光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処理装置及び電子機器
【課題】 歩留りを向上させることができ、効果的な光入出射を行うための光のコリメーション又は集束手段を高精度かつ容易にアライメントすることができる光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処理装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】 クラッド2とコア4の積層体からなり、コア4を通して光が導かれるように構成され、クラッド2においてコア4の光入出射部7、8に相当する両端に、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3がそれぞれ接合されている、光導波装置1及びその製造方法。本発明の光導波装置1と、この光導波装置1のコア4に光を入射させる光入射部9と、コア4からの出射光を受け入れる受光部10とを有する、光情報処理装置14及びこれを用いて構成された電子機器。
【解決手段】 クラッド2とコア4の積層体からなり、コア4を通して光が導かれるように構成され、クラッド2においてコア4の光入出射部7、8に相当する両端に、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3がそれぞれ接合されている、光導波装置1及びその製造方法。本発明の光導波装置1と、この光導波装置1のコア4に光を入射させる光入射部9と、コア4からの出射光を受け入れる受光部10とを有する、光情報処理装置14及びこれを用いて構成された電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュール、光インターコネクション、光通信等に好適な光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処置装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、LSI(大規模集積回路)等の半導体チップ間の信号伝搬は、全て基板配線を介した電気信号によりなされている。しかし、昨今のMPU高機能化に伴い、チップ間にて必要とされるデータ授受量は著しく増大し、結果として様々な高周波問題が浮上している。それらの代表的なものとして、RC信号遅延、インピーダンスミスマッチ、EMC/EMI、クロストーク等が挙げられる。
【0003】
上記の問題を解決するため、これまで実装業界などが中心となり、配線配置の最適化や新素材開発などの様々な手法を駆使し、解決に当たってきた。
【0004】
しかし近年、上記の配線配置の最適化や新素材開発等の効果も物性的限界に阻まれつつあり、今後システムの更なる高機能化を実現するためには、単純な半導体チップの実装を前提としたプリント配線板の構造そのものを見直す必要が生じている。近年、これら諸問題を解決すべく様々な抜本対策が提案されているが、以下にその代表的なものを記す。
【0005】
・マルチチップモジュール(MCM)化による微細配線結合
高機能チップを、セラミック・シリコンなどの精密実装基板上に実装し、マザーボード(多層プリント基板)上では形成不可能である微細配線結合を実現する。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0006】
・各種半導体チップの封止、一体化による電気配線結合
各種半導体チップをポリイミド樹脂などを用いて二次元的に封止、一体化し、その一体化された基板上にて微細配線結合を行う。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0007】
・半導体チップの三次元結合
各種半導体チップに貫通電極を設け、それぞれを貼り合わせることで積層構造とする。これにより、異種半導体チップ間の結線が物理的に短絡化され、結果として信号遅延などの問題が回避される。但しその一方、積層化による発熱量増加、半導体チップ間の熱応力などの問題が生じる。
【0008】
さらに、上記のように信号授受の高速化及び大容量化を実現するために、光配線による光伝送結合技術が開発されている(例えば、後記の非特許文献1及び非特許文献2参照。)。光配線は、電子機器間、電子機器内のボード間又はボード内のチップ間など、種々の個所に適用可能である。例えば図20に示すように、チップ間のような短距離間の信号の伝送には、チップが搭載されているプリント配線基板57上に光導波路51を形成し、この光導波路51を信号変調されたレーザー光等の伝送路とした光伝送・通信システムを構築することができる。
【0009】
また、図21に示すように、光導波路51はクラッド54及び55と、これらのクラッド54、55間に挟持されたコア56とからなり、コア56の光入出射部59a、59bの端面は45°ミラー面に形成されている。さらに、クラッド54における光入出射部にはレンズ部52が形成されている。
【0010】
図21に示すような光導波路51の製造方法を図22を参照して説明する。
【0011】
まず、図22(a)に示すように、レンズ部52付きのクラッド54に対応した形状を有する上型53a及び下型53bを用い、図22(b)に示すようなクラッド54を射出成形によって作製する。これにより、レンズ部52とクラッド54は一体成形される。
【0012】
次に、図22(c)に示すように、型58にコア材56aを充填する。次いで、図22(d)に示すように、コア材56aが充填された型58上に、上記のようにして作製したレンズ部52付きのクラッド54を貼り合わせ、UV照射することによってコア材56aを硬化させる。そして、図22(e)に示すように、型58を剥がせば、クラッド54とコア56との積層体を得ることができる。
【0013】
次いで、図22(f)に示すように、上記のようにして作製した積層体と、射出成形等によって作製したクラッド55とを接合すれば、光導波路51を得ることができる。
【0014】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス、“光配線との遭遇”2001年12月3日の122頁、123頁、124頁、125頁、図4、図5、図6、図7
【非特許文献2】NTT R&D, vol.48, no.3, pp.271-280 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記した従来例による光導波路及びその製造方法では、図21及び図22に示すように、上型53a及び下型53bを用いてレンズ部52とクラッド54を一体成形により作製するので、この成形の段階でレンズ部52の位置が決まってしまい、コア56の光入出射部59a、59bとレンズ部52とのアライメントが難しく、アライメント精度及び歩留りの低下が懸念される。
【0016】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、歩留りを向上させることができ、効果的な光入出射を行うためのレンズ部を高精度かつ容易にアライメントすることができる光導波装置及びその製造方法、並びにこの光導波装置を有する光情報処理装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
即ち、本発明は、クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている、光導波装置に係るものである。
【0018】
また、クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置に係るものである。
【0019】
また、クラッド及びコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波装置の製造方法において、レンズ部を形成する工程と、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、前記レンズ部をそれぞれ接合する工程と、前記クラッドと前記コアとを接合する工程とを有する、光導波装置の製造方法に係るものである。
【0020】
さらに、クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子が設けられ、また出力側に出力信号を受ける回路素子が設けられている、電子機器に係るものである。
【0021】
ここで、本発明において前記「コア」とは、単一のコアに限らず、複数個のアレイも含む意味である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、前記レンズ部がそれぞれ接合されているので、上記の従来例による光導波路の製造方法のように、レンズ部とクラッドを一体成形により作製するのに比べ、前記レンズ部と前記コアの光入出射部とのアライメントは容易かつ高精度であり、また歩留りを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明において、前記コアは入射した光信号を導波する役割を果たし、前記クラッドは前記コア内に光信号を閉じ込める役割を果たす。前記コアは高い屈折率を持つ材料からなり、前記クラッドは前記コアより低い屈折率の材料で構成されている。
【0024】
そして、前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されているのが好ましい。
【0025】
上述したような従来例による光導波路は、一般に樹脂からなるため、吸湿性を有し、これにより光導波路は次第に膨張する。このような光導波路を用いた場合、光導波路の膨張などにより、結果として、光軸が次第にずれてしまう。
【0026】
また、光導波路の厚みが大きすぎると、コアにストレスを与えずに、熱や外部応力などによる光導波路の変形を吸収することができない。従って、光導波路は50mm〜30mm程度の長さ(光の導波方向)を持ちながら、その中央部分は0.5mm以下の薄さを維持し、モジュールの柔軟性を保つ必要がある。図21に示すような従来例による光導波路では、現状の先端射出成形技術を用いれば、このような薄さの実現は可能であるが、コストが高い。
【0027】
これに対し、本発明に基づく光導波装置によれば、前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持する前記レンズ支持部が前記クラッドに接合されているので、光導波装置の前記両端において優れた剛性を有し、例えば、光導波装置と実装基板との接合強度を向上させることができる。このため、光軸ずれがなく、安定した光入出射を行うことができる。
【0028】
また、前記クラッドとして柔軟シート材を用いれば、本発明に基づく光導波装置の中央部分を薄くかつ柔軟にすることができるので、前記コアにストレスを与えずに、熱や外部応力などによる光導波装置の変形を効果的に吸収することができる。
【0029】
さらに、前記レンズ部を一般的な射出成形技術で作製することができ、また前記柔軟シート材として安価なシート材を用い、高価な光学樹脂の使用量を減らすことができるので、低コスト化が可能である。
【0030】
また、本発明の光導波装置は、前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられていることが好ましく、前記別のクラッドとして柔軟なシート材を用いるのがより好ましい。
【0031】
本発明の光導波装置の製造方法は、前記クラッドの一方の面に前記レンズ部を接合した後、このレンズ部に対して前記コアの光入出射部を位置合わせした状態で、前記クラッドの他方の面と前記コアとを接合するのが好ましい。従来例による光導波路の製造方法では、上述したようにクラッドとレンズ部とを一体成形するので、レンズ部の配置位置を変更するには上型及び下型の形状を変更しなければならず、容易ではない。これに対し、本発明に基づく製造方法によれば、前記クラッドの一方の面に、別途作製した前記レンズ部を接合するので、前記レンズ部の配置位置の自由度が広がり、また前記レンズ部と前記クラッドとのアライメントが容易である。
【0032】
また、本発明の光導波装置の製造方法は、前記クラッドと前記コアとを接合した後、この接合面とは反対側の前記クラッドの面に、前記コアの光入出射部にそれぞれ対応させて前記レンズ部を接合するのが好ましい。これによれば、前記レンズ部を接合する前に、前記クラッドと前記コアとを接合するので、前記コアの形成がより容易となる。また、前記クラッドと前記コアとが接合された状態で、前記クラッドに前記レンズ部を接合するので、前記レンズ部と前記コアの光入出射部とのアライメントがより容易かつ高精度である。
【0033】
そして、本発明に基づく光導波装置は、この光導波装置の前記コアに光を入射させる前記光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、前記コアからの出射光を受け入れる前記受光部(例えば、光配線やフォトディテクタ等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0034】
ここで、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのが好ましい。
【0035】
また、光配線等の本発明に基づく光情報処理装置は、その入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、その出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより構成される電子機器に好適に用いることができる。
【0036】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
【0037】
第1の実施の形態
図1(a)は、本発明に基づく光導波装置の概略断面図であり、図1(b)は、図1(a)の分解図である。
【0038】
図1に示すように、本発明に基づく光導波装置1は、クラッド2と、クラッド2とは別のクラッド5と、これらクラッド2、5間に挟持されたコア4との積層体からなり、コア4を通して光が導かれるように構成されている。コア4は入射した光信号を導波する役割を果たし、クラッド2、5はコア4内に光信号を閉じ込める役割を果たす。コア4は高い屈折率を持つ材料からなり、クラッド2、5はコア4より低い屈折率の材料で構成されている。
【0039】
そして、クラッド2が柔軟シート材からなり、クラッド2においてコア4の光入出射部7、8に相当する両端に、クラッド2とは別体であり、レンズ部11とこのレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3がそれぞれ接合されている。また、レンズ支持部12がクラッド2に接合されている。
【0040】
これによれば、光のコリメーション又は集束手段3がレンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなり、レンズ支持部12がクラッド2に接合されているので、光導波装置1の前記両端において優れた剛性を有し、例えば、光導波装置1と実装基板(図示せず)との接合強度を向上させることができる。このため、光軸ずれがなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0041】
また、クラッド2として柔軟シート材を用いれば、本発明に基づく光導波装置1の中央部分を薄型化できかつ柔軟性を持たせることができるので、コア4にストレスを与えずに、熱や外部応力等による光導波装置1の変形を効果的に吸収することができる。
【0042】
さらに、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3を一般的な射出成形技術で作製することができ、また前記柔軟シート材(クラッド2)として安価なシート材を用い、高価な光学樹脂の使用量を減らすことができるので、低コスト化が可能である。
【0043】
コア4の光入出射部7、8は、傾斜ミラー面、例えば45°ミラー面に形成されている。前記傾斜ミラー面付きのコア4は射出成形によって形成することができる。前記射出成形により、コア4に直接加工を行うことなしに前記傾斜ミラー面を形成することができるので、作製時のダメージがなく、表面状態を平滑にすることができ、容易かつ精度良く良質な光導波装置1を作製することができる。また、コア4の光入出射部7、8を前記傾斜ミラー面に形成することにより、前記光入射部から放射された光信号を効率良くコア4に入射させることができ、またこの入射した光信号を導波し、効果的に前記受光部に対して出射させることができる。なお、コア4の材質としては従来公知のものが使用可能であり、UV(紫外線)硬化性樹脂、例えばフッ素系ポリイミド等が挙げられる。
【0044】
また、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3の接合面とは反対側のコア4の他方の面上に設けられた別のクラッド5が、柔軟なシート材であることがより好ましい。
【0045】
本発明に基づく光導波装置1によれば、クラッド2においてコア4の光入出射部7、8に相当する前記両端に、クラッド2とは別体であり、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3がそれぞれ接合されているので、上記の従来例による光導波路の製造方法のように、レンズ部とクラッドを一体成形により作製するのに比べ、レンズ部11とコア4の光入出射部7、8とのアライメントは容易かつ高精度であり、また歩留りを向上させることができる。
【0046】
このような、本発明に基づく光導波装置1は、この光導波装置1のコア4に光を入射させる前記光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、コア4からの出射光を受け入れる前記受光部(例えば、光配線やフォトディテクタ等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0047】
ここで、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのが好ましい。
【0048】
