説明

光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和する方法及び機構

【課題】レンズ、ミラー、及び光学フィルタ等といった光学要素の諸症状による結像への悪影響を、光学装置の製作段階のみならず、製作後であっても緩和すること。
【解決手段】本発明は、光学要素として例えばコンデンサーレンズ20や投影レンズユニット26等のレンズを用いて結像面28上に対象物の像を結像させる方法であって、レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として、光軸方向Pに対して直交するように回転させながら対象物の像を結像面28上に結像させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレンズ、ミラー、及び光学フィルタ等の光学要素の歪み、透過率の不均一等の諸症状による結像への悪影響を緩和する方法及び機構に係り、更には、この機構を適用した露光装置、映写機、及びビデオカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば露光装置、ステッパー装置、映写機、カメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、分光器及び望遠鏡等の光学装置には、レンズ、ミラー、及び光学フィルタ等といった光学要素が用いられている。図17は、このような光学要素が使用されたプロジェクション型の露光装置の一例を示す機能ブロック図である。
【0003】
すなわち、図17に示すように、プロジェクション型の露光装置は、集光ミラー10によって周囲を囲まれたUVランプ12等の光源からの光が、反射ミラー14によって反射されインテグレータレンズ16へと導かれる。そして、インテグレータレンズ16によって均等化された後に、反射ミラー18によってコンデンサーレンズ20へと導かれ、コンデンサーレンズ20によって平行化される。これによって、枠状のマスクステージ22の枠上にその外周部が載置されたガラスマスク24は、この平行化された光によって照射される。
【0004】
このようにしてガラスマスク24を照射した光は、ガラスマスク24を通過すると、投影レンズユニット26によって焦点調節される。これによって、結像面28上には、ガラスマスク24上に形成されたパターンの像が結像される。
【0005】
なお、インテグレータレンズ16と反射ミラー18との間にはシャッター17が設けられており、UVランプ12からの光によってガラスマスク24を照射しない場合には、シャッター17が閉じられる。
【0006】
このような露光装置等の光学装置に使用されている光学要素の製造技術は、めざましく発展し、高い精度で製造がなされているものの、個体差による性能の僅かなばらつきが発生することは避けられない。また、同一の光学要素であっても、全体的に全く均一な性能のものを製造することも現実的に不可能であり、ディストーションと呼ばれる歪みや、透過率の不均一性が必ず付きまとう。
【0007】
そこで、これら光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和するために、これら光学要素を使用している光学装置では、構成部品を改良して性能の向上が図ったり、予め光学要素個別の特性をそれぞれ測定しておき、露光マスクを補正しておくなどといった対策が講じられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−70192号公報
【特許文献2】特開2002−199203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来の方法では、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、上述した従来の方法は、いずれも光学装置の製作段階においてのみ講じることができる対策である。したがって、光学装置の製作後に、これら光学要素に生じた歪みや、透過率の変化、ゴミの付着、傷等による諸症状に対して何ら対処することはできない。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、レンズ、ミラー、及び光学フィルタ等といった光学要素の諸症状による結像への悪影響を、露光装置、ステッパー装置、映写機、カメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、分光器及び望遠鏡等といった光学装置の製作段階のみならず、製作後であっても緩和することが可能な方法及び機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0012】
すなわち、請求項1の発明は、光学要素を用いて結像面上に対象物の像を結像させる方法であって、光学要素の光学作用面を、その面中心を中心として回転させながら対象物の像を結像面上に結像させる。
【0013】
従って、請求項1の発明の方法においては、以上のような手段を講じることにより、光学要素の諸症状による結像への悪影響を、同心円状に分散させ、その悪影響が一箇所に集中的に及ぼされることを阻止することができる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明の方法において、光学要素は、ミラー及び光学フィルタのうちの少なくとも何れかである。
【0015】
