充電装置および充電方法
【課題】充電が完了する時間を充電装置側で求め、利用者に通知する充電装置および充電方法を提供する。
【解決手段】車種情報とバッテリ容量情報を記録する記録部と、利用者が充電する車両に関する車両情報と残量情報を取得する入力部と、車両に接続する充電用のケーブルにセンサを設け、センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求める計測部と、車両情報と一致する車種情報に関連するバッテリ容量情報を取得して、バッテリ容量情報、残量情報と電力値を用いて、充電の完了予定時間を求める演算部と、充電完了時間を出力する出力部と、を備える充電装置である。
【解決手段】車種情報とバッテリ容量情報を記録する記録部と、利用者が充電する車両に関する車両情報と残量情報を取得する入力部と、車両に接続する充電用のケーブルにセンサを設け、センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求める計測部と、車両情報と一致する車種情報に関連するバッテリ容量情報を取得して、バッテリ容量情報、残量情報と電力値を用いて、充電の完了予定時間を求める演算部と、充電完了時間を出力する出力部と、を備える充電装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリに充電する充電装置および充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外部電源から充電したバッテリで動くモータとエンジンを備えたプラグインハイブリッド(PHV)車や、充電したバッテリを用いて動く電気自動車(EV)などが普及し、充電装置が車両に搭載されているバッテリを充電するのに要する時間を、利用者に通知する技術が求められている。
【0003】
しかしながら、例えば、交流電流を用いて充電をする普通充電の場合、急速充電をする場合と異なり車両側から充電状態(SOC)が得られない。そのため、充電装置側で現在のバッテリの残量が分からないため、充電が完了する時間を利用者は知ることができない。
【0004】
関連する技術として、例えば、充電装置の利用効率を向上させることができ、かつ、初期コストおよび運用コストを抑えることができる電動車両の充電システムが知られている。その充電システムによれば、電動車両のバッテリに電力を供給する電力供給手段と、充電指示情報を入力可能とする情報入力手段と、情報表示手段、および利用者から料金を回収する料金回収手段を有する充電端末機と、記憶装置と演算装置を備えている。そして、情報入力手段から入力された充電指示情報を記憶し、充電開始予定時間、充電終了予定時間および充電料金を含む充電予約情報を計算し、電力供給手段の使用可能時間を設定する。
【0005】
また、例えば電動車両のバッテリ充電による電力不足を防ぐ充電システムが知られている。その充電システムによれば、電動車両駆動用バッテリを充電する充電器と、バッテリのバッテリ状態に応じて充電器を制御する制御手段とを備える。制御手段は、バッテリ状態に応じて充電時間を算出する第1の演算手段と、バッテリの所定充電完了時刻および第1の演算手段により算出された充電時間とに基づいてバッテリの充電開始時刻を算出する第2の演算手段と、第2の演算手段により算出された充電開始時刻に充電器による充電を開始する開始手段とを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−28913号公報
【特許文献2】特開平8−111909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、充電が完了する時間を充電装置側で求め、利用者に通知する充電装置および充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の態様の充電装置は、記録部、入力部、計測部、演算部、出力部を備えている。
記録部は、車両各々に関連付けている車種情報と上記車種情報に関連付けている車種各々のバッテリ容量情報を記録する。入力部は、利用者が充電する車両に関する車両情報と残量情報を取得する。計測部は、上記車両に接続する充電用のケーブルにセンサを設け、上記センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求める。演算部は、上記車両情報と一致する上記車種情報に関連する上記バッテリ容量情報を取得して、上記バッテリ容量情報、上記残量情報と上記電力値を用いて、充電の完了予定時間を求める。出力部は、上記充電完了時間を出力する。
【0009】
上記のように充電装置を用いることにより、充電が完了する予定時間を充電装置側で求めることができるとともに、充電が完了する予定時間に利用者に通知することができる。
【発明の効果】
【0010】
実施の態様は、バッテリの充電が完了する時間を充電装置側で求めることができ、かつ利用者に通知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態1の一実施例を示すシステム図である。
【図2】図2は、実施形態1の充電装置と充電コントローラの関係の一実施例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態1の制御部の一実施例を示す図である。
【図4】図4は、実施形態1の制御部の動作の一実施例を示す図である。
【図5】図5は、実施形態1の記録部に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図6】図6は、実施形態1の残量入力方法の一実施例を示す図である。
【図7】図7は、実施形態2の制御部の動作の一実施例を示す図である。
【図8】図8は、実施形態2の記録部に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図9】図9は、実施形態3の制御部の動作の一実施例を示す図である。
【図10】図10は、実施形態3の記録部に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図11】図11は、出力方法の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1の一実施例を示す図である。図1は充電装置1から車両2のバッテリ7へ充電コントローラ8を介して充電することを示す図である。図1に示す例では、充電装置1に接続されたケーブル3を介して、ケーブル3に接続されたプラグ4を車両2の充電口に利用者が接続する。
