説明

乗り物用フロアボードと、その端末処理方法

【課題】 基材に表皮材が確実に支持され且つ製造原価が低減できる乗り物用フロアボードと、その端末処理方法を提供する。
【解決手段】 ブロー成形時に、成形型内において、摂氏130度乃至180度の範囲で接着力の発生が可能なる合成樹脂製の基材11,12と、該基材11,12の表面11b側に配され且つ該基材11の接着力の発生により支持可能なる合成樹脂製の表皮材13とよりなり、前記表皮材13は、通気性を有する化粧部材14と、該化粧部材14及び前記基材11双方に接着が可能で、ブロー成形時に前記基材11による化粧部材14への伝熱を遮断可能なると共に融点が摂氏130度以下である裏部材15とより層状をなして構成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの乗り物に配設される乗り物用フロアボードと、その端末処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの乗り物に配設されるフロアボードとして、例えば、ハードボードなどの木質系基材やブロー成形、射出成形などによる合成樹脂製の基材に、マリーンスポーツ用具などが濡れたまま収納できる合成樹脂製の表皮材を接着剤で貼り合わせたものがある。
【0003】
この種のフロアボードは、基材と表皮材との接着剤による貼り合わせは、乗り物内の高温にさらされたりして表皮材が基材から剥がれる可能性がある。その対策として、基材の表面側を覆う表皮材をそのまま基材の端末から裏面側に巻き込んで貼り込むなどをしている(例えば、特許文献1。)。
【特許文献1】特開2001−18308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、基材を成形した後に表皮材を巻き込む必要があることから、巻き込みに手間がかかり、その分製造原価が高騰する。また、巻き込まれた表皮材が干渉し合うコーナー部は双方或いは一方を切り欠かねばならず、切り欠きのための工数が必要であり、その分製造原価が高騰する。更に、該切り込みは見栄えが良くないし、切り込み部から剥離するおそれがある。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、基材に表皮材が確実に支持され且つ製造原価が低減できる乗り物用フロアボードと、その端末処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ブロー成形時に、成形型内において、摂氏130度乃至180度の範囲で接着力の発生が可能なる合成樹脂製の基材と、該基材の表面側に配され且つ該基材の接着力の発生により接着支持可能なる合成樹脂製の表皮材とよりなり、前記表皮材は、通気性を有する化粧部材と、該化粧部材及び前記基材双方に接着が可能で、ブロー成形時に前記基材による化粧部材への伝熱を遮断可能なると共に融点が摂氏130度以下である裏部材とより層状をなして構成されてなることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗り物用フロアボードであって、前記裏部材は、目付量が80〜200g/m2であるクッション性を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の乗り物用フロアボードであって、前記化粧部材は、裏部材が見えない程度の微細な貫通孔が複数形成されてなる合成樹脂フィルムよりなることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の乗り物用フロアボードであって、前記合成樹脂フィルムには、融点が摂氏130〜180度の耐熱性を有する合成樹脂材が50%以上含有されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の乗り物用フロアボードであって、前記裏部材には、不織布中に融点摂氏130度以下の繊維が20〜50%以上含有してなることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、乗り物用フロアボードの端末処理方法であって、一方側に合成樹脂製の基材及び合成樹脂製の表皮材の端部を支持可能なる支持部が少なくとも形成されてなり、他方側に前記基材及び前記表皮材の端部を前記支持部と共に挟持し且つ該端部を切断可能なるカット部が少なくとも形成されてなるブロー成形用の成形型の一方側と他方側との間に、平板状の基材二枚及び該基材と前記成形型の一方側との間に表皮材を重ねて配して閉型することで、支持部及びカット部により成形型よりはみ出した前記基材及び前記表皮材の部分を固持し、前記基