説明

充電器

【課題】単一の電源回路で二次電池が装着されていない待機時の電力を削減することができる充電器提供する。
【解決手段】スイッチング素子Q1がスイッチングされることで、第1,第2の制御電圧V2,V3および出力電圧V1を生成するトランスT1と、第1の制御電圧V2を動作電源とし、オン期間の目標値を決定する充電制御回路部7と、第2の制御電圧V3を動作電源とし、スイッチング素子Q1のオン期間が目標値となるようにスイッチング制御を行うスイッチング制御回路部4と、電池接続部10の端子間に設けられた抵抗R3に流れる電流に基づいて二次電池E2の接続を検出する電池装着検出部11とを備え、二次電池E2が接続されていない場合、スイッチング制御を第1の状態にして充電制御回路部7を停止し、二次電池E2が接続されている場合、スイッチング制御を第2の状態にして充電制御回路部7を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を充電する充電器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家電製品の消費電力の低下が求められている中で、待機電力を削減する充電器がある(例えば、特許文献1参照)。この充電器は、二次電池が装着されていないときは、充電電流を供給する回路(充電電力供給回路)の動作を停止させ、充電制御を行うマイコンの電源を確保するための電源回路(充電装置駆動電力供給回路)のみを動作させる。そして、二次電池が装着されると充電電流を供給する回路(充電電力供給回路)を動作させて充電を行うものである。それによって、二次電池が装着されていない待機中の電力を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−333708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の充電器は、充電電力供給回路と充電装置駆動電力供給回路との2つの電源回路(トランス)を備える必要があり、材料費の増加を伴う。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、単一の電源回路で二次電池が装着されていない待機時の電力を削減することができる充電器提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の充電器は、二次電池が接続される接続部と、スイッチング素子を有し、当該スイッチング素子がスイッチングされることで、外部電源から第1,第2の制御電圧および、前記接続部に接続された前記二次電池に印加する出力電圧を生成する電源部と、前記第1の制御電圧を動作電源とし、前記二次電池の状態に応じたパラメータを生成する充電制御部と、前記第2の制御電圧を動作電源とし、前記パラメータに基づいて前記スイッチング素子のスイッチング制御を行うスイッチング制御部と、前記接続部の接続端子間に設けられたインピーダンス素子と、当該インピーダンス素子に流れる電流を検出する電流検出素子とを有し、前記インピーダンス素子に流れる電流が所定値以上であれば前記接続部に前記二次電池が接続されていると判断する接続検出部とを備え、前記スイッチング制御部は、前記スイッチング制御を第1の状態と第2の状態とに切り替え可能で、前記スイッチング制御が前記第1の状態である場合における前記第1,第2の制御電圧および前記出力電圧は、前記スイッチング制御が前記第2の状態である場合に比べて低く、前記接続検出部が、前記二次電池が接続されていないと判断した場合、前記スイッチング制御部は前記スイッチング制御を第1の状態とし、前記第1の状態における前記第1の制御電圧は前記充電制御部の動作可能電圧の範囲より低く、前記第1の状態における前記第2の制御電圧は前記スイッチング制御部の動作可能電圧の範囲内であり、前記第1の状態における前記出力電圧より高い電圧が充電された前記二次電池が前記接続部に接続され、前記接続検出部が、前記二次電池が接続されていると判断した場合、前記スイッチング制御部は前記スイッチング制御を前記第2の状態に切り替え、前記第2の状態における前記第1の制御電圧は前記充電制御部の動作可能電圧の範囲内であり、前記第2の状態における前記第2の制御電圧は前記スイッチング制御部の動作可能電圧の範囲内であることを特徴とする。
【0007】
