説明

光導波路を備えた光デバイス及びその製造方法

本発明の光デバイスは、光導波路コアの少なくとも一部分にイオンが注入され、該イオン注入された部分が、光導波路コアの断面での中央を通る垂直方向と水平方向の2本の中心線の何れに対しても非線対称になるように形成されている。前記イオン注入された部分が、光導波路の矩形断面での中央部分を含み、2本の対角線の何れか一方の対角線に沿うように形成するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路を備えた光デバイスで、平板型光導波路、偏波コンバータ、アレイ導波路回折格子などの光デバイスの構造とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光通信技術において、平板型光導波路は、光回路を集積化できるという利点から注目を集め、多くの研究がなされている。光導波路は平面基板として用いられるシリコン基板と導波路を構成するシリカ系ガラス層との熱膨張係数が異なることから、ガラス内に応力が生じ、その結果、光導波路が複屈折を有している場合が非常に多い。光導波路には、この複屈折があり、尚且つ偏波状態が保持されているため、光導波路中に形成された光部品、例えば、アレイ導波路型回折格子や、ブラッグ反射型グレーティングなどにおいて、偏波状態、具体的にはTE偏波とTM偏波における動作波長に差が出てしまうという、偏波依存性の課題がある。
【0003】
この偏波依存性を解消する為に、例えば、アレイ導波路型回折格子の場合には、アレイ導波路中に溝を開けて、その溝に波長板を挿入する方法が一般に用いられている(例えば、Y. Inoue 他 ”Polarization mode converter with polyimide half waveplate in silica-based planar lightwave circuit“ IEEE Photonics Technology Letter. Vol. 6, p. 626, 1994)。これは、波長板の挿入により、その前後での導波路で、入射光のTE偏波とTM偏波を入れ替えることによって、偏波依存性を低減するものである。他の従来例としては、アレイ導波路の終端に格子変調型フォトニック結晶波長選択フィルタを溝に挿入する方法が開示されている(例えば、特開2003−255160号公報)。しかし、この溝に波長板を挿入する方法では、溝を開ける加工工程およびその溝に波長板やフォトニック結晶波長選択フィルタを挿入する組み立て工程が必要であり、工程が煩雑となっていて、調整が難しく、製品の不良率が高くなり、その結果、高価になるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上記のような問題に鑑み、上記の波長板と同様の働き、つまり、偏波の入れ変えを行う構造を光導波路コア内に形成し、導波路中に溝を開けることなく、偏波依存性を解消する手法により、高性能で不良率が低くて、低価格の光デバイスを提供することである。また、そのような波長板と同様の働きを行う構造を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、上記の課題を解決するために、光導波路コアの少なくとも一部分にイオンが注入され、該イオン注入された部分が、光導波路コアの断面での中央を通る垂直方向と水平方向の2本の中心線の何れに対しても非線対称になるように形成した。これにより、イオン注入された光導波路コア内に複屈折を生じる部分を形成して、波長板と同様な働きをさせて光デバイスを構成した。このような方法においては、光導波路中に溝を開ける必要がなく、別の波長板を挿入する必要もないので、工程が簡単になり、調整の必要もないので、不良率が低くて、低価格の光デバイスを提供することができる。
【0006】
また、前記イオン注入された部分が、光導波路コアの矩形断面での中央部分を含み、2本の対角線の何れか一方の対角線に沿うように形成した。このような光導波路コア断面の形状にすることにより、複屈折を生じる部分が、光波の電界が最も強い中心部と、対角線に沿ってできるので、最も効果的に入射光のTE偏波とTM偏波を入れ替えることができる。このような効果的形状にすれば、注入するイオンの量が少なくてすむので、イオン注入工程にかかる時間を短縮することができ、製造価格を低減できる。
【0007】
また、上記のような複屈折を生じる部分を光導波路コアの少なくとも一部分に形成することにより、偏波依存性が無いかまたは偏波依存性が非常に小さい、平板型光導波路を得ることができる。
【0008】
また、上記のような複屈折を生じる部分を光導波路コアの少なくとも一部分に形成することにより、独立した光デバイスとして、TE偏波からTM偏波に変換する偏波コンバータや偏波依存性がなく多チャンネルの光波を確実に合波したり、分波できるアレイ導波路回折格子を得ることができる。