【0013】
充電装置1は、車両2のバッテリ7を充電するための装置であり、外部電力源から充電に必要な電力を受電する。受電した電力は、充電装置1に設けられた後述する制御部21などにより制御され、車両2のバッテリ7に供給される。外部電力源から充電される電力は、例えば、電力会社から供給される電力であってもよいし、自宅などの発電設備を利用して発電した電力でもよい。充電方法は、AC100VもしくはAC200Vなどを用いる普通充電であってもよいし、非接触充電などであってもよい。ただし、本実施の形態における充電装置1は、車両2側から充電状態(SOC)を取得する必要はない。また、充電装置1は、充電する際に利用者が必要な情報を入力する後述する入力部5と、利用者に充電に関する情報を提供するための後述する出力部6を備えている。また、充電装置1は、屋外または屋内に設置され、店舗に設けられた駐車場、専用駐車場などに設けられてもよい。
【0014】
入力部5は、利用者が当該装置の操作を行うために用いる。例えば、入力部5はキーボード、タッチパネルなどである。また、入力部5は、車両の種類に関する車両情報、バッテリの残量に関する残量情報を受け付ける。
【0015】
出力部6は、利用者に充電完了予定時間を出力する。また、出力部6は、例えば、液晶モニタやディスプレイ装置やプリンタなどである。
車両2はプラグインハイブリッド車や電気自動車である。また、車両2は後述するバッテリ7と充電コントローラ8を備えている。充電コントローラ8は、バッテリ7を充電する際に、電力量を制御する。
【0016】
図2は、実施形態1の充電装置1と充電コントローラ8の関係の一実施例を示す図である。
充電装置1は、制御部21、後述する計測部22、センサ23、スイッチ24を備えている。制御部21は、入力部5、出力部6、計測部22、スイッチ24を制御する。制御部21は、バッテリ7を充電するときスイッチ24をオンさせて電力を供給し、充電しないときはスイッチ24をオフさせて電力を供給しないように、スイッチ24を制御する。なお、制御部21の機能は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いて実現してもよい。
【0017】
計測部22は、センサ23が計測した電流値と電圧値に基づいて求めた電力値を制御部21に転送する。なお、計測部22は、予め設定された間隔で制御部21から計測の指示を受信して、センサ23から計測結果を取得する。電圧値は、電力計を用いて計測してもよいし、予め記録部に記録しておいてもよい。
【0018】
センサ23は計測部22に接続されており、ケーブル3の電流を計測して、計測部22に計測した結果を転送する。ここで、センサ23は例えば電流センサや電流計などである。
【0019】
スイッチ24は、外部電力源25とプラグ4との間に設けられ、制御部21により外部電力源25とプラグ4間の導通と遮断を行う切り替え制御が行われる。
充電コントローラ8は、整流部26、スイッチ27、バッテリ残量検出部28、制御部29などを備えている。
【0020】
制御部29は、CPUやプログラマブルデバイスとメモリなどを備え、充電コントローラ8の各部を制御するとともに、充電開始指令によりスイッチ27の制御を開始する。バッテリ残量検出部28は、バッテリ7の電圧などからバッテリ残量を算出し、バッテリ残量を用いて車両のフロントパネルなどにバッテリ残量を表示する。なお、バッテリ残量検出部28の機能は制御部21に設けてもよい。整流部26は、例えば、外部電力源25から供給される交流をバッテリが必要な直流電力に変換してバッテリ7に供給する。スイッチ27は、プラグ4とバッテリ7との間に設けられ、制御部29によりプラグ4とバッテリ7間の導通と遮断を行う切り替え制御が行われる。
【0021】
充電装置1の動作について説明する。
図3は、実施形態1の制御部21の一実施例を示す図である。制御部21は、演算部31、記録部32を備えている。演算部31について図4を用いて説明する。記録部32について図5を用いて説明する。図4は、実施形態1の演算部31の動作の一実施例を示す図である。図5は、実施形態1の記録部32に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【0022】
ステップS1では、演算部31が入力部5から利用者により入力された車種およびバッテリ残量に関する情報を取得する。例えば、利用者が入力部5から車両と現在のバッテリの残量「40」(40%)を入力すると、図5の記録部32のテーブル51に示すように「車両」に「車両A」が記録され、「残量」に「40%」が記録される。図5のテーブル51の例では、「車両」には車両を識別するための識別子が記録され、本例では「車両A」が記録されている。なお、車両の名称を記録してもよい。「残量」には、利用者が車両のフロントパネルなどに表示されているバッテリの残量を参照して、入力部5から入力した残量が記録される。本例では、残量を車両のフロントパネルなどのバッテリ残量表示に基づいて、総充電量に対する残量の割合をパーセントで入力する。
【0023】
また、べつの方法として、入力部5が残量情報を取得するとき、車両側のバッテリ残量表示に対応する表示を入力部5に表示する。そして、利用者に車両側のバッテリ残量表示に表示している状態相当になるように、入力部5に表示しているバッテリ残量表示を操作することを促す。次に、車両側のバッテリ残量表示の状態相当の入力が完了しているとき、バッテリ容量に対する残量の割合を求めて、演算部31に出力する。例えば、フロントパネルに図6に示すようなバッテリ残量表示部61があり、バッテリ残量表示部61には20個の目盛り62を備え、充電量が満充電のとき全ての目盛り62が、斜線で埋められる。図6の場合には現在の残量(斜線部分)が8個の目盛りで埋められているので、残量が総充電量に対してまだ40%あることが分かるので、利用者は40%を入力部5から入力する。
【0024】
また、出力部6に図6に示すような、フロントパネルに表示されたバッテリ残量表示部61相当のバッテリ残量表示部63を表示する。そして、利用者にバッテリ残量表示部61に現在示されている残量(斜線部分)と同じバッテリ残量表示部63の目盛り64を、指65などで選ぶことで、総充電量に対する残量の割合を求めてもよい。なお、残量の入力は本実施例に限定されるものではなく、バッテリ残量表示部61相当の残量を入力できるものであればよい。
