説明

光検出装置及び表示装置

【課題】透光性基板下のバックライトからの迷光が光電変換素子へ入射するのを防止しながら、光電変換素子へ入射する光の光量を増加させる。
【解決手段】透光性基板上の光電変換素子上を覆うカラーフィルターと、隣接する画素の光電変換素子上を覆うカラーフィルターが、側面で光の進行方向に対して重なることにより遮光膜を形成する。また、カラーフィルター上にマイクロレンズを設けることで、本来、感知されない光を光電変換素子上に集光させることにより、光変換素子へ入射する光量を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一はフォトダイオードを有する光検出装置及びフォトダイオードを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は光センサを用いた入力機能を有する液晶表示装置を開示している。具体的には、透光性基板上にスイッチング素子及び光電変換素子を有し、透光性基板の厚さを70μm−100μmにしている。この厚さを有する透光性基板は透光性基板下のバックライトからの迷光が光電変換素子へ入射するのを防止する。一方、光電変換素子上の検出物からの光は光電変換素子へ入射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−10690
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光電変換素子(フォトダイオード)は入射する光量が多ければ、検出感度が高くなる。しかしながら、フォトダイオードを表示部に形成する場合、開口率との兼ね合いにより、フォトダイオードの受光部の面積を大きくするのは困難である。そのため、フォトダイオードへ入射する光量を十分に確保することは難しく、光検出感度を高くすることは困難である。また、バックライトからの光や、検出物からの光の一部(斜光)が光電変換素子に入射する場合には、本来検出すべき光以外の光も検出することになり、光電変換素子の光検出精度は低下する。
【0005】
上記の課題を鑑みて、本発明の一態様は、フォトダイオードへ入射する光量を増加させつつ、バックライトからのフォトダイオードへの光(迷光)の入射を防止し、検出物からのフォトダイオードへの斜光(迷光)の入射を防止できる構成を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、透光性基板上の第1の遮光層と、第2の遮光層と、第1の遮光層上の第1のフォトダイオードと、第2の遮光層上の第2のフォトダイオードと、第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、を有し、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、第1のカラーフィルター及び第2のカラーフィルターからなる第3の遮光層を有し、第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオード上には、レンズが設けられている光検出装置である。
【0007】
本発明の光検出装置の一は、透光性基板上の第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードと、第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、第1のカラーフィルター及び第2のカラーフィルターからなる遮光層が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の光検出装置の一は、透光性基板上の第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードと、第1のフォトダイオード上に設けられた第1のマイクロレンズと、第2のフォトダイオード上に設けられた第2のマイクロレンズと、第1のマイクロレンズ上を覆う第1のカラーフィルターと、第2のマイクロレンズ上を覆う第2のカラーフィルターとを有し、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、第1のカラーフィルター及び第2のカラーフィルターからなる遮光層が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の光検出装置の一は、透光性基板上の、第1の遮光層及び第2の遮光層と、透光性基板、第1の遮光層及び第2の遮光層上に接して設けられた透光性絶縁膜と、第1の遮光層上に、透光性絶縁膜を介して設けられた第1のフォトダイオードと、第2の遮光層上に、透光性絶縁膜を介して設けられた第2のフォトダイオードと、第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間では、第1のカラーフィルターと第2のカラーフィルターとが、隣接して第3の遮光層が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の光検出装置の一は、透光性基板上の、第1の遮光層及び第2の遮光層と、透光性基板、第1の遮光層及び第2の遮光層上に接して設けられた透光性絶縁膜と、第1の遮光層上に、透光性絶縁膜を介して設けられた第1のフォトダイオードと、第2の遮光層上に、透光性絶縁膜を介して設けられた第2のフォトダイオードと、第1のフォトダイオード上に設けられた第1のマイクロレンズと、第2のフォトダイオード上に設けられた第2のマイクロレンズと、第1のマイクロレンズ上を覆う第1のカラーフィルターと、第2のマイクロレンズ上を覆う第2のカラーフィルターとを有し、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間では、第1のカラーフィルターと第2のカラーフィルターとが、隣接して第3の遮光層が形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の表示装置の一は、バックライトと、バックライト上の第1の透光性基板と、第1の透光性基板上の液晶層と、液晶層上の第2の透光性基板と、第2の透光性基板上の第1の遮光層と、第2の遮光層と、第1の遮光層上の第1のフォトダイオードと、第2の遮光層上の第2のフォトダイオードと、第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、第1のカラーフィルター及び第2のカラーフィルターからなる第3の遮光層を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の表示装置の一は、第1の透光性基板と、第1の透光性基板上の発光層と、発光層上の第2の透光性基板と、第1の遮光層上の第1のフォトダイオードと、第2の遮光層上の第2のフォトダイオードと、第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、第1のカラーフィルター及び第2のカラーフィルターからなる第3の遮光層を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
画素部に、適正な焦点を有するマイクロレンズを形成することで、マイクロレンズを透過した光が、それぞれのフォトダイオード上に集光されるため、弱い入射光強度でも高い感度で検出することができる。また、集光量の増加によって、フォトセンサの面積を削減し、回路面積を縮小することも可能となる。
【0014】
