説明

信号機通過支援システムおよび信号機通過支援システム用の車載装置

【課題】燃料消費量の低減を図ることができるとともに、運転者に車速調整の煩わしさを感じさせることを抑制できる信号機通過支援システム、および、信号機通過支援システム用の車載装置を提供する。
【解決手段】車載装置側制御装置60は、車速V0を維持する場合に車両Cが信号機Sの所在地に到達するまでに必要となる第1必要時間Tc1を経過した時に、信号機Sが赤色信号灯11cを点灯していると判断すると、第1必要時間Tc1経過時において青色信号灯11aが点灯しているよう要求する第1許可色点灯要求信号RQ1を生成し、第1許可色点灯要求信号RQ1を信号機Sに送信する。信号機Sは、この第1許可色点灯要求信号RQ1を受信すると、第1必要時間Tc1経過時において青色信号灯11aが点灯するように信号灯11の制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置と信号機とを備え、車載装置を搭載した車両が信号機を通過することを支援する信号機通過支援システム、および、その信号機通過支援システム用の車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この特許文献1に記載の技術では、まず、路側ビーコンが、この路側ビーコンが設置されている道路を走行中の車両に対し、その車両の進行方向前方に設置されている信号機の位置及び信号機の点灯色変化に係るパラメータ(例えばサイクル、スプリット、オフセット等)の情報を送信する。車両は、その送信されたパラメータ情報を受信し、その受信したパラメータ情報を用いて、信号機の青信号点灯時間帯を判断するとともに、信号機を青信号で通過可能な速度範囲を算出し、その算出した速度範囲を表示器に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−128400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術によれば、車両の運転者が、その表示器に表示された速度範囲を保つように車両を運転することで、車両の発進停止回数の低減を図ることができるようになり、ひいては、燃料の消費量を低減することができるようになる。
【0005】
しかしながら、前方の信号機の赤信号の点灯時間が十分に長い場合、その信号機を青信号にて通過可能な速度範囲は、低速度範囲として算出されることが多い。この場合、車両の運転者は、低速度範囲を保つように車両を運転しなければならず、その低速度範囲を保つように車両を運転することが大変煩わしく感じられてしまうことがある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃料消費量の低減を図ることができるとともに、運転者に車速調整の煩わしさを感じさせることを抑制できる信号機通過支援システム、および、信号機通過支援システム用の車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車載装置の速度維持時必要時間算出部は、車速情報、現在地情報、信号機情報に基づいて、車両が速度を維持して信号機の所在地に到達するまでに必要となる速度維持時必要時間を算出し、信号機通過判断部は、速度維持時必要時間と信号機情報とに基づいて、車両が速度を維持して信号機を通過できるか否かを判断する。そして、信号機通過判断部によって、車両が信号機を通過できないと判断されたことに基づいて、速度維持時必要時間が経過した時に通過許可色の信号灯が点灯しているよう要求する第1許可色点灯要求信号を生成して、その第1許可色点灯要求信号を信号機に送信する。信号機側受信部は、その第1許可色点灯要求信号を受信する。そして、信号機側制御部が第1許可色点灯要求信号に応じた信号灯の点消灯の制御を行うことにより、許可色要求信号を送信した車両は車速を維持したままで信号機を通過できるようになる。そのため、燃料消費の削減ができるとともに、運転者に車速調整の煩わしさを感じさせることも抑制できる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、信号機は、第1許可色点灯要求信号を受信した場合に、その第1許可色点灯要求信号に基づく信号灯の制御が可能であるか否かを示す要求可否判断結果を車載装置へ送信する。そのため、その要求可否判断結果を受信した車載装置は、要求可否判断結果に基づいて、請求項3や請求項5に記載に例示するような、その後の適切な制御が可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、第1許可色点灯要求信号に対する要求が不許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合に、車載装置の減速時必要時間算出部は、車両の運転者がブレーキ操作もアクセル操作も行わない場合に車両が信号機の所在地に到達するまでに必要となる減速時必要時間を算出する。そして、信号機通過判断部は、その減速時必要時間と信号機情報とに基づいて、車両の運転者がブレーキ操作もアクセル操作も行わない場合の減速度で減速して信号機を通過できるか否かを判断し、車両が前記減速度で減速して信号機を通過できないと判断されたことに基づいて、許可色点灯要求生成部は、減速時必要時間が経過したときに通過許可色の信号灯が点灯しているよう要求する第2許可色点灯要求信号を生成し、車載装置側送信部はその第2許可色点灯要求信号を信号機に送信する。その第2許可色点灯要求信号を受信した信号機の信号機側制御部が第2許可色点灯要求信号に応じた信号灯の制御を行えば、第2許可色要求信号を送信した車両の運転者が、ブレーキ操作もアクセル操作も行わないことで、その車両は信号機を停止することなく通過できる。
【0010】
請求項4に記載の発明では、車載装置が搭載される車両は、回生制動装置とその回生制動装置によって回生された電力を蓄電する蓄電装置とを備え、ブレーキ操作もアクセル操作も行われていない状態では、回生制動装置により、その回生制動装置が発生させる制動動力の許容限界値である回生限界制動動力よりも小さい制動動力を発生させる一方、前記車両に搭載されている摩擦制動装置は動作させないようになっている。この車両における車載装置は、減速時必要時間算出部が、車両の運転者はブレーキ操作もアクセル操作も行わず、回生制動装置は前記回生限界制動動力を発生させ、摩擦制動装置は動作しないとして減速時必要時間を算出する。このようにすれば、ブレーキ操作もアクセル操作も行われていない状態では回生制動動力のみにより減速する車両においても、精度よく、車両が信号機を停止することなく通過できるか否かを判断することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明では、信号機から、第1許可色点灯要求信号に対する要求が許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合、「車速をそのまま維持することで、停止することなく信号機を通過することができる」旨を報知させる。そのため、車両の運転者は、「車速をそのまま維持することで、停止することなく信号機を通過することができる」旨を認識することができるようになる。
【0012】
請求項6に記載の発明では、信号機側制御部は、車載装置からの第2許可色点灯要求信号を受信した場合に、その第2許可色点灯要求信号に基づく信号灯の制御が可能であるか否かを示す要求可否判断結果を車載装置へ送信する。そのため、その要求可否判断結果を受信した車載装置は、要求可否判断結果に基づいたその後の適切な制御が可能となる。
