説明

光スキャナ及び画像投影装置

【課題】筐体とケーブルとの間に発生する異音を低減することができる光スキャナと、その光スキャナを利用した画像投影装置とを提供すること。
【解決手段】ミラー部と一対の捩れ梁部と本体部とを有する平板状の構造体と、構造体が固定される筐体と、構造体に設けられた駆動部と、駆動部を駆動するための電力を伝達するケーブルとを備える光スキャナである。ケーブルは、第1固定部分と、第2固定部分とにおいて、筐体に対して固定される。第1固定部分では、筐体の一部である第1筐体部分と、ケーブルの一部であってケーブルの一端に存在する第1ケーブル部分とが固定される。第2固定部分では、筐体の一部であって第1筐体部分とは異なる位置に存在する第2筐体部分と、ケーブルの一部であって第1ケーブル部分よりも構造体から離間した位置に存在する第2ケーブル部分とが固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振周波数にて駆動され、入射した光を所定方向に走査する光スキャナと、その光スキャナを利用した画像投影装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型の光スキャナとして、MEMSミラーが使用されている。MEMSミラーが利用される光スキャナの中でも、光スキャナの外形を構成する構造体の共振現象を利用した共振型の光スキャナは、駆動電圧に比して大きな光学振れ角を得ることができる。例えば、特許文献1では、圧電体等の駆動部によって基板(構造体)に板波振動を励起し、この板波振動を利用して基板と捩りばねで連結されたミラー部を共振周波数にて揺動させる光スキャナが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−293116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光スキャナを駆動するためには、駆動部に対して電力を供給する必要がある。一般には、駆動部を駆動するための電力を伝達するケーブルが、駆動部に対して電気的に接続される。ここで、ミラー部が揺動するので、光スキャナは駆動時に振動する。この振動はケーブルに対しても伝達されるので、ケーブルは、光スキャナの筐体に対して接近と離間とを繰り返す。その結果、ケーブルと筐体とが近接する位置において、ケーブルと筐体とが接触と離間とを繰り返すことによって、異音が発生するという問題が生じる。さらに、本来ミラー部を揺動させるための振動が、異音の発生という形で外部に散逸するので、ミラー部の光学振れ角が減退するという問題も生じる。
【0005】
本発明は、筐体とケーブルとの間に発生する異音を低減することができる光スキャナと、その光スキャナを利用した画像投影装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一側面は、揺動軸線を中心として共振周波数で揺動するミラー部と、その一端が前記ミラー部の両側に連結され、前記揺動軸線に平行に前記ミラー部から延出する一対の捩れ梁部と、前記一対の捩れ梁部の他端に連結され、前記ミラー部から離間する方向に延出する本体部と、を有する平板状の構造体と、前記構造体の前記ミラー部と反対側の端部が固定される筐体と、少なくとも前記構造体に設けられ、前記本体部に板波を励起することで、前記本体部及び前記一対の捩れ梁部を介して前記ミラー部を前記共振周波数で揺動させる駆動部と、前記駆動部に対して電気的に接続され、前記駆動部を駆動するための電力を伝達するケーブルとを備え、前記ケーブルは、前記筐体の一部である第1筐体部分と、前記ケーブルの一部であって前記ケーブルの一端に存在する第1ケーブル部分とが固定される第1固定部分と、前記筐体の一部であって前記第1筐体部分とは異なる位置に存在する第2筐体部分と、前記ケーブルの一部であって前記第1ケーブル部分よりも前記構造体から離間した位置に存在する第2ケーブル部分とが固定される第2固定部分とにおいて、前記筐体に対して固定される、ことを特徴とする光スキャナである。
【0007】
これによれば、ケーブルが、第1固定部分と、第2固定部分とにおいて、筐体に対して固定される。第1固定部分は、筐体の一部である第1筐体部分と、ケーブルの一部であってケーブルの一端に存在する第1ケーブル部分とが固定される部分である。即ち、第1固定部分は、駆動部に対してケーブルが電気的に接続されるために必要な固定部分である、一方、第2固定部分は、筐体の一部であって第1筐体部分とは異なる位置に存在する第2筐体部分と、ケーブルの一部であって第1ケーブル部分よりも構造体から離間した位置に存在する第2ケーブル部分とが固定される部分である。換言すれば、第2ケーブル部分は、筐体に固定されたケーブルの一端から離間した、ケーブルの自由端側の何れかの位置に存在する。この第2ケーブル部分が第2筐体部分に対して固定されているので、ケーブルを振動が伝達したとしても、ケーブルは筐体に対して一体的に振動することになる。その結果、ケーブルの振動に起因する異音が低減される。
【0008】