【0009】
さらに、本発明の光導波路を備えた光デバイスの製造方法は、基板に下部クラッドを形成するステップと、下部クラッドの上に、断面が実質的に矩形である光導波路コアを形成するステップと、該光導波路コアの少なくとも一部分に、該光導波路コアの断面での中央を通る垂直方向と水平方向の2本の中心線の何れに対しても非線対称になるようにイオン注入部を形成するイオン注入ステップと、前記光導波路コアを含む下部クラッドの上に上部クラッドを形成するステップを含むことに特徴がある製造方法である。この製造方法によれば、光導波路中に溝を開ける工程が必要がなく、別の波長板を挿入する工程も必要ないので、工程が簡単になり、不良率が低くて、低価格の光デバイスを提供することができる。
【0010】
また、イオン注入は該光導波路コアの断面方向に向かって斜め上方からイオンを照射することによって行われる。この製造方法によれば、光導波路コアにイオン注入を行う工程でマスク板を使う必要がなく製造工程を短縮できる。また、マスク合わせの工程を省略できるので不良率を低減でき、製造価格も低減できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係わる光デバイスとその製造方法によれば、波長板と同様な働きをする部分を光導波路の全部または一部分に、イオン注入により形成できるので、偏波依存性を持たない平板型光導波路やアレイ導波路回折格子、及び高性能の偏波コンバータを容易に製造することができ、また、不良率を低減でき、製造価格も低減できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について、好ましい実施形態を、図を参照しながら詳述する。図1Aおよび図1Bに、一般的な平板型光導波路の斜視図と断面図をそれぞれを示す。図1で、1は基板、2は下部クラッド、3は光導波路コア、4は上部クラッドである。基板1は、一般にシリコンやシリカガラスが使用され、光導波路コア3が下部クラッドと上部クラッドとの間に埋め込まれたような構造になっている。光が伝搬する光導波路コア内の屈折率が均一である場合、光導波路に入射した光の偏波面は保持されたまま光導波路内を伝搬していく。ところが、図2に示すように、光導波路コアが断面斜め方向に複屈折を持っている場合、すなわち、図2でSの部分の屈折率neが周囲の部分の屈折率noと異なっている場合、光導波路コアを通る光の偏波面が変化する。ここで、図2では、光導波路に対して縦方向に振動面を持つ光Lが入射された場合について説明する。入射した光Lの偏光は図2に示したように縦方向の偏光で、振動面と±45度の角度を持つ2つの偏光LtとLpとに分解することができる。ここで、もし、光導波路コアの屈折率が均一なら、2つの偏光成分は同じ位相で進行していく。
【0013】
ところが、もし光導波路コア中に、図2に示すように、斜め45度方向に複屈折部分Sがある場合、Sの部分の屈折率neが周囲の部分の屈折率noより大きいと、複屈折部分Sと同じ方向を向いた偏光成分Lpは進行速度が遅くなる。一方、複屈折と90度の角度を持った偏光成分Ltの進行速度は変わらない。その結果、2つの成分間で位相のずれが生じ、入射した光の偏波面が変化する。もし、Sの部分の屈折率neが周囲の部分の屈折率noより小さい場合、偏波面の変化する方向は逆になるが、やはり偏波面が変化することとなる。ここで、光導波路コア全体の屈折率をno、複屈折部分の屈折率をneとした場合、2つの偏光間の位相のずれ、つまり位相差Δは以下の様に表すことができる。
【0014】
【数1】

【0015】
ここで、λは入射光の波長、dは複屈折がある部分の長さである。ここで、Δ=πとなるとき、出射光は入射光と垂直な方向、つまり横方向に振動面を持つ直線偏光となる。
【0016】
このような複屈折による偏波面の変化は、図2に示したような形状だけではない。複屈折を形成する際、光導波路コアに対して、光導波路コアの中心を通り垂直方向に平行な線、および光導波路コアの中心を通り水平方向に平行な線の両方に対して、非線対称となる複屈折を形成すれば、やはり上記の効果を得ることができる。これらの実施例を図3に列記する。これらはあくまでも実施例であり、上記のような条件を満たすものは数多く存在する。
【0017】
これらの実施例のなかで、図2に示すように、イオン注入された部分が、光導波路の矩形断面での中央部分を含み、2本の対角線の何れか一方の対角線に沿うように形成されているものが最も効果的である。
【0018】