【0013】
請求項7に記載の発明では、車載装置は、信号機から、第2許可色点灯要求信号に対する要求が許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合、「ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速を行うことで、停止することなく信号機を通過することができる」旨を報知させる。そのため、車両の運転者は、「ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速を行うことで、停止することなく信号機を通過することができる」旨を認識することができるようになる。
【0014】
請求項8に記載の発明では、信号機から、第2許可色点灯要求信号に対する要求が不許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合、「ブレーキ操作を行うことなく信号機を通過することはできない」旨を報知させる。そのため、車両の運転者は、「ブレーキ操作を行うことなく信号機を通過することはできない」旨を認識することができるようになり、その認識のもとで車両を運転するので、信号機の位置にて安全に車両を停止させることができる。
【0015】
請求項9に記載の発明では、回生制動装置の回生限界制動動力は、回生限界制動動力よりも大きな制動動力を発生させることが可能に構成されている。そこで、信号機から、第2許可色点灯要求信号に対する要求が不許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合において、車両が信号機まで到達するまでの間に運転者からの減速要求を検知したことに基づいて、回生制動装置が発生させる制動動力を、回生限界制動動力よりも大きい制動動力に一時的に拡大することを要求する回生制動動力拡大要求信号を、回生制動装置を制御する制動装置制御装置へ出力する。
【0016】
第2許可色点灯要求信号に対する要求が不許可である旨を示す要求可否判断結果を取得するのは、ブレーキ操作を行うことなく信号機を通過することができない場合、すなわち、回生制動装置が回生限界制動動力を発生させても減速度が不足する場合である。そこで、このように、制動動力を一時的に拡大することを、回生制動装置を制御する制動装置制御装置へ出力することにより、制動装置制御装置は、一時的に回生制動動力を拡大する必要がある状態であると判断することができる。したがって、制動装置制御装置は、回生制動動力を一時的に拡大させる制御を行うことが可能となる。なお、回生限界制動動力は、蓄電装置の寿命を長く維持するために要求される値であるので、この回生限界制動動力よりも大きい回生制動動力を回生制動装置に発生させると、蓄電装置の寿命を短くしてしまう懸念がある。しかし、回生制動動力拡大要求信号は、回生制動動力を一時的に拡大することを要求するのみであり、継続的に回生制動動力を拡大することを要求するわけではないので、蓄電装置の寿命は維持できる可能性が高い。一方、回生制動動力を一時的に拡大すると、蓄電装置に多くの電力を蓄電することができる。そのため、蓄電装置の寿命を維持しつつ、蓄電装置に多くの電力を蓄電することができるようになる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1の信号機通過支援システムに用いられる車載装置に係る発明である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る信号機通過支援システムの一実施の形態について、その全体構成を示す模式図である。
【図2】本実施の形態の信号機通過支援システムについて、信号機の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態の信号機通過支援システムについて、車両に搭載される車載装置を含め、車両の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態によって実行される信号機通過支援処理について、その処理手順の一部を説明するフローチャートである。
【図5】本実施の形態によって実行される信号機通過支援処理について、その処理手順の残りの一部を説明するフローチャートである。
【図6】本実施の形態の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る信号機通過支援システムの一実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。なお、図1は、信号機通過支援システム1の全体構成を示す模式図であり、図2は、信号機Sの構成を示すブロック図であり、図3は、車両Cの構成を示すブロック図である。はじめに、これら図1〜図3を参照して、信号機通過支援システム1の構成及び機能について説明する。
【0020】
図1に示されるように、信号機通過支援システム1は、道路R上に設置される信号機Sを備えており、図2に示されるように、この信号機Sは、信号灯11、信号機側無線通信機12、及び信号機側制御装置13を有して構成されている。
【0021】
信号灯11は、車両Cの運転者によって視認可能なように路側に配置され、青色信号灯11a、黄色信号灯11b、及び赤色信号灯11cを有している。いずれの点灯部11a〜11cも、発光素子(例えばLED)によって構成されている。
【0022】
また、信号灯11は、信号機側制御装置13に接続されており、この信号機側制御装置13によって、所定の点灯周期にて、各点灯色に対して予め設定された所定点灯時間ずつ択一的に繰り返し点消灯制御される。
【0023】
詳しくは、青色信号灯11aは、信号機側制御装置13によって、車両の通過を許可する旨を示す青色にて点灯制御される。また、黄色信号灯11b及び赤色信号灯11cは、信号機側制御装置13によって、車両の通過を禁止する旨を示す黄色及び赤色にてそれぞれ点灯制御される。なお、黄色は、車両が所定の停止位置に近づき過ぎており、その車両位置から停止位置で停止するように減速するとかえって危険を伴う場合、あるいは、車両が所定の停止位置を越えており、停止するとかえって危険を伴う場合に限り、通過することを許可する旨を示す色である。
【0024】
なお、本実施の形態では、信号灯11は、青色信号灯11a、黄色信号灯11b、及び赤色信号灯11cを有して構成されることとした。黄色信号灯11bも赤色信号灯11cも、車両の通過を禁止する旨を示すことから、黄色信号灯11bについては、便宜上、赤色信号灯11cの一部として説明する。ちなみに、黄色信号灯11bを割愛して構成されることとしてもよい。
【0025】
信号機側無線通信機12は、図示しない通信用アンテナを有しており、信号機側制御装置13に接続されている。また、信号機側無線通信機12の通信圏は、例えば、当該信号機側無線通信機12が備えられる信号機Sを中心として、車両Cからその信号機Sが視認可能な距離(例えば「100[m]」)とする。信号機側無線通信機12は、信号機側制御装置13から各種情報が入力されると、その入力された各種情報を通信圏内に位置する車両Cに対し通信用アンテナにて無線にて送信する。一方、信号機側無線通信機12は、通信圏内に位置する車両Cから無線にて送信された各種情報を通信用アンテナにて受信すると、その受信した各種情報を信号機側制御装置13に出力する。このようにして、信号機Sは、車両Cに対して各種情報を送信するとともに、車両Cから送信されてくる各種情報を受信する。なお、本実施の形態では、信号機側無線通信機12の通信圏を、当該信号機側無線通信機12が備えられる信号機Sを中心とする半径およそ「100[m]」としたが、これに限らず任意に設定可能である。ちなみに、この信号機側無線通信機12が特許請求の範囲に記載の信号機側受信部及び信号機側送信部に相当する。