従って、請求項2の発明の方法においては、以上のような手段を講じることにより、ミラーや光学フィルタの製作後に歪みや透過率の変化が生じたり、ゴミが付着したり、傷がついた場合であっても、それによる結像への悪影響を、同心円状に分散させ、その悪影響が一箇所に集中的に及ぼされることを阻止することができる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0016】
請求項3の発明は、光学要素としてレンズを用いて結像面上に対象物の像を結像させる方法であって、レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として、光軸方向に対して直交するように回転させながら対象物の像を結像面上に結像させる。
【0017】
従って、請求項3の発明の方法においては、以上のような手段を講じることにより、レンズの製作後に歪みや透過率の変化が生じたり、ゴミが付着したり、傷がついた場合であっても、それによる結像への悪影響を、同心円状に分散させ、その悪影響が一箇所に集中的に及ぼされることを阻止することができる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の方法において、光学要素を複数用いて結像させる場合には、複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素の回転方向とは逆方向に回転させる。
【0019】
従って、請求項4の発明の方法においては、以上のような手段を講じることにより、複数の光学要素が用いられる場合であっても、それら複数の光学要素が結像に悪影響をもたらす各要因を、それぞれ同心円状に分散させることができ、複数の光学要素による悪影響が重畳されることを回避することが可能となる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の方法において、光学要素を複数用いて結像させる場合には、複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素とは同一の回転方向に、異なる回転速度で回転させる。
【0021】
従って、請求項5の発明の方法においては、以上のような手段を講じることにより、複数の光学要素が用いられる場合であっても、それら複数の光学要素が結像に悪影響をもたらす各要因を、それぞれ同心円状に分散させることができ、複数の光学要素による悪影響が重畳されることを回避することが可能となる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0022】
請求項6の発明は、光学要素を用いて結像面上に対象物の像を結像させる機構であって、光学要素の光学作用面を、その面中心を中心として回転させる。
【0023】
従って、請求項6の発明の機構においては、以上のような手段を講じることにより、光学要素の諸症状による結像への悪影響を、同心円状に分散させ、その悪影響が一箇所に集中的に及ぼされることを阻止することができる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0024】
請求項7の発明は、請求項6の発明の機構において、光学要素は、ミラー及び光学フィルタのうちの少なくとも何れかである。
【0025】
従って、請求項7の発明の機構においては、以上のような手段を講じることにより、ミラーや光学フィルタの製作後に歪みや透過率の変化が生じたり、ゴミが付着したり、傷がついた場合であっても、それによる結像への悪影響を、同心円状に分散させ、その悪影響が一箇所に集中的に及ぼされることを阻止することができる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0026】
請求項8の発明は、光学要素としてレンズを用いて結像面上に対象物の像を結像させる機構であって、レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として、光軸方向に対して直交するように回転させる回転手段を備えている。
【0027】
従って、請求項8の発明の機構においては、以上のような手段を講じることにより、レンズの製作後に歪みや透過率の変化が生じたり、ゴミが付着したり、傷がついた場合であっても、それによる結像への悪影響を、同心円状に分散させ、その悪影響が一箇所に集中的に及ぼされることを阻止することができる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0028】
請求項9の発明は、請求項6乃至8のうち何れか1項の発明の機構において、光学要素を複数用いて結像させる場合には、回転手段を各光学要素毎に備えるとともに、各回転手段を、複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素の回転方向とは逆方向に回転させるように制御する制御手段を更に備えている。
【0029】
従って、請求項9の発明の機構においては、以上のような手段を講じることにより、複数の光学要素が用いられる場合であっても、それら複数の光学要素が結像に悪影響をもたらす各要因を、それぞれ同心円状に分散させることができ、複数の光学要素による悪影響が重畳されることを回避することが可能となる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0030】