この光スキャナは、他の構成をさらに含むこともできる。即ち、前記ケーブルは、前記第1固定部分において、前記第1ケーブル部分と前記第1筐体部分とが対向する部分の全面に亘って固定されてもよい。
【0009】
これによれば、第1ケーブル部分と第1筐体部分とが対向する部分の全面が固定される。従って、第1固定部分における、ケーブルと筐体との接触による異音の発生が低減できる。
【0010】
また、前記筐体は、前記構造体の一方側に設けられ、前記構造体の前記ミラー部と反対側の端部が固定される台座部と、前記台座部に固定され、前記構造体の他方側を覆う保護部材とを有し、前記ケーブルは、前記保護部材上を通過するように折り曲げられ、前記保護部材の一部である前記第2筐体部分と、折り曲げられた前記ケーブルの前記保護部材上を通過する位置に存在する第2ケーブル部分とが固定される前記第2固定部分において、前記筐体に対して固定されてもよい。
【0011】
これによれば、ケーブルが、保護部材上を通過するように折り曲げられる。従って、光スキャナのサイズを小型化することが可能になる。また、ケーブルが固定される保護部材は、台座部に固定される。従って、ケーブル、保護部材及び台座部が一体的に振動するので、異音の発生がより低減される。
【0012】
前記ケーブルは、前記第2固定部分において、前記保護部材に対して押圧されてもよい。
【0013】
これによれば、ケーブルは、保護部材に対して押圧される。従って、ケーブルと保護部材とがより強固に固定され、結果として異音の発生がより低減される。
【0014】
また、前記第2固定部分における前記ケーブルと前記保護部材との間に設けられた緩衝部材をさらに備えてもよい。
【0015】
ケーブルが保護部材に対して押圧される押圧力が変化すると、ミラー部の光学振れ角が変化する。これは、押圧力の変化によってケーブルと保護部材との固定状態が変化し、結果として異音発生の低減度合が変化するためと考えられる。そして、異音発生の低減度合が変化すれば、即ち、発生する異音の量が変化すれば、異音の発生によって外部に散逸するエネルギー量も変化する。従って、ミラー部の光学振れ角が変化する。第2固定部分におけるケーブルと保護部材との間に設けられる緩衝部材は、押圧力の変化に対して、ケーブルと保護部材との固定状態を一定に保つ役割を果たす。従って、押圧力の変化に対して、ミラー部の光学振れ角の変化が緩和される。従って、ケーブルに加える押圧力の調整が容易となる。
【0016】
また、前記台座部は、前記構造体を囲うように矩形に構成され、その一辺に、前記構造体の前記ミラー部と反対側の端部が固定され、前記台座部の前記揺動軸線に交差する一対の辺において、前記ミラー部から離間する方向に延出する一対の羽根部分を有し、前記ケーブルの前記第1ケーブル部分には、前記一対の羽根部分の一方に固定される第1接続部分と、前記一対の羽根部分の他方に固定される第2接続部分と、が設けられてもよい。
【0017】
これによれば、矩形の台座部の揺動軸線に交差する一対の辺において、ミラー部から離間する方向に一対の羽根部分が延出する。一対の羽根部分の一方には、ケーブルの第1部分に設けられた第1接続部分が固定される。そして、一対の羽根部分の他方には、ケーブルの第1部分に設けられた第2接続部分が固定される。ケーブルの固定に必要な部分である一対の羽根部分を設けることによって、台座部をコンパクトにできる。
【0018】
また、本発明の他の側面は、光を走査して画像を形成するための、本発明の一側面としての光スキャナと、前記光スキャナに光を供給するための光源と、前記光スキャナによって走査された光を被投影面に導く導光部とを備える、ことを特徴する画像投影装置である。
【0019】
これによれば、異音の発生が低減された光スキャナを用いた画像投影装置が提供される。異音の発生が低減されたことによって、ミラー部の光学振れ角の減退も緩和されているので、より画角の大きな画像を提示可能な画像投影装置が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、筐体とケーブルとの間に発生する異音を低減することができる光スキャナと、その光スキャナを利用した画像投影装置とが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】構造体110の平面図。
【図2】台座部130の説明図。((A):台座部130の平面、(B):台座部130のA−A断面)
【図3】構造体110と台座部130とが固定された状態を示す平面図。
【図4】ケーブル140が台座部130に固定された状態を示す平面図。
【図5】光スキャナ100の説明図。((A):光スキャナ100の平面、(B)その正面、(C)そのA−A断面)
【図6】押圧力と光学振れ角との関係を示す図((A):ケーブル140と保護部材150との間に緩衝部材160が設けられた状態、(B):ケーブル140と保護部材150との間に緩衝部材160が設けられていない状態)
【図7】網膜走査ディスプレイ1の構成を説明する図。
