説明

傾斜したスティフナー、傾斜したスティフナーを形成するための装置及び方法

スティフナー(24)が細長いウェブ(30)要素と少なくとも一つの細長い脚(28)要素とを有し、ウェブ要素及び脚要素は、湾曲したエルボ部によって接続され、ここで、湾曲したエルボ部の半径は、スティフナーの第2位置(E)よりも第1位置(C)で大きい。ロール成形型(32)が第1ローラー(34)及び第2ローラー(36)を具備し、第1ローラーは、第2ローラーの円周面内の対応する成形凹部内に配置されるべく構成された成形区域を有し、第1ローラー及び第2ローラーは、ローラー間を通過させられる細長い部材(20)上に付与されるべき所望の形状に対応する、ローラー間の隙間(40)を画成し、ここで、所望の形状はウェブ部分と脚部分との間の湾曲したエルボ部を含む、ロール成形型において、湾曲したエルボ部に対応する、ローラー間の隙間の曲率半径が最小値と最大値との間で変化するように、第2ローラー内の凹部の形状と、第1ローラーの対応する区域の形状とは、ローラーの円周の一部分の回りで変化する。ロール成形型を通して細長い部材を送り込み、且つ、細長い部材の一部分が型のローラー間に送り込まれているとき、第1位置と第2位置との間で型のローラーを回転させることによって、スティフナーは成形され、これによって、スティフナーに形成される湾曲したエルボ部の曲率半径が変化される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
複合材構造の製造において、例えば航空宇宙産業において、スキンを強化すべく構造部材が複合材スキンに取り付けられることが多い。斯かる構造部材は、ストリンガーまたはスティフナーと称されることが多い、十分に細長い補強部材を含むことができる。航空宇宙産業におけるスティフナーの使用の典型的な例は、複合材のストリンガーがウイングカバーまたはウイングスキンの内面に取り付けられる航空機の翼の構成においてである。ストリンガーまたはスティフナーは、様々な断面形状を示すように形成されうるが、典型的には、T字形断面に形成される。典型的には、T字形断面のスティフナーは平ら且つ未硬化の予め含侵された複合材積層体から生産され、複合材積層体はL字形断面に形成され、その後、L字形断面は、生産する所望のT字形断面に背中合わせで圧縮される。これにより、平らな複合材スキンに容易に取り付けられるT字形断面のスティフナーが生産される。しかしながら、要望通りにスキンの強度を局所的に変化させるべく複合材スキンの厚さを変化させることが次第に一般的な方法となっている。厚さの変化は、ストリンガーが取り付けられるべきである複合材スキンを横断して、傾斜した区域または非平面状区域を生み出す。スキンの傾斜した面に細長いスティフナーを適合させるために、スティフナーは、分離したL字形断面または完成したT字形断面のいずれかに形成された後、所要の外形に変形されなければならない。これは、二次元断面の最初の平面状の積層体よりもむしろ三次元断面に亘るスティフナーの変形を含むので、複合材積層体の一部分が圧縮される箇所のT字形断面のスティフナー内に皺(wrinkling)が発生することが多い。斯かる皺は、局所的な応力点を提供することによりスティフナーの全体的な強度を減少させ、それ故に皺がない場合に必要であるだろう大きさよりもスティフナーが大きく作られることを必要とし、またL字形断面が所要のT字形断面のスティフナーを形成すべく背中合わせで圧縮されるのを妨げることがある。
【0002】
それ故に、皺の問題に直面することなく斯かるスティフナーを形成できることは有益であるだろう。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1態様によれば、細長いウェブ要素と少なくとも一つの細長い脚要素とを有するスティフナーが提供され、ウェブ要素及び脚要素は、湾曲したエルボ部によって接続され、ここで、湾曲したエルボ部の半径は、スティフナーの第2部分よりも第1部分で大きい。
【0004】
加えて、スティフナーの第1部分の脚要素は、スティフナーの第2部分の脚要素に対して鉛直にずらされる。
【0005】
