説明

位置合わせ装置、位置合わせ方法、および、描画装置

【課題】高精度かつ迅速に、基板を適正な回転位置に位置合わせできる技術を提供する。
【解決手段】位置合わせ装置100は、ステージ11を回転させる回転機構121と、ステージ11外からステージ11の位置を測長して、当該測長値に基づいてステージ11の回転角度θを特定する測長部13と、ステージ11に載置された基板Wを適正な回転位置におくために必要なステージの回転角度(目標回転角度θo)を特定する目標回転角度特定部201と、測長部13で計測されたステージ11の回転角度θを目標回転角度θoに近づけることができるような回転機構121の制御パラメータNを出力し、当該制御パラメータNで回転機構121を駆動制御する回転制御部202と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板(以下、単に「基板」と称する)の回転位置を目標とする位置に位置合わせする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に対して様々な処理を施す基板処理装置が各種存在するが、その一つとして、基板上に塗布された感光材料に回路などのパターンを形成するにあたって、光源とフォトマスクを用いて当該感光材料を面状に露光する露光装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、フォトマスクを用いず、CADデータ等に応じて変調した光ビームによって基板上の感光材料を走査することにより、当該感光材料に直接パターンを露光する描画装置も知られている。
【0003】
露光装置や描画装置では、光ビームを出射するヘッド部に対して基板(具体的には、基板が載置されたステージ)が主面に沿う方向に相対的に移動することにより、基板の全体にパターンが形成される。基板にパターンを精度よく形成するには、光ビームが照射される基板の部位とヘッド部との相対的な位置(すなわち、基板のヘッド部に対する相対位置)が一定とされる必要があり、このためには、光ビームの照射に先立って、ステージに載置された基板を適正な回転位置に位置合わせしておくことが重要である。例えば、基板が適正な回転位置から回転ずれを起こした状態でステージに載置されていると、光ビームの照射位置が目標位置からずれてしまい、パターンを目標位置に形成することができない。
【0004】
この点において、特許文献3,4には、ステージに載置された基板上に形成されたアライメントマークを検出して、基板の回転ずれを補正する、所謂アライメントに関する技術が開示されている。例えば特許文献4に開示されているアライメントの態様では、まず、基板上に形成された2つのアライメントマークをカメラ等で撮像して各アライメントマークの位置を検出し、当該検出位置に基づいて基板の回転ずれ量を算出し、当該算出された回転ずれ量だけ基板(具体的には、基板が載置されたステージ)を回転させる。ただし、ステージ駆動系等には微小な誤差が存在するために、これだけでは基板の回転位置を適正な回転位置に高精度に一致させることはできない。そこで、さらに「回転角度の追い込み」とも呼ばれる処理が行われる。具体的には、回転後の基板上においてもう一度アライメントマークの位置を検出して基板が適正な回転位置に移動されているかを確認し、回転ずれ量が許容される誤差範囲内におさまっていない場合は、当該回転ずれ量だけステージをさらに回転させて、基板の回転位置をさらに高精度に補正する。そして、回転後の基板上においてもう一度アライメントマークの位置を検出して基板が適正な回転位置に移動されているかを確認する。このようなステージ位置の微調整と確認作業とが何度も繰り返されることによって、基板の回転位置が徐々に適正な回転位置に正確に位置合わせされていく。そして、基板の回転ずれ量が許容される誤差範囲内におさまると、その段階でアライメントが完了することになる。
【0005】
ところが、アライメントマークの検出とこれに基づくステージの回転とを何度も繰り返す態様においては、基板の回転ずれ量を許容される誤差範囲内におさめるまでに時間がかかり、装置における単位時間での基板の処理枚数が低下してしまう。そこで、特許文献4に開示の技術においては、1つのアライメントマークだけを検出しながら回転角度の追い込みを行うことによって、これに要する時間の短縮効果を狙っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−200726号公報
【特許文献2】特開2008−91785号公報
【特許文献3】特開2007−93826号公報
【特許文献4】特開平11−220006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献4に開示の技術においては、1つのアライメントマークのみを検出しながら回転角度の追い込みを行うことによってアライメントに要する時間の短縮を狙っているものの、この態様では回転角度の追い込みにかえって時間がかかってしまう可能性が高い。その理由について、図16を参照しながら説明する。一つのアライメントマークに基づいて基板の回転位置を補正しようとした場合、アライメントマークの検出位置901と、装置座標上で規定される回転軸K0の位置とから、アライメントマークを目標位置900におくために必要な回転角度が「φ」が算出される。ところが、ステージ9が実際に回転される際の回転軸K1と装置座標上で規定される回転軸K0との間には装置の組立誤差等に起因する微小なずれが含まれるため、ステージ9を当該角度φだけ回転させてもアライメントマークは目標位置900から微小にずれた位置902にきてしまう。即ち、ずれは修正されないが、そこで基板の回転ずれ量を許容される誤差範囲内におさめるのにアライメントマークの検出と当該検出結果に基づくステージ9の回転とを何度も繰り返すとなると、回転角度の追い込みが完了するまでに要する時間がかえって長くなってしまうのである。
【0008】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高精度かつ迅速に、基板を適正な回転位置に位置合わせできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様は、ステージに載置された基板を適正な回転位置に位置合わせする位置合わせ装置であって、前記ステージを回転させる回転機構と、前記ステージ外から前記ステージの位置を測長して、当該測長値に基づいて前記ステージの回転角度を特定する測長部と、前記ステージに載置された基板を前記適正な回転位置におくために必要なステージの回転角度を特定して、目標回転角度として取得する目標回転角度特定部と、前記測長部で特定された前記ステージの回転角度を前記目標回転角度に近づけることができるような前記回転機構の制御パラメータを出力し、当該制御パラメータで前記回転機構を制御する回転制御部と、を備える。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係る位置合わせ装置であって、前記測長部が、前記ステージの位置をリアルタイムで測長し続けることにより前記ステージのリアルタイムの回転角度を特定し続け、前記回転制御部が、前記ステージの回転角度の変化に応じて前記制御パラメータを変化させながら、前記回転機構を駆動制御する。
【0011】
第3の態様は、第1または第2の態様に係る位置合わせ装置であって、前記測長部が、前記ステージの第1の部位の位置を測長するとともに、前記ステージの第2の部位の位置を測長して、前記ステージにおける2つの部位の各測長情報の差分に基づいて、前記ステージの回転角度を求める。
【0012】
第4の態様は、第1から第3のいずれかの態様に係る位置合わせ装置であって、前記測長部が、前記ステージ外から前記ステージに向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光して、当該反射光と出射光との干渉から前記ステージの位置を測長する。
【0013】