【0026】
信号機側制御装置13は、信号機側制御部13a及び信号機側記憶部13bを有する。このうち、信号機側制御部13aは、図示しない内蔵メモリを備えた公知のコンピュータであり、その内蔵メモリや外部メモリである信号機側記憶部13b等に予め記憶されたプログラムに従って、例えば信号灯11の点消灯制御処理、信号機側無線通信機12による各種情報の送受信処理、この送受信処理によって取得した第1許可色点灯要求に対する可否判断処理、この送受信処理によって取得した第2許可色点灯要求に対する可否判断処理等々を実行する。また、信号機側記憶部13bは、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ装置等、公知の情報記憶装置から構成されており、信号機側制御部13aによって実行される上記プログラムや、信号機Sに係る信号機情報が記憶されている。
【0027】
信号機側制御装置13は、信号灯11の点消灯制御処理を実行する。具体的には、信号機側制御装置13は、例えば「青色信号灯11a→赤色信号灯11c」等、所定の点灯周期にて、例えば、青色信号灯11aの点灯時間Tbを「40[秒]」とし、赤色信号灯11cの点灯時間Trを「60[秒]」として、各点灯色に対して予め設定された所定点灯時間ずつ、択一的に、繰り返し、信号灯11を点消灯制御する。
【0028】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、黄色信号灯11bを赤色信号灯11cの一部としたため、所定の点灯周期を「青色信号灯11a→赤色信号灯11c」と記載したが、詳しくは、信号機側制御部13aは、「青色信号灯11a→黄色信号灯11b→赤色信号灯11c」を所定の点灯周期として、信号灯11の点消灯制御処理を実行する。同様に、本実施の形態では、説明の便宜上、青色信号灯11aの点灯時間Tbを「40[秒]とし、赤色信号灯11cの点灯時間Trを「60[秒]」とすると記載したが、詳しくは、信号機側制御部13aは、赤色信号灯11cの点灯時間Tr「60[秒]のうち最初の「5[秒]」を黄色信号灯11bの点灯時間Tyとする。
【0029】
信号機側制御装置13は、信号機側無線通信機12による各種情報の送受信処理を実行する。信号機側無線通信機12によって送信される送信情報には、信号機Sに係る情報である信号機情報、第1許可色点灯要求信号RQ1に対する可否判断結果、及び第2許可色点灯要求信号RQ2に対する可否判断結果が含まれており、信号機情報には、信号機Sの所在地(絶対位置)、信号機Sの点灯周期、信号機Sの各色の点灯時間Tb及びTr、当該信号機情報送信時における点灯色、当該信号機情報送信時における推移時間TRが含まれている。一方、信号機側無線通信機12によって受信される受信情報には、第1許可色点灯要求信号RQ1及び第2許可色点灯要求信号RQ2が含まれている。
【0030】
なお、上記送信情報のうち、信号機Sの所在地、信号機Sの点灯周期、信号機Sの各色の点灯時間Tb及びTrについては、信号機側記憶部13bに記憶されており、信号機側制御部13aによって信号機側記憶部13bから読み出され、信号機側無線通信機12によって信号機情報として送信される。
【0031】
また、その送信される信号機情報のうち上記推移時間TRは、次の色に推移するまでの時間であり、信号機側制御部13aによって算出され、信号機側無線通信機12によって信号機情報として送信される。
【0032】
詳しくは、信号機側制御部13aは、青色信号灯11aを点灯制御する場合、その点灯開始時からの経過時間を計時しており、信号機側記憶部13bに記憶されている信号機Sの青信号の点灯時間Tbからその経過時間を減算することにより、次の赤色(詳しくは黄色)に推移するまでの推移時間TRを算出する。そして、信号機側制御部13aは、その算出した推移時間TRを、信号機側無線通信機12によって信号機情報として送信する。同様に、信号機側制御部13aは、赤色信号灯11cを点灯制御する場合、点灯開始時からの経過時間を計時しており、信号機側記憶部13bに記憶されている信号機Sの赤信号の点灯時間Trから経過時間を減算することにより、次の青色に推移するまでの推移時間TRを算出する。そして、信号機側制御部13aは、その算出した推移時間TRを、信号機側無線通信機12によって信号機情報として送信する。
【0033】
また、信号機側制御部13aは、信号機側無線通信機12によって第1許可色点灯要求信号RQ1を受信すると、その受信した第1許可色点灯要求信号RQ1を許可するか拒否するかを判断し、その判断の結果である要求可否判断結果AS1を信号機側無線通信機12によって送信する。そして、信号機側制御部13aは、第1許可色点灯要求信号RQ1を許可すると判断する場合には、その要求通りに信号機Sを点消灯制御する。
【0034】
同様に、信号機側制御部13aは、信号機側無線通信機12によって第2許可色点灯要求信号RQ2を受信すると、その受信した第2許可色点灯要求信号RQ2を許可するか拒否するかを判断し、その判断の結果である要求可否判断結果AS2を信号機側無線通信機12によって送信する。そして、信号機側制御部13aは、第2許可色点灯要求信号RQ2を許可すると判断する場合には、その要求通りに信号機Sを点消灯制御する。
【0035】
なお、本実施の形態では、信号機側制御部13aは、図示しない他の車両からも第1許可色点灯要求信号RQ1及び第2許可色点灯要求信号RQ2を受信可能である。そして、信号機側制御部13aは、いずれの要求通りにも信号機Sを点消灯制御中でない場合に要求を受信すると、その要求を許可するとともにその要求通りに信号機Sを点消灯制御する。一方、信号機側制御部13aは、いずれかの要求通りに信号機Sを点消灯制御中に他の要求を受信すると、その他の要求を拒否する。さらに、信号機側制御部13aは、いずれの要求も受信しない場合には、所定の点灯周期にて繰り返し信号機Sを点消灯制御する。なお、第1許可色点灯要求信号RQ1及び第2許可色点灯要求信号RQ2については後述する。
【0036】
図1に示される信号機通過支援システム1の車両Cは、例えばガソリンエンジン及びモータを動力源として有するハイブリッド車両等であり、モータをジェネレータとして機能させることで制動動力によって発電する回生制動装置(図示せず)を有している。また、この車両Cは、車速センサ20、車載ナビゲーション装置30、車載装置側無線通信機40、制動装置制御装置50、車載装置側制御装置60、図示しない摩擦制動装置、図示しない車載バッテリ等々を有して構成されている(図3参照)。
【0037】
このうち、車速センサ20は、車両Cの速度である車速を検出する公知のセンサであり、例えば図示しないCANを介して車載装置側制御装置60に接続されている。車速センサ20は、車両Cの車速を検出すると、その検出した車速情報をCANを介して車載装置側制御装置60に送信する。このようにして、車載装置側制御装置60(詳しくは車速情報取得部61)は車両Cの車速情報を逐次取得する。
【0038】
車載ナビゲーション装置30は、図示しないGPS衛星から発せられるGPS信号を受信するGPS受信機等の位置検出器を内部に備えており、図示しないメモリ等に記憶されている地図情報から車両Cの現在地(絶対位置)を検出し、目的地まで案内する公知の装置である。車載ナビゲーション装置30は、例えば図示しないCANを介して車載装置側制御装置60に接続されており、車両Cの現在地を検出すると、その検出した現在地情報をCANを介して車載装置側制御装置60に送信する。このようにして、車載装置側制御装置60(詳しくは現在地情報取得部62)は車両Cの現在地情報を取得する。