【0025】
ステップS2では、演算部31が充電開始指令を取得する。充電開始指令は、例えば、車両2にプラグ4が接続されたことを制御部21が検知したときに生成される。なお、演算部31が充電開始指令を取得すると、スイッチ24もオンしてバッテリ7への充電が開始される。
【0026】
ステップS3では、演算部31が記録部32から電力値を取得する。図5に示す例では、入力された「車両A」に関連付けられている「バッテリ情報」である「16kWh」を取得する。テーブル52は、記録部32に記録され「車種」「バッテリ情報」を有している。「車種」には、車両を識別するための識別子が記録され、本例では「車両A」「車両B」記録されている。「バッテリ情報」には、車両に対応するバッテリの情報が記録され、本例ではバッテリの情報として、各「車両A」「車両B」各々に対応するバッテリの満充電時のバッテリ容量「16kWh」「3kWh」が記録されている。
【0027】
ステップS4で演算部31は、演算部31が充電完了予定時間を求める。例えば、演算は式1を用いて求める。
充電完了予定時間=バッテリ容量×(1−残量/100)/電力値 (式1)
例えば、バッテリ容量が16kWhであり、残量が40%であり、電力値が2.8kWであるとき、充電完了予定時間は3.4hとなる。
【0028】
ステップS5では、演算部31が出力部6に、演算した結果である充電完了予定時間を出力部6に表示するために通知する。図5に示す例では、入力された「車両A」に関連付けて、記録部32のテーブル53に記録される。テーブル53は、「完了予定時間」を有している。「完了予定時間」には、充電完了予定時間が記録され、本例では「3.4h」が記録されている。
【0029】
本例では、充電をステップS2で開始しているが、必ずしもこのタイミングで充電を開始する必要はない。例えば、充電を開始していいかを利用者に問い合わせた後、充電をしてもいい事を示す回答を、入力部5を介して取得してから充電を開始してもよい。
【0030】
上記のように処理することにより、バッテリの充電が完了する時間を充電装置側から利用者に通知することができる。また、車両側から充電状態を取得する必要がなくなる。
実施形態2について説明する。
【0031】
図7は、実施形態2の制御部21の動作の一実施例を示す図である。図8は、実施形態2の記録部32に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
ステップS71では、ステップS1同様に、演算部31が車種と残量に関する情報を取得する。
【0032】
ステップS72では、ステップS2同様に、演算部31が充電開始指令を取得する。
ステップS73では、ステップS3同様に、演算部31が計測部22から電力値に関する情報を取得する。
【0033】
ステップS74では、まず演算部31が充電完了予定時間を求める。例えば、演算は式1を用いて求める。例えば、バッテリ容量が16kWhであり、残量が40%であり、電力値が2.8kWであるとき、充電完了予定時間は3.4hとなる。残量はテーブル81の「残量」から取得する。バッテリ容量はテーブル82の「バッテリ情報」から取得する。
【0034】
次に、予め記録されている充電完了予定時間に対応する駐車料金を、求めた充電完了予定時間に基づいて決定する。例えば、1時間までが500円であり、2時間までが1000円であり。3時間までが1500円であり、4時間まで2000円である場合、本例の充電完了予定時間は3.4hであるので2000円を記録部32のテーブル83に記録する。図8のテーブル83では、「駐車時間」「駐車料金」を有している。「駐車時間」には、・・・「1.0h」「2.0h」「3.0h」「4.0h」・・・、「駐車料金」は、・・・「500円」「1000円」「2000円」「3000円」・・・が記録されている。
【0035】
ステップS75では、演算部31が出力部6に、演算した結果である充電完了予定時間を出力部6に表示するために通知する。図8に示す例では、入力された「車両A」に関連付けて、記録部32のテーブル84に記録される。テーブル84は、「完了予定時間」「駐車料金」を有している。「完了予定時間」には、充電完了予定時間が記録され、本例では「3.4h」が記録されている。「駐車料金」には、充電完了予定時間に対応する駐車時間が記録され、本例では充電完了予定時間が3.4hであるので、テーブル83を参照して「2000円」が「駐車料金」に記録されている。なお、本例では「完了予定時間」「駐車料金」を記録しているが、いずれかひとつを記録するだけでもよい。
【0036】
本例では、充電をステップS72で開始しているが、必ずしもこのタイミングで充電を開始する必要はない。例えば、充電を開始していいかを利用者に問い合わせた後、充電をしてもいい事を示す回答を、入力部5を介して取得してから充電を開始してもよい。
【0037】
上記のように処理することにより、充電完了予定時間を充電装置側で求めて利用者に通知することができ、車両側から充電状態を取得する必要がなくなる。また、有料駐車場などに充電装置1を設置する場合に、バッテリの充電が完了する時間を用いて駐車料金を求めることができる。その結果、利用者に充電に必要な駐車料金を提供することができる。
【0038】
実施形態3について説明する。
図9は、実施形態3の制御部21の動作の一実施例を示す図である。図10は、実施形態3の記録部32に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【0039】
ステップS91では、演算部31が入力部5から車種、残量と停止条件に関する情報を取得する。停止条件は、例えば、総充電量に対してどれくらいの充電をするかなどの条件である。総充電量に対してどれくらいの充電をするかは、例えば、80%の充電をするのであれば、入力部5から「80」入力する。そして、演算部31は記録部32のテーブル101の「条件」に「80%」が記録される。
【0040】
ステップS92では、ステップS2同様に、演算部31が充電開始指令を取得する。
ステップS93では、ステップS3同様に、演算部31が計測部22から電力値に関する情報を取得する。
【0041】
ステップS94では、まず演算部31が充電完了予定時間を求める。例えば、演算は式2を用いて求める。