また、光配線等の本発明に基づく光情報処理装置は、その入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、その出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより構成される電子機器に好適に用いることができる。
【0049】
次に、光導波装置1の製造方法の一例について、図2を参照して説明する。
【0050】
まず、図2(a)に示すように、光のコリメーション又は集束手段3に対応した形状を有する上型6a及び下型6bを用い、この上型6a及び下型6bに光のコリメーション又は集束手段の材料3aを充填して硬化させることにより、光のコリメーション又は集束手段3を作製する。これにより、光のコリメーション又は集束手段3を、一般的な射出成形によりレンズ部11と、レンズ支持部12との一体化物として容易に作製することができる。
【0051】
次に、図2(b)に示すように、柔軟シート材からなるクラッド2の前記両端に、上記のようにして作製した光のコリメーション又は集束手段3をそれぞれ接合する。このとき、レンズ支持部12をクラッド2に接合する。
【0052】
次に、図2(c)に示すように、型13にコア材4aを充填する。次いで、図2(d)に示すように、コア材4aを充填した型13上に、上記のようにして作製した光のコリメーション又は集束手段3を有するクラッド2を貼り合わせ、UV照射することによってコア材4aを硬化させる。そして、図2(e)に示すように、型13を剥がせば、クラッド2とコア4との積層体を得ることができる。
【0053】
このように、射出成形によってコア4の光入出射部7、8を傾斜ミラー面、例えば45°ミラー面に形成すれば、コア4に直接加工を行うことがないので、作製時のダメージがなく、表面状態を平滑にすることができ、容易かつ精度良く良質な光導波装置1を作製することができる。
【0054】
次いで、図2(f)に示すように、上記のようにして作製したクラッド2とコア4との積層体と、別のクラッド(例えば柔軟なシート材)5とを接合する。
【0055】
以上のようにして、本発明に基づく光導波装置1を作製することができる。上記のような本発明に基づく光導波装置1の製造方法によれば、クラッド2の一方の面に、別途作製した光のコリメーション又は集束手段3を接合するので、光のコリメーション又は集束手段3の配置位置の自由度が広がり、またレンズ部11とクラッド2とのアライメントが容易である。これに対し、従来例による光導波路の製造方法では、上述したようにクラッドとレンズ部とを一体成形するので、レンズ部の配置位置を変更するには上型及び下型の形状を変更しなければならず、容易ではない。
【0056】
第2の実施の形態
図3は、本発明に基づく光導波装置の製造方法の他の例を示す概略断面図である。
【0057】
まず、図3(a)に示すように、型13にコア材4aを充填する。次いで、図3(b)に示すように、コア材4aを充填した型13上に、柔軟シート材からなるクラッド2を貼り合わせ、UV照射することによってコア材4aを硬化させる。そして、図3(c)に示すように、型13を剥がせば、クラッド2とコア4との積層体を得ることができる。
【0058】
次に、図3(d)に示すように、コア4の接合面とは反対側のクラッド2の面に、コア4の光入出射部7、8にそれぞれ対応させて、図2(a)と同様にして射出成形により作製した光のコリメーション又は集束手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)を接合する。
【0059】
次いで、図3(e)に示すように、上記のようにして作製したクラッド2とコア4との積層体と、別のクラッド(例えば柔軟なシート材)5とを接合する。
【0060】
本実施の形態による製造方法によれば、光のコリメーション又は集束手段3とクラッド2とを接合する前に、クラッド2とコア4とを接合するので、コア4の形成がより容易となる。また、クラッド2とコア4とが接合された状態で、クラッド2に光のコリメーション又は集束手段3を接合するので、レンズ部11とコア4の光入出射部7、8とのアライメントがより容易かつ高精度である。
【0061】
第3の実施の形態
図4は、本発明に基づく光導波装置1と、この光導波装置1のコア4に光を入射させる光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)9と、コア4からの出射光を受け入れる受光部(例えば、受光素子)10とを有する、本発明に基づく光情報処理装置14の概略図である。
【0062】
本実施の形態において、45°ミラー面である光入射部7及び光出射部8を有するコア4は、図4(b)に示すように、複数個が並列に配置されており、各コア4の光入出射部7、8の位置が長さ方向において揃っている。
【0063】
また、発光素子9は、各コア4の光入射部7に対応する位置にそれぞれ配置されている。なお、図示省略したが、各発光素子9の間隙には、発光素子9と半導体集積回路チップ(図示省略)との間の電気的な接続を行う貫通電極(図示省略)が配置されている。なお、受光素子10においても、上記の発光素子9と同様である。
【0064】
図4に示す光情報処理装置14では、コア4の並ぶ配列ピッチと同じピッチで、発光素子9や受光素子10が配列することとなる。
【0065】
この場合、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3は、図4(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応させて作製し、クラッド2と接合する。
【0066】
この動作メカニズムは、一方の半導体集積回路チップ(図示省略)から発信される電気信号が光信号に変換されて、各発光素子9から光信号として出射される。出射された光信号は、コリメーション又は集束手段3の対応するレンズ部11によって集束され、コア4の光入射部7に入射し、45°ミラー面から構成される光入射部7において反射し、コア4が延伸する導波方向に導波され、他方の45°ミラー面からなる光出射部8において再び反射してコア4の光出射部8から出射する。光導波装置1から出射された光信号は、コリメーション又は集束手段3を介して対応する受光素子10に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体集積回路チップ(図示省略)に電気信号として伝送される(以下、他の実施の形態も同様。)。
【0067】
第4の実施の形態
図5(a)は、図1に示すような本発明に基づく光導波装置1と、発光素子アレイ9aと、受光素子アレイ10aとからなる光情報処理装置14の概略平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA方向から見た図であり、図5(c)は光のコリメーション又は集光手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)が接合されたクラッド2の概略平面図である。なお、図5では、図1の光導波装置1におけるクラッド5は図示省略した。
【0068】
本実施の形態において、コア4は並列に複数配置されている。各コア4の端部は、45°ミラー面からなる光入射部7及び光出射部8となる。また、各コア4の光入出射部7、8が、隣接する他のコア4の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されている。
【0069】
発光素子アレイ9aは、各コア4の光入射部7に対応する位置に配置された複数の発光素子9を備える。各発光素子9の間隙には、発光素子9と半導体集積回路チップ(図示省略)との間の電気的接続を行う貫通電極(図示省略)が配置されている(これは、受光素子アレイ10aの受光素子10についても同様である。)。
【0070】
この場合、コリメーション又は集束手段3のレンズ部11は、図5(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応するようにレンズ支持部12と一体成形され、このレンズ支持部12がクラッド2と接合される。
【0071】
本実施の形態によれば、各コア4の光入出射部7、8が、隣接する他のコア4の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されているので、コア4の長さ方向において配列する発光素子9同士のピッチは、上記の長さ方向のずれ量だけの大きさとなる。例えば、隣接するコア4の光入出射部7、8を延伸方向において100μmだけずらした場合には、コア4の長さ方向において配列する発光素子9同士のピッチは100μmとなる。これは、受光素子10においても同様である。
【0072】
また、コア4の配列方向に並ぶ発光素子9のピッチは、複数個のコア4の配列ピッチの合計分だけの大きさとなる。例えば、各コア4が20μmの配列ピッチで配列している場合には、コア4の配列方向に並ぶ発光素子9のピッチは、100μmとなる。
【0073】
このように、各コア4の光入出射部7、8が、隣接する他のコア4の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されていることにより、コア4に対応して配置される光素子(発光素子、受光素子を併せて称する。以下、同様。)9、10を二次元的に配置することができ、光素子9、10を100μmピッチ程度で配置しながら、コア4を20μmピッチにまで集積することが可能となっている。
【0074】
即ち、光素子9、10の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させつつ、コア4の集積度を向上させることが可能となる。
【0075】
また、コア4を高集積化させつつ、光素子9、10を二次元的に配列することにより、無駄なスペースがなくなり、一素子当たりの基板占有面積を削減することができる。このため、一層のコストダウンを図ることができる。
【0076】
第5の実施の形態
図6(a)は、図1に示すような本発明に基づく光導波装置1と、発光素子アレイ9a−1、9a−2と、受光素子アレイ10a−1、10a−2とからなる光情報処理装置14の概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)のA方向から見た図であり、図6(c)は光のコリメーション又は集光手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)が接合されたクラッド2の概略平面図である。なお、図6では、図1の光導波装置1におけるクラッド5は図示省略した。
【0077】
本実施の形態において、各コア4−1、4−2の光入出射部7、8は、隣接する他のコア4−2、4−1の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されている。即ち、光入出射部7、8の位置がずれた2つの第1のコア4−1及び第2のコア4−2を一単位として、繰り返し配列されている。
【0078】
そして、各コア4の長さ方向の一方側において、第1のコア4−1の光入射部7に対応して配置された発光素子9を複数有する発光素子アレイ9a−1と、第2のコア4−2の光出射部8に対応して配置された受光素子10を複数有する受光素子アレイ10a−2が配置されている。
【0079】
また、各コア4の長さ方向の他方側において、第1のコア4−1の光出射部8に対応して配置された受光素子10を複数有する受光素子アレイ10a−1と、第2のコア4−2の光入射部7に対応して配置された発光素子9を複数有する発光素子アレイ9a−2が配置されている。
【0080】
即ち、この光情報処理装置14では、並列に配置された各コア4−1、4−2に対し、発光素子9及び受光素子10が交互に配置されている。そのため、各コア4−1、4−2は、互いに隣接する他のコア4−2、4−1に対し逆方向に光を導波する。
【0081】
この場合、コリメーション又は集束手段3のレンズ部11は、図6(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応するようにレンズ支持部12と一体成形され、このレンズ支持部12がクラッド2と接合される。これにより、発光素子9からの光信号を効果的に集束してコア4に入射させ、効率良く光結合を行うことができる。また、受光素子10が光導波装置1からの出射光を効果的に受光することができる。
【0082】
また、並列に配置された各コア4−1、4−2に対し、発光素子9及び受光素子10が交互に配置されていることから、例えば、半導体集積回路チップの特定の回路に接続する入出力パッドに対応する発光素子9及び受光素子10の位置は、図6(a)のC部に示すように近接配置されていることから、電気配線の長さを短くすることができ、高周波対策が容易になるという効果がある。
【0083】
第6の実施の形態
図7(a)は、図1に示すような本発明に基づく光導波装置1と、発光素子アレイ9a−1、9a−2と、受光素子アレイ10a−1、10a−2とからなる光情報処理装置14の概略平面図であり、図7(b)は、図7(a)のA方向から見た図であり、図7(c)は光のコリメーション又は集光手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)が接合されたクラッド2の概略平面図であり、図7(d)は、受光素子アレイ10a−1における受光素子10の配置及び発光素子アレイ9a−2における発光素子9の配置を示す図である。なお、図7では、図1の光導波装置1におけるクラッド5は図示省略した。
【0084】
本実施の形態では、第4の実施の形態と第5の実施の形態との構成を複合した構成となっている。即ち、第5の実施の形態と同様にして、並列に配置された各コア4に対し、発光素子9及び受光素子10が交互に配置されている。そのため、各コア4は、互いに隣接する他のコアに対し逆方向に光を導波する。
【0085】
また、第4の実施の形態と同様に、各光素子アレイ9a−1、9a−2、10a−1、10a−2における光素子9、10は、図7(d)に示すように、隣り合う他の光素子9、10に対し、コア4の長さ方向にずれて配置されている。
【0086】
この場合、コリメーション又は集束手段3のレンズ部11は、図7(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応するようにレンズ支持部12と一体成形され、このレンズ支持部12がクラッド2と接合される。これにより、発光素子9からの光信号を効果的に集束してコア4に入射させ、効率良く光結合を行うことができる。また、受光素子10が光導波装置1からの出射光を効果的に受光することができる。
【0087】
また、各光素子アレイにおいて光素子が直線的に配列している場合に比べて、光素子間のピッチを大きく取ることができることから、上述した第5の実施の形態の効果を維持しつつ、光素子間の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させることができることから、コア4の集積度を向上させることが可能となる。
【0088】
第7の実施の形態
本発明に基づく光導波装置は、プリント配線板上に直接実装することができるが、この他に、本発明に基づく光導波装置をソケットに設置して光電複合装置とし、この光電複合装置をプリント配線板上に実装してもよい。
【0089】
図8は、前記ソケットの概略斜視図である。図8(a)は、前記ソケットの光導波装置が設置される面側から見た概略斜視図であり、図8(b)は、図8(a)の反対の面側から見た概略斜視図である。
【0090】
図8に示すように、ソケット17には、本発明に基づく光導波装置を位置決めして固定するための、凹凸構造からなる位置決め手段が設けられている。具体的には、前記凹凸構造が、前記光導波装置を嵌め込んでその幅方向を位置決めするための凹部18と、前記光導波装置の長さ方向を位置決めするための突起部19とを有している。また、凹部18の深さは、前記光導波装置の厚さよりも大きい。
【0091】
また、ソケット17の前記凹凸構造の凸面20には、ソケット17の表及び裏面とを導通するための導通手段、例えばターミナルピン21が設けられている。そして、この凹凸構造の凸面20上に、後述するように、前記発光素子及び/又は前記受光素子が実装されたインターポーザーが固定される。
【0092】
ソケット17の材質としては絶縁性樹脂であれば、従来公知の材料を用いることができ、例えばガラス入りPES(ポリエチレンスルフィド)樹脂、ガラス入りPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等が挙げられる。このようなソケット17の材料は、その種類、絶縁性、信頼性等のデータが既に多く存在し、また扱っているメーカーも多岐に渡る。従って、機能、コスト、信頼性等の全てにおいて受け入れ易い構造物であり、既存のプリント配線板実装プロセスとの融合も図り易い。
【0093】
ソケット17の製造方法は特に限定されないが、例えば、前記凹凸構造を有する金型を用いて成形により容易に作製することができる。
【0094】
図9は、本発明に基づく光導波装置1をソケット17に設置してなる光電複合装置22の概略図である。図9(a)は、光電複合装置22の概略斜視図であり、図9(b)は、図9(a)の分解図である。
【0095】
図9に示すように、光電複合装置22は、一対のソケット17と、このソケット17に設置された本発明に基づく光導波装置1とを有し、この一対のソケット17間に光導波装置1が架け渡されている。なお、光導波装置1は、上記した各実施の形態のいずれの構造であっても良い。このとき、光導波装置1は、後述するプリント配線板とは非接触となっているので、半導体集積回路チップの放熱により、光導波装置1が破壊されるのを効果的に防止することができる。
【0096】
また、ソケット17の前記凹凸構造の凸面20上に、半導体集積回路チップ23a、23bと、前記発光素子(図示省略)(例えばレーザー)及び/又は前記受光素子(図示省略)とが実装されたインターポーザー24が固定されている。
【0097】