加えてまたは代替的に、第1部分と第2部分との間のスティフナーの中間部分の湾曲したエルボ部の曲率半径がそれぞれの最大値と最小値との間で変化する。
【0006】
加えてまたは代替的に、ウェブ要素の高さはスティフナーの長さに亘ってほぼ一定である。
【0007】
好ましくは、ウェブ要素及び脚要素は互いに対してほぼ90°である。加えて、スティフナーがほぼT字形断面であるように、スティフナーは二つの細長い脚要素を有することができる。
【0008】
本発明の第2態様によれば、第1ローラー及び第2ローラーを具備するロール成形型が提供され、第1ローラーが、第2ローラーの円周面内の対応する成形凹部内に配置されるべく構成された成形区域を有し、第1ローラー及び第2ローラーが、ローラー間を通過させられる細長い部材上に付与されるべき所望の形状に対応する、ローラー間の隙間を画成し、所望の形状がウェブ部分と脚部分との間の湾曲したエルボ部を含み、ここで、湾曲したエルボ部に対応する、ローラー間の隙間の曲率半径が最小値と最大値との間で変化するように、第2ローラー内の凹部の形状と、第1ローラーの対応する区域の形状とが、ローラーの円周の一部分の回りで変化する。
【0009】
加えて、所望のウェブ部分に対応する、ローラー間に形成される隙間の部分と、所望の脚部分に対応する、ローラー間に形成される隙間の部分とが互いに対してほぼ90°であるように、第1ローラーの成形区域と第2ローラー内の対応する成形凹部とが形成されてもよい。加えて、第1ローラー及び第2ローラーが、ローラー間に形成される隙間がほぼU字形状であるように形成される。
【0010】
加えてまたは代替的に、第1ローラー及び第2ローラーは回転可能であってもよい。好ましくは、ローラーは、湾曲したエルボ部に対応する、ローラー間に形成される隙間の曲率半径がローラーの半回転に亘って最小値と最大値との間で変化するように、第1ローラー及び第2ローラーが形成される。
【0011】
本発明の第3態様によれば、本発明の第1態様に係るスティフナーを成形する方法が提供され、この方法は、本発明の第2態様に係るロール成形型を通して細長い部材を送り込むことと、細長い部材の一部分が型のローラー間に送り込まれているとき、第1位置と第2位置との間で型のローラーを回転させることとを含み、これによって、スティフナー内に形成された、湾曲したエルボ部の曲率半径が変化される。
【0012】
好ましくは、細長い部材が、その後、細長い部材の長手方向の軸線に沿って折り曲げられるように構成された更なる組の型のローラーを通して送り込まれうる。
【0013】
好ましくは、スティフナーは非金属の複合材料を具備してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、取り付けられたT字形断面のスティフナーを備えた平面状複合材スキンの一部を示す。
【図2】図2は、背中合わせの二つのL字形断面要素によって形成されたT字形断面のスティフナーの一部を示す。
【図3】図3は、平面状の積層体からL字形断面要素への変形を概略的に示す。
【図4】図4は、複合材スキンの非平面状区域を覆う、従来技術に係るT字形断面のスティフナーの配置を概略的に示す。
【図5】図5は、従来技術に係る近接するL字形断面のスティフナー要素上への皺の変形を概略的に示す。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態に係る異なる曲率半径を有するL字形断面要素を概略的に示す。
【図6B】図6Bは、本発明の実施形態に係る異なる曲率半径を有するL字形断面要素を概略的に示す。
【図7】図7は、本発明に従って形成されたC字形断面要素を概略的に示す。
【図8】図8は、図7に示されたC字形断面要素の側面図を概略的に示す。
【図9】図9は、図7のC字形断面要素から形成されたT字形断面のスティフナーを概略的に示す。
【図10】図10は、図9に示されるスティフナーの側面図を概略的に示す。
【図11】図11は、図9に示されるスティフナーの平面図を概略的に示す。
【図12】図12は、第1の向きにある、本発明の実施形態に係るロール型の正面図と側面図と平面図とを概略的に示す。