この充電器において、前記接続検出部は、前記インピーダンス素子に直列接続されたコンデンサを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明では、単一の電源回路で二次電池が装着されていない待機時の電力を削減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態の充電器の回路構成図である。
【図2】(a)〜(c)同上の二次電池接続時のタイミングチャートである。
【図3】充電器の回路構成図である。
【図4】(a)(b)同上の二次電池接続時のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(実施形態)
本実施形態の充電器の回路構成図を図1に示す。本実施形態の充電器は、商用電源E1(外部電源)を入力電源として、二次電池E2(例えば、リチウムイオン(Li−Ion)電池)を充電するエネルギーや充電器を駆動するためのエネルギーを得る。以下に、本実施形態の充電器の構成について説明する。
【0012】
電源接続部1は、一般的にコンセントプラグで構成されており、商用電源E1に接続され、電源接続部1を介して商用電源E1が出力する交流電圧が整流回路部2に供給される。
【0013】
電源接続部1は、一般的にコンセントプラグで構成されており、商用電源E1に接続され、整流回路部2に交流電圧を供給する。
【0014】
整流回路部2は、ダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジと平滑コンデンサC1とで構成されており、商用電源E1から供給される交流電圧を全波整流・平滑して電源回路部3に供給する。
【0015】
電源回路部3は、トランスT1で構成されており、トランスT1は一次巻線n1と第1〜第3の二次巻線n21〜n23とを備え、一次巻線n1および第1〜第3の二次巻線n21〜n23は各々が絶縁されている。
【0016】
一次巻線n1は、一端が平滑コンデンサC1の正極に接続され、他端がスイッチング手段5を介して平滑コンデンサC1の負極に接続されている。スイッチング手段5は、MOSFETからなるスイッチング素子Q1で構成されており、ドレイン端子が一次巻線n1の他端に接続され、ソース端子が平滑コンデンサC1の負極に接続され、ゲート端子がスイッチング制御回路部4に接続されている。そして、スイッチング手段5(スイッチング素子Q1)は、スイッチング制御回路部4(スイッチング制御部)によってスイッチング制御されることによって、一次巻線n1に流れる電流を制御する。なお、電源回路部3とスイッチング手段5とで本願発明の電源部を構成している。
【0017】
第1の二次巻線n21は、両端間にダイオードD5と平滑コンデンサC2とが直列接続されており、二次電池E2に印加する出力電圧V1を平滑コンデンサC2の両端間に生成する。第1の二次巻線n21の一端はダイオードD5のアノードに接続され、ダイオードD5のカソードは平滑コンデンサC2の正極に接続され、平滑コンデンサC2の他端は第1の二次巻線n21の他端に接続されている。
【0018】
第2の二次巻線n22は、両端間にダイオードD6と平滑コンデンサC3とが直列接続されており、スイッチング制御回路部4の動作電源となる第2の制御電圧V3を平滑コンデンサC3の両端間に生成する。第2の二次巻線n22の一端はダイオードD6のアノードに接続され、ダイオードD6のカソードは平滑コンデンサC3の正極に接続され、平滑コンデンサC3の負極は第2の二次巻線n22の他端に接続されている。
【0019】
第3の二次巻線n23は、両端間にダイオードD7と平滑コンデンサC4とが直列接続されており、後述する充電制御回路部7(充電制御部)の動作電源となる第1の制御電圧V2を平滑コンデンサC4の両端間に生成する。第3の二次巻線n23の一端はダイオードD7のアノードに接続され、ダイオードD7のカソードは平滑コンデンサC4の正極に接続され、平滑コンデンサC4の負極は第3の二次巻線n23の他端に接続されている。
【0020】
すなわち、電源回路部3とスイッチング手段5とでフライバックコンバータを構成しており、一次側のエネルギーを磁気エネルギーによって二次側に伝達する。スイッチング素子Q1がオンすると一次巻線n1に電流が流れ、この電流によって磁束が発生する。磁束はトランスT1の鉄心を介して第1〜第3の二次巻線n21〜n23に伝達される。本実施形態では、二次側(第1〜第3の二次巻線n21〜n23)に逆流防止用のダイオードD5〜D7を設けており、スイッチング素子Q1がオンしている間は二次側には電流が流れない。この間に蓄積された磁気エネルギーはスイッチング素子Q1がオフしたときに二次側へ電流として出力される。スイッチング素子Q1のオン期間を調整することで二次側へ伝達するエネルギーを調整、すなわち、第1,第2の制御電圧V2,V3および出力電圧V1を変動させることができる。このスイッチング素子Q1のオン期間の調整は、一般的にPWM制御を用いており、オン期間の目標値(パラメータ)は後述する充電制御回路部7が決定しており、二次電池E2の状態によって変化する。なお、本実施形態ではフライバックコンバータを用いて例を示したが、フォワードコンバータやプッシュプルコンバータなどを用いてもよい。