インターポーザー24は、例えば図10に示すように、一方の面側には半導体集積回路チップ23が実装されており(図10(a))、他方の面側には光導波装置1に光入射を行うための発光素子アレイ9aと、光導波装置1からの出射光を受けるための受光素子アレイ10aとが実装され、周辺部にはその他の信号配線用の電極(例えば電源配線、DC信号等)25が設けられている(図10(b))。なお、発光素子アレイ9a及び受光素子アレイ10aは、光導波装置1の各光入出射部に対応する位置に配置された複数の発光素子及び受光素子を備える(図示省略)。各発光素子及び受光素子の間隙には、発光素子及び受光素子と半導体集積回路チップとの間の電気的接続を行う貫通電極が配置されている(図示省略)。
【0098】
そして、凹部18に光導波装置1が設置されてなる一対のソケット17と、インターポーザー24とを固定するに際し、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装された面側をソケット17の凸面20と接するように構成し、またソケット17のターミナルピン21とインターポーザー24のその他の信号配線用の電極25とを電気的に接続するように固定する。
【0099】
また、上述したように、ソケット17の凹部18の深さを、光導波装置1の厚さよりも大きく形成することにより、図9(a)に示すように、光導波装置1の一方の面26側と、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装されている面側との間に空間27を形成することができる。
【0100】
上記したように、ソケット17上に、インターポーザー24を介して半導体集積回路チップ23を実装し、及び光導波装置1の一方の面26側と、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装されている面側との間に空間27を形成することにより、光電複合装置22の使用時に半導体集積回路チップ23が発熱しても、この熱によって光導波装置1が破壊されるのを効果的に防ぐことができる。
【0101】
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ23aから発信される電気信号が光信号に変換されて、発光素子アレイ9aの各発光素子(図示省略)からレーザー光による光信号として出射される。出射された光信号は、光導波装置1におけるコリメーション又は集束手段3の対応するレンズ部11によって集束され、コア4の光入射部に入射し、コア4が延伸する導波方向に導波され、他方のコア4の光出射部から出射する。そして、光導波装置1から出射された光信号は、受光素子アレイ10aの対応する受光素子(図示省略)に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ23bに電気信号として伝送される。
【0102】
この光電複合装置22は、本発明に基づく光導波装置1が光配線として用いられる光配線システムを構成することができる。即ち、この光電複合装置22を前記プリント配線板に電気的に接続された状態で固定する。
【0103】
このような光電複合装置22によれば、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態で前記プリント配線板に電気的に接続することができるので、既存の前記プリント配線板の実装構造をそのまま利用できる構造である。従って、前記プリント配線板上にソケット17が設置できる領域を設ければ、その他の一般の電気配線は従来通りのプロセスで形成することが可能である。
【0104】
また、光導波装置1が高温プロセスに弱くても、例えば、前記プリント配線板にソケット17を固定し、更にはんだリフロー、アンダーフィル樹脂封止などの高温プロセスを含む、全ての実装プロセスを完了した後、ソケット17の凹部18に本発明に基づく光導波装置1を設置することができるので、光導波装置1が高温によるダメージをこうむることなしにその実装を行うことが可能である。
【0105】
また、前記プリント配線板と比較して剛性の高い樹脂によってソケット17を作製でき、このソケット17上で、前記発光素子及び/又は前記受光素子及び光導波装置1間の光結合を行うことができるため、光結合に必要とされる実装精度を容易に確保できる。例えば、現状のモールド技術により、数μmオーダーの組立て精度は確保可能である。従って、光バスの高密度化も可能となる。
【0106】
さらに、半導体集積回路チップ23と、発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aとを、インターポーザー24を介してその上下面に近接させて設置することができるので、半導体集積回路チップ23と、前記発光素子及び/又は前記受光素子との間の配線長を短くすることができる。従って、電気信号のノイズ対策、クロストーク対策も容易となり、光変調速度も向上させることが可能となる。
【0107】
また、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態で前記プリント配線板に電気的に接続することができるので、前記プリント配線板の高密度配線とその設計の自由度を確保しながら光配線システムを安価かつ高い自由度で前記プリント配線板上に展開することが可能となり、前記プリント配線板上での高速分散処理、電子機器トータルでの高機能化、及び開発の短TAT(turn around time)化等が期待できる。
【0108】
次に、光電複合装置22の製造方法の一例について、図11〜図13を参照して説明する。なお、図11及び図12は、図9(a)の光電複合装置22のA−A’線概略断面図である。
【0109】
まず、図11(a)及び(b)に示すように、プリント配線板28上に、一対のソケット17を実装する。このとき、プリント配線板28上の電極(図示省略)と、ソケット17のターミナルピン21とを位置合わせして、前記電極とソケット17が電気的に接続されるように実装する。
【0110】
なお、図示省略したが、プリント配線板28上には予めその他の電子部品等の実装及び電気配線を形成しておく。
【0111】
次に、図11(c)に示すように、ソケット17の凹部18に本発明に基づく光導波装置1を設置し、この一対のソケット17間に光導波装置1を架け渡しさせる。このとき、ソケット17に設けられた前記凹凸構造としての突起部19により、光導波装置1の長さ方向における位置決めは容易に行うことができ、また凹部18によって光導波装置1の幅方向における位置決めは容易に行うことができる。なお、ソケット17の凹部18に光導波装置1を設置するので、光導波装置1とプリント配線板28とは非接触の状態になっている。
【0112】
光導波装置1のソケット17への接着固定手段としては、特に限定されるものではないが、例えば接着性樹脂を用いて行うことができる。具体的には、まず図13(a)に示すように、ソケット17の凹部18の底面に溝30を任意の形状で形成する。このとき、溝30の端部がソケット17の突起部19の周辺部まで位置するように形成する。次に、図13(b)に示すように、ソケット17の凹部18に、本発明に基づく光導波装置1を設置する。上述したように、光導波装置1の長さ方向及び幅方向における位置決めは、ソケット17に設けられた突起部19及び凹部18によって容易に行うことができる。ここで、溝30は突起部19の周辺部まで位置するように形成されているので、溝30の一部は光導波装置1に覆われない状態となる。次に、図13(c)に示すように、光導波装置1に覆われていない溝30の一部からディスペンサー31等を用いて接着性の樹脂を注入し、固めることによって、ソケット17の凹部18に光導波装置1を接着固定することができる。
【0113】
上記のようにしてソケット17に本発明に基づく光導波装置1を設置した後、図12(d)に示すように、ソケット17の凸面20上に、前記半導体集積回路チップとしての例えばMPU(micro processor unit)23a又はDRAM(dynamic random access memory)23bと、発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aとが実装されたインターポーザー24を固定する。このとき、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装された面側をソケット17の凸面20と接するように構成し、またソケット17の凸面20に露出したターミナルピン(図示省略)とインターポーザー24のその他の信号配線用の電極25とを電気的に接続するように固定する。
【0114】
次に、図12(e)に示すように、MPU23a、DRAM23b上にそれぞれ、アルミのフィン29を設置する。
【0115】
以上のようにして、光電複合装置22を用いて、本発明に基づく光導波装置1が光配線として用いられる光配線システムを構成することができる。
【0116】
ここで、図14は、光電複合装置22をプリント配線板28上に展開した例を示す模式図である。例えば、光導波路モジュールを規格化することで、4方向に自在に展開することが可能となる。また、本発明に基づく光導波装置1は、クラッド2が柔軟シート材からなり、光のコリメーション又は集束手段3がレンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなり、レンズ支持部12がクラッド2に接合されているので、光導波装置1の中間部分を除く光入出射端側において優れた剛性を有し、これにより、プリント配線板28上への展開のみならず、例えば複数のプリント配線板間への展開も可能となる。これにより、プリント配線板28上での高速分散処理が可能となり、SETの高機能化、開発の短TAT化等が期待できる。特に、クラッド2として前記柔軟シート材を用いれば、光導波装置1の中間部分の柔軟性により、実装誤差、熱や外部応力などによる変形等を吸収することができ、上述したような効果をより確実に実現することができる。
【0117】
本実施の形態によれば、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態でプリント配線板28に電気的に接続することができるので、既存のプリント配線板28の実装構造をそのまま利用することができる。従って、プリント配線板28上にソケット17が設置できる領域を設ければ、その他の一般の電気配線は従来通りのプロセスで形成することが可能である。
【0118】
また、本発明に基づく光導波装置1が高温プロセスに弱くても、上述したように、プリント配線板28にソケット17を固定し、更にはんだリフロー、アンダーフィル樹脂風位などの高温プロセスを含む、全ての実装プロセスを完了した後、ソケット17の凹部18に本発明に基づく光導波装置1を設置するので、光導波装置1が高温によるダメージをこうむることなくその実装を行うことが可能である。
【0119】
また、プリント配線板28と比較して剛性の高い樹脂によってソケット17を作製でき、このソケット17上で、前記発光素子及び/又は前記受光素子及び光導波装置1間の光結合を行うことができるため、光結合に必要とされる実装精度を容易に確保できる。例えば、現状のモールド技術により、数μmオーダーの組立て精度は確保可能である。従って、光バスの高密度化も可能となる。
【0120】
また、半導体集積回路チップ23a、23bと、発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aとを、インターポーザー24を介してその上下面に近接させて設置することができるので、半導体集積回路チップ23a、23bと、前記発光素子及び/又は前記受光素子との間の配線長を短くすることができる。従って、電気信号のノイズ対策、クロストーク対策も容易となり、光変調速度も向上させることが可能となる。
【0121】
また、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態でプリント配線板28に電気的に接続することができるので、プリント配線板28の高密度配線とその設計の自由度を確保しながら光配線システムを安価かつ高い自由度で前記プリント配線板上に展開することが可能となり、前記プリント配線板上での高速分散処理、電子機器トータルでの高機能化、及び開発の短TAT(turn around time)化等が期待できる。
【0122】
さらに、ソケット17上に、インターポーザー24を介して半導体集積回路チップ23a、23bを実装し、及び本発明に基づく光導波装置1の一方の面26側と、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装されている面側との間に空間27を形成することにより、光電複合装置22の使用時に半導体集積回路チップ23が発熱しても、この熱によって本発明に基づく光導波装置1が破壊されるのを効果的に防ぐことができる。
【0123】
第8の実施の形態
本発明に基づく電子機器は、本発明に基づく光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子が設けられ、また出力側に出力信号を受ける回路素子が設けられている。
【0124】
また、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのが好ましい。
【0125】
図15は、本発明に基づく電子機器としてのコンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備えている。
【0126】
ノースブリッジ202は、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210aを介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210bを介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線210aを介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210cを介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)およびアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
【0127】
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207及びその他のI/O装置208はそれぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disk)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
【0128】
図16は、図15における光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210a、b、c(但し、図16では光配線210と記載している。)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有している。光伝送系220−1〜220−Nはそれぞれ、第1の回路から第2の回路に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。ここで、図15における光配線210aを考える場合、前記第1の回路とはCPU201を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。図15における光配線210bを考える場合、前記第1の回路とはノースブリッジ202を示し、前記第2の回路とはサウスブリッジ204を示す。図15における光配線210cを考える場合、前記第1の回路とはDRAM203を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。また、光配線210は、図6に示すような光導波方向を有するよう構成された例を挙げる。
【0129】
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、前記発光素子としての半導体レーザー221c、本発明に基づく光導波装置221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221g及びシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221b及び半導体レーザー221cは前記第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221g及びS/P変換器221hは前記第2の回路側に配置される。また、本発明に基づく光導波装置221dは、第1の実施の形態で説明したような構造を有しており、半導体レーザー221cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、本発明に基づく光導波装置221dを導波して出射された光信号がフォトダイオード221eに効果的に受光されるよう配置される。
【0130】
また、第2の伝送系222は、第1の伝送系221と同様に、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザー222c、本発明に基づく光導波装置222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b及び半導体レーザー222cは前記第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hは前記第1の回路側に配置される。また、本発明に基づく光導波装置222dは、第1の実施の形態で説明したような構造を有しており、半導体レーザー222cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、本発明に基づく光導波装置222dを導波して出射された光信号がフォトダイオード222eに効果的に受光されるよう配置される。
【0131】