充電完了予定時間=バッテリ容量×((条件−残量)/100)/電力値 (式2)
例えば、バッテリ容量が16kWhであり、残量が40%であり、条件が80%であり、電力値が2.8kWであるとき、充電完了予定時間は2.3hとなる。条件と残量はテーブル101の「残量」から取得する。バッテリ容量はテーブル102の「バッテリ情報」から取得する。
【0042】
ステップS95では、演算部31が出力部6に、演算した結果である充電完了予定時間を出力部6に表示するために通知する。図10に示す例では、入力された「車両A」に関連付けて、記録部32のテーブル103に記録される。テーブル103は、「完了予定時間」を有している。「完了予定時間」には、充電完了予定時間が記録され、本例では「2.3h」が記録されている。
【0043】
また、予め記録されている充電完了予定時間に対応する駐車料金を、求めた充電完了予定時間に基づいて決定してもよい。例えば、1時間までが500円であり、2時間までが1000円であり。3時間までが1500円であり、4時間まで2000円である場合、本例の充電完了予定時間は2.3hであるので1500円を記録部32に記録する。
【0044】
上記のように処理することにより、充電完了予定時間を充電装置側で求めて利用者に通知することができ、車両側から充電状態を取得する必要がなくなる。また、有料駐車場などに充電装置1を設置する場合に、バッテリの充電が完了する時間を用いて駐車料金を求めることができる。その結果、利用者に充電に必要な駐車料金を提供することができる。
【0045】
出力方法について説明する。
図11は、出力方法の一実施例を示す図である。
図11は、出力部6に表示される入力内容表示部111と演算結果表示部112を有している。図11の例では入力内容表示部111には、「車両」「バッテリ容量」「残量」を表示する。例えば、実施形態1の場合であれば、「車両」には車両名を表示する。本例では「車両A」が表示される。「バッテリ容量」には、バッテリ容量が表示される。本例では「16kWh」が表示される。「残量」には、入力した残量が表示される。本例では「40%」が表示される。表示する情報は記録部32に記録されている各テーブルから取得する。
【0046】
図11の例では演算結果表示部112には、「完了予定時間」「駐車料金」を表示する。例えば、実施形態1の場合であれば、「完了予定時間」には演算した充電完了予定時間を表示する。本例では「3.4h」が表示される。「駐車料金」には、完了予定時間に対する駐車料金が表示される。本例では「2000円」が表示される。表示する情報は記録部32に記録されている各テーブルから取得する。
【0047】
なお、図11の表示は一例であり、上記説明した表示方法に限らず他の情報を利用者に提示してもよい。
上記のように表示することにより、利用者に充電時間に関する情報を提示することができるため、充電時間が限られている場合などに、充電時間に基づいて充電する容量を決めることができる。また、利用者は所持金に応じて駐車料金を決めることができる。
【0048】
また、上記実施態様1〜3では充電完了予定時間を現在から何時間で完了するかについて示しているが、充電時間が長い場合などは、充電完了予定日時を表示することが望ましい。例えば、午後11時から充電して次の日の明け方4時まで充電にかかるとき、「開始2010年4月5日23時」「完了2010年4月6日4時」と表示する。
【0049】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 充電装置、
2 車両、
3 ケーブル、
4 プラグ、
5 入力部、
6 出力部、
7 バッテリ、
8 充電コントローラ、
21 制御部、
22 計測部、
23 センサ、
24 スイッチ、
25 外部電力源、
26 整流部、
27 スイッチ、
28 バッテリ残量検出部、
29 制御部、
31 演算部、
32 記録部、
61 バッテリ残量表示部、
63 バッテリ残量表示部、
111 入力内容表示部、
112 演算結果表示部、
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリに充電する充電装置および充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外部電源から充電したバッテリで動くモータとエンジンを備えたプラグインハイブリッド(PHV)車や、充電したバッテリを用いて動く電気自動車(EV)などが普及し、充電装置が車両に搭載されているバッテリを充電するのに要する時間を、利用者に通知する技術が求められている。
【0003】
しかしながら、例えば、交流電流を用いて充電をする普通充電の場合、急速充電をする場合と異なり車両側から充電状態(SOC)が得られない。そのため、充電装置側で現在のバッテリの残量が分からないため、充電が完了する時間を利用者は知ることができない。
【0004】
関連する技術として、例えば、充電装置の利用効率を向上させることができ、かつ、初期コストおよび運用コストを抑えることができる電動車両の充電システムが知られている。その充電システムによれば、電動車両のバッテリに電力を供給する電力供給手段と、充電指示情報を入力可能とする情報入力手段と、情報表示手段、および利用者から料金を回収する料金回収手段を有する充電端末機と、記憶装置と演算装置を備えている。そして、情報入力手段から入力された充電指示情報を記憶し、充電開始予定時間、充電終了予定時間および充電料金を含む充電予約情報を計算し、電力供給手段の使用可能時間を設定する。
【0005】
また、例えば電動車両のバッテリ充電による電力不足を防ぐ充電システムが知られている。その充電システムによれば、電動車両駆動用バッテリを充電する充電器と、バッテリのバッテリ状態に応じて充電器を制御する制御手段とを備える。制御手段は、バッテリ状態に応じて充電時間を算出する第1の演算手段と、バッテリの所定充電完了時刻および第1の演算手段により算出された充電時間とに基づいてバッテリの充電開始時刻を算出する第2の演算手段と、第2の演算手段により算出された充電開始時刻に充電器による充電を開始する開始手段とを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−28913号公報
