説明

二次電池供給システムおよび二次電池供給方法

【課題】二次電池を供給する充電施設側の都合や要望を反映して電気自動車の利用者に充電施設情報を提供することができる二次電池供給システムおよび二次電池供給方法を提供する。
【解決手段】二次電池供給システム1の総合管理装置30に、二次電池12の供給可否または供給可能個数に関する供給可否応答データと、二次電池の供給価格とを前記総合管理装置30へ送信制御する制御部を備え、前記総合管理装置30に、前記情報提供装置51からの問い合わせに基づいて二次電池12の供給が可能な充電施設に関する充電施設情報を応答制御する制御部を備え、前記情報提供装置51に、前記総合管理装置30に前記充電施設に関する問い合わせる問い合わせ処理と、前記総合管理装置からの応答に基づいて前記充電施設情報を提供する情報提供処理とを実行する制御部と、前記充電施設情報を表示する表示部62とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、充電可能な所謂二次電池の供給に関し、特に電気自動車の動力源として使用する二次電池を供給する二次電池供給システムおよび二次電池供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池(バッテリ)を動力源とする電気自動車に対して、充電施設にて二次電池を供給するシステムが提案されている。このシステムは、電気自動車の走行距離に応じて放電した二次電池を、充電施設でフル充電された二次電池と交換することで、充電に要する時間(つまり充電時間)が経過するまでの間は電気自動車が走行できないという問題を、解消しようとしている。
【0003】
このようなシステムとして、充電施設を経由して目的地へ向かう経路を探索し誘導する経路探索装置が提案されている(特許文献1参照)。この経路探索装置は、遠方の目的地へ向かうに際して、電気自動車の利用者が充電施設を経由する経路を調査することを不要とし、利用者に安心感を与えるものである。
【0004】
また、二次電池の供給に対して課金を行う自動車の給電サービスシステム(特許文献2参照)や、電気車両用エネルギ供給システム(特許文献3参照)が提案されている。前者の自動車の給電サービスシステムは、二次電池の電力使用量や利用可能期間に応じた課金を行うものであり、後者の電気車両用エネルギ供給システムは、二次電池の充電時間と管理費とから月単位で課金するものである。
【0005】
しかし、これらのシステムや装置は、電気自動車に使用される二次電池を充電する充電施設がガソリンスタンドのように各地に満遍なく設置されていることを前提としている。つまり、これらの公知例は、この充電施設を如何にして普及させるかが考慮されておらず、充電施設側の都合や要望に配慮したものとはなっていなかった。従って、例えば、充電施設において供給可能な二次電池が切れた場合や、事情により二次電池を供給できない場合についても考慮されていなかった。
【特許文献1】特開平10−170293号公報(要約、図4)
【特許文献2】特開2002−140398号公報(要約、図1)
【特許文献3】特開2001−57711号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑み、二次電池を供給する充電施設側の都合や要望を反映して、電気自動車の利用者に充電施設情報を提供することができる二次電池供給システムおよび二次電池供給方法を提供し、合わせて利用者の満足度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、充電施設に設けられて複数の二次電池の充電を管理する二次電池管理装置と、前記二次電池管理装置を複数管理する総合管理装置と、利用者に充電施設情報を提供する情報提供装置とを備え、前記総合管理装置を前記二次電池管理装置と前記情報提供装置とに通信可能に接続した二次電池供給システムであって、前記二次電池管理装置は、二次電池の供給可否または供給可能個数に関する二次電池供給情報を前記総合管理装置へ送信制御する制御手段を備え、前記総合管理装置は、前記情報提供装置からの問い合わせに基づいて少なくとも二次電池の供給が可能な充電施設に関する充電施設情報を応答制御する制御手段を備え、前記情報提供装置は、前記総合管理装置に前記充電施設に関しての前記充電施設情報を問い合わせる問合せ処理、及び前記総合管理装置からの応答に基づいて前記充電施設情報を提供する情報提供処理を実行する制御手段と、前記充電施設情報を出力する出力手段とを備える二次電池供給システムとする。これによって、二次電池を供給する充電施設側の都合や要望を反映して電気自動車の利用者に充電施設情報を提供することができる。
【0008】
また、前記情報提供装置の出力手段を、情報表示を行う表示手段で構成し、前記充電施設情報は、充電施設の位置を含む二次電池供給システムとすれば、充電施設情報に充電施設の位置情報を加え、利便性はさらに増す。
【0009】
また、前記二次電池管理装置は、二次電池の供給価格に関する供給価格情報を前記総合管理装置へ送信制御する制御手段を備え、前記充電施設情報は、二次電池の供給価格を含む二次電池供給システムとすれば、充電施設情報に二次電池の供給価格を加えて充電施設選択の可能性を増すことができる。
【0010】
また、前記情報提供装置に、表示された充電施設のうち任意の充電施設の選択入力を許容する入力手段を備え、前記情報提供装置の制御手段は、選択入力された充電施設の二次電池を予約する予約処理を実行する構成とした二次電池供給システムとすれば、予約を可能とし、より確実かつ円滑な二次電池供給を推進できる。
【0011】
また、前記二次電池管理装置に、利用者を識別する利用者識別情報を取得する識別情報取得手段を備え、前記二次電池管理装置の制御手段は、二次電池を供給する際に、取得した利用者識別情報と充電施設の充電施設識別情報と実際の取引金額情報とを送信する取引情報送信処理を実行する構成とし、前記総合管理装置の制御手段は、前記利用者識別情報と充電施設識別情報と取引金額情報とを受信し、受信した情報に基づいて利用者からの料金徴収処理と充電施設への料金支払い処理とを実行する構成とした二次電池供給システムとすれば、利用者からの料金徴収処理と充電施設への料金支払い処理とを円滑に管理することができる。
【0012】
さらに、充電施設に設けられて複数の二次電池の充電を管理する二次電池管理装置と、前記二次電池管理装置を複数管理する総合管理装置と、利用者に充電施設情報を提供する情報提供装置とが備えられ、前記総合管理装置が前記二次電池管理装置と前記情報提供装置とに通信可能に接続されて、二次電池を供給する二次電池供給方法であって、前記二次電池管理装置は、二次電池の供給可否または供給可能個数に関する二次電池供給情報を前記総合管理装置へ送信し、前記情報提供装置は、前記総合管理装置に前記充電施設に関しての前記充電施設情報を問い合わせ、前記総合管理装置は、前記情報提供装置からの問い合わせに基づいて少なくとも二次電池の供給が可能な充電施設に関する充電施設情報を応答し、前記情報提供装置は、前記総合管理装置からの応答に基づいて出力手段で前記充電施設情報を提供する二次電池供給方法とする。これによって、二次電池を供給する充電施設側の都合や要望を反映して電気自動車の利用者に充電施設情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、二次電池を供給する充電施設側の都合や要望を反映して電気自動車の利用者に充電施設情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の実施の形態を以下図面と共に説明する。
【0015】
(第一の実施の形態)
まず本発明の一実施の形態としての第一の実施の形態を説明する。
【0016】
本発明の二次電池供給システムは、リチウム電池等の充電可能な二次電池を動力源として搭載した電気自動車が、各所に点在した充電施設で二次電池の交換、供給を受けることができるようにし、利用者とこれら充電施設について、総合管理センター等の総合管理装置によって総合管理を行えるようにしたものである。
【0017】
すなわち、総合管理センター等は、利用者に二次電池を供給するための情報(各充電施設の所在や二次電池の供給価格、会員登録についての情報等)を、WEB上のホームページ等を利用して広く公開し、このホームページ上で会員を募り、また各充電施設から会員を募って、会員に二次電池を供給できるようにしている。
【0018】
図1は、二次電池供給システム1のシステム構成を示すシステム構成図であり、図2は、情報提供装置51の構成を示すブロック図である。