また、焦点がフォトダイオード上にない光(迷光)を、カラーフィルターからなる遮光層によって遮光する。すなわち、第1のフォトダイオード上からの斜光は第3の遮光層によって遮光され、第2のフォトダイオード上からの斜光は第3の遮光層によって遮光される。そのため、第1のフォトダイオードは第2のフォトダイオード上の光を、第2のフォトダイオードは第1のフォトダイオード上の光をそれぞれ検知しない。第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードは検出すべき光を正確に検出することができ、第1のフォトダイオード及び第2のフォトダイオードの光検出感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一態様の実施の形態1を説明する断面図である。
【図2】本発明の一態様の実施の形態1を説明する断面図である。
【図3】本発明の一態様の実施の形態1を説明する断面図である。
【図4】本発明の一態様の実施の形態1を説明する断面図である。
【図5】本発明の一態様の実施の形態1を説明する断面図である。
【図6】本発明の一態様の実施例1を説明する断面図である。
【図7】本発明の一態様の実施例1を説明する上面図である。
【図8】本発明の一態様の実施例2を説明する断面図である。
【図9】本発明の一態様の実施例3を説明する応用例を示す図である。
【図10】本発明の一態様の実施例4を説明する応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態および実施例を説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態および実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
本発明の一態様である光検出装置を示す(図1(A))。図1(A)は光検出装置の断面図である。
【0018】
本発明の一態様である光検出装置は、透光性の基板1上に、第1の遮光層2と、第2の遮光層3とを有し、第1の遮光層2上の第1のフォトダイオード4と、第2の遮光層3上の第2のフォトダイオード5とを有し、第1のフォトダイオード4を覆う第1のカラーフィルター6と、第2のフォトダイオード5を覆う第2のカラーフィルター7とを有する。第1のフォトダイオード4と第2のフォトダイオード5との間には、第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7からなる第3の遮光層8を有する。第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7上に第3の透光性絶縁膜13を介してマイクロレンズ9を有する。
【0019】
フォトダイオード上に光を集めるため、マイクロレンズ9として、屈折率が周囲よりも大きい材料で平凸レンズを形成する。あるいは、2つのシリンドリカルレンズを直交するように並べることでマイクロレンズを形成してもよい。また、屈折率が周囲よりも小さい材料を用いる場合、凹レンズにするとよい。
【0020】
マイクロレンズを形成するときにレンズが各々の画素の全面を覆うようにすると、開口部から射出されるバックライトの光の光路が変わるため、表示画像の乱れにつながる。表示画像に悪影響を及ぼさないために、フォトダイオードの直上にのみマイクロレンズ9を形成することが好ましい。
【0021】
マイクロレンズ9は形状や材料を適宜選ぶことにより、最適な焦点距離に設定することができる。第1のフォトダイオード4または第2のフォトダイオード5が焦点と重なるように、第2の透光性絶縁膜12、第3の透光性絶縁膜13、カラーフィルターの膜厚を調節する。
【0022】
なお、マイクロレンズはカラーフィルターの下に形成しても良い(図1(B))。その場合、焦点距離に応じて、第2の透光性絶縁膜12の膜厚を適宜調節するとよい。
【0023】
第3の遮光層8は第1のカラーフィルター6と第2のカラーフィルター7とを隣接して形成する。すなわち第1のカラーフィルター6の一方の端部は第2のカラーフィルター7の一方の端部と、隣接する。隣接した部分が第3の遮光層8となる。
【0024】
第1のフォトダイオード4の第3の遮光層8が設けられている側と反対側には第3のカラーフィルター10及び第1のカラーフィルター6からなる第4の遮光層15が設けられていてもよい。第3のカラーフィルター10の一方の端部は第1のカラーフィルター6の他方の端部と隣接し、この接する部分が第4の遮光層15となる。また、第2のフォトダイオード5の第3の遮光層8が設けられている側と反対側には、第3のカラーフィルター10及び第2のカラーフィルター7からなる第5の遮光層16が設けられていてもよい。第3のカラーフィルター10の一方の端部は第2のカラーフィルター7の他方の端部と隣接し、この隣接する部分が第5の遮光層16となる。
【0025】
基板1、第1の遮光層2及び第2の遮光層3上に接して第1の透光性絶縁膜11を形成してもよい。第1の遮光層2上に第1の透光性絶縁膜11を介して第1のフォトダイオード4を形成し、第2の遮光層3上に第1の透光性絶縁膜11を介して第2のフォトダイオード5を形成してもよい。第3の遮光層8は第1の透光性絶縁膜11に接するように形成してもよい。
【0026】
第1の透光性絶縁膜11、第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5上に第2の透光性絶縁膜12を形成してもよい。第1のフォトダイオード4上に第2の透光性絶縁膜12を介して第1のカラーフィルター6を形成し、第2のフォトダイオード5上に第2の透光性絶縁膜12を介して第2のカラーフィルター7を形成してもよい。
【0027】
本発明の一態様である光検出装置を用いた光検出方法について説明する(図2)。透光性を有する基板1下のバックライト20から放出された光21が基板1及び第1のカラーフィルター6または第2のカラーフィルター7を通って被検出部22で反射される。被検出部22で反射された光23及び光24は、マイクロレンズにより集光されて第1のフォトダイオード4で検出される。また、被検出部22で反射された光25及び光26は、マイクロレンズにより集光されて第2のフォトダイオード5で検出される。
【0028】
なお、反射された光24および26は、マイクロレンズがなければ、第1のフォトダイオード4または第2のフォトダイオード5に入射しないため検出されない。しかし、本実施の形態の構成をもちいることにより、マイクロレンズ9によりフォトダイオード上へ集光され、光24及び26は、第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5でそれぞれ検出することができる。
【0029】
バックライトからの光21の一部は第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5へ向かう光27となる。しかし光27は第1の遮光層2及び第2の遮光層3によって吸収又は反射される。したがって光27は第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5に入射されず、検出されない。一方、特許文献1の構成では第1の遮光層2及び第2の遮光層3が設けられていないため、光27は第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5により検出される可能性がある。
【0030】
