説明

代謝型グルタミン酸受容体増強性イソインドロン

式(I)(式中、Rは環である)を有する化合物、および療法における代謝型グルタミン酸受容体モジュレーターとしての、具体的には、神経障害および精神障害での該化合物の使用。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願のクロス・リファレンス
本出願は、2005年8月12日出願のP.C.T.出願PCT/US2005/028760号の優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
本発明は、グルタミン酸受容体の増強剤として機能する新規な化合物、それらの製造方法、それらを含有する医薬組成物、および療法におけるそれらの使用に関する。
【0003】
代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)は、グルタメートによって活性化されるGTP結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体のファミリーであり、それらは、中枢神経系のシナプス活性、神経可塑性、神経発生および神経変性に重要な役割を有する。
【0004】
無傷の哺乳動物神経細胞におけるmGluRの活性化は、次の一つまたはそれを超える応答を引き出す。ホスホリパーゼCの活性化;ホスホイノシチド(PI)加水分解の増加;細胞内カルシウム放出;ホスホリパーゼDの活性化;アデニルシクラーゼの活性化または阻害;サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)形成の増加または減少;グアニリルシクラーゼの活性化;サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)形成の増加;ホスホリパーゼAの活性化;アラキドン酸放出の増加;および電位依存性およびリガンド依存性イオンチャンネルの活性の増加または減少(Schoepp et al., 1993, Trends Pharmacol. Sci., 14:13 ; Schoepp, 1994, Neurochem. Int., 24:439; Pin et al., 1995, Neuropharmacology 34:1; Bordi & Ugolini, 1999, Prog. Neurobiol. 59:55)。
【0005】
8種類のmGluRサブタイプが識別された。それらサブタイプは、一次配列類似性、シグナル伝達連関および薬理学的プロフィールに基づいて三グループに分けられる。グループIには、mGluR1およびmGluR5が含まれるが、それらは、細胞内カルシウムシグナルの生成およびホスホリパーゼCを活性化する。グループII(mGluR2およびmGluR3)およびグループIII(mGluR4、mGluR6、mGluR7およびmGluR8)のmGluRは、アデニリルシクラーゼ活性の阻害およびサイクリックAMPレベルを媒介する。概説については、Pin et al., 1999, Eur. J. Pharmacol., 375:277-294 を参照されたい。
【0006】
mGluRファミリー受容体の活性は、哺乳動物CNSにおける多数の正常過程に関連しているが、それらは、いろいろな神経障害および精神障害の処置用の化合物について重要な標的である。mGluRの活性化は、海馬の長期増強および小脳の長期抑圧の誘発に必要とされる(Bashir et al., 1993, Nature, 363:347 ; Bortolotto et al., 1994, Nature, 368:740 ; Aiba et al., 1994, Cell, 79:365 ; Aiba et al., 1994, Cell, 79:377)。侵害受容および痛覚脱失におけるmGluR活性化の役割も示された(Meller et al., 1993, Neuroreport, 4: 879; Bordi & Ugolini, 1999, Brain Res., 871:223)。更に、mGluR活性化は、シナプス伝達、神経細胞発生、アポトーシス神経細胞死、シナプス可塑性、空間的学習、嗅覚記憶、心臓活動の中枢性制御、覚醒、運動制御および前庭動眼反射の制御を含めたいろいろな他の正常過程において調節的な役割を果たすことが示唆された(Nakanishi, 1994, Neuron, 13:1031; Pin et al., 1995, Neuropharmacology, 上を参照されたい; Knopfel et al., 1995, J. Med. Chem., 38:1417)。
【0007】
mGluRの神経生理学的役割の解明における最近の進展は、これら受容体を、急性および慢性の神経障害および精神障害、および急性および慢性の疼痛性障害の療法に有望な薬物標的として確定した。mGluRの生理学的および病態生理学的有意性ゆえに、mGluR機能をモジュレーションしうる新しい薬物および化合物が要求されている。
【0008】
発明の要旨
本発明者は、mGluR機能をモジュレーションする化合物のクラスを識別した。一つの側面において、本発明は、式I
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、Rは、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい3〜7員環であり、ここにおいて、この環は、1個またはそれを超えるBで置換されていて;
およびRは、独立して、H、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキルおよびC1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキルから成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく;
およびRは、独立して、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれのシクロアルキルまたはアリールも、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
は、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、C1−6−アルキル、OC0−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、OC1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、Oヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C(O)H、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CN)OR10、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
は、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、OC1−4−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニルおよびC3−8−シクロアルキルから成る群より選択され;
およびRは、独立して、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニルおよびOC2−6−アルキニルから成る群より選択され、またはnが1より大である場合、隣接する炭素原子上の2個またはそれを超えるRおよび/またはRは、アルケニル部分またはアルキニル部分を形成するように不存在であってよく;
10およびR11は、独立して、H、ヒドロキシ、オキソ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC1−6アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく、そしていずれの環状部分も、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、Oアルキル、ハロアルキルおよびOハロアルキルより選択される置換基で置換されていてよく;
Aは、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、オキソ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクリル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C0−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C1−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、この5〜7員環は、1個またはそれを超えるR10およびR11で置換されていてよく;
Bは、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、C0−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C0−6−アルキルヘテロアリールおよびOC0−6−アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、ハロ、アルキル、アルキルハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、COR、COR、SORおよびCNから成る群より選択される少なくとも1個の置換基で置換され;そして
nは、1、2、3、4、5、6、7および8から成る群より選択される)
を有する化合物であって、
但し、この化合物は、
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−{3−[4−(4−フルオロフェノキシ)−フェニル]−プロピル}−7−ヨード−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、または
7−ヨード−2−[3−(2−メトキシフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
ではないという条件付きである化合物;またはそれらの薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せを提供する。
【0011】
本発明は、更に、式Iの化合物の製造方法を提供する。
【0012】
本発明は、更に、式Iによる化合物を、薬学的に許容しうる担体または賦形剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。別の側面において、本発明は、グルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置を必要としている動物のグルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置または予防の方法を提供する。その方法は、その動物に、治療的有効量の式Iの化合物またはその医薬組成物を投与することを含む。
【0013】
本発明は、更に、本明細書中に論じられるいずれかの状態の処置用の薬剤の製造における、式Iによる化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物の使用を提供する。更に、本発明は、療法において用いるための式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物を提供する。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、代謝型グルタミン酸受容体のモジュレーターとしての活性を示す化合物の発見に基づいている。より詳しくは、本発明の化合物は、mGluR2受容体の増強剤としての活性を示し、そして療法において、具体的には、グルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置用の薬剤として有用である。
【0015】
P.C.T.出願PCT/US2005/028760号の開示は、本明細書中にそのまま援用される。
【0016】
定義
本明細書中に特に断らない限り、本明細書中で用いられる命名法は、概して、Nomenclature of Organic Chemistry, Sections A, B, C, D, E, F, and H, Pergamon Press, Oxford, 1979 に述べられている例および規則にしたがうが、それは、その代表的な化学構造名称および化学構造を命名する規則について本明細書中に援用される。場合により、化合物の名称は、化学名プログラム:ACD/ChemSketch, Version 5.09/September 2001, Advanced Chemistry Development, Inc., Toronto, Canada を用いて作成することができる。
【0017】
本明細書中で用いられる「アルキル」という用語は、例えば、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐状鎖の炭化水素基を意味し、そしてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル等を包含する。
【0018】
本明細書中で用いられる「アルケニル」という用語は、例えば、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐状鎖のアルケニル基を意味し、そしてエテニル、1−プロペニル、1−ブテニル等を包含する。
【0019】
本明細書中で用いられる「アルキニル」という用語は、例えば、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐状鎖のアルキニル基を意味し、そして1−プロピニル(プロパルギル)、1−ブチニル等を包含する。
【0020】
本明細書中で用いられる「シクロアルキル」という用語は、例えば、3〜7個の炭素原子を有する環状基(不飽和であってよい)を意味し、そしてシクロプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル等を包含する。
【0021】
本明細書中で用いられる「ヘテロシクロアルキル」という用語は、例えば、N、SおよびOから成る群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する3〜7員環状基(不飽和であってよい)を意味し、そしてピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル等を包含する。
【0022】
本明細書中で用いられる「アルコキシ」という用語は、例えば、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐状鎖のアルコキシ基を意味し、そしてメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t−ブトキシ等を包含する。
【0023】
本明細書中で用いられる「ハロ」という用語は、ハロゲンを意味し、そして放射性および非放射性双方の形のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード等を包含する。
【0024】
本明細書中で用いられる「アリール」という用語は、例えば、5〜12個の原子を有する芳香族基を意味し、そしてフェニル、ナフチル等を包含する。
【0025】
本明細書中で用いられる「ヘテロアリール」という用語は、N、SおよびOから成る群より選択される少なくとも1個のヘテロ原子を包含する芳香族基を意味し、そしてピリジル、インドリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、キノリル、オキサゾリル等を包含する。
【0026】
本明細書中で用いられる「アルカノイル」という用語は、例えば、2〜7個の原子を有する直鎖または分岐状鎖のアルカノイル基を意味し、そしてアセチル、プロピオニル、ブチリル等を包含する。
【0027】
本明細書中で用いられる「シクロアルケニル」という用語は、例えば、4〜7個の炭素原子を有する不飽和シクロアルキル基を意味し、そしてシクロペンタ−1−エニル、シクロヘキサ−1−エニル等を包含する。
【0028】
「アルキルアリール」、「アルキルヘテロアリール」および「アルキルシクロアルキル」という用語は、アリール基、ヘテロアリール基またはシクロアルキル基で置換されたアルキル基を意味し、そして2−フェネチル、3−シクロヘキシルプロピル等を包含する。
【0029】
「N、OおよびSより独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環」という用語は、芳香環およびヘテロ芳香環、更には、飽和または不飽和であってよい炭素環式環および複素環式環を包含し、そしてフリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、イミダゾリル、トリアゾリル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、テトラヒドロピラニル、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンチル、シクロヘキサニル等を包含する。
【0030】
「薬学的に許容しうる塩」という用語は、患者の処置に適合性である酸付加塩かまたは塩基付加塩を意味する。
【0031】
「薬学的に許容しうる酸付加塩」は、式Iで示される塩基化合物またはそのいずれかの中間体のいずれか無毒性の有機または無機酸付加塩である。適する塩を形成する代表的な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸、およびオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどの酸性金属塩が含まれる。適する塩を形成する代表的な有機酸には、モノ−、ジ−およびトリカルボン酸が含まれる。このような酸を代表するものは、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、およびメタンスルホン酸および2−ヒドロキシエタンスルホン酸などの他のスルホン酸である。一酸塩かまたは二酸塩が形成されうるが、このような塩は、水和した形か、溶媒和の形かまたは実質的に無水の形で存在しうる。概して、これら化合物の酸付加塩は、水およびいろいろな親水性有機溶媒中に一層可溶性であり、そして概して、それらの遊離塩基形と比較してより高い融点を示す。適当な塩の選択基準は、当業者に知られているであろう。他の薬学的に許容しえない塩、例えば、シュウ酸塩は、例えば、実験室使用のためのまたはその後の薬学的に許容しうる酸付加塩への変換のための式Iの化合物の単離に用いることができる。
【0032】
「薬学的に許容しうる塩基性付加塩」は、式Iで示される酸化合物またはそのいずれかの中間体のいずれか無毒性の有機または無機塩基付加塩である。適する塩を形成する代表的な無機塩基には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは水酸化バリウムが含まれる。適する塩を形成する代表的な有機塩基には、メチルアミン、トリメチルアミンおよびピコリンのような、脂肪族、脂環式または芳香族の有機アミン、またはアンモニアが含まれる。適当な塩の選択は、分子中のどこか他にエステル官能基が存在するとしても、それが加水分解されないために重要でありうる。適当な塩の選択基準は、当業者に知られているであろう。
【0033】
「溶媒和化合物」は、適する溶媒の分子が結晶格子中に包含されている式Iの化合物または式Iの化合物の薬学的に許容しうる塩を意味する。適する溶媒は、溶媒和化合物として投与される投薬量において生理学的に耐容性である。適する溶媒の例は、エタノール、水等である。水が溶媒である場合、その分子を水和物と称する。
【0034】
「立体異性体」という用語は、それらの原子の空間中の配向だけが異なる個々の分子の全異性体についての一般的用語である。それは、鏡像異性体(エナンチオマー)、幾何(シス/トランス)異性体、および二つ以上のキラル中心を有する互いに鏡像ではない化合物の異性体(ジアステレオマー)を包含する。
【0035】
「処置する」または「処置すること」という用語は、症状を軽減すること、症状の原因を一時的または永久的基準で排除すること、または指名された障害または状態の症状の出現を予防するまたは遅らせることを意味する。
【0036】
「治療的有効量」という用語は、指名された障害または状態を処置する場合に有効である化合物の量を意味する。
【0037】
「薬学的に許容しうる担体」という用語は、医薬組成物、すなわち、患者への投与を可能にする剤形の形成を可能にするために活性成分と混合される無毒性の溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバントまたは他の物質を意味する。このような担体の一例は、非経口投与に典型的に用いられる薬学的に許容しうる油である。
【0038】
化合物
本発明の化合物は、概して、式I:
【0039】
【化2】