【0019】
本発明は、総合管理センター8と複数の充電施設A,B,C,・・・と、利用者が所有する電気自動車50が主たる構成要素であり、前記総合管理センター8に設置された総合管理装置(管理サーバ)30と、充電施設に設置された二次電池管理装置10と、電気自動車50に設けられた情報提供装置51とが、インターネット3により通信可能に接続されて、二次電池供給システム1が構成されている。
【0020】
また、利用者の所有する電気自動車の位置を検出するためにGPS衛星2が利用されており、情報提供装置51と無線通信するための基地局4も設けられている。
【0021】
さらに、利用者が電気自動車50に乗車せずとも、各種情報を取得できるように、利用者の自宅や勤務先やインターネットカフェ等に設けられたパーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話機やPDA等の携帯情報端末により構成される利用者端末(情報提供装置)70が、インターネット3に通信可能に接続されている。
【0022】
情報提供装置51には、マイクロコンピュータ等が搭載されており、図2に示すように、タッチパネルへのタッチ入力や押下ボタンの押下といった利用者の操作により入力された入力信号を制御部64に送信する入力部(入力手段)61、道路地図と現在位置との情報のナビゲーション表示、及び二次電池12が供給される充電施設の位置表示を行う表示部(出力手段、表示手段)62、利用者を識別する利用者識別データ、利用者を認証する利用者認証データ、及び各種サービス用のポイントデータ等が記憶される識別情報記憶部63や、各種制御動作を実行する制御部64、識別情報記憶部63に記憶されているデータを磁界通信装置11に送信する磁界通信部65、電波により基地局4と無線で通信する電波通信部66、GPSユニット67、及び車載されている二次電池12の残容量を検出する残容量検出センサ68により構成される。
【0023】
前記識別情報記憶部63に記憶されている利用者識別データは、電気自動車50を識別する識別データとなり、これによって電気自動車50単位で会員を識別できるようにしている。なお、前記識別情報記憶部63と磁界通信部65とにより、課金用の車載機と同様な機能が実現されている。従って、これらの識別情報記憶部63と磁界通信部65は、一般的なETC車載機により構成しても良い。
【0024】
前記電波通信部66は、制御部64の制御に従って、二次電池12の供給が可能な充電施設を問い合わせる充電施設問合せデータの送信、及び充電施設に二次電池12の予約を依頼する予約依頼データの送信を実行する。これらのデータ送信に対する応答データを電波通信部66が受信した際には、受信した応答データを制御部64に送信する。
【0025】
以上の構成により、情報提供装置51は、総合管理装置30に二次電池の供給が可能な充電施設を問い合わせること、総合管理装置30により提供された情報に基づいて充電施設を道路地図上に表示して利用者に情報提供すること、及びこの情報に基づいて利用者が選択した充電施設に予約をすることができる。
【0026】
なお、情報提供装置51は、識別情報記憶部63に代えて、挿入された記憶媒体からデータを読み取れる記憶媒体処理部を備えてもよい。この場合は、会員登録された利用者に会員カード等としての記憶媒体(例えば非接触ICカード等)を発行し、この記憶媒体に前記利用者データを記憶させておくとよい。
【0027】
これにより、挿入する記憶媒体を交換することができるため、利用者が複数台の電気自動車50を所有しているような場合に、どの電気自動車50を使用しても利用者の識別データを引き継ぎながら使用することが可能となる。
【0028】
さらに、例えば利用者の支払い能力が消滅し、二次電池12の供給を受ける際にエラーが出たような場合に、支払い可能な利用者の記憶媒体に交換して対応するといったこともできる。
【0029】
次に、情報提供装置51の表示部62に表示する画面の構成について説明する。
【0030】
図3は、情報提供装置51の表示部62に表示する画面の画面イメージ図を示す。この画面は、主に道路地図91と、道路地図91の一部に表示される一覧表示部81により構成される。
【0031】
道路地図91には、充電施設の位置を示す充電施設マーク92と、電気自動車50の現在位置を示す現在位置マーク94とを表示する。
【0032】
一覧表示部81には、充電施設を一覧表示すると共に、並べ替えボタンとして近い順ボタン82と供給価格順ボタン83とを表示する。
【0033】
これにより、利用者は、図3(A)に示すように、充電施設の位置と二次電池12の供給価格とを確認することができ、現在位置から近い順や料金順で充電施設を検索することができる。そして、充電施設を予約する際には、利用者が一覧表示部81で希望の充電施設を押下すれば、図3(B)に示すように予約ボタン85が表示され、この予約ボタン85を押下することで、情報提供装置51によって充電施設に予約依頼データが送信されて二次電池12を予約できる。
【0034】
次に、図1に示す充電施設A,B,C,・・・の構成および機能について説明する。
【0035】
前記二次電池管理装置10は、本実施の形態では、例えばCPU(制御手段)15、ROM、RAM、ハードディスク、LANボード等を有し、キーボードやマウス等の入力手段や液晶等のディスプレイ装置としての表示手段が接続されたパーソナルコンピュータであり、二次電池供給施設として機能する各充電施設A,B,C,・・・にそれぞれ設けられている。また、該二次電池管理装置10には、充電施設識別データ(充電施設識別情報)として、時期毎(例えば季節毎、月毎、日毎、曜日毎、時間帯毎等)の二次電池12の供給価格設定と供給可否設定、各二次電池12の現在の充電量、二次電池12の利用用途(当該充電施設用あるいは電気自動車50への供給用)、及び二次電池12の予約状況等が記憶されている。
【0036】
前記磁界通信装置11は、電気自動車50に設けられた磁界通信部65と誘導電磁界により非接触でデータ通信し、利用者識別データ(利用者識別情報)及び利用者認証データ等のデータを取得する。この磁界通信装置11は、例えばETC(Electronic Toll Collection)に用いるゲート型のアンテナにより構成する。なお、識別情報取得手段は、この磁界通信装置11に代えて、赤外線通信を行う赤外線通信装置、又は利用者の所持する記憶媒体の投入を受け付けてこの記憶媒体のデータを取得する媒体処理装置等、他の装置により構成してもよい。
【0037】
前記充放電管理装置13は、接続されている複数の二次電池12について、個別に充放電を管理しており、二次電池12を充電するものである。そして、充電完了した一部の二次電池12が電気自動車に供給される。さらに、充電済みの二次電池12の個数や充電状況等を、二次電池管理装置10にデータ送信する。
【0038】
次に、総合管理センター8が有する機能について説明する。
【0039】
前記総合管理装置30は、本実施の形態では、例えばCPU(制御手段)35、ROM、RAM、ハードディスク、LANボード等を有し、キーボードやマウス等の入力手段や液晶等のディスプレイ装置としての表示手段が接続されたサーバにより構成されている。この総合管理装置30は、二次電池供給システム1に対して会員登録された利用者、及び二次電池12を供給する充電施設を管理しており、該総合管理装置30に記憶された管理データベース(DB)31には、予め会員登録された利用者の利用者データと、予め会員登録された充電施設の充電施設データと、利用者と充電施設との間で二次電池12が取り引きされた履歴である取引履歴データとが記憶されている。
【0040】
前記利用者データは、利用者識別データ(例えば利用者ID)、利用者認証データ(例えばパスワード、共通鍵や秘密鍵や公開鍵といった鍵データ、または、指紋や虹彩による生体データ等)、及び利用者個人データ(例えば氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス等)により構成される。
【0041】
ここで、利用者識別データ及び利用者個人データは、会員毎に付与されるデータであり、これらと利用者個人データとで構成される利用者データは、原則として電気自動車50単位で登録される。
【0042】
また、前記充電施設データは、充電施設識別データ(例えば充電施設ID)、充電施設認証データ(例えばパスワード、または、共通鍵や秘密鍵や公開鍵といった鍵データ等)、及び充電施設固有データ(例えば充電施設位置、及び営業時間等)により構成される。
【0043】