被検出部22からの反射光の一部は光28、29となる。光28、29は斜光である。光28は第2のフォトダイオード5へ斜め方向から向かう光であり、光29は第1のフォトダイオード4へ斜め方向から向かう光である。しかし光28は第3の遮光層8により遮光され、第2のフォトダイオード5に入射されず、検出されない。また光29は第3の遮光層8により遮光され、第1のフォトダイオード4に入射されず、検出されない。一方、特許文献1の構成では第3の遮光層8が設けられていないため、光28は第2のフォトダイオード5で検出され、光29は第1のフォトダイオード4で検出されてしまう。
【0031】
第1のフォトダイオード4と第2のフォトダイオード5との間の第3の遮光層8は第1のカラーフィルター6と第2のカラーフィルター7とが、隣接することで形成されている。第3の遮光層8を金属膜や黒色材料や黒色微粒子を分散した樹脂膜から形成することも可能である。しかしその場合、作製工程が大幅に増加してしまう。本発明の一態様では第1のカラーフィルター6と第2のカラーフィルター7とを重ねて第3の遮光層を形成するので作製工程を増加させることはない。また第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10によって光21をカラー化させることができるので、カラーセンサーとして利用することができる。
【0032】
第1の透光性絶縁膜11上に接して第1のフォトダイオード4と第2のフォトダイオード5とを形成し、第3の遮光層を第1の透光性絶縁膜11上に接して形成すると、斜光28、29を確実に遮光することができる。
【0033】
以下では光検出装置の各構成について説明する。
【0034】
基板1は、可視光に対する透光性を有し、その膜厚は10μm乃至200μmが好ましい。例えば可撓性及び可視光に対する透光性を有するプラスチック基板、可視光に対する透光性を有する無機材料基板を用いることができる。プラスチック基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。無機材料基板としては、ガラス、石英基板などが挙げられる。
【0035】
第1の遮光層2はバックライト20からの光27が第1のフォトダイオード4に入射されるのを防止する。第2の遮光層3はバックライト20からの光27が第2のフォトダイオード5に入射されるのを防止する。第1の遮光層2、第2の遮光層3は島状にすることができる。第1の遮光層2、第2の遮光層3は遮光可能な材料を用いて、スパッタリング法、CVD法または塗布法により形成する。遮光可能な材料としては、例えばクロムを主成分とする材料、カーボンブラックを含有する樹脂または二酸化チタンよりも酸化数が小さい低次酸化チタンなどの黒色顔料を含む樹脂を用いることができる。
【0036】
第1のフォトダイオード4は、被検出部22で反射し、マイクロレンズにより集光された光23および光24を検出する。また、第2のフォトダイオード5は、被検出部22で反射し、マイクロレンズにより集光された光25及び光26を検出する。
【0037】
第1のフォトダイオード4、第2のフォトダイオード5はpinダイオード(図3(B)または(C))又はpnダイオード(図4)である。第1のフォトダイオード4、第2のフォトダイオード5は半導体膜を用いて形成される。pinダイオードはp型の導電性を有する領域(p層31)と、i型の導電性を有する領域(i層32)と、n型の導電性を有する領域(n層33)とを有している。pnダイオードはp層31とn層33とを有している。p層31、n層33、i層32はシリコンなどの半導体膜やZnOなどを含む酸化物半導体膜を用いて形成する。半導体膜は非晶質、微結晶、結晶質、単結晶のいずれでもよい。
【0038】
第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7、第3のカラーフィルター10はそれぞれ赤、青、緑のいずれかの光を透過するカラーフィルターである。異なるカラーフィルターを光の進行方向に対して2つ以上重ねると、透過する可視光は非常に少なくでき、遮光膜として機能する。また、カラーフィルターは、バックライト20からの光21をカラー化する。カラー化された光は被検出部22により反射され、光23乃至光26、光28および光29となる。
【0039】
光23、24は第1のカラーフィルター6を通って、第1のフォトダイオード4により検出される。光25、26は第2のカラーフィルター7を通って、第2のフォトダイオード5により検出される。第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7はそれぞれ第1のフォトダイオード4、第2のフォトダイオード5を覆っている。
【0040】
第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7、第3のカラーフィルター10は顔料を分散させたアクリル系樹脂などの有機樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィを用いて選択的に形成する。または顔料を分散させたポリイミド系樹脂を塗布した後、エッチングを用いて選択的に形成することもできる。或いは、インクジェットなどの液滴吐出法を用いることで、選択的に形成することもできる。
【0041】
第3の遮光層8は被検出部22からの反射光のうちの斜光28及び斜光29が、それぞれ第2のフォトダイオード5、第1のフォトダイオード4に検出されるのを防止する。第1のフォトダイオード4と第2のフォトダイオード5との間の第3の遮光層8は上述のように第1のカラーフィルター6と第2のカラーフィルター7とを、光の進行方向に対して重なるように作製する。第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7の一方を選択的に形成した後、第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7の他方を、第1のカラーフィルター6と第2のカラーフィルター7とが、斜光28及び斜光29の進行方向に対して重なるように選択的に形成する。
【0042】
第1の透光性絶縁膜11は、基板1に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5中に拡散し、特性に悪影響を及ぼすのを防ぐ。第1の透光性絶縁膜11は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。
【0043】
第1の透光性絶縁膜11上に、第1のフォトダイオード4、第2のフォトダイオード5及び第3の遮光層8を接して形成することにより、斜光28、斜光29がそれぞれ第1のフォトダイオード4、第2のフォトダイオード5により検出されるのを確実に防止することができる。
【0044】
第2の透光性絶縁膜12、及び第3の透光性絶縁膜13は、外部よりNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5中に拡散し、特性に悪影響を及ぼすのを防ぐ。プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜や、平坦性の高い有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成する。なお、第2の透光性絶縁膜12、第3の透光性絶縁膜13は、上部にマイクロレンズを形成するため、平坦性が高いものが好ましい。
【0045】
マイクロレンズは、被検出部22からの反射光をフォトダイオードに集光させる。フォトダイオードに入射する光量が増加するため、フォトダイオードの検出感度を高めることができる。
