説明

作動機器制御装置

【課題】 電池の電力が低下した際に、ユーザに対して、電池交換の必要性を確実に認識させるようにする。
【解決手段】 照合手段18により作動機器4,5を有する作動システムと携帯機2とが対応していると判定されると、作動機器4,5を作動させる又は作動可能な状態に移行させる作動機器制御手段19と、携帯機2に内蔵された電池8の残存電力を検出する電池残存電力検出手段9と、電池残存電力検出手段9によって内蔵電池8の残存電力が第1閾値以下であることが検出されると、作動機器制御手段19による作動機器の作動を休止させる又は作動可能状態への移行を休止させる作動休止手段20と、作動休止手段20による作動機器4,5の作動の休止を解除する又は作動可能状態への移行の休止を解除する作動休止解除手段14とをそなえて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機に内蔵された電池の交換をユーザに促すことが可能な、作動機器制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、メカニカルキーを使用せずに、車両や住宅のドアの施錠/解錠を制御するロックシステム(いわゆる、スマートキーシステム)が開発されている。
このスマートキーシステムについて、一例を挙げて説明すると、このスマートキーシステムは、ドアを施錠/解錠するロック機構を制御するメインユニットと、携帯キーとから主に構成され、このうち、メインユニットが車両や住宅などに設けられ、携帯キーがユーザによって所持される。
【0003】
また、メインユニットが携帯機(携帯キー)のIDを要求する旨の信号の電波域を形成するようになっており、この電波域に携帯キーを持ったユーザが入ってくると、携帯キーは上記のID要求信号に対して呼応して、携帯ID信号をメインユニットに送信し、これを受信したメインユニットにより、受信した携帯キーのIDと自機(メインユニット)のIDとが照合され、これが合致して認証が成立するとドアのロックが解除されるようになっている。
【0004】
ところで、携帯機から送信されるID信号に基づいて機器(例えば、上述のロック機構)を作動させるスマートキーシステムでは、携帯機に電源となる電池が必要である。そして、この電池の残存する電力は携帯機の作動頻度に応じて徐々に低下し、電池の残存電力が所定値以下になると携帯機は作動しなくなって、スマートキーシステムそのものが稼動しなくなる。つまり、電池切れに起因してシステムが停止する。この場合、ユーザは機械式の鍵(いわゆるメカニカルキー)を用いてドアのロック機構を操作することとなる。
【0005】
なお、電池切れが生じてしまう前に、電池の交換をユーザに促す技術として、特許文献1による技術が存在し、この特許文献1には、電池によって駆動する機器の駆動回数が所定回数を超えると電池の電池が消耗している旨を自動的に表示する手法が開示されている。
【特許文献1】特開2001−254546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、携帯機の電池の残存電力が少なくなっている旨を告知して、ユーザに対して、電池交換の必要性を強く印象付けることは難しく、実際には電池交換が行なわれない場合が多い。このため、携帯機は電池切れのため作動が停止し、これにより、システムが停止しまっているケースがみられる。
また、このように、ユーザに対して携帯機の電池の交換が必要である旨を事前に通知していたとしても、ユーザに対して与える印象が弱い場合、ユーザは電池の残存電力がゼロとなり携帯機の作動が停止することによってはじめて電池交換の必要性を認識することになる。このため、このユーザは、新しい電池を購入し、交換するまでの間、スマートキーシステムによる利便性を享受できないという課題がある。
【0007】
また、携帯機の電池が切れた場合、ユーザにとっては、突然システムが作動しなくなるように見えるので、システムそのものが故障したとの誤解を与えるおそれもある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、電池の電力が低下した際に、ユーザに対して、電池交換の必要性を確実に認識させるようにした、作動機器制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明の作動機器制御装置は、作動機器を有する作動システムと携帯機とが互いに対応しているか否かを照合する照合手段と、該照合手段により該作動システムと該携帯機とが対応していると判定されると、該作動機器を作動させる又は作動可能な状態に移行させる作動機器制御手段と、該携帯機に内蔵された電池の残存電力を検出する電池残存電力検出手段と、該電池残存電力検出手段によって該内蔵電池の残存電力が第1閾値以下であることが検出されると、該作動機器制御手段による該作動機器の作動を休止させる又は作動可能状態への移行を休止させる作動休止手段と、該作動休止手段による該作動機器の作動の休止を解除する又は作動可能状態への移行の休止を解除する作動休止解除手段とをそなえたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項1記載の内容において、該作動休止手段は、該内蔵電池の残存電力が該第1閾値以下であるときに該携帯機の電源をオフ状態にし、該作動休止解除手段は、オフ状態にある該携帯機の電源をオン状態にすることを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項1または2記載の内容において、該照合手段により該作動システムと該携帯機とが対応していると判定されると、該作動機器に作動信号を送信する又は作動許可信号を送信する作動信号送信手段を有し、該作動信号送信手段は、該電池残存電力検出手段によって該内蔵電池の残存電力が第1閾値以下であることが検出されると該作動信号送信手段による該作動信号の送信又は該作動許可信号の送信を禁止し、該作動休止解除手段は、該作動信号の送信禁止又は該作動許可信号の送信禁止を解除することを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内容において、該携帯機は、該作動休止解除手段を作動させるべく操作可能な強制作動手段を有し、該作動休止手段によって該作動機器の作動が休止されている又は作動可能状態への移行が休止されているときに該強制作動手段が操作されると、該作動休止解除手段により該休止が解除されることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項4記載の内容において、該作動休止手段によって該作動機器の作動が休止されている又は作動可能状態への移行が休止されているときに該強制作動手段が操作されると、該作動休止解除手段により該休止が解除されるとともに、該作動機器が強制的に作動される又は作動可能状態とすることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内容において、該電池残存電力検出手段により該携帯機の電池の残存電力が該第1閾値よりも大きい値として設定された第2閾値以下となったことが検出されると、該携帯機の使用者に警告を行なう警告手段を有することを特徴としている。
また、請求項7記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内容において、該作動システムが車両に搭載される電子機器システムであり、該照合手段は、該携帯機が該電子機器システムに対応したものであるか否かを照合することを特徴としている。
【0013】
また、請求項8記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項7記載の内容において、該電子機器システムが、該車両のドアを施錠又は解錠するロック手段を有し、該照合手段により該携帯機と該電子機器システムとが対応していると判定されると、該作動機器制御手段は、該ロック手段を作動させて該ドアを施錠又は解錠することを特徴としている。
また、請求項9記載の本発明の作動機器制御装置は、請求項8記載の内容において、該作動休止手段は、該作動機器制御手段によって該ロック手段が該ドアを施錠した後に該作動機器制御手段による該ロック手段の作動を休止させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の作動機器制御装置によれば、携帯機に内蔵された電池が切れてしまう前に作動機器を休止させることによって、ユーザに対して、近い将来、電池切れが生じる旨を強く印象付けることが可能であり、一方、容易に当該休止を解除して作動機器を復帰させることが可能である。これにより、ユーザに対して電池交換を強く促すことができる。また、作動休止手段によって作動機器が休止されている場合であっても、容易に休止中の作動機器を復帰させることができ、ユーザの利便性低下を最小限に抑制することができる(請求項1)。
【0015】
また、携帯機に内蔵の電池が電池切れとなる前に、携帯機の電源をオフにすることによって、作動機器制御手段による作動機器を休止させ、また、電池の残存電力が残り少ない旨をユーザに認識させることができ、さらに、電池の電力が消費されることを防ぎ、電池寿命を最大限に引き延ばすことが可能となる(請求項2)。
また、携帯機内蔵の電池の残存電力が残り少なくなると、作動機器に対する作動信号または作動許可信号の送信を禁止するので、確実に作動機器を休止させることが可能となり、一方、作動機器を復帰させる場合には作動信号または作動許可信号の送信禁止を解除すればよいので、素早く作動機器を復帰させることができる(請求項3)。
【0016】
また、作動休止手段によって作動機器の作動が休止又は作動可能状態への移行が休止されているときであっても、強制作動手段を操作することにより該休止が解除されるので、ユーザは強制作動手段を操作するだけで、簡単に休止中の作動機器を復帰させることができる(請求項4)。
また、強制作動手段の操作によって作動機器を強制的に作動させる強制作動信号が送信されて、作動機器が強制的に作動されるので、作動機器を復帰させるだけでなく素早く作動機器を作動させることができる(請求項5)。