【特許文献2】特開平8−111909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、充電が完了する時間を充電装置側で求め、利用者に通知する充電装置および充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の態様の充電装置は、記録部、入力部、計測部、演算部、出力部を備えている。
記録部は、車両各々に関連付けている車種情報と上記車種情報に関連付けている車種各々のバッテリ容量情報を記録する。入力部は、利用者が充電する車両に関する車両情報と残量情報を取得する。計測部は、上記車両に接続する充電用のケーブルにセンサを設け、上記センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求める。演算部は、上記車両情報と一致する上記車種情報に関連する上記バッテリ容量情報を取得して、上記バッテリ容量情報、上記残量情報と上記電力値を用いて、充電の完了予定時間を求める。出力部は、上記充電完了時間を出力する。
【0009】
上記のように充電装置を用いることにより、充電が完了する予定時間を充電装置側で求めることができるとともに、充電が完了する予定時間に利用者に通知することができる。
【発明の効果】
【0010】
実施の態様は、バッテリの充電が完了する時間を充電装置側で求めることができ、かつ利用者に通知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態1の一実施例を示すシステム図である。
【図2】図2は、実施形態1の充電装置と充電コントローラの関係の一実施例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態1の制御部の一実施例を示す図である。
【図4】図4は、実施形態1の制御部の動作の一実施例を示す図である。
【図5】図5は、実施形態1の記録部に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図6】図6は、実施形態1の残量入力方法の一実施例を示す図である。
【図7】図7は、実施形態2の制御部の動作の一実施例を示す図である。
【図8】図8は、実施形態2の記録部に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図9】図9は、実施形態3の制御部の動作の一実施例を示す図である。
【図10】図10は、実施形態3の記録部に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図11】図11は、出力方法の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1の一実施例を示す図である。図1は充電装置1から車両2のバッテリ7へ充電コントローラ8を介して充電することを示す図である。図1に示す例では、充電装置1に接続されたケーブル3を介して、ケーブル3に接続されたプラグ4を車両2の充電口に利用者が接続する。
【0013】
充電装置1は、車両2のバッテリ7を充電するための装置であり、外部電力源から充電に必要な電力を受電する。受電した電力は、充電装置1に設けられた後述する制御部21などにより制御され、車両2のバッテリ7に供給される。外部電力源から充電される電力は、例えば、電力会社から供給される電力であってもよいし、自宅などの発電設備を利用して発電した電力でもよい。充電方法は、AC100VもしくはAC200Vなどを用いる普通充電であってもよいし、非接触充電などであってもよい。ただし、本実施の形態における充電装置1は、車両2側から充電状態(SOC)を取得する必要はない。また、充電装置1は、充電する際に利用者が必要な情報を入力する後述する入力部5と、利用者に充電に関する情報を提供するための後述する出力部6を備えている。また、充電装置1は、屋外または屋内に設置され、店舗に設けられた駐車場、専用駐車場などに設けられてもよい。
【0014】
入力部5は、利用者が当該装置の操作を行うために用いる。例えば、入力部5はキーボード、タッチパネルなどである。また、入力部5は、車両の種類に関する車両情報、バッテリの残量に関する残量情報を受け付ける。
【0015】
出力部6は、利用者に充電完了予定時間を出力する。また、出力部6は、例えば、液晶モニタやディスプレイ装置やプリンタなどである。
車両2はプラグインハイブリッド車や電気自動車である。また、車両2は後述するバッテリ7と充電コントローラ8を備えている。充電コントローラ8は、バッテリ7を充電する際に、電力量を制御する。
【0016】
図2は、実施形態1の充電装置1と充電コントローラ8の関係の一実施例を示す図である。
充電装置1は、制御部21、後述する計測部22、センサ23、スイッチ24を備えている。制御部21は、入力部5、出力部6、計測部22、スイッチ24を制御する。制御部21は、バッテリ7を充電するときスイッチ24をオンさせて電力を供給し、充電しないときはスイッチ24をオフさせて電力を供給しないように、スイッチ24を制御する。なお、制御部21の機能は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いて実現してもよい。
【0017】
計測部22は、センサ23が計測した電流値と電圧値に基づいて求めた電力値を制御部21に転送する。なお、計測部22は、予め設定された間隔で制御部21から計測の指示を受信して、センサ23から計測結果を取得する。電圧値は、電力計を用いて計測してもよいし、予め記録部に記録しておいてもよい。
【0018】
センサ23は計測部22に接続されており、ケーブル3の電流を計測して、計測部22に計測した結果を転送する。ここで、センサ23は例えば電流センサや電流計などである。
【0019】
スイッチ24は、外部電力源25とプラグ4との間に設けられ、制御部21により外部電力源25とプラグ4間の導通と遮断を行う切り替え制御が行われる。
充電コントローラ8は、整流部26、スイッチ27、バッテリ残量検出部28、制御部29などを備えている。
【0020】
制御部29は、CPUやプログラマブルデバイスとメモリなどを備え、充電コントローラ8の各部を制御するとともに、充電開始指令によりスイッチ27の制御を開始する。バッテリ残量検出部28は、バッテリ7の電圧などからバッテリ残量を算出し、バッテリ残量を用いて車両のフロントパネルなどにバッテリ残量を表示する。なお、バッテリ残量検出部28の機能は制御部21に設けてもよい。整流部26は、例えば、外部電力源25から供給される交流をバッテリが必要な直流電力に変換してバッテリ7に供給する。スイッチ27は、プラグ4とバッテリ7との間に設けられ、制御部29によりプラグ4とバッテリ7間の導通と遮断を行う切り替え制御が行われる。