請求項10の発明は、請求項6乃至8のうち何れか1項の発明の機構において、光学要素を複数用いて結像させる場合には、回転手段を各光学要素毎に備えるとともに、各回転手段を、複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素とは同一の回転方向に、異なる回転速度で回転させるように制御する制御手段を更に備えている。
【0031】
従って、請求項10の発明の機構においては、以上のような手段を講じることにより、複数の光学要素が用いられる場合であっても、それら複数の光学要素が結像に悪影響をもたらす各要因を、それぞれ同心円状に分散させることができ、複数の光学要素による悪影響が重畳されることを回避することが可能となる。これによって、光学要素の諸症状による結像への悪影響を緩和することができる。
【0032】
請求項11の発明は、請求項6乃至10のうち何れか1項の発明の機構において、回転手段は、光学要素を固定する固定手段と、固定手段を回転させることによって、光学要素を回転させる駆動手段とを備えている。
【0033】
従って、請求項11の発明の機構においては、以上のような手段を講じることにより、光学要素を、効率的に回転させることが可能となる。
【0034】
請求項12の発明は、請求項6乃至11のうち何れか1項の発明の機構を備え、結像面上に結像された像を露光する露光装置である。
【0035】
従って、請求項12の発明の露光装置においては、以上のような手段を講じることにより、使用している光学要素に、製作後に歪みが生じたり、透過率が局所的に変化したり、ゴミが付着したり、傷等の付着によって結像に対して悪影響を及ぼす要因が発生した場合であっても、これらによってもたらされる悪影響を緩和することが可能となる。
【0036】
請求項13の発明は、請求項6乃至11のうち何れか1項の発明の機構を備え、結像面上に結像された像を映写する映写機である。
【0037】
従って、請求項13の発明の映写機においては、以上のような手段を講じることにより、使用している光学要素に、製作後に歪みが生じたり、透過率が局所的に変化したり、ゴミが付着したり、傷等の付着によって結像に対して悪影響を及ぼす要因が発生した場合であっても、これらによってもたらされる悪影響を緩和することが可能となる。
【0038】
請求項14の発明は、請求項6乃至11のうち何れか1項の発明の機構と、結像面を備えた受光機とを備えたビデオカメラである。
【0039】
従って、請求項14の発明のビデオカメラにおいては、以上のような手段を講じることにより、使用している光学要素に、製作後に歪みが生じたり、透過率が局所的に変化したり、ゴミが付着したり、傷等の付着によって結像に対して悪影響を及ぼす要因が発生した場合であっても、これらによってもたらされる悪影響を緩和することが可能となる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の方法及び機構によれば、レンズ、ミラー、及び光学フィルタ等といった光学要素の諸症状による結像への悪影響を、露光装置、ステッパー装置、映写機、カメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、分光器及び望遠鏡等といった光学装置の製作段階のみならず、製作後であっても緩和することが可能となる。
【0041】
また、このような方法及び機構を適用することによって、これら光学要素の諸症状による結像への悪影響を、製作段階のみならず、製作後であっても緩和することが可能な光学装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0043】
なお、以下の実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図17と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0044】
本発明の実施の形態に係る方法及び機構は、レンズ、ミラー、及び光学フィルタ等といった光学要素を用いている露光装置、ステッパー装置、映写機、カメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、分光器及び望遠鏡等の光学装置に好適に適用されるものである。この方法及び機構は、これら光学要素の、結像へ悪影響及ぼす諸症状(歪み、透過率の局所的な差、ゴミや傷等の付着)そのものを取り除くのではなく、これら諸症状によってもたらされる悪影響を最小限度に抑えるものである。このような本実施の形態に係る方法及び機構を、図17にその構成を示す露光装置に適用した例を用いて説明する。
【0045】
例えば、露光装置において、コンデンサーレンズ20及び投影レンズユニット26の諸症状により結像にもたらされる悪影響を緩和する場合には、図1(a)及び図1(b)に示すように、コンデンサーレンズ20及び投影レンズユニット26のそれぞれを、レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として、光軸方向P(レンズの厚み方向と同じ)に対して直交するように回転させながら、露光する。
【0046】
諸症状の方向は、常に一定方向に発生しているため、このように露光動作中にコンデンサーレンズ20及び投影レンズユニット26を回転させることにより、諸症状の影響を同心円状に分散させ、一方向および一箇所への悪影響を緩和するようにしている。
【0047】