【図13】図13は、第2の向きにある、図12のロール型に対応する図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、限定するものではない例示的な単なる例として本発明の実施形態を説明する。
図1は、従来技術から知られているようにT字形断面のスティフナー4が取り付けられた、航空機のウイングカバーのような複合材スキン2の一部を概略的に示す。スティフナー4が取り付けられた航空機カバー2の表面は平らであり、このことは、スティフナー4が取付け面で対応して平らであることのみを必要とすることを意味する。
【0016】
図2は、斯かるT字形断面のスティフナーの典型的な製造方法を示すべく、より詳細にスティフナー4の端部分を示す。完成したスティフナー4は、実際には、互いに背中合わせで接合された、L字形断面の分離した二つの細長い要素6を具備する。L字形断面要素6は、一連のロール型9を通過させられる複合材積層体8(図3参照)の細長い平面状区域から形成され、ロール型9は、積層体の残りの部分に対して約90°の方向に細長い積層体の一区域を徐々に曲げるべく構成され、その結果、図2に示されるL字形断面要素6を形成する。積層体の曲げを促進するために、平面状の複合材積層体はロール型8を通過させられる直前または通過させられるときに加熱せしめられうる。この曲げ処理の結果として、図2に示されるL字形断面要素6は、丸みを帯びた(radiused)エルボ部10を有する。
【0017】
図4は、複合材スキン2’及びスティフナー4のより典型的な構成を断面図で概略的に示す。より典型的なこの構成において、複合材スキン2’は平面ではなく2A〜2Dの厚さの異なる区域を有し、厚さの異なる区域が複合材スキンのより大きなまたはより小さな強度を必要とする範囲に提供される。その結果、図4に示されるように、当然のことながら、従来技術の平面状のスティフナー4は、いくつかの変形を経なければスキンカバー2’の傾斜した外形に適合できない。複合材カバー2’の傾斜した外形に適合すべくT字形断面のスティフナーを変形することができるが、変形は、複合材スキンの厚さが異なる区域間の交差区域でT字形断面の鉛直部分のこれら区域を圧縮または伸長することを含むため、個々のL字形断面要素6の皺が発生しがちである。これは図5に示され、ここで、各L字形断面要素6は細長い皺12を有し、細長い皺12は、最終的なT字形断面のスティフナーを形成するために互いに当接されるべき表面上に形成される。これら皺12の存在は、別個のL字形断面要素の表面が互いに完全に当接するのを妨げ、その結果、二つのL字形断面要素間の接合強度を低下させ、また、応力集中のような公知の作用のせいでスティフナー4内に固有の弱さをもたらす。
【0018】
本発明によれば、L字形断面要素の斯かる変形または最終的なT字形断面のスティフナーの斯かる変形はL字形断面要素の曲率半径を変化させることによって回避され、L字形断面要素の曲率半径を変化させることは、次にスティフナーの中央のウェブの高さに対するスティフナーの脚(複合材スキンに取り付けられるスティフナーの部分)の高さを変化させる効果を有する。これは、図6A及び図6Bに概略的に示される。図6Aは、ウェブ高さhと、脚幅wと、スティフナーのウェブと脚との間のr=0の曲率半径とを有するL字形断面要素の断面図を概略的に示す。(半径0は実際には実現するのが困難であるだろうし且つ望ましくないが今回は例示目的で使用されることが理解されるであろう。)図6Bは、ウェブ高さh’=hを有する、対応するL字形断面要素を示すが、ウェブと脚との間の曲率半径はr=3h/8である。図6Bのスティフナーの脚の水平面が、ウェブの頂端に対して、rに等しい距離だけ低いことが容易に理解されうる。また、図6Bに示されるスティフナーの脚幅w’が、図6Aに示されるスティフナーの脚幅wよりもかなり短いことも分かるであろう。
【0019】