【0021】
充電装置1の動作について説明する。
図3は、実施形態1の制御部21の一実施例を示す図である。制御部21は、演算部31、記録部32を備えている。演算部31について図4を用いて説明する。記録部32について図5を用いて説明する。図4は、実施形態1の演算部31の動作の一実施例を示す図である。図5は、実施形態1の記録部32に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【0022】
ステップS1では、演算部31が入力部5から利用者により入力された車種およびバッテリ残量に関する情報を取得する。例えば、利用者が入力部5から車両と現在のバッテリの残量「40」(40%)を入力すると、図5の記録部32のテーブル51に示すように「車両」に「車両A」が記録され、「残量」に「40%」が記録される。図5のテーブル51の例では、「車両」には車両を識別するための識別子が記録され、本例では「車両A」が記録されている。なお、車両の名称を記録してもよい。「残量」には、利用者が車両のフロントパネルなどに表示されているバッテリの残量を参照して、入力部5から入力した残量が記録される。本例では、残量を車両のフロントパネルなどのバッテリ残量表示に基づいて、総充電量に対する残量の割合をパーセントで入力する。
【0023】
また、べつの方法として、入力部5が残量情報を取得するとき、車両側のバッテリ残量表示に対応する表示を入力部5に表示する。そして、利用者に車両側のバッテリ残量表示に表示している状態相当になるように、入力部5に表示しているバッテリ残量表示を操作することを促す。次に、車両側のバッテリ残量表示の状態相当の入力が完了しているとき、バッテリ容量に対する残量の割合を求めて、演算部31に出力する。例えば、フロントパネルに図6に示すようなバッテリ残量表示部61があり、バッテリ残量表示部61には20個の目盛り62を備え、充電量が満充電のとき全ての目盛り62が、斜線で埋められる。図6の場合には現在の残量(斜線部分)が8個の目盛りで埋められているので、残量が総充電量に対してまだ40%あることが分かるので、利用者は40%を入力部5から入力する。
【0024】
また、出力部6に図6に示すような、フロントパネルに表示されたバッテリ残量表示部61相当のバッテリ残量表示部63を表示する。そして、利用者にバッテリ残量表示部61に現在示されている残量(斜線部分)と同じバッテリ残量表示部63の目盛り64を、指65などで選ぶことで、総充電量に対する残量の割合を求めてもよい。なお、残量の入力は本実施例に限定されるものではなく、バッテリ残量表示部61相当の残量を入力できるものであればよい。
【0025】
ステップS2では、演算部31が充電開始指令を取得する。充電開始指令は、例えば、車両2にプラグ4が接続されたことを制御部21が検知したときに生成される。なお、演算部31が充電開始指令を取得すると、スイッチ24もオンしてバッテリ7への充電が開始される。
【0026】
ステップS3では、演算部31が記録部32から電力値を取得する。図5に示す例では、入力された「車両A」に関連付けられている「バッテリ情報」である「16kWh」を取得する。テーブル52は、記録部32に記録され「車種」「バッテリ情報」を有している。「車種」には、車両を識別するための識別子が記録され、本例では「車両A」「車両B」記録されている。「バッテリ情報」には、車両に対応するバッテリの情報が記録され、本例ではバッテリの情報として、各「車両A」「車両B」各々に対応するバッテリの満充電時のバッテリ容量「16kWh」「3kWh」が記録されている。
【0027】
ステップS4で演算部31は、演算部31が充電完了予定時間を求める。例えば、演算は式1を用いて求める。
充電完了予定時間=バッテリ容量×(1−残量/100)/電力値 (式1)
例えば、バッテリ容量が16kWhであり、残量が40%であり、電力値が2.8kWであるとき、充電完了予定時間は3.4hとなる。
【0028】
ステップS5では、演算部31が出力部6に、演算した結果である充電完了予定時間を出力部6に表示するために通知する。図5に示す例では、入力された「車両A」に関連付けて、記録部32のテーブル53に記録される。テーブル53は、「完了予定時間」を有している。「完了予定時間」には、充電完了予定時間が記録され、本例では「3.4h」が記録されている。
【0029】
本例では、充電をステップS2で開始しているが、必ずしもこのタイミングで充電を開始する必要はない。例えば、充電を開始していいかを利用者に問い合わせた後、充電をしてもいい事を示す回答を、入力部5を介して取得してから充電を開始してもよい。
【0030】
上記のように処理することにより、バッテリの充電が完了する時間を充電装置側から利用者に通知することができる。また、車両側から充電状態を取得する必要がなくなる。
実施形態2について説明する。
【0031】
図7は、実施形態2の制御部21の動作の一実施例を示す図である。図8は、実施形態2の記録部32に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
ステップS71では、ステップS1同様に、演算部31が車種と残量に関する情報を取得する。
【0032】
ステップS72では、ステップS2同様に、演算部31が充電開始指令を取得する。
ステップS73では、ステップS3同様に、演算部31が計測部22から電力値に関する情報を取得する。
【0033】
ステップS74では、まず演算部31が充電完了予定時間を求める。例えば、演算は式1を用いて求める。例えば、バッテリ容量が16kWhであり、残量が40%であり、電力値が2.8kWであるとき、充電完了予定時間は3.4hとなる。残量はテーブル81の「残量」から取得する。バッテリ容量はテーブル82の「バッテリ情報」から取得する。
【0034】
次に、予め記録されている充電完了予定時間に対応する駐車料金を、求めた充電完了予定時間に基づいて決定する。例えば、1時間までが500円であり、2時間までが1000円であり。3時間までが1500円であり、4時間まで2000円である場合、本例の充電完了予定時間は3.4hであるので2000円を記録部32のテーブル83に記録する。図8のテーブル83では、「駐車時間」「駐車料金」を有している。「駐車時間」には、・・・「1.0h」「2.0h」「3.0h」「4.0h」・・・、「駐車料金」は、・・・「500円」「1000円」「2000円」「3000円」・・・が記録されている。