第5の態様は、ステージに載置された基板を適正な回転位置に位置合わせする位置合わせ方法であって、a)前記ステージ外から前記ステージの位置を測長して、当該測長値に基づいて前記ステージの回転角度を特定する工程と、b)前記ステージに載置された基板を前記適正な回転位置におくために必要なステージの回転角度を特定して、目標回転角度として取得する工程と、c)前記a)工程で特定された前記ステージの回転角度を前記目標回転角度に近づけることができるような制御パラメータを出力し、当該制御パラメータで、前記ステージを回転させる回転機構を駆動制御する工程と、を備える。
【0014】
第6の態様は、第5の態様に係る記載の位置合わせ方法であって、前記a)工程において、前記ステージの位置をリアルタイムで測長し続けることにより前記ステージのリアルタイムの回転角度を特定し続け、前記c)工程において、前記ステージの回転角度の変化に応じて前記制御パラメータを変化させながら、前記回転機構を駆動制御する。
【0015】
第7の態様は、第5または第6の態様に係る位置合わせ方法であって、前記a)工程が、a1)前記ステージの第1の部位の位置を測長する工程と、a2)前記ステージの第2の部位の位置を測長する工程と、a3)前記a1)工程で得られた測長情報と、前記a2)工程で得られた測長情報との差分に基づいて前記ステージの回転角度を求める工程と、を備える。
【0016】
第8の態様は、第5から第7のいずれかの態様に係る位置合わせ方法であって、前記a)工程において、前記ステージ外から前記ステージに向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光して、当該反射光と出射光との干渉から前記ステージの位置を測長する。
【0017】
第9の態様は、基板に対して光を照射して、前記基板にパターンを描画する描画装置であって、基板を載置するステージと、前記ステージに載置された基板に対して光を照射する光学ユニットと、前記ステージに載置された基板を適正な回転位置に位置合わせする位置合わせ装置と、を備え、前記位置合わせ装置が、前記ステージを回転させる回転機構と、前記ステージ外から前記ステージの位置を測長して、当該測長値に基づいて前記ステージの回転角度を特定する測長部と、前記ステージに載置された基板を前記適正な回転位置におくために必要なステージの回転角度を特定して、目標回転角度として取得する目標回転角度特定部と、前記測長部で特定された前記ステージの回転角度を前記目標回転角度に近づけることができるような前記回転機構の制御パラメータを出力し、当該制御パラメータで前記回転機構を制御する回転制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
第1〜第9の態様においては、ステージの位置の測長値に基づいてステージの回転角度が正確に特定され、当該回転角度を目標回転角度に近づけることができるような回転機構の制御パラメータで回転機構が駆動制御される。この構成によると、ステージの回転角度を目標回転角度に速やかに近づけて、回転角度を目標回転角度と高精度に一致させることができる。すなわち、高精度かつ迅速に、基板を適正な回転位置に位置合わせすることができる。
【0019】
特に、第2、第6の態様においては、ステージの回転角度の変化に応じて制御パラメータを変化させながら、回転機構が駆動制御されるので、さらに高精度かつ迅速に、基板を適正な回転位置に位置合わせすることができる。
【0020】
特に、第3、第7の態様においては、ステージにおける2つの部位の各測長情報の差分に基づいて、ステージの回転角度が求められるので、ステージの回転角度を正確に計測することができる。ひいては、ステージの回転角度を高精度に制御することが可能となり、基板を適正な回転位置に高精度に位置合わせすることができる。
【0021】
特に、第4、第8の態様においては、ステージの位置をレーザ光の干渉により測長するので、ステージの位置を正確に測定することができる。ひいては、ステージの回転角度を正確に計測することができる。その結果、ステージの回転角度を高精度に制御することが可能となり、基板を適正な回転位置に高精度に位置合わせすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】描画装置の側面図である。
【図2】描画装置の平面図である。
【図3】処理対象とされる基板の概略図である。
【図4】測長部の構成を模式的に示す側面図である。
【図5】測長部の構成を模式的に示す上面図である。
【図6】測長部における計測の原理を説明するための概念図である。
【図7】測長部における計測の原理を説明するための概念図である。
【図8】制御部のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図9】制御部において実現される機能ブロックおよびこれに関連する各部を模式的に示す図である。
【図10】基板の位置合わせ処理の流れを示す図である。
【図11】基板が適正な回転位置に位置合わせされる前後におけるステージの様子を模式的に示す図である。
【図12】位置合わせ処理におけるステージの回転角度の変化を模式的に示す図である。
【図13】回転角度の算出に用いられる距離の正確な値を算出する処理を説明するための図である。
【図14】描画装置にて実行される基板に対する処理の流れを示す図である。
【図15】描画処理を説明するための図である。
【図16】従来技術の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0024】
<1.装置構成>
描画装置1の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、描画装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は、描画装置1の構成を模式的に示す平面図である。
【0025】
描画装置1は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板Wの上面に光を照射して、パターンを露光する装置である。なお、基板Wは、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板のいずれであってもよい。以下に参照する各図においては、円形の半導体基板が示されている。
【0026】
図3には、描画装置1にて処理対象とされる基板Wが例示されている。処理対象とされる基板Wには、例えば、格子状のスクライブライン301が形成されており、スクライブライン301によって囲まれた複数の露光領域302が規定されている。また、スクライブライン301上には、複数のアライメントマークALがそれぞれ異なる位置に形成されている。各アライメントマークALは、例えば一辺が約0.1mm(ミリメートル)の矩形状のマーク(あるいは、十字状のマークであってもよいし、矩形状のマークと十字状のマークとが重ねられたマークでもよい)であり、例えば蒸着等の方法によって形成される反射層(好ましくは、アルミニウム、または金属層)により形成される。なお、図には4個のアライメントマークALが示されているが、基板Wにはさらに多くのアライメントマークが形成されていてもよい。また、アライメントマークは、個別マークではなく、連続形式のパターンのマークが形成されていてもよい。
【0027】
描画装置1は、本体フレーム101で構成される骨格の天井面および周囲面にカバーパネル(図示省略)が取り付けられることによって形成される本体内部と、本体フレーム101の外側である本体外部とに、各種の構成要素を配置した構成となっている。
【0028】
描画装置1の本体内部は、処理領域102と受け渡し領域103とに区分されている。処理領域102には、主として、ステージ11、ステージ移動機構12、測長部13、2個の光学ユニット14,14、および、撮像ユニット15が配置される。受け渡し領域103には、処理領域102に対する基板Wの搬出入を行う搬送装置16と、プリアライメント部17とが配置される。
【0029】
描画装置1の本体外部には、撮像ユニット15に照明光を供給する照明ユニット18が配置される。また、描画装置1の本体外部であって、受け渡し領域103に隣接する位置には、カセットCを載置するためのカセット載置部19が配置される。受け渡し領域103に配置された搬送装置16は、カセット載置部19に載置されたカセットCに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域102に搬入するとともに、処理領域102から処理済みの基板Wを搬出してカセットCに収容する。カセット載置部19に対するカセットCの受け渡しは外部搬送装置(図示省略)によって行われる。
