説明

光波長分割多重化/逆多重化装置

複数の波長選択フィルタ(26、28、30、32、34、36)を有する基板(6)を備える、光波長分割多重化/逆多重化装置(2)が説明される。フィルタ(26、28、30、32、34、36)は、複数の波長チャネルを含む合成ビームと、それぞれが上記複数の波長チャネルの一部を含む複数の別々のビームとの間の変換を提供するように構成される。上記基板には、波長選択フィルタ間で光を誘導する中空導波路(4)が形成される。アド/ドロップ多重化装置(100)についても説明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波長分割多重化/逆多重化装置、およびそのような波長分割多重化/逆多重化装置を組み込んだ様々な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバベースの通信およびデータネットワークは身近なものである。各光ファイバリンクの帯域幅を最大にするために、多数のわずかに異なる波長のデータ搬送光ビームを、単一の光ファイバケーブルを介して送信することが知られている。通常、各波長は、例えば固体レーザなどによって別々に生成され、必要なディジタルデータ信号を搬送するように変調される。次いで、異なる波長チャネルが、光ファイバに結合される前に、多重化装置で合成される。
【0003】
合成されたビームから異なる波長の様々な光ビームのそれぞれを抽出するには、逆多重化装置が使用される。ゆえに、各ビームによって搬送される信号を別々に検出し、そのディジタルデータを抽出させることも可能であり、各ビームに別々に作用させる(例えば、増幅、減衰、経路変更させるなど)ことも可能である。通常、逆多重化装置は、構造的に多重化装置と同一である。逆多重化装置は、単に、逆向きに動作する多重化装置にすぎない。
【0004】
1つの知られている種類の波長分割多重化装置は、スペクトルフィルタのカスケードを備える。各スペクトルフィルタは、異なる伝送/反射特性を有し、所与の波長帯域内でのみ光を伝送する。フィルタの一方の側から伝送帯域外の波長を含む光を反射すると同時に、反射された光の伝搬の方向と一致するような方向に、そのフィルタを伝送帯域内の光も通過させることによって、複数波長成分信号が作り出される。このようにして、複数の波長成分を含む光信号が構築され得る。通常、多重化装置を構成する部品は、調整可能なマウントにおいて相互に対して整合されるか、または固定する前に能動的に整合される。次いで、自由空間において各部品間で光が伝搬する。
【0005】
知られている前述の種類の多重化装置には多数の欠点が関連している。例えば、薄膜フィルタのスペクトル特性は、本来的に、光の入射角に強く依存する。したがって、フィルタは、入射光に対する厳密な角度整合を必要とし、さもないと、その波長依存の伝送/反射特性が低下し、光漏れが生じることになる。多重化装置の場合、フィルタの角度整合は、異なる波長信号の伝搬路が、任意の出力光ファイバへの効率的結合を可能にするための合成後に正確に一致することを保証するためにも重要である。フィルタカスケード下方に向かって複合される角度不整合の影響は、必要とされるフィルタ角度整合の正確さを大きく増大させる。必要とされるフィルタ整合の正確さを達成するため、多重化装置の光部品は、通常、組み立て時に整合が確実に最適化されるように調整される。これは、時間がかかり、複雑で、高い費用がかかることが分かる。また、光の自由空間伝搬は、装置の全体的光効率を低下させるビーム回折効果をもたらし得る。機械的衝撃および/または熱影響も、時間の経過と共に部品整合の低下をもたらし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前述の欠点の少なくとも一部を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、光波長分割多重化/逆多重化装置は、複数の波長チャネルを含む合成ビームと、それぞれが上記複数の波長チャネルの一部を含む複数の別々のビームとの間の変換を提供するように構成された、複数の波長選択フィルタを有する基板を備え、上記基板において、波長選択フィルタ間で光を誘導するように中空導波路が形成されることを特徴とする。
【0008】
中空導波路内で光を誘導することは、装置内のビーム拡散およびクロストーク効果を低減するため有利である。したがって、本発明は、光が自由空間において波長選択フィルタ間で伝搬する、知られている装置より大きい光効率を有する多重化装置または逆多重化装置を提供する。また、この装置を介して光を誘導することは、ビーム回折効果が、光が装置を出る際に光ファイバに結合され得る際の効率を低下させないことも保証する。
【0009】