従って、本発明の実施形態において、L字形断面要素6は、スティフナーのウェブと脚との間の曲率半径が細長い要素の長さに沿って最小値と最大値との間で変化する状態で形成され、曲率半径は、スティフナーのウェブの高さを高くしたい場合、すなわちスティフナーのウェブの頂部に対してスティフナーの脚を効果的に低くしたい場合に大きくなる。図7はC字形断面の細長い要素20を概略的に示し、C字形断面の細長い要素20は本発明の原理に従って曲率半径を変化させて形成される。C字形断面要素20は、複合材料の元の単一の平面状ウェブから形成される、事実上同一の二つのL字形断面要素であり、その後、図7の破線22で示されるその中心軸線に沿ってC字形断面要素20を更に折り曲げることによって所望のT字形断面のスティフナーに形成される。図7に示されるC字形断面要素は、二つの区域、すなわち、最小曲率半径を有する符号A及びEの付された区域と、一定の最大曲率半径を有する符号Cの付された中央区域と、曲率半径が最小値と最大値との間で連続して変化する二つの過渡的区域B、Dとを含む。図7に示されるC字形断面要素の側面図が、対応する区域に同一の符号が付された状態で図8に示される。図6Bに示される、最終的に形成されたスティフナーの脚幅w’に相当する、区域Cの平面状区域の高さが、区域A及びEの平面状区域の高さよりも低いことが図8から理解されうる。
【0020】
最終的に成形されたT字形断面のスティフナーが図9に示され、このスティフナーは前に示したように破線22に沿って図7のC字形断面要素を更に折り曲げることによって形成される。スティフナー24の中間区域Cは、過渡区間における、スティフナーの脚とウェブ30との間の最大曲率半径を有するが、この中間区域Cは脚区域26を有し、この脚区域26は端区域A及びEのスティフナーの脚部分28に対してスティフナーのウェブの頂端と相対的に鉛直にずらされ、端区域A及びEは過渡区間における最小曲率半径を有する。このことは図10においてより明瞭に示され、図10は、図9に示される完全に成形されたスティフナー24の概略側面図である。上述したように、過渡区域における最大曲率半径を有する区域のスティフナーの脚26の幅w’は、他の区域のスティフナーの脚幅よりも小さい。これは、図11に示される、完全に成形されたT字形断面のスティフナー24の平面図から明瞭に見られる。
【0021】
図9に示される傾斜したスティフナー24を生産するために、特に図7に示された、形成されたC字形断面要素20を生産するために、均一な断面のC字形断面要素が、図3に関連して前述されたような公知のロール成形技術を使用して複合材料の細長い平面状区域から最初に生産される。しかしながら、その後、均一な断面のC字形断面要素は更なる組の型を通過させられ、更なる組の型は、C字型断面要素20の曲率半径rを要望通りに変化させることができるように本発明の更なる態様に従って形成され、図9に示されるような、本発明の第1態様に係る傾斜したT字形断面のスティフナー24を形成する。曲率半径rを変化させるのに使用される、本発明の第2態様の実施形態に係る一組の型が図12及び図13に示される。
【0022】
図12を参照すると、型32は、正面図、側面図、及び平面図の複合図で示され、相補的な第1ローラー34及び第2ローラー36を含む。第2ローラー36は、図12に示される型32の方向において、底部のローラーであり、ローラーの円周外面に形成されたU字形状のチャネル38を有する。U字形状のチャネル38の水平区域と鉛直区域との間の深さ、幅、及び曲率半径は、所望の最小値の曲率半径rを有するC字形断面20の所望の外形寸法に対応する第1組の値と、曲率半径rが所望の最大値であるときのC字形断面20の所望の外形寸法に対応する第2組の値との間で、第2ローラー36の180°区分回りで変化する。幅、深さ、及び曲率半径についての、第1組の値と第2組の値との間での、第2ローラー36の180°に亘る遷移は連続的であり、すなわち、U字形状のチャネル38の寸法が、ステップ状に変化することなく、好ましくは180°全体に亘って一定の変化率を有する。第1ローラー34は、図12に示される方向において、上側のローラーを表し、第1ローラー34の外面は、使用中に第2ローラー36のU字形状のチャネル38内に延在すべく構成され、且つ形成されるべきC字形断面要素20の所望の厚さに対応する、U字形状の隙間40またはC字形断面の隙間40が第1ローラー34と第2ローラー36との間に存在するように寸法が決められる。第2ローラー36のU字形状のチャネル38の寸法における変化全体に亘って隙間40を一定の値に維持するために、第1ローラー34の外面の寸法は第1組の寸法と第2組の寸法との間で180°に亘り対応して変化し、第1組の寸法ではローラー34の水平外面と鉛直外面との間の曲率半径は最小であり、第2組の寸法では曲率半径は最大である。その遷移は同様に連続的であり且つ第2ローラー36の寸法における遷移と対応した比率で変化する。
