が回動して開くことで物品を排出する両開きホッパ4に関する。第1ゲートG1の第1内面41のうち、上端部G1uの傾斜角θ2に比べ下端部G1dの傾斜角θ3の方が、水平面H1となす角が小さくなるように第1内面41が連続して形成されていることで、第1内面41上を滑落した物品が第2ゲートG2の第2内面42に沿って斜め上方に滑り上がることを可能としたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組合せ計量装置の特にホッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、物品を組み合わせて目標値もしくは目標値に近い値とする組合せ計量装置が用いられている。
まず、一般的な組合せ計量装置について説明する。
図9に示すように、搬送コンベヤ100は、被計量物である物品Mを分散部2に落下させる。なお、物品Mは数個ないし多数個が集められて後に袋詰めされて商品になる。
【0003】
各供給トラフ3iは分散部2上の物品Mを、各供給トラフ3iの下流に設けられた多数のプールホッパ4iに落下させて供給する。これら各プールホッパ4iには、ゲート5iが設けられ、前記各供給トラフ3iから供給されて受け取った物品Mを一時的に収容して貯留する。前記各プールホッパ4iの下流には計量ホッパ6iが設けられている。これら各計量ホッパ6iには、前記プールホッパ4iから該計量ホッパ6iに投入された物品Mの重量を検出する重量検出器7iを備えた計量ヘッドおよびゲート8iが設けられている。ゲート8iの下方には大きな集合シュート9が設けられており、前記各重量検出器7iで検出された物品Mの計量値を組み合わせることで、物品Mを一まとめにして目標値もしくは目標値に近い値とし、下流の製袋包装機(図示せず)等に物品Mを落下させる。
【0004】
このように、前記各ホッパには、上方からの落下により物品が供給される。前記各ホッパは、組合せ計量装置の処理能力に直接関係するものであり、種々の提案がなされている。(特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】実開平4−102292号(要約)
【特許文献2】実公平5−11468号(第1図)
【特許文献3】実公平5−28236号(第2図,第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1および2のホッパは、物品が一時的に貯留される内面が直線的かつV字状に形成されているので、上方から落下した物品が前記内面に沿って滑落した後に、前記V字状の前記内面に衝突し、その衝撃により破損するおそれがある。
一方、特許文献3のホッパでは、ゲートの下面が半円形に形成され、物品が該ゲート上を滑落するが、略鉛直にゲートの間に設けられた基壁に衝突するため、物品が破損するおそれがある。
【0006】
したがって、本発明の主目的は、処理速度を低下させることなく、物品の損傷を抑制し得るホッパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の1つの態様のホッパは、物品を収容する収容空間を形成する内面を持つ第1および第2ゲートが互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記両ゲートの双方が回動して開くことで前記物品を排出する両開きホッパであって、前記第1ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記第2ゲートの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本態様によれば、第1ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さいので、第1ゲートと第2ゲートとが交差する部分の交差角が大きく緩やかになる。そのため、第1ゲートの第1内面上を滑落した物品が前記第2ゲートの第2内面に衝突することなく当該第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることにより徐々に減速されるので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
また、前記両ゲートの双方が回動して開くことで前記物品を排出するので、物品を迅速に排出することが可能であると共に、下端部の傾斜角度が小さくても物品の滞留を防止し得る。
さらに、両ゲートを開くことにより、下流の機器との干渉を避けながらゲートの開口寸法を大きくすることができるので、比較的大きい物品であってもスムースに排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本態様において、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されているのが好ましい。
この態様によれば、前記交差角が更に大きくなるから、第1内面上を落下の加速度が徐々に小さくなりながら滑落した物品が、第2内面上をスムースに滑り上がることが可能となり、更に、第2内面の上端部においてスムースに、かつ、大きく減速されるので、より一層、物品の損傷を防止することができる。
【0010】
本態様において、前記両ゲートが閉じた閉状態において、前記第2ゲートの下端よりも前記第1ゲートが突出しており、前記第1ゲートが前記第2ゲートよりも長い斜面を持つのが好ましい。
この態様によれば、第1ゲートの突出した突出部の斜面が滑り台となるので、下流の機器に対して、物品が自由落下する距離が小さくなり、より一層、物品の損傷を抑制することができる。
【0011】
本態様において、前記第2ゲートが開閉時に回転する回転角よりも前記第1ゲートが開閉時に回転する回転角の方が大きいのが好ましい。
前述のように、前記第1ゲートが前記第2ゲートよりも突出している場合、第1および第2ゲートが開くと、第2ゲートの第2内面上の物品が第1ゲートの第1内面に向って滑落した後、該第1ゲートの前記突出部の斜面上を斜め下方に向って滑落する。そのため、この態様によれば、最後に物品が滑落する第1内面を大きく回転させることにより、物品に損傷を生じることなく、物品を確実に排出して物品の滞留を防止することができる。
【0012】
前記ホッパを備えたホッパユニットは、前記ホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、前記第2ホッパは第3および第4ゲートを有し、両ゲートが開くことで物品の排出を行い、前記第3および第4ゲートの第3および第4内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さくなるように前記第3および第4内面が連続して形成されている。
【0013】
本ホッパユニットによれば、物品の落下による損傷防止を図り得ると共に、従来の片方のゲートのみが開くタイプのホッパとは異なり、ゲートを短く形成することができるので、物品の排出を高速に行うことができる。そのため、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように内面を連続して形成することで、全体的に物品の受け渡しに高速性がない不足を補うことができる。
【0014】
前記ホッパユニットを備えた組合せ計量装置は、前記ホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、前記第2ホッパの1つのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とする。
本組合せ計量装置によれば、ゲートを開いた場合の傾斜角度を集合シュートの傾斜角に合わせることで、物品が自由落下する距離を小さくすることにより、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0015】
前記目的を達成するために、本発明の他の態様のホッパは、以下に述べるように、1つのゲートのみを設けたものであってもよい。
すなわち、物品を収容する収容空間を形成する内面を持つゲートが閉じることで物品を一時的に貯留し、前記ゲートが回動して開くことで前記物品を排出するホッパであって、前記ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記ホッパの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能とする。
【0016】