さらに、前記取引履歴データは、電気自動車の利用者に充電施設で二次電池12を供給した際の取引データが蓄積されたものであり、この取引データは、利用者識別データ、充電施設識別データ、取引日時、及び取引金額により構成される。
【0044】
また前記総合管理装置30には、各種制御動作を実行するためのプログラムも記憶されている。このプログラムには、情報提供装置51からの依頼を受けて、二次電池12の提供が可能な充電施設についての充電施設情報を提供するプログラムが含まれている。
【0045】
また、このプログラムには、利用者に各種サービスをホームページとして提供するためのCGI(Common Gateway Interface)プログラムも含まれている。このCGIプログラムは、取引履歴データから各種条件によるデータ抽出を実行することができ、利用者端末70でアクセスした利用者の操作に基づいて、二次電池12の総合使用量を表示すること、及び月単位の使用量を表示すること等ができる。さらに、利用者による会員登録をホームページで受け付けて、利用者データを登録することや、充電施設の検索と予約を受け付けることもできる。
【0046】
前記課金装置(課金サーバ)40は、本実施の形態では、例えばCPU(制御手段)45、ROM、RAM、ハードディスク、LANボード等を有し、キーボードやマウス等の入力手段や液晶等のディスプレイ装置としての表示手段が接続されたサーバにより構成されている。この課金装置40は、金融機関(例えば銀行や郵便局等)の預貯金口座に対する振込みシステムと接続されており、各充電施設A,B,C,・・・で二次電池12の供給を受けた電気自動車の利用者の預貯金口座に対して料金引き落としを行い、徴収した料金から所定の手数料を徴収し、残りを各充電施設の預貯金口座に振り込むものである。
【0047】
この料金引き落としと振込みは、即時振替として課金の都度実行することや、クレジットカード決済により月単位で実行することができ、必要に応じて、引き落としと振込みの料金を相殺することもできる。
【0048】
この課金装置40に記憶される課金データベース41には、会員登録を行っている利用者の利用者識別データ及び利用者課金用データ(例えば利用者に選択された決済方式、及び、決済方式が即時振替やクレジットカード決済であれば預貯金口座の口座番号)、会員登録を行っている充電施設の充電施設識別データ及び充電施設入金用データ(例えば充電施設の預貯金口座の口座番号)が事前登録により記憶されており、さらに、二次電池12を実際に供給した取引履歴として、利用者識別データ、充電施設識別データ、取引金額、及び取引日時が随時記憶されている。また、この記憶部には、各種制御動作を実行するためのプログラムも記憶されている。
【0049】
次に利用者端末70の構成について説明する。
【0050】
利用者端末70は、利用者の自宅や勤務先やインターネットカフェ等に設けられたパーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話機やPDA等の携帯情報端末により構成されている。この利用者端末70は、CPU(制御手段)75、ROM、RAM、ハードディスク、LANボード若しくは無線通信用アンテナ等を有し、キーボードやマウス若しくは押下ボタン等の入力手段や液晶等のディスプレイ装置としての表示手段が接続されている。
【0051】
この利用者端末70には、WEBブラウザや電子メールソフトがインストールされている。これにより、利用者端末70は、インターネット3を介して総合管理装置30と通信することができる。
【0052】
ここで、利用者端末70の表示部に表示する画面の構成について説明する。
【0053】
図4は、検索画面32の画面イメージ図を示す。この検索画面32は、利用予定の位置を入力指定できるご利用位置321、利用予定の日時を入力指定できるご利用日時322、及び希望する供給価格を入力指定できる供給価格323の3項目によって構成されている。
【0054】
これにより、利用者は、各検索条件を指定して検索実行ボタン324を押下することができ、この検索条件が利用者端末70により総合管理装置30へ送信される。
【0055】
図5は、検索結果表示画面34の画面イメージ図を示す。この検索結果表示画面34は、充電施設の地図表示と一覧表示とを行うものであり、検索条件を表示する検索条件表示部341、充電施設を地図表示する地図表示部342、会員登録を行う会員登録ボタン343、及び充電施設を一覧表示する充電施設一覧表示部344によって構成されている。
【0056】
これにより、利用者は、前記検索条件に該当する1または複数の充電施設A,B,C,・・・の位置を地図表示部342で確認し、また充電施設一覧表示部344で二次電池12の供給価格や営業日時を比較することができる。そして、ある充電施設について詳細な情報を得たい場合には、詳細ボタン345を押下することで充電施設詳細表示画面37に移行できる。
【0057】
また、未入会の利用者が充電施設を検索して会員になろうと考えた場合に、会員登録ボタン343を押下してスムーズに会員登録できる。
【0058】
ここで会員登録について説明すると、前記会員登録ボタン343が押下されると図示省略する会員登録画面を表示し、利用者に利用者個人データ(例えば氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス等)を入力させ、これを受け付けた総合管理装置30(図1)が、利用者識別データと利用者認証データを発行し、利用者の電子メールアドレスへの送信か郵送により、利用者識別データと利用者認証データを利用者に通知する。
【0059】
なお、本二次電池供給システム1では、利用者が実際に二次電池12の供給を受けるために、情報提供装置51、特に識別情報記憶部63が、利用者の所有する電気自動車50に搭載されている必要がある。このため、会員登録する利用者には、情報提供装置51を販売してもよい。
【0060】
ただし、利用者が既に情報提供装置51を所有している場合には、情報提供装置51の識別情報記憶部63に記憶されている利用者識別データ及び利用者認証データを総合管理装置30に登録する作業を利用者に要求する。この登録作業は、まず会員登録の際に、利用者認証データと仮パスワードとを利用者に利用者端末70で入力させて仮登録を行い、情報提供装置51で、利用者認証データと仮パスワードとを入力させて利用者を認証した上で、情報提供装置51の識別情報記憶部63に記憶されている利用者認証データ及び利用者認証データを本登録するとよい。
【0061】
図6は、充電施設詳細表示画面37の画面イメージ図を示す。この充電施設詳細表示画面37は、定休日や営業時間や二次電池供給価格といった充電施設の詳細な情報を表示する詳細表示部371、利用者に予約日時を指定させる予約日時指定部372、会員登録に移行する会員登録ボタン373、予約内容確認画面に移行する予約内容確認ボタン374、及び充電施設の位置を地図表示する地図表示部375により構成される。
【0062】
これにより、利用者は、充電施設の詳細な情報を確認した上で、日時を指定して予約内容確認ボタン374を押下でき、この日時を含めた予約データが利用者端末70により総合管理装置30へ送信される。
【0063】
以上のシステム構成により、二次電池管理装置10は、充電が完了して供給可能になっている二次電池12の個数や、二次電池12を供給する供給価格(供給価格情報)等の情報を、総合管理装置30に送信することができる。
【0064】
電気自動車50に設けられた情報提供装置51は、利用者の操作によって、二次電池12の供給を受けることができる充電施設を総合管理装置30に問い合わせることができ、このときに充電施設側の都合や要望を反映させた充電施設情報の提供を受ける。このため、二次電池12を供給できない状況の充電施設の情報が利用者に提供されるといったことを防止できる。そして、情報提供装置51は、予約依頼データを総合管理装置30に送信して二次電池12を予約できる。
【0065】
課金装置40は、二次電池管理装置10から二次電池12の取引に関するデータを受信し、利用者に対して課金を実行することができる。
【0066】
利用者は、この課金についてどのような決済方式によって行うのか、二次電池12の供給を受ける際にその都度選択することができる。具体的には、利用者が現金以外の決済方式(例えば即時振替やクレジットカード決済)を登録していた場合は、利用者は、登録した決済方式と現金支払いとのいずれの方式により決済するか、その都度選択できる。決済方式として現金支払いを登録していた場合は、利用者は常に現金支払いを選択することとなる。
【0067】