ここで、P/S変換器221a、222aはそれぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b、222bはそれぞれ、P/S変換器221a、222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザー221c、222cを駆動し、この半導体レーザー221c、222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f、222fはそれぞれ、フォトダイオード221e、222eからの光電変換による電流信号を、後続のIVA221g、222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g、222gはそれぞれ、TIA221f、222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h、222hはそれぞれ、IVA221g、222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
【0132】
次に、前記第1の回路から前記第2の回路にデータを伝送する際の動作について説明する。前記第1の回路からの伝送すべき8ビットのパラレルデータがP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータがドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザー221cが駆動され、この半導体レーザー221cからシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が本発明に基づく光導波装置221dを導波し、前記第2の回路側に伝送される。
【0133】
前記第2の回路側では、本発明に基づく光導波装置221dを導波し、出射された光信号がフォトダイオード221eに受光される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号が、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータがS/P変換器221hでパラレルデータに変換され、前記第2の回路へと伝送される。
【0134】
このようにして、前記第1の回路から前記第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、前記第2の回路から前記第1の回路にデータを伝送する際の動作についても上記と同様に行われる。図16に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を並行して行うことができる。
【0135】
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、電子部品としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204及びバス205等をそれぞれ構成する半導体チップ、及び光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210が実装される。
【0136】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0137】
また、光配線210における本発明に基づく光導波装置221d、222dが、図1に示すように、光のコリメーション又は集束手段3がレンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなり、レンズ支持部12がクラッド2に接合されているので、光導波装置221d、222d(図1では光導波装置1)の前記両端において優れた剛性を有し、例えば、光導波装置221d、222dと前記プリント配線基板との接合強度を向上させることができる。このため、光軸ずれがなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0138】
また、クラッド2として柔軟シート材を用いれば、本発明に基づく光導波装置221d、222dの中央部分を薄型化することができかつ柔軟性を持たせることができるので、コア4にストレスを与えずに、熱や外部応力などによる光導波装置221d、222dの変形を効果的に吸収することができる。
【0139】
さらに、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3を一般的な射出成形技術で作製することができ、また前記柔軟シート材(クラッド2)として安価なシート材を用い、高価な光学樹脂の使用量を減らすことができるので、低コスト化が可能である。
【0140】
従って、本発明に基づく光導波装置は上述したような優れた効果を有するので、これを用いて構成される本発明に基づく電子機器は、熱や外部応力などに影響を受けず、また設置環境も特に限定することなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0141】
第9の実施の形態
図17は、本発明に基づく電子機器としてのゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS−ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と、圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
【0142】
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線210dにより接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線210eにより接続されている。
【0143】
なお、光配線210d、210eはそれぞれ、上記した図16に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、及びメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0144】
メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS−ROM309及びサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
【0145】
メインCPU301は、OS−ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、或いは通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
【0146】
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323及びIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
【0147】
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
【0148】
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、メインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210d、210eが実装される。
【0149】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0150】
また、光配線210d、210eにおける本発明に基づく光導波装置が、第8の実施の形態と同様の優れた効果を有するので、これを用いて構成される本発明に基づく電子機器は、熱や外部応力などに影響を受けず、また設置環境も特に限定することなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0151】
第10の実施の形態
図18は、本発明に基づく電子機器としてのサーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401、402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
【0152】
チップセット403には、光配線210f、210gを介してCPU401、402が接続されていると共に、光配線210hを介して、ネットワークI/F404が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401、402、ネットワークI/F404、メモリ405及びPCIブリッジ406などを制御する。
【0153】
なお、光配線210f、210g、210hはそれぞれ、上記した図16に示すように構成されており、CPU401、402とチップセット403の間、及びチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0154】
また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406及びルータ407が接続されている。
【0155】
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜417が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421及びラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
【0156】
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、CPU401、402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210f、210g、210hが実装される。
【0157】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0158】
また、光配線210f、210g、210hにおける本発明に基づく光導波装置が、第8の実施の形態と同様の優れた効果を有するので、これを用いて構成される本発明に基づく電子機器は、熱や外部応力などに影響を受けず、また設置環境も特に限定することなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0159】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
【0160】
例えば、本発明に基づく光導波装置は、図1に示すように、レンズ部11の接合面とは反対側のコア4の他方の面上に、クラッド2とは別のクラッド5が設けられていてもよいが、これに限定されるものではなく、クラッド5を設けなくてもよい。
【0161】
また、前記レンズ部としては、例えば凸レンズなどを適用することができ、その形状は特に限定されず、球面レンズ、シリンドリカルレンズ等が適用可能である。
【0162】
さらに、ソケット17は、図19に示すように、凸面20上に、前記インターポーザーの位置決め機構32(例えばはめあいボス等)を有していてもよく、その形状、大きさ等は特に限定されない。さらに、ソケット17の凹部18に形成された突起部19の形状、大きさ等は特に限定されない。
【0163】
なお、本発明は、レーザー光に信号を乗せた上述した光配線システムに好適であるが、これ以外にも、光源等の選択によりディスプレイ用などにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明は、光導波装置で効率良く所定の光束に集光されて出射し、或いは光導波装置に効率良く入射した後に出射した光信号を次段回路の受光素子(光配線やフォトディテクタ等)に入射させるように構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】第1の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置の概略図である。
【図2】同、本発明に基づく光導波装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図3】第2の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置の製造方法の他の例を工程順に示す概略断面図である。
【図4】第3の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図5】第4の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図6】第5の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図7】第6の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図8】第7の実施の形態による、ソケットの概略斜視図である。
【図9】同、本発明に基づく光導波装置を有する光電複合装置の概略斜視図である。
【図10】同、インターポーザーの概略斜視図である。
【図11】同、光電複合装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図12】同、光電複合装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図13】同、光電複合装置の製造方法の一部工程の概略平面図である。
【図14】同、光電複合装置の実装構造の一例の概略平面図である。
【図15】第8の実施の形態による、本発明に基づく電子機器の一例を示す模式図である。
【図16】同、本発明に基づく電子機器において、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置の構成の一例を示す模式図である。
【図17】第9の実施の形態による、本発明に基づく電子機器の他の例を示す模式図である。
【図18】第10の実施の形態による、本発明に基づく電子機器の更に他の例を示す模式図である。
【図19】前記ソケットの他の例の概略斜視図である。
【図20】従来例による、光導波路の実装構造を示す概略図である。
【図21】同、光導波路の概略断面図である。
【図22】同、光導波路の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0166】
1…光導波装置、2…クラッド、3…光のコリメーション又は集束手段、4…コア、
4a…コア材、5…別のクラッド、6a…上型、6b…下型、7…光入射部、
8…光出射部、9…発光素子、9a…発光素子アレイ、10…受光素子、
10a…受光素子アレイ、11…レンズ部、12…レンズ支持部、13…型、
14…光情報処理装置、17…ソケット、18…凹部、19…突起部、20…凸面、
21…ターミナルピン、22光電複合装置、
23、23a、23b…半導体集積回路チップ、24…インターポーザー、
28…プリント配線板
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュール、光インターコネクション、光通信等に好適な光導波装置及びその製造方法、並びに光情報処置装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、LSI(大規模集積回路)等の半導体チップ間の信号伝搬は、全て基板配線を介した電気信号によりなされている。しかし、昨今のMPU高機能化に伴い、チップ間にて必要とされるデータ授受量は著しく増大し、結果として様々な高周波問題が浮上している。それらの代表的なものとして、RC信号遅延、インピーダンスミスマッチ、EMC/EMI、クロストーク等が挙げられる。
【0003】
上記の問題を解決するため、これまで実装業界などが中心となり、配線配置の最適化や新素材開発などの様々な手法を駆使し、解決に当たってきた。
【0004】
しかし近年、上記の配線配置の最適化や新素材開発等の効果も物性的限界に阻まれつつあり、今後システムの更なる高機能化を実現するためには、単純な半導体チップの実装を前提としたプリント配線板の構造そのものを見直す必要が生じている。近年、これら諸問題を解決すべく様々な抜本対策が提案されているが、以下にその代表的なものを記す。
【0005】
・マルチチップモジュール(MCM)化による微細配線結合
高機能チップを、セラミック・シリコンなどの精密実装基板上に実装し、マザーボード(多層プリント基板)上では形成不可能である微細配線結合を実現する。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0006】
・各種半導体チップの封止、一体化による電気配線結合
各種半導体チップをポリイミド樹脂などを用いて二次元的に封止、一体化し、その一体化された基板上にて微細配線結合を行う。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0007】
・半導体チップの三次元結合
各種半導体チップに貫通電極を設け、それぞれを貼り合わせることで積層構造とする。これにより、異種半導体チップ間の結線が物理的に短絡化され、結果として信号遅延などの問題が回避される。但しその一方、積層化による発熱量増加、半導体チップ間の熱応力などの問題が生じる。
【0008】
さらに、上記のように信号授受の高速化及び大容量化を実現するために、光配線による光伝送結合技術が開発されている(例えば、後記の非特許文献1及び非特許文献2参照。)。光配線は、電子機器間、電子機器内のボード間又はボード内のチップ間など、種々の個所に適用可能である。例えば図20に示すように、チップ間のような短距離間の信号の伝送には、チップが搭載されているプリント配線基板57上に光導波路51を形成し、この光導波路51を信号変調されたレーザー光等の伝送路とした光伝送・通信システムを構築することができる。
【0009】
また、図21に示すように、光導波路51はクラッド54及び55と、これらのクラッド54、55間に挟持されたコア56とからなり、コア56の光入出射部59a、59bの端面は45°ミラー面に形成されている。さらに、クラッド54における光入出射部にはレンズ部52が形成されている。
【0010】
図21に示すような光導波路51の製造方法を図22を参照して説明する。
【0011】
まず、図22(a)に示すように、レンズ部52付きのクラッド54に対応した形状を有する上型53a及び下型53bを用い、図22(b)に示すようなクラッド54を射出成形によって作製する。これにより、レンズ部52とクラッド54は一体成形される。