本態様によれば、ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さいので、ゲートと他のゲートやホッパ本体とが交差する部分の交差角が大きく緩やかになる。そのため、ゲートの第1内面上を滑落した物品が前記他のゲートやホッパ本体の第2内面に衝突することなく当該第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることにより徐々に減速されるので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0017】
前記ホッパにおいて、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されているのが好ましい。
この場合、前記交差角が更に大きくなる。
【0018】
前記ホッパにおいて、前記ゲートが閉じた閉状態において、ホッパ本体の下端よりも前記ゲートが突出しており、前記ゲートが前記ホッパ本体よりも長い斜面を持つのが好ましい。この場合、ゲートの突出した突出部が滑り台となる。
本態様の別の好ましい例では、ホッパ本体を前記ゲートが開く方向とは逆の方向に回転させることで、前記第2内面と水平面となす角が大きくなるようにする。この態様によれば、第2内面から水平面となす角が大きくなるので、物品が第2内面から滑落し易くなる。
【0019】
前記ホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、前記第2ホッパは別のゲートを有し、当該別のゲートが開くことで物品の排出を行うように配置してもよい。
この場合、物品の落下による損傷防止を図り得る。
【0020】
前記ホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、前記第2ホッパのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とするものであってもよい。。
この場合、物品が集合シュートに向って自由落下する距離が小さくなる。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1〜図9は実施例1を示す。
以下の説明では、前述の一般的な組合せ計量装置に近似した部分に同一の符号を付し、図1のように、一組の供給トラフ3、プールホッパ4および計量ホッパ6を例示して説明する。すなわち、供給トラフ3、プールホッパ4および計量ホッパ6は、それぞれ、N個設けられているが、そのうちの一組のみを図示して説明する。
【0022】
図1に示すように、分散部2の下流には、複数組の供給トラフ3、プールホッパ4(第1ホッパの一例)および計量ホッパ6(第2ホッパの一例)が設けられており、計量ホッパ6の下流には集合シュート9が設けられている。
【0023】
図2に示すように、プールホッパ4および計量ホッパ6は、第1および第2ブラケット10,20を介して組合せ計量装置1の本体にそれぞれ設けられている。
【0024】
プールホッパ4:
プールホッパ4は、第1ホッパ本体40、第1ゲートG1および第2ゲートG2を有している。前記第1ホッパ本体40は、第1固定部40aおよび第1ブラケット10を介して組合せ計量装置1の本体に固定される。
プールホッパ4は、第1および第2ゲートG1,G2が互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記第1および第2ゲートG1,G2の双方が回動して開くことで前記物品を排出する両開きホッパである。
【0025】
第1および第2ゲートG1,G2:
第1ゲートG1および第2ゲートG2は、以下に述べるリンク機構を介して、図示しない駆動装置により開閉駆動される。
【0026】
第1ゲートG1の開閉機構;
前記組合せ計量装置1の本体には、前記駆動装置により第1駆動中心M1を中心に回動される第1駆動アーム11が設けられている。前記第1駆動アーム11の端部には摺動溝11aが形成されており、前記摺動溝11aには第1リンク12の端部に形成されたスライダ12aが摺動自在に設けられている。前記第1リンク12は第1定点P1を中心に回動自在に設けられており、該第1リンク12には第1ゲートG1の上端部が固定されている。
図2における閉状態から、第1駆動アーム11が第1駆動中心M1を中心に矢印D1方向に回動すると、第1リンク12が第1定点P1を中心に矢印D2方向に回動し、該第1リンク12に固定された第1ゲートG1が、図5および図6に示すように開く。
【0027】
第2ゲートG2の開閉機構;
図2に示す前記第1リンク12の他端部には、第1連結リンク13を介して第2リンク14の一端部が接続されていてる。第2リンク14は第2定点P2を中心に回動可能に設けられており、該第2リンク14の他端部には第2ゲートG2が固定されている。
したがって、図2に示す閉状態から、前記第1リンク12が第1定点P1を中心に回動すると、第1ゲートG1が開くと共に、第1連結リンク13を介して第2リンク14が第2定点P2を中心に矢印D3方向に回動し、第2ゲートG2が、図5および図6に示すように開く。
【0028】
第1収容空間A1(図3):
図3に示す閉状態において、前記プールホッパ4内には、物品を収容する第1収容空間A1が形成されている。前記第1ゲートG1および第2ゲートG2は、前記第1収容空間A1の下部を構成する第1および第2内面41,42を有している。
前記第1ゲートG1は、前記閉状態において第2ゲートG2の下端よりも突出した突出部G1aが形成されている。これにより、第1ゲートG1は第2ゲートG2よりも長い斜面を有している。
【0029】
前記第1ホッパ本体40の供給トラフ3(図1)側の第1傾斜面S1は、水平面H1となす角度が第1傾斜角θ1に設定されている。
図3に示す閉状態において、前記第1ゲートG1の第1内面41のうち、上端部G1uの第2傾斜面S2の第2傾斜角θ2に比べ、下端部G1dの第3傾斜面S3の第3傾斜角θ3の方が、水平面H1となす角が小さくなるように第1内面41が屈曲して形成されている。一方、前記第2傾斜角θ2は、前記第1傾斜角θ1よりも小さく設定されている。
したがって、第1ゲートG1側の第1収容空間A1の内面は、第1傾斜面S1、第2傾斜面S2、第3傾斜面S3の順に、水平面H1に対する傾斜角θ1,θ2,θ3が小さくなるように設定されている。
【0030】
一方、第2ゲートG2の第2内面42のうち、下端部G2dの第4傾斜面S4の第4傾斜角θ4に比べ上端部G2uの第5傾斜面S5の第5傾斜角θ5の方が、水平面H1となす角が大きくなるように該第2内面42が屈曲して形成されている。
したがって、第2ゲートG2は、第4傾斜面S4、第5傾斜面S5の順に水平面H1に対する傾斜角θ4,θ5が大きくなるように設定されている。
よって、物品が滑落する第1ホッパ本体40の第1傾斜面S1、第1内面41および第2内面42は、略U字状に形成されており、第1ゲートG1と第2ゲートG2とが互いに近接ないし当接する交点O1において両ゲートG1,G2のなす交差角α1が大きくなる。
【0031】
貯留時における物品の動き:
図4の矢印で示すように、供給トラフ3(図1)から落下供給された物品Mは、第1〜第3傾斜面S1〜S3上を落下の加速度が徐々に小さくなりながら滑落した後、第4および第5傾斜面S4,S5上を滑り上がることでスムースに減速される。その後、図4の破線の矢印で示すように、該第4および第5傾斜面S4,S5上を物品Mが折り返し逆方向に若干滑落して停止し、第1収容空間A1内に貯留される。
【0032】
このように、物品Mの滑落するプールホッパ4の第1収容空間A1が、略U字状に連続的に形成されているので、たとえば、ラビオリや春巻きなどの冷凍食品など、欠けや割れが生じ易く、かつ、比較的重い物品の供給時には、当該物品がプールホッパ4内において徐々に減速されて停止するので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0033】
プールホッパ4の動作:
前記第1および第2ゲートG1,G2が、図4に示す閉状態から、図5に示すように、開き始めると、第2ゲートG2上の物品Mが第1ゲートG1上に落下すると共に、第1ゲートG1上の物品Mが突出部G1aの斜面上を滑落し、計量ホッパ6の側壁面S6上に落下する。その後、図6に示す全開状態に至るまで第1および第2ゲートG1,G2がそれぞれ開き、プールホッパ4から計量ホッパ6内への物品Mの排出が行われる。
前記排出後、第1および第2ゲートG1,G2が逆方向に回動し、図3の閉状態に復帰し、供給トラフ3からの新たな物品の供給に備える。
【0034】
このように、プールホッパ4の第1収容空間A1内の物品が第1ゲートG1の突出部G1aの斜面から計量ホッパ6に落下するので、前記突出部G1aの斜面が滑り台となり、物品Mが自由落下する距離が小さくなるから、落下により物品に加わる衝撃力が小さくなり、物品の損傷を可及的に防止することができる。なお、第2ゲートG2上の物品を第1ゲートG1上に落下させるために、第2ゲートG2を第1ゲートG1よりも早く開くように設定するのが好ましい。
