光プリントヘッド及びこれを用いた画像形成装置
【課題】放熱特性を向上させることにより、印字特性の優れた光プリントヘッドを提供する。
【解決手段】このLEDプリントヘッド(光プリントヘッド)60は、複数のLED素子3bを含むLEDアレイ3と、グランド用のヴィアホール2dと電源用のヴィアホール2cとを含み、上面上にLEDアレイ3が搭載される多層配線基板2と、載置面1a上に多層配線基板2が載置されるヒートシンク1とを備えている。そして、多層配線基板2の下面の導体層24bとヒートシンク1の載置面1aとが直接接触するように構成されている。また、グランド用のヴィアホール2dが、下面の導体層24bに達するように、多層配線基板2の厚み方向に貫通して形成されている一方、電源用のヴィアホール2cが、下面の導体層24bに達しないように、多層配線基板2の厚み方向の途中の深さまで形成されている。
【解決手段】このLEDプリントヘッド(光プリントヘッド)60は、複数のLED素子3bを含むLEDアレイ3と、グランド用のヴィアホール2dと電源用のヴィアホール2cとを含み、上面上にLEDアレイ3が搭載される多層配線基板2と、載置面1a上に多層配線基板2が載置されるヒートシンク1とを備えている。そして、多層配線基板2の下面の導体層24bとヒートシンク1の載置面1aとが直接接触するように構成されている。また、グランド用のヴィアホール2dが、下面の導体層24bに達するように、多層配線基板2の厚み方向に貫通して形成されている一方、電源用のヴィアホール2cが、下面の導体層24bに達しないように、多層配線基板2の厚み方向の途中の深さまで形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光プリントヘッド及びこれを用いた画像形成装置に関し、特に、発光素子が搭載される基板を備えた光プリントヘッド及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のLED(Light Emitted Diode:発光ダイオード)素子(発光素子)が直線状に配列されたLEDアレイ(発光素子アレイ)と、複数のLED素子からの光を集光する複数の集光レンズ(結像素子)が直線状に配列されたレンズアレイ(結像素子アレイ)とを備えたLEDプリントヘッド(光プリントヘッド)が知られており、像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するための露光ユニットとして電子写真プリンタなどに装着されている。
【0003】
このようなLEDプリントヘッドでは、LED素子(LEDアレイ)の発光によりLED素子(LEDアレイ)が発熱するため、発光により生じた熱の放熱が不十分な場合にはLED素子の素子温度が高くなる。これにより、輝度の低下や発光波長のずれ等が生じるので、露光ユニットとして用いられるLEDプリントヘッドでは、放熱性の向上が強く要求されている。
【0004】
上記した放熱性の向上の要求に応えるために、従来、放熱特性が改善された光プリントヘッド(LEDプリントヘッド)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、LEDアレイチップおよびLEDアレイチップを駆動するためのドライバICチップを含む発光素子モジュールと、発光素子モジュールを搭載する基板と、基板の下面側に装着されるヒートシンクとを備え、上記基板に放熱用のスルーホールが設けられた光プリントヘッドが記載されている。この基板の上面および下面には、それぞれ、導体層が形成されており、LEDアレイチップは、ドライバICチップを介して基板の上面の導体層に固定されている。また、放熱用のスルーホールは、基板の上面から下面まで貫通するように形成されることによって、基板の上面の導体層と基板の下面の導体層とを連結している。さらに、基板の下面側には、絶縁シートを介してヒートシンクが装着されている。このような構成により、上記特許文献1に記載の光プリントヘッドでは、LEDアレイチップからの熱を、放熱用のスルーホールを介して基板の下面側に効率よく伝達させることができるので、LEDアレイチップからの熱を、基板の下面側に装着されたヒートシンクから放熱させ易くすることが可能となる。これにより、基板に放熱用のスルーホールが設けられていない構成に比べて、放熱特性が改善される。
【0005】
なお、LEDアレイチップ(発光素子モジュール)が搭載される基板には、一般的に、多層配線基板が用いられる。この多層配線基板には、信号用の配線パターンに加えて、電源用の配線パターンおよびグランド用の配線パターンが設けられている。また、ヒートシンクは、一般的に、金属材料から構成されている。
【特許文献1】特開平10−226107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された光プリントヘッドでは、基板とヒートシンクとの間に熱伝導率の比較的低い絶縁シートが介在しているため、LEDアレイチップからの熱を基板の下面側に効率よく伝達させたとしても、絶縁シートの熱抵抗により、ヒートシンクにまで効率よく伝達させることが困難であるという不都合がある。一方、絶縁シートを介することなく基板の下面側にヒートシンクを装着した場合には、電源用の配線パターンとグラント用の配線パターンとの間で電気的に短絡するおそれがあるという不都合が生じる。このため、基板に放熱用のスルーホールを設けることによって放熱特性が改善されるものの、十分に改善されるまでには至っていない。その結果、輝度の低下や発光波長のずれ等を十分に抑制することが困難であるので、優れた印字特性を得ることが困難であるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、放熱特性を向上させることにより、印字特性の優れた光プリントヘッド及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における光プリントヘッドは、複数の発光素子を含む発光素子アレイと、発光素子アレイから出射された光を像担持体に結像する複数の結像素子を含む結像素子アレイと、絶縁層と導体層とが互いに交互に積層されることによって構成されるとともに、グランド用の第1ヴィアホールと電源用の第2ヴィアホールとを含み、かつ、上面上に発光素子アレイが搭載される多層基板と、平坦な載置面を含み、載置面上に多層基板が載置される放熱部材とを備えている。そして、多層基板の下面の導体層と放熱部材の載置面とが直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成されており、グランド用の第1ヴィアホールが、下面の導体層に達するように、多層基板の厚み方向に貫通して形成されている一方、電源用の第2ヴィアホールが、下面の導体層に達しないように、多層基板の厚み方向の途中の深さまで形成されている。
【0009】
この第1の局面による光プリントヘッドでは、上記のように、発光素子アレイが搭載される多層基板に、下面の導体層まで達するグランド用の第1ヴィアホールを形成することによって、発光に伴い発光素子アレイが発熱したとしても、発光素子アレイからの熱をグランド用の第1ヴィアホールを介して多層基板の下面側(下面の導体層)に効率よく伝達させることができる。そして、発光素子アレイが搭載される多層基板を、その下面の導体層と放熱部材の載置面とが直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成することによって、多層基板の下面側(下面の導体層)に伝達された熱を効率よく放熱部材に伝達させることができる。これにより、発光素子アレイからの熱を効果的に放熱部材から放熱させることができるので、光プリントヘッドの放熱特性を十分に向上させることができる。その結果、発光素子アレイの温度が高くなることに起因して、輝度の低下や発光波長のずれ等の不都合が生じるのを抑制することができるので、優れた印字特性を得ることができる。なお、第1の局面による光プリントヘッドでは、優れた印画特性も得ることができる。
【0010】
また、第1の局面では、上記のように、グランド用の第1ヴィアホールを、下面の導体層に達するように、多層基板の厚み方向に貫通して形成することによって、放熱部材が金属材料から構成されている場合には、放熱部材とグランドとを電気的に接続することができるので、グランドラインの電気的インピーダンスを低下させることができる。これにより、電気特性を向上させることができる。具体的には、多層基板に形成された回路の動作を安定させることができる。したがって、これによっても、優れた印字(印画)特性を得ることができる。