【0046】
マイクロレンズを形成する材料は、透過率が高くて、加工しやすいものであればよい。珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜などの無機膜や、樹脂などをもちいることができる。また、層間にレンズ状の空洞を設け、大気を充填しても、真空でもよい。凸レンズとする場合は、積層する材料と相対屈折率が高くなる(1.0よりも大きい)ように材料を選択する。凹レンズとする場合は、積層する材料と相対屈折率が低くなる(1.0より小さい)ように材料を選択する。
【0047】
例えば、樹脂で形成する場合において、フォトリソグラフィにより円柱状のフォトレジストパターンを作製した後、基板を加熱してレジストを流動させ、表面張力によりレンズ形状をリフロー法により形成する。また、インクジェットプリンタヘッドを利用して微量の樹脂材料を所定の位置に滴下し、表面張力によりレンズ形状を作製してもよい。
【0048】
電子ビームによる描画を行い、材料を部分的に溶融して誘電率を変えることにより形成することもできる。また、レンズを対向基板側に作製する場合は、ガラスに球面レンズ形状(曲率半径は規定値)を形成し、もう一枚のガラスと貼り合わせることでレンズを形成することができる。
【0049】
以下では光検出装置の作製方法を説明する。
【0050】
基板1上に遮光可能な材料を用いて、スパッタリング法、CVD法または塗布法により遮光膜を形成する(図示しない)。遮光膜をフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて加工して、第1の遮光層2及び第2の遮光層3を形成する(図3(A))。基板1上に、遮光可能な材料を液滴吐出法により選択的に塗布して第1の遮光層2及び第2の遮光層3を形成してもよい。基板1上には透光性の絶縁膜を形成し、該絶縁膜上に第1の遮光層2及び第2の遮光層3を形成してもよい。
【0051】
基板1、第1の遮光層2及び第2の遮光層3上に第1の透光性絶縁膜11をスパッタリング法、CVD法または塗布法により形成する(図3(A))。第1の透光性絶縁膜11は単層膜でもよいし、積層膜でもよい。
【0052】
第1の透光性絶縁膜11上に第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5を形成する(図3(A))。
【0053】
第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5はpinダイオード又はpnダイオードである。pin型ダイオードは横型接合タイプ(図3(B))でも縦型接合タイプ(図3(C))でもよい。またpn型ダイオードも同様に横型接合タイプ(図4(A))でも縦型接合タイプ(図4(B))でもよい。横型接合タイプは、半導体膜にp層31、i層32、n層33を、イオンドーピング等を用いて形成する。縦型接合タイプはp層31をp型半導体膜で形成し、i層32をi型半導体膜で形成し、n層33をn型半導体膜で形成する。逆にn層33を形成し、i層32を形成し、p層31を形成してもよい。p層31、n層33にはそれぞれ取り出し電極を設ける(図示しない)。
【0054】
第1の透光性絶縁膜11、第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5上に透光性の絶縁膜を形成する(図示しない)。当該絶縁膜をフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて加工して、第2の透光性絶縁膜12を形成する(図5(A))。第1のフォトダイオード4と第2のフォトダイオード5との間には、第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7を重ねて第3の遮光層を形成するので間隔35は十分に広くする。
【0055】
顔料を分散させた有機樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィ、エッチングを用いて該有機樹脂を加工して第1のカラーフィルター6を形成する。次に第1のカラーフィルター6と異なる色の顔料を分散させた有機樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィ、エッチングを用いて該有機樹脂を加工して第2のカラーフィルター7を形成する。第1のフォトダイオード4と第2のフォトダイオード5との間には、第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7を重ねて第3の遮光層8を形成する。最後に第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7と異なる色の顔料を分散させた有機樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィ、エッチングを用いて該有機樹脂を加工して第3のカラーフィルター10を形成する。第1のカラーフィルター6及び第3のカラーフィルター10、かつ第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10を重ねて第3の遮光層8を形成する(図5(B))。
【0056】
第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10上に第3の透光性絶縁膜13をスパッタリング法、CVD法または塗布法により形成する(図5(C))。第3の透光性絶縁膜13は単層膜でもよいし、積層膜でもよい。
【0057】
第3の透光性絶縁膜13上に、第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5の直上に位置するように、マイクロレンズ9を形成する(図5(C))。樹脂をフォトリソグラフィにより円柱状のフォトレジストパターンを作製した後、基板を加熱してレジストを流動させ、表面張力によりレンズ形状をリフロー法により形成する。また、インクジェットプリンタヘッドを利用して微量の樹脂材料を所定の位置に滴下し、表面張力によりレンズ形状を作製してもよい。
【0058】
また、電子ビームによる描画を行い、材料を部分的に溶融して誘電率を変えることにより形成することもできる。また、レンズを対向基板側に作製する場合は、対向基板に球面レンズ形状(曲率半径は規定値)を形成し、TFT形成基板と貼り合わせることでレンズを形成することができる。以上により、光検出装置を作製できる。
【実施例1】
【0059】
本発明の一態様である液晶表示装置を示す(図6及び図7)。図6は液晶表示装置の断面図であり、図7は液晶表示装置の画素部の上面図である。
【0060】
本発明の一態様である表示装置は光検出部A−A’と表示部B−B’を有する。
【0061】
表示装置の画素部の上面概略図を図7に示す。図6の光検出部A−A’は図7のA−A’部に相当し、図6の表示部B−B’は図7のB−B’に相当する。
【0062】
なお、本実施例の液晶表示装置における光検出方法は、基本的に実施の形態1と同様である。透光性を有する基板1下のバックライトから放出された光が基板1及び第1のカラーフィルター6または第2のカラーフィルター7を通って被検出部で反射される。被検出部で反射された光は、マイクロレンズ9により集光されて第1のフォトダイオード4および第2のフォトダイオード5で検出される。
【0063】