【0035】
ステップS75では、演算部31が出力部6に、演算した結果である充電完了予定時間を出力部6に表示するために通知する。図8に示す例では、入力された「車両A」に関連付けて、記録部32のテーブル84に記録される。テーブル84は、「完了予定時間」「駐車料金」を有している。「完了予定時間」には、充電完了予定時間が記録され、本例では「3.4h」が記録されている。「駐車料金」には、充電完了予定時間に対応する駐車時間が記録され、本例では充電完了予定時間が3.4hであるので、テーブル83を参照して「2000円」が「駐車料金」に記録されている。なお、本例では「完了予定時間」「駐車料金」を記録しているが、いずれかひとつを記録するだけでもよい。
【0036】
本例では、充電をステップS72で開始しているが、必ずしもこのタイミングで充電を開始する必要はない。例えば、充電を開始していいかを利用者に問い合わせた後、充電をしてもいい事を示す回答を、入力部5を介して取得してから充電を開始してもよい。
【0037】
上記のように処理することにより、充電完了予定時間を充電装置側で求めて利用者に通知することができ、車両側から充電状態を取得する必要がなくなる。また、有料駐車場などに充電装置1を設置する場合に、バッテリの充電が完了する時間を用いて駐車料金を求めることができる。その結果、利用者に充電に必要な駐車料金を提供することができる。
【0038】
実施形態3について説明する。
図9は、実施形態3の制御部21の動作の一実施例を示す図である。図10は、実施形態3の記録部32に記録されるテーブルのデータ構造の一実施例を示す図である。
【0039】
ステップS91では、演算部31が入力部5から車種、残量と停止条件に関する情報を取得する。停止条件は、例えば、総充電量に対してどれくらいの充電をするかなどの条件である。総充電量に対してどれくらいの充電をするかは、例えば、80%の充電をするのであれば、入力部5から「80」入力する。そして、演算部31は記録部32のテーブル101の「条件」に「80%」が記録される。
【0040】
ステップS92では、ステップS2同様に、演算部31が充電開始指令を取得する。
ステップS93では、ステップS3同様に、演算部31が計測部22から電力値に関する情報を取得する。
【0041】
ステップS94では、まず演算部31が充電完了予定時間を求める。例えば、演算は式2を用いて求める。
充電完了予定時間=バッテリ容量×((条件−残量)/100)/電力値 (式2)
例えば、バッテリ容量が16kWhであり、残量が40%であり、条件が80%であり、電力値が2.8kWであるとき、充電完了予定時間は2.3hとなる。条件と残量はテーブル101の「残量」から取得する。バッテリ容量はテーブル102の「バッテリ情報」から取得する。
【0042】
ステップS95では、演算部31が出力部6に、演算した結果である充電完了予定時間を出力部6に表示するために通知する。図10に示す例では、入力された「車両A」に関連付けて、記録部32のテーブル103に記録される。テーブル103は、「完了予定時間」を有している。「完了予定時間」には、充電完了予定時間が記録され、本例では「2.3h」が記録されている。
【0043】
また、予め記録されている充電完了予定時間に対応する駐車料金を、求めた充電完了予定時間に基づいて決定してもよい。例えば、1時間までが500円であり、2時間までが1000円であり。3時間までが1500円であり、4時間まで2000円である場合、本例の充電完了予定時間は2.3hであるので1500円を記録部32に記録する。
【0044】
上記のように処理することにより、充電完了予定時間を充電装置側で求めて利用者に通知することができ、車両側から充電状態を取得する必要がなくなる。また、有料駐車場などに充電装置1を設置する場合に、バッテリの充電が完了する時間を用いて駐車料金を求めることができる。その結果、利用者に充電に必要な駐車料金を提供することができる。
【0045】
出力方法について説明する。
図11は、出力方法の一実施例を示す図である。
図11は、出力部6に表示される入力内容表示部111と演算結果表示部112を有している。図11の例では入力内容表示部111には、「車両」「バッテリ容量」「残量」を表示する。例えば、実施形態1の場合であれば、「車両」には車両名を表示する。本例では「車両A」が表示される。「バッテリ容量」には、バッテリ容量が表示される。本例では「16kWh」が表示される。「残量」には、入力した残量が表示される。本例では「40%」が表示される。表示する情報は記録部32に記録されている各テーブルから取得する。
【0046】
図11の例では演算結果表示部112には、「完了予定時間」「駐車料金」を表示する。例えば、実施形態1の場合であれば、「完了予定時間」には演算した充電完了予定時間を表示する。本例では「3.4h」が表示される。「駐車料金」には、完了予定時間に対する駐車料金が表示される。本例では「2000円」が表示される。表示する情報は記録部32に記録されている各テーブルから取得する。
【0047】
なお、図11の表示は一例であり、上記説明した表示方法に限らず他の情報を利用者に提示してもよい。
上記のように表示することにより、利用者に充電時間に関する情報を提示することができるため、充電時間が限られている場合などに、充電時間に基づいて充電する容量を決めることができる。また、利用者は所持金に応じて駐車料金を決めることができる。
【0048】
また、上記実施態様1〜3では充電完了予定時間を現在から何時間で完了するかについて示しているが、充電時間が長い場合などは、充電完了予定日時を表示することが望ましい。例えば、午後11時から充電して次の日の明け方4時まで充電にかかるとき、「開始2010年4月5日23時」「完了2010年4月6日4時」と表示する。
【0049】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 充電装置、
2 車両、
3 ケーブル、
4 プラグ、
5 入力部、
6 出力部、
7 バッテリ、
8 充電コントローラ、
21 制御部、
22 計測部、
23 センサ、
24 スイッチ、
25 外部電力源、
26 整流部、
27 スイッチ、