【0040】
(式中、Rは、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい3〜7員環であり、ここにおいて、この環は、1個またはそれを超えるBで置換されていて;
およびRは、独立して、H、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキルおよびC1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキルから成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく;
およびRは、独立して、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれのシクロアルキルまたはアリールも、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
は、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、C1−6−アルキル、OC0−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、OC1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、Oヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C(O)H、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CN)OR10、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
は、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、OC1−4−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニルおよびC3−8−シクロアルキルから成る群より選択され;
およびRは、独立して、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニルおよびOC2−6−アルキニルから成る群より選択され、またはnが1より大である場合、隣接する炭素原子上の2個またはそれを超えるRおよび/またはRは、アルケニル部分またはアルキニル部分を形成するように不存在であってよく;
10およびR11は、独立して、H、ヒドロキシ、オキソ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC1−6アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく、そしていずれの環状部分も、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、Oアルキル、ハロアルキルおよびOハロアルキルより選択される置換基で置換されていてよく;
Aは、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、オキソ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクリル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C0−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C1−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、この5〜7員環は、1個またはそれを超えるR10およびR11で置換されていてよく;
Bは、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、C0−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C0−6−アルキルヘテロアリールおよびOC0−6−アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、ハロ、アルキル、アルキルハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、COR、COR、SORおよびCNから成る群より選択される少なくとも1個の置換基で置換され;そして
nは、1、2、3、4、5、6、7および8から成る群より選択される)
であって、但し、
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−{3−[4−(4−フルオロフェノキシ)−フェニル]−プロピル}−7−ヨード−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、または
7−ヨード−2−[3−(2−メトキシフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
ではないという条件付きである化合物;またはそれらの薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せにしたがう。
【0041】
式Iによる具体的な化合物は、
が、フェニルであり、ここにおいて、このフェニルは、1個またはそれを超えるBで置換されていて;
およびRが、独立して、H、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキルおよびC1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキルから成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく;
およびRが、独立して、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれのシクロアルキルまたはアリールも、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
が、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、C1−6−アルキル、OC0−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、OC1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、Oヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C(O)H、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CN)OR10、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
が、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、OC1−4−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニルおよびC3−8−シクロアルキルから成る群より選択され;
およびRが、双方ともHであり;
10およびR11が、独立して、H、ヒドロキシ、オキソ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC1−6アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく、そしていずれの環状部分も、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、Oアルキル、ハロアルキルおよびOハロアルキルより選択される置換基で置換されていてよく;
Aが、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、オキソ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクリル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C0−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C1−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、この5〜7員環は、1個またはそれを超えるR10およびR11で置換されていてよく;
Bが、C0−6−アルキルアリールおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれのアリール部分も、ハロ、アルキル、アルキルハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、COR、COR、SORおよびCNから成る群より選択される少なくとも1個の置換基で置換され;そして
nが1である化合物;またはそれらの薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せである。
【0042】
式Iによる他の具体的な化合物は、
が、フェニルであり、ここにおいて、このフェニルは、1個またはそれを超えるBで置換されていて;
およびRが、独立して、HおよびC1−6−アルキルから成る群より選択され;
が、Hであり、そしてRが、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキルおよびOC1−6アルキルから成る群より選択され;
が、H、F、Cl、Br、I、またはN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され;
が、HまたはC1−6−アルキルから成る群より選択され;
およびRが、双方ともHであり;
Bが、OC0−6−アルキルアリールであり、ここにおいて、このアリール部分は、ハロ、アルキル、アルキルハロおよびアルコキシから成る群より選択される少なくとも1個の置換基で置換され、そして
nが1である化合物;またはそれらの薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せである。
【0043】
本発明の他の化合物は、概して、R、R、R、R、R、R、R、R、Rおよびnが、本明細書中の上のように定義される式Iにしたがう。具体的な態様において、nは、1、2または3である。nが1より大である場合、隣接する炭素原子上の2個またはそれを超えるRおよびRは、部分的にまたは完全に不飽和の部分を形成するように不存在でありうる。したがって、例えば、nが2であり、そして2個の隣接するRおよびRが不存在である場合、その部分は、アルケニル基である。4個の隣接するRおよびRが不存在である場合、その部分は、アルキニル基である。これら組合せのすべてが考えられる。最も具体的には、nは1である。この場合、RおよびRは、具体的には、各々Hである。
【0044】
別の具体的な部分集合の化合物は、式I中のRおよびRが、各々Hであるものである。したがって、この態様におけるイソインドロンコアの芳香族部分は、多くとも二置換でありうる。
【0045】
別の態様において、Rは、アリール、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクリルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものから成る群より選択される5〜7員環である。この場合の典型的な環には、フェニル、ナフチル、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサジアゾリル、キノリニル、ピペラジニルおよびテトラヒドロピラニルが含まれるが、これに制限されるわけではない。具体的には、Rは、フェニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものである。
【0046】
別の態様において、Rは、フェニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものである。更に、R、R、R、R、RおよびRは、各々Hであり、そしてnは1である。Rの具体的な意味には、H、Cl、Br、I、C1−6−アルキルおよびOC1−4−アルキル、具体的には、H、Cl、Br、I、−CHおよび−OCH、そして最も具体的には、Cl、Br、Iおよび−OCHが含まれる。
【0047】
また別の態様において、Rは、C3−8−シクロアルキル基である。具体的には、Rは、シクロプロピルである。この態様において、nは、具体的には、1、2または3であり、そして最も具体的には、1である。
【0048】
別の具体的な部分集合の化合物は、Rが、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択されるものである。この態様において、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしていずれのシクロアルキルまたはアリールも、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよい。具体的には、Rは、C1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよい。より具体的には、Rは、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環であり、この環は、C1−6−アルキルヘテロシクリル、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されている。
【0049】
また別の態様において、nは、1、2または3であり;R、R、RおよびRは、各々Hであり;Rは、アリール、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクリルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものから成る群より選択され;Rは、H、Cl、Br、I、C1−6−アルキルおよびOC1−4−アルキルから成る群より選択され、そしてRは、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよい。
【0050】