【0017】
また、携帯機に内蔵された電池の残存電力量に応じて、電池切れとなる旨をユーザに対して印象づける強さの度合を変化させることが可能となる(請求項6)。
また、車両に搭載される電子機器システムに用いられる携帯機に内蔵された電池の残存電力が低下した場合であっても、その旨を確実にユーザに通知することができる(請求項7)。
【0018】
また、ドアの施錠/解錠に際して用いられる携帯機に内蔵された電池の残存電力が低下した場合であっても、その旨を確実にユーザへ通知することができる(請求項8)。
また、ドアが施錠された後にロック手段の作動が休止されるので、次回、ドアの解錠する際、当該ロック手段の作動が休止したままとなることによって、携帯機に内蔵された電池の残存電力が低下している旨を確実にユーザへ通知することができる(請求項9)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の作動機器制御装置の一実施形態について図1〜図3を用いて説明すると、図1は本発明を模式的に示すブロック図、図2はその携帯機に内蔵された電池の電力残量(電圧)の低下を示すグラフ、図3はその作用を示すフローチャートである。
図1には、本発明の作動機器制御装置が適用されるスマートキーシステム1が示されており、このスマートキーシステム1は、主に、携帯機2,車載ユニット(作動システム;電子機器システム)3によって構成され、この車載ユニット3には、ロック機構(ロック手段)4,イグニッションノブ(エンジン始動手段)5,警告表示部(警告手段)6がそなえられている。なお、ロック機構4とイグニッションノブ5とのそれぞれを「作動機器」という。
【0020】
このうち、携帯機2は、ユーザに所持されるものであって、この携帯機2を持ったユーザが車両7に近づき認証要求操作を行なうと、携帯機2と車載ユニット3との間で認証処理(照合)が行なわれ、この認証処理が成立すると、ドアを施錠したり解錠したりするロック機構4が作動し、ドアが施錠または解錠されるようになっている。同様に、上記の認証処理が成立すると、エンジンを始動させるためのスイッチであるイグニッションノブ5が機能し、エンジンの始動が可能な作動待機状態(スタンバイ状態)となるようになっている。
【0021】
このように、通常、ユーザはこの携帯機2を操作することが不要であるので、例えば所持しているカバンや服のポケットなどにこの携帯機2を入れておけば、メカニカルキーをキーシリンダに差し込むことなくドアを施錠/解錠することができる。同様に、メカニカルキーをイグニッションキーシリンダに差し込むことなく、イグニッションノブ5を操作するだけでエンジンを始動させることができるので、大変に利便性が高いものとなっている。
【0022】
この携帯機2の構成について、もう少し詳しく説明すると、携帯機2には、いずれも図示しない、入出力装置,不揮発性メモリ,CPUなどがそなえられるとともに、図1に示す電池8,残存電力量検出手段9,電磁スイッチ(強制作動手段)10,メインスイッチ(SW)11,携帯機側ECU12,アンテナ13がそなえられている。
これらのうち、電池8は携帯機2が作動するために必要な電源となるものであって、小型化の観点からボタン型電池が適用されている。
【0023】
また、電力残量検出手段9は、電池8の電圧を測定し、この測定結果に基づいて電池8の残存電力を検出するようになっている。そして、この検出された電圧値が、予め設定された下限閾値(第1閾値)V1以下であるか否かおよび中間閾値(第2閾値)V2以下であるか否かの判定が行なわれ、この判定結果が含まれた残存電力信号が、アンテナを通じて車載ユニット3へ送信されるようになっている。
【0024】
なお、これらの下限閾値V1および中間閾値V2は、図2に示すように、V2>V1という関係になっており、電池8の電圧が中間閾値V2以下となった場合には車両7に設けられた警告表示部6が作動し、下限閾値V1以下となった場合にはロック機構4およびイグニッションノブ5の作動が休止するようになっている(詳しくは後述する)。
また、メインスイッチ11は、電池8と携帯機側ECU12との間に介装され、電池8から携帯機側ECU12へ供給される電力を断接できるようになっている。なお、このメインスイッチ11には半導体素子が適用されている。
【0025】
また、通常、このメインスイッチ11はオン状態になっており、携帯機側ECU12やアンテナ13などに対しては電力が常に供給され(いわゆる、待機電流が流れ)、常時、車載ユニット3からの制御信号を受信できるようになっている。一方、携帯機2の電池8の残存電力が残り少なくなってきた場合、このメインスイッチ11は携帯機側ECU12によりオフ状態とされて、携帯機2が電源オフ状態となるようになっている。
【0026】
また、電磁スイッチ10は押しボタン式の電磁スイッチであって、いわゆる、キーレスエントリの操作ボタンとしても機能するようになっている。そして、本実施形態では、携帯機2に内蔵されている電池8の残存電力が所定値(第1閾値V1)以下となって、メインスイッチ11がオフ状態となっている場合に、電磁スイッチ10が操作されることで、ロック機構4を強制的に作動させるとともに、メインスイッチ11をオン状態に切り換えるように構成されている。