【0030】
また、描画装置1には、描画装置1が備える各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する制御部20が配置される。
【0031】
以下において、描画装置1が備える各部の構成について説明する。
【0032】
<ステージ11>
ステージ11は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する保持部である。ステージ11の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を形成することによって、ステージ11上に載置された基板Wをステージ11の上面に固定保持することができるようになっている。
【0033】
<ステージ移動機構12>
ステージ移動機構12は、ステージ11を主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)、および回転方向(Z軸周りの回転方向(θ軸方向))に移動させる機構である。ステージ移動機構12は、具体的には、ステージ11を回転させる回転機構121を備える。ステージ移動機構12は、さらに、回転機構121を介してステージ11を支持する支持プレート122と、支持プレート122を副走査方向に移動させる副走査機構123を備える。ステージ移動機構12は、さらに、副走査機構123を介して支持プレート122を支持するベースプレート124と、ベースプレート124を主走査方向に移動させる主走査機構125を備える。
【0034】
回転機構121は、支持プレート122上で、ステージ11における基板Wの載置面の中心を通り、当該載置面に垂直な回転軸Aを中心としてステージ11を回転させる。回転機構121は、例えば、上端がステージ11の中心位置に固着され、回転軸Aに沿って延在する回転軸部1210と、回転軸部1210の下端に設けられ、回転軸部1210を回転させる駆動部(例えば、回転モータ)1211とを含む構成することができる。この構成においては、駆動部1211が回転軸部1210を回転させることにより、ステージ11が水平面内で回転軸Aを中心として回転することになる。
【0035】
副走査機構123は、支持プレート122の下面に取り付けられた移動子とベースプレート124の上面に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ123aとを有している。また、支持プレート122とベースプレート124との間には、副走査方向に延びる一対のガイド部123bが設けられている。このため、リニアモータ123aを動作させると、ベースプレート124上のガイド部123bに沿って支持プレート122が副走査方向に移動する。
【0036】
主走査機構125は、ベースプレート124の下面に取り付けられた移動子と描画装置1の基台106上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ125aを有している。また、ベースプレート124と基台106との間には、主走査方向に延びる一対のガイド部125bが設けられている。このため、リニアモータ125aを動作させると、基台106上のガイド部125bに沿ってベースプレート124が主走査方向に移動する。
【0037】
<測長部13>
測長部13は、ステージ11外からステージ11の位置を測長してステージの位置を計測する機構であり、ステージ11外からステージ11に向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光し、当該反射光と出射光との干渉からステージ11の位置を測長する、干渉式のレーザ測長器により構成される。
【0038】
測長部13の構成について、図4、図5を参照しながら具体的に説明する。図4は、測長部13の構成を模式的に示す側面図である。図5は、測長部13の構成を模式的に示す上面図である。なお、図4、図5では、説明をわかりやすくするために、測長部13およびこれに関連する各部以外については、図示を省略している。
【0039】
測長部13は、ステージ11の−Y側の側面に取り付けられるとともに、−Y側の面に主走査方向に垂直な反射面を備えるプレーンミラー130を備える。また、測長部13は、ステージの−Y側において基台106に対して固定されるレーザ光源131と、基台106に立設され、上端がプレーンミラー130とおよそ同じ高さに位置する取付台132と、レーザ光源131と取付台132との間に設けられるスプリッタ133とを備える。さらに、測長部13は、取付台132の上端における+X側の端部位置に取り付けられたリニア干渉計(第1リニア干渉計)134およびレシーバ(第1レシーバ)135と、取付台132の上端における−X側の端部位置に取り付けられたリニア干渉計(第2リニア干渉計)136およびレシーバ(第2レシーバ)137とを備える。
【0040】
測長部13における計測の原理について、図6、図7を参照しながら説明する。図6、図7は、この原理を説明するための概念図である。なお、図7においては、説明をわかりやすくするためにステージ11の回転角度θを誇張して描いているが、基板Wの位置合わせにおいてステージ11が実際に取りうる回転角度θは最大でも±数百μrad(マイクロラジアン)程度であり、プレーンミラー130での反射光が各レシーバ135,137から外れるといった事態は生じない。
【0041】
レーザ光源131、第1リニア干渉計134および第1レシーバ135は、ステージ11外からプレーンミラー130に向けてレーザ光を出射し、レーザ光の反射光を受光してステージ11の位置を取得する干渉式のレーザ測長器(第1レーザ測長器)1301を構成する。すなわち、レーザ光源131から出射されたレーザ光は、スプリッタ133により2分割され、一方の一部が第1リニア干渉計134を介してプレーンミラー130上の第1の部位に入射し、プレーンミラー130からの反射光が、第1リニア干渉計134において元のレーザ光の一部(これが参照光として利用される)と干渉して第1レシーバ135により受光される。第1レシーバ135における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第1リニア干渉計134とプレーンミラー130との主走査方向における距離Y1が測長される。この第1レシーバ135からの出力に基づいて、専門の演算回路(図示省略)にてステージ11の主走査方向における座標位置が求められる。また、第1レシーバ135からの出力は、ステージ11の回転位置の算出にも用いられる。
【0042】
一方、レーザ光源131、第2リニア干渉計136および第2レシーバ137は、ステージ11外からプレーンミラー130に向けてレーザ光を出射し、レーザ光の反射光を受光する、もう一つの干渉式のレーザ測長器(第2レーザ測長器)1302を構成する。すなわち、レーザ光源131から出射されてスプリッタ133により分割された他方のレーザ光の一部は、取付台132の内部を+X側から−X側へと通過し、第2リニア干渉計136を介してプレーンミラー130に入射する。第2リニア干渉計137からのレーザ光は、プレーンミラー130上の第1の部位から副走査方向に距離Lだけ離間したプレーンミラー130上の第2の部位に入射する。プレーンミラー130からの反射光は、第2リニア干渉計136において元のレーザ光の一部と干渉して第2レシーバ137により受光される。第2レシーバ137における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第2リニア干渉計137とプレーンミラー130との主走査方向における距離Y2が測長される。この第2レシーバ137からの出力(すなわち、第2の部位の測長値)と第1レシーバ135からの出力(すなわち、第1の部位の測長値)とに基づいて、専門の演算回路(図示省略)にてステージ11の回転角度θが求められる。
【0043】
ステージ11の回転角度θは、2つのレーザ測長器1301,1302から出射されたレーザ光のプレーンミラー130上における照射位置間の副走査方向の距離L、および、当該2つのレーザ測長器1301,1302のそれぞれから出力される測長値の差分ΔY(=Y1−Y2)に基づいて下記(式1)により求められる。