別の態様において、nは、1、2または3であり;R、R、RおよびRは、各々Hであり;Rは、フェニル、ナフチル、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサジアゾリル、キノリニル、ピペラジニルおよびテトラヒドロピラニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものより選択され;Rは、Cl、Br、Iおよび−OCHより選択され、そしてRは、C1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよい。
【0051】
なおもう一つの態様において、nは、1、2または3であり;R、R、RおよびRは、各々Hであり;Rは、フェニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものであり;Rは、H、Cl、Br、I、C1−6−アルキルおよびOC1−4−アルキルから成る群より選択され、そしてRは、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環であり、ここにおいて、この5〜7員環は、C1−6−アルキルヘテロシクリル、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されている。
【0052】
別の態様において、nは、1であり;R、R、R、R、RおよびRは、各々Hであり;Rは、フェニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものであり;Rは、Cl、Br、Iおよび−OCHより選択され、そしてRは、C1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよい。
【0053】
本発明の化合物が、一つまたはそれを超えるキラル中心を含有する場合、それら本発明の化合物は、エナンチオマーまたはジアステレオマーの形でまたはラセミ混合物として存在しうるし、そしてそれらの形として単離しうるということは、当業者に理解されるであろう。本発明は、式Iの化合物のいずれか可能性のあるエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体またはそれらの混合物を包含する。本発明の化合物の光学活性形は、例えば、ラセミ体のキラルクロマトグラフィー分離によって、光学活性な出発物質からの合成によって、またはその後記載される手順に基づく不斉合成によって製造することができる。
【0054】
更に、本発明のある種の化合物が、幾何異性体、例えば、アルケンのEおよびZ異性体として存在しうるということは、当業者に理解されるであろう。本発明は、式Iの化合物のいずれの幾何異性体も包含する。更に、本発明が、式Iの化合物の互変異性体を包含するということは理解されるであろう。
【0055】
更に、本発明のある種の化合物が、溶媒和の形、例えば、水和した形、更には、非溶媒和の形で存在しうるということは、当業者に理解されるであろう。更に、本発明が、式Iの化合物のこのような溶媒和の形をすべて包含するということは理解されるであろう。
【0056】
本発明の範囲内には、式Iの化合物の塩もある。概して、本発明の化合物の薬学的に許容しうる塩は、当該技術分野において周知の標準的な手順を用いて、例えば、十分に塩基性の化合物、例えば、アルキルアミンと、適する酸、例えば、HClまたは酢酸とを反応させて、生理学的に許容しうる陰イオンを与えることによって得られる。更に、該当するアルカリ金属(ナトリウム、カリウムまたはリチウムなど)またはアルカリ土類金属(カルシウムなど)の塩を製造することは、カルボン酸またはフェノールのような好適に酸性のプロトンを有する本発明の化合物を、水性媒体中において1当量のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物またはアルコキシド(エトキシドまたはメトキシドなど)または好適に塩基性の有機アミン(コリンまたはメグルミンなど)で処理後、慣用的な精製法を行うことによって可能である。
【0057】
本発明の一つの態様において、式Iの化合物は、その薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物、具体的には、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩などの酸付加塩へと変換することができる。
【0058】
本発明の具体な例には、本明細書中に記載の化合物、それらの薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物およびそれらの光学異性体が含まれる。
【0059】
医薬組成物
本発明の化合物は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物を、薬学的に許容しうる担体または賦形剤と一緒に含む慣用的な医薬組成物へと製剤化することができる。薬学的に許容しうる担体は、固体かまたは液体でありうる。固形製剤には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0060】
固体担体は、一つまたはそれを超える物質でありうるが、それは、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤またはテーブル崩壊剤(table disintegrating agents)として働くこともありうる。固体担体は、カプセル封入材料でもありうる。
【0061】
散剤の場合、担体は、微粉固体であり、それは、本発明の微粉化合物または活性成分との混合物中である。錠剤の場合、活性成分を、必要な結合性を有する担体と適する比率で混合し、そして所望の形状およびサイズに圧縮する。
【0062】
坐剤組成物を製造するには、最初に、脂肪酸グリセリドおよびカカオ脂の混合物のような低融点ロウを溶融させ、そして活性成分をその中に、例えば、撹拌することによって分散させる。次に、その溶融均一混合物を、好都合なサイズの型に注入し、冷却しそして凝固させる。
【0063】
適する担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ロウ、カカオ脂等が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0064】
組成物という用語は、更に、カプセルを与える担体としてカプセル封入材料を含む活性成分の製剤を包含するものであるが、この場合、(他の担体を含むまたは不含の)活性成分は、担体に取り囲まれていることで、それと一緒になっている。同様に、カシェ剤が包含される。
【0065】
錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適する固体剤形として用いることができる。
【0066】
液状形組成物には、液剤、懸濁剤および乳剤が含まれる。例えば、活性化合物の滅菌水または水プロピレングリコール溶液は、非経口投与に適する液状製剤でありうる。液状組成物は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液で製剤化することもできる。
【0067】
経口投与用の水性液剤は、活性成分を水中に溶解させ、そして所望のように適する着色剤、着香剤、安定化剤および増粘剤を加えることによって製造することができる。経口使用のための水性懸濁剤は、微粉活性成分を、天然・合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび当製薬技術分野に知られている他の懸濁化剤のような粘稠材料と一緒に水中に分散させることによって製造することができる。経口使用を予定した典型的な組成物は、一つまたはそれを超える着色剤、甘味剤、着香剤および/または保存剤を含有してよい。
【0068】
投与方式に依存して、医薬組成物は、約0.05%w(重量パーセント)〜約99%w、より具体的には、約0.10%w〜50%wの本発明の化合物を包含するであろうが、重量百分率はすべて、組成物の全重量に基づいている。
【0069】
本発明の実施のための治療的有効量は、個々の患者の年齢、体重および応答を含めた、そして処置されているまたは予防されている疾患の場合の範囲内と解釈される既知の判定基準を用いて、当業者が決定することができる。
【0070】
用途:
本発明者は、本発明の化合物が、薬剤として、具体的には、代謝型グルタミン酸受容体のモジュレーターとしての活性を示すということを発見した。より詳しくは、本発明の化合物は、mGluR2受容体の増強剤としての活性を示す。したがって、このような化合物およびそれらを含有する医薬組成物は、療法において、具体的には、動物のグルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置に有用である。
【0071】
本明細書中に開示される化合物での処置に従順な神経障害および精神障害には、心臓バイパス術および移植後の脳欠陥、卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経細胞損傷、痴呆(AIDS性痴呆を含めた)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物性パーキンソン病;振せん、癲癇、痙攣を含めた筋痙縮に関連した筋痙攣および障害;癲癇重積持続状態の続発性脳欠陥、偏頭痛(migraine)(偏頭痛(migraine headache)を含めた)、尿失禁、物質耐性、物質離脱(アヘン薬、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静薬、睡眠薬等のような物質を含めた)、精神病、統合失調症、不安(全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)を含めた)、気分障害(うつ病、躁病、双極性障害を含めた)、日周期リズム障害(時差ぼけおよび交代作業を含めた)、三叉神経痛、難聴、耳鳴、眼の黄斑変性、嘔吐、脳水腫、疼痛(急性および慢性の疼痛状態、激痛、難治性疼痛、ニューロパシー性疼痛、炎症性疼痛および外傷後疼痛を含めた)、遅発性ジスキネジー、睡眠障害(ナルコレプシーを含めた)、注意欠陥/多動障害および行為障害のような障害が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0072】
本発明は、したがって、上に論じられたいずれかの状態の処置用の薬剤の製造のための、式Iによるいずれかの化合物、またはそれらの薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物の使用を提供する。
【0073】
更に、本発明は、上に論じられたいずれかの状態に苦しむ対象の処置方法であって、有効量の式Iによる化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物を、このような処置を必要としている患者に投与することによる方法を提供する。本発明は、更に、療法で用いるための、本明細書中の前に定義の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または溶媒和化合物を提供する。
【0074】
本明細書の場合、「療法」という用語は、相反する具体的な指示がない限り、「予防」も包含する。「治療的」および「治療的に」という用語は、それ相応に解釈されるはずである。本発明の場合の範囲内の「療法」という用語は、更に、急性または慢性の既存の疾患状態を緩和するかまたは反復性状態を緩和するための有効量の本発明の化合物の投与を包含する。この定義は、更に、反復性状態の予防のための予防的療法、および慢性障害のための継続療法を包含する。
【0075】
ヒトなどの温血動物の療法のための使用において、本発明の化合物は、慣用的な医薬組成物の形で、経口、筋肉内、皮下、局所、鼻腔内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、髄腔内、脳室内に、および関節内への注射を含めたいずれかの経路によって投与することができる。本発明の具体的な態様において、投与経路は、経口、静脈内または筋肉内である。
【0076】
投薬量は、投与経路、疾患の重症度、患者の年齢および体重、および特定の患者について個々の投薬計画および投薬レベルを決定する担当医師が普通に考慮する他の因子に依存するであろう。
【0077】
上述のように、本明細書中に記載の化合物は、経口使用に適する形で、例えば、錠剤、ロゼンジ、硬および軟カプセル剤、水性液剤、油状液剤、乳剤および懸濁剤で与えるまたは送達することができる。或いは、それら化合物は、局所投与へと、例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、噴霧剤、または水性液剤、油状液剤、乳剤または懸濁剤として製剤化することができる。本明細書中に記載の化合物は、更に、鼻腔内投与に適する形で、例えば、鼻腔内噴霧剤、点鼻剤または乾燥粉末として提供することができる。それら化合物は、坐剤の形で膣または直腸に投与することができる。本明細書中に記載の化合物は、更に、非経口で、例えば、静脈内、小胞内(intravesicular)、皮下または筋肉内注射または注入によって投与することができる。それら化合物は、吹入によって(例えば、微粉として)投与することができる。それら化合物は、経皮でまたは舌下に投与することもできる。
【0078】
治療薬でのそれらの使用に加えて、式Iの化合物またはそれらの塩は、新しい治療薬の探求の一部分として、実験動物でのmGluR関連活性阻害剤の作用の評価のためのin vitroおよびin vivo試験システムの開発および規格化における薬理学的手段として有用である。このような動物には、例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスが含まれる。
【0079】
製造方法
ある一定の化合物を製造する具体的な方法の選択は、当業者の権限内である。したがって、具体的な構造的特徴および/または置換基の選択肢は、別のものにまさる一つの方法の選択に影響することがありうる。
【0080】
これら一般的な指針の範囲内で、次の方法を用いて、本発明の典型的な部分集合の化合物を製造することができる。特に断らない限り、次のスキームおよび方法に記載の可変部分は、上の式Iについて与えられたものと同じ定義を有する。
【0081】
一つの方法において、例えば、式Ia:
【0082】
【化3】