【図8】レーザディスプレイ2の構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一側面を反映した実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。本発明の一側面は以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に説明する各構成において、所定の構成を省略し、または他の構成などに置換してもよい。また、他の構成を含むようにしてもよい。
【0023】
[光スキャナ100の構成]
図5に示される光スキャナ100は、図1に示される構造体110と、同じく図1に示される圧電駆動部120と、図2に示される台座部130と、図4に示されるケーブル140と、図5に示される保護部材150と、同じく図5に示される緩衝部材160とを備える。なお、台座部130と保護部材150とが、光スキャナ100の筐体を構成する。光スキャナ100では、圧電駆動部120が構造体110の共振周波数にて周期的に伸縮することで、構造体110に板波振動が励起される。この板波振動が構造体110を伝達し、構造体110のミラー部111を揺動させることで、光スキャナ100は駆動される。以下、図1〜図5を参照して、光スキャナ100の組立工程の流れに従って、説明を行う。
【0024】
[構造体110の構成]
構造体110は、ミラー部111と、捩れ梁部112a,112bと、本体部113とを有する。構造体110は、エッチング加工やプレス加工等の除去加工を用いて、厚さ数十から数百μmのステンレスやチタンなどの金属板に対して、上記の各構成を形成することで製造される。但し、構造体110は、シリコンウエハなどの非金属材料によって形成されても差し支えない。この場合、非金属材料の表面には金属薄膜などの導電層が設けられるとよい。なお、図1では、構造体110の厚み方向がZ方向、ミラー部101の揺動軸線L1に平行な方向がX方向、Z方向及びY方向に直交する方向がY方向と、それぞれ定義される。以下、構造体110に含まれる各構成について説明する。
【0025】
ミラー部111は、X方向に平行な揺動軸線L1を中心として、共振周波数にて揺動する。ミラー部111は、Z方向から見て略円形に構成される。但し、ミラー部111は、四角形や多角形など、他の形状であっても差し支えない。ミラー部111のZ方向負側の面は、入射した光を反射するように、鏡面研磨される。但し、鏡面研磨に変えて、アルミニウムや銀などの可視光に対して高い反射率を有する金属薄膜が、蒸着やスパッタリング等によってミラー部111のZ方向負側の面に設けられても良い。
【0026】
捩れ梁部112a,112bは、その一端がミラー部111の両側に連結され、揺動軸線L1に平行にミラー部111から延出する。具体的には、捩れ梁部112aは、ミラー部111から揺動軸線L1に平行にX方向正側に延出し、捩れ梁部112aは、ミラー部111から揺動軸線L1に平行にX方向負側に延出する。
【0027】
本体部113は、耳部分113a1,113a2と、中心部分113bと、被取付部113cとを有する。耳部分113a1には、捩れ梁部112aのX方向正側の端部が接続される。耳部分113a2には、捩れ梁部112bのX方向負側の端部が接続される。耳部分113a1,113a2は、捩れ梁部112a,112bが接続される位置から、Y方向負側に伸長する。耳部分113a1は、例えば図1に示されるように、中心部分113bのY方向正側の辺において、中心部分113bのX方向正側の端部に連結される。また、耳部分113a2は、例えば、中心部分113bのY方向正側の辺において、中心部分113bのX方向負側の端部に連結される。中心部分113bは、構造体110の中心部分に位置する。中心部分113bのY方向負側の端部には、被取付部113cが接続される。被取付部113cは、そのX方向の中心で、中心部分113bのY方向負側の端部と接続している。固定部分113bは、台座部130に対して固定される。
【0028】
圧電駆動部120は、中心部分113bのZ方向正側の面に設けられる。圧電駆動部120は、例えば、厚さ30μm〜100μmの平板状に成形されたチタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料の両面に対して、電極層として金や白金等を0.2μm〜0.6μm積層することで形成される。圧電駆動部120と中心部分113bとは、導電性接着剤で接着される。この導電性接着剤は、例えば、熱硬化性を有するエポキシ系、アクリル系、シリコン系等の合成樹脂製の基剤内に、銀、金、銅等で構成された金属フィラーを分散させたものである。先ず、中心部分113bに塗布された導電性接着剤の上に、圧電駆動部120が載置される。その状態で、導電性接着剤が熱硬化されることにより、圧電駆動部120と中心部分113bとが接着される。構造体110は金属板で形成されるので、構造体110と圧電駆動部120のZ方向正側との間に光スキャナ100の共振周波数に相当する交流電圧を印加することで、本体部113に板波が励起される。この板波が、本体部113及び捩れ梁部112a,112bを介してミラー部111に伝達されることで、ミラー部111は、共振周波数にて駆動される。