【0039】
車載装置側無線通信機40は、図示しない通信用アンテナを有しており、車載装置側制御装置60に接続されている。また、車載装置側無線通信機40は、前述の信号機側無線通信機12の通信圏に対応させて、例えば「100[m]とされている。車載装置側無線通信機40は、車載装置側制御装置60から各種情報が入力されると、その入力された各種情報を通信圏内に位置する信号機Sに対し通信用アンテナから無線にて送信する。一方、車載装置側無線通信機40は、通信圏内に位置する信号機Sから無線にて送信された各種情報を通信用アンテナにて受信すると、その受信した各種情報を車載装置側制御装置60に出力する。このようにして、車載装置側制御装置60は、信号機Sとの間で各種情報を送受信する。なお、本実施の形態では、車載装置側無線通信機40の通信圏を、車両Cを中心とする半径およそ「100[m]」としたが、これに限らず任意である。
【0040】
なお、車載装置側無線通信機40によって送信される送信情報には、後述の第1許可色点灯要求信号RQ1及び第2許可色点灯要求信号RQ2が含まれている。車載装置側無線通信機40によって受信される受信情報には、上記信号機情報(信号機Sの所在地、信号機Sの点灯周期、信号機Sの各色の点灯時間Tb及びTr、当該信号機情報送信時における点灯色、当該信号機情報送信時における推移時間TR)、第1許可色点灯要求信号RQ1に対する要求可否判断結果AS1、及び第2許可色点灯要求信号RQ2に対する要求可否判断結果AS2が含まれている。ちなみに、この車載装置側無線通信機40が特許請求の範囲に記載の信号機情報取得部、車載装置側送信部に相当する。
【0041】
また、制動装置制御装置50は、車両Cが有する摩擦制動装置及び回生制動装置を制御する装置であり、車載装置側制御装置60に接続されている。ここで、摩擦制動装置は、車両Cの運動エネルギを熱エネルギに変換して廃棄する公知の制動装置であり、回生制動装置は、車両Cの運動エネルギを電気エネルギに変換して回収する公知の制動装置である。回生制動装置にて回収された電気エネルギは車載バッテリに蓄積されるが、車載バッテリが単位時間に蓄積できる電気エネルギには限界がある。この限界は主として次の理由により生じる。すなわち、車載バッテリ内で起きる充電反応が発熱反応であることから、単位時間当たりの充電電力が多いほど単位時間当たりの発熱量が多くなる。したがって、単位時間当たりの充電電力が多いほどバッテリの温度は上昇することになる。その一方、車載バッテリの寿命を長く保つには、バッテリ温度が所定の上限値を超えないようにする必要がある。そのため、単位時間に蓄積する電気エネルギに上限を設けるのである。以下、この上限の電力を回生限界電力と呼ぶ。
【0042】
上述のように、回生限界電力は、バッテリの温度が所定の上限値を超えないようにするために設定するものであるので、バッテリの温度が低いほど回生限界電力が大きくなるように、バッテリの温度に基いて回生限界電力を設定することができる。ただし、便宜的にバッテリの温度を便宜的に一定とすることで、回生限界電力も便宜的に一定値を用いることもできる。本実施形態では前者を採用する。
【0043】
制動装置制御装置50は、回生限界電力を発生する制動動力を回生限界制動動力とし、回生制動装置によって発生させる制動動力をこの回生限界制動動力を超えない範囲で制御し、必要な制動動力のうち、回生制動装置で発生させる制動動力では不足する制動動力を摩擦制動装置に発生させる制御を行う。なお、必要な制動動力は、たとえば、ブレーキ油圧によって検出できるブレーキ踏力、アクセル開度からマップを用いて決定する。
【0044】
また、制動装置制御装置50は、予め記憶されたマップを用いるなどして、回生限界制動動力に基づいて減速度を算出する。そして、この減速度を回生限界減速度aとして車載装置側制御装置60に対し出力する。なお、アクセル操作もブレーキ操作も行われていない状態では、制動装置制御装置50は、回生制動装置に回生限界制動動力を発生させる。したがって、アクセル操作もブレーキ操作も行われていない状態では、回生限界減速度aで減速を行うことになる。
【0045】
車載装置側制御装置60は、制動装置制御装置50から車両Cの回生限界減速度aを取得する。この車載装置側制御装置60は、周知のCPU、例えばROMやRAM等のメモリ、I/O、及びこれらを接続するバスラインを有する通常のコンピュータとして構成されている。以下の説明では、車載装置側制御装置60は、メモリに記憶保持されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される機能として、車速情報取得部61、現在地情報取得部62、信号機通過判断部63、必要時間算出部64、許可色点灯要求生成部65、車載装置側報知制御部66を有するものとして説明する。ちなみに、車載装置側制御装置60が特許請求の範囲に記載の車載装置側制御部に相当する。
【0046】
既述したように、車速情報取得部61は、上記車速センサ20によって出力される車速情報をCANを介して取得する。また、現在地情報取得部62は、上記車載ナビゲーション装置30によって出力される現在地情報を上記CANを介して取得する。
【0047】
信号機通過判断部63は、車載装置側無線通信機40によって信号機情報を取得したことに基づいて、その取得時を基準とした任意の時間経過時における信号機Sの点灯色を判断する。
【0048】
ここで、車載装置側無線通信機40によって受信される信号機情報には、信号機Sの点灯周期、信号機Sの各色の点灯時間(Tb及びTr)、信号機情報の送信時における点灯色、信号機情報の送信時における推移時間TRが含まれている。そのため、信号機通過判断部63は、車載装置側無線通信機40によって取得されたこれらの情報を用いて、この信号機情報の取得時を基準とした所定の指定時間T経過時における信号機Sの点灯色を判断することが可能である。
【0049】
詳しくは、信号機情報の送信時において青色信号灯11aが点灯しており、且つ、「指定時間T≧推移時間TR」である場合、信号機通過判断部63は、指定時間T経過時において赤色信号灯11cが点灯していると判断する。また、信号機情報の送信時における青色信号灯11aが点灯しており、且つ、「指定時間T<推移時間TR」である場合、信号機通過判断部63は、指定時間T経過時において青色信号灯11aが点灯していると判断する。
【0050】
同様に、信号機情報の送信時における赤色信号灯11cが点灯しており、且つ、「指定時間T≧推移時間TR」である場合、信号機通過判断部63は、指定時間T経過時において青色信号灯11aが点灯していると判断する。また、信号機情報の送信時における赤色信号灯11cが点灯しており、「指定時間T<推移時間TR」である場合、信号機通過判断部63は、指定時間T経過時において赤色信号灯11cが点灯していると判断する。
【0051】
なお、信号機通過判断部63は、種々の指定時間T経過時における信号機Sの点灯色を判断することが可能であるが、本実施の形態では、後述する必要時間算出部64によって算出される第1必要時間Tc1経過時及び第2必要時間Tc2経過時における信号機Sの点灯色を判断する。
【0052】
また、本実施の形態では、信号機通過判断部63は、信号機Sによる送信時における信号機情報を用いてこの信号機情報の受信時から指定時間T経過時における点灯色を判断するため、信号機情報の送信時と点灯色の判断時との間に時間のずれが生じる。しかしながら、上記通信圏が狭いことから、この時間のずれはごく僅かであり、点灯色の判断に影響しない。