コンデンサーレンズ20及び投影レンズユニット26の回転速度は、露光動作中に少なくとも360°回転(1回転)できる値が必要であり、速ければ速いほど緩和効果が良好に得られる。
【0048】
また、図1(a)及び図1(b)に示すように、コンデンサーレンズ20と投影レンズユニット26とはそれぞれ逆方向に回転させるのが望ましい。図1(a)では、コンデンサーレンズ20を反時計方向に回転させ、投影レンズユニット26を時計方向に回転させている。図1(b)ではその逆に、コンデンサーレンズ20を時計方向に回転させ、投影レンズユニット26を反時計方向に回転させている。これによって、複数の光学要素が結像に悪影響をもたらす各要因を、それぞれ同心円状に分散させることができ、複数の光学要素による悪影響が重畳されることを回避する。
【0049】
更に、このように逆方向に回転させる代わりに、同一方向に回転させるものの、コンデンサーレンズ20と投影レンズユニット26とを、それぞれ異なる回転速度で回転させるようにしても良い。こうすることによっても、複数の光学要素が結像に悪影響をもたらす各要因を、それぞれ同心円状に分散させることができ、複数の光学要素による悪影響が重畳されることを回避する。
【0050】
同様に、インテグレータレンズ16や、反射ミラー14,18についても、露光動作しながら回転させて良い。反射ミラー14,18については、光学作用面、すなわちミラー表面を、面中心を中心として回転させる。また、インテグレータレンズ16については、レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として回転させる。図示していないが、更に光学フィルタが用いられている場合には、この光学フィルタについても、表面の面中心を中心として回転させる。
【0051】
UVランプ12からの光の光学経路には、光の強弱や反射率の不均一などの要因を伴う。また、インテグレータレンズ16による光の集光や、ミキシングの段階で発生した照度差や影の影響は、コンデンサーレンズ20や投影レンズユニット26を回転させてもほとんど効果がない。このような場合、インテグレータレンズ16や、反射ミラー14,18を回転させることによって、インテグレータレンズ16や、反射ミラー14,18の諸症状による光の強弱や、反射率の不均一等の影響を、同心円状に分散させ、一方向および一箇所への悪影響を緩和する。
【0052】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る方法及び機構の作用について説明する。
【0053】
仮に、コンデンサーレンズ20と投影レンズユニット26に、結像へ悪影響を及ぼす諸症状がある場合、図3(a)に示すような「A」という文字からなる原画Aを、コンデンサーレンズ20および投影レンズユニット26を回転させることなく、図2に示すように、マスクステージ22上に固定したまま露光すると、諸症状が特定のポイントのみに表れてしまうために、例えば図3(b)に示すように歪んだ像A’がはっきりと結像面28に得られる。図3(a)に示すような原画Aの周囲の境界部Dも、図3(b)のD’に示すように歪んで得られる。
【0054】
また、この場合、インテグレータレンズ16や、反射ミラー14,18における諸症状によって、光の強弱や反射率の不均一がもたらされている場合には、図3(a)に示すように、原画Aを照射する段階から既に明るい部分Bと暗い部分Cとが存在している。この明るい部分Bと暗い部分Cとは、図3(b)に示す像の対応する箇所にも引き継がれてはっきりと表れる。
【0055】
しかしながら、図1(a)及び図1(b)に示すように、コンデンサーレンズ20及び投影レンズユニット26のそれぞれを、レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として、光軸方向P(レンズの厚み方向と同じ)に対して直交するように1回転させながら露光することによって、諸症状の影響が同心円状に分散されるので、図4に示すように、悪影響が一箇所に集中することなく、全体的に分散された像が得られる。
【0056】
図4に示すような像A’が得られる原理について、図5乃至図9を用いて説明する。図5乃至図9では、説明を簡単にするために、コンデンサーレンズ20と投影レンズユニット26のうち、像に悪影響を及ぼす諸症状を持っているのは、コンデンサーレンズ20のみであるものと仮定する。
【0057】
図5は、コンデンサーレンズ20を固定した状態、すなわち回転しない状態で結像面28に結像された像A’を示している。この場合、歪んだ像A’が結像面28にはっきりと得られる。また、原画Aの周囲の境界部Dも、図6のD’に示すように歪んで得られる。
【0058】
また、この場合、インテグレータレンズ16や、反射ミラー14,18における諸症状によって、光の強弱や反射率の不均一がもたらされており、図3(a)に示すように、原画Aを照射する段階から既に明るい部分Bと暗い部分Cとが存在している場合には、図5に示す像の対応する箇所にも明るい部分B’と暗い部分C’とが表れる。
【0059】
図6は、コンデンサーレンズ20を時計回りに90°回転(1/4回転)した状態で結像面28にはっきりと結像された像A’を示している。この場合もまた、歪んだ像A’が結像面28に得られるものの、歪みの程度は、図5に示す像A’よりも小さくなっていることが分かる。すなわち、コンデンサーレンズ20は、回転させない状態よりも、この状態の方が、左右対称性が良いことが分かる。また、コンデンサーレンズ20が時計回りに90°回転(1/4回転)したことに伴って、明るい部分B’と暗い部分C’とも、それぞれ時計回りに1/4回転移動した場所に表れている。また、境界部D’の歪みも、時計回りに1/4回転移動している。
