説明

充電ケーブル用コンセントプラグ及び充電ケーブル用コンセント

【課題】コンセントプラグが引き抜かれたときや漏電が検出されたときに電路を遮断して安全を確保できることはもちろん、半挿しの状態になったときにも確実に電路を遮断できる充電ケーブル用コンセントプラグ及び充電ケーブル用コンセントを提供する。
【解決手段】充電自動車用の充電ケーブルの先端に取付けられるコンセントプラグであって、電路を遮断できるリンク機構が収納されたケースの長手方向の後端面をケーブル導入面11とするとともに、ケースの先端面をコンセントタップとの当接面12とし、この当接面12の上方部には通電プラグ13を設け、下方部にはアースプラグ14をそれぞれ突設するとともに、アースプラグ14よりも上方位置にコンセントタップへの差込み検出部1を突設した。差込み検出部1は通電プラグ13よりも上側に配置した構造とすることが好ましい。同様の構造をコンセントタップ側に設けることも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグインハイブリッド車や電気自動車などの充電自動車への充電に用いられる充電ケーブル用コンセントプラグ及び充電ケーブル用コンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラグインハイブリッド車や電気自動車などへの充電は充電スタンドと充電自動車との間を充電ケーブルによって接続して行われる。充電ケーブルには、充電スタンドと一体に備え付けられたタイプ(スタンド一体型ケーブル)と、充電自動車に積載して持ち運びが可能なタイプ(持ち運び型ケーブル)とがある。スタンド一体型ケーブルでは充電ケーブルは充電スタンド内に引き込まれ、使用者が取り外しできない構造となっているのに対し、持ち運び型ケーブルでは、充電時に充電スタンド等の電源側のコンセントタップに差し込まれるコンセントプラグが設けられている。この電源としては充電スタンドの他に、一般家庭の屋外に設置されている通常の屋外コンセントタップが利用されることもある。
【0003】
充電スタンドのコンセントタップには、充電中に誤ってコンセントプラグが引き抜かれると、通電を遮断する保護装置が組み込まれているものがある(特許文献1)。しかし、このような保護装置は一般家庭の屋外に設置されている屋外コンセントタップには組み込まれていないのが普通である。このため車載型ケーブルではコンセントプラグ側に電路を遮断できるリンク機構を収納しておき、コンセントプラグが引き抜かれたときや漏電が検出されたときに電路を遮断して安全を確保できるようにしておくことが望まれる。
【0004】
なお、コンセントタップは壁面に垂直に設けられているか、屋外用では斜め下向きに設けられていることが多い。このためコンセントプラグを差し込んだときに充電ケーブルの重量により斜めを向き、十分な差込状態を維持できなくなる可能性がある。従ってコンセントプラグが正しく差し込まれているか否かを検出し、半挿しの状態になったときにはリンク機構により電路を遮断できる機能を持たせておくことが望まれる。しかしこのような点に着目した先行技術は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−294080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、コンセントプラグが引き抜かれたときや漏電が検出されたときに電路を遮断して安全を確保できることはもちろん、半挿しの状態になったときにも確実に電路を遮断できる充電ケーブル用コンセントプラグ及び充電ケーブル用コンセントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためになされた本発明の充電ケーブル用コンセントプラグは、充電自動車用の充電ケーブルの先端に取付けられるコンセントプラグであって、電路を遮断できるリンク機構が収納されたケースの長手方向の後端面をケーブル導入面とするとともに、ケースの先端面をコンセントタップとの当接面とし、この当接面の上方部には通電プラグを、また下方部にはアースプラグをそれぞれ突設するとともに、アースプラグよりも上方位置にコンセントタップへの差込み検出部を突設したことを特徴とするものである。
【0008】
なお、差込み検出部をコンセントタップとの当接面の左右対称線上に配置した構造とすることが好ましく、また差込み検出部を通電プラグよりも上側に配置した構造とすることが好ましい。また漏電検出時に電路を遮断するリンク機構を、コンセントタップとの当接面の隣接位置に設けた構造とすることが好ましい。