【0044】
θ=tan-1(ΔY/L) ・・・(式1)
ただし、ここでは、副走査方向(X方向)に対するステージ11の−Y側の側面の傾き(すなわち、副走査方向に対するプレーンミラー130の反射面の傾き)をステージ11の回転角度θとする。また、回転角度θを規定するθ軸は、X軸からY軸に向かう方向であるとし、原点位置はX軸上とする。すなわち、ステージ11の−Y側の側面が副走査方向と平行な状態においてステージ11の回転角度θはゼロであるとする。
【0045】
<光学ユニット14>
再び図1、図2を参照する。光学ユニット14は、ステージ11上に保持された基板Wの上面に光を照射して露光するための機構である。上述したとおり、描画装置1は2個の光学ユニット14,14を備える。一方の光学ユニット14は基板Wの+X側半分の露光を担当し、他方の光学ユニット14は基板Wの−X側半分の露光を担当する。これら2個の光学ユニット14,14は、ステージ11およびステージ移動機構12を跨ぐようにして基台106上に架設されたフレーム107に、間隔をあけて固設される。なお、2個の光学ユニット14,14の間隔は必ずしも一定に固定されている必要はなく、光学ユニット14,14の一方あるいは両方の位置を変更可能とする機構を設けて、両者の間隔を調整可能としてもよい。
【0046】
2個の光学ユニット14,14はいずれも同じ構成を備える。すなわち、各光学ユニット14は、天板を形成するボックスの内部に配置されたレーザ駆動部141、レーザ発振器142および照明光学系143と、フレーム107の+Y側に取り付けられた付設ボックスの内部に収容されたヘッド部140とを備える。ヘッド部140は、空間光変調部144と投影光学系145とを主として備える。
【0047】
レーザ発振器142は、レーザ駆動部141からの駆動を受けて、出力ミラー(図示省略)からレーザ光を出射する。照明光学系143は、レーザ発振器142から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(光束断面が線状の光であるラインビーム)とする。レーザ発振器142から出射され、照明光学系143にてラインビームとされた光は、ヘッド部140に入射し、パターンデータD(図8参照)に応じた空間変調を施された上で基板Wに照射される。
【0048】
ヘッド部140に入射した光は、具体的には、ミラー146を介して、定められた角度で空間光変調部144に入射する。空間光変調部144は、当該入射光を空間変調して、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる。ただし、光を空間変調させるとは、具体的には、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。
【0049】
空間光変調部144は、具体的には、電気的な制御によって入射光を空間変調させる空間光変調器1441を備える。空間光変調器1441は、その反射面の法線が、ミラー146を介して入射する入射光の光軸に対して傾斜して配置され、当該入射光を制御部20の制御に基づいて空間変調させる。空間光変調器1441は、例えば、回折格子型の空間変調器(例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ(サンノゼ、カリフォルニア)の登録商標)等を利用して構成される。回折格子型の空間変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
【0050】
空間光変調器1441は、複数の空間光変調素子を一次元に並べた構成となっている。各空間光変調素子の動作は、電圧のオン/オフで制御される。すなわち、電圧がオフされている状態においては、空間光変調素子の表面は平面となっており、この状態で、空間光変調素子に光が入射すると、その入射光は回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次回折光)が発生する。一方、電圧がオンされている状態においては、空間光変調素子の表面には、平行な溝が周期的に並んで複数本形成される。この状態で、空間光変調素子に光が入射すると、正反射光(0次回折光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、±2次回折光、および、さらに高次の回折光)が発生する。より正確には、0次回折光の強度が最小となり、他の次数の回折光の強度が最大となる。空間光変調器1441は、複数の空間光変調素子のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニットを備えており、各空間光変調素子の電圧が独立して切り換え可能となっている。
【0051】
空間光変調器1441にて空間変調された光には、0次回折光と、0次以外の次数の回折光(具体的には、±1次回折光、±2次回折光、および、比較的微量の±3次以上の高次回折光)とが含まれており、これらは互いに異なる方向に沿って出射されることになる。すなわち、0次回折光はZ軸に沿って−Z方向に、それ以外の回折光はZ軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って−Z方向に、それぞれ出射されることになる。ここで、0次回折光はパターンの描画に寄与させるべき必要光であり、それ以外の回折光はパターンの描画に寄与させるべきでない不要光である。投影光学系145は、不要光を遮断するとともに必要光のみを基板Wの表面に導いて、当該表面に結像させる。投影光学系145は、例えば、不要光を遮断するとともに必要光のみを通過させる遮断板、入射光の幅を広げる(あるいは狭める)ズーム部を構成する複数のレンズ、入射光を定められた倍率として基板W上に結像させる対物レンズ、等を含む構成とすることができる。
【0052】
光学ユニット14に描画動作を実行させる場合、制御部20は、レーザ駆動部141を駆動してレーザ発振器142から光を出射させる。出射された光は照明光学系143にてラインビームとされ、ミラー146を介して空間光変調部144の空間光変調器1441に入射する。空間光変調器1441においては、複数の空間光変調素子が、副走査方向(X軸方向)に沿って並んで配置されており、入射光はその線状の光束断面を空間光変調素子の配列方向に沿わせるようにして、一列に配列された複数の空間光変調素子に入射する。制御部20は、パターンデータDに基づいてドライバ回路ユニットに指示を与え、ドライバ回路ユニットが指示された空間光変調素子に対して電圧を印加する。これによって、各空間光変調素子にて個々に空間変調された光が形成され、基板Wに向けて出射されることになる。空間光変調器1441が備える空間光変調素子の個数を「N個」とすると、空間光変調器1441からは、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光が出射されることになる。空間光変調器1441にて空間変調された光は、投影光学系145に入射し、ここで、不要光が遮断されるとともに必要光のみが基板Wの表面に導かれ、定められた倍率とされて基板Wの表面に結像される。
【0053】
光学ユニット14は、このように副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら(すなわち、基板Wの表面にパルス光を繰り返して投影し続けながら)、主走査方向(Y軸方向)に沿って基板Wに対して相対的に移動される。したがって、光学ユニット14が主走査方向に沿って基板Wを1回横断すると、基板Wの表面に、副走査方向に沿ってN画素分の幅をもつ一本のパターン群が描画されることになる。この、N画素分の幅をもつ1本のパターン描画領域を、以下の説明では「1ストライプ分の領域」ともいう。
【0054】