【0023】
図12に示される型の第1ローラー及び第2ローラーの図は第1位置のローラーを示し、第1位置では、ローラー間の隙間40は、その後に形成されるウェブ部分30と脚部分との間の曲率半径が最小であるときのC字形断面20の所望の形状に対応する。使用中、好ましくは、前段階のロール型によって所望のC字形断面に近づいた形状に予め形成された複合材料の細長い区域が、ローラー間の隙間40を通して型32の第1ローラー34と第2ローラー36との間に送り込まれる。細長い要素の送り方向は、図12の各図に示される影付きの矢印によって示される。当然のことながら、実際には、ローラー34、36は二つのローラー間の隙間40の寸法を一定に維持するようにこの場所に固定される。C字型断面要素の脚部分と中央のウェブとの間の曲率半径を増加させることによって、結果として生じる脚部分をウェブの頂端に対して低くしたいとき、型の上側のローラー34と下側のローラー36は、等しい比率で等しい量だけ共に回転される。図12に示される特定の実施形態において、回転方向は、上側の第1ローラー34について反時計回りであり、且つ下側の第2ローラー36について時計回りであるだろう。しかしながら、回転方向が反対の向きであるように、第1ローラー及び第2ローラーを容易に構成することができる。型32のローラーを回転させる作用が第1ローラー34の外面寸法の変化と第2ローラー36のU字形状のチャネル38の外面寸法の変化と連動することによって、細長い複合材要素が通過するローラー間の隙間40は滑らかに変化することができる。
【0024】
図13は、図12に示される型32と対応する正面図、側面図、及び平面図を示すが、第1ローラー34及び第2ローラー36は、図12に示される方向に対して完全に180°回転されている。結果として、第1ローラー34と第2ローラー36との間の隙間40は、中央のウェブ区域と脚部分との間の曲率半径rが所望の最大値である状態の、C字形断面要素の所望の形状に対応する形状及び寸法を有する。理解されるように、一旦、隙間40が所望の形状及び寸法を有する点に第1ローラー及び第2ローラーが回転されると、細長い複合材区域が狭い固定ローラー間を連続して通るときに細長い複合材区域が、隙間40の形状に対応する一定の断面を有するように、ローラーの回転は止められる。曲率半径rが減少されたC字形区域要素の断面に戻すように遷移させるために、型32の第1ローラー及び第2ローラーは、所要量だけ反対方向に共に回転させられる。型32のローラー34、36を設置することと、ローラー34、36それぞれの回転を発生させ且つ制御する手段とは、当業者が既存の知識から適切な機構を提供できるであろうと考えられるので、本発明の範囲に属する。例えば、ローラーが、適切な電気システムの制御の下、例えば別体の電気的または水圧式のアクチュエーターによって回転されることができ、または、例えば1以上の歯車または歯付きベルトによって互いに機械的にリンクされてもよいので、単一アクチュエーターを使用してローラーを共に回転させることができる。
【0025】
本明細書に記述された本発明の態様では、スティフナーを生産するための方法及び装置とともに、対応して傾斜された、すなわち非平面状スキンまたは非平面状カバーに取り付けるために適切な、改良された傾斜したスティフナーまたはストリンガーが提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ローラー及び第2ローラーを具備するロール成形型(32)であって、
前記第1ローラー(34)が、前記第2ローラー(36)の円周面内の対応する成形凹部内に配置されるべく構成された成形区域を有し、