【0009】
また本発明の充電ケーブル用コンセントは、充電自動車用の充電ケーブル先端に取付けられるコンセントプラグが差し込まれる電源側のコンセントタップであって、漏電検出時に電路を遮断するリンク機構を内蔵するとともに、コンセントプラグとの当接面の上方部には通電プラグ差込み部を、また下方部にはアースプラグ差込み部をそれぞれ形成するとともに、アースプラグ差込み部よりも上方位置にコンセントプラグの差込み検出部を設けたことを特徴とするものである。
なお、差込み検出部をコンセントプラグとの当接面の左右対称線上に配置した構造とすることが好ましく、また差込み検出部を通電プラグよりも上側に配置した構造とすることが好ましい。また漏電検出時に電路を遮断するリンク機構を、コンセントプラグとの当接面の隣接位置に設けた構造とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の充電ケーブル用コンセントプラグは、アースプラグよりも上方位置にコンセントタップへの差込み検出部を突設したものである。コンセントタップではアースプラグは垂直設置タイプでは下側、斜め下向き設置タイプでも後ろ下側に配置されるように規定されている。このため重量のある充電ケーブルの荷重が本発明の充電ケーブル用コンセントプラグに掛かり半挿し状態となる場合には、必ずアースプラグが設けられた下側を回転中心として上側がコンセントタップから離れるように回転する。このように本発明では半挿しとなるときにコンセントタップから離れ易い位置に差込み検出部を突設してあるので、的確に半挿しを検出して電路を遮断することができる。
【0011】
また差込み検出部を当接面の左右対称線上に配置した構造とすれば、左右何れかの方向に捩れるような半挿し状態となっても正確に検出することができる。また差込み検出部を通電プラグよりも上側に配置した構造とすれば、半挿しとなるときに一番最初に離れる位置で検出することができるから、より精度よく検出が可能となる。さらに漏電検出時に電路を遮断するリンク機構をケース内部の当接面の隣接位置に設けた構造とすれば、差込み検出部の動作を近接位置でリンク機構に伝達することが可能となり、構造の小型化を図ることができる。
【0012】
また本発明の充電ケーブル用コンセントは上記した半挿しの検出機能をコンセントタップ側に持たせたものであり、充電ケーブル用コンセントプラグが半挿しの検出機能を持たない場合にも、的確に半挿しを検出して電路を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】コンセントタップを引き抜いた状態の内部構造説明図である。
【図3】図2と同じ状態の斜視図である。
【図4】トリップバーの後端部の拡大斜視図である。
【図5】回転体の拡大斜視図である。
【図6】漏電引き外し機構を示す斜視図である。
【図7】コンセントタップの差し込み途中状態の内部構造説明図である。
【図8】図7と同じ状態の斜視図である。
【図9】コンセントタップの差し込み完了状態の内部構造説明図である。
【図10】図9と同じ状態の斜視図である。
【図11】コンセントタップの差し込み開始状態の回転体の説明図である。
【図12】コンセントタップの差し込み途中状態の回転体の説明図である。
【図13】リンク機構の要部の説明図である。
【図14】請求項5の発明の実施形態を示す外観斜視図である。
【図15】図14の内部構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明の実施形態を示す外観斜視図であり、10は充電ケーブルの先端に設けられたコンセントプラグ本体である。コンセントプラグ本体10の内部には電路を遮断できるリンク機構が収納されているが、その詳細については後述する。コンセントプラグ本体10の後端面はケーブル導入面11であり、充電ケーブルが接続されている。コンセントプラグ本体10の先端面はコンセントタップ当接面12であり、2本の通電プラグ13と1本のアースプラグ14とが突設されているほか、コンセントタップへの差込み検出部1が突出している。通電プラグ13とアースプラグ14とはコンセントプラグ本体10に固定されており電源側のコンセントタップに差し込まれるものであるが、差込み検出部1はコンセントプラグ本体10に対して出没可能なものである。なおコンセントプラグ本体10の上面には通電表示灯16とテストボタン17とが設けられている。テストボタン17は後記する漏電引き外し機構が正常に動作するか否かをテストするためのボタンである。