材間にブロー圧を加え且つ加熱することで、前記基材を成形すると共に該基材の軟化により生じた接着力により前記表皮材を前記基材に接着してなり、前記カット部により前記表皮材の接着されていない側の基材側からはみ出した部分を切断することで形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の乗り物用フロアボードの端末処理方法であって、ブロー成形用の成形型の他方側のカット部の根元の前記基材のコーナー部には、曲面が形成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ブロー成形時に、成形型内において、摂氏130度乃至180度の範囲で接着力の発生が可能なる合成樹脂製の基材と、該基材の表面側に配され且つ該基材の接着力の発生により接着支持可能なる合成樹脂製の表皮材とよりなり、前記表皮材は、該基材自体の接着力により基材に接着支持可能なるため、成形型内で熱により基材に生じる接着力により、接着剤がなくても基材に表皮材が確実に支持されることになる。また、接着支持に手間が掛からないので製造原価が低減できる。また、接着剤がなくても基材に表皮材が接着できるので、接着剤に含まれていることがある有機化学物質の発生が確実に防止できることになる。
【0014】
更に、前記表皮材は、通気性を有するため、基材との間に空気溜まりが発生せず、基材に表皮材が確実に支持されることになる。更にまた、表皮材を構成する裏部材が、同じく表皮材を構成する化粧部材へブロー成形時に発生する前記基材による熱を断つため、裏部材により基材から剥がれにくくなるし、化粧部材からも剥がれにくくなる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、前記裏部材は、目付量が80〜200g/m2であるクッション性を有するため、成形型の内面で熱及び圧力が加えられても、裏部材により吸収することで、化粧部材に施された絞などが潰れないことになり、商品性が高まることになる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、前記化粧部材は、裏部材が見えない程度の微細な貫通孔が複数形成されてなる合成樹脂フィルムよりなるため、貫通孔から空気が抜けるので、基材と表皮材の化粧部材との間に空気溜まりが発生せず、基材に表皮材が確実に支持されることになる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、合成樹脂フィルムには、融点が摂氏130〜180度の耐熱性を有する合成樹脂材が50%以上含有されてなるため、化粧部材の合成樹脂フィルムに艶或いは白光などが発生しないで、商品性を保持できることになる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、前記裏部材には、不織布中に融点摂氏130度以下の繊維が20〜50%以上含有してなるため、基材に固着した裏部材の剥離の発生が無く、商品性を保持できることになる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、一方側に合成樹脂製の基材及び合成樹脂製の表皮材の端部を支持可能なる支持部が少なくとも形成されてなり、他方側に前記基材及び前記表皮材の端部を前記支持部と共に挟持し且つ該端部を切断可能なるカット部が少なくとも形成されてなるブロー成形用の成形型の一方側と他方側との間に、平板状の基材二枚及び該基材と前記成形型の一方側との間に表皮材を重ねて配して閉型することで、支持部及びカット部により成形型よりはみ出した前記基材及び前記表皮材の部分を固持するため、前記基材及び前記表皮材の位置が安定的に支持され、位置ずれが生じないことになる。
【0020】
また、前記基材間にブロー圧を加え且つ加熱することで、前記基材を成形すると共に該基材により生じた接着力により、前記表皮材を前記基材に接着してなるため、基材と表皮材との接着力が著しく増すことになる。
【0021】
更に、前記カット部により前記表皮材の接着されていない側の基材側からはみ出した部分を切断すること、換言すると、位置が比較的ばらつきやすい表皮材を切断するのが、基材の切断より後なので、商品としての表皮材の切断位置が基材に対してずれず、商品性が向上する。また、表皮材の端末部に無理な圧力が加わらないので、表皮材が基材から剥離しないことになる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、ブロー成形用の成形型の他方側のカット部の根元の前記基材のコーナー部には、曲面が形成されてなるため、製品となった乗り物用フロアボードのコーナー部には、エッジが発生せず、安全感がより向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