【0029】
[台座部130の構成]
台座部130は、図2に示されるように、Z方向から見て略正方形に形成される。台座部130は、ステンレスやチタン等の金属材料で構成されている。図3に示されるように、台座部130は、構造体110のZ方向負側に設けられる。具体的には、台座部130のY方向負側の辺において、被取付部113cのZ方向負側の面と、台座130のZ方向正側の面とが固定される。この固定には、例えば接着剤による接着、レーザなどによる溶着、所定の治具によるクランピングなどの方法が用いられる。台座部130の構造体110に対向する部分は、本体部113に板波が励起された際に本体部113が揺動できるように、Z方向負側に窪んでいる。この窪んだ部分には、Z方向正側から見て楕円形の貫通孔HL1が設けられる。貫通孔HL1は、ミラー部111のZ方向負側に位置する。鏡面研磨されたミラー部111のZ方向負側の面には、この貫通孔HL1を通過して光が入射する。台座部130の揺動軸線L1に交差する一対の辺には、ミラー部111から離間する方向に延出する、第1筐体部分としての羽根部分131a,131bが設けられる。具体的には、台座部130のX方向正側の辺にはX方向正側に延出する羽根部分131aが、台座部130のX方向負側の辺にはX方向負側に延出する羽根部分131bが、それぞれ設けられる。
【0030】
[ケーブル140の構成]
図4に示されるケーブル140は、圧電駆動部120に対して電気的に接続され、圧電駆動部120に対して電力を供給するためのものである。ケーブル140は、第1ケーブル部分141と第2ケーブル部分142と、電極パッド143a,143b,143cと、金属細線144a,144bとを有する。ケーブル140は、例えば、可撓性を有する厚み12μm〜50μmのフィルム状の絶縁体(ベースフィルム)の上に接着層を形成し、さらにその接着層の上に厚み12μm〜50μm程度の導体箔からなる導電パターン(非図示)が形成された、所謂フレキシブルプリント基板によって構成される。但し、ケーブル140は、撚り導線、平編み導線などによって構成されても差し支えない。以下、ケーブル140の構成について説明する。
【0031】
図4において、ケーブル140の一部である第1ケーブル部分141は、ケーブル140のY方向正側の端部に存在する。第1ケーブル部分141は、第1接続部分141aと第2接続部分141bとがX方向において分かれた、二股の形状を有する。第1接続部分141a及び第2接続部分141bは、羽根部分131a,131bに対して固定される。具体的には、第1接続部分141aのZ方向負側の面は、羽根部分131aのZ方向正側の面に固定される。第1接続部分141bのZ方向負側の面は、羽根部分131bのZ方向正側の面に固定される。第1接続部分141a及び第2接続部分141bと羽根部分131a,131bとが固定される部分が、第1固定部分である。第1固定部分では、第1接続部分141a及び第2接続部分141bと羽根部分131a,131bとが、対向する部分の全面に亘って固定される。なお、この固定は、一例として、エポキシ系接着剤などを用いた接着によって行われる。
【0032】
ケーブル140の一部である第2ケーブル部分142は、第1接続部分141aと第2接続部分141bとが合流する位置に存在する。第2ケーブル部分142は、構造体110に対して、第1ケーブル部分141よりも離間した位置に存在する。第2ケーブル部分142は、保護部材150に対して固定される。
【0033】
電極パッド143a,143b,143cは、ケーブル140から外部に対して電気的な接続を行う部分である。電極パッド143aは第1接続部分141aに、電極パッド143bは第2接続部分141bに、電極パッド143cはケーブル140のY方向負側の端部に、それぞれ設けられる。電極パッド143aは、金属細線144aによって、圧電駆動部120のZ方向正側の面に存在する電極層と電気的に接続される。電極パッド143bは、金属細線144bによって、構造体110と電気的に接続される。金属細線144a,144bは、例えば、線径が25μm〜75μm程度の金、銀、銅などの導電率が高い金属の細線で構成される。なお、金属細線144a,144bの接続には、例えば、熱と超音波振動を加えて接続部分を合金化させるワイヤーボンディングなどが用いられる。電極パッド143aと電極パッド143bとは、ケーブル140に設けられた導電パターンを介して、電極パッド143cに電気的に接続されている。そのため、外部から電極パッド143cに対して印加された交流電圧は、圧電駆動部120に対して印加されることとなる。
【0034】
[保護部材150の構成]