また、利用者は、総合管理装置30によって提供されるホームページに利用者端末70でアクセスして、会員登録、充電施設の検索、充電施設の予約、二次電池12の総合使用量の確認、及び、月単位の使用量の確認といったことができる。
【0068】
なお、前記情報提供装置51による総合管理装置30への充電施設の問い合わせと充電施設情報の提供は、情報提供装置51が定期的に実行する、あるいは二次電池12の残容量が一定の警告レベル以下となれば実行するなど、適宜のタイミングで実行する構成としてもよい。
【0069】
次に、二次電池供給システム1の全体の動作として、利用者が事前に走行計画を立案して充電施設に予約するような場合に、利用者端末70から充電施設情報を総合管理装置30へ問い合わせ、利用者端末70が充電施設に二次電池12を予約するまでの動作について説明する。
【0070】
図7は、二次電池供給システム1の動作を示すフローチャートであり、二次電池管理装置10に設けられたCPU15が実行する動作、総合管理装置30に設けられたCPU35が実行する動作、及び、利用者端末70に設けられたCPU75が実行する動作を示す。
【0071】
利用者によって利用者端末70のブラウザが起動され、利用者端末70が総合管理装置30により提供されるホームページ(HP)にアクセスすると(ステップS1)、総合管理装置30は、利用者端末70のブラウザに表示させる検索画面のデータを利用者端末70に送信する(ステップS2)。
【0072】
利用者端末70は、受信した検索画面データにより、図4に示した検索画面32を表示部に表示する(ステップS3)。
【0073】
この検索画面32で、検索条件が入力されて検索実行ボタン324が押下されると、利
用者端末70は総合管理装置30に検索条件を送信して充電施設を問い合わせる問合せ処理を行い(ステップS4)、総合管理装置30は、入力された検索条件を受け取り、この検索条件に該当する充電施設を管理データベース31から抽出する(ステップS5)。このステップS5では、ご利用位置321から一定の範囲内にある充電施設を抽出する。
【0074】
そして、総合管理装置30は、抽出した充電施設に対して、二次電池12を供給する条件である供給条件を問い合わせるデータを送信する(ステップS6)。ここで、供給条件とは、供給可能な日時や供給する価格といった条件を指し、二次電池12の供給価格、定休日、及び営業時間等により構成される。
【0075】
二次電池管理装置10は、供給条件問合せデータを受信し、この問い合わせに応答する供給条件応答データを総合管理装置30に送信する(ステップS7)。この供給条件応答データは、供給価格、定休日、営業時間、充電施設ID、及び充電施設位置により構成される。
【0076】
総合管理装置30は、複数の充電施設から供給条件応答データを受信し、前記ステップS5で受信した検索条件に基づいて充電施設を絞り込む(ステップS8)。
【0077】
そして、総合管理装置30は、絞り込んだ充電施設の情報を充電施設情報として利用者端末70に送信する(ステップS9)。
【0078】
利用者端末70は、情報提供処理として、受信した充電施設情報に基づいて、図5に示した検索結果表示画面34や図6に示した充電施設詳細表示画面37に、検索条件に該当する充電施設を表示する(ステップS10)。
【0079】
この検索結果表示画面34及び充電施設詳細表示画面37により、充電施設が利用者に決定され、予約内容確認ボタン374が押下されると(ステップS11)、利用者端末70は、総合管理装置30に予約データを送信する。
【0080】
総合管理装置30は、利用者にログインを求めるため、ログイン画面データを送信する(ステップS12)。これを受けた利用者端末70は、ログイン画面を表示し(ステップS13)、このログイン画面で利用者に入力された利用者識別データと利用者認証データを総合管理装置30に送信する(ステップS14)。すでに利用者にログインされている場合には、前記ステップS12〜S14を実行せず、次のステップS15の処理を実行する。
【0081】
総合管理装置30は、受信した利用者識別データと利用者認証データにより利用者の認証を行い(ステップS15)、認証結果が適合であれば予約内容を確認させる予約確認画面のデータを利用者端末70に送信する(ステップS16)。なお、認証結果が不適合の場合は、その旨を示すデータを利用者端末70に送信して処理を終了する。
【0082】
利用者端末70は、受信した予約確認画面データに従って、図示省略する予約確認画面を表示し(ステップS17)、画面上に表示した予約実行ボタンが押下されると、予約処理として予約データを総合管理装置30に送信する(ステップS18)。
【0083】
総合管理装置30は、受信した予約データに基づいて、利用者が予約するとして選択した充電施設の二次電池管理装置10に、予約依頼データを送信する(ステップS19)。このときの予約依頼データは、充電施設識別データ、利用者識別データ、利用者個人データ、供給希望日時、及び確認供給価格により構成される。ここで、確認供給価格は、利用者が確認した二次電池12の供給価格であり、価格改定があった場合に、予約時と実際の供給時とで価格に差が生じることを防止するためのものである。また、これらの予約依頼データは、総合管理装置30が利用者端末70から受信した予約データと、管理データベース31に記憶されている利用者データとに基づいて構成される。
【0084】
二次電池管理装置10は、予約依頼データを受信して予約を受け付け(ステップS20)、受け付け可否を予約結果として総合管理装置30に送信する。このとき、二次電池管理装置10は、累計の予約個数が、希望日時に提供可能な個数を超えていないか等を基準に、充電施設側の都合を考慮して受け付け可否を判定する。
【0085】
総合管理装置30は、受信した予約結果を、該当する利用者端末70に転送し(ステップS21)、この予約結果を受信した利用者端末70は、予約結果を表示部に表示し(ステップS22)、処理を終了する。
【0086】
以上の動作により、図8に充電施設検索に関するデータ送受信の説明図を示すように、利用者は、自宅や勤務先など様々な場所で、パーソナルコンピュータや携帯情報端末といった利用者端末70を用いて、二次電池12の供給が受けられる充電施設を、総合管理センター8の総合管理装置30に問い合わせることができる。
【0087】
総合管理装置30は、複数の充電施設に供給条件を問い合わせることができ、この問い合わせを受けた各充電施設の二次電池管理装置10は、供給条件の応答を行うことができる。この供給条件には、充電施設側の都合や要望を反映することができる。
【0088】
そして、各二次電池管理装置10が供給条件を応答すると、これを総合管理装置30が受信して統合し、利用者が指定した検索条件に合致する充電施設の情報を利用者端末70に返信することができる。
【0089】
このようにして、利用者端末70は、二次電池12の供給が受けられる充電施設情報を利用者に提供することができる。そして、利用者は、提供された複数の充電施設の情報に基づいて、走行予定の道路から行きやすい充電施設、あるいは供給価格の廉価な充電施設等を基準に充電施設を選択し、この選択した充電施設に予約することができる。
【0090】
充電施設は、予約を受け付ける際に、充電施設側で設定した都合、つまり提供可能な日(定休日以外)であるか、提供可能な時刻(営業時間内)であるか、その日に提供を許容する個数を超えていないかといった都合を反映させて、予約の受け付けの可否を決定することができる。このため、充電施設の定休日に予約されるといったことを防止でき、利用者の満足度を向上させることができる。
【0091】
次に、二次電池供給システム1の全体の動作として、二次電池12を供給している充電施設を情報提供装置51が総合管理装置30に問い合わせ、情報提供装置51が充電施設に二次電池12を予約するまでの動作について説明する。
【0092】
図9は、二次電池供給システム1の動作を示すフローチャートであり、電気自動車50に設けられた情報提供装置51の制御部64が実行する動作、総合管理装置30のCPU35が実行する動作、及び二次電池管理装置10のCPU15が実行する動作を示す。
【0093】
情報提供装置51は、電気自動車50に車載されて駆動電源として使用している二次電池12の残容量を残容量検出センサ68により検出すると共に(ステップS31)、残容量が警告レベル(例えば残り10%)に達するまでこの検出を繰り返す(ステップS32:No)。
【0094】
残容量が警告レベルに達すれば(ステップS32:Yes)、情報提供装置51は、二次電池12の残容量が減少していることを表示部62に表示する(ステップS33)。なお、この表示は表示部62に限らず、例えば電気自動車のインストルメントパネルにおけるメータ部に別途設けられた燃料計に表示する構成としてもよい。