【0053】
必要時間算出部64は、車載装置側無線通信機40によって信号機情報を取得すると、その取得時における車速V0を維持する場合に車両Cが信号機Sの所在地に到達するまでに必要となる第1必要時間Tc1(特許請求の範囲の速度維持時必要時間に相当)、及びその取得時における車速V0からアクセル操作もブレーキ操作も行わない場合に車両Cが信号機Sの所在地に到達するまでに必要となる第2必要時間Tc2(特許請求の範囲の減速時必要時間に相当)を算出する。
【0054】
ここで、車載装置側無線通信機40によって取得される信号機情報には、信号機Sの所在地が含まれている。また、必要時間算出部64は、車速センサ10から車両Cの車速V0を取得し、車載ナビゲーション装置30から車両Cの現在地情報を取得し、制動装置制御装置50から回生限界減速度aを取得する。
【0055】
これら情報を取得した上で、必要時間算出部64は、まず、車両Cの現在地から信号機Sの所在地までの距離Lを算出する。なお、ここでいう距離Lは、車両Cの走行中の道路Rに沿って算出された距離である。
【0056】
距離Lの算出後、必要時間算出部64は、下式(1)から、上記第1必要時間Tc1を算出する。
【0057】
【数1】

【0058】
また、距離Lの算出後、必要時間算出部64は、下式(2)から、上記第2必要時間Tc2経過時における車両速度Vを算出する。
【0059】
【数2】

【0060】
ここで、距離L、車両Cの車速V0、回生限界減速度a、及び上記第2必要時間Tc2間の関係は下式(3)にて表される。
【0061】
【数3】

【0062】
そして、必要時間算出部64は、下式(4)から、上記第2必要時間Tc2を算出する。
【0063】
【数4】

【0064】
ちなみに、必要時間算出部64が特許請求の範囲に記載の速度維持時必要時間算出部及び減速時必要時間算出部に相当する。
【0065】
許可色点灯要求生成部65は、信号機通過判断部63によって信号機Sは第1必要時間Tc1経過時において赤色信号灯11cを点灯すると判断されると、第1必要時間Tc1経過時において青色信号灯11aを点灯するよう要求する第1許可色点灯要求信号RQ1を生成する。
【0066】
詳しくは、許可色点灯要求生成部65は、信号機情報の送信時において赤色信号灯11cが点灯しており、且つ、信号機通過判断部63によって信号機Sは第1必要時間Tc1経過時において赤色信号灯11cを点灯していると判断される場合、赤色信号灯11cの点灯時間を短縮時間TR11(=TR−Tc1)だけ短縮するよう要求する第1許可色点灯要求信号RQ1を生成する。
【0067】
同様に、許可色点灯要求生成部65は、信号機情報の送信時において青色信号灯11aが点灯しており、且つ、信号機通過判断部63によって信号機Sは第1必要時間Tc1経過時において赤色信号灯11cを点灯していると判断される場合、青色信号灯11aの点灯時間を延長時間TR12(=Tc1−TR)だけ延長するよう要求する第1許可色点灯要求信号RQ1を生成する。
【0068】
また、許可色点灯要求生成部65は、信号機通過判断部63によって、信号機Sは第1必要時間Tc1経過時及び第2必要時間Tc2経過時の双方において赤色信号灯11cを点灯すると判断されると、第2必要時間Tc2経過時において青色信号灯11aを点灯するよう要求する第2許可色点灯要求信号RQ2を生成する。
【0069】
詳しくは、許可色点灯要求生成部65は、信号機情報の送信時において赤色信号灯11cが点灯しており、信号機通過判断部63によって信号機Sは第1必要時間Tc1経過時にも第2必要時間Tc2経過時にも赤色信号灯11cを点灯すると判断される場合、赤色信号灯11cの点灯時間を短縮時間TR21(=TR−Tc2)だけ短縮するよう要求する第2許可色点灯要求信号RQ2を生成する。
【0070】
同様に、許可色点灯要求生成部65は、信号機情報の送信時において青色信号灯11aが点灯しており、信号機通過判断部63によって信号機Sは第1必要時間Tc1経過時にも第2必要時間Tc2経過時にも赤色信号灯11cを点灯すると判断される場合、青色信号灯11aの点灯時間を延長時間TR22(=Tc2−TR)だけ延長するよう要求する第2許可色点灯要求信号RQ2を生成する。
【0071】
車載装置側報知制御部66は、例えば公知のディスプレイ等の画像表示部や、例えば公知のスピーカ等(いずれも図示略)の報知部を制御するものであり、特許請求の範囲の報知制御部に相当する。詳しくは、車載装置側報知制御部66は、信号機Sは第1必要時間Tc1経過時において青色信号灯11aが点灯していると信号機通過判断部63によって判断されると、「車速V0をそのまま維持することで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を、画像表示部やスピーカから報知させる。これにより、車両Cの運転者は、「車速V0をそのまま維持することで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を認識することができるようになり、車両Cの運転者は、車速V0をそのまま維持するように車両Cを運転することで、停止させることなく信号機Sを通過させることができるようになる。
【0072】
また、車載装置側無線通信機40によって第1許可色点灯要求信号RQ1が許可された旨の要求可否判断結果AS1を受信すると、車載装置側報知制御部66は、「そのままの車速を維持することで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を画像表示部やスピーカから報知させる。これにより、運転者が車速V0をそのまま維持するように車両Cを運転することで、車両Cは停止することなく信号機Sを通過することができる。
【0073】
また、車載装置側無線通信機40によって第2許可色点灯要求信号RQ2が許可された旨の要求可否判断結果AS2を受信すると、車載装置側報知制御部66は、「ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速を行うことで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を報知させる。これにより、車両Cの運転者は、「ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速を行うことで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を認識することができるようになり、車両Cの運転者は、ブレーキ操作もアクセル操作も行わないことで、停止させることなく信号機Sを通過させることができるようになる。
【0074】
また、車載装置側無線通信機40によって第2許可色点灯要求信号RQ2が拒否された(不許可となった)旨の要求可否判断結果AS2を受信すると、車載装置側報知制御部66は、「ブレーキ操作を行なうことなく信号機Sを通過することはできない」旨を報知させる。これにより、車両Cの運転者は、「ブレーキ操作を行なうことなく信号機Sを通過することはできない」旨を認識することができるようになり、ひいては、より安全に車両Cを信号機Sの位置にて停止させることができるようになる。
【0075】
以上のように構成された信号通過支援システム1の動作について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は、本実施の形態によって実行される信号機通過支援処理S1の一部を説明するフローチャートであり、図5は、本実施の形態によって実行される信号機通過支援処理S1の残りの部分を説明するフローチャートである。この図4、5に示す信号機通過支援処理S1は所定周期で繰り返し実行する。