28 バッテリ残量検出部、
29 制御部、
31 演算部、
32 記録部、
61 バッテリ残量表示部、
63 バッテリ残量表示部、
111 入力内容表示部、
112 演算結果表示部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両各々に関連付けている車種情報と前記車種情報に関連付けている車種各々のバッテリ容量情報を記録する記録部と、
利用者が充電する車両に関する車両情報とバッテリ残量情報とを取得する入力部と、
前記車両に接続する充電用のケーブルにセンサを設け、前記センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求める計測部と、
前記車両情報と一致する前記車種情報に関連する前記バッテリ容量情報を取得して、取得した前記バッテリ容量情報、前記残量情報と前記電力値を用いて、充電の完了予定時間を求める演算部と、
前記完了時間を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記演算部は、
前記完了予定時間と前記記録部に予め設定した駐車時間の範囲を比較し、前記完了予定時間が含まれる前記駐車時間の範囲を検出し、検出した前記駐車時間の範囲を用いて前記記録部に予め設定した前記駐車時間の範囲各々に関連付けている駐車料金を取得し、
前記出力部は、前記駐車料金を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記入力部は、
残量情報を取得するとき、前記車両側のバッテリ残量表示に対応する表示を前記入力部に表示し、利用者に前記車両側のバッテリ残量表示に表示している状態相当になるように、前記入力部に表示しているバッテリ残量表示を操作することを促し、
前記車両側のバッテリ残量表示の状態相当の入力が完了しているとき、バッテリ容量に対する残量の割合を求めて、前記演算部に出力する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電装置は前記車両への充電を、普通充電方式を用いて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の充電装置。
【請求項5】
普通充電方式を用いて車両への充電を行う充電方法であって、
前記車両各々に関連付けている車種情報と前記車種情報に関連付けている車種各々のバッテリ容量情報を記録部に記録し、
利用者が充電する車両に関する車両情報とバッテリ残量情報を取得し、
前記車両に接続された充電用のケーブルにセンサを設け、前記センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求め、
前記車両情報と一致する前記車種情報に関連する前記バッテリ容量情報を取得して、取得した前記バッテリ容量情報、前記残量情報と前記電力値を用いて、充電の完了予定時間を求め、
前記完了予定時間を出力部に出力する、
ことをコンピュータが実行することを特徴とする充電方法。
【請求項1】
車両各々に関連付けている車種情報と前記車種情報に関連付けている車種各々のバッテリ容量情報を記録する記録部と、
利用者が充電する車両に関する車両情報とバッテリ残量情報とを取得する入力部と、
前記車両に接続する充電用のケーブルにセンサを設け、前記センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求める計測部と、
前記車両情報と一致する前記車種情報に関連する前記バッテリ容量情報を取得して、取得した前記バッテリ容量情報、前記残量情報と前記電力値を用いて、充電の完了予定時間を求める演算部と、
前記完了時間を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記演算部は、
前記完了予定時間と前記記録部に予め設定した駐車時間の範囲を比較し、前記完了予定時間が含まれる前記駐車時間の範囲を検出し、検出した前記駐車時間の範囲を用いて前記記録部に予め設定した前記駐車時間の範囲各々に関連付けている駐車料金を取得し、
前記出力部は、前記駐車料金を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記入力部は、
残量情報を取得するとき、前記車両側のバッテリ残量表示に対応する表示を前記入力部に表示し、利用者に前記車両側のバッテリ残量表示に表示している状態相当になるように、前記入力部に表示しているバッテリ残量表示を操作することを促し、
前記車両側のバッテリ残量表示の状態相当の入力が完了しているとき、バッテリ容量に対する残量の割合を求めて、前記演算部に出力する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電装置は前記車両への充電を、普通充電方式を用いて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の充電装置。
【請求項5】
普通充電方式を用いて車両への充電を行う充電方法であって、
前記車両各々に関連付けている車種情報と前記車種情報に関連付けている車種各々のバッテリ容量情報を記録部に記録し、
利用者が充電する車両に関する車両情報とバッテリ残量情報を取得し、
前記車両に接続された充電用のケーブルにセンサを設け、前記センサの出力する電流値と充電電圧値を用いて電力値を求め、
前記車両情報と一致する前記車種情報に関連する前記バッテリ容量情報を取得して、取得した前記バッテリ容量情報、前記残量情報と前記電力値を用いて、充電の完了予定時間を求め、
前記完了予定時間を出力部に出力する、
ことをコンピュータが実行することを特徴とする充電方法。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図6】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図6】
【公開番号】特開2011−229324(P2011−229324A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98584(P2010−98584)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
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