【0015】
図1に示されるように、通電プラグ13はコンセントタップ当接面12の上方部に設けられ、下方部にはアースプラグ14が設けられている。差込み検出部1は、アースプラグ14よりも上方位置、すなわちアースプラグ14よりも通電プラグ13側に設けるものとする。この実施形態のように、差込み検出部1をコンセントタップ当接面12の左右対称線上に配置すれば、左右何れかの方向に捩れるような半挿し状態となっても正確に検出することができるので好ましい。またこの実施形態のように、差込み検出部1を通電プラグ13よりもさらに上側に配置すれば、半挿しとなるときにコンセントタップから離れ易い位置で的確に半挿しを検出できるので好ましい。なお、コンセントタップ当接面12から外部に突出している差込み検出部1は伸縮性のカバーを被せて防水構造とし、降雨時にもコンセントプラグ本体10の内部に雨水が浸入しないようにしておくことが好ましい。
【0016】
以下にコンセントプラグ本体10の内部構造を説明するが、各部品の形状や動作を明示するために、図6以外の各図では各部品を支持するフレーム42は省略してある。先ず図2、図3により全体構造を説明する。
【0017】
コンセントタップ当接面12の裏面には絶縁性のプレート20が設けられており、その下部位置には固定接点21を備えた固定接触子22が固定されている、この固定接触子22の基部は上方に屈曲されて前記した通電プラグ13となっている。また上部位置には可動接点23を備えた可動接触子24が設けられている。可動接触子24の基部は充電ケーブルと電気的に接続されている。これらの固定接点21、固定接触子22、可動接点23、可動接触子24は何れも対をなして2極分設けられている。このように通電プラグ13と充電ケーブルとの間にはそれぞれ固定接点21と可動接点23とが介在しているため、可動接点23が固定接点21に圧接された接触した状態においてのみ充電が可能であり、図2、図3の状態は接点がオフ状態である。
【0018】
コンセントタップ当接面12を貫通してコンセントプラグ本体10の内側に向かって延びる幅の狭い板状のトリップバー15の先端に、差込み検出部1が形成されている。このトリップバー15は、コイルスプリング等の弾性手段25によって常に外側に向けて弾発されており、先端の差込み検出部1のみがコンセントタップ当接面12から突出している。トリップバー15の後部はL字状に下向きに屈曲され、後端部26は図4のように断面が三角状となっている。なおトリップバー15の後部下面には、突起27が形成されている。
【0019】
トリップバー15の下方位置には、接点投入機構としてのリンク機構及び回転体30が設けられている。リンク機構は、リンクピン31、ラッチ部材32、クロスバー33、トリガーレバー34より構成される。回転体30はトリップバー15の後端部26の下方に位置し、フレーム42に固定された軸35を中心として回転できるものである。回転体30は図5に示すように略L字状の部材であり、その上端部にはトリップバー15が内側方向に押されたときにその後端部26により押される突起36が突設されている。突起36の内側には斜面37が形成され、突起36の上面はトリップバー15との当接部38となっている。軸35の周りには図示を略した弾性手段が設けられており、回転体30を突起36のある上部が常にコンセントタップ当接面12に接近する方向(図面上の反時計方向)に付勢している。このため回転体30は外力を受けない状態では図2の基本位置にある。回転体30の先端部には略コ字状のリンクピン31が回転自在に設けられている。
【0020】
32は中央部をこのリンクピン31に連結されたラッチ部材である。ラッチ部材32は上方に延びる上部片40と、下方に延びる下部片41とを備えている。またラッチ部材32のリンクピン31との連結部Aは図6に示すフレーム42に形成された長孔43により、ほぼ前後方向にのみ動けるように支持されている。
【0021】
ラッチ部材32と回転体30の上方であってトリップバー15の下側には、トリップバー15とほぼ平行にトリガーレバー34が設けられている。このトリガーレバー34はフレーム42に固定された軸44を中心として回転可能なもので、図示しない弾性手段により常に反時計方向に付勢されている。トリガーレバー34のコンセントタップ当接面12に近い側の先端部は下方にエッジ状に突出させてあり、ラッチ部材32の上部片40との係合部45となっている。なお図2の状態ではトリガーレバー34の係合部45はラッチ部材32の上部片40と係合していない。