【0060】
図7は、コンデンサーレンズ20を更に時計回りに90°回転(1/4回転)、すなわち図5に示す状態から180°回転した状態であり、はっきりと結像面28に結像された像A’を示している。この場合に得られる像A’は、図5に示す回転させない状態における像A’と左右対称の関係となっている。また、図6に示す状態から、コンデンサーレンズ20が更に時計回りに90°回転(1/4回転)したことに伴って、明るい部分B’と暗い部分C’とも、それぞれ時計回りに1/4回転移動した場所に表れている。境界部D’の歪みも、時計回りに1/4回転移動している。
【0061】
図8は、コンデンサーレンズ20を更に時計回りに90°回転(1/4回転)、すなわち図5に示す状態から270°回転した状態であり、はっきりと結像面28に結像された像A’を示している。この場合に得られる像A’は、図6に示す像A’と左右対称の関係となっている。また、図7に示す状態から、コンデンサーレンズ20が更に時計回りに90°回転(1/4回転)したことに伴って、明るい部分B’と暗い部分C’とも、それぞれ時計回りに1/4回転移動した場所に表れている。境界部D’の歪みも、時計回りに1/4回転移動している。
【0062】
したがって、露光動作中に、コンデンサーレンズ20を1回転させると、図5、図6、図7、及び図8に示す各像を重ね合わせた像が得られる。図9は、このような像を示すものである。像A’の形状は、図5、図6、図7、及び図8で若干ずつ異なるので、それらを重ね合わせてなる図9に示す像A’は、共通部分は濃く明瞭に表されるものの、共通していない部分については薄く、霞んだように表される。このため、図9に示す像A’は、図5、図6、図7、及び図8に示す像A’ほどはっきりとは表されないものの、全体的な諸症状の影響が同心円状に分散されるので、悪影響が緩和され、回転させない状態で得られる図5に示す像A’よりも、図3(a)に示すような原画像Aに近い像が得られる。
【0063】
次に、上述したような光学要素の回転を可能にする具体的な回転機構の例について説明する。
【0064】
図10(a)は、このような回転機構が適用されたコンデンサーレンズ20の一例を示す側面図、図10(b)は、この回転機構を上から見た図である。このコンデンサーレンズ20には、鉛直な光軸方向P(図10(a)において上側から下側へむかう方向)で光が入射するものとする。この場合、まず、コンデンサーレンズ20の最大外径の周囲を円環状のレンズ固定リング30により固定する。次に、水平精度よく組み込まれた4つのベアリング32上にレンズ固定リング30を載置する。4つのベアリング32は、図10(b)に示すように、コンデンサーレンズ20の面中心に対して、90°間隔になるように等間隔で配置している。更に、レンズ固定リング30の外周側面に、ゴム質のガイドローラ34を密着させる。このガイドローラ34もまた、図10(b)に示すように、コンデンサーレンズ20の面中心に対して、90°間隔になるように等間隔で4つ配置している。4つのガイドローラ34のうちの1つには、駆動用のモータ33を設けている。なお、ゴム質のガイドローラ34の代わりに、金属製のギアを用いることも可能であるが、金属摩耗により発生する初塵を防ぐという観点からは、ゴム質のガイドローラ34の方が好ましい。
【0065】
そして、モータ33を駆動することによって、モータ33が設けられたガイドローラ34が回転し、レンズ固定リング30を、コンデンサーレンズ20もろとも水平方向に回転させるようにしている。モータ33が設けられていない他の3つのガイドローラ34は、レンズ固定リング30の回転に伴って回転することにより、回転中のレンズ固定リング30を支持し、水平振れを阻止する。回転速度は、モータ33の駆動速度を調節することによって調節する。4つのベアリング32は、レンズ固定リング30の回転を阻害することなく、レンズ固定リング30の回転中における上下振れを阻止し、水平に保持する。
【0066】
このようなレンズ固定リング30と、ベアリング32、モータ33、ガイドローラ34による回転機構は、コンデンサーレンズ20のみならず、図11に示すように、投影レンズユニット26の回転に適用することも同様に可能である。また、レンズのみならず、ミラー、光学フィルタの回転に適用することもそれぞれ同様に可能である。
【0067】
コンデンサーレンズ20と、投影レンズユニット26とをそれぞれ逆回転に回転させる場合には、コンデンサーレンズ20を駆動するためのモータ33の回転方向と、投影レンズユニット26を駆動するためのモータ33の回転方向とをそれぞれ逆回転とすればよい。また、例えば、コンデンサーレンズ20と、投影レンズユニット26とを異なる回転速度で回転させる場合には、コンデンサーレンズ20を駆動するためのモータ33の回転速度と、投影レンズユニット26を駆動するためのモータ33の回転速度とを、それぞれ異なる値とすればよい。
【0068】
図12(a)は、別の回転機構が適用されたコンデンサーレンズ20の一例を示す側面図、図12(b)は、別の回転機構が適用された投影レンズユニット26の一例を示す側面図、図12(c)は、図12(a)及び図12(b)におけるX部の拡大図、図12(d)は、図12(a)または図12(b)を上から見た図である。
【0069】