【0095】
情報提供装置51は、表示部62に充電施設の検索を促す画面を表示し、画面上の充電施設検索ボタンがタッチ入力されるまで待機する(ステップS34:No)。なお、この充電施設検索ボタンは、常に画面上に表示して利用者が常時タッチ入力できるように構成してもよい。
【0096】
前記充電施設検索ボタンがタッチ入力されると(ステップS34:Yes)、情報提供装置51は、問合せ処理として、充電施設を問い合わせる充電施設問合せデータを、電波通信部66により総合管理装置30に送信する(ステップS35)。この充電施設問合せデータには、GPSユニット67によりGPS衛星2から取得した現在の位置データと、電気自動車50に車載されている二次電池12の残容量と、利用者識別データとが含まれている。
【0097】
総合管理装置30は、前記充電施設問合せデータを受信するまで待機する(ステップS36:No)。充電施設問合せデータを受信すると(ステップS36:Yes)、受信した充電施設問合せデータから、電気自動車50の位置データと、この電気自動車50に車載されている二次電池12の残容量とを取得し、この電気自動車50が残容量で到着可能な範囲にある1または複数の充電施設を管理データベース31から抽出する(ステップS37)。このとき、営業時間内である充電施設を抽出するが、営業時間内であるか否かは、現在時刻が営業時間内か否かにより判定する。
【0098】
なお、各充電施設が営業時間内であるか否かは、問い合わせのあった電気自動車50がその充電施設に到着する到着予想時刻を、基準位置としての電気自動車50の現在位置から充電施設までの距離と電気自動車50の走行速度とに基づいて算出し、この到着予想時刻が営業時間内にあるか否かにより総合管理装置30が判定する構成としてもよい。また、前記ステップS37により抽出する充電施設は、到着可能な範囲にある充電施設のうち、電気自動車50の現在の進行方向側または経路誘導方向側にあるものだけを抽出する構成としても良い。
【0099】
そして、総合管理装置30は、抽出した各充電施設の二次電池管理装置10に、二次電池12の供給が可能か否か問い合わせる供給可否問合せデータを送信する(ステップS38)。
【0100】
二次電池管理装置10は、供給可否問合せデータを受信するまで待機する(ステップS39)。供給可否問合せデータを受信すると、二次電池管理装置10は、二次電池供給情報としての供給可否応答データを総合管理装置30に送信する(ステップS40)。この供給可否応答データには、二次電池12の供給可能個数、供給価格、充電施設識別データが含まれており、時期による充電施設側の都合や要望が反映されている。
【0101】
総合管理装置30は、二次電池管理装置10から、供給可否応答データを受信する(ステップS41)。そして、二次電池12の供給が可能な充電施設を抽出し、その抽出した充電施設の充電施設識別データ、充電施設位置、及び供給価格により構成する供給可能充電施設データを情報提供装置51に送信する(ステップS42)。
【0102】
電気自動車50に設けられた情報提供装置51は、前記供給可能充電施設データを受信する(ステップS43)。
【0103】
情報提供装置51は、情報提供処理として、図3(A)に示したように、受信した供給可能充電施設データに含まれている充電施設を、表示部62の一覧表示部81に表示すると共に、道路地図91上に充電施設マーク92として表示する(ステップS44)。
【0104】
利用者によって画面上の並べ替えボタン(近い順ボタン82または供給価格順ボタン83)がタッチ入力されると(ステップS45:Yes)、情報提供装置51は、並べ替え処理として、指定された順序に充電施設表示を並べ替えて一覧表示部81に表示する(ステップS46)。
【0105】
前記ステップS46の後、あるいは前記ステップS45で並べ替えが指定されなかった場合(ステップS45:No)、情報提供装置51は、図3(B)に基づいて説明したように利用者によって予約が行われるまで待機する(ステップS47:No)。
【0106】
利用者によって予約が行われると(ステップS47:Yes)、情報提供装置51は、予約処理として、指定された充電施設を予約するための予約依頼データを総合管理装置30に送信する(ステップS48)。
【0107】
なお、予約依頼データを受信した総合管理装置30は、予約依頼データに含まれている充電施設識別データを参照し、この充電施設識別データに該当する充電施設の二次電池管理装置10へ予約依頼データを送信し、予約を完了させる。このとき、予約依頼データを受信した二次電池管理装置10は、記憶部に記憶している予約状況のデータに予約依頼のあった利用者の利用者識別データを記憶する。
【0108】
情報提供装置51は、予約した充電施設の充電施設マーク92を道路地図91上に表示し、他の充電施設の充電施設マーク92は非表示として(ステップS49)、処理を終了する。
【0109】
以上の動作により、図10に充電施設通知に関するデータ送受信の説明図を示すように、電気自動車50が走行用電源として使用している二次電池12の残容量が一定量以下になると、情報提供装置51は、充電済みの二次電池12を交換用に供給している充電施設
を、総合管理センター8の総合管理装置30に問い合わせることができる。
【0110】
総合管理装置30は、複数の充電施設に供給可否を問い合わせることができ、この問い合わせを受けた各充電施設の二次電池管理装置10は、充放電管理装置13により供給可能な二次電池12があるか否かを判定することができる。この判定には、充電施設側の都合や要望を反映することができる。
【0111】
そして、各二次電池管理装置10が供給可否の応答を行うと、これを総合管理装置30が受信して統合し、供給可能な充電施設の情報を電気自動車50の情報提供装置51に返信することができる。
【0112】
このようにして、情報提供装置51は、二次電池12の供給が受けられる充電施設情報を利用者に提供することができる。そして、利用者は、提供された複数の充電施設の情報から、現在位置に近い充電施設、あるいは供給価格の廉価な充電施設といった任意の条件で絞り込むことができ、さらに、絞り込んで決定した特定の充電施設に予約することができる。
【0113】
これにより、利用者は、残容量の少なくなった二次電池12を、充電済みの二次電池12とスムーズに交換することができる。従って、二次電池12の電力切れによる走行停止を防止することができる。
【0114】
次に、二次電池供給システム1の全体の動作として、電気自動車50が充電施設で二次電池12の交換を行って課金が完了するまでの動作について説明する。
【0115】
図11は、二次電池供給システム1の動作を示すフローチャートであり、二次電池管理装置10のCPU15が実行する動作、総合管理装置30のCPU35が実行する動作、及び課金装置40のCPU45が実行する動作を示す。
【0116】
二次電池管理装置10は、磁界通信装置11により信号送信を行い、電気自動車50の磁界通信部65から応答信号を磁界通信装置11で検出するまで、すなわち電気自動車50が存在することを検出するまで待機する(ステップS61:No)。
【0117】
電気自動車50を検出すると(ステップS61:Yes)、二次電池管理装置10は、磁界通信装置11によって電気自動車50の磁界通信部65と通信し、識別情報記憶部63に記憶されている利用者識別データ及び利用者認証データを取得する(ステップS62)。
【0118】
二次電池管理装置10は、取得した利用者識別データ及び利用者認証データが登録された会員のものであるか確認するため、総合管理装置30に利用者の認証を依頼する(ステップS63)。これにより、総合管理装置30は、利用者識別データ及び利用者認証データによる認証処理を実行する。
【0119】
二次電池管理装置10は、この認証依頼に対する総合管理装置30の応答を受信し、認証結果が不適合であれば(ステップS64:No)、正規会員であると確認できなかったことが原因で二次電池12を供給できない旨を、適宜設けた表示装置(例えば液晶ディスプレイ)や音声出力装置(例えばスピーカ)により利用者に通知する(ステップS65)。
【0120】
認証結果が適合であれば(ステップS64:Yes)、二次電池管理装置10は、記憶部に記憶している予約状況と前記利用者識別データとを照合して予約有りの利用者か否かを判定する。
【0121】
この判定の結果、予約有りの利用者であれば(ステップS66:Yes)、予約の際に確保していた二次電池12を交換用に供給する(ステップS67)。