画素112は、少なくとも第2のカラーフィルター7、第2のフォトダイオード5と、第2のフォトダイオード5の信号読み出しを制御する半導体素子113、画素電極66に接続される半導体素子65を有する。同様に画素111は、少なくとも第1のカラーフィルター6、第1のフォトダイオード4、半導体素子114及び半導体素子115を有する。画素120は少なくとも第3のカラーフィルター10、フォトダイオード121、半導体素子122及び半導体素子123を有する。
【0064】
また画素部には半導体素子113、半導体素子114、及び半導体素子122のゲートに接続される第1の走査線130、それぞれのソース領域又はドレイン領域に接続される第1−3の信号線(図示しない)、半導体素子65、半導体素子115および半導体素子123のゲートに接続される第2の走査線131、それぞれのソース領域又はドレイン領域に接続される第4−6の信号線(図示しない)が設けられる。
【0065】
また画素111、画素112および画素120はそれぞれ保持容量を有していてもよい。
【0066】
光検出部は、実施の形態1と同様の構成を有する。第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5は横型接合タイプのpinダイオードとしている。縦型接合タイプでも構わない。またpnダイオードでも構わない。また、第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7、第3のカラーフィルター10上のそれぞれ直上の位置に、それぞれマイクロレンズ9を有する。
【0067】
第1のフォトダイオード4はp層40、i層41及びn層42を有する半導体層101と、電極43、44とを有する。第2のフォトダイオード5はp層45、i層46及びn層47を有する半導体層102と、電極48、49とを有する。
【0068】
電極43、44は透光性絶縁膜51上に設けられ、透光性絶縁膜50及び51に形成されたコンタクトホールによって半導体層101と接続している。電極48、49も同様である。
【0069】
透光性絶縁膜51、電極43、44、48、49上に透光性絶縁膜52が設けられ、透光性絶縁膜52上に第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10が設けられる。透光性絶縁膜50ないし52が実施の形態1における第2の透光性絶縁膜12に相当する。
【0070】
第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10上に配向膜53が設けられる。また、図示しないが、焦点距離の調整やマイクロレンズ形成面を平坦にするため等、必要に応じて透光性絶縁膜を設けても良い。この場合、透光性絶縁膜は光検出部のみに設け、表示部には設けなくともよい。配向膜53、またはカラーフィルター上に設けられた透光性絶縁膜は実施の形態1における第3の透光性絶縁膜13に相当する。
【0071】
配向膜53上にマイクロレンズ9が設けられる。マイクロレンズ9は下層に設けられた第1のフォトダイオード4および第2のフォトダイオード5のそれぞれ直上に配置する。
【0072】
実施の形態1と同様に、第1のフォトダイオード4の下には第1の遮光層2を設け、第2のフォトダイオード5の下には第2の遮光層3を設ける。
【0073】
また実施の形態1と同様に、第1のフォトダイオード4と第2のフォトダイオード5との間には、第3の遮光層8が設けられ、第3の遮光層8は第1のカラーフィルター6及び第2のカラーフィルター7からなる。第3の遮光層8は第1の透光性絶縁膜11に接して形成すると、被検出物からの斜光が第1のフォトダイオード4又は第2のフォトダイオード5によって検出されることがなくなる。
【0074】
第3の遮光層8は第1のカラーフィルター6と第2のカラーフィルター7とが、隣接して形成される。第3の遮光層8は第1−6の信号線と平行方向に形成される。これらの信号線を開口部に形成すると、開口率を下げてしまうため、第1−6の信号線は第3の遮光層8の上又は下に形成することが望ましい。
【0075】
表示部は、半導体素子65と、液晶素子を有する。半導体素子65は、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体層103、ゲート電極60、ソース配線に電気的に接続される電極61、画素電極に電気的に接続される電極62を有する。
【0076】
半導体素子65はn型又はp型トランジスタであり、ソース領域及びドレイン領域を有する半導体層103、ゲート絶縁膜として機能する透光性絶縁膜50、ゲート電極60、ソース電極61及びドレイン電極62を有する。また半導体素子65上部に遮光層が形成されていてもよい。図6ではトップゲート型を記載しているが、ボトムゲート型でもよい。またLDD構造等を有していてもよい。
【0077】
半導体素子65は液晶素子の液晶層54の偏光方向を制御する電位を印加するためのスイッチである。半導体素子113は第2のフォトダイオード5の信号読み出しを制御するスイッチである。半導体素子65は上述のものを用いることができる。半導体層102はシリコンなどの光電流を生成しうる半導体膜を用いて形成する。半導体膜は非晶質、微結晶、結晶質、単結晶のいずれでもよい。半導体素子113はシリコンなどの半導体膜やZnO等を含む酸化物半導体を用いて形成する。半導体素子65、半導体素子113は各画素に設けられる。
【0078】
第1の透光性絶縁膜11は、実施の形態1に記載のものを用いることができる。透光性絶縁膜50はゲート絶縁膜である。透光性絶縁膜50は酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。透光性絶縁膜50はCVD法やスパッタリング法、熱酸化、熱窒化、プラズマ酸化、プラズマ窒化、塗布法等によって形成する。透光性絶縁膜51、透光性絶縁膜52は平坦性を有する絶縁膜であることが好ましい。酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成する。CVD法やスパッタリング法、塗布法等によって形成する。
【0079】
液晶素子は、画素電極66と、液晶層54と、対向電極56を有する。対向電極56は、対向基板57上に形成されており、画素電極66と対向電極56の間に、液晶層54が挟まれている。なお、対向基板の厚さは、好ましくは70μm−100μmとする。また、液晶層54は、基板1と対向基板57の間において、封止材(図示しない)により囲まれている。
【0080】
画素電極66上には、それぞれ画素ごとに第1のカラーフィルター6、第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10が設けられる。カラーフィルター上には、配向膜53と、液晶層54と、配向膜55と、対向電極56と、透光性の対向基板57を有する。スペーサ(図示しない)は基板1と対向基板57との間隔、すなわち液晶層54の厚さを均一に保つ。基板1及び対向基板57には偏光板等が設けられている(図示しない)。また位相差板等を設けてもよい。
【0081】
画素電極66および対向電極56には、透光性を有する導電性材料、例えばインジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、酸化亜鉛を含むインジウム亜鉛酸化物、ガリウムを含む酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることが出来る。
【0082】