すなわち、回転機構としては、図10及び図11に示すベアリング32に代えて、図12に示すような円環状のレンズステージ40を用いたものであっても良い。レンズステージ40は、図12(c)及び図12(d)に示すように、硬球42を保持可能な円環状のレール溝44を備えている。レール溝44には、硬球42が、溝に沿って自在に移動したり回転することが可能なように自由保持されている。なお、図12(d)では、硬球42を4つのみ図示しているが、硬球42の数は、4つに限らず、4つ以上であっても良い。
【0070】
硬球42は、図10および図11で示したベアリング32の代わりをなすものであって、この上にレンズ固定リング30が載置されるとともに、レンズ固定リング30の回転中においては、自身が回転することによって、レンズ固定リング30の回転を阻害することなく、レンズ固定リング30の回転中における上下振れを阻止し、水平に保持する。
【0071】
図13(a)は、更に別の回転機構が適用されたコンデンサーレンズ20の一例を示す側面図、図13(b)は、更に別の回転機構が適用された投影レンズユニット26の一例を示す側面図、図13(c)は、図13(a)及び図13(b)におけるY部の拡大図、図13(d)は、図13(a)または図13(b)に用いられているレンズ固定リングを上から見た図である。
【0072】
すなわち、回転機構としては、図12に示す硬球42を保持したレンズステージ40に代えて、レンズ固定リング30を浮上させるための浮上用エアーRをレンズ固定リング30に供給する円環状のレンズステージ50を用いたものであっても良い。
【0073】
このレンズステージ50は、図13(c)及び図14に示すように、内部に円環状の浮上用エアー循環経路52を設けている。この浮上用エアー循環経路52は、浮上用エアー導入口53に接続しており、浮上用エアー導入口53から図示しないファン等によって、圧縮空気が浮上用エアーRとして導入されるようにしている。浮上用エアー循環経路52からは、図13(c)及び図14に示すように、レンズステージ50の上面方向に穿孔された浮上用エアー排出孔54を略等ピッチで多数設けている。浮上効果を高めるためには、より径の小さな浮上用エアー排出孔54を、より多く設けるようにする。
【0074】
このような構成とすることによって、レンズステージ50は、浮上用エアー導入口53から浮上用エアーRが導入されると、この浮上用エアーRが浮上用エアー循環経路52を経由し、浮上用エアー排出孔54から浮上用エアーRを排出し、レンズステージ50上に載置されたレンズ固定リング30を浮上させるようにしている。
【0075】
また、このように浮上したレンズ固定リング30の水平度を維持するために、それぞれ水平精度よく等間隔に(すなわち、レンズ固定リング39が保持するレンズ中心を中心として90°間隔で)設置された4つのゴム質のガイドローラ35を設けている。したがって、レンズステージ50から十分な風量の浮上用エアーRをレンズ固定リング30に供給することにより、レンズ固定リング30は、浮上し、4つのガイドローラ35によって抑えられることによって、その水平度が保たれるようにしている。
【0076】
レンズ固定リング30は、図13(d)に示すように歯車状をしており、各歯の部分が回転用エアーQを受けるエアー受け面31となっている。したがって、レンズ固定リング30が水平を保ちながら浮上した状態で、図13(d)に示すように、レンズ固定リング30のエアー受け面31に向けて、接線方向から、図示しないファン等を用いて、回転用エアーQを吹き付ける。レンズ固定リング30は、図10乃至図12に示す構成と同様にガイドローラ34によって保持されているので、水平方向に移動することも、上下方向に振れることもなく、水平が保たれたまま回転する。なお、回転時における摩擦を低減するために、レンズステージ50の上面と、レンズ固定リング30の下面とは、それぞれ鏡面仕上げしておくことが望ましい。
【0077】
以上、図10乃至図14を用いて、光学要素の回転を可能にする具体的な機構の例について説明したが、光学要素の回転を可能にする機構は勿論これらに限定されるものではない。例えば、レンズ固定リング30、及びレンズステージ40に永久磁石を組み込み、磁力反発により浮上させたレンズ固定リング30を、モータの原理により、外部コイルの通電により回転させるようにしても良い。
【0078】
上記では、本実施の形態に係る方法及び機構を、露光装置に適用した例を用いて説明したが、本実施の形態に係る方法及び機構は、露光装置に適用されるのに限定されるものではなく、ステッパー装置、映写機、カメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、分光器及び望遠鏡等の光学要素を用いている何れの光学装置に対しても同様に適用可能であり、同様な作用効果を奏することができることは言うまでもない。以下、代表例として、本実施の形態に係る方法及び機構の、映写機およびビデオカメラへの適用例について説明する。
【0079】
図15は、本実施の形態に係る回転機構を適用した映写機の構成例を示す図である。
【0080】
すなわち、図15に示すように、映写機は、プロジェクター等に用いられ、集光ミラー60によって周囲を囲まれたランプ62からの光がレンズ64へと導かれる。そして、光は、レンズ64によって平行化された後に、反射ミラー66によってRGBフィルタ68へと導かれる。
【0081】