【0011】
また、上記した構成では、電源用の第2ヴィアホールが、多層基板の下面の導体層に達しないように途中の深さまで形成されているので、放熱部材が金属材料から構成されている場合において、絶縁層(絶縁シート)などを介さずに多層基板を放熱部材の載置面上に載置したとしても、グランド用の第1ヴィアホールと電源用の第2ヴィアホールとが互いに電気的に接続されるのを抑制することができる。すなわち、電気的な短絡を抑制することができる。したがって、多層基板の下面の導体層が放熱部材の載置面と直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように、多層基板を放熱部材の載置面上に載置することができる。
【0012】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、グランド用の第1ヴィアホールは、多層基板に、互いに所定の間隔を隔てて複数形成されている。このように構成すれば、容易に、発光素子アレイからの熱を、グランド用の第1ヴィアホールおよび下面の導体層を介して、放熱部材に伝達させることができるとともに、放熱部材から効率よく放熱させることができる。
【0013】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、発光素子アレイは、多層基板の上面の導体層上に搭載されており、多層基板は、上面の導体層と下面の導体層とを接続する複数の放熱用のスルーホールをさらに含んでいる。このように構成すれば、グランド用の第1ヴィアホールに加えて放熱用のスルーホールによっても、発光素子アレイからの熱を多層基板の下面の導体層に伝達させることができるので、より効率よく、発光素子アレイからの熱を多層基板の下面の導体層に伝達させることができる。これにより、より効率よく、発光素子アレイからの熱を放熱部材に伝達させることができるので、より効率よく、発光素子アレイからの熱を放熱部材から放熱させることができる。
【0014】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、少なくとも、複数の第1ヴィアホールおよび複数のスルーホールの一部に、導電性ペーストが埋め込まれている。このように構成すれば、容易に、第1ヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの熱伝導率を向上させることができる。
【0015】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、放熱部材は、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成されている。このように構成すれば、容易に、放熱部材の放熱効率を向上させることができるので、容易に、光プリントヘッドの放熱特性を向上させることができる。
【0016】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、発光素子アレイが、複数の発光ダイオード素子(LED素子)を含む発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)から構成されていてもよい。
【0017】
この発明の第2の局面における画像形成装置は、像担持体と、上記第1の局面による光プリントヘッドとを備える画像形成装置である。このように構成すれば、容易に、印字特性の優れた画像形成装置を得ることができる。なお、第2の局面による画像形成装置では、優れた印画特性も得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、放熱特性を向上させることにより、印字特性の優れた光プリントヘッド及び画像形成装置を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では、光プリントヘッドの一例であるLEDプリントヘッドに本発明を適用した例について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの全体斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの平面図である。図3は、図2の100−100線に沿った断面図であり、図4は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の一部を示した断面図である。図5〜図11は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの構造を説明するための図である。図1〜図11を参照して、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッド60の構造について説明する。
【0021】
一実施形態によるLEDプリントヘッド60は、図1〜図3に示すように、平坦な載置面1aを有するヒートシンク1と、ヒートシンク1の載置面1a上に搭載された多層配線基板2(図3参照)と、多層配線基板2上に実装された発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)3(図3参照)と、LEDアレイ3などを覆うハウジング部材4と、LEDアレイ3からの出射光を集光するレンズアレイ(ロッドレンズアレイ)5と、レンズアレイ5の周囲を保持する保持部材6とを備えている。なお、多層配線基板2は、本発明の「多層基板」の一例であり、ヒートシンク1は、本発明の「放熱部材」の一例である。
【0022】
ヒートシンク1は、図1および図3に示すように、熱伝導性の優れたアルミニウム押し出し材などの金属材料から構成されており、LEDアレイ3の発光により生じた熱を放熱する機能を有している。また、ヒートシンク1の上部側には、載置面1aが形成されている。この載置面1aは、切削加工などによって平滑な面に仕上げられており、長手方向(A方向)に反りがないように形成されている。また、ヒートシンク1の下部側には、放熱性を向上させるためのフィン部1bが複数形成されている。また、図1および図2に示すように、載置面1aの所定の領域であるとともに、ヒートシンク1の長手方向(A方向)の両端部側には、それぞれ、LEDプリントヘッド60を電子写真プリンタの筐体部(図示せず)などに取り付ける際にネジ止めされるネジ穴1cが設けられている。
【0023】
また、多層配線基板2は、図4に示すように、ガラスエポキシ樹脂などから構成される絶縁層2aとCu(銅)などから構成される導体層2bとが互いに交互に積層された積層構造を有している。また、多層配線基板2の内層の導体層2b(21b)は、電源用のプレーン層として機能するように構成されているとともに、導体層2b(21b)と対向する内層の導体層2b(22b)は、グランド(GND)用のプレーン層として機能するように構成されている。そして、電源用の導体層2b(21b)およびグランド(GND)用の導体層2b(22b)は、それぞれ、電源用のヴィアホール2cおよびグランド(GND)用のヴィアホール2dにより、他の導体層2bと接続されている。具体的には、電源用のヴィアホール2cおよびグランド用のヴィアホール2dの内側面上には、それぞれ、金属メッキ層21cおよび21dが形成されており、この金属メッキ層21cおよび21dによって、各層の導体層2bが互いに電気的および熱的に接続されている。なお、グランド用のヴィアホール2dおよび電源用のヴィアホール2cは、それぞれ、本発明の「第1ヴィアホール」および「第2ヴィアホール」の一例である。
【0024】
また、多層配線基板2の上面には、配線用の導体層2bが所定の配線パターンで形成されている。また、配線用の導体層2bの所定領域は、レジスト層7によって覆われている。このレジスト層7は、上面に設けられた配線用の導体層2bとハウジング部材4などの他の部材との電気的な短絡を抑制する機能を有している。
【0025】