【0027】
この電磁スイッチ10がオンとされた場合について、もう少し詳しく説明すると、この電磁スイッチ10は、メインスイッチ11をバイパスするように電池8と携帯機側ECU12との間に介装されており、ユーザによってこの電磁スイッチ10のボタンが押下されることによって、電池8から携帯機側ECU12に電力が供給されるようになっている。そして、この携帯機側ECU12には、スイッチ制御手段(作動休止解除手段)14,ID送信手段15などがソフトウェアとしてそなえられている。
【0028】
このうち、スイッチ制御手段14は、電磁スイッチ10が操作されると、休止解除信号を車載ユニット3に送信するとともに、メインスイッチ11をオン状態とするようになっている。
また、このスイッチ制御手段14は、車載ユニット3から休止信号を受信した場合にメインスイッチ11をオフ状態に切り換えるようになっている。これにより、携帯機2の作動を休止させ、電池8から携帯機側ECU12に供給される電力(即ち、待機電流)を停止することで、電池8の消耗を防ぐことができるようになっている。
【0029】
また、電池8からの電力供給を一時的に停止することで、電池8の電圧を若干ではあるが回復させることができ、電池8の寿命を最大限にまで引き延ばすことができるようになっている。なお、この休止信号が車載ユニット3から送信される条件などについては、車載ユニット3について説明する際に併せて説明する。また、詳しくは後述するが、このスイッチ制御手段14は、作動休止手段20による作動信号送信手段19の一時的な休止を解除して、ロック機構4やイグニッションノブ5などを強制的に復帰させることができるようにもなっている。
【0030】
ID送信手段15は、図示しない不揮発性メモリに予め登録された携帯機に固有のID(以後、単に「携帯ID」という)を、携帯ID信号として車載ユニット3に対して送信するものである。そして、この携帯IDと車載ユニット3に固有のID(以後、単に「車両ユニットID」という)とが車載ユニット3において照合されて、これらの双方のIDが一致すれば認証が成立し、ロック機構4が作動したり、イグニッションノブ5が機能したりするようになっている。なお、電磁スイッチ10がユーザによって押下された場合には、車載ユニット3からのID要求信号を受信しない場合であっても、このID送信手段15は、自機の携帯ID信号を車載ユニット3へ送信するようになっている。
【0031】
また、電磁スイッチ10が操作されることによって、電池8から携帯機側ECU12に電力が供給された場合、このID送信手段15は、車載ユニット3からのID要求信号を受信しない場合であっても、携帯ID信号を車載ユニット3へ送信するようになっている。
次に、車載ユニット3について説明すると、この車載ユニット3には、ロック機構4,イグニッションノブ5,警告手段6の他に、いずれも図示しない、入出力装置,不揮発性メモリ,CPUなどがそなえられるとともに、図1に示す、アンテナ16と車載ECU(作動機器制御手段)17とがそなえられている。そして、この車載ECU17には、照合手段18,作動信号送信手段(作動機器制御手段)19,作動休止手段20がそれぞれソフトウェアとして設けられている。なお、これらの照合手段18,作動信号送信手段19,作動休止手段20はそれぞれ電気回路などによって構成してもよい。
【0032】
つまり、車載ECU17には、携帯機2から無線信号として送信された携帯ID信号に応じて、車両7と携帯機2との間で認証を行なう照合手段18と、照合手段18による認証が成立した場合に車両7のロック機構4やイグニッションノブ5を制御する作動信号送信手段19と、携帯機2の電池残存電力検出手段9によって検出された電池8の残存電力が第1閾値V1以下になると作動信号送信手段19を一時的に休止させて、ロック機構4やイグニッションノブ5を休止させる作動休止手段20とが内蔵されている。
【0033】
このうち、照合手段18は、車載ユニット3の不揮発性メモリ(図示略)に予め登録された車載ユニット3に固有のID(以下、車両ユニットIDという)と、携帯機2から受信した携帯IDとを照合し、これらの車両ユニットIDと携帯IDとが合致した場合には認証を成立させ、認証が成立した旨の信号である認証成立信号を作動信号送信手段19に送信するようになっている。また、この照合手段18は、上記の認証処理を開始するためのトリガ(リクエスト操作)として、車両7のドアノブの近くに設けられたタッチボタン式のドアノブスイッチ(図示略)の操作を要求するようになっている。
【0034】
つまり、ユーザが、車両7に設けられているドアノブスイッチのうちいずれかを操作することなどをトリガとして、この照合手段18からは、携帯機2に対して携帯IDを送信する旨の信号であるID要求信号が送信されるようになっている。そして、このID要求信号を受信した携帯機2のID送信手段15は携帯IDを車載ユニット3に対して送信し、これにより、車載ユニット3の照合手段18は携帯IDと車両ユニットIDとを照合し、認証することができるようになっている。