RGBフィルタ68には、Rフィルタ68(#R)と、Gフィルタ68(#G)と、Bフィルタ68(#B)とが設けられており、反射ミラー66から導かれた光のうち、赤成分の光のみがRフィルタ68(#R)によって分離されて反射ミラー70へ導かれ、更にそこで反射され、赤液晶72(#R)を介した後にプリズム73へと導かれる。また、赤成分以外の光はRフィルタ68(#R)からGフィルタ68(#G)へと導かれ、そこでG成分の光と、B成分の光とに分離され、G成分の光は緑液晶72(#G)を介した後にプリズム73へ、B成分の光はBフィルタ68(#B)へとそれぞれ導かれる。そして、B成分の光は、Bフィルタ68(#B)によって反射ミラー71へと導かれ、更にそこで反射され、青液晶72(#B)を介した後にプリズム73へと導かれる。このようにしてプリズム73に導かれたRGB各成分の光は、更に投影レンズユニット74を介して出射される。
【0082】
このような構成をなす映写機において、図15に示すように、レンズ64及び投影レンズユニット74に、永久磁石付きのレンズ固定リング76,80をそれぞれ固定し、レンズ固定リング76,80の外周にそれぞれコイル78,82をそれぞれ配置する。これによって、レンズ64及び投影レンズユニット74を回転させながら映写することにより、レンズ64及び投影レンズユニット74の諸症状による悪影響を緩和しながら映写することが可能となる。この場合、レンズ64と投影レンズユニット74とは、逆方向に回転させるか、同一方向であるにしても異なる回転速度で回転させるようにする。
【0083】
また、図16は、本実施の形態に係る機構を、ビデオカメラに適用した概念例を示す図である。すなわち、ビデオカメラは、一般的に受光機90、ドライバ92、DRAM94、プロセッサ96を備えてなり、受光機90には、CCD97の他にレンズ98及びレンズユニット100が用いられている。
【0084】
このレンズ98及びレンズユニット100にも、図16に示すように、永久磁石付きのレンズ固定リング102,106をそれぞれ固定し、レンズ固定リング102,106の外周にそれぞれコイル104,108をそれぞれ配置する。これによって、レンズ98及びレンズユニット100を回転させながら受光することにより、レンズ98及びレンズユニット100の諸症状による悪影響を緩和しながら受光することが可能となる。この場合、レンズ98とレンズユニット100とは、逆方向に回転させるか、同一方向であるにしても異なる回転速度で回転させるようにする。
【0085】
以上、映写機や、ビデオカメラに永久磁石とコイルとにより構成した回転機構は、小型でかつ安定して動作することが可能であるので、映写機や、ビデオカメラのサイズの大型化ももたらすことなく、確実にレンズを回転させることが可能である。なお、カメラなどの瞬間動作の場合には、永久磁石とコイルとにより構成した回転機構に代えて、ゼンマイやバネを利用した機械構造の回転機構としても良い。
【0086】
上述したように、本実施の形態に係る方法及び機構によれば、光学要素を回転させながら使用することによって、歪みや透過率の変化、ゴミの付着、傷等による諸症状が、光学要素の製作後に生じた場合であっても、これら諸症状による結像への悪影響を、同心円状に分散させることができ、その諸症状によってもたらされる悪影響を緩和することが可能となる。
【0087】
特に、光学要素を複数用いている場合には、回転方向を逆方向にしたり、異なる速度で回転させるなどして、各光学要素による諸症状の重畳を阻止することができるので、悪影響を可能な限り緩和することが可能となる。
【0088】
更に、このような本実施の形態に係る方法及び機構は、レンズ、ミラー、及び光学フィルタ等といった光学要素を用いている露光装置、ステッパー装置、映写機、カメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、分光器及び望遠鏡等の何れの光学装置に対しても適用することが可能である。
【0089】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】コンデンサーレンズ及び投影レンズユニットの回転方法を説明するための概念図。
【図2】マスクステージ上に固定された原画と、結像面に結像した原画の像との関係を示す概念図。
【図3】マスクステージ上に固定された原画と、結像面に結像した原画の像を示す模式図。
【図4】諸症状の影響が同心円状に分散されて結像された像の一例を示す模式図。
【図5】コンデンサーレンズの回転と共に変化する像の一例を示す模式図。
【図6】コンデンサーレンズの回転と共に変化する像の一例を示す模式図。
【図7】コンデンサーレンズの回転と共に変化する像の一例を示す模式図。
【図8】コンデンサーレンズの回転と共に変化する像の一例を示す模式図。
【図9】コンデンサーレンズの回転と共に変化する像の一例を示す模式図。
【図10】ベアリングを用いた回転機構が適用されたコンデンサーレンズの側面図の一例と、この回転機構を上から見た図。
【図11】ベアリングを用いた回転機構が適用された投影レンズユニットの側面図の一例。
【図12】硬球を用いた回転機構が適用されたコンデンサーレンズの側面図の一例、硬球を用いた回転機構が適用された投影レンズユニットの側面図の一例、レンズステージの要部詳細図、及び回転機構を上から見た図。
【図13】浮上用エアーを用いた回転機構が適用されたコンデンサーレンズの側面図の一例、浮上用エアーを用いた回転機構が適用された投影レンズユニットの側面図の一例、及びレンズステージの要部詳細図。
【図14】図13に示すレンズステージの平面図。
【図15】本実施の形態に係る機構を適用した映写機の構成例を示す図。