【0021】
上記構成で、スイッチング素子Q1がスイッチングされることで第1,第2の制御電圧V2,V3および出力電圧V1が生成される。
【0022】
また、充電器は、二次電池E2が接続される電池接続部10(接続部)を備えている。電池接続部10は、二次電池E2を接続するために用いられる機械的接続部であり、二次電池E2の正極に接続される正極端子と、二次電池E2の負極に接続される負極端子とで構成される。正極端子は平滑コンデンサC2の正極に接続され、負極端子は抵抗R1を介して平滑コンデンサC2の負極に接続され、電池接続部10に二次電池E2が接続されると、電池接続部10を介して二次電池E2に出力電圧V2が印加される。なお、図1では正極端子および負極端子のみを記載しているが、一般的には二次電池E2の温度を検出するための温度検出端子や、二次電池E2の情報を得るための情報端子なども設けられる。
【0023】
また、本実施形態の充電器は、充電制御回路部7と電流検出部8と電圧検出部9とを備えており、充電制御回路部7は、電流検出部8と電圧検出部9との検出結果から二次電池E2の状態を判断し、スイッチング素子Q1のオン期間の目標値を決定する。
【0024】
電流検出部8は抵抗R1で構成されており、平滑コンデンサC2の負極と電池接続部10の負極端子との間に介挿されている。電池接続部10に二次電池E2が接続されている場合、平滑コンデンサC2から二次電池E1に供給される充電電流I1が発生すると、この充電電流I1に応じた電圧が抵抗R1の両端間に発生する。充電制御回路部7は、抵抗R1の両端電圧を検出することで、充電電流I1を検出する。
【0025】
電圧検出部9は、図示しない複数の抵抗からなる直列回路が電池接続部10の接続端子(正極端子,負極端子)間に接続されることで構成される。電圧検出部9は、電池接続部10に二次電池E2が接続されている場合、二次電池E2に充電されている二次電池電圧V4の分圧値を生成する。充電制御回路部7は、二次電池電圧V4の分圧値を検出することで、二次電池電圧V4を検出する。
【0026】
充電制御回路部7は、充電電流I1および二次電池電圧V4から二次電池E2の状態を判断し、スイッチング素子Q1のオン期間の目標値を決定する。そして、スイッチング制御回路部4は、スイッチング素子Q1のオン期間が充電制御回路部7が決定した目標値と一致するようにスイッチング素子Q1のスイッチング制御を行う。例えば、充電電流I1が目標電流値より多い場合は、スイッチング素子Q1のオン期間が短くなるようにスイッチング制御することで出力電圧V1を低減させて二次電池E2に供給するエネルギーを減少させる。また、充電電流I1が目標電流値より少ない場合は、スイッチング素子Q1のオン期間が長くなるようにスイッチング制御することで出力電圧V1を増加させて二次電池E2に供給するエネルギーを増加させる。
【0027】
また、二次電池E2(特にリチウムイオン電池など)は過充電を行うと危険であるため、充電制御回路部7は、二次電池電圧V4が所定値に達すると充電電流I1の目標値を徐々に下げるCV充電制御を行う。
【0028】
また、図1には記載していないが、二次電池E2の温度検出機能や異常検出機能が一般的には設けられており、充電制御回路部7は温度が所定温度を上回った場合や異常が発生した場合にスイッチング素子Q1のスイッチング制御を停止する等の処理を行う。
【0029】
また、本実施形態の充電制御回路部7の電源電圧は定電圧(例えば5V)であるため、定電圧回路部6を用いて第1の制御電圧V2を5Vに変換して充電制御回路部7に印加することで充電制御回路部7を駆動している。定電圧回路部6は、三端子レギュレータ61で構成されている。三端子レギュレータ61は入力端子が平滑コンデンサC4の正極に接続されており、第1の制御電圧V2が三端子レギュレータ61の動作可能電圧の範囲内であれば5Vを生成する。三端子レギュレータ61の出力端子は、平滑コンデンサC5の正極および充電制御回路部7の電源端子に接続されており、生成した5Vを平滑して充電制御回路部7に印加している。充電制御回路部7は、三端子レギュレータ61から5Vが出力されると駆動する。すなわち、第1の制御電圧V2が三端子レギュレータ61の動作可能電圧の範囲内であれば充電制御回路部7が駆動し、範囲外であれば充電制御回路部7が停止する。したがって、三端子レギュレータ61の動作可能電圧の範囲が、本願発明の充電制御部の動作可能電圧の範囲に相当する。