光導波路材料中にイオン注入にて屈折率変化を形成する手法には大きく分けて2つある。1つはイオン注入による光導波路材料へのエネルギー付与により、光導波路材料自身を変質化させ屈折率を変化させる方法である。例えば、光導波路材料として最も一般的なシリカ系のガラスにイオン注入すると、イオンが注入された場所付近が高密度化し、屈折率が上昇する。もう1つの手法はイオン注入によって光導波路材料に注入されたイオン(原子や分子)と光導波路材料とを化学結合させて屈折率を変化させる方法である。これも、シリカ系のガラスを例にとると、例えばゲルマニウムイオンをシリカガラスに注入して化学結合を生じさせることによって、屈折率の上昇が得られる。この化学結合を用いた屈折率を変化させる手法においては、光導波路材料と注入すべきイオンとには、多数の組み合わせが既に知られている。
【0019】
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。本実施例においては、イオン注入によってシリカ系のガラスを高密度化させ屈折率を上昇させる手法を説明する。シリカ系のガラスによって形成された光導波路にイオン注入することで誘起できる屈折率の上昇量は0.001程度である。つまりne-no=0.001となる。このとき、光通信波長帯である光の波長λ=1.55μmに対し、位相差Δ=πを得る為の長さdは、数1より計算して0.775mmとなる。つまり、光導波路中の長さ0.775mmの領域にイオン注入を行い、0.001の屈折率上昇を光導波路コアに与えることによって、2つの偏波を入れ替えるための波長板に相当する偏波コンバータが形成できる。
【0020】
また、neはイオン注入で変化した屈折率をNiとすると
【0021】
【数2】

【0022】
と表すことができる。よって数1は次のようになる。
【0023】
【数3】

【0024】
数3から分かるように、所望のΔの値を得る際、イオン注入すべき長さdとイオン注入で誘起した屈折率変化量Niとは反比例の関係にある。Niは一般にイオン注入量と比例関係があるので、長さdはイオン注入量に反比例する。つまり、イオン注入量が多ければ、dは短くて良く、イオン注入量が少ない場合にはdを長くすればよい。
次にイオン注入による複屈折の形成方法を説明する。ここでは、図1に示すような一般的な直線平板型光導波路の光導波路コア内に、上記の条件を満たす複屈折を形成する場合について説明する。ここで、図4A、4B、4Cに直線平板型光導波路の作製工程を示す。平板型光導波路は、まずステップAで、例えばシリコンなどの基板1の上に下部クラッド2となるシリカガラスを基本とするガラス層を気相堆積法などの方法で形成する。但し、基板1自身が下部クラッドとなる場合、例えばシリカガラス基板を基板1として用いる場合もある。この様な場合、下部クラッドは、研磨などによって基板1の表面を光学的に平坦にすることによって形成される。ステップBで、上記下部クラッド上に光導波路コア3となるガラス層を気相堆積法などの方法で形成する。次に、ステップCで、この光導波路コア3となる層を所望の光導波路コア形状になるようにフォトリソグラフィーでエッチングマスクを形成(表示せず)して、反応性イオンエッチングにて整形後、さらにステップDで、気相堆積法などの方法で上部クラッド4を形成する。上部クラッド4は下部クラッド2と同じガラス材料を使用するのが一般である。また、一般にステップCにおいて整形される光導波路コア形状は矩形であるが、整形手法によっては、やや台形のような形になったり、上部の尖った五角形に近い形状となる場合があるが、これらは実質的に矩形であるとみなせる。
【0025】
この工程中にイオン注入によって、上記複屈折を形成するのだが、その手法を図4に示す。図4Aに示す方法では、ステップBの段階を終了後に、光導波路コアとなる部分に図4Aに示すような、断面が三角形の形状の突起を持ったマスク板5を介してイオンを注入する。図4Bに示す方法では、ステップCの段階を終了後に、図4Cに示す方法では、ステップDの段階を終了後に、図4Aに示す方法と同様に、光導波路コアとなる部分に、断面が三角形の形状の突起を持ったマスク板5を介してイオンを注入する。イオンは、光導波路コア内に停止するような加速エネルギーを選択して注入する。ここで、イオン注入部分6では、注入されたイオンにより付近の屈折率上昇が引き起こされる。よって、この結果、三角形状の突起物の斜面とほぼ同等の傾きの複屈折を光導波路中に形成できる。
【0026】
以上の工程によって形成される複屈折は、図3に列記した(1)番や(5)番のような形状になる。図3に列記したその他の形状の複屈折の形成も、適当なマスクやイオン注入時のイオンの加速エネルギーを選択することによって、容易に形成できる。例えば、図3の(3)番に示した形状の複屈折を形成するには、光導波路コア3の左半分にイオンが注入されないようにするマスクを光導波路に被せた後に、光導波路コア3の上半分にイオンが注入されるように加速エネルギーを選択してイオン注入を行えばよい。図3の(2)番に示した形状の複屈折を形成するには、図3の(3)番に示した形状の複屈折を上記の手法にて形成した後、今度は光導波路コア3の右半分を覆うマスクを被せた後に、光導波路コア3の下半分にイオンが注入されるように加速エネルギーを選択してイオン注入を行えばよい。