また、第1および第2ゲートG1,G2を両開きとすることにより、物品の排出時間が早くなるので、サイクルタイムも差程長くならない(処理能力が差程低下しない)。
【0035】
ここで、図6に示すように、第1ゲートG1の回転角θaは、第2ゲートG2の回転角θbよりも大きい。このように、最後に物品Mが滑落する第1ゲートG1を大きく回転させることにより、物品Mを確実に排出することができると共に、第3傾斜面S3の第3傾斜角θ3が小さいにも拘わらず、比較的大きな物品Mであっても第1ゲートG1に残留することなく確実に排出することができる。
【0036】
計量ホッパ6:
図2に示すように、計量ホッパ6は、第2ホッパ本体60,第3ゲートG3および第4ゲートG4を有している。前記第2ホッパ本体60は、第2固定部60aおよび第2ブラケット20を介して組合せ計量装置1の本体に設けられた重量検出器7i(図9参照)に支持されている。
計量ホッパ6は、第3および第4ゲートG3,G4が互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記第3および第4ゲートG3,G4の双方が回動して開くことで、前記物品を排出する両開きホッパである。
【0037】
第3および第4ゲートG3,G4:
第3ゲートG3および第4ゲートG4は、前述したプールホッパ4と同様に、以下に述べるリンク機構を介して、図示しない他の駆動装置により開閉駆動される。
【0038】
第3ゲートG3の開閉機構;
前記組合せ計量装置1の本体には、前記他の駆動装置により第2駆動中心M2を中心に回動される第2駆動アーム21が設けられている。前記第2駆動アーム21の端部には摺動溝21aが形成されており、前記摺動溝21aには第3リンク22の端部に形成されたスライダ22aが摺動自在に設けられている。前記第3リンク22は第3定点P3を中心に回動自在に設けられており、該第3リンク22には第3ゲートG3の上端部が固定されている。
図2における閉状態から、第2駆動アーム21が第2駆動中心M2を中心に矢印D3方向に回動すると、第3リンク22が第3定点P3を中心に矢印D5方向に回動し、該第3リンク22に固定された第3ゲートG3が、図7および図8に示すように開く。
【0039】
第4ゲートG4の開閉機構;
図2に示す前記第3リンク22の他端部には、第2連結リンク23を介して第4リンク24の端部が接続されている。第4リンク24は第4定点P4を中心に回動可能に設けられており、該第4リンク24の他端部には第4ゲートG4が固定されている。
したがって、図2に示す閉状態から、前記第3リンク22が第3定点P3を中心に回動すると、第3ゲートG3が開くと共に、第2連結リンク23を介して第4リンク24が第4定点P4を中心に矢印D6方向に回動し、第4ゲートG4が、図7および図8に示すように開く。
【0040】
図8に示す全開状態では、第4ゲートG4の水平面H3となす傾斜角度θeと、集合シュート9の水平面H3となす傾斜角度θfとが略同じになるように設定されている。
【0041】
第2収容空間A2(図3):
図3の全開状態において、前記計量ホッパ6内には、物品を収容する第2収容空間A2が形成されている。前記第3ゲートG3および第4ゲートG4は、前記第2収容空間A2の下部を構成する第3および第4内面63,64を有している。
【0042】
前記第2ホッパ本体60の前記第1ゲートG1の突出部G1a側から物品Mを受け取る第6傾斜面(側壁面)S6は、水平面H2となす角度が第6傾斜角θ6に設定されている。
前記第4ゲートG4の第4内面64のうち、上端部G4uの第7傾斜面S7の第7傾斜角θ7に比べ、下端部G4dの第8傾斜面S8の第8傾斜角θ8の方が、水平面H2となす角が小さくなるように第4内面64が屈曲して形成されている。一方、前記第7傾斜角θ7は、前記第6傾斜角θ6よりも小さく設定されている。
したがって、第4ゲートG4側の第2収容空間A2の内面は、第6傾斜面S6、第7傾斜面S7、第8傾斜面S8の順に、水平面H2に対する傾斜角θ6,θ7,θ8が小さくなるように設定されている。
【0043】
一方、第3ゲートG3の第3内面63のうち、下端部G3dの第9傾斜面S9の第9傾斜角θ9に比べ上端部G3uの第10傾斜面S10の第10傾斜角θ10の方が、水平面H2となす角が大きくなるように該第3内面63が屈曲して形成されている。
したがって、計量ホッパ6は、第2ホッパ本体60の第6傾斜面S6、第4内面64および3内面63により、略U字状に形成されている。
【0044】
貯留時における物品の動き:
図5の矢印で示すように、前記プールホッパ4の第1ゲートG1の突出部G1aの斜面に沿って排出された物品Mは、計量ホッパ6の第6傾斜面S6上に落下し、第6傾斜面S6上を滑落する。第2収容空間A2の内面は、前記略U字状に形成されているので、第6傾斜面S6を滑落した物品Mは、第7および第8傾斜面S7,8上を滑落することで徐々に加速度が小さくなり、更に、第9および第10傾斜面S9,S10上を滑り上がることでスムースに減速される。その後、図5の破線の矢印で示すように、該第9および第10傾斜面S9,S10上を物品Mが折り返し逆方向に若干滑落して停止し、第2収容空間A2内に貯留される。
【0045】
計量ホッパ6の動作:
組合せ計量の方法としては、前述の一般的な組合せ計量装置と同様な方法でなされる。
すなわち、計量ホッパ6に貯留された物品Mの重量は、前記重量検出器7i(図9)で計量され、他の計量ホッパ6に貯留された物品の計量値と共に組合せに参加し、前記各計量値が組み合わされ、目標値もしくは目標値に近い値が算出される。前記組合せに当該計量ホッパ6が該当する場合には、計量ホッパ6から、以下のように物品Mの排出が行われる。
【0046】
第3および第4ゲートG3,G4が、図6に示す閉状態から、図7に示すように、開き始めると、矢印で示すように、第3および第4ゲートG3,G4上の物品Mが集合シュート9の側壁面からなる第11傾斜面S11上に落下し始める。第3および第4ゲートG3,G4は、図8に示す全開状態まで開き、集合シュート9の第11傾斜面S11に落下した物品Mは、下流の機器に集合排出される。
前記全開後、第3および第4ゲートG3,G4が逆方向に回動し、図3の閉状態に復帰し、プールホッパ4からの新たな物品の排出に備える。
【0047】
ここで、前述のように、第3および第4ゲートG3,G4が全開状態の場合には、図8の第4ゲートG4の傾斜角度θeと、集合シュート9の傾斜角度θfとが略同じになるように設定されているので、第4ゲートG4が集合シュート9の第11傾斜面S11に接近し、物品Mが滑らかに滑落するので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
また、第3および第4ゲートG3,G4を両開きにすることにより、該第3および第4ゲートG3,G4の長さを短くすることができるので、物品Mを高速に排出することができる。
さらに、図8に示すように、第3ゲートG3の回転角θcは、第4ゲートG4の回転角θdよりも大きく設定されている。そのため、第4ゲートG4が集合シュート9に接触することなく、第3および第4ゲートG3,G4の開口寸法を大きくすることができるので、計量ホッパ6内の物品Mを早く、かつ、確実に排出することができると共に、比較的大きな物品Mの計量が可能となる。
【0048】
また、前記プールホッパ4および計量ホッパ6を上下に組み合わせることにより、物品が自由落下する距離を可及的に小さくすることができるので、物品に対する衝撃が小さくなり、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0049】
なお、図10に示すように、第1ゲートG1の下端部G1dを下方に向って屈曲して設けてもよい。
【0050】
また、前記各ゲートG1〜G4の内面を滑らかな曲線に沿って湾曲した形状としてもよい。
さらに、第2ゲートG2は必ずしも屈曲ないし湾曲して形成されている必要はない。
また、第3ゲートG3を長くすると共に、第4ゲートG4を短く設定してもよい。
【実施例2】
【0051】
図11および図12は実施例2を示す。
図11に示すように、本実施例2のプールホッパ4には、1つのゲートG1が設けられている。
一方、プールホッパ4の第1ホッパ本体40の下部4Dは、前記ゲートG1に近接ないし当接する交点O1まで延長して形成されている。