基材に表皮材が確実に支持され且つ製造原価が低減できる乗り物用フロアボードと、その端末処理方法を提供するという目的を、ブロー成形時に、成形型内において、摂氏130度乃至180度の範囲で接着力の発生が可能なる合成樹脂製の基材と、該基材の表面側に配され且つ該基材の接着力の発生により接着支持可能なる合成樹脂製の表皮材とよりなり、前記表皮材は、通気性を有する化粧部材と、該化粧部材及び前記基材双方に接着が可能で、ブロー成形時に前記基材による化粧部材への伝熱を遮断可能なると共に融点が摂氏130度以下である裏部材とより層状をなして構成されてなることで、実現した。
【実施例1】
【0024】
以下、本発明の最良の実施例を図1〜図3に基づいて説明する。
【0025】
この実施例の乗り物用フロアボード1は、リアシート2の背面に形成されてなるラゲッジルーム3の床4に形成されてなるタイヤ5の収納部6を覆う部材で、マリーンスポーツ用具などが濡れたまま収納しても濡れない合成樹脂製の材質により形成されてなる。
【0026】
乗り物用フロアボード1は、ブロー成形時に、成形型20内において、摂氏130度乃至180度の範囲で接着力の発生が可能なるポリプロピレンなどにマイカ、タルクなどを添加した板厚1.5ミリメートル或いは2.2ミリメートルの合成樹脂製の基材11、12と、該基材11、12の一方11の表面11b側に配され且つ該基材11の表面11bの接着力の発生により接着支持可能なる合成樹脂製の表皮材13とより構成されてなる。
【0027】
前記表皮材13は、化粧部材14と、該化粧部材14及び前記基材11双方に接着が可能で、ブロー成形時に前記基材11による化粧部材14への伝熱を遮断可能なると共に融点が摂氏130度以下である裏部材15とより層状をなして構成されてなる。
【0028】
前記化粧部材14には、裏部材15が見えない直径0.7ミリメートル以下の針穴加工による微細な貫通孔が複数形成されて通気性を確保する。該化粧部材14そのものは板厚0.5ミリメートルのオレフィンシートフィルムよりなり、融点が摂氏130度乃至150度のPPが60%、融点が摂氏100度乃至120度のLDPEが40%の混合率を有すると共に、融点が摂氏130〜180度の耐熱性樹脂を50%以上含有されてなる。
【0029】
前記裏部材15は、クッション性を有し且つ不織布中に融点摂氏130度以下の繊維が20〜50%以上含有してなり、融点が摂氏150度乃至170度のPPが50%、融点が摂氏250度乃至270度のPETが20%、融点が摂氏110度乃至130度のL−PETが30%の混合率により形成されてなり、目付量が80〜200g/m2である。
【0030】
次に、乗り物用フロアボードの端末処理方法を説明する。
【0031】
表皮材13の化粧部材14は、カレンダーロール加工によりシート状にし、該化粧部材14にエンボス絞付け加工を行うと共に裏部材15を貼り付ける。
【0032】
次に、ブロー成形用の成形型20は、「一方側」である上型21と、「他方側」である下型22とより構成されてなる。上型21は、前記基材11及び前記表皮材13の端部11a,13aを支持可能なる支持部23とキャビティ部24とが少なくとも形成されてなる。下型22は、前記基材12及び前記表皮材13のコーナー部(端部)12b及び端部13aを前記支持部23と共に挟持し且つ該端部11a,13a及びコーナー部(端部)12bを切断可能なるカット部25とキャビティ部26とが少なくとも形成されてなる。
【0033】
この成形型20の上型21と、下型22との間に、二枚の平板状の基材11,12及び該基材11と前記成形型20の上型21側との間に表皮材13を重ねて配して閉型することで、支持部23及びカット部25により成形型20よりはみ出した前記基材11,12及び前記表皮材13の端部11a,13a及びコーナー部(端部)12b部分を固持し、前記基材11,12の間にブロー圧を加え且つ加熱することで、前記基材11,12を、図2に示すように、空間部27を介してブロック状に成形すると共に該基材11,12の軟化により生じた接着力により両者11,12が接着されて空間部27を囲む密封した空間と為し、同じく接着力により前記表皮材13を前記基材11に接着してなり、前記カット部25により前記表皮材13の接着されていない側の基材12側からはみ出した端部11a,13a及びコーナー部(端部)12bの部分を切断することで、表皮材13の位置が固定されたまま、乗り物用フロアボード1が形成される。
【0034】