ここで、本実施形態では、グランド用のヴィアホール2dは、多層配線基板2の厚み方向に貫通するように形成されている一方、電源用のヴィアホール2cは、多層配線基板2の上面から厚み方向の途中の深さまで形成されている。すなわち、グランド用のヴィアホール2dは、多層配線基板2の上面の導体層2b(23b)と下面の導体層2b(24b)とを接続するように貫通孔に形成されている。一方、電源用のヴィアホール2cは、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に達しないように形成されている。また、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)は、放熱用のプレーン層として機能するように構成されている。したがって、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)は、配線用に用いられる他の導体層2bと図示しないスルーホールによって電気的に接続されないように構成されている。また、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)は、レジスト層で覆われることなく、露出された状態となっている。
【0026】
また、本実施形態では、図5に示すように、グランド用のヴィアホール2dは、多層配線基板2の所定領域に、互いに所定の間隔を隔てて複数形成されている。また、多層配線基板2におけるLEDアレイチップ3aの実装領域の近傍には、放熱用のスルーホール2eが複数形成されている。この放熱用のスルーホール2eは、図6に示すように、多層配線基板2の厚み方向に貫通するように形成されることによって、上面の導体層2b(23b)と下面の放熱用の導体層2bとを接続している。なお、放熱用のスルーホール2eの内側面上には、上面の導体層2b(23b)と下面の放熱用の導体層2bとを電気的および熱的に接続するための金属メッキ層21eが形成されている。
【0027】
さらに、本実施形態では、図4および図6に示すように、ヴィアホール2cおよび2d、放熱用のスルーホール2eの各々の内側には、それぞれ、導電性ペースト22c、22dおよび22eが埋め込まれている。そして、多層配線基板2は、下面の導体層2b(24b)とヒートシンク1の載置面1aとが直接接触するように、ヒートシンク1の載置面1a上に載置されている。
【0028】
また、LEDアレイ3は、図5に示すように、多層配線基板2の長手方向(A方向)と平行となるように、多層配線基板2の上面の導体層2b(23b)(図6参照)上に実装されている。このLEDアレイ3は、複数のLEDアレイチップ3aから構成されており、各LEDアレイチップ3aは、多層配線基板2の長手方向(A方向)と平行となるように直線状に配列されている。また、LEDアレイチップ3aには、図7に示すように、それぞれの上面に、たとえば、600dpi(dot per inch)の密度で直線状に配列された複数のLED素子3bが設けられている。また、多層配線基板2の上面上には、LEDアレイチップ3aを駆動するためのドライバICチップ8が、LEDアレイチップ3aに沿って実装されている。なお、LEDアレイ3は、本発明の「発光素子アレイ」の一例であり、LED素子3bは、本発明の「発光素子」の一例である。
【0029】
また、ハウジング部材4は、図1および図3に示すように、LEDアレイ3(図3参照)などを覆う矩形状の枠体部4aから構成されており、この枠体部4aの上部には、矩形状の開口部4bが形成されている。また、図1〜図3に示すように、ハウジング部材4の枠体部4aの所定領域には、複数のネジ穴4cが設けられている。また、ハウジング部材4は、図3に示すように、多層配線基板2の上方に配置されるとともに、LEDアレイ3などを覆うようにヒートシンク1の載置面1a上にネジ穴4cを介してネジ9で固定されている。この際、ハウジング部材4は、開口部4bがLEDアレイ3の真上に位置するようにヒートシンク1に固定される。
【0030】
また、レンズアレイ5は、図8および図9に示すように、複数のファイバー状の集光レンズ5aが互いの光軸が平行となるように直線状に配列された構造を有しており、各々の集光レンズ5aの間隙には接着部材5bが充填されている。この集光レンズ5aは、図10に示すように、等倍結像が得られる屈折率分布型集光ファイバーレンズによって構成されており、LED素子3bから出射された拡散光30を集光して、収束光40として出射する機能を有している。すなわち、像担持体としての感光体50(図10および図11参照)上に静電潜像を形成するためには、LED素子3bから出射された拡散光30を微小なスポット光に集光して結像する必要があるため、本実施形態によるLEDプリントヘッド60では、集光レンズ5aから構成されたレンズアレイ5を設けることによって、良好なスポット光が形成されるように構成されている。なお、レンズアレイ5は、本発明の「結像素子アレイ」の一例であり、集光レンズ5aは、本発明の「結像素子」の一例である。
【0031】
また、保持部材6は、図1および図2に示すように、長尺形状を有しており、その中央部にレンズアレイ5の周囲を保持する開口部が設けられている。また、保持部材6の開口部には、レンズアレイ5が接着剤などで固定されている。
【0032】
また、図3に示すように、レンズアレイ5が固定された保持部材6は、ハウジング部材4の開口部4bの間に挿入されるように配設されている。これにより、LEDアレイ3の真上にレンズアレイ5が配置されるとともに、LEDアレイ3を構成する複数のLED素子3bの真上に、対応するレンズアレイ5の集光レンズ5aが位置するように構成されている。
【0033】
本実施形態では、上記のように、LEDアレイ3が搭載される多層配線基板2に、下面の導体層2b(24b)まで達するグランド用のヴィアホール2dを形成することによって、発光に伴いLEDアレイ3(LED素子3b)が発熱したとしても、LEDアレイ3(LED素子3b)からの熱をグランド用のヴィアホール2dを介して多層配線基板2の下面側(下面の導体層2b(24b))に効率よく伝達させることができる。そして、LEDアレイ3が搭載される多層配線基板2を、その下面の導体層2b(24b)とヒートシンク1の載置面1aとが直接接触するように構成することによって、多層配線基板2の下面側(下面の導体層2b(24b))に伝達された熱を効率よくヒートシンク1に伝達させることができる。これにより、LEDアレイ3(LED素子3b)からの熱を効果的にヒートシンク1から放熱させることができるので、LEDプリントヘッド60の放熱特性を十分に向上させることができる。その結果、LEDアレイ3(LED素子3b)の温度が高くなることに起因して、輝度の低下や発光波長のずれ等の不都合が生じるのを抑制することができるので、優れた印字(印画)特性を得ることができる。
【0034】
また、本実施形態では、上記のように、グランド用のヴィアホール2dを、下面の導体層2b(24b)に達するように、多層配線基板2の厚み方向に貫通して形成することによって、ヒートシンク1とグランド(GND)とを電気的に接続することができるので、グランドラインの電気的インピーダンスを低下させることができる。これにより、電気特性を向上させることができる。具体的には、多層配線基板2に形成された回路(図示せず)の動作を安定させることができる。したがって、これによっても、優れた印字(印画)特性を得ることができる。
【0035】
また、上記した本実施形態の構成では、電源用のヴィアホール2cが、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に達しないように途中の深さまで形成されているので、絶縁層(絶縁シート)などを介さずに多層配線基板2をヒートシンク1の載置面1a上に載置したとしても、グランド用のヴィアホール2dと電源用のヴィアホール2cとが互いに電気的に接続されるのを抑制することができる。すなわち、電気的な短絡を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、グランド用のヴィアホール2dを、互いに所定の間隔を隔てて複数形成することによって、容易に、LEDアレイ3からの熱を、グランド用のヴィアホール2dおよび下面の導体層2b(24b)を介して、ヒートシンク1に伝達させることができるとともに、ヒートシンク1から効率よく放熱させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、多層配線基板2に、上面の導体層2b(23b)と下面の導体層2b(24b)とを接続する放熱用のスルーホール2eを複数形成することによって、グランド用のヴィアホール2dに加えて放熱用のスルーホール2eによっても、LEDアレイ3からの熱を多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に伝達させることができるので、より効率よく、LEDアレイ3からの熱を多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に伝達させることができる。