【0083】
を有する化合物を、式R(CRNHを有するアミンの存在下において環化して、式Ib:
【0084】
【化4】

【0085】
を有する化合物を生じる。
【0086】
次に、式Ibの化合物を、Rを含有する適する試薬とクロスカップリングさせて、式Ic:
【0087】
【化5】

【0088】
による化合物を生じる。
【0089】
この方法の一つの態様において、5−置換−7−メチルイソインドロンを、下のスキーム1に示されるように合成する。4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリンを、ザンドマイヤー(Sandmeyer)反応条件下において、該当するニトリルへと変換する。次に、そのニトリルを、段階的様式で酸へと加水分解する。アミドは、塩基性加水分解によって得ることができる。次に、そのアミドを、ニトロソ硫酸でジアゾ化し且つ加水分解して、安息香酸を与えた後、それを、標準的な条件を用いてメチルエステルとして保護する。ベンジル性メチル基は、ラジカル開始剤として過酸化ベンゾイルを用いて、N−ブロモスクシンイミドで一臭素化する。この得られた中間体を、炭酸カリウムなどの塩基の存在下において適当なアミンで、イソインドロンへと環化する。最後に、置換基Rを、典型的な Buchwald、Suzuki または Stille クロスカップリング反応条件および試薬を用いて、イソインドロンのC5に導入した。
【0090】
【化6】