画素電極66と液晶層54の間には配向膜53が、対向電極56と液晶層54の間には配向膜55が、それぞれ設けられている。配向膜53、配向膜55はポリイミド、ポリビニルアルコールなどの有機樹脂を用いて形成することができ、その表面には、ラビングなどの、液晶分子を一定方向に配列させるための配向処理が施されている。ラビングは、配向膜に圧力をかけながら、ナイロンなどの布を巻いたローラーを回転させて、上記配向膜の表面を一定方向に擦ることで、行うことが出来る。なお、酸化珪素などの無機材料を用い、配向処理を施すことなく、蒸着法で配向特性を有する配向膜53、55を直接形成することも可能である。
【0083】
液晶素子は、図示しない偏光板との組合せにより、バックライトの光及び被検出物からの反射光を透過、非透過させるスイッチである。TN(Twisted Nematic)型の他、VA(Vertical Alignment)型、OCB(optically compensated Birefringence)型、IPS(In−Plane Switching)型等であっても良い。なお、本実施例では、画素電極66と対向電極56の間に液晶層54が挟まれている構造の液晶素子を例に挙げて説明したが、本発明の一態様に係るタッチパネルはこの構成に限定されない。IPS型のように、一対の電極が、共に基板1側に形成されている液晶素子であっても良い。
【0084】
なお、液晶層54は、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いて形成してもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、液晶層54に適用するには、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が10μs〜100μsと短く、光学的に等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0085】
また、図示しないスペーサは液晶層54の厚さを均一に保つ。スペーサは柱状、球状のいずれでもよい。スペーサは有機樹脂やガラスビーズ等を用いて形成する。
【0086】
以下では液晶表示装置の作製方法を説明する。基本的には実施の形態1で示した方法で作製することができる。
【0087】
第1の基板1上に、実施の形態1に示した方法により、第1の遮光層2、第2の遮光層3及び遮光層58を形成し、第1の透光性絶縁膜11を形成する。
【0088】
第1の透光性絶縁膜11上に第1のフォトダイオード4、第2のフォトダイオード5及び半導体素子65を形成する。第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5は実施の形態1に示した方法により作製する。第1のフォトダイオード4及び第2のフォトダイオード5を横型接合タイプとすると、半導体素子65の作製と同一工程で作製することができる。これについて説明する。
【0089】
第1の透光性絶縁膜11上に、CVD法やスパッタ法等を用いて半導体膜を形成する。その後、加熱処理、レーザ照射等により結晶性を向上させてもよい。
【0090】
なお半導体膜は接合、剥離方法により形成することも可能である。まずシリコンウエハなどの半導体ウエハ中に、水素イオン(H、H2+、H3+など)又は水素イオン及びヘリウムイオンを添加して、該半導体ウエハ中に脆化層を形成する。該半導体ウエハを第1の透光性絶縁膜11上に接合させ、加熱処理により脆化層で剥離して、第1の透光性絶縁膜11上に半導体膜を形成する。半導体ウエハの表面から脆化層までの厚さが半導体膜の厚さに相当するので、水素イオン等の添加条件を制御して、半導体膜の厚さを調整できる。また半導体ウエハが単結晶の場合は単結晶半導体膜を形成することができる。
【0091】
半導体膜をフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて加工して、半導体層101、半導体層102及び半導体層103を形成する。
【0092】
半導体層101、半導体層102及び半導体層103上にゲート絶縁膜となる透光性絶縁膜50を上述した方法により形成する。
【0093】
透光性絶縁膜50上に金属膜を形成し、該金属膜をフォトリソグラフィ法、エッチング法を用いて加工して半導体層103上にゲート絶縁膜を介してゲート電極60を形成する。
【0094】
半導体層101、半導体層102及び半導体層103に選択的にp型又はn型の不純物イオンを添加してP層及びn層とソース領域及びドレイン領域を形成する。
【0095】
次に透光性絶縁膜51を形成する。透光性絶縁膜51にコンタクトホールを形成した後、電極43、電極44、電極48、電極49、ソース電極61及びドレイン電極62を形成する。これにより第1のフォトダイオード4、第2のフォトダイオード5、半導体素子65が形成される。
【0096】
次に平坦性を有する透光性絶縁膜52を形成する。透光性絶縁膜52にコンタクトホールを形成する。コンタクトホールはドレイン電極62に達し、画素電極形成用である。また透光性絶縁膜50ないし52に第3の遮光層8形成用の溝を形成する。
【0097】
透光性絶縁膜52上にドレイン電極62に接続する画素電極66を形成する。
【0098】
実施の形態1に示した方法により、画素111に第1のカラーフィルター6を形成する。第1のカラーフィルター6は上記の溝にも形成される。次に画素112に第2のカラーフィルター7を形成する。第2のカラーフィルター7は上記の溝にも形成される。第3の遮光層8が上記溝を埋め込んで形成される。同様に画素120に第3のカラーフィルター10を形成する。第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10からなる第5の遮光層16が溝に形成される。
【0099】
次に配向膜53を形成し、ラビング処理をする。液晶を一方向に配向できるのであれば配向膜53を形成しなくてもよい。
【0100】
スペーサを形成する。スペーサは有機樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィ及びエッチングにより加工して柱状スペーサを形成する。または球状のスペーサを散布する。また、スペーサは第1の基板1に形成しても対向基板57に形成してもよい。
【0101】
液晶を滴下するなどして液晶層54を形成する。液晶層54の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いても良いし、ディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。また、基板1及び対向基板57を貼り合わせた後、真空注入してもよい。
【0102】
対向基板57上に対向電極56及び配向膜55を形成する。その後、配向膜55と液晶層54とが接するように、第1の基板1と対向基板57とを貼り合わせる。以上により、液晶表示装置を作製できる。
【0103】
また、本実施例は、フォトダイオード、半導体素子に薄膜の半導体膜を用いている場合を例に挙げているが、単結晶半導体基板、SOI基板などを用いて形成されていても良い。
【0104】
なお本実施例は、上記の実施の形態1および他の実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例2】
【0105】
本発明の一態様であるエレクトロルミネセンス表示装置(以下、「EL表示装置」という。)について説明する。
【0106】