これにより、より効率よく、LEDアレイ3からの熱をヒートシンク1に伝達させることができるので、より効率よく、LEDアレイ3からの熱をヒートシンク1から放熱させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、複数のヴィアホール2dおよび複数のスルーホール2eの各々の内面に、導電性ペースト22dおよび22eを埋め込むことによって、容易に、グランド用のヴィアホール2dおよび放熱用のスルーホール2eの熱伝導率を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態によるLEDプリントヘッド60は、図11に示すように、像担持体としての感光体50と対向するように配設されることによって、感光体50上に静電潜像を形成するための露光ユニットとして電子写真プリンタ(画像形成装置)70に用いることができる。これにより、容易に、印字(印画)特性の優れた電子写真プリンタ(画像形成装置)70を得ることができる。
【0040】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0041】
たとえば、上記実施形態では、光プリントヘッドの一例であるLEDプリントヘッドに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、LEDプリントヘッド以外の光プリントヘッドに本発明を適用してもよい。LEDプリントヘッド以外の光プリントヘッドとしては、たとえば、有機ELプリントヘッドなどが考えられる。
【0042】
また、上記実施形態では、多層配線基板を、下面の導体層とヒートシンクの載置面とが直接接触するように、ヒートシンクの載置面上に載置したが、本発明はこれに限らず、下面の導体層とヒートシンクの載置面とが導電性シートなどの導電性部材を介して間接的に接触するように、多層配線基板をヒートシンクの載置面上に載置してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、多層配線基板に放熱用のスルーホールを複数設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、放熱用のスルーホールを設けない構成にしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、グランド用のヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの各々の内側に、導電性ペーストを埋め込んだ例を示したが、本発明はこれに限らず、グランド用のヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの一部に、導電性ペーストを埋め込んでもよい。また、グランド用のヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの各々に、導電性ペーストを埋め込まない構成にしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、複数のLED素子が配列されたLEDアレイを用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、LEDアレイ以外の発光素子アレイを用いるようにしてもよい。LEDアレイ以外の発光素子アレイとしては、たとえば、有機EL素子が配列された有機ELアレイなどが考えられる。また、ハロゲン光源とその前方に画素毎に複数の液晶セルが配列された液晶光シャッタアレイなども考えられる。
【0046】
また、上記実施形態では、屈折率分布型集光ファイバーレンズが配列されたレンズアレイを用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、ルーフプリズムレンズが配列されたルーフプリズムレンズアレイなどの他のレンズアレイを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの全体斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの平面図である。
【図3】図2の100−100線に沿った断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の一部を示した断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の一部を示した平面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の他の一部を示した断面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのLEDアレイを簡略的に示した平面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのレンズアレイを示した斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのレンズアレイの一部を示した平面図である。
【図10】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのレンズアレイの構造を説明するための断面図である。
【図11】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドを用いた電子写真プリンタの内部を簡略的に示した図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ヒートシンク(放熱部材)
1a 載置面
2 多層配線基板(多層基板)
2a 絶縁層
2b 導体層
2c 電源用のヴィアホール(第2ヴィアホール)
2d グランド用のヴィアホール(第1ヴィアホール)
2e 放熱用のスルーホール
3 LEDアレイ(発光素子アレイ)
3a LEDアレイチップ
3b LED素子(発光素子)
4 ハウジング部材
5 レンズアレイ(結像素子アレイ)
5a 集光レンズ(結像素子)
22d、22e 導電性ペースト
50 感光体(像担持体)
60 LEDプリントヘッド(光プリントヘッド)
70 電子写真プリンタ(画像形成装置)
【技術分野】
【0001】
この発明は、光プリントヘッド及びこれを用いた画像形成装置に関し、特に、発光素子が搭載される基板を備えた光プリントヘッド及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のLED(Light Emitted Diode:発光ダイオード)素子(発光素子)が直線状に配列されたLEDアレイ(発光素子アレイ)と、複数のLED素子からの光を集光する複数の集光レンズ(結像素子)が直線状に配列されたレンズアレイ(結像素子アレイ)とを備えたLEDプリントヘッド(光プリントヘッド)が知られており、像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するための露光ユニットとして電子写真プリンタなどに装着されている。
【0003】
このようなLEDプリントヘッドでは、LED素子(LEDアレイ)の発光によりLED素子(LEDアレイ)が発熱するため、発光により生じた熱の放熱が不十分な場合にはLED素子の素子温度が高くなる。これにより、輝度の低下や発光波長のずれ等が生じるので、露光ユニットとして用いられるLEDプリントヘッドでは、放熱性の向上が強く要求されている。
【0004】