本明細書で使用する波長チャネルという用語は、定義された波長帯域内の波長の範囲を意味する。通常、波長チャネルは、一定の線幅を有する(例えば固体レーザからの)単一の波長出力である。いくつかの標準的波長帯域が、国際電気通信連合(ITU)によって定義されている。例えば、ITU高密度波長分割多重化(DWDM)システムは、100GHz周波数分離を有する光信号を使用する。
【0010】
したがって、この装置は、逆多重化装置として働くとき、1組の波長チャネルを含むビームを、それぞれがこれらの波長チャネルの一部を含む複数のビームに分割する。各分離ビームは、単一の波長チャネルだけを含むこともでき、2つ以上の波長チャネルを含むこともできる。同様に、多重化装置として働くとき、この装置は、(それぞれが1つ以上の波長チャネルを含み得る)別々のビームを合成して、それら別々のビームの波長チャネルすべてを含む合成ビームを形成する。
【0011】
中空光導波路構造が作成されるとき、その中空は、空気で満たされている可能性が高いことに留意されたい。しかしながら、これは、決して本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。中空は、任意の流体(例えば、液体や窒素などの不活性ガス)を含むことも、真空とすることもできる。中空という用語は、単に、どんな固体材料も存在しないコアを意味する。さらに、「光」および「光学の」という用語は、本明細書では、深紫外から遠赤外までの波長を有する任意の電磁放射を指すのに使用される。
【0012】
好都合には、各波長選択フィルタは、単一の波長チャネルを伝送する。代替として、各波長選択フィルタは、有利には、単一の波長チャネルを反射する。フィルタの伝送と反射の組み合わせも使用され得る。
【0013】
有利には、波長選択フィルタは、薄膜光学フィルタを含む。例えば、多層またはエタロン薄膜光学フィルタなどである。代表的な薄膜フィルタは、1°の不整合がある場合、その中心帯域幅波長において約0.1nmのずれを有することになる。
【0014】
好ましくは、基板は、さらに、上記の光学フィルタを整合させて収容するように構成された、複数の整合スロットを備える。整合スロットは、基板において形成され、波長選択フィルタを整合させて収容するように適切に成形され得る。整合スロットは、必要に応じて中空光導波路よりも深く/浅く、および/またはより広く/狭くすることができる。
【0015】
整合スロットを、フィルタを整合させるのに十分な正確さで(すなわち、整合スロットがフィルタを整合させて収容するよう構成されるように)製作することは、特に有利である。そのような場合、整合スロットにフィルタを配置することは、本来的に、フィルタを中空導波路に対して整合させ、したがって、フィルタに対する光の入射角を正確に決定する。したがって、別のフィルタ整合または調整ステップは必要とされない。フィルタを適切な整合スロットに配置するには、電子回路などの製造で使用される種類の従来のピックアンドプレイス方式が使用され得るはずである。
【0016】
整合スロットは、有利には、フィルタを保持し、またはフィルタを押し込んで基準面と係合させるための、微小電子機械システム(MEMS)スプリングクリップまたはクランプを、さらに備え得る。
【0017】
代替として、ピックアンドプレイス方式を使って必要な整合を提供することもできる。例えば、部品は、配置時に正確に整合され、次いで、整合した状態にとどまるように固定される(例えば、接着剤で接着される)。
【0018】
好ましくは、上記中空導波路および任意の整合スロットが形成される基板は、半導体材料を含む。シリコンなどの半導体基板は、DRIE(deep reactive ion etching)法などの微細加工技術を使って、良好な正確さでエッチングされ得る。基板は、有利には、例えば、シリコンオンゲルマニウム(SiGe)、シリコンオンサファイア、シリコンオンインシュレータ(SOI)、シリコンオングラスといった、多層ウェハを含み得る。微細加工技術は、通常、パターンを画定するリソグラフィステップと、それに続いてパターンを、基板材料上、または基板材料中の1つ以上の層に変換するエッチングステップを伴うことを、当業者は理解するであろう。リソグラフィステップは、フォトリソグラフィ、X線またはe−ビームリソグラフィを含み得る。エッチングステップは、イオンビームミリング、化学エッチング、ドライプラズマエッチング、または(ディープシリコンエッチングとも呼ばれる)ディープドライエッチングを使って実行され得る。この種の微細加工技術は、スパッタリング、CVD、電気めっきまたは無電解めっきなど様々な積層技術とも共存し得る。
【0019】
有利には、半導体材料を含む基板が使用され得るが、この装置は、様々な代替基板上でも形成され得る。基板は、有利には、シリコン酸化膜ベースとすることができ、例えば、石英、シリカ、ガラスなどから形成される。また、基板をエンボス加工することもでき、あるいはパターンをポリマー層でリトグラフを用いて定義することもできる。製造上の見地からすれば、バッチ微細加工技術を使用することは有利となり得る。