【0076】
信号機通過支援処理S1が実行開始されると、車載装置側制御装置60は、まず、ステップS11の判断処理として、車両Cの進行方向前方に位置する信号機Sの通信圏内か否かを判断する。具体的には、車載装置側制御装置60は、車載装置側無線通信機40にて受信される受信信号の強度が所定の判定閾値よりも高いか否かを判断する。ここで、受信信号の強度が所定の判定閾値以下であると判断される場合(ステップS11の判断処理で「No」)、車載装置側制御装置60は、車両Cが信号機Sの通信圏外にあると判断し、このステップS11の判断処理を再度実行する。一方、受信信号の強度が所定の判定閾値より高いと判断される場合(ステップS11の判断処理で「Yes」)、車載装置側制御装置60は、車両Cが信号機Sの通信圏内にあると判断し、続くステップS12の処理に移行する。換言すれば、車載装置側制御装置60は、ステップS11の判断処理を通じて、車両Cが信号機Sの通信圏内に入るまで待機する。
【0077】
車両Cが信号機Sの通信圏内に入ると、車載装置側制御装置60は、続くステップS12の処理として、信号機Sから送信されてくる信号機情報を車載装置側無線通信機40にて受信する。また、車載装置側制御装置60は、続くステップS13の処理として、車速V0、現在地、及び回生限界減速度aを車両C内の他の装置・センサから取得する。
【0078】
これら情報を取得すると、車載装置側制御装置60は、続くステップS14の処理として、信号機情報の取得時における車速V0を維持する場合に車両Cが信号機Sの所在地に到達するまでに必要となる第1必要時間Tc1を算出する。また、車載装置側制御装置60は、続くステップS15の処理として、信号機情報の取得時における車速V0から、ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速を行う場合に車両Cが信号機Sの所在地に到達するまでに必要となる第2必要時間Tc2を算出する。
【0079】
そして、これら第1必要時間Tc1及び第2必要時間Tc2を算出すると、車載装置側制御装置60は、続くステップS16の処理として、信号機情報の受信時から第1必要時間Tc1の経過時における点灯色、及び、信号機情報の受信時から第2必要時間Tc2の経過時における点灯色をそれぞれ判断する。
【0080】
このようにして点灯色を判断すると、車載装置側制御装置60は、続くステップS17の判断処理として、第1必要時間Tc1経過時において信号機Sは青色信号灯11aを点灯しているか否かを判断する。
【0081】
ここで、信号機Sが青色信号灯11aを点灯していると判断される場合(ステップS17の判断処理で「Yes」)、信号機情報の取得時における車速V0を維持すれば、停止することなく信号機Sを通過可能であることを意味する。そのため、車載装置側制御装置60は、続くステップS18の処理として、「車速V0をそのまま維持することで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を画像表示部やスピーカから報知させる。これにより、運転者が車速V0をそのまま維持するように車両Cを運転することで、車両Cは停止することなく信号機Sを通過することができるようになる。
【0082】
一方、信号機Sが青色信号灯11aを点灯していないと判断される場合(ステップS17の判断処理で「No」)、信号機情報の取得時における車速V0を維持しても、停止することなく信号機Sを通過することはできないことを意味する。そのため、車載装置側制御装置60は、続くステップS20の処理として、第1必要時間Tc1経過時において青色信号灯11aを点灯するよう要求する第1許可色点灯要求信号RQ1を生成する。さらに、車載装置側制御装置60は、続くステップS21の処理として、その生成した第1許可色点灯要求信号RQ1を車載装置側無線通信機40から送信する。
【0083】
なお、信号機Sでは、信号機側制御部13aは、信号機側無線通信機12によって第1許可色点灯要求信号RQ1を受信すると、その受信した第1許可色点灯要求信号RQ1を許可するか拒否するかを判断し、その判断結果である要求可否判断結果AS1を信号機側無線通信機12によって送信する。そして、信号機側制御部13aは、第1許可色点灯要求信号RQ1を許可すると判断する場合には、その要求通りに信号機Sを点消灯制御する。
【0084】
車載装置側制御装置60は、続くステップS22の判断処理として、車載装置側無線通信機40によって要求可否判断結果AS1を受信したか否かを判断するとともに、その受信した要求可否判断結果AS1が第1許可色点灯要求信号RQ!を許可する旨の判断結果であった場合、続くステップS23の処理として、「車速V0をそのまま維持することで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を画像表示部やスピーカから報知させる。これにより、運転者が車速V0をそのまま維持するように車両Cを運転することで、車両Cは停止することなく信号機Sを通過することができるようになる。
【0085】
一方、車載装置側制御装置60は、先のステップS22の判断処理において、要求可否判断結果AS1を受信していない、あるいは、受信した要求可否判断結果AS1が第1許可色点灯要求信号RQ1を拒否する旨の判断結果であった場合、続くステップS24の判断処理として、第2必要時間Tc2経過時において信号機Sは青色信号灯11aを点灯しているか否かを判断する。
【0086】
ここで、信号機Sが青色信号灯11aを点灯していると判断される場合(ステップS24の判断処理で「Yes」)、ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速(すなわち、回生限界減速度aの減速)を行うことで、停止することなく信号機Sを通過可能であることを意味する。そのため、車載装置側制御装置60は、続くステップS25の処理として、「ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速を行うことで、停止することなく信号機Sを通過することができる」旨を画像表示部やスピーカから報知させる。これにより、運転者がブレーキ操作もアクセル操作も行わないことで、車両Cは停止することなく信号機Sを通過することができるようになる。
【0087】
一方、信号機Sが青色信号灯11aを点灯していないと判断される場合(ステップS24の判断処理で「No」)、回生限界減速度aの減速を行っても、停止することなく信号機Sを通過することはできないことを意味する。そのため、車載装置側制御装置60は、続くステップS26の処理として、第2必要時間Tc2経過時において青色信号灯11aを点灯するよう要求する第2許可色点灯要求信号RQ2を生成する。さらに、車載装置側制御装置60は、続くステップS27の処理として、その生成した第2許可色点灯要求信号RQ2を車載装置側無線通信機40から送信する。
【0088】
なお、信号機Sでは、信号機側制御部13aは、信号機側無線通信機12によって第2許可色点灯要求信号RQ2を受信すると、その受信した第2許可色点灯要求信号RQ2を許可するか拒否するかを判断し、その判断結果である要求可否判断結果AS2を信号機側無線通信機12によって送信する。そして、信号機側制御部13aは、第2許可色点灯要求信号RQ2を許可すると判断する場合には、その要求通りに信号機Sを点消灯制御する。
【0089】