【0035】
また、作動信号送信手段19は、照合手段18から認証成立信号を受信すると、作動機器4を作動させる旨の制御信号である作動信号をロック機構4およびイグニッションノブ5に送信するようになっている。これにより、施錠されていたドアは解錠され、ユーザはドアを開閉することができるようになるとともに、ユーザがイグニッションノブ5を操作することでエンジンを始動させることができるようになっている。
【0036】
なお、携帯機2を所有しない不正なユーザがドアノブを操作したとしても、車載ユニット3は携帯機2から携帯IDを受信できないため、車載ユニット3の照合手段18による認証が不成立となり、認証信号が作動信号送信手段19へ出力されないため、ロック機構4やイグニッションノブ5は機能しない。このように、本スマートキーシステム1によれば、不正ユーザが車両7へ侵入することを防ぐことができ、また、不正ユーザによってイグニッションノブ5が操作されたとしても作動信号を受信していないイグニッションノブ5は機能しないため、不正ユーザがエンジンを始動することができないようになっている。
【0037】
そして、車載ECU17の作動休止手段20は、携帯機2に内蔵された電池8の残存電力が下限閾値(第1閾値)V1以下になると、作動信号送信手段19を休止させて、ロック機構4やイグニッションノブ5を休止させるものである。より具体的には、携帯機2から受信した残存電力信号が下限閾値V1以下となった旨を示している場合、この作動休止手段20は、休止信号を作動信号送信手段19および携帯機2へ送信する。なお、この休止信号は、作動信号送信手段19がロック機構4およびイグニッションノブ5に対して作動信号を送信しないようにする(即ち、作動信号の送信を禁止する)旨の制御信号であり、また、携帯機2のメインスイッチ11をオフ状態にする旨の制御信号でもある。
【0038】
そして、この休止信号を受信した作動信号送信手段19は、照合手段18によるID認証が成立し、認証成立信号を受信した場合であったとしても、ロック機構4やイグニッションノブ5に対して作動信号を送信しないようになっている。このため、携帯機2を所持した正規ユーザがID認証処理を開始するべくドアノブスイッチを操作したとしても、携帯機2の電池8が切れる寸前である場合には、ロック機構4の作動は休止されており、ドアは施錠されたままとなる。また、このとき、携帯機2を所持する正規のユーザがイグニッションノブ5を操作したとしても、このイグニッションノブ5の機能は休止されているため、エンジンを始動させることはできない。
【0039】
つまり、ロック機構4の作動およびイグニッションノブ5の機能を一時的に休止させることで、携帯機2に内蔵された電池8の交換時期が近いことをユーザに対して強く認識させることが可能となる。
また、この場合、ユーザは、強制作動手段であるキーレスエントリのスイッチ10を操作してドアを開けることは可能で、この操作により、電池8からの電力が携帯機側ECU12に供給され、携帯機側ECU12に内蔵された上述のスイッチ制御手段14が、車載ユニット3へ休止解除信号を送信するようになっている。
【0040】
そして、この休止解除信号を受信した車載ECU17の作動休止手段20は、作動信号の送信が停止されている作動信号送信手段19に対して、当該休止を解除して再び作動信号を送信する旨の制御信号である、復帰信号を送信するようになっている。これにより、休止していたロック機構4が強制的に作動(復帰)し、また、イグニッションノブ5が強制的に機能(復帰)するので、ドアの施錠が解錠されるとともに、エンジン始動が可能となる。
【0041】
作動休止手段20は、携帯機2から受信した残存電力信号が電池8の電圧が下限閾値V1以下ではないものの中間閾値(第2閾値)V2以下となった(即ち、V1<電圧≦V2である)旨を示している場合、作動信号送信手段19および携帯機2に対する休止信号の送信の代わりに、警告信号を警告表示部6に対して送信し、この警告表示部6を作動させることで、携帯機2に内蔵された電池8の残存電力が少ない旨をユーザに通知するようになっている。なお、この警告表示部6は、車内のインストルメンタルパネル(図示略)に内蔵されるようになっている。
【0042】
また、通常、イグニッションノブ5がオフ状態となった際、インストルメンタルパネルの表示(例えば、サイドブレーキインジケータや排気温度インジケータなど)は全て消灯するのが一般的であるが、この警告表示部6は、イグニッションノブ5がオフ状態となるように操作されたときに警告を表示するように設定されている。つまり、運転していたエンジンが停止した際、通常、何も表示されないはずのインストルメンタルパネルに、あえて警告表示部6による警告表示のみが表示されることによって確実にユーザの注意をひくことができるようになっている。なお、表示した警告表示部6はイグニッションノブ5がオフ状態とされた時点から所定時間経過した後、自動的に停止するようになっている。