よって、物品が滑落する第1ホッパ本体40の第1傾斜面S1、第1内面41および第2内面42は、略U字状に形成されており、ゲートG1と第1ホッパ本体40の下部4Dとが互いに近接ないし当接する交点O1においてゲートG1と第1ホッパ本体40の下部4Dのなす交差角α1が大きくなるように設定されている。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0052】
プールホッパ4の動作:
前記ゲートG1が図11に示す閉状態から、図12に示すように、開き始めると、第1ホッパ本体40の下部4D上の物品MがゲートG1上に落下すると共に、ゲートG1上の物品Mが突出部G1aの斜面上を滑落し、計量ホッパ6の側壁面S6上に落下する。
その後、図12に示す全開状態に至までゲートG1が開き、プールホッパ4から計量ホッパ6内への物品Mの排出が行われる。ここで、第4傾斜面S4の第4傾斜角θ4が小さいが、冷凍食品のような滑り易い物品の場合には、第4傾斜角θ4が小さくても、物品が滑落する。万一、物品が滑落しなくても、プールホッパ40として採用しているので、計量誤差が生じるなどの問題がなく、しかも、後にプールホッパ40に供給された物品と共に、計量ホッパ60に滑落し得る。
前記排出後、ゲートG1が逆方向に回動し、図11の閉状態に復帰し、供給トラフ3からの新たな物品の供給に備える。
【0053】
ここで、たとえば、ゲートG1の開放だけでは落下しにくい物品Mの場合には、プールホッパ4全体を図12および図13の矢印で示す外方向(ゲートG1の回動方向とは反対の方向)F1に回動させてもよい。これにより、図13に示すように、第2内面42の第4傾斜面S4および第5傾斜面S5W 水平面H1となす角が大きくなる。そのため、物品が第2内面42上に残留するのを防止し得る。
プールホッパ4全体の回動の中心は、ホッパ内の点P1でもよいしホッパ外の点を中心として回動してもよい。
プールホッパ4全体の回動タイミングとしては、ゲートG1が開き始めると同時に回動を開始してもよいし、ゲートG1が開き始めた後に回動を開始するようにしてもよい。
前記プールホッパ4全体の回動方法としては、種々の方法が考えられるが、たとえば、ブラケット10が傾くことにより、プールホッパ4を回動させるのが好ましい。
【0054】
なお、計量ホッパ6においても、1つの開閉するゲートを用いて物品Mの収容および排出を行うようにしてもよい。また、計量ホッパ6全体を外方向に回動させるようにしてもよい。
【0055】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記ホッパないしホッパユニットは、必ずしも円形に配列される必要はなく、たとえば、直線状に配列した組合せ計量装置に設けてもよい。
また、前述の実施形態では、プールホッパと計量ホッパを備えた組合せ計量装置について説明したが、たとえば、プールホッパを設けていない計量装置や、プールホッパ、計量ホッパおよびブースタホッパを備えた装置についても本発明を適用することができる。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は組合せ計量装置のホッパに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1にかかるホッパユニット付近を示す概略断面図である。
【図2】同ホッパユニットを示す概略側面図である。
【図3】同ホッパユニットを示す概略断面図である。
【図4】プールホッパにおける物品の貯留方法を示す概略断面図である。
【図5】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【図6】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【図7】計量ホッパの動作を示す概略断面図である。
【図8】計量ホッパの動作を示す概略断面図である。
【図9】一般的な組合せ計量装置を模式的に示す概略側面図である。
【図10】変形例を示す概略断面図である。
【図11】本発明の実施例2にかかるホッパユニットを示す概略断面図である。
【図12】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【図13】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1:組合せ計量装置
4:プールホッパ(第1ホッパ)
41:第1内面
42:第2内面
6:計量ホッパ(第2ホッパ)
63:第3内面
64:第4内面
9:集合シュート
A1:第1収容空間
A2:第2収容空間
G1:第1ゲート
G2:第2ゲート
G3:第3ゲート
G4:第4ゲート
H1〜H3:水平面
S6:第6傾斜面(第2ホッパの側壁面)
θ1〜θ11:傾斜角
【技術分野】
【0001】
本発明は組合せ計量装置の特にホッパに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、物品を組み合わせて目標値もしくは目標値に近い値とする組合せ計量装置が用いられている。
まず、一般的な組合せ計量装置について説明する。
図9に示すように、搬送コンベヤ100は、被計量物である物品Mを分散部2に落下させる。なお、物品Mは数個ないし多数個が集められて後に袋詰めされて商品になる。
【0003】
各供給トラフ3iは分散部2上の物品Mを、各供給トラフ3iの下流に設けられた多数のプールホッパ4iに落下させて供給する。これら各プールホッパ4iには、ゲート5iが設けられ、前記各供給トラフ3iから供給されて受け取った物品Mを一時的に収容して貯留する。前記各プールホッパ4iの下流には計量ホッパ6iが設けられている。これら各計量ホッパ6iには、前記プールホッパ4iから該計量ホッパ6iに投入された物品Mの重量を検出する重量検出器7iを備えた計量ヘッドおよびゲート8iが設けられている。ゲート8iの下方には大きな集合シュート9が設けられており、前記各重量検出器7iで検出された物品Mの計量値を組み合わせることで、物品Mを一まとめにして目標値もしくは目標値に近い値とし、下流の製袋包装機(図示せず)等に物品Mを落下させる。
【0004】
このように、前記各ホッパには、上方からの落下により物品が供給される。前記各ホッパは、組合せ計量装置の処理能力に直接関係するものであり、種々の提案がなされている。(特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】実開平4−102292号(要約)
【特許文献2】実公平5−11468号(第1図)
【特許文献3】実公平5−28236号(第2図,第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1および2のホッパは、物品が一時的に貯留される内面が直線的かつV字状に形成されているので、上方から落下した物品が前記内面に沿って滑落した後に、前記V字状の前記内面に衝突し、その衝撃により破損するおそれがある。
一方、特許文献3のホッパでは、ゲートの下面が半円形に形成され、物品が該ゲート上を滑落するが、略鉛直にゲートの間に設けられた基壁に衝突するため、物品が破損するおそれがある。
【0006】
したがって、本発明の主目的は、処理速度を低下させることなく、物品の損傷を抑制し得るホッパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の1つの態様のホッパは、物品を収容する収容空間を形成する内面を持つ第1および第2ゲートが互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記両ゲートの双方が回動して開くことで前記物品を排出する両開きホッパであって、前記第1ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記第2ゲートの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本態様によれば、第1ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さいので、第1ゲートと第2ゲートとが交差する部分の交差角が大きく緩やかになる。そのため、第1ゲートの第1内面上を滑落した物品が前記第2ゲートの第2内面に衝突することなく当該第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることにより徐々に減速されるので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
また、前記両ゲートの双方が回動して開くことで前記物品を排出するので、物品を迅速に排出することが可能であると共に、下端部の傾斜角度が小さくても物品の滞留を防止し得る。