上記した放熱性の向上の要求に応えるために、従来、放熱特性が改善された光プリントヘッド(LEDプリントヘッド)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、LEDアレイチップおよびLEDアレイチップを駆動するためのドライバICチップを含む発光素子モジュールと、発光素子モジュールを搭載する基板と、基板の下面側に装着されるヒートシンクとを備え、上記基板に放熱用のスルーホールが設けられた光プリントヘッドが記載されている。この基板の上面および下面には、それぞれ、導体層が形成されており、LEDアレイチップは、ドライバICチップを介して基板の上面の導体層に固定されている。また、放熱用のスルーホールは、基板の上面から下面まで貫通するように形成されることによって、基板の上面の導体層と基板の下面の導体層とを連結している。さらに、基板の下面側には、絶縁シートを介してヒートシンクが装着されている。このような構成により、上記特許文献1に記載の光プリントヘッドでは、LEDアレイチップからの熱を、放熱用のスルーホールを介して基板の下面側に効率よく伝達させることができるので、LEDアレイチップからの熱を、基板の下面側に装着されたヒートシンクから放熱させ易くすることが可能となる。これにより、基板に放熱用のスルーホールが設けられていない構成に比べて、放熱特性が改善される。
【0005】
なお、LEDアレイチップ(発光素子モジュール)が搭載される基板には、一般的に、多層配線基板が用いられる。この多層配線基板には、信号用の配線パターンに加えて、電源用の配線パターンおよびグランド用の配線パターンが設けられている。また、ヒートシンクは、一般的に、金属材料から構成されている。
【特許文献1】特開平10−226107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された光プリントヘッドでは、基板とヒートシンクとの間に熱伝導率の比較的低い絶縁シートが介在しているため、LEDアレイチップからの熱を基板の下面側に効率よく伝達させたとしても、絶縁シートの熱抵抗により、ヒートシンクにまで効率よく伝達させることが困難であるという不都合がある。一方、絶縁シートを介することなく基板の下面側にヒートシンクを装着した場合には、電源用の配線パターンとグラント用の配線パターンとの間で電気的に短絡するおそれがあるという不都合が生じる。このため、基板に放熱用のスルーホールを設けることによって放熱特性が改善されるものの、十分に改善されるまでには至っていない。その結果、輝度の低下や発光波長のずれ等を十分に抑制することが困難であるので、優れた印字特性を得ることが困難であるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、放熱特性を向上させることにより、印字特性の優れた光プリントヘッド及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における光プリントヘッドは、複数の発光素子を含む発光素子アレイと、発光素子アレイから出射された光を像担持体に結像する複数の結像素子を含む結像素子アレイと、絶縁層と導体層とが互いに交互に積層されることによって構成されるとともに、グランド用の第1ヴィアホールと電源用の第2ヴィアホールとを含み、かつ、上面上に発光素子アレイが搭載される多層基板と、平坦な載置面を含み、載置面上に多層基板が載置される放熱部材とを備えている。そして、多層基板の下面の導体層と放熱部材の載置面とが直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成されており、グランド用の第1ヴィアホールが、下面の導体層に達するように、多層基板の厚み方向に貫通して形成されている一方、電源用の第2ヴィアホールが、下面の導体層に達しないように、多層基板の厚み方向の途中の深さまで形成されている。
【0009】
この第1の局面による光プリントヘッドでは、上記のように、発光素子アレイが搭載される多層基板に、下面の導体層まで達するグランド用の第1ヴィアホールを形成することによって、発光に伴い発光素子アレイが発熱したとしても、発光素子アレイからの熱をグランド用の第1ヴィアホールを介して多層基板の下面側(下面の導体層)に効率よく伝達させることができる。そして、発光素子アレイが搭載される多層基板を、その下面の導体層と放熱部材の載置面とが直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成することによって、多層基板の下面側(下面の導体層)に伝達された熱を効率よく放熱部材に伝達させることができる。これにより、発光素子アレイからの熱を効果的に放熱部材から放熱させることができるので、光プリントヘッドの放熱特性を十分に向上させることができる。その結果、発光素子アレイの温度が高くなることに起因して、輝度の低下や発光波長のずれ等の不都合が生じるのを抑制することができるので、優れた印字特性を得ることができる。なお、第1の局面による光プリントヘッドでは、優れた印画特性も得ることができる。
【0010】
また、第1の局面では、上記のように、グランド用の第1ヴィアホールを、下面の導体層に達するように、多層基板の厚み方向に貫通して形成することによって、放熱部材が金属材料から構成されている場合には、放熱部材とグランドとを電気的に接続することができるので、グランドラインの電気的インピーダンスを低下させることができる。これにより、電気特性を向上させることができる。具体的には、多層基板に形成された回路の動作を安定させることができる。したがって、これによっても、優れた印字(印画)特性を得ることができる。
【0011】
また、上記した構成では、電源用の第2ヴィアホールが、多層基板の下面の導体層に達しないように途中の深さまで形成されているので、放熱部材が金属材料から構成されている場合において、絶縁層(絶縁シート)などを介さずに多層基板を放熱部材の載置面上に載置したとしても、グランド用の第1ヴィアホールと電源用の第2ヴィアホールとが互いに電気的に接続されるのを抑制することができる。すなわち、電気的な短絡を抑制することができる。したがって、多層基板の下面の導体層が放熱部材の載置面と直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように、多層基板を放熱部材の載置面上に載置することができる。
【0012】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、グランド用の第1ヴィアホールは、多層基板に、互いに所定の間隔を隔てて複数形成されている。このように構成すれば、容易に、発光素子アレイからの熱を、グランド用の第1ヴィアホールおよび下面の導体層を介して、放熱部材に伝達させることができるとともに、放熱部材から効率よく放熱させることができる。
【0013】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、発光素子アレイは、多層基板の上面の導体層上に搭載されており、多層基板は、上面の導体層と下面の導体層とを接続する複数の放熱用のスルーホールをさらに含んでいる。このように構成すれば、グランド用の第1ヴィアホールに加えて放熱用のスルーホールによっても、発光素子アレイからの熱を多層基板の下面の導体層に伝達させることができるので、より効率よく、発光素子アレイからの熱を多層基板の下面の導体層に伝達させることができる。これにより、より効率よく、発光素子アレイからの熱を放熱部材に伝達させることができるので、より効率よく、発光素子アレイからの熱を放熱部材から放熱させることができる。
【0014】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、少なくとも、複数の第1ヴィアホールおよび複数のスルーホールの一部に、導電性ペーストが埋め込まれている。このように構成すれば、容易に、第1ヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの熱伝導率を向上させることができる。
【0015】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、好ましくは、放熱部材は、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成されている。このように構成すれば、容易に、放熱部材の放熱効率を向上させることができるので、容易に、光プリントヘッドの放熱特性を向上させることができる。
【0016】
上記第1の局面による光プリントヘッドにおいて、発光素子アレイが、複数の発光ダイオード素子(LED素子)を含む発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)から構成されていてもよい。
【0017】