【0020】
有利には、上記中空導波路を定義するために、ベース部分およびリッド部分が設けられる。そのような構成は、PCT特許出願GB第2003/000331号明細書により詳細に記載されており、この装置を製造する好都合な方法を提供するものである。
【0021】
好都合には、基板において、上記合成ビームおよび/またはそれぞれが上記複数の波長チャネルの一部を含む上記複数のビームを、上記複数の波長選択フィルタへ、またはこのフィルタから誘導するために、少なくとも1つのさらなる中空導波路が設けられる。
【0022】
有利には、上記基板において、光ファイバを整合して収容し、それによって、上記光ファイバと上記少なくとも1つのさらなる中空導波路の間で光が結合されることを可能にするように構成された、少なくとも1つの光ファイバ整合スロットが設けられる。
【0023】
言い換えると、光ファイバ整合スロットは、基板において、装置の中空導波路へ、または中空導波路からビームを運ぶ、光ファイバを収容するように形成され得る。非中空ファイバの場合には、階段状光ファイバ整合スロットが、バッファ層とクラッディングの両方を保持するように設けられ得る。装置の中空導波路と中空光ファイバのコアとの整合も、例えば、整合スロットで光ファイバクラッディングをクランプすることによって達成され得る。中空光ファイバの使用は、空芯から空芯への接続には不要な反射がないため、特に有利なはずである。
【0024】
光ファイバのコアと装置の中空導波路の間の効率的結合を実現するために、中空導波路の断面は、光ファイバコアの断面に適応する必要がある。非中空ファイバの場合、クラッディングへの漏れは、ファイバによって運ばれるモードの幅が、実際には、コアの直径より大きいことを意味する。例えば、通常、単一モードグラスファイバの10μmの非中空コアは、約14μmの直径の総フィールド幅を有する。非中空コアファイバのファイバ端には、反射防止コーティングが施され得る。
【0025】
ファイバのモード幅が中空導波路のモード幅と異なる場合、好都合には、レンズ(例えばボールやGRINロッド等)などのモードマッチング手段を使って、少なくとも1つの光ファイバと少なくとも1つのさらなる中空導波路の間で光が結合され得る。代替として、別個のレンズの必要をなくする、レンズドファイバ(lensed fibre)も使用され得る。
【0026】
好ましくは、中空導波路の少なくとも1つは、1つ以上のハイブリッドまたはモノリシック反射素子を備える。反射素子を備えることは、中空導波路が、相互に一定の角度を有する多数の導波路部分から形成されることを可能にする。これは、例えば、ビームが90°の角度を通して誘導されることを可能にする。ゆえに、そのような素子を備えることは、よりコンパクトな光回路が提供されることを可能にする。
【0027】
有利には、中空導波路の内面の少なくとも一部に反射コーティングが施されている。好都合には、反射コーティングは、金、銀または銅などの金属層である。金属は、その金属の物理的特性によって決定される波長範囲にわたって、適切に低い屈折率を示す。E.D.Palik著、「光学定数のハンドブック(the handbook of optical constants)」、Academic Press、ロンドン、1998年などの標準テキストブックは、様々な材料の波長依存屈折率に関する正確なデータを提供している。特に、金は、約500nmから2.2μmの範囲内の波長において、空気の屈折率より小さい屈折率を有する。これは、1400nmから1600nmまでの重要な通信帯域内の波長を包含する。銅は、560nmから2200nmまでの波長範囲にわたって1より小さい屈折率を示し、銀は、320nmから2480nmの波長範囲にわたって1より小さい屈折率を示す。
【0028】
金属層は、当業者に知られている様々な技法を使って堆積され得る。これらの技法には、スパッタリング、蒸着、化学蒸着(CVD)および(電気または無電解)めっきが含まれる。CVDおよびめっき技法は、大きな方向依存の厚さ変動なしで金属層を堆積させることができる。回転するサンプルおよび/またはソースを使用するスパッタリングも、均一な被覆を提供するはずである。めっき技法は、バッチ(すなわち、複数基板並列)処理が行われることを可能にするため、特に有利である。
【0029】
当業者は、金属層を堆積させる前に、中空導波路面上に、接着層および/またはバリア拡散層が堆積され得ることを認識するであろう。例えば、金の堆積の前に、クロムまたはチタンの層が接着層として設けられ得る。プラチナなどの拡散バリア層も、金堆積の前に、接着層上に堆積され得る。代替として、接着層と拡散層を組み合わせたもの(窒化チタン、チタンタングステン合金、絶縁層など)も使用され得る。