【0091】
この方法の別の態様において、5−置換−7−クロロイソインドロンを、下のスキーム2に示されるように合成する。4−ブロモ−2−メチル安息香酸を、N−クロロスクシンイミドおよびパラジウム触媒を用いて、酸についてオルトに塩素化する。上に記載されたの同様にして(スキーム1)、次に、この酸を、エステル化し、臭素化し、そして環化して、イソインドロン中間体を生じた。置換基Rを、同様に導入する。
【0092】
【化7】

【0093】
この方法のまた別の態様において、C5にアミドで置換されているイソインドロンを、下のスキーム3に示されるように製造することができる。したがって、適当に置換された5−ブロモイソインドロンを、パラジウム触媒の存在下においてシアン化亜鉛を用いて、該当するニトリルへと変換する。次に、そのニトリルを、塩基性条件下で加水分解して、安息香酸を与えた後、それを、当該技術分野において周知である方法を用いて、いろいろなアミンとカップリングさせて、最終化合物を与えた。
【0094】
【化8】

【0095】
前述の方法およびその追加の変更は、次の実施例において明らかである。したがって、当業者は、本発明の化合物を、本明細書中に開示される一つまたはそれを超える方法にしたがうことによってまたはそれを応用することによって製造することができるということを理解するであろう。
【0096】
本発明を、次の実施例によって更に詳しく説明するが、それらは、本発明のいくつかの態様を詳述するものである。これら実施例は、本発明の範囲を制限するものでもないし、制限すると解釈されるべきでもない。本発明を、本明細書中に具体的に記載されている以外に実施することができるということは明らかであろう。本明細書中の内容を考慮すると、本発明の多数の修正および変更は可能であるし、したがって、本発明の範囲内である。
【0097】
一般的な方法
出発物質はすべて、商業的に入手可能であるし、または参考文献に記載されている。
【0098】
Hおよび13C NMRスペクトルは、H NMRについて、300MHz、400MHzおよび400MHzでそれぞれ操作する、Bruker 300か、Bruker DPX400かまたは Varian +400スペクトロメーターにおいて、特に断らない限り、溶媒としての重水素化クロロホルム中で、TMSまたは残留溶媒シグナルを基準として用いて記録した。報告されている化学シフトは全て、δスケールでのppmであり、記録に現れるシグナルの微細分裂である(s:一重線,br s:幅広一重線,d:二重線,t:三重線,q:四重線,m:多重線)。
【0099】
分析インライン液体クロマトグラフィー分離とそれに続く質量スペクトルの検出は、Alliance 2795(LC)およびZQ単一四重極型質量分析計から成る Waters LCMSで記録した。その質量分析計には、正および/または負イオンモードで操作されるエレクトロスプレーイオン源を装備した。イオンスプレー電圧は、±3kVであり、その質量分析計で、0.8秒の走査時間において100〜700m/z走査した。X−Terra MS,Waters、C8、2.1x50mm、3.5mmのカラムに、10mM酢酸アンモニウム(水性)または0.1%TFA(水性)中の5%〜100%アセトニトリルの直線勾配を適用した。
【0100】
分取逆相クロマトグラフィーは、ダイオードアレイ検出器を含む Gilson 自動分取HPLCにおいて、カラムとしてXTerra MS C8、19x300mm、7mmを用いて行った。
【0101】
クロマトロンによる精製は、1mm、2mmまたは4mmのコーティング層を含むガラスシートで被覆された回転シリカゲル/石膏(Merck,60PF−254、硫酸カルシウム含有)上において、TC Research 7924Tクロマトロンを用いて行った。
【0102】
生成物の精製は、更に、Chem Elut Extraction Columns(Varian,cat#1219−8002)、Mega BE−SI(Bond Elut Silica)SPE Columns(Varian,cat#12256018;12256026;12256034)を用いて、またはシリカ充填ガラスカラム中のフラッシュクロマトグラフィーによって行った。
【0103】
マイクロ波加熱は、2450MHzで連続照射を生じる Smith Synthesizer Single−型マイクロ波キャビティ(Personal Chemistry AB, Uppsala, Sweden)中で行った。
【0104】
本発明の化合物の薬理学的性質は、機能活性について標準的な検定を用いて分析することができる。グルタミン酸受容体検定の例は、例えば、Aramori et al., 1992, Neuron, 8:757; Tanabe et al., 1992, Neuron, 8:169; Miller et al., 1995, J. Neuroscience, 15:6103; Balazs, et al., 1997, J. Neurochemistry, 1997,69:151 に記載のように、当該技術分野において周知である。これら公報に記載の方法は、本明細書中に援用される。好都合には、本発明の化合物は、mGluR2を発現する細胞中の細胞内カルシウム[Ca2+の動態化を測定する検定によって調べることができる。
【0105】
蛍光測定イメージングプレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader)(FLIPR)分析を用いて、カルシウム動態化によるmGluR2のアロステリックアクチベーターを検出した。無差別(promiscuous)キメラタンパク質Gαqi5に融合した、ヒトmGluR2の細胞外ドメインおよび膜貫通ドメイン、およびヒトカルシウム受容体の細胞内ドメインを含むキメラmGluR2/CaRコンストラクトを発現するクローンHEK293細胞系を用いた。アゴニストまたはアロステリックアクチベーターによるこのコンストラクトの活性化は、PLC経路および引き続きの細胞内Ca2+動態化の刺激を引き起こしたが、それは、FLIPR分析によって測定した。分析の24時間前に、それら細胞をトリプシン処理し、そして黒色側面で透明底のコラーゲンI被覆96ウェルプレート中のDMEM中に100,000個/ウェルでプレーティングした。それらプレートを、5%CO下において37℃で一晩インキュベートした。細胞に、6μMフルオ−3アセトキシメチルエステル(Molecular Probes, Eugene Oregon)を室温で60分間載せた。検定は全て、126mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、1mM CaCl、20mM Hepes、0.06μM DCG−IV(グループII mGluR選択的アゴニスト)を含有する、1.0mg/mlのD−グルコースおよび1.0mg/ml BSA画分IVを補足した緩衝液(pH7.4)中で行った。
【0106】
FLIPR実験は、0.8Wのレーザー設定および0.4秒のCCDカメラシャッター速度を用いて行った。細胞外フルオ−3を洗浄除去し、そして細胞を、160μLの緩衝液中で維持し、FLIPR中に入れた。試験化合物の添加(二重反復で0.01μM〜30μM)は、10秒間のベースライン蛍光読み取りをFLIPRで記録した後に行った。次に、蛍光シグナルを更に75秒間記録し、その時点で、DCG−IV(0.2μM)の二回目の添加を行い、そして蛍光シグナルを更に65秒間記録した。蛍光シグナルは、サンプリング時間内の応答のピーク高さとして測定した。データを、Assay Explorer を用いて分析し、そしてEC50値およびEmax値(最大DCG−IV作用に相対する)を、4パラメーター計算式を用いて計算した。
【0107】
35S]−GTPγS結合検定を用いて、mGluR2受容体活性化を機能的に検定した。ヒトmGluR2受容体における化合物のアロステリックアクチベーター活性は、[35S]−GTPγS結合検定を用いて、ヒトmGluR2を安定して発現するCHO細胞から調製された膜で測定した。その検定は、アゴニストが、Gタンパク質共役受容体に結合して、Gタンパク質におけるGDP−GTP交換を刺激するという原理に基づいている。[35S]−GTPγSは、非加水分解性GTP類似体であるので、それを用いて、GDP−GTP交換の指数を、したがって、受容体活性化の指数を与えることができる。したがって、GTPγS結合検定は、受容体活性化の定量的尺度を与える。
【0108】
膜は、ヒトmGluR2で安定してトランスフェクションされたCHO細胞から調製した。膜(30μgのタンパク質)を、試験化合物(3nM〜300μM)と一緒に室温で15分間インキュベート後、1μMグルタメートを加え、そして30μM GDPおよび0.1nM[35S]−GTPγS(1250Ci/mmol)を含有する500μLの検定緩衝液(20mM HEPES、100mM NaCl、10mM MgCl)中において30℃で30分間インキュベートした。反応は、2mLポリプロピレン96ウェルプレート中において三重反復で行った。Packard 96ウェルハーベスターおよび Unifilter−96,GF/Bフィルターマイクロプレートを用いる真空濾過により、反応を終えた。それらフィルタープレートを、4x1.5mLの氷冷洗浄緩衝液(10mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.4)で洗浄した。フィルタープレートを乾燥させ、そして各々のウェルに、35μLのシンチレーション液(Microscint 20)を加えた。結合した放射能量を、Packard TopCount上のプレートを計数することによって決定した。データを、GraphPad Prismを用いて分析し、そしてEC50値およびEmax値(最大グルタメート作用に相対する)を、非線形回帰を用いて計算した。
【0109】
概して、本発明の化合物は、本明細書中に記載の検定において、10μM未満の濃度(またはEC50値を含む)で活性であった。
【0110】
典型的な方法
化合物1:2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0111】
【化9】