【0043】
ところで、携帯機2から携帯ID信号が送信される際には、常に、電池8の残存電力を示す残存電力信号も車載ユニット3に対して送信され、車載ユニット3の作動休止手段20は、受信した残存電力信号が下限閾値V1以下である旨を示していた場合には、休止信号を作動信号送信手段19に対して出力するのが原則である。しかしながら、電磁スイッチ10が操作され、作動休止手段20が休止解除信号とともに残存電力信号を受信した場合、この作動休止手段20は、例外的に、この残存電力信号を無視して(即ち、休止解除信号を優先的に認識することによって)、復帰信号を作動信号送信手段19に対して出力するようになっている。
【0044】
本発明の一実施形態に係る車載機器用制御装置は上述のように構成されているので、その作用・効果について説明すると以下のようになる。
まず、図3に示すフローチャートのステップS11において、ID照合のためのリクエスト操作があったか否かが判断される。具体的には、車両7のドアノブスイッチが操作されたか否かが判断される。ここで、ドアノブスイッチの操作が行なわれた場合(即ち、リクエスト操作があった場合)には、ステップS12において、携帯機2から携帯IDが車載ユニット3に送信され、車載ECU17の照合手段18によって、携帯IDと車載IDとの認証処理が行なわれる。そして、当該認証が成立した場合にはステップS13に進む。
【0045】
このステップS13において、電池8の電圧が中間閾値V2を上回っているか否か(即ち、電圧>中間閾値V2)が判定され、電圧(電力)がV2以下である(即ち、電圧≦V2)である場合には、ステップS14において警告表示部6に警告が表示される。
その後、ステップS15において電池8の電圧が下限閾値V1を上回っているか否かが判定され、このステップS15において、電圧(電力)が下限閾値V1を上回っている(即ち、電圧>下限閾値V1)と判定された場合には、ロック機構4およびイグニッションノブ5を通常通りに作動させる(ステップS18)。つまり、警告表示部6のみが作動することによって携帯機2の電池9を交換することを通知するのである。
【0046】
一方、ステップS15において、電圧が下限閾値V1以下である(即ち、電圧≦下限閾値V1)である場合には、ロック機構4およびイグニッションノブ5の作動が休止される(ステップS16)。そして、その後、ユーザによって電磁スイッチ10が操作されると(ステップS17のYesルート)、休止していたロック機構4およびイグニッションノブ5は再び作動する(ステップS18)。
【0047】
なお、車両7のドアノブスイッチが操作されなかった場合(ステップS11のNoルート)、携帯IDと車両ユニットIDとの認証が不成立だった場合(ステップS12のNoルート)、ロック機構4の作動やイグニッションノブ5の機能が休止中であり且つ電磁スイッチ10が操作されていない場合(ステップS17のNoルート)には、そのままリターンする。
【0048】
また、電池8に十分な電力が残っている場合(即ち、電圧>中間閾値V2である場合は(ステップS13のYesルート)、通常通り、ロック機構4およびイグニッションノブ5が作動する(ステップS18)。
上述のように、本発明の作動機器制御装置によれば、携帯機2に内蔵の電池8の残存電力がなくなってしまう前にロック機構4の作動やイグニッションノブ5の機能を休止させることによって、確実にユーザへ電池8の交換が必要であるという印象を与えることが可能である。また、休止したロック機構4の作動やイグニッションノブ5の機能を容易に復帰させることも可能である。これにより、携帯機2の電池切れに起因するスマートキーシステム1の停止を極力回避することができる。
【0049】
また、携帯機2に内蔵の電池8が電池切れとなる前に、携帯機2のメインスイッチ11をオフにすることで、携帯機2の電源をオフ状態とするとともに、ロック機構4やイグニッションノブ5を休止させ、ユーザに携帯機2の電池8の残存電力が残り少ないことを認識させることができる。さらに、携帯機2のメインスイッチ11をオフにすることで、電池8の電力が消費されることを防ぎ、電池8の寿命を最大限に引き延ばすことができる。
【0050】
また、携帯機2に内蔵の電池8の残存電力が残り少なくなると、ロック機構4やイグニッションノブ5に対する作動信号の送信を禁止することで、確実にこれらのロック機構4の作動やイグニッションノブ5の機能を休止させることが可能となる。一方、休止しているロック機構4やイグニッションノブ5を復帰させたい場合には、作動信号手段19に対する送信禁止を解除すればよいので、素早くこれらのロック機構4やイグニッションノブ5を復帰させることができる。
【0051】
また、作動休止手段によってロック機構4の作動やイグニッションノブ5の機能が休止されている場合であっても、ユーザは電磁スイッチ10を操作するだけで、簡単に休止中であるこれらのロック機構4やイグニッションノブ5を復帰させることができるので、ユーザに対して電池8の交換の注意を強く喚起しながら、利便性の低下を最小限に抑制することができる。