さらに、両ゲートを開くことにより、下流の機器との干渉を避けながらゲートの開口寸法を大きくすることができるので、比較的大きい物品であってもスムースに排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本態様において、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されているのが好ましい。
この態様によれば、前記交差角が更に大きくなるから、第1内面上を落下の加速度が徐々に小さくなりながら滑落した物品が、第2内面上をスムースに滑り上がることが可能となり、更に、第2内面の上端部においてスムースに、かつ、大きく減速されるので、より一層、物品の損傷を防止することができる。
【0010】
本態様において、前記両ゲートが閉じた閉状態において、前記第2ゲートの下端よりも前記第1ゲートが突出しており、前記第1ゲートが前記第2ゲートよりも長い斜面を持つのが好ましい。
この態様によれば、第1ゲートの突出した突出部の斜面が滑り台となるので、下流の機器に対して、物品が自由落下する距離が小さくなり、より一層、物品の損傷を抑制することができる。
【0011】
本態様において、前記第2ゲートが開閉時に回転する回転角よりも前記第1ゲートが開閉時に回転する回転角の方が大きいのが好ましい。
前述のように、前記第1ゲートが前記第2ゲートよりも突出している場合、第1および第2ゲートが開くと、第2ゲートの第2内面上の物品が第1ゲートの第1内面に向って滑落した後、該第1ゲートの前記突出部の斜面上を斜め下方に向って滑落する。そのため、この態様によれば、最後に物品が滑落する第1内面を大きく回転させることにより、物品に損傷を生じることなく、物品を確実に排出して物品の滞留を防止することができる。
【0012】
前記ホッパを備えたホッパユニットは、前記ホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、前記第2ホッパは第3および第4ゲートを有し、両ゲートが開くことで物品の排出を行い、前記第3および第4ゲートの第3および第4内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さくなるように前記第3および第4内面が連続して形成されている。
【0013】
本ホッパユニットによれば、物品の落下による損傷防止を図り得ると共に、従来の片方のゲートのみが開くタイプのホッパとは異なり、ゲートを短く形成することができるので、物品の排出を高速に行うことができる。そのため、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように内面を連続して形成することで、全体的に物品の受け渡しに高速性がない不足を補うことができる。
【0014】
前記ホッパユニットを備えた組合せ計量装置は、前記ホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、前記第2ホッパの1つのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とする。
本組合せ計量装置によれば、ゲートを開いた場合の傾斜角度を集合シュートの傾斜角に合わせることで、物品が自由落下する距離を小さくすることにより、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0015】
前記目的を達成するために、本発明の他の態様のホッパは、以下に述べるように、1つのゲートのみを設けたものであってもよい。
すなわち、物品を収容する収容空間を形成する内面を持つゲートが閉じることで物品を一時的に貯留し、前記ゲートが回動して開くことで前記物品を排出するホッパであって、前記ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記ホッパの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能とする。
【0016】
本態様によれば、ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さいので、ゲートと他のゲートやホッパ本体とが交差する部分の交差角が大きく緩やかになる。そのため、ゲートの第1内面上を滑落した物品が前記他のゲートやホッパ本体の第2内面に衝突することなく当該第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることにより徐々に減速されるので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0017】
前記ホッパにおいて、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されているのが好ましい。
この場合、前記交差角が更に大きくなる。
【0018】
前記ホッパにおいて、前記ゲートが閉じた閉状態において、ホッパ本体の下端よりも前記ゲートが突出しており、前記ゲートが前記ホッパ本体よりも長い斜面を持つのが好ましい。この場合、ゲートの突出した突出部が滑り台となる。
本態様の別の好ましい例では、ホッパ本体を前記ゲートが開く方向とは逆の方向に回転させることで、前記第2内面と水平面となす角が大きくなるようにする。この態様によれば、第2内面から水平面となす角が大きくなるので、物品が第2内面から滑落し易くなる。
【0019】
前記ホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、前記第2ホッパは別のゲートを有し、当該別のゲートが開くことで物品の排出を行うように配置してもよい。
この場合、物品の落下による損傷防止を図り得る。
【0020】
前記ホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、前記第2ホッパのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とするものであってもよい。。
この場合、物品が集合シュートに向って自由落下する距離が小さくなる。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1〜図9は実施例1を示す。
以下の説明では、前述の一般的な組合せ計量装置に近似した部分に同一の符号を付し、図1のように、一組の供給トラフ3、プールホッパ4および計量ホッパ6を例示して説明する。すなわち、供給トラフ3、プールホッパ4および計量ホッパ6は、それぞれ、N個設けられているが、そのうちの一組のみを図示して説明する。
【0022】
図1に示すように、分散部2の下流には、複数組の供給トラフ3、プールホッパ4(第1ホッパの一例)および計量ホッパ6(第2ホッパの一例)が設けられており、計量ホッパ6の下流には集合シュート9が設けられている。
【0023】
図2に示すように、プールホッパ4および計量ホッパ6は、第1および第2ブラケット10,20を介して組合せ計量装置1の本体にそれぞれ設けられている。
【0024】
プールホッパ4:
プールホッパ4は、第1ホッパ本体40、第1ゲートG1および第2ゲートG2を有している。前記第1ホッパ本体40は、第1固定部40aおよび第1ブラケット10を介して組合せ計量装置1の本体に固定される。
プールホッパ4は、第1および第2ゲートG1,G2が互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記第1および第2ゲートG1,G2の双方が回動して開くことで前記物品を排出する両開きホッパである。
【0025】
第1および第2ゲートG1,G2:
第1ゲートG1および第2ゲートG2は、以下に述べるリンク機構を介して、図示しない駆動装置により開閉駆動される。
【0026】
第1ゲートG1の開閉機構;
前記組合せ計量装置1の本体には、前記駆動装置により第1駆動中心M1を中心に回動される第1駆動アーム11が設けられている。前記第1駆動アーム11の端部には摺動溝11aが形成されており、前記摺動溝11aには第1リンク12の端部に形成されたスライダ12aが摺動自在に設けられている。前記第1リンク12は第1定点P1を中心に回動自在に設けられており、該第1リンク12には第1ゲートG1の上端部が固定されている。
図2における閉状態から、第1駆動アーム11が第1駆動中心M1を中心に矢印D1方向に回動すると、第1リンク12が第1定点P1を中心に矢印D2方向に回動し、該第1リンク12に固定された第1ゲートG1が、図5および図6に示すように開く。
【0027】
第2ゲートG2の開閉機構;
図2に示す前記第1リンク12の他端部には、第1連結リンク13を介して第2リンク14の一端部が接続されていてる。第2リンク14は第2定点P2を中心に回動可能に設けられており、該第2リンク14の他端部には第2ゲートG2が固定されている。