【0012】
次に、図22(c)に示すように、型58にコア材56aを充填する。次いで、図22(d)に示すように、コア材56aが充填された型58上に、上記のようにして作製したレンズ部52付きのクラッド54を貼り合わせ、UV照射することによってコア材56aを硬化させる。そして、図22(e)に示すように、型58を剥がせば、クラッド54とコア56との積層体を得ることができる。
【0013】
次いで、図22(f)に示すように、上記のようにして作製した積層体と、射出成形等によって作製したクラッド55とを接合すれば、光導波路51を得ることができる。
【0014】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス、“光配線との遭遇”2001年12月3日の122頁、123頁、124頁、125頁、図4、図5、図6、図7
【非特許文献2】NTT R&D, vol.48, no.3, pp.271-280 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記した従来例による光導波路及びその製造方法では、図21及び図22に示すように、上型53a及び下型53bを用いてレンズ部52とクラッド54を一体成形により作製するので、この成形の段階でレンズ部52の位置が決まってしまい、コア56の光入出射部59a、59bとレンズ部52とのアライメントが難しく、アライメント精度及び歩留りの低下が懸念される。
【0016】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、歩留りを向上させることができ、効果的な光入出射を行うためのレンズ部を高精度かつ容易にアライメントすることができる光導波装置及びその製造方法、並びにこの光導波装置を有する光情報処理装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
即ち、本発明は、クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている、光導波装置に係るものである。
【0018】
また、クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置に係るものである。
【0019】
また、クラッド及びコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波装置の製造方法において、レンズ部を形成する工程と、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、前記レンズ部をそれぞれ接合する工程と、前記クラッドと前記コアとを接合する工程とを有する、光導波装置の製造方法に係るものである。
【0020】
さらに、クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子が設けられ、また出力側に出力信号を受ける回路素子が設けられている、電子機器に係るものである。
【0021】
ここで、本発明において前記「コア」とは、単一のコアに限らず、複数個のアレイも含む意味である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、前記レンズ部がそれぞれ接合されているので、上記の従来例による光導波路の製造方法のように、レンズ部とクラッドを一体成形により作製するのに比べ、前記レンズ部と前記コアの光入出射部とのアライメントは容易かつ高精度であり、また歩留りを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明において、前記コアは入射した光信号を導波する役割を果たし、前記クラッドは前記コア内に光信号を閉じ込める役割を果たす。前記コアは高い屈折率を持つ材料からなり、前記クラッドは前記コアより低い屈折率の材料で構成されている。
【0024】
そして、前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されているのが好ましい。
【0025】
上述したような従来例による光導波路は、一般に樹脂からなるため、吸湿性を有し、これにより光導波路は次第に膨張する。このような光導波路を用いた場合、光導波路の膨張などにより、結果として、光軸が次第にずれてしまう。
【0026】
また、光導波路の厚みが大きすぎると、コアにストレスを与えずに、熱や外部応力などによる光導波路の変形を吸収することができない。従って、光導波路は50mm〜30mm程度の長さ(光の導波方向)を持ちながら、その中央部分は0.5mm以下の薄さを維持し、モジュールの柔軟性を保つ必要がある。図21に示すような従来例による光導波路では、現状の先端射出成形技術を用いれば、このような薄さの実現は可能であるが、コストが高い。
【0027】
これに対し、本発明に基づく光導波装置によれば、前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持する前記レンズ支持部が前記クラッドに接合されているので、光導波装置の前記両端において優れた剛性を有し、例えば、光導波装置と実装基板との接合強度を向上させることができる。このため、光軸ずれがなく、安定した光入出射を行うことができる。
【0028】
また、前記クラッドとして柔軟シート材を用いれば、本発明に基づく光導波装置の中央部分を薄くかつ柔軟にすることができるので、前記コアにストレスを与えずに、熱や外部応力などによる光導波装置の変形を効果的に吸収することができる。
【0029】
さらに、前記レンズ部を一般的な射出成形技術で作製することができ、また前記柔軟シート材として安価なシート材を用い、高価な光学樹脂の使用量を減らすことができるので、低コスト化が可能である。
【0030】
また、本発明の光導波装置は、前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられていることが好ましく、前記別のクラッドとして柔軟なシート材を用いるのがより好ましい。
【0031】
本発明の光導波装置の製造方法は、前記クラッドの一方の面に前記レンズ部を接合した後、このレンズ部に対して前記コアの光入出射部を位置合わせした状態で、前記クラッドの他方の面と前記コアとを接合するのが好ましい。従来例による光導波路の製造方法では、上述したようにクラッドとレンズ部とを一体成形するので、レンズ部の配置位置を変更するには上型及び下型の形状を変更しなければならず、容易ではない。これに対し、本発明に基づく製造方法によれば、前記クラッドの一方の面に、別途作製した前記レンズ部を接合するので、前記レンズ部の配置位置の自由度が広がり、また前記レンズ部と前記クラッドとのアライメントが容易である。
【0032】
また、本発明の光導波装置の製造方法は、前記クラッドと前記コアとを接合した後、この接合面とは反対側の前記クラッドの面に、前記コアの光入出射部にそれぞれ対応させて前記レンズ部を接合するのが好ましい。これによれば、前記レンズ部を接合する前に、前記クラッドと前記コアとを接合するので、前記コアの形成がより容易となる。また、前記クラッドと前記コアとが接合された状態で、前記クラッドに前記レンズ部を接合するので、前記レンズ部と前記コアの光入出射部とのアライメントがより容易かつ高精度である。
【0033】
そして、本発明に基づく光導波装置は、この光導波装置の前記コアに光を入射させる前記光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、前記コアからの出射光を受け入れる前記受光部(例えば、光配線やフォトディテクタ等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0034】
ここで、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのが好ましい。
【0035】
また、光配線等の本発明に基づく光情報処理装置は、その入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、その出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより構成される電子機器に好適に用いることができる。
【0036】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
【0037】
第1の実施の形態
図1(a)は、本発明に基づく光導波装置の概略断面図であり、図1(b)は、図1(a)の分解図である。
【0038】
図1に示すように、本発明に基づく光導波装置1は、クラッド2と、クラッド2とは別のクラッド5と、これらクラッド2、5間に挟持されたコア4との積層体からなり、コア4を通して光が導かれるように構成されている。コア4は入射した光信号を導波する役割を果たし、クラッド2、5はコア4内に光信号を閉じ込める役割を果たす。コア4は高い屈折率を持つ材料からなり、クラッド2、5はコア4より低い屈折率の材料で構成されている。
【0039】
そして、クラッド2が柔軟シート材からなり、クラッド2においてコア4の光入出射部7、8に相当する両端に、クラッド2とは別体であり、レンズ部11とこのレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3がそれぞれ接合されている。また、レンズ支持部12がクラッド2に接合されている。
【0040】
これによれば、光のコリメーション又は集束手段3がレンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなり、レンズ支持部12がクラッド2に接合されているので、光導波装置1の前記両端において優れた剛性を有し、例えば、光導波装置1と実装基板(図示せず)との接合強度を向上させることができる。このため、光軸ずれがなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0041】
また、クラッド2として柔軟シート材を用いれば、本発明に基づく光導波装置1の中央部分を薄型化できかつ柔軟性を持たせることができるので、コア4にストレスを与えずに、熱や外部応力等による光導波装置1の変形を効果的に吸収することができる。
【0042】
さらに、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3を一般的な射出成形技術で作製することができ、また前記柔軟シート材(クラッド2)として安価なシート材を用い、高価な光学樹脂の使用量を減らすことができるので、低コスト化が可能である。
【0043】
コア4の光入出射部7、8は、傾斜ミラー面、例えば45°ミラー面に形成されている。前記傾斜ミラー面付きのコア4は射出成形によって形成することができる。前記射出成形により、コア4に直接加工を行うことなしに前記傾斜ミラー面を形成することができるので、作製時のダメージがなく、表面状態を平滑にすることができ、容易かつ精度良く良質な光導波装置1を作製することができる。また、コア4の光入出射部7、8を前記傾斜ミラー面に形成することにより、前記光入射部から放射された光信号を効率良くコア4に入射させることができ、またこの入射した光信号を導波し、効果的に前記受光部に対して出射させることができる。なお、コア4の材質としては従来公知のものが使用可能であり、UV(紫外線)硬化性樹脂、例えばフッ素系ポリイミド等が挙げられる。
【0044】
また、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3の接合面とは反対側のコア4の他方の面上に設けられた別のクラッド5が、柔軟なシート材であることがより好ましい。
【0045】
本発明に基づく光導波装置1によれば、クラッド2においてコア4の光入出射部7、8に相当する前記両端に、クラッド2とは別体であり、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3がそれぞれ接合されているので、上記の従来例による光導波路の製造方法のように、レンズ部とクラッドを一体成形により作製するのに比べ、レンズ部11とコア4の光入出射部7、8とのアライメントは容易かつ高精度であり、また歩留りを向上させることができる。
【0046】
このような、本発明に基づく光導波装置1は、この光導波装置1のコア4に光を入射させる前記光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、コア4からの出射光を受け入れる前記受光部(例えば、光配線やフォトディテクタ等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0047】
ここで、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのが好ましい。
【0048】
また、光配線等の本発明に基づく光情報処理装置は、その入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、その出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより構成される電子機器に好適に用いることができる。
【0049】
次に、光導波装置1の製造方法の一例について、図2を参照して説明する。
【0050】
まず、図2(a)に示すように、光のコリメーション又は集束手段3に対応した形状を有する上型6a及び下型6bを用い、この上型6a及び下型6bに光のコリメーション又は集束手段の材料3aを充填して硬化させることにより、光のコリメーション又は集束手段3を作製する。これにより、光のコリメーション又は集束手段3を、一般的な射出成形によりレンズ部11と、レンズ支持部12との一体化物として容易に作製することができる。
【0051】
次に、図2(b)に示すように、柔軟シート材からなるクラッド2の前記両端に、上記のようにして作製した光のコリメーション又は集束手段3をそれぞれ接合する。このとき、レンズ支持部12をクラッド2に接合する。
【0052】
次に、図2(c)に示すように、型13にコア材4aを充填する。次いで、図2(d)に示すように、コア材4aを充填した型13上に、上記のようにして作製した光のコリメーション又は集束手段3を有するクラッド2を貼り合わせ、UV照射することによってコア材4aを硬化させる。そして、図2(e)に示すように、型13を剥がせば、クラッド2とコア4との積層体を得ることができる。
【0053】
このように、射出成形によってコア4の光入出射部7、8を傾斜ミラー面、例えば45°ミラー面に形成すれば、コア4に直接加工を行うことがないので、作製時のダメージがなく、表面状態を平滑にすることができ、容易かつ精度良く良質な光導波装置1を作製することができる。
【0054】
次いで、図2(f)に示すように、上記のようにして作製したクラッド2とコア4との積層体と、別のクラッド(例えば柔軟なシート材)5とを接合する。
【0055】
以上のようにして、本発明に基づく光導波装置1を作製することができる。上記のような本発明に基づく光導波装置1の製造方法によれば、クラッド2の一方の面に、別途作製した光のコリメーション又は集束手段3を接合するので、光のコリメーション又は集束手段3の配置位置の自由度が広がり、またレンズ部11とクラッド2とのアライメントが容易である。これに対し、従来例による光導波路の製造方法では、上述したようにクラッドとレンズ部とを一体成形するので、レンズ部の配置位置を変更するには上型及び下型の形状を変更しなければならず、容易ではない。
【0056】
第2の実施の形態
図3は、本発明に基づく光導波装置の製造方法の他の例を示す概略断面図である。
【0057】
まず、図3(a)に示すように、型13にコア材4aを充填する。次いで、図3(b)に示すように、コア材4aを充填した型13上に、柔軟シート材からなるクラッド2を貼り合わせ、UV照射することによってコア材4aを硬化させる。そして、図3(c)に示すように、型13を剥がせば、クラッド2とコア4との積層体を得ることができる。
【0058】
次に、図3(d)に示すように、コア4の接合面とは反対側のクラッド2の面に、コア4の光入出射部7、8にそれぞれ対応させて、図2(a)と同様にして射出成形により作製した光のコリメーション又は集束手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)を接合する。
【0059】
次いで、図3(e)に示すように、上記のようにして作製したクラッド2とコア4との積層体と、別のクラッド(例えば柔軟なシート材)5とを接合する。
【0060】
本実施の形態による製造方法によれば、光のコリメーション又は集束手段3とクラッド2とを接合する前に、クラッド2とコア4とを接合するので、コア4の形成がより容易となる。また、クラッド2とコア4とが接合された状態で、クラッド2に光のコリメーション又は集束手段3を接合するので、レンズ部11とコア4の光入出射部7、8とのアライメントがより容易かつ高精度である。
【0061】
第3の実施の形態
図4は、本発明に基づく光導波装置1と、この光導波装置1のコア4に光を入射させる光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)9と、コア4からの出射光を受け入れる受光部(例えば、受光素子)10とを有する、本発明に基づく光情報処理装置14の概略図である。
【0062】
本実施の形態において、45°ミラー面である光入射部7及び光出射部8を有するコア4は、図4(b)に示すように、複数個が並列に配置されており、各コア4の光入出射部7、8の位置が長さ方向において揃っている。
【0063】
また、発光素子9は、各コア4の光入射部7に対応する位置にそれぞれ配置されている。なお、図示省略したが、各発光素子9の間隙には、発光素子9と半導体集積回路チップ(図示省略)との間の電気的な接続を行う貫通電極(図示省略)が配置されている。なお、受光素子10においても、上記の発光素子9と同様である。
【0064】
図4に示す光情報処理装置14では、コア4の並ぶ配列ピッチと同じピッチで、発光素子9や受光素子10が配列することとなる。
【0065】