【0022】
ラッチ部材32の下部片41は下部が屈曲させてあり、幅方向に延びるクロスバー33に隣接している。クロスバー33は可動接触子24と常時接触しており、ラッチ部材32の下部片41がクロスバー33をコンセントタップ当接面12側に押すと、図7〜図10のように可動接触子24を押して固定接点21に可動接点23を接触させる機能を有するものである。この点については後述する。
【0023】
このほか、コンセントプラグ本体10の内部には漏電検出時にリンク機構を引き外して接点を開く漏電引き外し機構50が組み込まれている。51は漏電検出用のZCTであり、その内部に電線が貫通している。ZCT51で漏電が検出され、判定回路52にて漏電が所定値以上であると判断した場合には、異常遮断装置であるソレノイド53を励磁し、ソレノイド53に摺動自在に保持されているプランジャ54を吸引する。また、プランジャ54の上端は、図6に示すようにトリガーレバー34の後端部の二股状に形成された係合部55と係合していて、プランジャ54が吸引されると、トリガーレバー34は軸44を中心に奥側が下がる方向に回転する構造となっている。
【0024】
以下に本発明のコンセントプラグの作用を説明する。
先ずコンセントプラグがコンセントタップに差し込まれていない状態では、各部材は図2、図3の状態にあって、可動接点23は可動接触子24の弾性によって固定接点21から離れている。この状態からコンセントプラグをコンセントタップに差し込むと、コンセントタップ当接面12から弾性手段25により外側に付勢されて突出している差込み検出部1がコンセントタップに当たって押し込まれるため、トリップバー15が図7、図8のように弾性手段25のバネ力に抗して内側方向に押し込まれて行く。
【0025】
この差込み初期の状態では、トリップバー15の後端部26は回転体30の突起36の前面に形成された斜面37を押圧し、図11のように回転体30を軸35の回りに後方へ回転させる。これに連れてトリップバー15の後端部26による押圧点は、図12のように斜面37上で次第に突起先端側に移動して行く。そして最終的には、トリップバー15の後端部26は図9、図10に示すように回転体30の突起36の上面の当接部38に乗り上げ、その後は回転体30をそれ以上回転させることなく、当接部38上を通過する。
【0026】
このようにコンセントプラグをコンセントタップに差し込むと、トリップバー15の後端部26により回転体30は弾性力に抗して回転する。この回転によって回転体30の先端部が斜め上方に回転しながら移動し、リンクピン31の枢着部Bも斜め上方に回転しながら移動する。これに連れてリンクピン31の連結部Aはフレーム42に形成した長孔43に沿ってコンセントタップ当接面12側に移動するので、リンクピン31の連結部Aに押されてラッチ部材32もコンセントタップ当接面12側に移動し、ラッチ部材32の上部片40がトリガーレバー34の係合部45と係合する。そしてこの状態からさらに回転体30が回転して行くと、ラッチ部材25はトリガーレバー34との係合点を支点として回転し、下部片41がクロスバー33をコンセントタップ当接面12側に押圧し、クロスバー33が可動接触子24を押して固定接点21に可動接点23を押圧する。これによって接点がオンとなり、通電プラグ13と充電ケーブル11とが導通状態となる。
【0027】
回転体30が図7、図8に示される途中位置まで回転したときに可動接点23が固定接点21に接触し、その後さらに回転体30が図9、図10の位置まで回転することを利用して可動接点23が固定接点21により強く押圧されるようにしておけば、固定接点21と可動接点23との接圧を大きくすることができる。また図9、図10の状態に至ると、トリップバー15が更に押し込まれても回転体30をそれ以上回転させることはないので、トリップバー15の直線運動量に誤差があってもトリップバー15や回転体30が破壊されることはない。
【0028】