図5(A)に示される光スキャナ100において、保護部材150は、構造体110(図1,3,4参照)のZ方向正側を覆うようにして、台座部130のZ方向正側に設けられる。保護部材150は、例えば樹脂によって構成される。保護部材150は、台座部130に対応した形状を有する。保護部材150は、台座部130の四辺において、台座部130に固定される。保護部材150は、切欠部分151a,151bを有する。切欠部分151aは、保護部材150のX方向正側且つY方向負側の端部に位置する。切欠部分151bは、保護部材150のX方向負側且つY方向負側の端部に位置する。台座部130のZ方向正側の面であって、切欠部分151a,151bに対向する部分は、保護部材150によって覆われず、外部に露出している。そのため、ケーブル140は、切欠部分151a,151bから外部に取り出される。図5(B)(C)に示されるように、ケーブル140は、保護部材150上を通過するように、切欠部分151a,151bから外部に取り出された位置から、Y方向正側でZ方向正側に向けて折り曲げられる。この折り曲げでは、一例として、ケーブル140は、切欠部分151a,151bから外部に取り出された位置からY方向正側に延出するように、折り返されている。ケーブル140が折り曲げられた状態において、第2ケーブル部分142は、保護部材150のY方向における中心部分にて、保護部材150のZ方向正側の面に対向する。
【0035】
保護部材150のZ方向正側の面に対向する第2ケーブル部分142は、保護部材150に対して固定される。第2ケーブル部分142と保護部材150とが固定される部分が、第2固定部分である。なお、この固定には、接着剤や両面テープなどによる接着が用いられる。この第2固定部分において、第2ケーブル部分142と保護部材150との間には、緩衝部材160が設けられる。緩衝部材160としては、例えば樹脂やゴムなどによって構成されるスポンジが利用される。ケーブル140は、この第2固定部分において、ネジや板ばねを利用した非図示の押圧部材によって、保護部材150に対して押圧される。
【0036】
[押圧力と光学振れ角との関係]
ケーブル140は、保護部材150に対して押圧される。前記したように、ケーブル140を保護部材150に対して押圧する押圧力と、ミラー部111の光学振れ角との間に、相関関係があることが、本発明者によって発見された。これは、押圧力の変化によってケーブル140と保護部材150との固定状態が変化し、結果として異音発生の低減度合が変化するためと考えられる。ここでは、図6(A)(B)に示される実測データに基づいて、押圧力を変化させた場合に、ミラー部111の光学振れ角がどのように変化するかを説明する。なお、横軸はケーブル140を保護部材150に対して押圧する押圧力を、縦軸は光学振れ角を、それぞれ示す。
【0037】
図6(A)には、同一の光スキャナ100に対して、押圧力と光学振れ角との関係を3回測定した結果が示される。どの測定回数においても、押圧力が0Nから0.5Nまでの間は、押圧力の増加に伴って、光学振れ角も26°から28°まで増加する。一方、押圧力が0.5N以上の領域では、押圧力が増加しても、光学振れ角は28°から29°の間に収まっており、ほぼ一定である。押圧力が3.0N以上の領域で光学振れ角がどのように振る舞うかは、データはないため不明である。しかし、少なくとも、押圧力が0.5Nから3.0N、より正確を期すのであれば0.5Nから2.5Nの範囲であれば、押圧力の変化に対して光学振れ角はほぼ一定となる。
【0038】
例えば、押圧力が0.5N以下となるように光スキャナ100が設計されると、製造工程上の精度などの要因により押圧力が個体間で異なる場合、光スキャナ100の光学振れ角が個体によって異なる可能性がある。そこで、押圧力が0.5Nから2.5Nの範囲に収まるように光スキャナ100が設計されると、仮に押圧力が個体間で異なっても、ほぼ一定の光学振れ角を得ることができる。
【0039】
図6(B)には、同一の光スキャナに対して、押圧力と光学振れ角との関係を3回測定を行った結果が示される。ただし、図6(B)に示されるデータは、図5に示される光スキャナ100から、緩衝部材160を取り除いた状態のデータである。換言すれば、図6(B)に示されるデータを取得した光スキャナでは、ケーブル140と保護部材150とが、接触した状態で固定される。3回目の測定データでは1,2回目の測定データと比較して約1°光学振れ角が小さいけれども、光学振れ角の押圧力に対する振る舞いは、全ての測定データにおいて同様の傾向を示す。図6(B)に示されるように、押圧力が0Nから0.5Nまでは、図6(A)と同様に、押圧力の増加に伴って、光学振れ角も増加する。そして、0.5Nから1.0Nの範囲では、押圧力の変化に対して、光学振れ角の変化は抑えられる。押圧力が1.0Nを超えると、光学振れ角は、再び押圧力の増加に伴って増加にする。そして、押圧力が2.0Nの位置をピークとして、光学振れ角は、押圧力の増加に伴って減少に転ずる。
【0040】