この場合、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3は、図4(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応させて作製し、クラッド2と接合する。
【0066】
この動作メカニズムは、一方の半導体集積回路チップ(図示省略)から発信される電気信号が光信号に変換されて、各発光素子9から光信号として出射される。出射された光信号は、コリメーション又は集束手段3の対応するレンズ部11によって集束され、コア4の光入射部7に入射し、45°ミラー面から構成される光入射部7において反射し、コア4が延伸する導波方向に導波され、他方の45°ミラー面からなる光出射部8において再び反射してコア4の光出射部8から出射する。光導波装置1から出射された光信号は、コリメーション又は集束手段3を介して対応する受光素子10に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体集積回路チップ(図示省略)に電気信号として伝送される(以下、他の実施の形態も同様。)。
【0067】
第4の実施の形態
図5(a)は、図1に示すような本発明に基づく光導波装置1と、発光素子アレイ9aと、受光素子アレイ10aとからなる光情報処理装置14の概略平面図であり、図5(b)は、図5(a)のA方向から見た図であり、図5(c)は光のコリメーション又は集光手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)が接合されたクラッド2の概略平面図である。なお、図5では、図1の光導波装置1におけるクラッド5は図示省略した。
【0068】
本実施の形態において、コア4は並列に複数配置されている。各コア4の端部は、45°ミラー面からなる光入射部7及び光出射部8となる。また、各コア4の光入出射部7、8が、隣接する他のコア4の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されている。
【0069】
発光素子アレイ9aは、各コア4の光入射部7に対応する位置に配置された複数の発光素子9を備える。各発光素子9の間隙には、発光素子9と半導体集積回路チップ(図示省略)との間の電気的接続を行う貫通電極(図示省略)が配置されている(これは、受光素子アレイ10aの受光素子10についても同様である。)。
【0070】
この場合、コリメーション又は集束手段3のレンズ部11は、図5(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応するようにレンズ支持部12と一体成形され、このレンズ支持部12がクラッド2と接合される。
【0071】
本実施の形態によれば、各コア4の光入出射部7、8が、隣接する他のコア4の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されているので、コア4の長さ方向において配列する発光素子9同士のピッチは、上記の長さ方向のずれ量だけの大きさとなる。例えば、隣接するコア4の光入出射部7、8を延伸方向において100μmだけずらした場合には、コア4の長さ方向において配列する発光素子9同士のピッチは100μmとなる。これは、受光素子10においても同様である。
【0072】
また、コア4の配列方向に並ぶ発光素子9のピッチは、複数個のコア4の配列ピッチの合計分だけの大きさとなる。例えば、各コア4が20μmの配列ピッチで配列している場合には、コア4の配列方向に並ぶ発光素子9のピッチは、100μmとなる。
【0073】
このように、各コア4の光入出射部7、8が、隣接する他のコア4の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されていることにより、コア4に対応して配置される光素子(発光素子、受光素子を併せて称する。以下、同様。)9、10を二次元的に配置することができ、光素子9、10を100μmピッチ程度で配置しながら、コア4を20μmピッチにまで集積することが可能となっている。
【0074】
即ち、光素子9、10の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させつつ、コア4の集積度を向上させることが可能となる。
【0075】
また、コア4を高集積化させつつ、光素子9、10を二次元的に配列することにより、無駄なスペースがなくなり、一素子当たりの基板占有面積を削減することができる。このため、一層のコストダウンを図ることができる。
【0076】
第5の実施の形態
図6(a)は、図1に示すような本発明に基づく光導波装置1と、発光素子アレイ9a−1、9a−2と、受光素子アレイ10a−1、10a−2とからなる光情報処理装置14の概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)のA方向から見た図であり、図6(c)は光のコリメーション又は集光手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)が接合されたクラッド2の概略平面図である。なお、図6では、図1の光導波装置1におけるクラッド5は図示省略した。
【0077】
本実施の形態において、各コア4−1、4−2の光入出射部7、8は、隣接する他のコア4−2、4−1の光入出射部7、8に対して長さ方向にずれて形成されている。即ち、光入出射部7、8の位置がずれた2つの第1のコア4−1及び第2のコア4−2を一単位として、繰り返し配列されている。
【0078】
そして、各コア4の長さ方向の一方側において、第1のコア4−1の光入射部7に対応して配置された発光素子9を複数有する発光素子アレイ9a−1と、第2のコア4−2の光出射部8に対応して配置された受光素子10を複数有する受光素子アレイ10a−2が配置されている。
【0079】
また、各コア4の長さ方向の他方側において、第1のコア4−1の光出射部8に対応して配置された受光素子10を複数有する受光素子アレイ10a−1と、第2のコア4−2の光入射部7に対応して配置された発光素子9を複数有する発光素子アレイ9a−2が配置されている。
【0080】
即ち、この光情報処理装置14では、並列に配置された各コア4−1、4−2に対し、発光素子9及び受光素子10が交互に配置されている。そのため、各コア4−1、4−2は、互いに隣接する他のコア4−2、4−1に対し逆方向に光を導波する。
【0081】
この場合、コリメーション又は集束手段3のレンズ部11は、図6(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応するようにレンズ支持部12と一体成形され、このレンズ支持部12がクラッド2と接合される。これにより、発光素子9からの光信号を効果的に集束してコア4に入射させ、効率良く光結合を行うことができる。また、受光素子10が光導波装置1からの出射光を効果的に受光することができる。
【0082】
また、並列に配置された各コア4−1、4−2に対し、発光素子9及び受光素子10が交互に配置されていることから、例えば、半導体集積回路チップの特定の回路に接続する入出力パッドに対応する発光素子9及び受光素子10の位置は、図6(a)のC部に示すように近接配置されていることから、電気配線の長さを短くすることができ、高周波対策が容易になるという効果がある。
【0083】
第6の実施の形態
図7(a)は、図1に示すような本発明に基づく光導波装置1と、発光素子アレイ9a−1、9a−2と、受光素子アレイ10a−1、10a−2とからなる光情報処理装置14の概略平面図であり、図7(b)は、図7(a)のA方向から見た図であり、図7(c)は光のコリメーション又は集光手段3(レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる)が接合されたクラッド2の概略平面図であり、図7(d)は、受光素子アレイ10a−1における受光素子10の配置及び発光素子アレイ9a−2における発光素子9の配置を示す図である。なお、図7では、図1の光導波装置1におけるクラッド5は図示省略した。
【0084】
本実施の形態では、第4の実施の形態と第5の実施の形態との構成を複合した構成となっている。即ち、第5の実施の形態と同様にして、並列に配置された各コア4に対し、発光素子9及び受光素子10が交互に配置されている。そのため、各コア4は、互いに隣接する他のコアに対し逆方向に光を導波する。
【0085】
また、第4の実施の形態と同様に、各光素子アレイ9a−1、9a−2、10a−1、10a−2における光素子9、10は、図7(d)に示すように、隣り合う他の光素子9、10に対し、コア4の長さ方向にずれて配置されている。
【0086】
この場合、コリメーション又は集束手段3のレンズ部11は、図7(c)に示すように、コア4の光入出射部7、8の位置にそれぞれ対応するようにレンズ支持部12と一体成形され、このレンズ支持部12がクラッド2と接合される。これにより、発光素子9からの光信号を効果的に集束してコア4に入射させ、効率良く光結合を行うことができる。また、受光素子10が光導波装置1からの出射光を効果的に受光することができる。
【0087】
また、各光素子アレイにおいて光素子が直線的に配列している場合に比べて、光素子間のピッチを大きく取ることができることから、上述した第5の実施の形態の効果を維持しつつ、光素子間の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させることができることから、コア4の集積度を向上させることが可能となる。
【0088】
第7の実施の形態
本発明に基づく光導波装置は、プリント配線板上に直接実装することができるが、この他に、本発明に基づく光導波装置をソケットに設置して光電複合装置とし、この光電複合装置をプリント配線板上に実装してもよい。
【0089】
図8は、前記ソケットの概略斜視図である。図8(a)は、前記ソケットの光導波装置が設置される面側から見た概略斜視図であり、図8(b)は、図8(a)の反対の面側から見た概略斜視図である。
【0090】
図8に示すように、ソケット17には、本発明に基づく光導波装置を位置決めして固定するための、凹凸構造からなる位置決め手段が設けられている。具体的には、前記凹凸構造が、前記光導波装置を嵌め込んでその幅方向を位置決めするための凹部18と、前記光導波装置の長さ方向を位置決めするための突起部19とを有している。また、凹部18の深さは、前記光導波装置の厚さよりも大きい。
【0091】
また、ソケット17の前記凹凸構造の凸面20には、ソケット17の表及び裏面とを導通するための導通手段、例えばターミナルピン21が設けられている。そして、この凹凸構造の凸面20上に、後述するように、前記発光素子及び/又は前記受光素子が実装されたインターポーザーが固定される。
【0092】
ソケット17の材質としては絶縁性樹脂であれば、従来公知の材料を用いることができ、例えばガラス入りPES(ポリエチレンスルフィド)樹脂、ガラス入りPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等が挙げられる。このようなソケット17の材料は、その種類、絶縁性、信頼性等のデータが既に多く存在し、また扱っているメーカーも多岐に渡る。従って、機能、コスト、信頼性等の全てにおいて受け入れ易い構造物であり、既存のプリント配線板実装プロセスとの融合も図り易い。
【0093】
ソケット17の製造方法は特に限定されないが、例えば、前記凹凸構造を有する金型を用いて成形により容易に作製することができる。
【0094】
図9は、本発明に基づく光導波装置1をソケット17に設置してなる光電複合装置22の概略図である。図9(a)は、光電複合装置22の概略斜視図であり、図9(b)は、図9(a)の分解図である。
【0095】
図9に示すように、光電複合装置22は、一対のソケット17と、このソケット17に設置された本発明に基づく光導波装置1とを有し、この一対のソケット17間に光導波装置1が架け渡されている。なお、光導波装置1は、上記した各実施の形態のいずれの構造であっても良い。このとき、光導波装置1は、後述するプリント配線板とは非接触となっているので、半導体集積回路チップの放熱により、光導波装置1が破壊されるのを効果的に防止することができる。
【0096】
また、ソケット17の前記凹凸構造の凸面20上に、半導体集積回路チップ23a、23bと、前記発光素子(図示省略)(例えばレーザー)及び/又は前記受光素子(図示省略)とが実装されたインターポーザー24が固定されている。
【0097】
インターポーザー24は、例えば図10に示すように、一方の面側には半導体集積回路チップ23が実装されており(図10(a))、他方の面側には光導波装置1に光入射を行うための発光素子アレイ9aと、光導波装置1からの出射光を受けるための受光素子アレイ10aとが実装され、周辺部にはその他の信号配線用の電極(例えば電源配線、DC信号等)25が設けられている(図10(b))。なお、発光素子アレイ9a及び受光素子アレイ10aは、光導波装置1の各光入出射部に対応する位置に配置された複数の発光素子及び受光素子を備える(図示省略)。各発光素子及び受光素子の間隙には、発光素子及び受光素子と半導体集積回路チップとの間の電気的接続を行う貫通電極が配置されている(図示省略)。
【0098】
そして、凹部18に光導波装置1が設置されてなる一対のソケット17と、インターポーザー24とを固定するに際し、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装された面側をソケット17の凸面20と接するように構成し、またソケット17のターミナルピン21とインターポーザー24のその他の信号配線用の電極25とを電気的に接続するように固定する。
【0099】
また、上述したように、ソケット17の凹部18の深さを、光導波装置1の厚さよりも大きく形成することにより、図9(a)に示すように、光導波装置1の一方の面26側と、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装されている面側との間に空間27を形成することができる。
【0100】
上記したように、ソケット17上に、インターポーザー24を介して半導体集積回路チップ23を実装し、及び光導波装置1の一方の面26側と、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装されている面側との間に空間27を形成することにより、光電複合装置22の使用時に半導体集積回路チップ23が発熱しても、この熱によって光導波装置1が破壊されるのを効果的に防ぐことができる。
【0101】
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ23aから発信される電気信号が光信号に変換されて、発光素子アレイ9aの各発光素子(図示省略)からレーザー光による光信号として出射される。出射された光信号は、光導波装置1におけるコリメーション又は集束手段3の対応するレンズ部11によって集束され、コア4の光入射部に入射し、コア4が延伸する導波方向に導波され、他方のコア4の光出射部から出射する。そして、光導波装置1から出射された光信号は、受光素子アレイ10aの対応する受光素子(図示省略)に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ23bに電気信号として伝送される。
【0102】
この光電複合装置22は、本発明に基づく光導波装置1が光配線として用いられる光配線システムを構成することができる。即ち、この光電複合装置22を前記プリント配線板に電気的に接続された状態で固定する。
【0103】
このような光電複合装置22によれば、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態で前記プリント配線板に電気的に接続することができるので、既存の前記プリント配線板の実装構造をそのまま利用できる構造である。従って、前記プリント配線板上にソケット17が設置できる領域を設ければ、その他の一般の電気配線は従来通りのプロセスで形成することが可能である。
【0104】
また、光導波装置1が高温プロセスに弱くても、例えば、前記プリント配線板にソケット17を固定し、更にはんだリフロー、アンダーフィル樹脂封止などの高温プロセスを含む、全ての実装プロセスを完了した後、ソケット17の凹部18に本発明に基づく光導波装置1を設置することができるので、光導波装置1が高温によるダメージをこうむることなしにその実装を行うことが可能である。
【0105】
また、前記プリント配線板と比較して剛性の高い樹脂によってソケット17を作製でき、このソケット17上で、前記発光素子及び/又は前記受光素子及び光導波装置1間の光結合を行うことができるため、光結合に必要とされる実装精度を容易に確保できる。例えば、現状のモールド技術により、数μmオーダーの組立て精度は確保可能である。従って、光バスの高密度化も可能となる。
【0106】
さらに、半導体集積回路チップ23と、発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aとを、インターポーザー24を介してその上下面に近接させて設置することができるので、半導体集積回路チップ23と、前記発光素子及び/又は前記受光素子との間の配線長を短くすることができる。従って、電気信号のノイズ対策、クロストーク対策も容易となり、光変調速度も向上させることが可能となる。
【0107】
また、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態で前記プリント配線板に電気的に接続することができるので、前記プリント配線板の高密度配線とその設計の自由度を確保しながら光配線システムを安価かつ高い自由度で前記プリント配線板上に展開することが可能となり、前記プリント配線板上での高速分散処理、電子機器トータルでの高機能化、及び開発の短TAT(turn around time)化等が期待できる。
【0108】
次に、光電複合装置22の製造方法の一例について、図11〜図13を参照して説明する。なお、図11及び図12は、図9(a)の光電複合装置22のA−A’線概略断面図である。
【0109】