図8は、発光素子としてEL素子(例えば、有機EL素子、無機EL素子、又は有機物及び無機物を含むEL素子)を用いたEL表示素子の断面の一例を示す図である。実施例1に記載の表示装置は、液晶素子を有し、第1の遮光層2、第2の遮光層3及び遮光層58を有するのに対し、本実施例に記載の発光装置はEL素子を有し、第1の遮光層2、第2の遮光層3及び遮光層58を有しない点で異なる。また、光検出方法においても、実施例1に記載の表示装置はバックライトを用いるのに対し、実施例2に記載の発光装置はバックライトを用いない点で異なる。
【0107】
本実施例のEL表示装置における光検出方法は、基本的には、実施の形態1及び実施例1と同様である。ただし、バックライトからではなくEL素子から放出された光が被検出部で反射される。被検出部で反射された光は、マイクロレンズにより集光されて第1のフォトダイオード4および第2のフォトダイオード5で検出される。
【0108】
本発明の一態様である発光装置は光検出部と表示部を有する。光検出部は、実施の形態1、実施例1と同様の構成を有する。ただし実施例1での第1の透光性絶縁膜11、第1の電極70は、本実施例において必ずしも透光性でなくてもよい。また、カラーフィルター上に配向膜53は設けず、必要に応じて透光性絶縁膜75を形成する。
【0109】
表示部は、基板1上に、半導体素子65と、半導体素子65に接続された第1の電極70と、第1の電極70の端部を覆う絶縁膜からなる隔壁71と、第1の電極70上の発光層72と、発光層72上の第2の電極73と、第2の電極73上の第2のカラーフィルター7とを有する。
【0110】
半導体素子65は実施例1に記載のものを用いる。半導体素子65は発光層72への電流供給量を制御する。表示部には図示しない別の半導体素子が設けられる。別の半導体素子のソース領域及びドレイン領域の一方は半導体素子65のゲート電極60に接続され、半導体素子65の動作を制御するスイッチの役割を有する。また半導体素子65のゲート電極60の電位を保持させるため保持容量を形成してもよい。
【0111】
EL素子は、第1の電極70、発光層72、第2の電極73が積層されて設けられている。透光性絶縁膜52上には第1の電極70が設けられ、第1の電極70の端部を覆うように、隔壁71が設けられている。
【0112】
隔壁71は画素部を区画するものであり、隣接する画素間に設けられる。隔壁71は無機又は有機の絶縁膜を用いて形成する。
【0113】
発光層72は第1の電極70と第2の電極73に挟まれ、電流が供給されて発光する。発光層72は白色発光をすることが好ましい。発光層72は有機物でも無機物でもよく、公知の材料を用いて形成する。また第1の電極70は透明である必要はなく、発光層72からの発光を反射するものが好ましい。
【0114】
第2のカラーフィルター7は実施の形態1、実施例1に記載のものを用いる。
【0115】
なお本実施の形態ではバックライトを用いないため、第1の遮光層2、第2の遮光層3、遮光層58を形成しない。
【0116】
以下では発光装置の作製方法を説明する。第1の電極70の形成までは実施例1で示した方法で作製する。
【0117】
第1の電極70上に有機樹脂又は無機絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより加工して隔壁71を形成する。
【0118】
第1の電極70上に発光層72を真空蒸着法、液滴吐出法等を用いて形成する。
【0119】
発光層72上に第2の電極73をスパッタ法、蒸着法等により形成する。
【0120】
実施の形態1、実施例1に示した方法により、第1のカラーフィルター6を形成する。第1のカラーフィルター6は透光性絶縁膜50ないし52に形成された溝にも形成される。次に第2のカラーフィルター7を形成する。第2のカラーフィルター7は上記の溝にも形成される。第3の遮光層8が上記溝を埋め込んで形成される。同様に第3のカラーフィルター10を形成する。第2のカラーフィルター7及び第3のカラーフィルター10からなる第5の遮光層16が溝に形成される。
【0121】
以上により、発光装置を作製できる。発光層72は水分によって劣化することがあるため、さらに封止手段を設けてもよい。
【0122】
なお本実施例は、上記の実施の形態1および他の実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例3】
【0123】
本実施例では、タッチパネルを用いた電子機器の一例について、図9を用いて説明する。
【0124】
図9(A)に示す携帯電話機は、表示部9101を含む。図9(B)に示す携帯情報端末は、表示部9201、入力ペン9202等を含む。図9(C)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9301、9302等を含む。図9(D)に示す携帯型ゲーム機は、表示部9401等を含む。図9(E)に示す携帯情報端末は、表示部9501等を含む。図9(F)に示すテレビジョン装置は、表示部9601、入力ペン9602等を含む。本発明の一態様であるタッチパネルを用いることにより、光検出度の高いタッチパネルを提供することができる。
【0125】
なお本実施の形態は、上記の実施の形態1および他の実施例と自由に組み合わせることができる。
【実施例4】
【0126】
光センサを有する表示部を用いたライティングボード(黒板、ホワイトボード等)の例を示す。
【0127】
例えば、図10のパネル9696の位置に光センサを有する表示部を設ける。
【0128】
パネル9696は、光センサと表示素子とを有している。
【0129】
ここで、パネル9696の表面にはマーカー等を用いて自由に書き込みができる。
【0130】
なお、定着剤が含まれていないマーカー等を用いれば文字の消去が容易である。
【0131】
また、マーカーのインクを落としやすくするため、パネル9696の表面は十分な平滑性を有していると良い。
【0132】
例えば、パネル9696の表面がガラス基板等であれば平滑性は充分である。
【0133】
また、パネル9696の表面に透明な合成樹脂シート等を貼り付けても良い。
【0134】
合成樹脂としては例えばアクリル等を用いると好ましい。この場合、合成樹脂シートの表面を平滑にしておくと好ましい。
【0135】
そして、パネル9696は、表示素子を有しているので、特定の画像を表示するとともにパネル9696の表面にマーカーを記載することができる。
【0136】
また、パネル9696は、光センサを有しているので、プリンタ等と接続しておけばマーカーで記載した文字を読み取って印刷することも可能である。
【0137】
さらに、パネル9696は、光センサと表示素子を有しているので、画像を表示させた状態でパネル9696表面にマーカーで文字、図形等を書き込むことにより、光センサで読み取ったマーカーの軌跡を画像と合成して映し出すこともできる。
【0138】
なお、抵抗膜方式、静電容量方式等のセンシングを用いた場合、マーカー等での書き込みと同時にしかセンシングをすることができない。
【0139】
一方、光センサを用いた場合、マーカー等で書き込んだ後、時間が経った場合でもいつでもセンシングが可能な点で優れている。
【0140】
本実施例は他の全ての実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 基板
2 第1の遮光層
3 第2の遮光層
4 第1のフォトダイオード
5 第2のフォトダイオード
6 第1のカラーフィルター
7 第2のカラーフィルター
8 第3の遮光層
9 レンズ
10 第3のカラーフィルター