【0027】
上述のような、光導波路材料の変質化(本実施例の場合は高密度化)を用いる場合、注入するイオンは水素、ヘリウム、ホウ素、リン等、どのようなイオンでもよいが、質量が重いイオンは加速するのに大きなエネルギーを必要とし、また、注入されるガラス層の抵抗も大きくなるので、物質中深く入り難い。したがって、この実施例では、最も質量が小さくて加速し易く、よって物質中へより深く進入しやすい水素イオンを注入した。化学結合による屈折率変化を用いる場合は、当然、注入されるイオンは化学反応によって屈折率変化を誘起する元素を含んでいる必要がある。しかし、この場合でも屈折率変化を誘起するイオン種の候補が複数ある場合には、質量の小さいイオンを選択する方が加速エネルギーが小さくて済む。
【0028】
以上に説明した本発明に係わる光導波路の製造方法では、光導波路コアにイオン注入を行うときにマスク板を使用したが、図3に列記した(7)番の形状をした複屈折の形成では、イオン注入の工程でマスク板を必要としない手法を用いることができる。この工程では、図4Bにおける製造工程のステップCが終了した段階で、図5に示すように、マスク板を使用しないで、光導波路コアに対して斜め上方向からイオンビーム照射を行うことにより、上記図3の(7)番の形状をした複屈折を光導波路コアの中に形成できる。
【0029】
以上に示したように、光導波路コア内のイオン注入部分の形状とイオン注入量とイオン注入部分の長さとで入射光の偏波面と出射光の偏波面との位相差が決まる。したがって、上記の3つのパラメータをコントロールすることにより、1/2波長板、1/4波長板など任意の偏波コンバータを設計して光導波路内に形成することができる。
【0030】
また、図6に示す光導波路からなるアレイ導波路回折格子のような光デバイスにおいて、上記の偏波コンバータ10をアレイ導波路の中央に作ることで、偏波依存性がなく多チャンネルの光波を確実に合波したり、分波できるアレイ導波路回折格子を得ることができる。
【0031】
また、偏波依存性の低減が望まれる部位を持つ平板型光導波路においては、この部位において、特にイオン注入部分の長さを特定することなく、上述のような偏波面を変化させる構造を付与しておけば良い。なぜなら、このイオン注入部分では、常に偏波面が変化していることから、この部分では偏波依存性が無くなるからである。また、特に部位を特定することなく、平板型光導波路のほぼ全体に上述のような偏波面を変化させる構造を付与することによっても、偏波依存性の無い平板型光導波路が作製できる。
【0032】
この様な実施例を以下に示す。使用した光デバイスは、方向性結合器と呼ばれる光デバイスである。平板型光導波路中に形成された方向性結合器の概念図と斜視図をそれぞれ図7Aと図7Bに示す。図7に示したように、方向性結合器とは2つのコア20aと20bとが一部近接するように形成されている光デバイスであり、一方のコア中を伝播してきた光を、この近接部21によって、他方のコア中に移行させるために用いられる。この移行は、一般にカップリングと呼ばれ、どの程度光を移行させるかの割合はカップリング率と呼ばれる。カップリング率は、上記近接部の長さ、上記近接部での2つのコア間の距離d、コア形状、コアの屈折率、クラッド22の屈折率などによって決定される。よって、一方のコアから入力された光すべてを他方のコア側に移行させることも可能であり、また所望の割合に分割することも可能である。但し、この平板型光導波路中に形成された方向性結合器は偏波依存性の低減が難しく、偏波依存性が大きいことが知られている。
【0033】
試料はまず、基板兼下部クラッドとして厚さ1mmのSiOガラスを用意し、その上に、厚さ6μmの光導波路コア23となる層を化学気相析出法(CVD法)にて形成した。その後、このコア層を、方向性結合器を形成するように成形した。ここで、この方向性結合器は、コア断面が6×6μmの正方形、結合部における2つのコア間距離が3μm、結合部の長さが120μmとした。コアを成形後、図5に示したように、この光導波路コアの断面に対して斜め45度方向からイオン注入を行った。注入したイオンは水素イオンであり、イオンは、コア表面から約2μmの深さに注入されるようにイオン注入を行った。イオンの注入量は、約1×1016個/cmとした。また、イオン注入は結合部全体に行った。この時のイオン注入されたコア断面の様子を図8に示す。この後、CVD法にて、厚さ20μmのSiOガラス製の上部クラッドを形成した。
【0034】