【0112】
トルエン(5mL)中の2−ブロモメチル安息香酸メチルエステル(0.108g,0.5mmol)、4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジルアミン(0.115g,0.5mmol)およびKCO(0.235g,1.7mmol)の混合物を、100℃で撹拌しながら2時間加熱した。処理、およびヘキサン中の30%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.100g,60%)を与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 4.29 (s, 2H), 4.78 (s, 2H) 6.83 - 7.56 (m, 11H), 7.89 (d, 1H)。GC−MS:m/z 333(M)
【0113】
化合物2:2−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0114】
【化10】

【0115】
トルエン(5mL)中の2−ブロモメチル安息香酸メチルエステル(0.115g,0.5mmol)、4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−ベンジルアミン(0.133g,0.5mmol)およびKCO(0.235g,1.7mmol)の混合物を、100℃で撹拌しながら2時間加熱した。処理、およびヘキサン中の30%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、2−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.116g,60%)を与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 4.32 (s, 2H), 4.81 (s, 2H) 7.01 - 7.56 (m, 11H), 7.91 (d, 1H)。GC−MS:m/z 383(M)
【0116】
化合物3:−{3−[4−(4−フルオロフェノキシ)−フェニル]−プロピル}−7−ヨード−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0117】
【化11】

【0118】
トルエン(5mL)中の2−ブロモメチル−6−ヨード安息香酸メチルエステル(0.245g,0.7mmol)、3−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル]−プロピルアミン(0.193g,0.8mmol)およびKCO(0.207g,1.5mmol)の混合物を、100℃で撹拌しながら2時間加熱した。処理、およびヘキサン中の30%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、2−{3−[4−(4−フルオロフェノキシ)−フェニル]−プロピル}−7−ヨード−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.086g,25%)を与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 2.01 (m, 2H), 2.65 (t, 2H), 3.67 (t, 2H), 4.26 (s, 2H), 6.84 - 7.42 (m, 10H), 7.90 (d, 1H)。GC−MS:m/z 487(M)
【0119】
化合物4:7−ヨード−2−[3−(2−メトキシフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0120】
【化12】

【0121】
トルエン(5mL)中の2−ブロモメチル−6−ヨード安息香酸メチルエステル(0.178g,0.5mmol)、3−(2−メトキシフェノキシ)−ベンジルアミン(0.160g,0.6mmol)およびKCO(0.138g,1.0mmol)の混合物を、100℃で撹拌しながら2時間加熱した。処理、およびヘキサン中の30%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、7−ヨード−2−[3−(2−メトキシフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.056g,24%)を与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 3.82 (s, 3H), 4.16 (s, 2H), 4.74 (s, 2H), 6.84 -7.40 (m, 10H), 7.92 (d, 1H)。GC−MS:m/z 471(M)
【0122】
次の実施例を、化合物1、化合物2、化合物3および化合物4に記載されたのに類似した方法によって製造した。
【0123】
実施例1:5−ブロモ−2−[4−(2−フルオロフェノキシ)ベンジル]−7−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0124】
【化13】

【0125】
0.80g、42%、黄色油状物。7.37 (d, 2H), 7.27 (d, 2H), 7.02-7.22 (m, 4H), 6.95 (d, 2H), 4.73 (s, 2H), 4.21 (s, 2H), 2.74 (s, 3H)。
【0126】
実施例2:5−ブロモ−2−[4−(3−フルオロフェノキシ)ベンジル]−7−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0127】
【化14】

【0128】
0.58g、26%、黄色固体。7.38 (d, 2H), 7.27-7.33 (m, 3H), 7.02 (d, 2H), 6.75-6.85 (m, 2H), 6.66-6.72 (m, 1H), 4.76 (s, 2H), 4.24 (s, 2H), 2.75 (s, 3H)。
【0129】
実施例3:5−ブロモ−2−[4−(4−フルオロフェノキシ)ベンジル]−7−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0130】
【化15】

【0131】
0.38g、34%、黄色油状物。7.37 (d, 2H), 7.27 (d, 2H), 6.90-7.10 (m, 6H), 4.73 (s, 2H), 4.22 (s, 2H), 2.75 (s, 3H)。
【0132】
実施例4:5−ブロモ−7−メチル−2−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0133】
【化16】

【0134】
0.42g、40%、黄色油状物。8.17-8.22 (m, 1H), 7.67-7.75 (m, 1H), 7.33-7.39 (m, 4H), 7.13 (d, 2H), 7.00-7.05 (m, 1H), 6.93 (d, 2H), 4.77 (s, 2H), 4.25 (s, 2H), 2.75 (s, 3H)。
【0135】
実施例5:5−ブロモ−7−メチル−2−[4−(ピリジン−3−イルオキシ)ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0136】
【化17】

【0137】
0.19g、9%、橙色固体。8.37-8.42 (m, 2H), 7.38 (d, 2H), 7.28-7.33 (m, 4H), 7.01 (d, 2H), 4.76 (s, 2H), 4.24 (s, 2H), 2.75 (s, 3H)。
【0138】
実施例6:2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0139】
【化18】

【0140】
64mg、64%、淡黄色固体。8.70-8.75 (m, 1H), 7.77-7.85 (m, 4H), 7.27-7.32 (m, 3H), 7.02-7.23 (m, 4H), 6.97 (d, 2H), 4.79 (s, 2H), 4.31 (s, 2H), 2.85 (s, 3H)。
【0141】
実施例7:2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−3−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0142】
【化19】

【0143】
38mg、38%、淡黄色油状物。8.86 (d, 1H), 8.65 (dd, 1H), 7.85-7.92 (m, 1H), 7.38-7.41 (m, 3H), 7.30 (d, 2H), 7.02-7.23 (m, 4H), 6.96 (d, 2H), 4.79 (s, 2H), 4.32 (s, 2H), 2.85 (s, 3H)。
【0144】
実施例8:2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0145】
【化20】