なお、ヘッド部140には、空間光変調部144と投影光学系145との間に、空間光変調部144で変調された光の経路を副走査方向に沿って僅かにシフトさせる光路補正部をさらに設けてもよい。この場合、必要に応じて光路補正部に光の経路をシフトさせることによって、基板Wに照射される光の位置を副走査方向に沿って微調整することが可能となる。光路補正部は、例えば、2個のウェッジプリズム(非平行な光学面を備えることにより入射光の光路を変更できるプリズム)と、一方のウェッジプリズムを、他方のウェッジプリズムに対して、入射光の光軸の方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構とから実現することができる。この構成においては、ウェッジプリズム移動機構を駆動制御して、2個のウェッジプリズム間の離間距離を調整することによって、必要な量だけ入射光をシフトさせることができる。
【0055】
<撮像ユニット15>
撮像ユニット15は、基板Wの上面に形成されたアライメントマークALを撮像する。撮像ユニット15は、鏡筒、対物レンズ、および、例えばエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)により構成されるCCDイメージセンサ(いずれも図示省略)を備える。また、撮像ユニット15は、照明ユニット18から延びるファイバ180と接続される。照明ユニット18から出射される光はファイバ180によって鏡筒に導かれ、鏡筒を介して基板Wの上面に導かれる。そして、その反射光が、対物レンズを介してCCDイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得されることになる。CCDイメージセンサは、制御部20からの指示に応じて撮像データを取得するとともに、取得した撮像データを制御部20に送信する。なお、撮像ユニット15はオートフォーカス可能なオートフォーカスユニットをさらに備えていてもよい。
【0056】
<プリアライメント部17>
プリアライメント部17は、基板Wの回転位置を粗く補正する装置である。プリアライメント部17は、例えば、回転可能に構成された載置台と、載置台に載置された基板Wの外周縁の一部に形成された切り欠き部(例えば、ノッチ、オリエンテーションフラット等)の位置を検出するセンサと、載置台を回転させる回転機構とから構成することができる。この場合、プリアライメント部17におけるプリアライメント処理は、まず、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、続いて、回転機構が、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように(例えば、切り欠きの方向がステージ11の移動方向(例えば、X方向))と平行になるように)載置台を回転させることによって行われる。
【0057】
<制御部20>
制御部20は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ描画装置1の各部の動作を制御する。制御部20の構成について、以下に具体的に説明する。
【0058】
<i.ハードウエア構成>
図8は、制御部20のハードウエア構成を示すブロック図である。制御部20は、例えば、CPU21、ROM22、RAM23、外部記憶装置24等がバスライン25を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM22は基本プログラム等を格納しており、RAM23はCPU21が所定の処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置24は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。外部記憶装置24には、位置合わせ処理、描画処理等を行うためのプログラムPが格納されている。プログラムPに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU21が演算処理を行うことにより、各種機能が実現されるように構成されている。プログラムPは、通常、予め外部記憶装置24等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に外部記憶装置24等のメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部20において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
【0059】
また、制御部20では、入力部26、表示部27、通信部28もバスライン25に接続されている。入力部26は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータから各種の入力設定指示を受け付ける。表示部27は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU21による制御の下、各種の情報を表示する。通信部28は、LAN等を介したデータ通信機能を有する。
【0060】
外部記憶装置24には、基板Wに露光すべきパターンを記述したデータ(パターンデータ)Dが格納される。パターンデータDは、例えば、CADを用いて生成されたCADデータをラスタライズしたラスターデータであり、回路パターンなどを表現している。制御部20は、基板Wに対する一連の処理に先立ってパターンデータDを取得して外部記憶装置24に格納している。なお、パターンデータDの取得は、例えばネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することにより行われてもよいし、記録媒体から読み取ることにより行われてもよい。
【0061】
<ii.機能構成>
図9は、制御部20において実現される機能ブロックおよびこれに関連する各部を模式的に示す図である。描画装置1においては、ステージ11に載置された基板Wを適正な回転位置に位置合わせする機能が実現されており、当該機能に関する構成として、目標回転角度特定部201および回転制御部202としての機能が実現される。これら各機能部は、上記したように、例えばCPU21がプログラムPに従って所定の演算処理を行うことにより実現される。
【0062】
目標回転角度特定部201は、ステージ11に載置された基板Wを適正な回転位置におくために必要なステージ11の回転角度(目標回転角度θo)を特定する。具体的には、目標回転角度特定部201は、ステージ11に載置された基板W上に形成された2つのアライメントマーク(例えば、図3上において基板Wの左右におけるスクライブライン301の両端にそれぞれ形成されたアライメントマークAL1,AL2)のそれぞれの撮像データを撮像ユニット15に取得させ、当該撮像データを画像解析してステージ11に載置された基板W上のアライメントマークAL1,AL2の各座標位置を検出する。そして、当該検出結果に基づいてステージ11に載置された基板Wが適正な回転位置からどれだけずれているか(回転ずれ量)を算出し、これに基づいて、ステージ11の目標回転角度θoを特定する。
【0063】
回転制御部202は、基板Wが適正な回転位置に保たれるように、ステージ11の回転位置の制御を行う。具体的には、回転制御部202は、測長部13が計測したステージ11の回転角度θの入力を受けて、当該回転角度θを目標回転角度θoに近づけることができるような回転機構121の制御パラメータ(例えば、駆動部1211が回転軸部1210を回転させる際の回転方向、回転数等)Nを出力し、当該制御パラメータNで回転機構121を駆動制御する。これによって、ステージ11は、その回転角度θが目標回転角度θoに近づくように回転されるとともに、その回転角度θが目標回転角度θoと高精度に一致した状態に維持される。
【0064】
<2.位置合わせ処理の流れ>
目標回転角度特定部201および回転制御部202の制御下で実行される基板Wの位置合わせ処理の流れについて、図10〜図12を参照しながら具体的に説明する。図10は、当該処理の流れを示す図である。図11は、基板Wが適正な回転位置に位置合わせされる前後におけるステージ11の様子を模式的に示す図である。ただし、図11においては、説明をわかりやすくするためにステージ11の回転角度θを誇張して描いているが、上述したとおり、基板Wの位置合わせにおいてステージ11が実際に取りうる回転角度θは最大でも±数百μrad程度とごく微小である。図12は、位置合わせ処理におけるステージ11の回転角度θの変化を模式的に示す図である。
【0065】