【0030】
反射コーティングは、全誘電体スタック、または金属/誘電体スタックによっても提供され得る。(1つまたは複数の)誘電体層の光学的厚さが、コーティングの反射特性を決定する干渉効果を提供することを、当業者は認識するであろう。誘電体材料は、CVDまたはスパッタリングまたは反応性スパッタリングによって堆積され得る。代替として、誘電体層は、堆積された金属層との化学反応によっても形成され得る。例えば、銀層をハロゲン化物と化学的に反応させて、ハロゲン化銀の薄い表層を生じさせることができる。
【0031】
言い換えると、反射コーティングは、全誘電体、または金属/誘電体スタックによって提供され得る。半導体/誘電体スタックも使用され得る。(1つまたは複数の)誘電体層の光学的厚さが必要とされる干渉効果をもたらし、ゆえに、コーティングの反射特性を決定することを、当業者は認識するであろう。コーティングの反射特性は、ある程度、中空導波路がそこに形成される材料の特性にも依存し得る。したがって、導波路が形成される材料は、基層を形成することもでき、そのような任意の多層誘電体スタックの一部とすることもできる。
【0032】
好都合には、中空導波路は、基本モード伝搬をサポートし、または代替として多モード伝搬をサポートする寸法とされる。
【0033】
多モード中空導波路構造が設けられる場合、装置は、再イメージング効果の活用を可能にする寸法とされ得る。再イメージング現象、および所与の導波路の再イメージング距離の計算に関する詳細を、以下でより詳細に説明する。簡単に言えば、再イメージング効果は、入力フィールドの再現を、そのようなフィールドの多モード導波路への入射から一定の距離で提供する。装置を通る経路長すべてがこの再イメージング長の倍数になるように装置を構成すれば、入力光ファイバの入力フィールドを光学的出力のいずれかにおいて再現することが可能になる。これは、光の出力光ファイバへの効率的結合を可能にする。
【0034】
有利には、1つ以上の中空光導波路の一部は、実質上(本明細書では正方形を含む)長方形の断面を有する。正方形、またはほぼ正方形の断面の中空導波路は、その損失が実質上偏光独立的であり、光の偏光状態が不明であるとき、または変動するときに好ましい、導波路を提供する。導波路を、その幅より大きい深さ、またはその逆を有する寸法とすることは、偏光依存性損失を増大させるが、導波路を通って伝搬する光の偏光状態が知られているときには、有利となり得る。
【0035】
長方形断面の導波路は好都合であるが、多くの代替の導波路形状も用いられ得る。例えば、円形、楕円形またはV形導波路も提供され得る。
【0036】
好都合には、合成ビームは、少なくとも3、4、8、16、32、64または128の導波路チャネルを含む。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、光学装置は、本発明の第1の態様による、複数の波長チャネルを含む合成ビームを受け取り、上記合成ビームを、それぞれが単一の波長チャネルを含む複数のビームに分離するように構成された装置を備える逆多重化段と、本発明の第1の態様による、それぞれが単一の波長チャネルを含む複数のビームを受け取り、上記複数のビームを合成して、複数の波長チャネルを含む合成ビームを生成するように構成された装置を備える多重化段とを備え、逆多重化段によって生成される複数のビームの1つ以上は、光学的処理手段を介して多重化段に経路設定される。
【0038】
多重化装置および逆多重化装置を中間光学的処理段と共に使用することは、複数の波長チャネルを有する合成ビーム中の1つ以上の波長チャネルを抽出し、それらに別々に作用するのに使用され得る装置を提供する。光学的処理手段は、多重化段および逆多重化段を提供するのに使用される基板において形成することができ、好都合には、中空光導波路によって接続される部品を含み得る。光学装置全体を共通の基板に形成することは、製造の複雑さおよびコストを低減する。
【0039】
好都合には、光学的処理手段は、少なくとも1つの光増幅器、例えば、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)などを備える。このようにして、1つ以上の個々の波長チャネルの電力が、例えば、装置の光損失が正味ゼロになるように増大され得る。必要ならば、チャネルの光電力を低減するために、減衰器(例えば、可変光減衰器など)も設けられ得ることが理解されるはずである。
【0040】
有利には、光学的処理手段は、装置が光ルータとして使用されることを可能にするための光経路設定手段を備える。光経路設定手段は、(光ルータを「配線式(hard−wired)」にするための)固定構成のものとすることもでき、再構成可能とすることもできる。