【0052】
また、電磁スイッチ10が操作されることによって、ロック機構4やイグニッションノブ5が故障のために作動不能なのか、あるいは、携帯機2の電池切れが起こる寸前であるのかを簡単に切り分けることができる。
また、この電磁スイッチ10をキーレスエントリの操作ボタンと兼用させることにより、ロック機構4やイグニッションノブ5の機能休止の理由がわからないユーザであっても、利便性を損なわないようにすることができる。
【0053】
また、携帯機2に内蔵された電池8の残存電力に応じて、警告表示部6に警告表示させたりロック機構4の作動およびイグニッションノブ5の機能を休止させたりすることで、近い将来、電池切れが生じる旨をユーザに印象づける度合の強さを、段階的に変化させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0054】
上述の実施形態においては、以下のような構成としていた。即ち、認証要求操作、即ちドアノブスイッチの操作に応じて携帯機側ECU12が携帯ID信号および残存電力信号が車載ECU17に送信され、この残存電力信号が携帯機2に内蔵されている電池8の残存電力が所定値(第1閾値V1)以下である旨を示している場合には、車載ECU17の作動休止手段17から送信される休止信号に応じて、作動信号送信手段19が一時的に休止されるとともにメインスイッチ1がスイッチ制御手段14によってオフ状態とされる構成である。そして、これにより、電池8の残存電力が所定値以下である状態が検出されるとロック機構4およびイグニッションノブ5の作動が直ちに休止されるようになっていたが、このような構成に限定されるものではない。
【0055】
例えば、認証要求操作に応じて得られる残存電力が所定値以下であることが検出された場合、直ちにロック機構4およびイグニッションノブ5の作動を休止せずに、携帯機2の便用者が車両を離れることによって自動的にロック機構4が作動するなどしてドアが施錠された後にロック機構4およびイグニッションノブ5の作動を休止させるように構成しても良く、この場合、ドアが施錠された状態でロック機構4およびイグニッショシノブ5の作動を休止するので安全性を向上できる。
【0056】
また、車両使用中(走行中)は、ロック機構4およびイグニッションノブ5の作動が可能なので利便性が損なわれることもない。さらに、次回、ドアを自動的に解錠しようとしても、ロック機構4の作動が休止しているため、自動的に解錠されず、電池8の残存電力が低下していることをユーザに確実に通知することができる。
また、上述の実施形態では、認証要求操作に応じて残存電力信号を車載ECU17に送信して、残存電力が所定値以下である場合には、車載ECU17の作動休止手段20からの休止信号によりロック機構4およびイグニッションノブ5の作動を休止させるとともに携帯機2の電源をオフ状態とするように構成したが、このような構成に限定されるものではない。
【0057】
例えば、認証要求操作に関係なく電池8の残存電力を検出して、残存電力が所定値以下となると、ロック機構4およびイグニッションノブ5の作動が休止されるように構成してもよい。
また、作動休止手段20を設けることなく、電池8の残存電力が所定値以下となるとメインスイッチ11をオフ状態として携帯機2の電源をオフ状態とすることにより、認証要求操作が行われても携帯側ECU12から車載ECU17への携帯ID信号の送信を休止して照合手段18による認証(照合)を不能とすることにより、携帯機2によるロック機構4およびイグニッションノブ5の作動を休止させるように構成しても良い。
【0058】
また、上述の実施形態においては、電力残量検出手段9を携帯機2に設け、電池8の残存電力を検出するように構成したが、このような構成に限定するものではない。例えば、携帯機には単に電池の電圧を測定する電圧計のみを設け、この電圧計で測定された電圧をそのまま残存電力信号として車載ユニットへ送信し、その後、車載ユニットにおいて、受信した電圧値に基づき携帯機の電池に残っている電力を算出するようにしてもよい。
【0059】
また、上述の実施形態においては、携帯機2のスイッチ11に半導体素子が適用された場合を例にとって説明したが、電子制御可能なスイッチであればどのようなスイッチであってもよい。
また、上述の実施形態においては、作動機器として、ロック機構4およびイグニッションノブ5が適用された場合について説明したが、これらのロック機構4やイグニッションノブ5に限定するものではなく、例えば、正規ユーザ以外のステアリング操作を禁止するステアリングロック機構など、種々の機器が適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
車両に限らず、住宅やオフィスにおいて用いられるスマートキーシステムなどにおいて広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る作動機器制御装置を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る作動機器制御装置の携帯機の電源となる電池の残存電力の低下を模式的に示すグラフである。