図2から図9の状態に至る途中で、リンクピン31のラッチ部材32との連結部Aと、回転体30の軸35とを通る直線Lよりも、リンクピン31の回転体30との枢着部Bが上側に移動する。回転体30に作用している弾性力は図13において反時計方向であり、枢着部Bが直線Lの下側にあるときは回転体30を図2の状態に戻すように作用する。しかし、ラッチ部材32がトリガーレバー34と係合していて、クロスバー33が可動接触子24自体の弾性力により図13の右方向に押圧されていることにより、中立点である直線Lとの交点を越えると安定側に入り、連結部Aの位置が動かない限りこの図9、図10、図13の状態を保持する。このため、コンセントプラグをコンセントタップに差し込んだ状態では接点がオンの状態が安定に維持される。
【0029】
しかし図9、図10の状態からコンセントプラグを引き抜こうとすると、コンセントタップとコンセントタップ当接面12との間が開くため、弾性手段25によって差込み検出部1及びトリップバー15が外側に向かって前進する。するとトリップバー15の突起27がトリガーレバー34の上方屈曲部56と接触し、弾性力に抗してトリガーレバー34を時計方向に回転させる。この状態からさらにコンセントプラグを引き抜いてトリップバー15がコンセントタップ当接面12側に前進すると、トリガーレバー34の係合部45は上方に移動するためにラッチ部材32の上部片40との係合が外れる。
【0030】
その瞬間、上部の支えを失ったラッチ部材32はリンクピン31から加えられている弾発力によって図13の反時計方向に回転し、リンクピン31の連結部Aが左側に移動する。そのためそれまで維持されていた図13の安定状態が崩れ、回転体30は弾性力により急速に図2の状態まで回転し、これと同時にラッチ部材32の下部片41によるクロスバー33の押圧も解除されるので、可動接触子24は下部が右側に回転し、可動接点23は固定接点21から離れてトリップし、接点がオフとなる。
【0031】
このようにコンセントプラグを引き抜こうとすると、まだ通電プラグ13がコンセントタップに差し込まれた状態において、差込み検出部1及びトリップバー15の外側への移動に連動して接点が開かれるので、アークは可動接点23と固定接点21との間に形成されることとなり、コンセントプラグの外部にアークが飛ぶ危険を防止することができる。可動接点23と固定接点21との間に形成されるアークは通常のブレーカ作動時に発生するアークと同じであるから容易に消弧可能であり、問題はない。この機能を確実に発揮させるために、コンセントタップ当接面12からの通電プラグ13の突設長はトリップバー15の先端部の突設長よりも十分に長くしてある。
【0032】
また、充電中に充電ケーブルの重量によりコンセントプラグが半挿しの状態となったときにも、上記と同様に差込み検出部1及びトリップバー15が外側に移動するので、接点をオフとすることができる。このときにはコンセントプラグはアースプラグ14が突設された下側を中心として上側がコンセントタップから離れるように回転するので、本実施形態のように差込み検出部1を通電プラグ13よりも上側に配置した構造とすれば、一番最初に離れる位置で半挿しを検出することができるから、より精度よく検出することが可能となる。
【0033】
なお、コンセントタップから充電自動車の間で漏電が発生した場合は、ZCT51で漏電が検出され、判定回路52にて漏電が所定値以上であると判断した場合に、リンク機構を動作させてトリップ状態とする。すなわち、判定回路52から出力信号が出されると、ソレノイド53が励磁されプランジャ54を下方向に吸引する。このとき、プランジャ54の上端部と係合しているトリガーレバー34は、軸44を中心としてコンセント当接面12側が上がるように回転する。従って、ラッチ部材32とトリガーレバー34との係合が外れて、上述したコンセントプラグ引抜き時と同様にリンク機構が動作してトリップ状態となる。
【0034】
以上に説明したように、本発明のコンセントプラグはコンセントタップから引き抜かれたときや漏電が検出されたときに電路を遮断して安全を確保できることはもちろん、半挿しの状態になったときにも確実に電路を遮断することができる。また漏電検出時に電路を遮断するリンク機構を、コンセントタップとの当接面の隣接位置に設けたため、差込み検出部の動作を近接位置でリンク機構に伝達することが可能となり、構造の小型化を図ることができる。
【0035】
図14、図15は請求項5〜8に記載した充電ケーブル用コンセントタップの実施形態の説明図である。請求項5〜8の発明は上記したコンセントプラグの機構をコンセントタップ側に置き換えた内容であり、その機能は実質的に同一であり、半挿し状態を検出したときに電路を遮断することができる。このような充電ケーブル用コンセントを用いれば、充電ケーブル用コンセントプラグが上記したような半挿しの検出機能を持たない場合にも、的確に半挿しを検出して電路を遮断することができる。