車載装置側制御装置60は、続くステップS28の判断処理として、車載装置側無線通信機40によって要求可否判断結果AS2を受信したか否かを判断するとともに、その受信した要求可否判断結果AS2が第2許可色点灯要求信号RQ2を許可する旨の判断結果であった場合、先のステップS25の処理を行なう。
【0090】
一方、車載装置側制御装置60は、先のステップS28の判断処理において、要求可否判断結果AS2を受信していない、あるいは、受信した要求可否判断結果AS2が第2許可色点灯要求信号RQ2を拒否する旨の判断結果であった場合、続くステップS29の判断処理として、「ブレーキ操作を行うことなく信号機Sを通過することはできない」旨を画像表示部やスピーカから報知させる。これにより、車両Cの運転者は、ブレーキ操作を行う準備をすることができ、車両Cを安全に信号機Sの位置にて停止することができる。
【0091】
図6は、本実施の形態の信号機通過支援システム1の動作例を示す図である。図6中の直線L1および一点鎖線L2は、車両Cが制動動力を全て回生エネルギーとして回収できる回生限界減速度aで車速V0から減速した場合の距離と車速との関係の一例を示している。一方、二点鎖線L3は、L1、L2と同様、車速V0および位置からの減速であるが、信号機Sのところで停止するように減速した場合の距離と車速との関係を示している。
【0092】
L1、L2に示すように、回生限界減速度aで減速していった場合には、車速が0になる地点は信号機Sを超えた地点である。したがって、回生限界減速度aで減速していくと、信号機Sの所在地で停止することができずオーバーランしてしまうことになる。また、このオーバーランを防止するべく、車両Cが回生限界減速度aよりも大きな減速度にて減速され、信号機Sの所在地にて停止されると、摩擦制動を行うことになることから、一部の制動動力は回生エネルギーとして回収できないことになってしまう(二点鎖線L3参照)。
【0093】
しかし、車載装置側制御装置60が信号機Sに対し第1許可色点灯要求信号RQ1をし、信号機Sがその要求通りに点消灯制御すると、ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速(回生限界減速度aでの減速)を行えば車両Cが信号機Sに到達したときに信号が青信号となっているので、停止することなく信号機Sを通過することができるようになる(直線L1参照)。これにより、燃料消費量の低減を図ることができ、且つ、運転者に煩わしさを感じさせることも抑制できる。
【0094】
なお、本発明に係る信号機通過支援システム1は、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記各実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
【0095】
たとえば、前述の実施形態において、制動動力制御装置50は、回生限界電力を発電する回生限界制動動力を超えない範囲で回生制動装置の制動動力を制御している。しかし、この回生限界制動動力は前述のようにバッテリ温度に起因する限界であり、一般的に回生制動装置が有する発電機は回生限界電力よりも大きい電力を発電することができる。そのため、バッテリ温度が上限温度を超えてしまうことを一時的に許容すれば、一時的には回生限界電力を超えた電力が発生するような回生制動動力を発生させることができる。すなわち、一時的には、前述の実施形態の回生限界減速度aを超える減速度を回生制動装置に発生させることができる。そこで、車載装置側制御装置60は、ステップS28の判断処理がNOであった場合、制動装置制御装置50に対し、回生制動装置に発生させる制動動力を、回生限界制動動力よりも大きい制動動力に一時的に拡大することを要求する回生制動動力拡大要求信号を出力するようにしてもよい。この回生制動動力拡大要求信号を取得した場合、制動装置制御装置50は、運転者からの減速要求を検知すると、回生限界制動動力よりも大きい制動動力が発生するように回生制動装置を制御する。なお、運転者からの減速要求があったか否かは、たとえば、ブレーキペダルの操作を検知したこと、または、シフトダウン操作を検知したことによって判断する。また、この場合に、回生制動装置が発生する制動動力は、回生制動装置の発電機の最大発電電力に基づいて定まる制動動力以下である。
【0096】
また、信号機通過支援処理S1中のステップS28の処理を割愛してもよい。この場合、信号機Sは、車両Cから送信された第1許可色点灯要求信号RQ1を許可するか拒否するかを判断せず、その要求通りに信号灯11を点消灯制御することになる。
【符号の説明】
【0097】
1…信号機通過支援システム、11…信号灯、11a…青色信号灯、11b…黄色信号灯、11c…赤色信号灯、12…信号機側無線通信機(信号機側受信部)、13…信号機側制御装置、13a…信号機側制御部、13b…信号機側記憶部、20…車速センサ、30…車載ナビゲーション装置、40…車載装置側無線通信機(信号機情報取得部、車載装置側送信部)、50…制動装置制御装置、60…車載装置側制御装置(車載装置側制御部)、61…車速情報取得部、62…現在地情報取得部、63…信号機通過判断部、64…必要時間算出部、65…許可色点灯要求生成部、66…車載装置側報知制御部、C…車両、S…信号機、R…道路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置、および、信号灯とその信号灯を点消灯制御する信号機側制御部とを有する信号機を備え、前記車両が前記信号機を通過することを支援する信号機通過支援システムであって、
前記車載装置は、
当該車載装置を搭載する車両の速度である車速情報を逐次取得する車速情報取得部と、
当該車載装置を搭載する車両の現在地情報を逐次取得する現在地情報取得部と、
前記信号機の所在地、点灯周期、及び次の色に推移するまでの推移時間を含む信号機情報を逐次取得する信号機情報取得部と、
前記車速情報、前記現在地情報、前記信号機情報に基づいて、前記車両が速度を維持する場合に前記車両が前記信号機の所在地に到達するまでに必要となる速度維持時必要時間を算出する速度維持時必要時間算出部と、
前記速度維持時必要時間と前記信号機情報とに基づいて、前記車両が速度を維持して前記信号機を通過できるか否かを判断する信号機通過判断部と、
その信号機通過判断部によって、前記車両が前記信号機を通過できないと判断されたことに基づいて、前記速度維持時必要時間が経過した時に通過許可色の信号灯が点灯しているよう要求する第1許可色点灯要求信号を生成する許可色点灯要求生成部と、
その第1許可色点灯要求信号を前記信号機に送信する車載装置側送信部とを備え、
前記信号機は、
前記車載装置側送信部から送信される前記第1許可色点灯要求信号を受信する信号機側受信部を備え、
前記信号機側制御部は、前記信号機側受信部が受信した第1許可色点灯要求信号に基づいて前記信号灯の制御を行う
ことを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記信号機は、前記車載装置へ信号を送信する信号機側送信部を備え、
前記信号機側制御部は、前記信号機側受信部が受信した前記第1許可色点灯要求信号に基づく信号灯の制御が可能であるか否かを、その第1許可色点灯要求信号を受信した車両とは別の車両に搭載された車載装置からの信号灯の制御要求があるか否かに基づいて判断し、判断結果を示す要求可否判断結果を前記信号機側送信部からその第1許可色点灯要求信号を送信した車載装置へ送信させることを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記車載装置は、