ブロー成形用の成形型20の下型22のカット部25の根元25aの前記基材12のコーナー部12bには、曲面が形成されてなる。
【0035】
従って、かかる構成によれば、ブロー成形時に、成形型20内において、摂氏130度乃至180度の範囲で接着力の発生が可能なる合成樹脂製の基材11,12と、該基材11、12の一方11の表面11b側に配され且つ該基材11の接着力の発生により接着支持可能なる合成樹脂製の表皮材13とより乗り物用フロアボード1が形成され、前記表皮材13は、該基材11自体の接着力により基材11に接着支持可能なるため、成形型20の熱により基材11が溶融して生じた接着力が、接着剤がなくても表皮材13を基材11に確実に支持することになる。
【0036】
また、基材11への表皮材13の接着支持に手間が掛からないので、製造原価が低減できる。また、前記したように、接着剤がなくても基材11に表皮材13が接着できるので、接着剤に含まれていることがある有機化学物質の発生が確実に防止できることになる。
【0037】
更に、前記表皮材13は、通気性を有するため、基材11との間に空気溜まりが発生せず、基材11に表皮材13が確実に支持されることになる。更にまた、表皮材13を構成する裏部材15が、同じく表皮材13を構成する化粧部材14へブロー成形時に発生する前記基材11による熱を断つため、裏部材15により基材11から剥がれにくくなるし、化粧部材14からも剥がれにくくなる。
【0038】
前記裏部材15は、目付量が80〜200g/m2であるクッション性を有するため、成形型20の内面で熱及び圧力が加えられても、裏部材15により該熱及び圧力を吸収することで、化粧部材14に施された絞などが潰れないことになり、商品性が高まることになる。
【0039】
前記化粧部材14は、裏部材15が見えない程度の微細な貫通孔が複数形成されてなる合成樹脂フィルムよりなるため、貫通孔から空気が抜けるので、基材11と表皮材13の化粧部材14との間に空気溜まりが発生せず、基材11に表皮材13が確実に支持されることになる。
【0040】
合成樹脂フィルムよりなる表皮材13の化粧部材14には、融点が摂氏130〜180度の耐熱性を有する合成樹脂材が50%以上含有されてなるため、化粧部材14の合成樹脂フィルムに艶或いは白光などが発生しないで、商品性を保持できることになる。
【0041】
前記裏部材15には、不織布中に融点摂氏130度以下の繊維が20〜50%以上含有してなるため、基材11に固着した裏部材15の剥離の発生が無く、商品性を保持できることになる。
【0042】
前記成形方法によれば、上型21側に合成樹脂製の基材11及び合成樹脂製の表皮材13の端部11a、13aを支持可能なる支持部23が少なくとも形成されてなり、下型22側に前記基材12のコーナー部(端部)12bを前記支持部23と共に挟持し且つ該端部11a,13a及びコーナー部(端部)12bを切断可能なるカット部25が少なくとも形成されてなるブロー成形用の成形型20の上型21側と下型22側との間に、平板状の基材11,12二枚及び該基材11と前記成形型20の上型21側との間に表皮材13を重ねて配して閉型することで、支持部23及びカット部25により成形型20よりはみ出した前記基材11,12及び前記表皮材13の端部11a,13a及びコーナー部(端部)12b部分を固持するため、前記基材11,12及び前記表皮材13の位置が安定的に支持され、位置ずれが生じないことになる。
【0043】
また、前記基材11,12間にブロー圧を加え且つ加熱することで、前記基材11,12を成形すると共に該基材11,12により生じた接着力により、前記表皮材13を前記基材11に接着してなるため、基材11と表皮材13との接着力が著しく増すことになる。
【0044】
更に、前記カット部25により前記表皮材13の接着されていない側の基材12側からはみ出した端部11a,13a部分を切断すること、換言すると、位置が比較的ばらつきやすい表皮材13を切断するのが、基材11,12の切断より後なので、商品としての表皮材13の切断位置が基材11、12に対してずれず、商品性が向上する。また、表皮材13の端部13aに無理な圧力が加わらないので、表皮材13が基材11から剥離しないことになる。
【0045】
また、ブロー成形用の成形型20の下型22側のカット部25の根元25aのコーナー部12bには、曲面が形成されてなるため、製品となった乗り物用フロアボード1には、エッジが発生せず、安全感が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