この発明の第2の局面における画像形成装置は、像担持体と、上記第1の局面による光プリントヘッドとを備える画像形成装置である。このように構成すれば、容易に、印字特性の優れた画像形成装置を得ることができる。なお、第2の局面による画像形成装置では、優れた印画特性も得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、放熱特性を向上させることにより、印字特性の優れた光プリントヘッド及び画像形成装置を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態では、光プリントヘッドの一例であるLEDプリントヘッドに本発明を適用した例について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの全体斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの平面図である。図3は、図2の100−100線に沿った断面図であり、図4は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の一部を示した断面図である。図5〜図11は、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの構造を説明するための図である。図1〜図11を参照して、本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッド60の構造について説明する。
【0021】
一実施形態によるLEDプリントヘッド60は、図1〜図3に示すように、平坦な載置面1aを有するヒートシンク1と、ヒートシンク1の載置面1a上に搭載された多層配線基板2(図3参照)と、多層配線基板2上に実装された発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)3(図3参照)と、LEDアレイ3などを覆うハウジング部材4と、LEDアレイ3からの出射光を集光するレンズアレイ(ロッドレンズアレイ)5と、レンズアレイ5の周囲を保持する保持部材6とを備えている。なお、多層配線基板2は、本発明の「多層基板」の一例であり、ヒートシンク1は、本発明の「放熱部材」の一例である。
【0022】
ヒートシンク1は、図1および図3に示すように、熱伝導性の優れたアルミニウム押し出し材などの金属材料から構成されており、LEDアレイ3の発光により生じた熱を放熱する機能を有している。また、ヒートシンク1の上部側には、載置面1aが形成されている。この載置面1aは、切削加工などによって平滑な面に仕上げられており、長手方向(A方向)に反りがないように形成されている。また、ヒートシンク1の下部側には、放熱性を向上させるためのフィン部1bが複数形成されている。また、図1および図2に示すように、載置面1aの所定の領域であるとともに、ヒートシンク1の長手方向(A方向)の両端部側には、それぞれ、LEDプリントヘッド60を電子写真プリンタの筐体部(図示せず)などに取り付ける際にネジ止めされるネジ穴1cが設けられている。
【0023】
また、多層配線基板2は、図4に示すように、ガラスエポキシ樹脂などから構成される絶縁層2aとCu(銅)などから構成される導体層2bとが互いに交互に積層された積層構造を有している。また、多層配線基板2の内層の導体層2b(21b)は、電源用のプレーン層として機能するように構成されているとともに、導体層2b(21b)と対向する内層の導体層2b(22b)は、グランド(GND)用のプレーン層として機能するように構成されている。そして、電源用の導体層2b(21b)およびグランド(GND)用の導体層2b(22b)は、それぞれ、電源用のヴィアホール2cおよびグランド(GND)用のヴィアホール2dにより、他の導体層2bと接続されている。具体的には、電源用のヴィアホール2cおよびグランド用のヴィアホール2dの内側面上には、それぞれ、金属メッキ層21cおよび21dが形成されており、この金属メッキ層21cおよび21dによって、各層の導体層2bが互いに電気的および熱的に接続されている。なお、グランド用のヴィアホール2dおよび電源用のヴィアホール2cは、それぞれ、本発明の「第1ヴィアホール」および「第2ヴィアホール」の一例である。
【0024】
また、多層配線基板2の上面には、配線用の導体層2bが所定の配線パターンで形成されている。また、配線用の導体層2bの所定領域は、レジスト層7によって覆われている。このレジスト層7は、上面に設けられた配線用の導体層2bとハウジング部材4などの他の部材との電気的な短絡を抑制する機能を有している。
【0025】
ここで、本実施形態では、グランド用のヴィアホール2dは、多層配線基板2の厚み方向に貫通するように形成されている一方、電源用のヴィアホール2cは、多層配線基板2の上面から厚み方向の途中の深さまで形成されている。すなわち、グランド用のヴィアホール2dは、多層配線基板2の上面の導体層2b(23b)と下面の導体層2b(24b)とを接続するように貫通孔に形成されている。一方、電源用のヴィアホール2cは、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に達しないように形成されている。また、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)は、放熱用のプレーン層として機能するように構成されている。したがって、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)は、配線用に用いられる他の導体層2bと図示しないスルーホールによって電気的に接続されないように構成されている。また、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)は、レジスト層で覆われることなく、露出された状態となっている。
【0026】
また、本実施形態では、図5に示すように、グランド用のヴィアホール2dは、多層配線基板2の所定領域に、互いに所定の間隔を隔てて複数形成されている。また、多層配線基板2におけるLEDアレイチップ3aの実装領域の近傍には、放熱用のスルーホール2eが複数形成されている。この放熱用のスルーホール2eは、図6に示すように、多層配線基板2の厚み方向に貫通するように形成されることによって、上面の導体層2b(23b)と下面の放熱用の導体層2bとを接続している。なお、放熱用のスルーホール2eの内側面上には、上面の導体層2b(23b)と下面の放熱用の導体層2bとを電気的および熱的に接続するための金属メッキ層21eが形成されている。
【0027】
さらに、本実施形態では、図4および図6に示すように、ヴィアホール2cおよび2d、放熱用のスルーホール2eの各々の内側には、それぞれ、導電性ペースト22c、22dおよび22eが埋め込まれている。そして、多層配線基板2は、下面の導体層2b(24b)とヒートシンク1の載置面1aとが直接接触するように、ヒートシンク1の載置面1a上に載置されている。
【0028】
また、LEDアレイ3は、図5に示すように、多層配線基板2の長手方向(A方向)と平行となるように、多層配線基板2の上面の導体層2b(23b)(図6参照)上に実装されている。このLEDアレイ3は、複数のLEDアレイチップ3aから構成されており、各LEDアレイチップ3aは、多層配線基板2の長手方向(A方向)と平行となるように直線状に配列されている。また、LEDアレイチップ3aには、図7に示すように、それぞれの上面に、たとえば、600dpi(dot per inch)の密度で直線状に配列された複数のLED素子3bが設けられている。また、多層配線基板2の上面上には、LEDアレイチップ3aを駆動するためのドライバICチップ8が、LEDアレイチップ3aに沿って実装されている。なお、LEDアレイ3は、本発明の「発光素子アレイ」の一例であり、LED素子3bは、本発明の「発光素子」の一例である。
【0029】
また、ハウジング部材4は、図1および図3に示すように、LEDアレイ3(図3参照)などを覆う矩形状の枠体部4aから構成されており、この枠体部4aの上部には、矩形状の開口部4bが形成されている。また、図1〜図3に示すように、ハウジング部材4の枠体部4aの所定領域には、複数のネジ穴4cが設けられている。また、ハウジング部材4は、図3に示すように、多層配線基板2の上方に配置されるとともに、LEDアレイ3などを覆うようにヒートシンク1の載置面1a上にネジ穴4cを介してネジ9で固定されている。この際、ハウジング部材4は、開口部4bがLEDアレイ3の真上に位置するようにヒートシンク1に固定される。