まず、図11(a)及び(b)に示すように、プリント配線板28上に、一対のソケット17を実装する。このとき、プリント配線板28上の電極(図示省略)と、ソケット17のターミナルピン21とを位置合わせして、前記電極とソケット17が電気的に接続されるように実装する。
【0110】
なお、図示省略したが、プリント配線板28上には予めその他の電子部品等の実装及び電気配線を形成しておく。
【0111】
次に、図11(c)に示すように、ソケット17の凹部18に本発明に基づく光導波装置1を設置し、この一対のソケット17間に光導波装置1を架け渡しさせる。このとき、ソケット17に設けられた前記凹凸構造としての突起部19により、光導波装置1の長さ方向における位置決めは容易に行うことができ、また凹部18によって光導波装置1の幅方向における位置決めは容易に行うことができる。なお、ソケット17の凹部18に光導波装置1を設置するので、光導波装置1とプリント配線板28とは非接触の状態になっている。
【0112】
光導波装置1のソケット17への接着固定手段としては、特に限定されるものではないが、例えば接着性樹脂を用いて行うことができる。具体的には、まず図13(a)に示すように、ソケット17の凹部18の底面に溝30を任意の形状で形成する。このとき、溝30の端部がソケット17の突起部19の周辺部まで位置するように形成する。次に、図13(b)に示すように、ソケット17の凹部18に、本発明に基づく光導波装置1を設置する。上述したように、光導波装置1の長さ方向及び幅方向における位置決めは、ソケット17に設けられた突起部19及び凹部18によって容易に行うことができる。ここで、溝30は突起部19の周辺部まで位置するように形成されているので、溝30の一部は光導波装置1に覆われない状態となる。次に、図13(c)に示すように、光導波装置1に覆われていない溝30の一部からディスペンサー31等を用いて接着性の樹脂を注入し、固めることによって、ソケット17の凹部18に光導波装置1を接着固定することができる。
【0113】
上記のようにしてソケット17に本発明に基づく光導波装置1を設置した後、図12(d)に示すように、ソケット17の凸面20上に、前記半導体集積回路チップとしての例えばMPU(micro processor unit)23a又はDRAM(dynamic random access memory)23bと、発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aとが実装されたインターポーザー24を固定する。このとき、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装された面側をソケット17の凸面20と接するように構成し、またソケット17の凸面20に露出したターミナルピン(図示省略)とインターポーザー24のその他の信号配線用の電極25とを電気的に接続するように固定する。
【0114】
次に、図12(e)に示すように、MPU23a、DRAM23b上にそれぞれ、アルミのフィン29を設置する。
【0115】
以上のようにして、光電複合装置22を用いて、本発明に基づく光導波装置1が光配線として用いられる光配線システムを構成することができる。
【0116】
ここで、図14は、光電複合装置22をプリント配線板28上に展開した例を示す模式図である。例えば、光導波路モジュールを規格化することで、4方向に自在に展開することが可能となる。また、本発明に基づく光導波装置1は、クラッド2が柔軟シート材からなり、光のコリメーション又は集束手段3がレンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなり、レンズ支持部12がクラッド2に接合されているので、光導波装置1の中間部分を除く光入出射端側において優れた剛性を有し、これにより、プリント配線板28上への展開のみならず、例えば複数のプリント配線板間への展開も可能となる。これにより、プリント配線板28上での高速分散処理が可能となり、SETの高機能化、開発の短TAT化等が期待できる。特に、クラッド2として前記柔軟シート材を用いれば、光導波装置1の中間部分の柔軟性により、実装誤差、熱や外部応力などによる変形等を吸収することができ、上述したような効果をより確実に実現することができる。
【0117】
本実施の形態によれば、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態でプリント配線板28に電気的に接続することができるので、既存のプリント配線板28の実装構造をそのまま利用することができる。従って、プリント配線板28上にソケット17が設置できる領域を設ければ、その他の一般の電気配線は従来通りのプロセスで形成することが可能である。
【0118】
また、本発明に基づく光導波装置1が高温プロセスに弱くても、上述したように、プリント配線板28にソケット17を固定し、更にはんだリフロー、アンダーフィル樹脂風位などの高温プロセスを含む、全ての実装プロセスを完了した後、ソケット17の凹部18に本発明に基づく光導波装置1を設置するので、光導波装置1が高温によるダメージをこうむることなくその実装を行うことが可能である。
【0119】
また、プリント配線板28と比較して剛性の高い樹脂によってソケット17を作製でき、このソケット17上で、前記発光素子及び/又は前記受光素子及び光導波装置1間の光結合を行うことができるため、光結合に必要とされる実装精度を容易に確保できる。例えば、現状のモールド技術により、数μmオーダーの組立て精度は確保可能である。従って、光バスの高密度化も可能となる。
【0120】
また、半導体集積回路チップ23a、23bと、発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aとを、インターポーザー24を介してその上下面に近接させて設置することができるので、半導体集積回路チップ23a、23bと、前記発光素子及び/又は前記受光素子との間の配線長を短くすることができる。従って、電気信号のノイズ対策、クロストーク対策も容易となり、光変調速度も向上させることが可能となる。
【0121】
また、本発明に基づく光導波装置1がソケット17の凹部18に設置された状態でプリント配線板28に電気的に接続することができるので、プリント配線板28の高密度配線とその設計の自由度を確保しながら光配線システムを安価かつ高い自由度で前記プリント配線板上に展開することが可能となり、前記プリント配線板上での高速分散処理、電子機器トータルでの高機能化、及び開発の短TAT(turn around time)化等が期待できる。
【0122】
さらに、ソケット17上に、インターポーザー24を介して半導体集積回路チップ23a、23bを実装し、及び本発明に基づく光導波装置1の一方の面26側と、インターポーザー24の発光素子アレイ9a及び/又は受光素子アレイ10aが実装されている面側との間に空間27を形成することにより、光電複合装置22の使用時に半導体集積回路チップ23が発熱しても、この熱によって本発明に基づく光導波装置1が破壊されるのを効果的に防ぐことができる。
【0123】
第8の実施の形態
本発明に基づく電子機器は、本発明に基づく光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子が設けられ、また出力側に出力信号を受ける回路素子が設けられている。
【0124】
また、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのが好ましい。
【0125】
図15は、本発明に基づく電子機器としてのコンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備えている。
【0126】
ノースブリッジ202は、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210aを介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210bを介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線210aを介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210cを介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)およびアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
【0127】
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207及びその他のI/O装置208はそれぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disk)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
【0128】
図16は、図15における光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210a、b、c(但し、図16では光配線210と記載している。)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有している。光伝送系220−1〜220−Nはそれぞれ、第1の回路から第2の回路に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。ここで、図15における光配線210aを考える場合、前記第1の回路とはCPU201を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。図15における光配線210bを考える場合、前記第1の回路とはノースブリッジ202を示し、前記第2の回路とはサウスブリッジ204を示す。図15における光配線210cを考える場合、前記第1の回路とはDRAM203を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。また、光配線210は、図6に示すような光導波方向を有するよう構成された例を挙げる。
【0129】
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、前記発光素子としての半導体レーザー221c、本発明に基づく光導波装置221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221g及びシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221b及び半導体レーザー221cは前記第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221g及びS/P変換器221hは前記第2の回路側に配置される。また、本発明に基づく光導波装置221dは、第1の実施の形態で説明したような構造を有しており、半導体レーザー221cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、本発明に基づく光導波装置221dを導波して出射された光信号がフォトダイオード221eに効果的に受光されるよう配置される。
【0130】
また、第2の伝送系222は、第1の伝送系221と同様に、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザー222c、本発明に基づく光導波装置222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b及び半導体レーザー222cは前記第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hは前記第1の回路側に配置される。また、本発明に基づく光導波装置222dは、第1の実施の形態で説明したような構造を有しており、半導体レーザー222cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、本発明に基づく光導波装置222dを導波して出射された光信号がフォトダイオード222eに効果的に受光されるよう配置される。
【0131】
ここで、P/S変換器221a、222aはそれぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b、222bはそれぞれ、P/S変換器221a、222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザー221c、222cを駆動し、この半導体レーザー221c、222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f、222fはそれぞれ、フォトダイオード221e、222eからの光電変換による電流信号を、後続のIVA221g、222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g、222gはそれぞれ、TIA221f、222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h、222hはそれぞれ、IVA221g、222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
【0132】
次に、前記第1の回路から前記第2の回路にデータを伝送する際の動作について説明する。前記第1の回路からの伝送すべき8ビットのパラレルデータがP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータがドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザー221cが駆動され、この半導体レーザー221cからシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が本発明に基づく光導波装置221dを導波し、前記第2の回路側に伝送される。
【0133】
前記第2の回路側では、本発明に基づく光導波装置221dを導波し、出射された光信号がフォトダイオード221eに受光される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号が、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータがS/P変換器221hでパラレルデータに変換され、前記第2の回路へと伝送される。
【0134】
このようにして、前記第1の回路から前記第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、前記第2の回路から前記第1の回路にデータを伝送する際の動作についても上記と同様に行われる。図16に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を並行して行うことができる。
【0135】
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、電子部品としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204及びバス205等をそれぞれ構成する半導体チップ、及び光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210が実装される。
【0136】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0137】
また、光配線210における本発明に基づく光導波装置221d、222dが、図1に示すように、光のコリメーション又は集束手段3がレンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなり、レンズ支持部12がクラッド2に接合されているので、光導波装置221d、222d(図1では光導波装置1)の前記両端において優れた剛性を有し、例えば、光導波装置221d、222dと前記プリント配線基板との接合強度を向上させることができる。このため、光軸ずれがなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0138】
また、クラッド2として柔軟シート材を用いれば、本発明に基づく光導波装置221d、222dの中央部分を薄型化することができかつ柔軟性を持たせることができるので、コア4にストレスを与えずに、熱や外部応力などによる光導波装置221d、222dの変形を効果的に吸収することができる。
【0139】
さらに、レンズ部11とレンズ支持部12との一体化物からなる光のコリメーション又は集束手段3を一般的な射出成形技術で作製することができ、また前記柔軟シート材(クラッド2)として安価なシート材を用い、高価な光学樹脂の使用量を減らすことができるので、低コスト化が可能である。
【0140】
従って、本発明に基づく光導波装置は上述したような優れた効果を有するので、これを用いて構成される本発明に基づく電子機器は、熱や外部応力などに影響を受けず、また設置環境も特に限定することなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0141】
第9の実施の形態
図17は、本発明に基づく電子機器としてのゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS−ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と、圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
【0142】
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線210dにより接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線210eにより接続されている。
【0143】