【0030】
また、充電制御回路部7が決定したスイッチング素子Q1のオン期間の目標値は、情報伝達部12を用いてスイッチング制御回路部4に伝達される。情報伝達部12は、フォトカプラPC1と抵抗R2とで構成されており、フォトカプラPC1を用いることによって一次側と二次側とを絶縁している。充電制御回路部7の制御端子P71と制御電源Vccとの間に抵抗R2とフォトカプラPC1のダイオードD8とからなる直列回路が接続されている。なお、本実施形態では、三端子レギュレータ61が制御電源Vccを兼用している。
【0031】
そして、充電制御回路部7はスイッチング素子Q1のオン期間の目標値に応じて制御端子P71の出力レベルを変動させる。それによって、制御電源VccからフォトカプラPC1のダイオードD8に流れる電流も変動する。例えば、オン期間の目標値を増加する場合、制御端子P71の出力レベルを増加することでダイオードD8に流れる電流が減少し、フォトカプラPC1のトランジスタTr1のベース電流も減少する。また、オン期間の目標値を減少する場合、制御端子P71の出力レベルを減少することでダイオードD8に流れる電流が増加し、トランジスタTr1のベース電流も増加する。
【0032】
スイッチング制御回路部4は電源制御ICなどによって構成されており、第1の電流出力端子P41がフォトカプラPC1のトランジスタTr1のコレクタに接続されている。そして、スイッチング制御回路部4は、第1の電流出力端子P41が出力する電流I2を検出することで充電制御回路部7からオン期間の目標値を取得する。そして、取得したオン期間の目標値に基づいてスイッチング素子Q1のスイッチング制御を行う。
【0033】
すなわち、スイッチング素子Q1のオン期間の目標値を増加するために、充電制御回路部7が制御端子P71の出力レベルを増加した場合、トランジスタTr1のベース電流が減少し、スイッチング制御回路部4の第1の電流出力端子P41が出力する電流I2が減少する。また、スイッチング素子Q1のオン期間の目標値を減少するために、充電制御回路部7が制御端子P71の出力レベルを減少した場合、スイッチング制御回路部4の第1の電流出力端子P41が出力する電流I2が増加する。そして、スイッチング制御回路部4は、電流I2の大きさが示すオン期間となるように、スイッチング素子Q1のスイッチング制御を行う。すなわち、本実施形態の充電器は、充電制御回路部7を用いて二次電池E2に供給する充電エネルギーのフィードバック制御を行っている。
【0034】
また、スイッチング制御回路部4は、コンデンサC3の両端に生成される第2の制御電圧V3を動作電源としており、第2の制御電圧V3がスイッチング制御回路部4の動作可能電圧の範囲内である場合、スイッチング制御回路部4が駆動して、スイッチング素子Q1のスイッチング制御を行う。
【0035】
なお、本実施形態の充電器は、電源接続部1が商用電源E1に接続された起動時において、所定期間の間スイッチング素子Q1をスイッチングするスイッチ部(図示なし)を備えている。このスイッチ部が所定期間の間スイッチング素子Q1をスイッチングすることで、第2の制御電圧V3がスイッチング制御回路部4の動作可能電圧の範囲内となってスイッチング制御回路部4が始動する。そして、スイッチング制御回路部4の始動後は、スイッチ部が停止し、スイッチング制御回路部4がスイッチング素子Q1のスイッチング制御を行う。
【0036】
また、本実施形態の充電器は、二次電池E2が装着されたことを検出する電池装着検出部11と、電池装着信号伝達部13とを備えている。
【0037】
電池装着検出部11(接続検出部)は、抵抗R3(インピーダンス素子)とフォトカプラPC2(電流検出素子)のダイオードD9とで構成されており、抵抗R3とダイオードD9とからなる直列回路が電池接続部10の正極端子と負極端子との間に接続されている。
【0038】
電池装着信号伝達部13は、フォトカプラPC2のトランジスタTr2で構成されており、トランジスタTr2のコレクタはスイッチング制御回路部4の第2の電流出力端子P42に接続されている。そして、スイッチング制御回路部4は、第2の電流出力端子P42が出力する電流I3に基づいて二次電池E2の装着有無を判断する。