【0122】
前記判定の結果、予約のない利用者であった場合には(ステップS66:No)、二次電池管理装置10は、供給可能な二次電池12があるか否か判定する。そして、供給可能な二次電池12がなければ(ステップS68:No)、二次電池12を供給できない旨を適宜設けた表示装置や音声出力装置により利用者に通知し(ステップS65)、処理を終了する。
【0123】
供給可能な二次電池12があった場合には(ステップS68:Yes)、二次電池管理装置10は、予約されていない任意の二次電池12を交換用に供給する(ステップ69)。
【0124】
二次電池管理装置10は、二次電池12の供給が完了するまで、すなわち、電気自動車50から残容量の少ない二次電池12を回収し、充電済みの二次電池12を電気自動車50に供給し、この交換が完了するまで待機する(ステップS70:No)。
【0125】
二次電池12の供給が完了すると(ステップS70:Yes)、二次電池管理装置10は、識別情報記憶部63に記憶されているポイントを磁界通信装置11で読み取り、供給した電力量(若しくは走行距離)に対応するポイントを加算して識別情報記憶部63に記憶させる(ステップS71)。そして、取引情報送信処理として、二次電池12を供給したことを示す取引データを総合管理装置30へ送信する(ステップS72)。
【0126】
なお、このとき総合管理装置30へ送信する取引データは、供給した二次電池12の充電量から回収した二次電池12の残容量を減算した値に現在の供給価格の単価を乗算して得た取引金額、利用者の利用者識別データ、充電施設の充電施設識別データ、充電施設認証データ、取引日時、及び決済方式等により構成する。この取引データにおける決済方式は、二次電池12の供給時に利用者に選択された決済方式である。
【0127】
総合管理装置30は、取引データを受信するまで待機しており(ステップS73:No)、取引データを受信すると(ステップS73:Yes)、受信した取引データを確認する(ステップS74)。
【0128】
総合管理装置30は、取引データに含まれている充電施設識別データ及び充電施設認証データを、記憶部に記憶している充電施設識別データ及び充電施設認証データと照合し、認証を行う(ステップS75)。
【0129】
認証結果が適合であれば(ステップS76:Yes)、総合管理装置30は、課金装置40へ課金データの送信を行う(ステップS77)。この課金データは、前記取引データのうち、利用者識別データ、充電施設識別データ、取引金額、取引日時及び決済方式により構成する。
【0130】
認証結果が不適合であれば(ステップS76:No)、認証が不適合である旨をエラーデータとして二次電池管理装置10へ送信する(ステップS78)。
【0131】
課金装置40は、総合管理装置30から課金データを受信するまで待機し(ステップS79:No)、課金データを受信すると(ステップS79:Yes)、受信した課金データを確認する(ステップS80)。
【0132】
課金装置40は、利用者に選択された決済方式が即時振替であれば(ステップS81:Yes)、即時振替を実行する(ステップS82)。
【0133】
この即時振替では、課金データベース41を参照し、利用者識別データが一致する利用者課金用データを抽出する。そして、課金装置40は、料金徴収処理として、抽出した利用者課金用データの利用者の預貯金口座から料金(取引金額)の引き落としを実行する。
【0134】
さらに、課金装置40は、料金支払処理として、課金データベース41を参照し、充電施設識別データが一致する充電施設入金用データを抽出し、抽出した充電施設入金用データに含まれている充電施設の預貯金口座へ料金(取引金額から手数料を減算した料金)の振込みを実行する。
【0135】
利用者に選択された決済方式がクレジットカード決済であれば(ステップS83:Yes)、課金装置40は、クレジットカードによる決済を実行する(ステップS84)。このクレジットカード決済では、料金支払処理として利用者の信用によってクレジットカード会社が充電施設に料金を支払い、料金徴収処理として月毎にまとめて利用者から料金を徴収する。このときのクレジットカード会社は、総合管理センター8であってもよく、また、他のクレジットカード会社であってもよい。
【0136】
利用者に選択された決済方式が即時振替ではなく(ステップS81:No)、クレジットカード決済でもなかった場合には(ステップS83:No)、現金決済がなされたと判定して処理を終了する。
【0137】
以上の動作により、図12の課金に関するデータ送受信の説明図に示すように、充電施設の二次電池管理装置10は、電気自動車50を検出して利用者データを取得し、総合管理装置30に利用者の認証を依頼して認証結果を得ることができる。そして、認証結果が適合であれば現在の供給価格で二次電池12を供給(交換)して取引を行い、取引完了後に取引データを総合管理装置30へ送信することができる。この取引データを受信した総合管理装置30は、充電施設を認証した上で課金装置40へ課金データを送信することができ、課金装置40は、利用者に対して、二次電池12が供給される際に選択された決済方式で課金することができる。
【0138】
従って、利用者がどの充電施設で二次電池12の供給を受けても、課金装置40は、当
該利用者から料金を適切に徴収できる。また、充電施設が二次電池12をどの利用者に提供しても、課金装置40は、当該充電施設に料金を適切に支払える。
【0139】
以上詳述したように、本実施態様の二次電池供給システム1は、二次電池管理装置10が、二次電池の供給可否または供給可能個数に関する供給可否応答データと、二次電池の供給価格とを、総合管理装置30へ送信するものである。
【0140】
この構成によれば、充電施設では二次電池12を供給するか否か、及び二次電池12の供給価格を自由に決定することができ、充電施設側の都合や要望を自由に反映した充電施設情報を提供ことができる。
【0141】
これにより、二次電池12を供給できない状況の充電施設についての情報が提供されるといったことを防止でき、利用者の満足度を向上させることができる。
【0142】
また、充電施設の位置と二次電池12の供給価格とを表示部62に表示し、表示した充電施設のうち、任意の充電施設の選択入力を入力部61により許容し、選択入力された充電施設の二次電池12を予約するものであるから、利用者は、二次電池12の供給が受けられる充電施設の情報を容易に知ることができ、かつ予約することができる。
【0143】
また、利用者による入力部61への指示入力により、電気自動車50の現在位置から充電施設までの距離順または二次電池12の供給価格順に充電施設の表示を並び替えるものであるから、利用者は、距離や価格が希望に沿う充電施設を容易に検索することができる。
【0144】
また、二次電池管理装置10は、利用者を識別する利用者識別データを磁界通信部65により取得し、二次電池12を供給する際に、取得した利用者識別データと充電施設識別データと実際の取引金額情報とを送信し、これを受信した課金装置40は、受信したデータに基づく課金を実行するものであるから、二次電池管理装置10を設置した充電施設は、二次電池12の供給による収入を確実に得ることができる。
【0145】
このようにして、利用者は二次電池12を交換することができ、充電施設は交換した際の供給電力量に応じた課金を行うことができる。
【0146】
従って、充電施設では、電気自動車50への供給用途と、充電施設で利用する充電施設用途との両用途に二次電池12を活用することができ、二次電池12の有効活用を図ることができる。
【0147】
また、利用者は二次電池12の供給を受ける際に決済方法を選択することができ、課金装置40はこの決済方法に従って課金することができる。そして、必要に応じて、振込額と引落額の相殺を行うことができる。
【0148】
また、総合管理装置30は、取引データを蓄積しているため、どの充電施設の売り上げが良いか、立地条件や供給価格の影響はあるか等、営業分析を行うことができる。
【0149】
なお、以上の実施形態では、電気自動車50の情報提供装置51から問い合わせを受けた時点で、総合管理装置30が二次電池管理装置10に供給可否や供給価格を問い合わせる構成としたが、二次電池管理装置10が常に供給可否や供給価格を総合管理装置30に送信し、この供給可否や供給価格を総合管理装置30が記憶し管理する構成としてもよい。
【0150】
この場合、二次電池管理装置10が総合管理装置30に供給可否や供給価格を送信するタイミングは、10分毎や30分毎といった定期的なタイミング、または、二次電池12の供給を行った時や充電完了した時、または、供給可否を切り替える時といった不定期なタイミングに設定することができる。