なお、光配線210d、210eはそれぞれ、上記した図16に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、及びメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0144】
メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS−ROM309及びサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
【0145】
メインCPU301は、OS−ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、或いは通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
【0146】
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323及びIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
【0147】
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
【0148】
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、メインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210d、210eが実装される。
【0149】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0150】
また、光配線210d、210eにおける本発明に基づく光導波装置が、第8の実施の形態と同様の優れた効果を有するので、これを用いて構成される本発明に基づく電子機器は、熱や外部応力などに影響を受けず、また設置環境も特に限定することなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0151】
第10の実施の形態
図18は、本発明に基づく電子機器としてのサーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401、402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
【0152】
チップセット403には、光配線210f、210gを介してCPU401、402が接続されていると共に、光配線210hを介して、ネットワークI/F404が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401、402、ネットワークI/F404、メモリ405及びPCIブリッジ406などを制御する。
【0153】
なお、光配線210f、210g、210hはそれぞれ、上記した図16に示すように構成されており、CPU401、402とチップセット403の間、及びチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0154】
また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406及びルータ407が接続されている。
【0155】
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜417が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421及びラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
【0156】
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線基板(マザーボード)上に、CPU401、402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置210f、210g、210hが実装される。
【0157】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0158】
また、光配線210f、210g、210hにおける本発明に基づく光導波装置が、第8の実施の形態と同様の優れた効果を有するので、これを用いて構成される本発明に基づく電子機器は、熱や外部応力などに影響を受けず、また設置環境も特に限定することなく、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0159】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
【0160】
例えば、本発明に基づく光導波装置は、図1に示すように、レンズ部11の接合面とは反対側のコア4の他方の面上に、クラッド2とは別のクラッド5が設けられていてもよいが、これに限定されるものではなく、クラッド5を設けなくてもよい。
【0161】
また、前記レンズ部としては、例えば凸レンズなどを適用することができ、その形状は特に限定されず、球面レンズ、シリンドリカルレンズ等が適用可能である。
【0162】
さらに、ソケット17は、図19に示すように、凸面20上に、前記インターポーザーの位置決め機構32(例えばはめあいボス等)を有していてもよく、その形状、大きさ等は特に限定されない。さらに、ソケット17の凹部18に形成された突起部19の形状、大きさ等は特に限定されない。
【0163】
なお、本発明は、レーザー光に信号を乗せた上述した光配線システムに好適であるが、これ以外にも、光源等の選択によりディスプレイ用などにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明は、光導波装置で効率良く所定の光束に集光されて出射し、或いは光導波装置に効率良く入射した後に出射した光信号を次段回路の受光素子(光配線やフォトディテクタ等)に入射させるように構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】第1の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置の概略図である。
【図2】同、本発明に基づく光導波装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図3】第2の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置の製造方法の他の例を工程順に示す概略断面図である。
【図4】第3の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図5】第4の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図6】第5の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図7】第6の実施の形態による、本発明に基づく光情報処理装置の概略図である。
【図8】第7の実施の形態による、ソケットの概略斜視図である。
【図9】同、本発明に基づく光導波装置を有する光電複合装置の概略斜視図である。
【図10】同、インターポーザーの概略斜視図である。
【図11】同、光電複合装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図12】同、光電複合装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図13】同、光電複合装置の製造方法の一部工程の概略平面図である。
【図14】同、光電複合装置の実装構造の一例の概略平面図である。
【図15】第8の実施の形態による、本発明に基づく電子機器の一例を示す模式図である。
【図16】同、本発明に基づく電子機器において、光配線として構成された本発明に基づく光情報処理装置の構成の一例を示す模式図である。
【図17】第9の実施の形態による、本発明に基づく電子機器の他の例を示す模式図である。
【図18】第10の実施の形態による、本発明に基づく電子機器の更に他の例を示す模式図である。
【図19】前記ソケットの他の例の概略斜視図である。
【図20】従来例による、光導波路の実装構造を示す概略図である。
【図21】同、光導波路の概略断面図である。
【図22】同、光導波路の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0166】
1…光導波装置、2…クラッド、3…光のコリメーション又は集束手段、4…コア、
4a…コア材、5…別のクラッド、6a…上型、6b…下型、7…光入射部、
8…光出射部、9…発光素子、9a…発光素子アレイ、10…受光素子、
10a…受光素子アレイ、11…レンズ部、12…レンズ支持部、13…型、
14…光情報処理装置、17…ソケット、18…凹部、19…突起部、20…凸面、
21…ターミナルピン、22光電複合装置、
23、23a、23b…半導体集積回路チップ、24…インターポーザー、
28…プリント配線板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている、光導波装置。
【請求項2】
前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されている、請求項1に記載した光導波装置。
【請求項3】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられている、請求項1に記載した光導波装置。
【請求項4】
前記別のクラッドが柔軟なシート材からなる、請求項3に記載した光導波装置。
【請求項5】
クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置。
【請求項6】
前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されている、請求項5に記載した光情報処理装置。
【請求項7】
前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されている、請求項5に記載した光情報処理装置。
【請求項8】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられている、請求項5に記載した光情報処理装置。
【請求項9】
前記別のクラッドが柔軟なシート材からなる、請求項8に記載した光情報処理装置。
【請求項10】
クラッド及びコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波装置の製造方法において、レンズ部を形成する工程と、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、前記レンズ部をそれぞれ接合する工程と、前記クラッドと前記コアとを接合する工程とを有する、光導波装置の製造方法。
【請求項11】
前記クラッドの一方の面に前記レンズ部を接合した後、このレンズ部に対して前記コアの光入出射部を位置合わせした状態で、前記クラッドの他方の面と前記コアとを接合する、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項12】
前記クラッドと前記コアとを接合した後、この接合面とは反対側の前記クラッドの面に、前記コアの光入出射部にそれぞれ対応させて前記レンズ部を接合する、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項13】
前記クラッドとして柔軟シート材を用い、前記レンズ部を支持するレンズ支持部を前記クラッドに接合する、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項14】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドを設ける、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項15】
前記別のクラッドとして柔軟シート材を用いる、請求項14に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項16】
クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子が設けられ、また出力側に出力信号を受ける回路素子が設けられている、電子機器。
【請求項17】
前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されている、請求項16に記載した電子機器。
【請求項18】
前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されている、請求項16に記載した電子機器。
【請求項19】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられている、請求項16に記載した電子機器。
【請求項20】
前記別のクラッドが柔軟なシート材からなる、請求項19に記載した電子機器。
【請求項1】
クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている、光導波装置。
【請求項2】
前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されている、請求項1に記載した光導波装置。
【請求項3】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられている、請求項1に記載した光導波装置。
【請求項4】
前記別のクラッドが柔軟なシート材からなる、請求項3に記載した光導波装置。
【請求項5】
クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置。
【請求項6】
前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されている、請求項5に記載した光情報処理装置。
【請求項7】
前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されている、請求項5に記載した光情報処理装置。
【請求項8】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられている、請求項5に記載した光情報処理装置。
【請求項9】
前記別のクラッドが柔軟なシート材からなる、請求項8に記載した光情報処理装置。
【請求項10】
クラッド及びコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波装置の製造方法において、レンズ部を形成する工程と、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、前記レンズ部をそれぞれ接合する工程と、前記クラッドと前記コアとを接合する工程とを有する、光導波装置の製造方法。
【請求項11】
前記クラッドの一方の面に前記レンズ部を接合した後、このレンズ部に対して前記コアの光入出射部を位置合わせした状態で、前記クラッドの他方の面と前記コアとを接合する、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項12】
前記クラッドと前記コアとを接合した後、この接合面とは反対側の前記クラッドの面に、前記コアの光入出射部にそれぞれ対応させて前記レンズ部を接合する、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項13】
前記クラッドとして柔軟シート材を用い、前記レンズ部を支持するレンズ支持部を前記クラッドに接合する、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項14】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドを設ける、請求項10に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項15】
前記別のクラッドとして柔軟シート材を用いる、請求項14に記載した光導波装置の製造方法。
【請求項16】
クラッドとコアの積層体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成され、前記クラッドにおいて前記コアの光入出射部に相当する両端に、レンズ部がそれぞれ接合されている光導波装置と、この光導波装置の前記コアに光を入射させる光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部とを有する、光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子が設けられ、また出力側に出力信号を受ける回路素子が設けられている、電子機器。
【請求項17】
前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されている、請求項16に記載した電子機器。
【請求項18】
前記クラッドが柔軟シート材からなり、前記レンズ部を支持するレンズ支持部が前記クラッドに接合されている、請求項16に記載した電子機器。
【請求項19】
前記レンズ部の接合面とは反対側の前記コアの他方の面上に、前記クラッドとは別のクラッドが設けられている、請求項16に記載した電子機器。
【請求項20】
前記別のクラッドが柔軟なシート材からなる、請求項19に記載した電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−162850(P2006−162850A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−352678(P2004−352678)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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