緩衝部材160が存在しない場合、図6(B)に示されるように、押圧力の変化に対して光学振れ角が一定となる領域が、緩衝部材160が存在する場合に比べて狭い。そのため、押圧力が光スキャナの個体間で異なる場合、光学振れ角に個体差が生じる可能性がある。しかし、少なくとも今回の測定範囲である押圧力が0Nから3.0Nの範囲において、押圧力を加えない場合(0N)と比較して、押圧力を加えた場合の光学振れ角は大きい。これは、押圧力によってケーブル140と保護部材150とがより強固に固定され、結果として異音の発生がより低減されるためと考えられる。異音の発生が低減されれば、異音として外部へ散逸するエネルギー量も少なくなる。そのため、ケーブル140を保護部材150に対して押圧力することは、仮に緩衝部材160が存在しなくても、異音の低減、換言すれば光学振れ角の向上という観点からは、有用である。
【0041】
[網膜走査ディスプレイ1の構成]
前記した光スキャナ100は、画像を形成するために光を走査する構成として、網膜走査ディスプレイ1に用いることが可能である。図7は、網膜走査ディスプレイ1の全体構成について説明する図である。網膜走査ディスプレイ1は、観察者の瞳孔52に入射した光束を用いて網膜54上に画像を投影することによって、観察者に虚像を視認させる装置である。
【0042】
網膜走査ディスプレイ1は、制御ユニット1aと、頭部表示ユニット1bとで構成される。制御ユニット1aと頭部表示ユニット1bとは、別体に構成される。制御ユニット1aは、例えば使用者の腰などに取り付けられる。頭部表示ユニット1bは、制御ユニット1aと電気的及び光学的な信号を伝達可能な信号線によって接続される。頭部表示ユニット1bは、例えば米国特許出願公開2010/0073262号公報などに開示されているように、眼鏡型の装着具などを用いて使用者の頭部に装着される。勿論、制御ユニット1aと、頭部表示ユニット1bとが一体に構成されても差し支えない。
【0043】
制御ユニット1aは、映像信号処理回路3、光源部30及び光合波部40を備える。映像信号処理回路3は、外部から供給される映像信号に基づいて、画像を形成するためのB信号、G信号、R信号、水平同期信号及び垂直同期信号を発生する。
【0044】
光源部30は、Bレーザドライバ31、Gレーザドライバ32、Rレーザドライバ33、Bレーザ34、Gレーザ35及びRレーザ36を備える。Bレーザドライバ31は、映像信号処理回路3からのB信号に応じた強度の青色の光束を発生させるように、Bレーザ34を駆動する。Gレーザドライバ32は、映像信号処理回路3からのG信号に応じた強度の緑色の光束を発生させるように、Gレーザ35を駆動する。Rレーザドライバ33は、映像信号処理回路3からのR信号に応じた強度の赤色の光束を発生させるように、Rレーザ36を駆動する。Bレーザ34,Gレーザ35及びRレーザ36は、例えば半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザを用いて構成できる。
【0045】
光合波部40は、コリメート光学系41,42,43と、このコリメートされたレーザ光を合波するためのダイクロイックミラー44,45,46と、合波されたレーザ光を集光する集光光学系47とを備える。Bレーザ34から出射した青色レーザ光は、コリメート光学系41によって平行光化される。平行光化された青色レーザ光は、ダイクロイックミラー44に入射する。Gレーザ35から出射した緑色レーザ光は、コリメート光学系42によって平行光化される。平行光化された緑色レーザ光は、ダイクロイックミラー45に入射する。Rレーザ36から出射した赤色レーザ光は、コリメート光学系43によって平行光化される。平行光化された赤色レーザ光は、ダイクロイックミラー46に入射する。ダイクロイックミラー44,45,46にそれぞれ入射した青色、緑色及び赤色レーザ光は、波長選択的に反射または透過されて1本の光束として合波され、集光光学系47に達する。合波されたレーザ光は、集光光学系47によって集光され、光ファイバ等を介して頭部表示ユニット1bに導かれる。
【0046】
頭部表示ユニット1bは、コリメート光学系20、水平走査ドライバ23、光スキャナ100、リレー光学系24、垂直走査ドライバ25、垂直走査スキャナ26及び接眼光学系27を備える。
【0047】
コリメート光学系20は、光ファイバ等を介して制御ユニット1aから導かれたレーザ光を平行光に変換する。平行光に変換されたレーザ光は、光スキャナ100に入射する。
【0048】
光スキャナ100は、コリメート光学系20からのレーザ光を水平方向(例えば、観察者の眼に対して左右方向)に走査する。具体的には、水平走査ドライバ23は、映像信号処理回路3からの水平同期信号に従って、光スキャナ100の揺動状態を制御する。水平走査されたレーザ光は、リレー光学系24に入射する。
【0049】
リレー光学系24は、正の屈折力を持つレンズ系24a、24bを有する。レンズ系24aは、光スキャナ100からレンズ系24aの焦点距離を離れた位置に配置される。従って、水平走査されたレーザ光は、レンズ系24aによって互いの光軸が平行になるように屈折される。また、水平走査されたレーザ光は、コリメート光学系20によって平行光化されているので、集束光として変換される。図5では、レーザ光の光軸が点線で示され、リレー光学系24及び接眼光学系27の中心(=光軸)を通過するレーザ光の光線が実線で示される。レンズ系24bは、レンズ系24aから、レンズ系24aの焦点距離とレンズ系24bの焦点距離との合計の距離を離れた位置に配置される。従って、レンズ系24aを通過したレーザ光は、レンズ系24bによって互いの光軸が垂直スキャナ25上の一点に集束するように屈折される。また、レンズ系24aを通過した際に集束光として変換されたレーザ光は、レンズ系24bによって再度平行光化される。即ち、リレー光学系24は、光スキャナ100において形成された光学瞳(=レーザ光の入射点)を、垂直スキャナ25上に転送する機能を果たす。