【0151】
この構成により、総合管理装置30は、各充電施設における二次電池12の供給可否及び供給価格を常時把握することができ、電気自動車50の情報提供装置51から問い合わせがあった時に、二次電池12を供給可能な充電施設とその供給価格とを即座に応答することができる。
【0152】
また、二次電池12の供給価格は、電気自動車50の利用者に関係なく、充電施設側の都合や要望のみで決定したが、例えば、ある充電施設に対して特別会員となっている利用者には、その充電施設について別途設定した特別会員価格で二次電池12の情報を提供して、二次電池12を取り引きする構成としてもよい。
【0153】
この場合、利用者が二次電池供給システム1に会員登録する際に、どの充電施設を中心に利用するか予め選択させ、この選択された充電施設の特別会員として利用者データを構成し、この利用者データを管理データベース31に記憶すればよい。
【0154】
これにより、各充電施設のサービス性向上を図ることができ、充電施設間の競争を促し、電気自動車50のさらなる普及を促進することができる。
【0155】
また、電気自動車50に情報提供装置51を搭載しなければ、利用者は二次電池12の供給を受けられない構成としたが、情報提供装置51を搭載しなくとも、会員登録がなされると利用者識別データ(例えば利用者ID)及び利用者認証データ(例えば暗証番号)を利用者に通知しておきこれらの入力を充電施設の二次電池管理装置10で受け付ける、あるいは利用者に会員カード等として発行した記憶媒体から二次電池管理装置10が利用者識別データ及び利用者認証データを読み取ることで、二次電池12を供給できる構成としてもよい。
【0156】
また、充電施設における二次電池12の供給は、利用者を認証した後に実行する構成としたが(図11のステップS61〜S64)、識別情報記憶部63なしで走行した場合や、特殊な事情により識別情報記憶部63が壊れた場合を想定し、充電施設を管理する者への連絡により、現金払いまたは請求書・信用などで、二次電池12の供給を許容する構成としてもよい。この場合は、該当する充電施設の管理者の責任において行えばよい。
【0157】
また、デビットカードによる決済等、さらに多くの決済方式を利用者が選択できるように構成してもよい。これにより、利用者の利便性が向上する。
【0158】
(他の実施の形態)
上記の第一の実施の形態は、特に、広い範囲に亘る公道を運行する車に車載する二次電池の管理を扱う二次電池供給システムとして、本発明の適用を考えたものである。
【0159】
しかし、このような広い不特定空間を移動する車だけでなく、範囲地域が定まっている場合、ルートが定まっている場合、一部公道を使うことがあるにしても私用地内を主として循環するような場合等の特定空間(閉空間とも言える)に適用する場合も考えられる。
【0160】
例えば、牧場や農場、リゾートランド、リゾート島、食品を取り扱う市場(いちば)、宅配また郵便等の配送車及び集配車の巡回地域、さらに、コンビニエンスストア、ベンディングマシンへの集配車などの巡回地域への適用である。自動車の騒音、排気ガスによる汚染や、食品、牧草、家畜、住宅地への悪影響の解決のため、二次電池を用いた電気自動車の導入は緊急に必要とされている。
【0161】
このような特定空間(閉空間)おいては、その特定空間の具体的な性格により、例えば、市場(いちば)では現在位置の情報を知らせるGPSユニットなどが不要となる、牧場や農場では料金処理が不要となる、などのより簡素なシステム、あるいは、その空間独特の季節による一部充電施設の閉鎖又は移動などの機能を加えたものとして適用することも可能である。また、特定空間(閉空間)における充電施設は、完全無人化とすることが望ましい。
【0162】
ここで、本発明を、特定空間に適用した他の実施の形態例を複数説明する。
【0163】
(第二の実施の形態としての、農場・牧場への適用)
図13は、本発明を適用した農場・牧場の平面図を示す。これは、かなり広い敷地内に、農地、牧場、ふれあい広場、貸キャンプ場を持つ農場・牧場への適用例である。ここでは、母屋と同棟或は母屋に近接して総合管理装置30と充電施設A1、基地アンテナ4を、農機具の機器管理舎近接して充電施設B1を、キャンプ場の管理舎に充電施設C1を、ふれあいセンターに近接して充電施設D1を、配設している。それぞれの充電施設は二次電池管理装置を有する。農地、牧場、ふれあい広場、貸キャンプ場などに用事のある車或は巡回する管理車、警備車等は、それぞれ交換可能な二次電池を載備した電気自動車50で、情報提供装置51も車載している。第一の実施の形態で示したように同名称の構成要素は、同様な通信連絡を相互に行い適宜二次電池の充電管理、情報管理を行う。
【0164】
この第二の実施の形態は、リゾートランド、リゾート島へも同様に適用できることを示している。
【0165】
(第三の実施の形態としての、魚・青果市場への適用)
図14は、本発明を適用した魚・青果市場の平面図を示す。これは、魚市場と青果市場、ここでは卸売市場を想定、とが、一緒の敷地内にある場合の適用例である。関連事業者棟と同棟或は近接して総合管理装置30と充電施設A2、基地アンテナ4を、市場の各コーナーには充電施設B2、C2,D2及びE2を、配設している。それぞれの充電施設は二次電池管理装置を有する。市場用の車或は市場を巡回する管理車、警備車等は、それぞれ交換可能な二次電池を載備した電気自動車50で、情報提供装置51も車載している。第一の実施の形態で示したように同名称の構成要素は、同様な情報の通信連絡を相互に行い適宜二次電池の充電管理、情報管理を行う。
【0166】
このような生鮮食品を扱う市場の場合、騒音、排気ガス、炭酸ガスの排除は重要事項であり、本発明の適用は意義が大きい。また、市場の場合、面積はそれほどの大きさでないため、GPSは不要となることが多い。充電施設は、充電施設の規模、市場の広さや車の数に応じて設ければよい。1つの充電施設で10台位の同時期の二次電池交換は可能である。第二と第三の実施の形態のような特定空間では、1日に走行する車の数、走行距離の推定が可能であり、二次電池の容量を配慮して、用意する1日の充電済み二次電池の個数把握を可能とできる。
【0167】
(第四の実施の形態としての、宅配便システムへの適用(地域巡回システムへの適用))
図15は、本発明を適用した宅配便システムの巡回地域の平面図を示す。これは、単位巡回地域(宅配地域)の隣接した集合からなる場合の適用例である。1単位の宅配地域には、宅配集配基地に総合管理装置30Aと充電施設A3と基地アンテナ4Aを、有する。さらに、その宅配地域の南西コーナーには、充電施設B3を配設している。その南側に隣接する1単位の宅配地域には、宅配集配基地に総合管理装置30Bと充電施設C3と基地アンテナ4Bを、市場の南西コーナーには充電施設D3を、配設している。それぞれの充電施設は二次電池管理装置を有する。同様に、東側、北側の隣接する各1単位の宅配地域に総合管理装置と充電施設と基地アンテナを、さらに、その宅配地域の南西コーナーには、充電施設を配設している。図15には、コーナーの充電施設F3,E3,G3,H3のみが示されている。各単位の宅配地域巡回する宅配集配車である電気自動車管理車50は、それぞれ交換可能な二次電池を載備し、情報提供装置51も車載している。第一の実施の形態で示したように同名称の構成要素は、同様な情報の通信連絡を相互に行い適宜二次電池の充電管理、情報管理を行う。
【0168】
この例は、郵便等の配送車及び集配車の巡回地域、さらに、コンビニエンスストア、ベンディングマシンへの集配車などの巡回地域への同様な適用が可能であることも示している。特に、郵便局を基地とするポストを回っての郵便物の収集や、集配局を基地とする担当局への、また、からの郵便物の集配は、予め決められた地域で、予め決められた場所にあるポストや局を集会するパターンであり、同様な適用に適している。これらは、限られた地域のみの巡回であるため、基地にて一回二次電池を搭載したら何キロまたは、何周走行できるかの把握は可能である。
【0169】
図15では、各地域のコーナーに充電施設を設けた例を示しているが、地域がそれほど大きくなければ、二次電池の充電と交換は、集配基地に設けた充電施設で十分である。この場合、二次電池の交換は、基地の充電施設のみとなり、他の二次電池の交換処点である充電施設を通知することも必要ないが、地域を巡回する車の所在地を確認したいことも多く、GPSユニットは必要となろう。第一の実施の形態の場合と異なり、充電施設が分からないことはなく、また、予約及び確認の必要なこともない。車両の管理も基地で行われることとなろう。この場合総合管理装置30A,30Bは二次電池の供給が可能な充電施設に関する充電施設情報を応答するとしても、緊急時を除き、選択せずに主要な充電施設に関する充電施設情報を応答すればよい。