前記第1許可色点灯要求信号に対する要求が不許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合に、前記車速情報、前記現在地情報、前記信号機情報に加え、前記車両の運転者がブレーキ操作もアクセル操作も行わない場合の減速度に基づいて、車両の運転者がブレーキ操作もアクセル操作も行わない場合に前記車両が前記信号機の所在地に到達するまでに必要となる時間を減速時必要時間として算出する減速時必要時間算出部を備え、
前記信号機通過判断部は、前記減速時必要時間が算出された場合、その減速時必要時間と前記信号機情報とに基づいて、前記車両が前記減速度で減速して前記信号機を通過できるか否かを判断し、
前記許可色点灯要求生成部は、前記信号機通過判断部によって、前記車両が前記減速度で減速して前記信号機を通過できないと判断されたことに基づいて、前記減速時必要時間が経過したときに通過許可色の信号灯が点灯しているよう要求する第2許可色点灯要求信号を生成し、
前記車載装置側送信部は、その第2許可色点灯要求信号を前記信号機に送信し、
前記信号機側制御部は、前記信号機側受信部が第2許可色点灯要求信号を受信した場合、その第2許可色点灯要求信号に基づいて前記信号灯の制御を行う
ことを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記車載装置が搭載される車両は、回生制動装置とその回生制動装置によって回生された電力を蓄電する蓄電装置とを備え、ブレーキ操作もアクセル操作も行われていない状態では、前記回生制動装置により、その回生制動装置が発生させる制動動力の許容限界値である回生限界制動動力よりも小さい制動動力を発生させる一方、前記車両に搭載されている摩擦制動装置は動作させないようになっており、
前記減速時必要時間算出部は、前記車両の運転者はブレーキ操作もアクセル操作も行わず、前記回生制動装置は前記回生限界制動動力を発生させ、前記摩擦制動装置は動作しないとして、前記減速時必要時間を算出することを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記車載装置は、
運転者に報知を行う報知部と、
前記信号機から、前記第1許可色点灯要求信号に対する要求が許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合、「車速をそのまま維持することで、停止することなく信号機を通過することができる」旨を前記報知部から報知させる報知制御部とをさらに備えていることを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項6】
請求項3または4に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記信号機側制御部は、前記信号機側受信部が受信した前記第2許可色点灯要求信号に基づく信号灯の制御が可能であるか否かを、その第2許可色点灯要求信号を受信した車両とは別の車両に搭載された車載装置からの信号灯の制御要求があるか否かに基づいて判断し、判断結果を示す要求可否判断結果を前記信号機側送信部からその第2許可色点灯要求信号を送信した車載装置へ送信させることを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記車載装置は、
運転者に報知を行う報知部と、
前記信号機から、前記第2許可色点灯要求信号に対する要求が許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合、「ブレーキ操作もアクセル操作も行わない減速を行うことで、停止することなく信号機を通過することができる」旨を前記報知部から報知させる報知制御部とをさらに備えていることを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項8】
請求項6に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記車載装置は、
運転者に報知を行う報知部と、
前記信号機から、前記第2許可色点灯要求信号に対する要求が不許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合、「ブレーキ操作を行うことなく信号機を通過することはできない」旨を前記報知部から報知させる報知制御部とをさらに備えていることを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項9】
請求項4に記載の信号機通過支援システムにおいて、
前記回生制動装置の前記回生限界制動動力は、前記蓄電装置の寿命を長く維持するために要求される値であって、前記回生制動装置が有する発電機は、前記回生限界制動動力よりも大きな制動動力を発生させることが可能に構成されており、
前記信号機側制御部は、前記信号機側受信部が受信した前記第2許可色点灯要求信号に基づく信号灯の制御が可能であるか否かを、その第2許可色点灯要求信号を受信した車両とは別の車両に搭載された車載装置からの信号灯の制御要求があるか否かに基づいて判断し、判断結果を示す要求可否判断結果を前記信号機側送信部からその第2許可色点灯要求信号を送信した車載装置へ送信させ、
前記車載装置は、
前記信号機から、前記第2許可色点灯要求信号に対する要求が不許可である旨を示す要求可否判断結果を取得した場合において、前記車両が前記信号機まで到達するまでの間に運転者からの減速要求を検知したことに基づいて、前記回生制動装置が発生させる制動動力を、前記回生限界制動動力よりも大きい制動動力に一時的に拡大することを要求する回生制動動力拡大要求信号を、前記回生制動装置を制御する制動装置制御装置へ出力することを特徴とする信号機通過支援システム。
【請求項10】
信号灯とその信号灯を点消灯制御する信号機側制御部とを有する信号機とともに、車両が前記信号機を通過することを支援する信号機通過支援システムを構成し、前記車両に搭載される信号機通過支援システム用の車載装置であって、
当該車載装置を搭載する車両の速度である車速情報を逐次取得する車速情報取得部と、
当該車載装置を搭載する車両の現在地情報を逐次取得する現在地情報取得部と、
前記信号機の所在地、点灯周期、及び次の色に推移するまでの推移時間を含む信号機情報を逐次取得する信号機情報取得部と、
前記車速情報、前記現在地情報、前記信号機情報に基づいて、前記車両が速度を維持する場合に前記車両が前記信号機の所在地に到達するまでに必要となる速度維持時必要時間を算出する速度維持時必要時間算出部と、
前記速度維持時必要時間と前記信号機情報とに基づいて、前記車両が速度を維持して前記信号機を通過できるか否かを判断する信号機通過判断部と、
その信号機通過判断部によって、前記車両が前記信号機を通過できないと判断されたことに基づいて、前記速度維持時必要時間が経過した時に通過許可色の信号灯が点灯しているよう要求する第1許可色点灯要求信号を生成する許可色点灯要求生成部と、
その第1許可色点灯要求信号を前記信号機に送信する車載装置側送信部とを備えることを特徴とする信号機通過支援システム用の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−28398(P2011−28398A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171543(P2009−171543)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】