11 第1の透光性絶縁膜
12 第2の透光性絶縁膜
13 第3の透光性絶縁膜
15 第4の遮光層
16 第5の遮光層
20 バックライト
21 光
22 被検出部
23 光
24 光
25 光
26 光
27 光
28 光
29 光
31 p層
32 i層
33 n層
35 間隔
40 p層
41 i層
42 n層
43 電極
44 電極
45 p層
46 i層
47 n層
48 電極
49 電極
50 透光性絶縁膜
51 透光性絶縁膜
52 透光性絶縁膜
53 配向膜
54 液晶層
55 配向膜
56 対向電極
57 対向基板
58 遮光層
60 ゲート電極
61 電極
62 電極
63 遮光層
65 半導体素子
66 画素電極
70 第1の電極
71 隔壁
72 発光層
73 第2の電極
75 透光性絶縁膜
101 半導体層
102 半導体層
103 半導体層
111 画素
112 画素
113 半導体素子
114 半導体素子
115 半導体素子
120 画素
121 フォトダイオード
122 半導体素子
123 半導体素子
130 走査線
131 走査線
9101 表示部
9201 表示部
9202 入力ペン
9301 表示部
9302 表示部
9401 表示部
9501 表示部
9601 表示部
9602 入力ペン
9696 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性基板上の第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードと、
前記第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、
前記第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、
前記第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、
前記第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、
前記第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、前記第1のカラーフィルター及び前記第2のカラーフィルターからなる遮光層が形成されていることを特徴とする光検出装置。
【請求項2】
透光性基板上の第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードと、
前記第1のフォトダイオード上に設けられた第1のマイクロレンズと、
前記第2のフォトダイオード上に設けられた第2のマイクロレンズと、
前記第1のマイクロレンズ上を覆う第1のカラーフィルターと、
前記第2のマイクロレンズ上を覆う第2のカラーフィルターとを有し、
前記第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、前記第1のカラーフィルター及び前記第2のカラーフィルターからなる遮光層が形成されていることを特徴とする光検出装置。
【請求項3】
透光性基板上の、第1の遮光層及び第2の遮光層と、
前記透光性基板、前記第1の遮光層及び前記第2の遮光層上に接して設けられた透光性絶縁膜と、
前記第1の遮光層上に、前記透光性絶縁膜を介して設けられた第1のフォトダイオードと、
前記第2の遮光層上に、前記透光性絶縁膜を介して設けられた第2のフォトダイオードと、
前記第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、
前記第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、
前記第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、
前記第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、
前記第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間では、前記第1のカラーフィルターと前記第2のカラーフィルターとが隣接して第3の遮光層が形成されていることを特徴とする光検出装置。
【請求項4】
透光性基板上の、第1の遮光層及び第2の遮光層と、
前記透光性基板、前記第1の遮光層及び前記第2の遮光層上に接して設けられた透光性絶縁膜と、
前記第1の遮光層上に、前記透光性絶縁膜を介して設けられた第1のフォトダイオードと、
前記第2の遮光層上に、前記透光性絶縁膜を介して設けられた第2のフォトダイオードと、
前記第1のフォトダイオード上に設けられた第1のマイクロレンズと、
前記第2のフォトダイオード上に設けられた第2のマイクロレンズと、
前記第1のマイクロレンズ上を覆う第1のカラーフィルターと、
前記第2のマイクロレンズ上を覆う第2のカラーフィルターとを有し、
前記第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間では、前記第1のカラーフィルターと前記第2のカラーフィルターとが隣接して第3の遮光層が形成されていることを特徴とする光検出装置。
【請求項5】
バックライトと、
前記バックライト上の第1の透光性基板と、
前記第1の透光性基板上の液晶層と、
前記液晶層上の第2の透光性基板と、
前記第2の透光性基板上の第1の遮光層と、第2の遮光層と、
前記第1の遮光層上の第1のフォトダイオードと、
前記第2の遮光層上の第2のフォトダイオードと、
前記第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、
前記第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、
前記第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、
前記第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、
前記第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、前記第1のカラーフィルター及び前記第2のカラーフィルターからなる第3の遮光層を有することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
第1の透光性基板と、
前記第1の透光性基板上の発光層と、
前記発光層上の第2の透光性基板と、
前記第1の遮光層上の第1のフォトダイオードと、
前記第2の遮光層上の第2のフォトダイオードと、
前記第1のフォトダイオードを覆う第1のカラーフィルターと、
前記第2のフォトダイオードを覆う第2のカラーフィルターと、
前記第1のカラーフィルター上に設けられた第1のマイクロレンズと、
前記第2のカラーフィルター上に設けられた第2のマイクロレンズとを有し、
前記第1のフォトダイオードと第2のフォトダイオードとの間には、前記第1のカラーフィルター及び前記第2のカラーフィルターからなる遮光層を有することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−71495(P2011−71495A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185957(P2010−185957)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】