尚、以上の説明では、表皮材13と基材11との接着が熱溶着であるとして説明したが、アンカー接着でも良い。また、表皮材13と基材11,12との接着される端部における成形型20の上型21及び下型22は、基材11及び表皮材13間の寸法より表皮材13の端部13aへの流れ込み部へのクリアランスを狭くして、端部13aにより強いプレス力が加わるようにして裏部材15がより潰れるようにしても良い。
【0047】
基材12のコーナー部(端部)12bの位置が安定しているので、表皮材13が化粧部材14及び裏部材15との二層構造でなく、同一の成形型でカーペットなどを表皮材としても良い。成形型が同一型であるから、製造原価が著しく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の一実施例を示す乗り物用フロアボードを少し持ち上げた状態のラゲッジルームを示す斜視図。
【図2】図1のSA−SA線に沿った断面図。
【図3】図1の乗り物用ボードの成形型を示す断面図。
【符号の説明】
【0049】
1 乗り物用フロアボード
11,12 基材
11a 基材の端部
11b 基材の表面
12b 基材のコーナー部(端部)
13 表皮材
13a 表皮材の端部
14 化粧部材
15 裏部材
20 ブロー成形用の成形型
21 「一方側」である上型
22 「他方側」である下型
23 支持部
25 カット部
25a カット部の根元

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形時に、成形型内において、摂氏130度乃至180度の範囲で接着力の発生が可能なる合成樹脂製の基材と、該基材の表面側に配され且つ該基材の接着力の発生により接着支持可能なる合成樹脂製の表皮材とよりなり、
前記表皮材は、通気性を有する化粧部材と、該化粧部材及び前記基材双方に接着が可能で、ブロー成形時に前記基材による化粧部材への伝熱を遮断可能なると共に融点が摂氏130度以下である裏部材とより層状をなして構成されてなることを特徴とする乗り物用フロアボード。
【請求項2】
請求項1に記載の乗り物用フロアボードであって、
前記裏部材は、目付量が80〜200g/m2であるクッション性を有することを特徴とする乗り物用フロアボード。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の乗り物用フロアボードであって、
前記化粧部材は、裏部材が見えない程度の微細な貫通孔が複数形成されてなる合成樹脂フィルムよりなることを特徴とする乗り物用フロアボード。
【請求項4】
請求項3に記載の乗り物用フロアボードであって、
前記合成樹脂フィルムには、融点が摂氏130〜180度の耐熱性を有する合成樹脂材が50%以上含有されてなることを特徴とする乗り物用フロアボード。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の乗り物用フロアボードであって、
前記裏部材には、不織布中に融点摂氏130度以下の繊維が20〜50%以上含有してなることを特徴とする乗り物用フロアボード。
【請求項6】
一方側に合成樹脂製の基材及び合成樹脂製の表皮材の端部を支持可能なる支持部が少なくとも形成されてなり、他方側に前記基材及び前記表皮材の端部を前記支持部と共に挟持し且つ該端部を切断可能なるカット部が少なくとも形成されてなるブロー成形用の成形型の一方側と他方側との間に、平板状の基材二枚及び該基材と前記成形型の一方側との間に表皮材を重ねて配して閉型することで、支持部及びカット部により成形型よりはみ出した前記基材及び前記表皮材の部分を固持し、前記基材間にブロー圧を加え且つ加熱することで、前記基材を成形すると共に該基材の軟化により生じた接着力により前記表皮材を前記基材に接着してなり、前記カット部により前記表皮材の接着されていない側の基材側からはみ出した部分を切断することで形成したことを特徴とする乗り物用フロアボードの端末処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の乗り物用フロアボードの端末処理方法であって、
ブロー成形用の成形型の他方側のカット部の根元の前記基材のコーナー部には、曲面が形成されてなることを特徴とする乗り物用フロアボードの端末処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−76446(P2006−76446A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262748(P2004−262748)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000244280)盟和産業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】