上記のようにして作製した方向性結合器と、上記と全く同様のプロセスでイオン注入プロセスのみ省いて作製した方向性結合器の偏波依存性を測定したところ、イオン注入を行った試料において、2〜3dBの偏波依存性の低減が観測された。この様に、本発明を用いることによって、偏波依存性の小さい光デバイスを作製することができる。
【0035】
本発明は、この実施例に限定されるべきものではなく、実質的に同等の思想により当業者が置き換えや変更により、同等の効果が得られるものも、本発明の範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】一般的な光導波路の斜視図および断面図である。
【図1B】一般的な光導波路の斜視図および断面図である。
【図2】光導波路の複屈折による偏波面の変化を説明する図である。
【図3】本発明による光導波路コア断面における複屈折部分の実施例を列記した部分拡大図である。
【図4A】本発明による光導波路を備えた光デバイスの製造工程を説明する図である。
【図4B】本発明による光導波路を備えた光デバイスの製造工程を説明する図である。
【図4C】本発明による光導波路を備えた光デバイスの製造工程を説明する図である。
【図5】本発明による光導波路を備えた光デバイスの簡易な製造工程を説明する図である。
【図6】本発明によるアレイ導波路回折格子の概略図である。
【図7A】平板型導波路柱に形成された方向性結合器の概念図である。
【図7B】平板型導波路柱に形成された方向性結合器の概念図である。
【図8】イオン注入されたコアの断面を表す概念図である。
【符号の説明】
【0037】
1 基板
2 下部クラッド
3 光導波路コア
4 上部クラッド
6 イオン注入部分
10 偏波コンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面形状が実質的に矩形である光導波路コアを備えた光デバイスにおいて、該光導波路コアの少なくとも一部分にイオンが注入され、該イオン注入された部分が、光導波路コアの断面での中央を通る垂直方向と水平方向の2本の中心線の何れに対しても非線対称になるように形成されていることを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
断面形状が実質的に矩形である光導波路コアを備えた光デバイスにおいて、前記のイオン注入された部分が、光導波路コアの矩形断面での中央部分を含み、2本の対角線の何れか一方の対角線に沿うように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記光デバイスが平板型光導波路である請求項1または請求項2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記光デバイスが偏波コンバータである請求項1または請求項2に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記光デバイスがアレイ導波路回折格子である請求項1または請求項2に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記光デバイスにおいて、前記光デバイスの偏波依存性が低減されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の光デバイス。
【請求項7】
基板に下部クラッドを形成するステップと、下部クラッドの上に、断面が実質的に矩形である光導波路コアを形成するステップと、該光導波路コアの少なくとも一部分に、該光導波路コアの断面での中央を通る垂直方向と水平方向の2本の中心線の何れに対しても非線対称になるようにイオン注入部を形成するイオン注入ステップと、前記光導波路コアを含む下部クラッドの上に上部クラッドを形成するステップを含むことを特徴とする光導波路を備えた光デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記光デバイス製造方法において、イオン注入は上記光導波路コア断面方向に向かって斜め上方からイオンを照射することによってなされる請求項6に記載の光デバイスの製造方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−523358(P2007−523358A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521332(P2006−521332)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/JP2005/003250
【国際公開番号】WO2005/081027
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)
【Fターム(参考)】