【0146】
24mg、24%、オフホワイト固体。9.07 (d, 1H), 8.68 (dd, 1H), 8.58 (d, 1H), 7.87 (s, 2H), 7.29 (d, 2H), 7.02-7.23 (m, 4H), 6.96 (d, 2H), 4.79 (s, 2H), 4.34 (s, 2H), 2.87 (s, 3H)。
【0147】
実施例9:7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0148】
【化21】

【0149】
22mg、22%、オフホワイト固体。9.08 (d, 1H), 8.67-8.69 (m, 1H), 8.58 (d, 1H), 8.15-8.25 (m, 1H), 7.87 (s, 2H), 7.65-7.75 (m, 1H), 7.39 (d, 2H), 7.14 (d, 2H), 6.98-7.05 (m, 1H), 6.93 (d, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.38 (s, 2H), 2.88 (s, 3H)。
【0150】
実施例10:2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0151】
【化22】

【0152】
43mg、51%、黄色油状物。8.72-8.74 (m, 1H), 7.77-7.86 (m, 4H), 7.28-7.32 (m, 3H), 6.80-7.04 (m, 6H), 4.78 (s, 2H), 4.32 (s, 2H), 2.86 (s, 3H)。
【0153】
実施例11:2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−3−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0154】
【化23】

【0155】
22mg、25%、黄色油状物。8.86 (d, 1H), 8.63-8.66 (m, 1H), 7.85-7.95 (m, 1H), 7.40-7.43 (m, 3H), 7.30 (d, 2H), 6.90-7.05 (m, 6H), 4.79 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 2.85 (s, 3H)。
【0156】
実施例12:2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0157】
【化24】

【0158】
21mg、25%、淡黄色固体。9.07 (d, 1H), 8.67-8.69 (m, 1H), 8.58 (d, 1H), 7.87 (s, 2H), 7.31 (d, 2H), 6.90-7.08 (m, 6H), 4.79 (s, 2H), 4.34 (s, 2H), 2.87 (s, 3H)。
【0159】
実施例13:2−[4−(3−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0160】
【化25】

【0161】
41mg、41%、無色油状物。8.70-8.75 (m, 1H), 7.75-7.88 (m, 4H), 7.25-7.37 (m, 4H), 7.03 (d, 2H), 6.75-6.85 (m, 2H), 6.65-6.73 (m, 1H), 4.81 (s, 2H), 4.14 (s, 2H), 2.86 (s, 3H)。
【0162】
実施例14:2−[4−(3−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0163】
【化26】

【0164】
27mg、27%、オフホワイト固体。9.08 (d, 1H), 8.67-8.69 (m, 1H), 8.58 (d, 1H), 7.87-7.89 (m, 2H), 7.35 (d, 2H), 7.27-7.29 (m, 1H), 7.03 (d, 2H), 6.75-6.83 (m, 2H), 6.68-6.72 (m, 1H), 4.81 (s, 2H), 4.36 (s, 2H), 2.88 (s, 3H)。
【0165】
実施例15:2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−チアゾール−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
【0166】
【化27】