前記第1ローラー及び第2ローラーが、該ローラー間を通過させられる細長い部材上に付与されるべき所望の形状に対応する、該ローラー間の隙間(40)を画成し、前記所望の形状がウェブ(30)部分と脚(26)部分との間の湾曲したエルボ部を含む、ロール成形型(32)において、
前記湾曲したエルボ部に対応する、前記ローラー間の隙間(40)の曲率半径が最小値と最大値との間で変化するように、前記第2ローラー(36)内の凹部の形状と、前記第1ローラー(34)の対応する区域の形状とが、該ローラーの円周の一部分の回りで変化することを特徴とする、ロール成形型(32)。
【請求項2】
前記所望のウェブ部分に対応する、前記ローラー間に形成される前記隙間(40)の部分と、前記所望の脚部分に対応する、前記ローラー間に形成される前記隙間(40)の部分とが互いに対してほぼ90°であるように、前記第1ローラー(34)の成形区域と前記第2ローラー(36)内の対応する成形凹部とが形成される、請求項1に記載のロール成形型(32)。
【請求項3】
前記第1ローラー(34)及び第2ローラー(36)が、該ローラー間に形成される隙間(40)がほぼU字形状であるように形成される、請求項1に記載のロール成形型(32)。
【請求項4】
前記第1ローラー(34)及び第2ローラー(36)が回転可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール成形型(32)。
【請求項5】
前記湾曲したエルボ部に対応する、前記ローラー間に形成される前記隙間(40)の曲率半径が前記ローラーの半回転に亘って最小値と最大値との間で変化するように、前記第1ローラー及び第2ローラーが形成される、請求項4に記載のロール成形型(32)。
【請求項6】
細長いウェブ要素と少なくとも一つの細長い脚要素とを有するスティフナーを成形する方法であって、前記ウェブ要素及び脚要素が湾曲したエルボ部によって接続され、第1ローラー及び第2ローラーを具備するロール成形型(32)を通して細長い部材を送り込むことを含み、前記第1ローラー(34)が、前記第2ローラー(36)の円周面内の対応する成形凹部内に配置されるべく構成された成形区域を有し、前記第1ローラー及び第2ローラーが、該ローラー間を通過させられる細長い部材上に付与されるべき所望の形状に対応する、該ローラー間の隙間(40)を画成し、前記所望の形状がウェブ(30)部分と脚(26)部分との間の湾曲したエルボ部を含む、方法において、
前記湾曲したエルボ部に対応する、前記ローラー間の前記隙間(40)の曲率半径が最小値と最大値との間で変化するように、前記第2ローラー(36)内の凹部の形状と、前記第1ローラー(34)の対応する区域の形状とが、該ローラーの円周の一部分の回りで変化し、
前記細長い部材の一部分が前記型のローラー間に送り込まれているとき、第1位置と第2位置との間で前記第1ローラー及び第2ローラーを回転させることを更に含み、これによって、前記スティフナー内に形成される、前記湾曲したエルボ部の曲率半径が変化されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
前記細長い部材が、その後、該細長い部材の長手方向の軸線に沿って折り曲げられるように構成された更なる組の型のローラーを通して送り込まれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スティフナーが非金属の複合材料を具備する、請求項6または7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−528289(P2011−528289A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518001(P2011−518001)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050844
【国際公開番号】WO2010/007415
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508305926)エアバス オペレーションズ リミティド (38)
【Fターム(参考)】