【0030】
また、レンズアレイ5は、図8および図9に示すように、複数のファイバー状の集光レンズ5aが互いの光軸が平行となるように直線状に配列された構造を有しており、各々の集光レンズ5aの間隙には接着部材5bが充填されている。この集光レンズ5aは、図10に示すように、等倍結像が得られる屈折率分布型集光ファイバーレンズによって構成されており、LED素子3bから出射された拡散光30を集光して、収束光40として出射する機能を有している。すなわち、像担持体としての感光体50(図10および図11参照)上に静電潜像を形成するためには、LED素子3bから出射された拡散光30を微小なスポット光に集光して結像する必要があるため、本実施形態によるLEDプリントヘッド60では、集光レンズ5aから構成されたレンズアレイ5を設けることによって、良好なスポット光が形成されるように構成されている。なお、レンズアレイ5は、本発明の「結像素子アレイ」の一例であり、集光レンズ5aは、本発明の「結像素子」の一例である。
【0031】
また、保持部材6は、図1および図2に示すように、長尺形状を有しており、その中央部にレンズアレイ5の周囲を保持する開口部が設けられている。また、保持部材6の開口部には、レンズアレイ5が接着剤などで固定されている。
【0032】
また、図3に示すように、レンズアレイ5が固定された保持部材6は、ハウジング部材4の開口部4bの間に挿入されるように配設されている。これにより、LEDアレイ3の真上にレンズアレイ5が配置されるとともに、LEDアレイ3を構成する複数のLED素子3bの真上に、対応するレンズアレイ5の集光レンズ5aが位置するように構成されている。
【0033】
本実施形態では、上記のように、LEDアレイ3が搭載される多層配線基板2に、下面の導体層2b(24b)まで達するグランド用のヴィアホール2dを形成することによって、発光に伴いLEDアレイ3(LED素子3b)が発熱したとしても、LEDアレイ3(LED素子3b)からの熱をグランド用のヴィアホール2dを介して多層配線基板2の下面側(下面の導体層2b(24b))に効率よく伝達させることができる。そして、LEDアレイ3が搭載される多層配線基板2を、その下面の導体層2b(24b)とヒートシンク1の載置面1aとが直接接触するように構成することによって、多層配線基板2の下面側(下面の導体層2b(24b))に伝達された熱を効率よくヒートシンク1に伝達させることができる。これにより、LEDアレイ3(LED素子3b)からの熱を効果的にヒートシンク1から放熱させることができるので、LEDプリントヘッド60の放熱特性を十分に向上させることができる。その結果、LEDアレイ3(LED素子3b)の温度が高くなることに起因して、輝度の低下や発光波長のずれ等の不都合が生じるのを抑制することができるので、優れた印字(印画)特性を得ることができる。
【0034】
また、本実施形態では、上記のように、グランド用のヴィアホール2dを、下面の導体層2b(24b)に達するように、多層配線基板2の厚み方向に貫通して形成することによって、ヒートシンク1とグランド(GND)とを電気的に接続することができるので、グランドラインの電気的インピーダンスを低下させることができる。これにより、電気特性を向上させることができる。具体的には、多層配線基板2に形成された回路(図示せず)の動作を安定させることができる。したがって、これによっても、優れた印字(印画)特性を得ることができる。
【0035】
また、上記した本実施形態の構成では、電源用のヴィアホール2cが、多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に達しないように途中の深さまで形成されているので、絶縁層(絶縁シート)などを介さずに多層配線基板2をヒートシンク1の載置面1a上に載置したとしても、グランド用のヴィアホール2dと電源用のヴィアホール2cとが互いに電気的に接続されるのを抑制することができる。すなわち、電気的な短絡を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、グランド用のヴィアホール2dを、互いに所定の間隔を隔てて複数形成することによって、容易に、LEDアレイ3からの熱を、グランド用のヴィアホール2dおよび下面の導体層2b(24b)を介して、ヒートシンク1に伝達させることができるとともに、ヒートシンク1から効率よく放熱させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、多層配線基板2に、上面の導体層2b(23b)と下面の導体層2b(24b)とを接続する放熱用のスルーホール2eを複数形成することによって、グランド用のヴィアホール2dに加えて放熱用のスルーホール2eによっても、LEDアレイ3からの熱を多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に伝達させることができるので、より効率よく、LEDアレイ3からの熱を多層配線基板2の下面の導体層2b(24b)に伝達させることができる。これにより、より効率よく、LEDアレイ3からの熱をヒートシンク1に伝達させることができるので、より効率よく、LEDアレイ3からの熱をヒートシンク1から放熱させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、複数のヴィアホール2dおよび複数のスルーホール2eの各々の内面に、導電性ペースト22dおよび22eを埋め込むことによって、容易に、グランド用のヴィアホール2dおよび放熱用のスルーホール2eの熱伝導率を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態によるLEDプリントヘッド60は、図11に示すように、像担持体としての感光体50と対向するように配設されることによって、感光体50上に静電潜像を形成するための露光ユニットとして電子写真プリンタ(画像形成装置)70に用いることができる。これにより、容易に、印字(印画)特性の優れた電子写真プリンタ(画像形成装置)70を得ることができる。
【0040】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0041】
たとえば、上記実施形態では、光プリントヘッドの一例であるLEDプリントヘッドに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、LEDプリントヘッド以外の光プリントヘッドに本発明を適用してもよい。LEDプリントヘッド以外の光プリントヘッドとしては、たとえば、有機ELプリントヘッドなどが考えられる。
【0042】
また、上記実施形態では、多層配線基板を、下面の導体層とヒートシンクの載置面とが直接接触するように、ヒートシンクの載置面上に載置したが、本発明はこれに限らず、下面の導体層とヒートシンクの載置面とが導電性シートなどの導電性部材を介して間接的に接触するように、多層配線基板をヒートシンクの載置面上に載置してもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、多層配線基板に放熱用のスルーホールを複数設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、放熱用のスルーホールを設けない構成にしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、グランド用のヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの各々の内側に、導電性ペーストを埋め込んだ例を示したが、本発明はこれに限らず、グランド用のヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの一部に、導電性ペーストを埋め込んでもよい。また、グランド用のヴィアホールおよび放熱用のスルーホールの各々に、導電性ペーストを埋め込まない構成にしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、複数のLED素子が配列されたLEDアレイを用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、LEDアレイ以外の発光素子アレイを用いるようにしてもよい。LEDアレイ以外の発光素子アレイとしては、たとえば、有機EL素子が配列された有機ELアレイなどが考えられる。また、ハロゲン光源とその前方に画素毎に複数の液晶セルが配列された液晶光シャッタアレイなども考えられる。