したがって、図2に示す閉状態から、前記第1リンク12が第1定点P1を中心に回動すると、第1ゲートG1が開くと共に、第1連結リンク13を介して第2リンク14が第2定点P2を中心に矢印D3方向に回動し、第2ゲートG2が、図5および図6に示すように開く。
【0028】
第1収容空間A1(図3):
図3に示す閉状態において、前記プールホッパ4内には、物品を収容する第1収容空間A1が形成されている。前記第1ゲートG1および第2ゲートG2は、前記第1収容空間A1の下部を構成する第1および第2内面41,42を有している。
前記第1ゲートG1は、前記閉状態において第2ゲートG2の下端よりも突出した突出部G1aが形成されている。これにより、第1ゲートG1は第2ゲートG2よりも長い斜面を有している。
【0029】
前記第1ホッパ本体40の供給トラフ3(図1)側の第1傾斜面S1は、水平面H1となす角度が第1傾斜角θ1に設定されている。
図3に示す閉状態において、前記第1ゲートG1の第1内面41のうち、上端部G1uの第2傾斜面S2の第2傾斜角θ2に比べ、下端部G1dの第3傾斜面S3の第3傾斜角θ3の方が、水平面H1となす角が小さくなるように第1内面41が屈曲して形成されている。一方、前記第2傾斜角θ2は、前記第1傾斜角θ1よりも小さく設定されている。
したがって、第1ゲートG1側の第1収容空間A1の内面は、第1傾斜面S1、第2傾斜面S2、第3傾斜面S3の順に、水平面H1に対する傾斜角θ1,θ2,θ3が小さくなるように設定されている。
【0030】
一方、第2ゲートG2の第2内面42のうち、下端部G2dの第4傾斜面S4の第4傾斜角θ4に比べ上端部G2uの第5傾斜面S5の第5傾斜角θ5の方が、水平面H1となす角が大きくなるように該第2内面42が屈曲して形成されている。
したがって、第2ゲートG2は、第4傾斜面S4、第5傾斜面S5の順に水平面H1に対する傾斜角θ4,θ5が大きくなるように設定されている。
よって、物品が滑落する第1ホッパ本体40の第1傾斜面S1、第1内面41および第2内面42は、略U字状に形成されており、第1ゲートG1と第2ゲートG2とが互いに近接ないし当接する交点O1において両ゲートG1,G2のなす交差角α1が大きくなる。
【0031】
貯留時における物品の動き:
図4の矢印で示すように、供給トラフ3(図1)から落下供給された物品Mは、第1〜第3傾斜面S1〜S3上を落下の加速度が徐々に小さくなりながら滑落した後、第4および第5傾斜面S4,S5上を滑り上がることでスムースに減速される。その後、図4の破線の矢印で示すように、該第4および第5傾斜面S4,S5上を物品Mが折り返し逆方向に若干滑落して停止し、第1収容空間A1内に貯留される。
【0032】
このように、物品Mの滑落するプールホッパ4の第1収容空間A1が、略U字状に連続的に形成されているので、たとえば、ラビオリや春巻きなどの冷凍食品など、欠けや割れが生じ易く、かつ、比較的重い物品の供給時には、当該物品がプールホッパ4内において徐々に減速されて停止するので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0033】
プールホッパ4の動作:
前記第1および第2ゲートG1,G2が、図4に示す閉状態から、図5に示すように、開き始めると、第2ゲートG2上の物品Mが第1ゲートG1上に落下すると共に、第1ゲートG1上の物品Mが突出部G1aの斜面上を滑落し、計量ホッパ6の側壁面S6上に落下する。その後、図6に示す全開状態に至るまで第1および第2ゲートG1,G2がそれぞれ開き、プールホッパ4から計量ホッパ6内への物品Mの排出が行われる。
前記排出後、第1および第2ゲートG1,G2が逆方向に回動し、図3の閉状態に復帰し、供給トラフ3からの新たな物品の供給に備える。
【0034】
このように、プールホッパ4の第1収容空間A1内の物品が第1ゲートG1の突出部G1aの斜面から計量ホッパ6に落下するので、前記突出部G1aの斜面が滑り台となり、物品Mが自由落下する距離が小さくなるから、落下により物品に加わる衝撃力が小さくなり、物品の損傷を可及的に防止することができる。なお、第2ゲートG2上の物品を第1ゲートG1上に落下させるために、第2ゲートG2を第1ゲートG1よりも早く開くように設定するのが好ましい。
また、第1および第2ゲートG1,G2を両開きとすることにより、物品の排出時間が早くなるので、サイクルタイムも差程長くならない(処理能力が差程低下しない)。
【0035】
ここで、図6に示すように、第1ゲートG1の回転角θaは、第2ゲートG2の回転角θbよりも大きい。このように、最後に物品Mが滑落する第1ゲートG1を大きく回転させることにより、物品Mを確実に排出することができると共に、第3傾斜面S3の第3傾斜角θ3が小さいにも拘わらず、比較的大きな物品Mであっても第1ゲートG1に残留することなく確実に排出することができる。
【0036】
計量ホッパ6:
図2に示すように、計量ホッパ6は、第2ホッパ本体60,第3ゲートG3および第4ゲートG4を有している。前記第2ホッパ本体60は、第2固定部60aおよび第2ブラケット20を介して組合せ計量装置1の本体に設けられた重量検出器7i(図9参照)に支持されている。
計量ホッパ6は、第3および第4ゲートG3,G4が互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記第3および第4ゲートG3,G4の双方が回動して開くことで、前記物品を排出する両開きホッパである。
【0037】
第3および第4ゲートG3,G4:
第3ゲートG3および第4ゲートG4は、前述したプールホッパ4と同様に、以下に述べるリンク機構を介して、図示しない他の駆動装置により開閉駆動される。
【0038】
第3ゲートG3の開閉機構;
前記組合せ計量装置1の本体には、前記他の駆動装置により第2駆動中心M2を中心に回動される第2駆動アーム21が設けられている。前記第2駆動アーム21の端部には摺動溝21aが形成されており、前記摺動溝21aには第3リンク22の端部に形成されたスライダ22aが摺動自在に設けられている。前記第3リンク22は第3定点P3を中心に回動自在に設けられており、該第3リンク22には第3ゲートG3の上端部が固定されている。
図2における閉状態から、第2駆動アーム21が第2駆動中心M2を中心に矢印D3方向に回動すると、第3リンク22が第3定点P3を中心に矢印D5方向に回動し、該第3リンク22に固定された第3ゲートG3が、図7および図8に示すように開く。
【0039】
第4ゲートG4の開閉機構;
図2に示す前記第3リンク22の他端部には、第2連結リンク23を介して第4リンク24の端部が接続されている。第4リンク24は第4定点P4を中心に回動可能に設けられており、該第4リンク24の他端部には第4ゲートG4が固定されている。
したがって、図2に示す閉状態から、前記第3リンク22が第3定点P3を中心に回動すると、第3ゲートG3が開くと共に、第2連結リンク23を介して第4リンク24が第4定点P4を中心に矢印D6方向に回動し、第4ゲートG4が、図7および図8に示すように開く。
【0040】
図8に示す全開状態では、第4ゲートG4の水平面H3となす傾斜角度θeと、集合シュート9の水平面H3となす傾斜角度θfとが略同じになるように設定されている。
【0041】
第2収容空間A2(図3):
図3の全開状態において、前記計量ホッパ6内には、物品を収容する第2収容空間A2が形成されている。前記第3ゲートG3および第4ゲートG4は、前記第2収容空間A2の下部を構成する第3および第4内面63,64を有している。
【0042】
前記第2ホッパ本体60の前記第1ゲートG1の突出部G1a側から物品Mを受け取る第6傾斜面(側壁面)S6は、水平面H2となす角度が第6傾斜角θ6に設定されている。
前記第4ゲートG4の第4内面64のうち、上端部G4uの第7傾斜面S7の第7傾斜角θ7に比べ、下端部G4dの第8傾斜面S8の第8傾斜角θ8の方が、水平面H2となす角が小さくなるように第4内面64が屈曲して形成されている。一方、前記第7傾斜角θ7は、前記第6傾斜角θ6よりも小さく設定されている。
したがって、第4ゲートG4側の第2収容空間A2の内面は、第6傾斜面S6、第7傾斜面S7、第8傾斜面S8の順に、水平面H2に対する傾斜角θ6,θ7,θ8が小さくなるように設定されている。
【0043】
一方、第3ゲートG3の第3内面63のうち、下端部G3dの第9傾斜面S9の第9傾斜角θ9に比べ上端部G3uの第10傾斜面S10の第10傾斜角θ10の方が、水平面H2となす角が大きくなるように該第3内面63が屈曲して形成されている。