【0170】
さらに、図16は、第四の実施の形態における情報提供装置51と充電施設A3との関係を説明するブロック図で、第一の実施の形態における図2とその説明に示すものと同符号を付したブロックの機能は同じである。図16に示すように、情報提供装置51を持つ車両から充電施設A3に対し、情報提供装置51の残容量検出センサ68で検出された残容量データを送信することとすれば、充電施設A3での円滑な電池交換の対応が可能となる。また、情報提供装置51のGPSユニット67からの信号を電波通信部66を通して充電施設A3で受け、距離測定部16で測定し、車までの距離と二次電池残量とにより、通知時期を算出し、車のドライバーに通知部17を通して通知することとして、二次電池の容量が無くなり車が立ち往生する機会をなくすことを可能とできる。図16では、磁界通信部65が省略されているが、他の電子キーなどで代用できる場合、利用者を識別する利用者識別データを特に取得しなくてもよい場合が考えられるからである。
【0171】
地域が大きい場合には、図15で示したような、各地域のコーナーに充電施設を設けた例が有効になる。すなわち、図15の例では、充電施設を各宅配地域の南西に一つ加えて設けているが、この各単位の宅配地域が、四方を他の単位の宅配地域に囲まれているとすれば、四方の単位の宅配地域のコーナーの充電施設で囲まれることとなり、このコーナーの充電施設を隣接する宅配地域の総合管理装置が共通に管理でき、使用可能とすることにより、充電施設の数を増やすことなく極めて利便性の高い二次電池供給システムとできる。
【0172】
なお、この発明は、上述の実施の形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0173】
この発明にかかる二次電池供給システム及び二次電池供給方法は、電気自動車等の二次電池の利用者に充電施設の情報を提供するシステム又は方法として有用で、多くの産業上の利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】本発明の第一の実施の形態としての二次電池供給システムのシステム構成図。
【図2】第一の実施の形態における情報提供装置の構成を示すブロック図。
【図3】第一の実施の形態における情報提供装置に表示する画面の画面イメージ図。
【図4】第一の実施の形態における利用者端末に表示する検索画面の画面イメージ図。
【図5】図4の利用者端末に表示する検索結果表示画面の画面イメージ図。
【図6】図4の利用者端末に表示する充電施設詳細表示画面の画面イメージ図。
【図7】第一の実施の形態における二次電池供給システムの利用者端末を中心とした動作を示すフローチャート。
【図8】図7における充電施設情報の提供に関するデータ送受信の説明図。
【図9】第一の実施の形態における二次電池供給システムの情報提供装置を中心とした動作を示すフローチャート。
【図10】図9における充電施設情報の提供に関するデータ送受信の説明図。
【図11】第一の実施の形態における二次電池供給システムの課金装置を加えた動作を示すフローチャート。
【図12】図11における課金に関するデータ送受信の説明図。
【図13】本発明を適用した第二の実施の形態としての、農場・牧場の平面図。
【図14】本発明を適用した第三の実施の形態としての、魚・青果市場の平面図。
【図15】本発明を適用した第四の実施の形態としての、宅配便システムの平面図。
【図16】本発明を、特定空間に適用した場合の第四の実施の形態における情報提供装置と充電施設との関係を説明するブロック図。
【符号の説明】
【0175】
1 二次電池供給システム、10 二次電池管理装置、11 磁界通信装置、12 二次電池、13 充放電管理装置、15 CPU、16 距離測定部、30 総合管理装置、35 CPU、40 課金装置、45 CPU、50 電気自動車、51 情報提供装置、61 入力部、62 表示部、64 制御部、70 利用者端末、75 CPU、A,B,C,A1,A2,A3 充電施設、S4,S35 問合せ処理、S10,S44 情報提供処理、S18,S48 予約処理、S46 並べ替え処理、S72 取引情報送信処理、S81〜S84 料金徴収処理、料金支払い処理。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電施設に設けられて複数の二次電池の充電を管理する二次電池管理装置と、前記二次電池管理装置を複数管理する総合管理装置と、利用者に充電施設情報を提供する情報提供装置とを備え、前記総合管理装置を前記二次電池管理装置と前記情報提供装置とに通信可能に接続した二次電池供給システムであって、
前記二次電池管理装置は、二次電池の供給可否または供給可能個数に関する二次電池供給情報を前記総合管理装置へ送信制御する制御手段を備え、
前記総合管理装置は、前記情報提供装置からの問い合わせに基づいて少なくとも二次電池の供給が可能な充電施設に関する充電施設情報を応答制御する制御手段を備え、
前記情報提供装置は、前記総合管理装置に前記充電施設に関しての前記充電施設情報を問い合わせる問合せ処理、及び前記総合管理装置からの応答に基づいて前記充電施設情報を提供する情報提供処理を実行する制御手段と、前記充電施設情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする
二次電池供給システム。
【請求項2】
前記情報提供装置の出力手段を、情報表示を行う表示手段で構成し、
前記充電施設情報は、充電施設の位置を含むことを特徴とする
請求項1記載の二次電池供給システム。
【請求項3】
前記二次電池管理装置は、二次電池の供給価格に関する供給価格情報を前記総合管理装置へ送信制御する制御手段を備え、
前記充電施設情報は、二次電池の供給価格を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池供給システム。
【請求項4】
前記情報提供装置に、表示された充電施設のうち任意の充電施設の選択入力を許容する入力手段を備え、
前記情報提供装置の制御手段は、選択入力された充電施設の二次電池を予約する予約処理を実行する構成としたことを特徴とする
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二次電池供給システム。
【請求項5】
前記二次電池管理装置に、利用者を識別する利用者識別情報を取得する識別情報取得手段を備え、
前記二次電池管理装置の制御手段は、二次電池を供給する際に、取得した利用者識別情報と充電施設の充電施設識別情報と実際の取引金額情報とを送信する取引情報送信処理を実行する構成とし、
前記総合管理装置の制御手段は、前記利用者識別情報と充電施設識別情報と取引金額情報とを受信し、受信した情報に基づいて利用者からの料金徴収処理と充電施設への料金支払い処理とを実行する構成としたことを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の二次電池供給システム。
【請求項6】
充電施設に設けられて複数の二次電池の充電を管理する二次電池管理装置と、前記二次電池管理装置を複数管理する総合管理装置と、利用者に充電施設情報を提供する情報提供装置とが備えられ、前記総合管理装置が前記二次電池管理装置と前記情報提供装置とに通信可能に接続されて、二次電池を供給する二次電池供給方法であって、
前記二次電池管理装置は、二次電池の供給可否または供給可能個数に関する二次電池供給情報を前記総合管理装置へ送信し、
前記情報提供装置は、前記総合管理装置に前記充電施設に関しての前記充電施設情報を問い合わせ、
前記総合管理装置は、前記情報提供装置からの問い合わせに基づいて少なくとも二次電池の供給が可能な充電施設に関する充電施設情報を応答し、
前記情報提供装置は、前記総合管理装置からの応答に基づいて出力手段で前記充電施設情報を提供することを特徴とする
二次電池供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−331405(P2006−331405A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115032(P2006−115032)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】