【0039】
二次電池E2が電池接続部10に接続されると、予め二次電池E2に充電された二次電池電圧V4に応じた電流I4が、電池接続部10の正極端子→抵抗R3→ダイオードD9→電池接続部10の負極端子の経路で流れる。この電流I4によってトランジスタTr2のベース電流が増加し、第2の電流出力端子P42が出力する電流I3が増加する。電流I4が増加し、電流I3が所定値以上となった場合に、スイッチング制御回路部4は、二次電池E2が装着されたと判断する。
【0040】
スイッチング制御回路部4は、二次電池E2の装着有無に応じて、スイッチング制御を第1の状態と第2の状態とに切り替えることで、第1,第2の制御電圧V2,V3および出力電圧V1を変動させる。以降、スイッチング制御が第1の状態における第1,第2の制御電圧V2,V3および出力電圧V1を、第1,第2の制御電圧V2a,V3aおよび出力電圧V1aと称す。また、スイッチング制御が第2の状態における第1,第2の制御電圧V2,V3および出力電圧V1を、第1,第2の制御電圧V2b,V3bおよび出力電圧V1bと称す。そして、スイッチング制御が第1の状態である場合における第1,第2の制御電圧V2a,V3aおよび出力電圧V1aは、スイッチング制御が第2の状態である場合における第1,第2の制御電圧V2b,V3bおよび出力電圧V1bに比べて低い。
【0041】
スイッチング制御回路部4は、二次電池E2が装着されていない場合、スイッチング制御を第1の状態とする。このときの第1の制御電圧V2aは、三端子レギュレータ61の動作可能電圧の範囲よりも低く、充電制御回路部7は停止し、第2の制御電圧V3aは、スイッチング制御回路部4の動作可能電圧の範囲内でスイッチング制御回路部4は駆動している。なお、第1の状態における出力電圧V1aは低く、このときの電流I4は小さいので第2の電流出力端子P42が出力する電流II3は所定値未満となる。したがって、二次電池E2の誤検出が防止することができる。
【0042】
また、スイッチング制御回路部4は、二次電池E2が装着されている場合、スイッチング制御を第1の状態から第2の状態に切り替える。このときの第1の制御電圧V2bは、三端子レギュレータ61の動作可能電圧の範囲内で充電制御回路部7は駆動し、第2の制御電圧V3bは、スイッチング制御回路部4の動作可能電圧の範囲内でスイッチング制御回路部4は駆動している。
【0043】
次に、本実施形態の充電器の動作を図2(a)〜(c)を用いて説明する。
【0044】
時間t0において、電源接続部1が商用電源E1に接続されて起動すると、スイッチ部が所定期間の間スイッチング素子Q1をスイッチングすることでスイッチング制御回路部4を始動させる。
【0045】
スイッチング制御回路部4が始動すると、第2の電流出力端子P42が出力する電流I3を確認する。電流I3が所定値未満である場合、スイッチング制御回路部4は二次電池E2が装着されていないと判断し、スイッチング制御を第1の状態とする。したがって、第2の制御電圧V3aによってスイッチング制御回路部4は駆動しているが、第1の制御電圧V2aが三端子レギュレータ61の動作可能範囲よりも低いので、充電制御回路部7が停止状態のままとなる。
【0046】
そして、時間t1において、出力電圧V1aよりも高い二次電池電圧V4が充電された二次電池E2が電池接続部10に接続される。この二次電池E2によって、ダイオードD9に流れる電流I4が増加することによって、電流I3が所定値以上となり、スイッチング制御回路部4は、二次電池E2が接続されたと判断する。すると、スイッチング制御回路部4は、スイッチング制御を第1の状態から第2の状態に切り替える。それによって、第1の制御電圧V2bが三端子レギュレータ61の動作可能電圧の範囲内となり、充電制御回路部7が駆動が開始する。また、出力電圧V1も増加して、二次電池E2の充電が開始される。
【0047】
以降は、充電制御回路部7が二次電池E2の状態からオン期間の目標値を決定し、スイッチング制御回路部4は、スイッチング素子Q1のオン期間が目標値と一致するようにフィードバック制御を行う。
【0048】