なお、少なくとも基板Wの位置合わせ処理が行われている間は、測長部13はステージ11の位置をリアルタイムで測長し続けることによりステージ11のリアルタイムの回転角度θを計測し続けている。すなわち、少なくとも基板Wの位置合わせ処理が行われている間、制御部20には、測長部13からステージ11のリアルタイムの回転角度θの計測値が入力され続けるものとする。
【0066】
基板Wの位置合わせ処理においては、まず、目標回転角度特定部201が、ステージ11の目標回転角度θoを特定する(ステップS10)。
【0067】
具体的には、目標回転角度特定部201は、まず、ステージ移動機構12に撮像ユニット15の真下に第1アライメントマークAL1の目標位置(基板Wが適正な回転位置にある場合に当該アライメントマークALが配置される位置)がくるようにステージ11を移動させた上で、撮像ユニット15に基板Wの表面を撮像させる。以下に明らかになるように、基板Wの位置合わせ処理に先だってプリアライメント処理が行われているため、基板Wは適正な回転位置とほぼ一致する状態(具体的には、適正な回転位置との回転ずれ量が数百μrad以下の状態)でステージ11に載置されており、各アライメントマークALはその目標位置から大きくはずれない位置におかれている。このため、撮像ユニット15の真下に第1アライメントマークAL1の目標位置がおかれた状態において、撮像ユニット15の撮像領域内から撮像対象となる第1アライメントマークAL1が外れることはない。したがって、撮像ユニット15の真下に第1アライメントマークAL1の目標位置がおかれた状態において、撮像ユニット15が基板Wの表面を撮像することによって、第1アライメントマークAL1の撮像データが得られることになる(ステップS11)。
【0068】
続いて、目標回転角度特定部201は、ステージ移動機構12に撮像ユニット15の真下に第2アライメントマークAL2の目標位置がくるようにステージ11を移動させた上で、撮像ユニット15に基板Wの表面を撮像させる。これによって、第2アライメントマークAL2の撮像データが得られることになる(ステップS12)。
【0069】
続いて、目標回転角度特定部201は、ステップS11およびステップS12で得られた各撮像データを画像解析して、ステージ11に載置された基板W上の各アライメントマークAL1,AL2の座標位置を特定する。さらに、目標回転角度特定部201は、当該特定された各座標位置を目標位置におくために必要なステージ11の回転角度を算出し、これを目標回転角度θoとして取得する(ステップS13)。
【0070】
目標回転角度特定部201がステージ11の目標回転角度θoを特定すると、続いて、回転制御部202が、ステージ11の回転位置の制御を行う(ステップS20)。
【0071】
具体的には、回転制御部202は、まず、目標回転角度特定部201からステージ11の目標回転角度θoを取得する(ステップS21)。
【0072】
上述したとおり、制御部20には、測長部13からステージ11のリアルタイムの回転角度θが入力され続けている。回転制御部202は、当該回転角度θを取得し(ステップS22)、当該回転角度θを目標角度θoに近づけることができるような制御パラメータNの値を出力する(ステップS23)。そして、当該制御パラメータNで回転機構121を駆動する(ステップS24)。例えば、目標回転角度θoと入力された回転角度θとの差分値(θo−θ)を算出し、当該差分値が正の値の場合(目標回転角度θo>回転角度θ)、ステージ11を+θ方向に回転させる制御パラメータNを出力する。当該制御パラメータNで回転機構121がステージ11を回転させると、回転角度θは徐々に大きくなり目標角度θoに近づいていく。一方、差分値が負の値の場合(目標回転角度θo<回転角度θ)、ステージ11を−θ方向に回転させる制御パラメータNを出力する。当該制御パラメータNで回転機構121がステージ11を回転させると、回転角度θは徐々に小さくなり目標角度θoに近づいていく。また、差分値がゼロの場合(目標回転角度θo=回転角度θ)、ステージ11の回転を停止させる制御パラメータNを出力する。すると、回転機構121はステージ11を回転させず、回転角度θが目標角度θoと一致した状態がそのまま維持される。
【0073】
回転制御部202は、上記のステップS22〜ステップS24の処理を繰り返して行い続けて、常にリアルタイムの回転角度θに応じたパラメータNで回転機構121を駆動する。つまり、回転制御部202は、回転角度θの変化に応じて制御パラメータNを変化させながら回転機構121を駆動制御する。
【0074】
回転制御部202が上記の制御を行うことによって、ステージ11は、その回転角度θが目標回転角度θoに近づくように回転されるとともに、その回転角度θが目標回転角度θoと一致した状態(具体的には、許容される誤差範囲内(例えば±0.3μradの誤差範囲内)で一致した状態)で維持される。すなわち、ステージ11に載置された基板Wが、その回転位置が適正な回転位置と一致するように位置合わせされた状態が維持される。なお、後に明らかになるように、描画装置1においては、ステージ11の回転角度θが目標回転角度θoと一致した状態になると、描画処理が開始される。回転制御部202は、この描画処理が完了するまで上記のステップS22〜ステップS24の処理を繰り返して行い続ける。したがって、描画処理が開始されてからこれが完了するまでの間、ステージ11の回転角度θは、常に目標回転角度θoと一致した状態に維持されることになる。
【0075】
<3.基板Wに対する処理の流れ>
続いて、描画装置1において実行される基板Wに対する一連の処理の流れを説明する。
【0076】
<3−1.距離Lの測定>
描画装置1においては、基板Wに対する処理を実行する前に、測長部13において回転角度θの算出に用いられる距離Lの正確な値を算出するキャリブレーション処理が行われる。当該処理の流れについて、図13を参照しながら説明する。図13は、当該処理を説明するための図である。ただし、図13においても、説明をわかりやすくするためにステージ11の回転角度θを誇張して描いているが、以下の処理においてステージ11が実際に取りうる回転角度θもごく微小である。以下に説明する一連の動作は、制御部20の制御下で行われる。
【0077】
まず、搬送装置16により、距離Lの算出に用いられる基板(以下「テスト基板」という)Wtが搬入されてステージ11に載置されると、制御部20は、この状態(第1状態)における基板Wの2個のアライメントマークAL1,AL2の各座標位置Q1,Q2を特定する。具体的には、撮像ユニット15に、ステージ11に載置されたテスト基板Wt上に形成された2箇所のアライメントマークAL1,AL2のそれぞれを撮像させ、得られた各撮像データに基づいて、制御部20が各アライメントマークAL1,AL2の座標位置Q1,Q2を特定する。ただし、第1状態において、ステージ11は、その回転角度θが「0」の状態(すなわち、測長部13において計測される距離Y1と距離Y2とが等しい状態)に予め調整されているものとする。
【0078】
続いて、制御部20は、回転機構121にステージ11を任意の微小角度だけ回転させる。ステージ11が任意の微小角度だけ回転されると、続いて、制御部20は、回転後の状態(第2状態)における基板Wの2個のアライメントマークAL1,AL2の各座標位置Q1’,Q2’を特定する。また、制御部20は、測長部13から第2状態における距離Y1と距離Y2との差分ΔYtを取得する。
【0079】
続いて、制御部20は、第1状態の各アライメントマークAL1,AL2の座標位置Q1,Q2と、第2状態の各アライメントマークAL1,AL2の座標位置Q1’,Q2’とに基づいて、テスト基板Wtが回転された角度(回転角度θt)を正確に算出する。そして、下記(式2)に基づいて、距離Lの正確な値を算出する。
【0080】
L=(ΔYt/tan(θt)) ・・・(式2)
距離Lの正確な値が算出されると、当該値は測長部13の演算回路に記憶され、以降は、当該値を用いて回転角度θが算出されることになる((式1)参照)。高精度に測定された距離Lの値が用いられることによって、回転角度θを正確に算出することが可能となる。
【0081】
<3−2.基板Wに対する処理の流れ>
描画装置1にて実行される基板Wに対する処理の流れについて、図14を参照しながら説明する。図14は、当該処理の流れを示す図である。以下に説明する一連の動作は、制御部20の制御下で行われる。