【0050】
垂直スキャナ25は、リレー光学系24からのレーザ光を垂直方向(例えば、観察者の眼に対して上下方向)に走査する。具体的には、垂直スキャナ25は、揺動する反射面を有する。反射面が揺動することで、反射面に入射したレーザ光は、垂直方向に走査される。垂直スキャナ25は、例えば、ムービングコイル方式で揺動する電磁型のMEMSミラーで構成可能である。垂直走査ドライバ26は、映像信号処理回路3からの垂直同期信号に従って、垂直スキャナ25の揺動状態を制御する。ここで、レーザ光は、光スキャナ100によって水平方向に走査されているので、垂直スキャナ25によって二次元的に走査された画像光となる。二次元走査された画像光は、接眼光学系27に入射する。
【0051】
接眼光学系27は、正の屈折力を持つレンズ系27a、27bを有する。接眼光学系27は、リレー光学系24と同様に、垂直スキャナ25において形成された光学瞳を、観察者の眼の瞳孔52に転送する機能を果たす。接眼光学系27を出射した画像光は、観察者の眼の瞳孔52を通過し、網膜54に結像する。従って、観察者は、画像を視認する。
【0052】
<変形例>
本発明は、今までに述べた実施形態に限定されることは無く、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形・変更が可能である。以下にその一例を述べる。
【0053】
前記した実施形態では、筐体は、台座部130と保護部材150とを有する。そして、ケーブル140は、保護部材150上に固定される。しかし、本発明の思想は、筐体とケーブル140とを固定することで、両者を一体として振動させ、異音の低減を図るというものである。そのため、筐体の構成や、筐体とケーブル140との固定位置などは、他の形態であっても差し支えない。例えば、筐体が台座部130のみによって構成されてもよい。また、ケーブル140は、保護部材150でなく、台座部130に対して固定されてもよい。
【0054】
前記した実施形態において、光スキャナ100は、圧電駆動部120によって駆動される。しかし、例えば、ムービングコイルやムービングマグネットなどの電磁駆動方式や、静電駆動方式などが採用されてもよい。電磁駆動方式であれば、平面コイルと永久磁石との一方が構造体110に設けられ、他方が筐体130の構造体110に対向する位置に設けられる。静電駆動方式であれば、構造体110と筐体130の構造体110に対向する位置とに、一対の電極板が設けられる。要は、何れの方式であっても、構造体110に板波振動が励起されればよい。
【0055】
前記した実施形態において、ケーブル140の第2ケーブル部分142は、保護部材150に対して、接着剤や両面テープなどによって固定される。そして、保護部材150と第2ケーブル部分142が固定された状態で、ケーブル140は、保護部材150に対して押圧される。しかし、ケーブル140が保護部材150に対して押圧されることで保護部材150と第2ケーブル部分142とが固定されれば、接着剤や両面テープなどは不要となる。即ち、保護部材150と第2ケーブル部分142とを固定する方法は、筐体とケーブル140とが一体として振動することが可能であれば、どのような方法であっても差し支えない。
【0056】
前記した実施形態において、網膜走査ディスプレイ1では、レーザ光は水平方向に走査された後に、垂直方向に走査される。しかし、例えば光スキャナ100と垂直スキャナ25とを入れ替えることによって、レーザ光が垂直方向に走査された後に、水平方向に走査されてもよい。あるいは、水平方向が観察者の眼に対して上下方向に定義され、垂直方向が観察者の眼に対して左右方向に定義されても良い。
【0057】
前記した実施形態において、光スキャナ100は、網膜走査ディスプレイ1に用いられる。しかし、光スキャナ100は、他のいかなる用途に用いられても良い。一例として、光スキャナ100が、図8に示されるように、走査されたレーザ光を被投影面上に結像するレーザプロジェクタ2に用いられても良い。レーザプロジェクタ2は、垂直走査スキャナ25よりも後段の光学系において、網膜走査ディスプレイ1と相違する。そのため、垂直走査スキャナ25における網膜走査ディスプレイ1と共通する構成に関する説明は、同一の図番を採用することによって省略される。導光部としての結像光学系28は、正の屈折力を持つレンズ系である。結像光学系28は、垂直スキャナ25からの平行光化されたレーザ光を集束することで、スクリーンなどの被投影面上に結像する。なお、任意の距離にある被投影面に対して結像を行うために、結像光学系28は、所定のフォーカス調整機能を備えるのが望ましい。あるいは、レーザ光のビーム径が十分に小さければ、結像光学系28は無くても構わない、その場合、垂直走査スキャナ25からの平行光化されたレーザ光が、被投影面上に直接画像を描くこととなる。この場合、導光部はレーザ光に対して光学的作用を及ぼさない。