【0036】
好ましくは、コンセントプラグとの当接面60の上方部に通電プラグ差込み部61を、また下方部にはアースプラグ差込み部62をそれぞれ形成する。また、アースプラグ差込み部62よりも上方位置にコンセントプラグの差込み検出部2を設ける。コンセントプラグの差込み検出部2をコンセントプラグとの当接面60の左右対称線上に配置すれば、左右何れかの方向に捩れるような半挿し状態となっても正確に検出することができるので好ましい。また、コンセントプラグの差込み検出部2を通電プラグ差込み部61よりもさらに上側に配置すれば、半挿しとなるときにコンセントプラグから最も離れ易い位置で的確に半挿しを検出できるので、特に好ましい。
【符号の説明】
【0037】
1 コンセントタップへの差込み検出部
2 コンセントプラグの差込み検出部
10 コンセントプラグ本体
11 ケーブル導入面
12 コンセントタップ当接面
13 通電プラグ
14 アースプラグ
15 トリップバー
16 通電表示灯
17 テストボタン
20 絶縁性のプレート
21 固定接点
22 固定接触子
23 可動接点
24 可動接触子
25 弾性手段
26 後端部
27 突起
30 回転体
31 リンクピン
32 ラッチ部材
33 クロスバー
34 トリガーレバー
35 軸
36 突起
37 斜面
38 当接部
40 上部片
41 下部片
42 フレーム
43 長孔
44 軸
45 係合部
50 漏電引き外し機構
51 ZCT
52 判定回路
53 ソレノイド
54 プランジャ
55 係合部
56 上方屈曲部
60 コンセントプラグとの当接面
61 通電プラグ差込み部
62 アースプラグ差込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電自動車用の充電ケーブルの先端に取付けられるコンセントプラグであって、電路を遮断できるリンク機構が収納されたケースの長手方向の後端面をケーブル導入面とするとともに、ケースの先端面をコンセントタップとの当接面とし、この当接面の上方部には通電プラグを、また下方部にはアースプラグをそれぞれ突設するとともに、アースプラグよりも上方位置にコンセントタップへの差込み検出部を突設したことを特徴とする充電ケーブル用コンセントプラグ。
【請求項2】
差込み検出部をコンセントタップとの当接面の左右対称線上に配置したことを特徴とする請求項1記載の充電ケーブル用コンセントプラグ。
【請求項3】
差込み検出部を通電プラグよりも上側に配置したことを特徴とする請求項1記載の充電ケーブル用コンセントプラグ。
【請求項4】
漏電検出時に電路を遮断するリンク機構を、コンセントタップとの当接面の隣接位置に設けたことを特徴とする請求項1記載の充電ケーブル用コンセントプラグ。
【請求項5】
充電自動車用の充電ケーブル先端に取付けられるコンセントプラグが差し込まれる電源側のコンセントタップであって、漏電検出時に電路を遮断するリンク機構を内蔵するとともに、コンセントプラグとの当接面の上方部には通電プラグ差込み部を、また下方部にはアースプラグ差込み部をそれぞれ形成するとともに、アースプラグ差込み部よりも上方位置にコンセントプラグの差込み検出部を設けたことを特徴とする充電ケーブル用コンセントタップ。
【請求項6】
差込み検出部をコンセントプラグとの当接面の左右対称線上に配置したことを特徴とする請求項5記載の充電ケーブル用コンセントタップ。
【請求項7】
差込み検出部を通電プラグよりも上側に配置したことを特徴とする請求項5記載の充電ケーブル用コンセントタップ。
【請求項8】
漏電検出時に電路を遮断するリンク機構を、コンセントプラグとの当接面の隣接位置に設けたことを特徴とする請求項5記載の充電ケーブル用コンセントタップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−193682(P2011−193682A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59233(P2010−59233)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000227401)日東工業株式会社 (374)
【Fターム(参考)】