【図16】本実施の形態に係る機構をビデオカメラに適用した概念例を示す図。
【図17】従来技術によるプロジェクション型の露光装置の一例を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
【0091】
10…集光ミラー、12…UVランプ、14…反射ミラー、16…インテグレータレンズ、17…シャッター、18…反射ミラー、20…コンデンサーレンズ、22…マスクステージ、24…ガラスマスク、26…投影レンズユニット、28…結像面、30…レンズ固定リング、31…エアー受け面、32…ベアリング、33…モータ、34,35…ガイドローラ、40…レンズステージ、42…硬球、44…レール溝、50…レンズステージ、52…浮上用エアー循環経路、53…浮上用エアー導入口、54…浮上用エアー排出孔、60…集光ミラー、62…ランプ、64…レンズ、66…反射ミラー、68…RGBフィルタ、70,71…反射ミラー、72…液晶、73…プリズム、74…投影レンズユニット、76,80…レンズ固定リング、78,82…コイル、90…受光機、92…ドライバ、94…DRAM、96…プロセッサ、97…CCD、98…レンズ、100…レンズユニット、102,106…レンズ固定リング、104,108…コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学要素を用いて結像面上に対象物の像を結像させる方法であって、
前記光学要素の光学作用面を、その面中心を中心として回転させながら前記対象物の像を前記結像面上に結像させるようにした方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記光学要素は、ミラー及び光学フィルタのうちの少なくとも何れかである方法。
【請求項3】
光学要素としてレンズを用いて結像面上に対象物の像を結像させる方法であって、
前記レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として、光軸方向に対して直交するように回転させながら前記対象物の像を前記結像面上に結像させるようにした方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の方法において、
前記光学要素を複数用いて結像させる場合には、前記複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素の回転方向とは逆方向に回転させるようにした方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の方法において、
前記光学要素を複数用いて結像させる場合には、前記複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素とは同一の回転方向に、異なる回転速度で回転させるようにした方法。
【請求項6】
光学要素を用いて結像面上に対象物の像を結像させる機構であって、
前記光学要素の光学作用面を、その面中心を中心として回転させる回転手段を備えた機構。
【請求項7】
請求項6に記載の機構において、
前記光学要素は、ミラー及び光学フィルタのうちの少なくとも何れかである機構。
【請求項8】
光学要素としてレンズを用いて結像面上に対象物の像を結像させる機構であって、
前記レンズの厚み方向に直交する断面を、その断面の中心を中心として、光軸方向に対して直交するように回転させる回転手段を備えた機構。
【請求項9】
請求項6乃至8のうち何れか1項に記載の機構において、
前記光学要素を複数用いて結像させる場合には、前記回転手段を各光学要素毎に備えるとともに、前記各回転手段を、前記複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素の回転方向とは逆方向に回転させるように制御する制御手段を更に備えた機構。
【請求項10】
請求項6乃至8のうち何れか1項に記載の機構において、
前記光学要素を複数用いて結像させる場合には、前記回転手段を各光学要素毎に備えるとともに、前記各回転手段を、前記複数の光学要素のうちの少なくとも何れかを、他の光学要素とは同一の回転方向に、異なる回転速度で回転させるように制御する制御手段を更に備えた機構。
【請求項11】
請求項6乃至10のうち何れか1項に記載の機構において、
前記回転手段は、
前記光学要素を固定する固定手段と、
前記固定手段を回転させることによって、前記光学要素を回転させる駆動手段と
を備えた機構。
【請求項12】
請求項6乃至11のうち何れか1項に記載の機構を備え、前記結像面上に結像された像を露光する露光装置。
【請求項13】
請求項6乃至11のうち何れか1項に記載の機構を備え、前記結像面上に結像された像を映写する映写機。
【請求項14】
請求項6乃至11のうち何れか1項に記載の機構と、
前記結像面を備えた受光機と
を備えたビデオカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−58456(P2006−58456A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238451(P2004−238451)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(592072470)カシオマイクロニクス株式会社 (17)
【Fターム(参考)】