このように、本実施形態では、二次電池E2が接続されていない待機時において、第1,第2の制御電圧V2,V3および出力電圧V1を低減し、充電制御回路部7を停止させることによって、消費電力を削減することができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、充電制御回路部7の動作電源である第1の制御電圧V2,スイッチング制御回路部4の動作電源である第2の制御電圧V3と、二次電池E2に印加する出力電圧V1とを単一の電源回路(トランスT1)で生成している。そのため、従来のように、複数の電源回路(トランス)を備える必要がないので、材料費を削減することができる。
【0050】
また、図3に示すように、電池装着検出部11において、フォトカプラPC2のダイオードD9と電池接続部10の負極端子との間にコンデンサC6を接続してもよい。コンデンサC6を備えていない場合、電源接続部1が商用電源E1に未接続で、二次電池E2が装着されていると、二次電池E2から微小な電流I4が抵抗R3に流れて放電し続けることで深放電となってしまう。そこで、電池装着検出部11にコンデンサC6を設けることで、二次電池E2から抵抗R3に電流が流れ続けることを防止し、二次電池E2の深放電を防止することができる。
【0051】
図4(a)〜(b)に示すように、時間t2において二次電池E2が装着されると、電流I4によってコンデンサC6が充電されるまでの所定時間のみ電流I4が流れて、その後は減少する。そのため、電源接続部1に商用電源E1が未接続である場合でも、二次電池E2の深放電を防止することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 電源接続部
2 整流回路部
3 電源回路部
4 スイッチング制御回路部
5 スイッチング手段
6 定電圧回路部
7 充電制御回路部
8 電流検出部
9 電圧検出部
10 電池接続部
11 電池装着検出部
12 信号伝達部
13 電池装着信号伝達部
Q1 スイッチング素子
E2 二次電池



【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池が接続される接続部と、
スイッチング素子を有し、当該スイッチング素子がスイッチングされることで、外部電源から第1,第2の制御電圧および、前記接続部に接続された前記二次電池に印加する出力電圧を生成する電源部と、
前記第1の制御電圧を動作電源とし、前記二次電池の状態に応じたパラメータを生成する充電制御部と、
前記第2の制御電圧を動作電源とし、前記パラメータに基づいて前記スイッチング素子のスイッチング制御を行うスイッチング制御部と、
前記接続部の接続端子間に設けられたインピーダンス素子と、当該インピーダンス素子に流れる電流を検出する電流検出素子とを有し、前記インピーダンス素子に流れる電流が所定値以上であれば前記接続部に前記二次電池が接続されていると判断する接続検出部とを備え、
前記スイッチング制御部は、前記スイッチング制御を第1の状態と第2の状態とに切り替え可能で、前記スイッチング制御が前記第1の状態である場合における前記第1,第2の制御電圧および前記出力電圧は、前記スイッチング制御が前記第2の状態である場合に比べて低く、
前記接続検出部が、前記二次電池が接続されていないと判断した場合、前記スイッチング制御部は前記スイッチング制御を第1の状態とし、前記第1の状態における前記第1の制御電圧は前記充電制御部の動作可能電圧の範囲より低く、前記第1の状態における前記第2の制御電圧は前記スイッチング制御部の動作可能電圧の範囲内であり、
前記第1の状態における前記出力電圧より高い電圧が充電された前記二次電池が前記接続部に接続され、前記接続検出部が、前記二次電池が接続されていると判断した場合、前記スイッチング制御部は前記スイッチング制御を前記第2の状態に切り替え、前記第2の状態における前記第1の制御電圧は前記充電制御部の動作可能電圧の範囲内であり、前記第2の状態における前記第2の制御電圧は前記スイッチング制御部の動作可能電圧の範囲内であることを特徴とする充電器。
【請求項2】
前記接続検出部は、前記インピーダンス素子に直列接続されたコンデンサを備えることを特徴とする請求項1記載の充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−70453(P2013−70453A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205309(P2011−205309)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(509119153)パナソニックESパワーツール株式会社 (107)
【Fターム(参考)】