したがって、計量ホッパ6は、第2ホッパ本体60の第6傾斜面S6、第4内面64および3内面63により、略U字状に形成されている。
【0044】
貯留時における物品の動き:
図5の矢印で示すように、前記プールホッパ4の第1ゲートG1の突出部G1aの斜面に沿って排出された物品Mは、計量ホッパ6の第6傾斜面S6上に落下し、第6傾斜面S6上を滑落する。第2収容空間A2の内面は、前記略U字状に形成されているので、第6傾斜面S6を滑落した物品Mは、第7および第8傾斜面S7,8上を滑落することで徐々に加速度が小さくなり、更に、第9および第10傾斜面S9,S10上を滑り上がることでスムースに減速される。その後、図5の破線の矢印で示すように、該第9および第10傾斜面S9,S10上を物品Mが折り返し逆方向に若干滑落して停止し、第2収容空間A2内に貯留される。
【0045】
計量ホッパ6の動作:
組合せ計量の方法としては、前述の一般的な組合せ計量装置と同様な方法でなされる。
すなわち、計量ホッパ6に貯留された物品Mの重量は、前記重量検出器7i(図9)で計量され、他の計量ホッパ6に貯留された物品の計量値と共に組合せに参加し、前記各計量値が組み合わされ、目標値もしくは目標値に近い値が算出される。前記組合せに当該計量ホッパ6が該当する場合には、計量ホッパ6から、以下のように物品Mの排出が行われる。
【0046】
第3および第4ゲートG3,G4が、図6に示す閉状態から、図7に示すように、開き始めると、矢印で示すように、第3および第4ゲートG3,G4上の物品Mが集合シュート9の側壁面からなる第11傾斜面S11上に落下し始める。第3および第4ゲートG3,G4は、図8に示す全開状態まで開き、集合シュート9の第11傾斜面S11に落下した物品Mは、下流の機器に集合排出される。
前記全開後、第3および第4ゲートG3,G4が逆方向に回動し、図3の閉状態に復帰し、プールホッパ4からの新たな物品の排出に備える。
【0047】
ここで、前述のように、第3および第4ゲートG3,G4が全開状態の場合には、図8の第4ゲートG4の傾斜角度θeと、集合シュート9の傾斜角度θfとが略同じになるように設定されているので、第4ゲートG4が集合シュート9の第11傾斜面S11に接近し、物品Mが滑らかに滑落するので、物品の損傷を可及的に防止することができる。
また、第3および第4ゲートG3,G4を両開きにすることにより、該第3および第4ゲートG3,G4の長さを短くすることができるので、物品Mを高速に排出することができる。
さらに、図8に示すように、第3ゲートG3の回転角θcは、第4ゲートG4の回転角θdよりも大きく設定されている。そのため、第4ゲートG4が集合シュート9に接触することなく、第3および第4ゲートG3,G4の開口寸法を大きくすることができるので、計量ホッパ6内の物品Mを早く、かつ、確実に排出することができると共に、比較的大きな物品Mの計量が可能となる。
【0048】
また、前記プールホッパ4および計量ホッパ6を上下に組み合わせることにより、物品が自由落下する距離を可及的に小さくすることができるので、物品に対する衝撃が小さくなり、物品の損傷を可及的に防止することができる。
【0049】
なお、図10に示すように、第1ゲートG1の下端部G1dを下方に向って屈曲して設けてもよい。
【0050】
また、前記各ゲートG1〜G4の内面を滑らかな曲線に沿って湾曲した形状としてもよい。
さらに、第2ゲートG2は必ずしも屈曲ないし湾曲して形成されている必要はない。
また、第3ゲートG3を長くすると共に、第4ゲートG4を短く設定してもよい。
【実施例2】
【0051】
図11および図12は実施例2を示す。
図11に示すように、本実施例2のプールホッパ4には、1つのゲートG1が設けられている。
一方、プールホッパ4の第1ホッパ本体40の下部4Dは、前記ゲートG1に近接ないし当接する交点O1まで延長して形成されている。
よって、物品が滑落する第1ホッパ本体40の第1傾斜面S1、第1内面41および第2内面42は、略U字状に形成されており、ゲートG1と第1ホッパ本体40の下部4Dとが互いに近接ないし当接する交点O1においてゲートG1と第1ホッパ本体40の下部4Dのなす交差角α1が大きくなるように設定されている。
その他の構成は、実施例1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0052】
プールホッパ4の動作:
前記ゲートG1が図11に示す閉状態から、図12に示すように、開き始めると、第1ホッパ本体40の下部4D上の物品MがゲートG1上に落下すると共に、ゲートG1上の物品Mが突出部G1aの斜面上を滑落し、計量ホッパ6の側壁面S6上に落下する。
その後、図12に示す全開状態に至までゲートG1が開き、プールホッパ4から計量ホッパ6内への物品Mの排出が行われる。ここで、第4傾斜面S4の第4傾斜角θ4が小さいが、冷凍食品のような滑り易い物品の場合には、第4傾斜角θ4が小さくても、物品が滑落する。万一、物品が滑落しなくても、プールホッパ40として採用しているので、計量誤差が生じるなどの問題がなく、しかも、後にプールホッパ40に供給された物品と共に、計量ホッパ60に滑落し得る。
前記排出後、ゲートG1が逆方向に回動し、図11の閉状態に復帰し、供給トラフ3からの新たな物品の供給に備える。
【0053】
ここで、たとえば、ゲートG1の開放だけでは落下しにくい物品Mの場合には、プールホッパ4全体を図12および図13の矢印で示す外方向(ゲートG1の回動方向とは反対の方向)F1に回動させてもよい。これにより、図13に示すように、第2内面42の第4傾斜面S4および第5傾斜面S5W 水平面H1となす角が大きくなる。そのため、物品が第2内面42上に残留するのを防止し得る。
プールホッパ4全体の回動の中心は、ホッパ内の点P1でもよいしホッパ外の点を中心として回動してもよい。
プールホッパ4全体の回動タイミングとしては、ゲートG1が開き始めると同時に回動を開始してもよいし、ゲートG1が開き始めた後に回動を開始するようにしてもよい。
前記プールホッパ4全体の回動方法としては、種々の方法が考えられるが、たとえば、ブラケット10が傾くことにより、プールホッパ4を回動させるのが好ましい。
【0054】
なお、計量ホッパ6においても、1つの開閉するゲートを用いて物品Mの収容および排出を行うようにしてもよい。また、計量ホッパ6全体を外方向に回動させるようにしてもよい。
【0055】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記ホッパないしホッパユニットは、必ずしも円形に配列される必要はなく、たとえば、直線状に配列した組合せ計量装置に設けてもよい。
また、前述の実施形態では、プールホッパと計量ホッパを備えた組合せ計量装置について説明したが、たとえば、プールホッパを設けていない計量装置や、プールホッパ、計量ホッパおよびブースタホッパを備えた装置についても本発明を適用することができる。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は組合せ計量装置のホッパに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1にかかるホッパユニット付近を示す概略断面図である。
【図2】同ホッパユニットを示す概略側面図である。
【図3】同ホッパユニットを示す概略断面図である。
【図4】プールホッパにおける物品の貯留方法を示す概略断面図である。
【図5】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【図6】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【図7】計量ホッパの動作を示す概略断面図である。
【図8】計量ホッパの動作を示す概略断面図である。
【図9】一般的な組合せ計量装置を模式的に示す概略側面図である。
【図10】変形例を示す概略断面図である。
【図11】本発明の実施例2にかかるホッパユニットを示す概略断面図である。
【図12】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【図13】プールホッパの動作を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1:組合せ計量装置
4:プールホッパ(第1ホッパ)
41:第1内面
42:第2内面
6:計量ホッパ(第2ホッパ)
63:第3内面
64:第4内面
9:集合シュート
A1:第1収容空間
A2:第2収容空間
G1:第1ゲート
G2:第2ゲート
G3:第3ゲート
G4:第4ゲート
H1〜H3:水平面
S6:第6傾斜面(第2ホッパの側壁面)