【0082】
搬送装置16は、描画装置1内に処理対象となる基板Wを搬入すると(ステップS1)、まず、当該基板Wをプリアライメント部17に搬入する。プリアライメント部17においては、基板Wに対するプリアライメント処理が行われる(ステップS2)。プリアライメント処理は、上述したとおり、例えば、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。これによって、載置台に載置された基板Wが定められた回転位置におかれることになる。
【0083】
続いて、搬送装置16は、プリアライメント処理済みの基板Wをプリアライメント部17から搬出して、ステージ11に載置する(ステップS3)。ただし、ステージ11の初期位置は、その回転角度θが「0」の状態に予め調整されているものとする。
【0084】
基板Wにはプリアライメント処理が施されている。したがって、基板Wは、適正な回転位置とほぼ一致した状態でステージ11に載置される。ただし、プリアライメント処理だけでは基板Wの回転ずれ量は許容される誤差範囲内には入っていない可能性が高い。そこで、続いて、ステージ11に載置された基板Wが適正な回転位置にくるように精密に位置合わせする処理(ファインアライメント)が開始される(ステップS4)。この処理の流れは上述したとおりである(図10参照)。
【0085】
位置合わせ処理において、ステージ11の回転角度θが目標回転角度θoと一致した状態(具体的には、許容される誤差範囲内(例えば±0.3μradの誤差範囲内)で一致した状態)になると(ステップS5でYES)、描画処理が開始される(ステップS6)。なお、上述したとおり、回転制御部202は、描画処理が完了するまで上記のステップS22〜ステップS24の処理(図10参照)を繰り返して行い続けており、描画処理が開始されてからこれが完了するまでの間、ステージ11の回転角度θは、常に目標回転角度θoと一致した状態に維持される。すなわち、描画処理が行われている間、ステージ11に載置された基板Wが適正な回転位置に正確におかれた状態が維持される。
【0086】
描画処理について、図15を参照しながら説明する。図15は、描画処理を説明するための図である。
【0087】
基板Wに対するパターンの描画処理は、制御部20が、ステージ移動機構12を制御してステージ11に載置された基板Wを光学ユニット14,14に対して相対的に移動させるとともに、光学ユニット14,14のそれぞれから基板Wの上面に空間変調された光を照射させることにより行われる。
【0088】
具体的には、ステージ移動機構12は、制御部20からの指示に応じて、ステージ11を主走査方向(+Y軸方向)に沿って移動させることによって、基板Wを光学ユニット14,14に対して主走査方向に沿って相対的に移動させる(矢印AR11)(主走査)。基板Wが主走査方向に沿って相対的に移動させられる間、各光学ユニット14は、制御部20からの指示に応じて、パターンデータD(具体的には、ラスタライズされたパターンデータ)に応じた空間変調が形成された光(具体的には、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光)を、基板Wに向けて断続的に照射し続ける(すなわち、基板Wの表面にパルス光を繰り返して投影し続ける)。つまり、各光学ユニット14は、副走査方向に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら、主走査方向(Y軸方向)に沿って基板Wに対して相対的に移動する。したがって、光学ユニット14が主走査方向に沿って基板Wを1回横断すると、基板Wの表面に、副走査方向に沿ってN画素分の幅をもつ一本のパターン群が描画されることになる。ここでは、2個の光学ユニット14が同時に基板Wを横断するので、一回の主走査により2本のパターン群が描画されることになる。
【0089】
1回の主走査が終了すると、ステージ移動機構12が、ステージ11を主走査方向に沿って逆向き(−Y軸方向)に移動させて、基板Wを元の位置(主走査の開始位置)に移動させる(矢印AR12)。さらに、ステージ移動機構12は、ステージ11を副走査方向(X軸方向)に沿って、1ストライプの幅に相当する距離だけ移動させることによって、基板Wを光学ユニット14,14に対して副査方向に沿って相対的に移動させる(矢印AR13)(副走査)。
【0090】
副走査が終了すると、再び主走査が行われる(矢印AR14)。ここでも、各光学ユニット14は、制御部20からの指示に応じて、パターンデータDに応じた空間変調が形成された光を、基板Wに向けて断続的に照射し続ける。これによって、先の主走査で描画された1ストライプ分の描画領域の隣に、さらに1ストライプ分の領域の描画が行われることになる。以後、同様に、主走査と副走査とが繰り返して行われ、基板Wの表面の全域にパターンが描画されると描画処理が終了する。
【0091】
再び図14を参照する。基板Wに対するパターンの描画処理が終了すると、搬送装置16が処理済みの基板Wを搬出し、当該基板Wに対する一連の処理が終了する(ステップS7)。
【0092】
<4.効果>
上記の実施の形態においては、ステージ11の位置の測長値に基づいてステージ11の回転角度θが正確に特定され、当該回転角度θを目標回転角度θoに近づけることができるような回転機構121の制御パラメータNで回転機構121が駆動制御される。この構成によると、ステージ11の回転角度θを目標回転角度θoに速やかに近づけて、回転角度θを目標回転角度θoと高精度に一致させることができる。すなわち、高精度かつ迅速に、基板Wを適正な回転位置に位置合わせすることができる。
【0093】
例えば、回転角度θが目標回転角度θoと一致しているか否かをアライメントマークの位置検出により確認しながら、位置合わせを行う態様では、アライメントマークの撮像と画像処理とを何度も繰り返すことになるために処理に時間がかかる上、撮像ユニットをアライメントマークの上方にもってくる際のステージの搬送誤差等に起因して、高精度な位置合わせをスムースに行えない可能性がある。これに対し、上記の実施の形態においては、回転角度θを目標回転角度θoに近づける駆動制御と回転角度θが目標回転角度θoと一致しているかの確認とが、測長部13からの情報に基づいて同時に行われることになる。したがって、高精度かつ迅速な位置合わせが実現される。
【0094】
また、上記の実施の形態においては、ステージ11の回転角度θの変化に応じて制御パラメータNを変化させながら、回転機構121が駆動制御されるので、さらに高精度かつ迅速に、基板Wを適正な回転位置に位置合わせすることができる。
【0095】
また、上記の実施の形態においては、ステージ11における2つの部位の各測長情報の差分ΔYに基づいて、ステージ11の回転角度θが求められるので、ステージ11の回転角度θを正確に計測することができる。ひいては、ステージ11の回転角度θを高精度に制御することが可能となり、基板Wを適正な回転位置に高精度に位置合わせすることができる。
【0096】
また、上記の実施の形態においては、ステージ11の位置をレーザ光の干渉により測長するので、ステージ11の位置を正確に測定することができる。ひいては、ステージ11の回転角度θを正確に計測することができる。その結果、ステージ11の回転角度θを高精度に制御することが可能となり、基板Wを適正な回転位置に高精度に位置合わせすることができる。
【0097】
<5.変形例>
上記の実施の形態においては、目標回転角度特定部201が2つのアライメントマークAL1,AL2の各位置を検出して、当該検出位置に基づいて目標回転角度θoを算出する構成としていたが、目標回転角度特定部201は2つ以上のアライメントマークALの各位置を検出して、当該検出位置に基づいて目標回転角度θoを算出する構成であってもよい。
【0098】
例えば、図3の図面上において、基板Wの左右におけるスクライブライン301の両端付近にそれぞれ形成されたアライメントマークAL1,AL2と、基板Wの上下におけるスクライブライン301の両端付近にそれぞれ形成されたアライメントマークAL3,AL4との各位置を検出して、当該検出位置に基づいて目標回転角度θoを算出する構成としてもよい。この場合、アライメントマークAL1,AL2の各座標位置を目標位置におくために必要な回転角度と、アライメントマークAL3,AL4の各座標位置を目標位置におくために必要な回転角度とをそれぞれ算出し、各回転角度の平均値を目標回転角度θoとして取得すればよい。