【符号の説明】
【0058】
1 網膜走査ディスプレイ
1a 制御ユニット
1b 頭部表示ユニット
3 映像信号処理回路
20,41,42,43 コリメート光学系
23 水平走査ドライバ
24 リレー光学系
24a,24b,27a,27b レンズ系
25 垂直走査スキャナ
26 垂直走査ドライバ
27 接眼光学系
28 結像光学系
30 光源部
31 Bレーザドライバ
32 Gレーザドライバ
33 Bレーザドライバ
34 Bレーザ
35 Gレーザ
36 Rレーザ
40 光合波部
44,45,46 ダイクロイックミラー
47 集光光学系
52 観察者の瞳孔
54 観察者の網膜
100 光スキャナ
110 構造体
111 ミラー部
112a,112b 捩れ梁部
113 本体部
113a1,113a2 耳部分
113b 中心部分
113c 被取付部分
120 圧電駆動部
130 台座部
131a,131b 羽根部分
140 ケーブル
141 第1ケーブル部分
141a 第1接続部分
141b 第2接続部分
142 第2ケーブル部分
143a,143b,143c 電極パッド
144a,144b 金属細線
150 保護部材
151a,151b 切欠部分
160 緩衝部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動軸線を中心として共振周波数で揺動するミラー部と、その一端が前記ミラー部の両側に連結され、前記揺動軸線に平行に前記ミラー部から延出する一対の捩れ梁部と、前記一対の捩れ梁部の他端に連結され、前記ミラー部から離間する方向に延出する本体部と、を有する平板状の構造体と、
前記構造体の前記ミラー部と反対側の端部が固定される筐体と、
少なくとも前記構造体に設けられ、前記本体部に板波を励起することで、前記本体部及び前記一対の捩れ梁部を介して前記ミラー部を前記共振周波数で揺動させる駆動部と、
前記駆動部に対して電気的に接続され、前記駆動部を駆動するための電力を伝達するケーブルとを備え、
前記ケーブルは、
前記筐体の一部である第1筐体部分と、前記ケーブルの一部であって前記ケーブルの一端に存在する第1ケーブル部分とが固定される第1固定部分と、
前記筐体の一部であって前記第1筐体部分とは異なる位置に存在する第2筐体部分と、前記ケーブルの一部であって前記第1ケーブル部分よりも前記構造体から離間した位置に存在する第2ケーブル部分とが固定される第2固定部分とにおいて、
前記筐体に対して固定される、
ことを特徴とする光スキャナ。
【請求項2】
前記ケーブルは、前記第1固定部分において、前記第1ケーブル部分と前記第1筐体部分とが対向する部分の全面に亘って固定される、
請求項1に記載の光スキャナ。
【請求項3】
前記筐体は、
前記構造体の一方側に設けられ、前記構造体の前記ミラー部と反対側の端部が固定される台座部と、
前記台座部に固定され、前記構造体の他方側を覆う保護部材とを有し、
前記ケーブルは、
前記保護部材上を通過するように折り曲げられ、
前記保護部材の一部である前記第2筐体部分と、折り曲げられた前記ケーブルの前記保護部材上を通過する位置に存在する第2ケーブル部分とが固定される前記第2固定部分において、前記筐体に対して固定される、
請求項1又は2に記載の光スキャナ。
【請求項4】
前記ケーブルは、前記第2固定部分において、前記保護部材に対して押圧される、
請求項3に記載の光スキャナ。
【請求項5】
前記第2固定部分における前記ケーブルと前記保護部材との間に設けられた緩衝部材をさらに備える、
請求項4に記載の光スキャナ。
【請求項6】
前記台座部は、
前記構造体を囲うように矩形に構成され、
その一辺に、前記構造体の前記ミラー部と反対側の端部が固定され、
前記台座部の前記揺動軸線に交差する一対の辺において、前記ミラー部から離間する方向に延出する一対の羽根部分を有し、
前記ケーブルの前記第1ケーブル部分には、
前記一対の羽根部分の一方に固定される第1接続部分と、
前記一対の羽根部分の他方に固定される第2接続部分と、が設けられる、
請求項5に記載の光スキャナ。
【請求項7】
光を走査して画像を形成するための、請求項1〜6の何れか1項に記載の光スキャナと、
前記光スキャナに光を供給するための光源と、
前記光スキャナによって走査された光を被投影面に導く導光部とを備える、ことを特徴する画像投影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−73456(P2012−73456A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218434(P2010−218434)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】