【0167】
23mg、26%、黄色油状物。7.92 (d, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.30 (d, 2H), 7.03-7.25 (m, 4H), 6.96 (d, 2H), 4.77 (s, 2H), 4.30 (s, 2H), 2.84 (s, 3H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、Rは、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい3〜7員環であり、ここにおいて、該環は、1個またはそれを超えるBで置換されていて;
およびRは、独立して、HおよびC1−6−アルキルから成る群より選択され;
は、Hであり、そしてRは、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキルおよびOC1−6アルキルから成る群より選択され;
は、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、C1−6−アルキル、OC0−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、OC1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、Oヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C(O)H、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CN)OR10、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
は、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、OC1−4−アルキルおよびC1−6−アルキルから成る群より選択され;
およびRは、独立して、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニルおよびOC2−6−アルキニルから成る群より選択され、またはnが1より大である場合、隣接する炭素原子上の2個またはそれを超えるRおよび/またはRは、アルケニル部分またはアルキニル部分を形成するように不存在であってよく;
10およびR11は、独立して、H、ヒドロキシ、オキソ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC1−6アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく、そしていずれの環状部分も、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、Oアルキル、ハロアルキルおよびOハロアルキルより選択される置換基で置換されていてよく;
Aは、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、オキソ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクリル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C0−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C1−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、該5〜7員環は、1個またはそれを超えるR10およびR11で置換されていてよく;
Bは、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、C0−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C0−6−アルキルヘテロアリールおよびOC0−6−アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、ハロ、アルキル、アルキルハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、COR、COR、SORおよびCNから成る群より選択される少なくとも1個の置換基で置換され;そして
nは、1である)
による化合物であって、
但し、該化合物は、
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−{3−[4−(4−フルオロフェノキシ)−フェニル]−プロピル}−7−ヨード−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、または
7−ヨード−2−[3−(2−メトキシフェノキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン
ではないという条件付きである化合物;またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項2】
が、フェニルであり、ここにおいて、該フェニルは、1個またはそれを超えるBで置換されていて;
およびRが、独立して、H、C1−6−アルキル、C2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキルおよびC1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキルから成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく;
およびRが、独立して、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、RおよびRは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれのシクロアルキルまたはアリールも、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
が、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、CN、C1−6−アルキル、OC0−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロアリール、OC1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルヘテロアリール、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、Oヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、C(O)H、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、C(O)OR10、O(CN)OR10、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C1−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C0−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく;
が、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、OC1−4−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニルおよびC3−8−シクロアルキルから成る群より選択され;
およびRが、双方ともHであり;
10およびR11が、独立して、H、ヒドロキシ、オキソ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC1−6アルキルヘテロアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよく、そしていずれの環状部分も、アルキル、ハロ、ヒドロキシル、Oアルキル、ハロアルキルおよびOハロアルキルより選択される置換基で置換されていてよく;
Aが、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、オキソ、C1−6−アルキル、C1−6−アルキルハロ、OC1−6アルキル、OC1−6−アルキルハロ、C2−6−アルケニル、OC2−6−アルケニル、C2−6−アルキニル、OC2−6−アルキニル、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC0−6−アルキルアリール、C1−6−アルキルヘテロシクリル、C1−6−アルキルヘテロシクロアルキル、OC0−6−アルキルヘテロシクロアルキル、(CO)R10、O(CO)R10、O(CO)OR10、O(CNR10)OR11、C1−6−アルキルOR10、OC2−6−アルキルOR10、C1−6−アルキル(CO)R10、OC1−6−アルキル(CO)R10、C0−6−アルキルCO10、OC1−6−アルキルCO10、C1−6−アルキルシアノ、OC2−6−アルキルシアノ、C0−6−アルキルNR1011、OC2−6−アルキルNR1011、C0−6−アルキル(CO)NR1011、OC1−6−アルキル(CO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(CO)R11、OC2−6−アルキルNR10(CO)R11、C0−6−アルキルNR10(CO)NR1011、C0−6−アルキルSR10、OC2−6−アルキルSR10、C0−6−アルキル(SO)R10、OC2−6−アルキル(SO)R10、C1−6−アルキルSO10、OC2−6−アルキルSO10、C0−6−アルキル(SO)NR1011、OC2−6−アルキル(SO)NR1011、C0−6−アルキルNR10(SO)R11、OC2−6−アルキルNR10(SO)R11、C0−6−アルキルNR10(SO)NR1011、OC2−6−アルキルNR10(SO)NR1011、(CO)NR1011、O(CO)NR1011、NR10OR11、C0−6−アルキルNR10(CO)OR11、OC2−6−アルキルNR10(CO)OR11、SO10、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、該5〜7員環は、1個またはそれを超えるR10およびR11で置換されていてよく;
Bが、C0−6−アルキルアリールおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択され、ここにおいて、いずれのアリール部分も、ハロ、アルキル、アルキルハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、COR、COR、SORおよびCNから成る群より選択される少なくとも1個の置換基で置換され;そして
nが1である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項3】
が、フェニルであり、ここにおいて、該フェニルは、1個またはそれを超えるBで置換されていて;
およびRが、独立して、HおよびC1−6−アルキルから成る群より選択され;
が、Hであり、そしてRが、H、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、C1−6−アルキルおよびOC1−6アルキルから成る群より選択され;
が、H、F、Cl、Br、I、またはN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され;
が、HまたはC1−6−アルキルから成る群より選択され;
およびRが、双方ともHであり;
Bが、OC0−6−アルキルアリールであり、ここにおいて、該アリール部分は、ハロ、アルキル、アルキルハロおよびアルコキシから成る群より選択される少なくとも1個の置換基で置換され、そして
nが1である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項4】
nが、1、2または3であり、そしてnが1より大である場合、隣接する炭素原子上の2個またはそれを超えるRおよびRが、部分的にまたは完全に不飽和の部分を形成するように不存在でありうる、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項5】
nが1であり、そしてRおよびRが、各々Hである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項6】
およびRが、各々Hである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項7】
が、アリール、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクリルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものから成る群より選択される5〜7員環である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項8】
が、フェニル、ナフチル、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサジアゾリル、キノリニル、ピペラジニルおよびテトラヒドロピラニルより選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項9】
が、フェニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項10】
、R、R、R、RおよびRが、各々Hであり、そしてnが1であり、そして
が、H、Cl、Br、I、C1−6−アルキルおよびOC1−4−アルキルより選択される、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項11】
が、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され;ここにおいて、
は、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしていずれのシクロアルキルまたはアリールも、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよい、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項12】
が、C1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよい、請求項11に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項13】
が、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環であり、この環が、C1−6−アルキルヘテロシクリル、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されている、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項14】
nが、1、2または3であり;
、R、RおよびRが、各々Hであり;
が、アリール、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクリルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものから成る群より選択され;
が、H、Cl、Br、I、C1−6−アルキルおよびOC1−4−アルキルから成る群より選択され、そして
が、C3−8−シクロアルキル、C1−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、OC0−6−アルキル−C3−8−シクロアルキル、アリール、C1−6−アルキルアリール、OC1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよく、そしてここにおいて、いずれの環状部分も、C、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環に縮合していてよい、請求項1に記載の化合物;またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項15】
nが、1、2または3であり;
、R、RおよびRが、各々Hであり;
が、フェニル、ナフチル、C3−8−シクロアルキル、シクロアルケニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、ピリジル、オキサジアゾリル、キノリニル、ピペラジニルおよびテトラヒドロピラニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものより選択され;
が、Cl、Br、Iおよび−OCHより選択され、そして
が、C1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよい、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項16】
nが、1、2または3であり;
、R、RおよびRが、各々Hであり;
が、フェニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものであり;
が、H、Cl、Br、I、C1−6−アルキルおよびOC1−4−アルキルから成る群より選択され、そして
が、N、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環であり、ここにおいて、該5〜7員環は、C1−6−アルキルヘテロシクリル、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環から成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されている、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項17】
nが、1であり;
、R、R、R、RおよびRが、各々Hであり;
が、フェニルであって、F、Cl、Br、I、OC1−6−アルキルハロおよびOC0−6−アルキルアリールから成る群より選択される1個またはそれを超えるAで置換されていてよいものであり;
が、Cl、Br、Iおよび−OCHより選択され、そして
が、C1−6−アルキルアリール、およびN、OおよびSから成る群より独立して選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい5〜7員環より選択され、ここにおいて、Rは、1個またはそれを超えるAで置換されていてよい、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、溶媒和化合物、光学異性体またはそれらの組合せ。
【請求項18】
5−ブロモ−2−[4−(2−フルオロフェノキシ)ベンジル]−7−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
5−ブロモ−2−[4−(3−フルオロフェノキシ)ベンジル]−7−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
5−ブロモ−2−[4−(4−フルオロフェノキシ)ベンジル]−7−メチル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
5−ブロモ−7−メチル−2−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
5−ブロモ−7−メチル−2−[4−(ピリジン−3−イルオキシ)ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−3−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−3−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(3−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン;
2−[4−(3−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−ピラジン−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンおよび
2−[4−(2−フルオロフェノキシ)−ベンジル]−7−メチル−5−チアゾール−2−イル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
医薬組成物であって、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容しうる担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項20】
薬剤として用いるための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
グルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の療法のための薬剤の製造における、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
神経障害および精神障害が、心臓バイパス術および移植後の脳欠陥、卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経細胞損傷、痴呆、AIDS性痴呆、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物性パーキンソン病;振せん、癲癇、痙攣を含めた筋痙縮に関連した筋痙攣および障害;癲癇重積持続状態の続発性脳欠陥、偏頭痛、偏頭痛、尿失禁、物質耐性、物質離脱、精神病、統合失調症、不安、全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)、気分障害、うつ病、躁病、双極性障害、日周期リズム障害、時差ぼけ、交代作業、三叉神経痛、難聴、耳鳴、眼の黄斑変性、嘔吐、脳水腫、疼痛、急性痛、慢性痛、激痛、難治性疼痛、ニューロパシー性疼痛、炎症性疼痛および外傷後疼痛、遅発性ジスキネジー、睡眠障害、ナルコレプシー、注意欠陥/多動障害および行為障害より選択される、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
グルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置を必要としている動物のグルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置または予防の方法であって、該動物に、治療的有効量の請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項24】
グルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置を必要としている動物のグルタメート機能不全に関連した神経障害および精神障害の処置または予防の方法であって、該動物に、治療的有効量の請求項23に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項25】
神経障害および精神障害が、心臓バイパス術および移植後の脳欠陥、卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経細胞損傷、痴呆、AIDS性痴呆、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、特発性および薬物性パーキンソン病;振せん、癲癇、痙攣を含めた筋痙縮に関連した筋痙攣および障害;癲癇重積持続状態の続発性脳欠陥、偏頭痛、偏頭痛、尿失禁、物質耐性、物質離脱、精神病、統合失調症、不安、全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)、気分障害、うつ病、躁病、双極性障害、日周期リズム障害、時差ぼけ、交代作業、三叉神経痛、難聴、耳鳴、眼の黄斑変性、嘔吐、脳水腫、疼痛、急性痛、慢性痛、激痛、難治性疼痛、ニューロパシー性疼痛、炎症性疼痛および外傷後疼痛、遅発性ジスキネジー、睡眠障害、ナルコレプシー、注意欠陥/多動障害および行為障害より選択される、請求項23または請求項24に記載の方法。
【請求項26】
神経障害および精神障害が、アルツハイマー病、癲癇重積持続状態の続発性脳欠陥、物質耐性、物質離脱、精神病、統合失調症、不安、全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)、気分障害、うつ病、躁病および双極性障害より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
式Icの化合物の製造方法であって、
(a)式Ia:
【化2】

の化合物を、式R1(CRNHを有するアミンの存在下において環化して、式Ib:
【化3】

の化合物にすること、および
(b)式Ibの化合物と、Rを含む試薬とをクロスカップリングさせて、式Ic:
【化4】

による化合物を生じること
を含み、ここにおいて、可変部分は、請求項1にしたがって定義される、製造方法。

【公表番号】特表2009−509920(P2009−509920A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525976(P2008−525976)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/005246
【国際公開番号】WO2007/021308
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】