【0099】
また、上記の実施の形態において、例えば、基板Wに変形(歪み、収縮・膨張等の形状変化)が生じている場合、これが、アライメントマークALの検出位置の目標位置からのずれ量として検出されることになる。そこで、描画処理を実行する前に、ステージ11に載置された基板WのアライメントマークALの検出位置に基づいて、パターンデータDを補正する処理を行ってもよい。この場合、検出されたずれ量分だけパターンデータDに記述されたパターンをずらすように修正することによって、パターンデータDを、基板Wと同じように変形させればよい。パターンデータDの補正には、目標回転角度θoを特定するために取得されたアライメントマークALの検出情報が用いられてもよい。また、当該検出情報と、さらに別のアライメントマークALの検出情報とが合わせて用いられてもよい。
【0100】
また、上記の実施の形態においては、測長部13は、第1レシーバ135および第2レシーバ137からの出力に基づいて、例えば、専門の演算回路にてステージ11の回転角度θを求める構成としたが、2つの照射位置の主走査方向の位置の差分ΔYが求められるのであれば、第2リニア干渉計135および第2レシーバ137において、必ずしもプレーンミラー130と第2リニア干渉計137との間の主走査方向における距離が求められる必要はない。
【0101】
また、上記の各実施形態では、空間光変調器1441として変調単位である固定リボンと可動リボンとが一次元に配設された回折格子型の空間光変調器であるGLVが用いられていたが、このような形態には限られない。例えば、GLVに限らず、ミラーのような変調単位が、一次元に配列されている空間光変調器が利用される形態であってもよい。また、例えば、DMD(Digital Micromirror Device:デジタルマイクロミラーデバイス:テキサスインスツルメンツ社の登録商標)のような変調単位であるマイクロミラーが二次元的に配列された空間光変調器が利用されてもよい。
【0102】
また、上記の各実施形態では、基板Wは円形状のものであるとしたが、基板Wは必ずしも円形状である必要はなく、例えば矩形状であってもよい。
【0103】
また、上記の実施の形態においては、回転機構121、測長部13、目標回転角度特定部201、および、回転制御部202を含む位置合わせ機構が、基板Wに対して光を照射して基板Wにパターンを形成する描画装置1に組み込まれた態様を示していたが、位置合わせ機構は、描画装置1以外の各種の基板処理装置に組み込むことができる。
【符号の説明】
【0104】
1 描画装置
11 ステージ
13 測長部
15 撮像ユニット
201 目標回転角度特定部
202 回転制御部
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージに載置された基板を適正な回転位置に位置合わせする位置合わせ装置であって、
前記ステージを回転させる回転機構と、
前記ステージ外から前記ステージの位置を測長して、当該測長値に基づいて前記ステージの回転角度を特定する測長部と、
前記ステージに載置された基板を前記適正な回転位置におくために必要なステージの回転角度を特定して、目標回転角度として取得する目標回転角度特定部と、
前記測長部で特定された前記ステージの回転角度を前記目標回転角度に近づけることができるような前記回転機構の制御パラメータを出力し、当該制御パラメータで前記回転機構を制御する回転制御部と、
を備える、位置合わせ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の位置合わせ装置であって、
前記測長部が、前記ステージの位置をリアルタイムで測長し続けることにより前記ステージのリアルタイムの回転角度を特定し続け、
前記回転制御部が、前記ステージの回転角度の変化に応じて前記制御パラメータを変化させながら、前記回転機構を駆動制御する、位置合わせ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の位置合わせ装置であって、
前記測長部が、
前記ステージの第1の部位の位置を測長するとともに、前記ステージの第2の部位の位置を測長して、前記ステージにおける2つの部位の各測長情報の差分に基づいて、前記ステージの回転角度を求める、
位置合わせ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の位置合わせ装置であって、
前記測長部が、
前記ステージ外から前記ステージに向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光して、当該反射光と出射光との干渉から前記ステージの位置を測長する、
位置合わせ装置。
【請求項5】
ステージに載置された基板を適正な回転位置に位置合わせする位置合わせ方法であって、
a)前記ステージ外から前記ステージの位置を測長して、当該測長値に基づいて前記ステージの回転角度を特定する工程と、
b)前記ステージに載置された基板を前記適正な回転位置におくために必要なステージの回転角度を特定して、目標回転角度として取得する工程と、
c)前記a)工程で特定された前記ステージの回転角度を前記目標回転角度に近づけることができるような制御パラメータを出力し、当該制御パラメータで、前記ステージを回転させる回転機構を駆動制御する工程と、
を備える、位置合わせ方法。
【請求項6】
請求項5に記載の位置合わせ方法であって、
前記a)工程において、前記ステージの位置をリアルタイムで測長し続けることにより前記ステージのリアルタイムの回転角度を特定し続け、
前記c)工程において、前記ステージの回転角度の変化に応じて前記制御パラメータを変化させながら、前記回転機構を駆動制御する、位置合わせ方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の位置合わせ方法であって、
前記a)工程が、
a1)前記ステージの第1の部位の位置を測長する工程と、
a2)前記ステージの第2の部位の位置を測長する工程と、
a3)前記a1)工程で得られた測長情報と、前記a2)工程で得られた測長情報との差分に基づいて前記ステージの回転角度を求める工程と、
を備える、位置合わせ方法。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の位置合わせ方法であって、
前記a)工程において、
前記ステージ外から前記ステージに向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光して、当該反射光と出射光との干渉から前記ステージの位置を測長する、
位置合わせ方法。
【請求項9】
基板に対して光を照射して、前記基板にパターンを描画する描画装置であって、
基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された基板に対して光を照射する光学ユニットと、
前記ステージに載置された基板を適正な回転位置に位置合わせする位置合わせ装置と、
を備え、
前記位置合わせ装置が、
前記ステージを回転させる回転機構と、
前記ステージ外から前記ステージの位置を測長して、当該測長値に基づいて前記ステージの回転角度を特定する測長部と、
前記ステージに載置された基板を前記適正な回転位置におくために必要なステージの回転角度を特定して、目標回転角度として取得する目標回転角度特定部と、
前記測長部で特定された前記ステージの回転角度を前記目標回転角度に近づけることができるような前記回転機構の制御パラメータを出力し、当該制御パラメータで前記回転機構を制御する回転制御部と、
を備える描画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−26383(P2013−26383A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158917(P2011−158917)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】