【0046】
また、上記実施形態では、屈折率分布型集光ファイバーレンズが配列されたレンズアレイを用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、ルーフプリズムレンズが配列されたルーフプリズムレンズアレイなどの他のレンズアレイを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの全体斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの平面図である。
【図3】図2の100−100線に沿った断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の一部を示した断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の一部を示した平面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドの多層配線基板の他の一部を示した断面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのLEDアレイを簡略的に示した平面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのレンズアレイを示した斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのレンズアレイの一部を示した平面図である。
【図10】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドのレンズアレイの構造を説明するための断面図である。
【図11】本発明の一実施形態によるLEDプリントヘッドを用いた電子写真プリンタの内部を簡略的に示した図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ヒートシンク(放熱部材)
1a 載置面
2 多層配線基板(多層基板)
2a 絶縁層
2b 導体層
2c 電源用のヴィアホール(第2ヴィアホール)
2d グランド用のヴィアホール(第1ヴィアホール)
2e 放熱用のスルーホール
3 LEDアレイ(発光素子アレイ)
3a LEDアレイチップ
3b LED素子(発光素子)
4 ハウジング部材
5 レンズアレイ(結像素子アレイ)
5a 集光レンズ(結像素子)
22d、22e 導電性ペースト
50 感光体(像担持体)
60 LEDプリントヘッド(光プリントヘッド)
70 電子写真プリンタ(画像形成装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を含む発光素子アレイと、
前記発光素子アレイから出射された光を像担持体に結像する複数の結像素子を含む結像素子アレイと、
絶縁層と導体層とが互いに交互に積層されることによって構成されるとともに、グランド用の第1ヴィアホールと電源用の第2ヴィアホールとを含み、かつ、上面上に前記発光素子アレイが搭載される多層基板と、
平坦な載置面を含み、前記載置面上に前記多層基板が載置される放熱部材とを備え、
前記多層基板の下面の導体層と前記放熱部材の載置面とが直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成されており、
前記グランド用の第1ヴィアホールが、前記下面の導体層に達するように、前記多層基板の厚み方向に貫通して形成されている一方、前記電源用の第2ヴィアホールが、前記下面の導体層に達しないように、前記多層基板の厚み方向の途中の深さまで形成されていることを特徴とする、光プリントヘッド。
【請求項2】
前記グランド用の第1ヴィアホールは、前記多層基板に、互いに所定の間隔を隔てて複数形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光プリントヘッド。
【請求項3】
前記発光素子アレイは、前記多層基板の上面の導体層上に搭載されており、
前記多層基板は、前記上面の導体層と前記下面の導体層とを接続する複数の放熱用のスルーホールをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の光プリントヘッド。
【請求項4】
少なくとも、前記複数の第1ヴィアホールおよび前記複数のスルーホールの一部には、導電性ペーストが埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
【請求項5】
前記放熱部材は、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
【請求項6】
前記発光素子アレイは、複数の発光ダイオード素子を含む発光ダイオードアレイであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
【請求項7】
像担持体と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光プリントヘッドとを備えたことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項1】
複数の発光素子を含む発光素子アレイと、
前記発光素子アレイから出射された光を像担持体に結像する複数の結像素子を含む結像素子アレイと、
絶縁層と導体層とが互いに交互に積層されることによって構成されるとともに、グランド用の第1ヴィアホールと電源用の第2ヴィアホールとを含み、かつ、上面上に前記発光素子アレイが搭載される多層基板と、
平坦な載置面を含み、前記載置面上に前記多層基板が載置される放熱部材とを備え、
前記多層基板の下面の導体層と前記放熱部材の載置面とが直接接触または導電性部材を介して間接的に接触するように構成されており、
前記グランド用の第1ヴィアホールが、前記下面の導体層に達するように、前記多層基板の厚み方向に貫通して形成されている一方、前記電源用の第2ヴィアホールが、前記下面の導体層に達しないように、前記多層基板の厚み方向の途中の深さまで形成されていることを特徴とする、光プリントヘッド。
【請求項2】
前記グランド用の第1ヴィアホールは、前記多層基板に、互いに所定の間隔を隔てて複数形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光プリントヘッド。
【請求項3】
前記発光素子アレイは、前記多層基板の上面の導体層上に搭載されており、
前記多層基板は、前記上面の導体層と前記下面の導体層とを接続する複数の放熱用のスルーホールをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の光プリントヘッド。
【請求項4】
少なくとも、前記複数の第1ヴィアホールおよび前記複数のスルーホールの一部には、導電性ペーストが埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
【請求項5】
前記放熱部材は、アルミニウムを主成分とする金属材料から構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
【請求項6】
前記発光素子アレイは、複数の発光ダイオード素子を含む発光ダイオードアレイであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光プリントヘッド。
【請求項7】
像担持体と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光プリントヘッドとを備えたことを特徴とする、画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−18455(P2009−18455A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181293(P2007−181293)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】
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