θ1〜θ11:傾斜角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容空間を形成する内面を持つ第1および第2ゲートが互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記両ゲートの双方が回動して開くことで前記物品を排出する両開きホッパであって、
前記第1ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記第2ゲートの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能とした両開きホッパ。
【請求項2】
請求項1において、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されている両開きホッパ。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記両ゲートが閉じた閉状態において、前記第2ゲートの下端よりも前記第1ゲートが突出しており、
前記第1ゲートが前記第2ゲートよりも長い斜面を持つ両開きホッパ。
【請求項4】
請求項3において、前記第2ゲートが開閉時に回転する回転角よりも前記第1ゲートが開閉時に回転する回転角の方が大きい両開きホッパ。
【請求項5】
請求項1に記載のホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、
前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、
前記第2ホッパは第3および第4ゲートを有し、両ゲートが開くことで物品の排出を行い、
前記第3および第4ゲートの第3および第4内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さくなるように前記第3および第4内面が連続して形成されているホッパユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、
前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、
前記第2ホッパの1つのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項7】
物品を収容する収容空間を形成する内面を持つゲートが閉じることで物品を一時的に貯留し、前記ゲートが回動して開くことで前記物品を排出するホッパであって、
前記ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記ホッパの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能としたホッパ。
【請求項8】
請求項7において、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されているホッパ。
【請求項9】
請求項7もしくは8において、前記ゲートが閉じた閉状態において、ホッパ本体の下端よりも前記ゲートが突出しており、
前記ゲートが前記ホッパ本体よりも長い斜面を持つホッパ。
【請求項10】
請求項7、8もしくは9において、ホッパ本体を前記ゲートが開く方向とは逆の方向に回転させることで、前記第2内面と水平面となす角が大きくなるようにしたことを特徴とするホッパ。
【請求項11】
請求項7に記載のホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、
前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、
前記第2ホッパは別のゲートを有し、当該別のゲートが開くことで物品の排出を行うホッパユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、
前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、
前記第2ホッパのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項1】
物品を収容する収容空間を形成する内面を持つ第1および第2ゲートが互いに閉じることで物品を一時的に貯留し、前記両ゲートの双方が回動して開くことで前記物品を排出する両開きホッパであって、
前記第1ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記第2ゲートの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能とした両開きホッパ。
【請求項2】
請求項1において、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されている両開きホッパ。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記両ゲートが閉じた閉状態において、前記第2ゲートの下端よりも前記第1ゲートが突出しており、
前記第1ゲートが前記第2ゲートよりも長い斜面を持つ両開きホッパ。
【請求項4】
請求項3において、前記第2ゲートが開閉時に回転する回転角よりも前記第1ゲートが開閉時に回転する回転角の方が大きい両開きホッパ。
【請求項5】
請求項1に記載のホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、
前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、
前記第2ホッパは第3および第4ゲートを有し、両ゲートが開くことで物品の排出を行い、
前記第3および第4ゲートの第3および第4内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が水平面となす角が小さくなるように前記第3および第4内面が連続して形成されているホッパユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、
前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、
前記第2ホッパの1つのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項7】
物品を収容する収容空間を形成する内面を持つゲートが閉じることで物品を一時的に貯留し、前記ゲートが回動して開くことで前記物品を排出するホッパであって、
前記ゲートの第1内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第1内面が連続して形成されていることで、前記第1内面上を滑落した物品が前記ホッパの第2内面に沿って斜め上方に滑り上がることを可能としたホッパ。
【請求項8】
請求項7において、前記第2内面のうち、上端部の傾斜角に比べ下端部の傾斜角の方が、水平面となす角が小さくなるように前記第2内面が連続して形成されているホッパ。
【請求項9】
請求項7もしくは8において、前記ゲートが閉じた閉状態において、ホッパ本体の下端よりも前記ゲートが突出しており、
前記ゲートが前記ホッパ本体よりも長い斜面を持つホッパ。
【請求項10】
請求項7、8もしくは9において、ホッパ本体を前記ゲートが開く方向とは逆の方向に回転させることで、前記第2内面と水平面となす角が大きくなるようにしたことを特徴とするホッパ。
【請求項11】
請求項7に記載のホッパを第1ホッパとして備えると共に、該第1ホッパの下方に更に第2ホッパを備えたホッパユニットであって、
前記第1ホッパから排出された物品が第2ホッパの側壁面上に落下し、
前記第2ホッパは別のゲートを有し、当該別のゲートが開くことで物品の排出を行うホッパユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のホッパユニットを複数組備えた組合せ計量装置であって、
前記ホッパユニットの下方に集合シュートを備え、
前記第2ホッパのゲートが開いた場合に当該ゲートの傾斜角度と前記集合シュートの傾斜角度とが略同じになることを特徴とする組合せ計量装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−247479(P2008−247479A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49802(P2008−49802)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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