【図3】本発明の一実施形態に係る作動機器制御装置の作用を模式的に示す動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 スマートキーシステム
2 携帯機
3 車載ユニット(作動システム;電子機器システム)
4 ロック機構(ロック手段)
6 警告表示部(警告手段)
9 電池残存電力検出手段
10 電磁スイッチ(強制作動手段)
11 メインスイッチ
14 スイッチ制御手段(作動休止解除手段)
17 車載ECU(作動機器制御手段)
19 作動信号送信手段(作動機器制御手段)
20 作動休止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動機器を有する作動システムと携帯機とが互いに対応しているか否かを照合する照合手段と、
該照合手段により該作動システムと該携帯機とが対応していると判定されると、該作動機器を作動させる又は作動可能な状態に移行させる作動機器制御手段と、
該携帯機に内蔵された電池の残存電力を検出する電池残存電力検出手段と、
該電池残存電力検出手段によって該内蔵電池の残存電力が第1閾値以下であることが検出されると、該作動機器制御手段による該作動機器の作動を休止させる又は作動可能状態への移行を休止させる作動休止手段と、
該作動休止手段による該作動機器の作動の休止を解除する又は作動可能状態への移行の休止を解除する作動休止解除手段とをそなえた
ことを特徴とする作動機器制御装置。
【請求項2】
該作動休止手段は、該内蔵電池の残存電力が該第1閾値以下であるときに該携帯機の電源をオフ状態にし、
該作動休止解除手段は、オフ状態にある該携帯機の電源をオン状態にする
ことを特徴とする請求項1記載の作動機器制御装置。
【請求項3】
該作動機器制御手段は、該照合手段により該作動システムと該携帯機とが対応していると判定されると、該作動機器に作動信号を送信する又は作動許可信号を送信する作動信号送信手段を有し、
該作動休止手段は、該電池残存電力検出手段によって該内蔵電池の残存電力が第1閾値以下であることが検出されると該作動信号送信手段による該作動信号の送信又は該作動許可信号の送信を禁止し、
該作動休止解除手段は、該作動信号の送信禁止又は該作動許可信号の送信禁止を解除する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の作動機器制御装置。
【請求項4】
該携帯機は、該作動休止解除手段を作動させるべく操作可能な強制作動手段を有し、該作動休止手段によって該作動機器の作動が休止されている又は作動可能状態への移行が休止されているときに該強制作動手段が操作されると、該作動休止解除手段により該休止が解除される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の作動機器制御装置。
【請求項5】
該作動休止手段によって該作動機器の作動が休止されている又は作動可能状態への移行が休止されているときに該強制作動手段が操作されると、該作動休止解除手段により該休止が解除されるとともに、該作動機器が強制的に作動される又は作動可能状態へ移行する
ことを特徴とする請求項4記載の作動機器制御装置。
【請求項6】
該残存電力検出手段により該携帯機の電池の残存電力が該第1閾値よりも大きい値として設定された第2閾値以下となったことが検出されると、該携帯機の使用者に警告を行なう警告手段を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の作動機器制御装置。
【請求項7】
該作動システムが車両に搭載される電子機器システムであり、
該照合手段は、該携帯機が該電子機器システムに対応したものであるか否かを照合する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の作動機器制御装置。
【請求項8】
該電子機器システムが、該車両のドアを施錠又は解錠するロック手段を有し、
該照合手段により該携帯機と該電子機器システムとが対応していると判定されると、該作動機器制御手段は、該ロック手段を作動させて該ドアを施錠又は解錠する
ことを特徴とする請求項7記載の車両用制御機器制御装置。
【請求項9】
該作動休止手段は、該作動機器制御手段によって該ロック手段が該ドアを施錠した後に該作動機器制御手段による該ロック手段の作動を休止させる
ことを特徴とする請求項8記載の車両用制御機器制御装置。

【図1】
image rotate



【図2】
image rotate



【図3】
image rotate


【公開番号】特開2005−105657(P2005−105657A)
【公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−339908(P2003−339908)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】