【0041】
有利には、1つ以上のさらなる波長チャネルが、上記さらなる波長チャネルの少なくとも一部を上記多重化段に経路設定するように構成された、上記光経路設定手段によって受け取られ得る。このようにして、チャネルが合成ビームに挿入され、および/または合成ビームから分岐され得る。合成ビームから分岐されたチャネルは、その後、第2の合成ビームに結合され得る。したがって、単一の基板を使って複雑な経路設定装置が構築され得る。
【0042】
光経路設定手段は、有利には、マトリクススイッチを備え得る。例えば、英国特許出願第0306638.8号の優先権を主張する同時係属の国際特許出願に記載された種類の、2次元マトリクススイッチが使用され得る。
【0043】
好都合には、このマトリクススイッチは、微小電子機械システム(MEMS)作動式部品の配列を備える。本明細書では、MEMSは、微細機械加工要素、微小システム技術、微小ロボット工学および微小工学などを含むものと解釈する。MEMS部品は、有利には、大きな投入(例えば5μmから100μmの最大偏光)操作を提供するための(例えば湾曲ビーム構成などの)電熱式作動機構を備え得る。電磁、静電(櫛形ドライブなど)、バイモルフまたは圧電などの、代替作動機構も使用され得る。MEMS装置作動技術およびそれに関連する加工技術の詳細は、1997年CRC Press社(Boca Raton)刊、Marc Madou著、「微細加工の原理(Fundamental of Microfabrication)」、ISBN0‐8493‐9451‐1に記載されている。
【0044】
本発明の第3の態様によれば、光波長分割多重化/逆多重化装置用の基板は、複数の波長選択フィルタを収容する複数の整合スロットと、上記整合スロット間で光を誘導する中空導波路とを備え、この構成は、上記整合スロットに適当な波長選択フィルタが位置するときに、複数の波長チャネルを含む合成ビームと、単一の波長チャネルを含む複数のビームの間の変換を提供する。
【0045】
次に、本発明を、単に例示として、図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1を参照すると、本発明による多重化装置2が示されている。多重化装置2は、DRIE法によってシリコンオンインシュレータ(SOI)基板6に形成された長方形断面を有する、中空光導波路構造4を備える。この多重化装置は、単一モードの入力光ファイバ10から、波長λからλまでの6つの成分光ビームを含む、合成光ビーム8を受け取るように構成される。第1の出力ファイバ12、第2の出力ファイバ14、第3の出力ファイバ16、第4の出力ファイバ18、第5の出力ファイバ20および第6の出力ファイバ22が、それぞれ、波長λからλを有する6つの出力ビームを受け取るために設けられる。また、中空導波路構造4と入力ファイバ10と出力ファイバ12から22のそれぞれの間で光を結合するために、ボールレンズ24も設けられる。
【0047】
基板は、第1のフィルタ26、第2のフィルタ28、第3のフィルタ30、第4のフィルタ32、第5のフィルタ34および第6のフィルタ36がそこに位置する、整合スロットをさらに備える。第1から第6のフィルタ26から36は、それぞれ、波長λからλの光の伝送を可能にするスペクトル特性を有する薄膜フィルタであり、指定されたフィルタ波長外の任意の波長は、実質的に、そのフィルタによって反射される。
【0048】
使用に際して、入力ファイバ10から受け取られる合成光ビーム8は、中空光導波路構造4に結合され、第1のフィルタ26に方向付けられる。第1のフィルタ26は、波長λを有する光を伝送し、光の他のすべての波長(すなわち波長λからλのビーム)を反射する。次いで、光ビーム成分λは第1の出力ファイバ12に誘導されてそこに結合され、合成光ビームの残りの成分(すなわちλからλ)は第2のフィルタ28に誘導される。第2のフィルタ28は波長λを有する光を伝送し、他のすべての波長(すなわちλからλ)を反射する。次いで、光ビーム成分λは第2の出力ファイバ14に誘導されてそこに結合され、合成光ビームの残りの成分(すなわちλからλ)は第3のフィルタ30に誘導される。この選択的伝送/反射が、第4、第5および第6のフィルタで繰り返され、結果として波長λからλまでの光ビームが、それぞれ、第1から第6の出力ファイバ12から22に結合される。
【0049】
前述のように、中空導波路構造を備えることは、自由空間伝搬に関連する光損失を低減させる。中空導波路構造は、合成光ビームが共通の光路に沿って伝搬することも保証する。さらに、中空導波路を形成するのに使用される同じプロセスを使って、スペクトルフィルタに基板における整合スロットを定義することは、これらのフィルタが、導波路における光伝搬の方向に対して(例えば45°などで)正確に整合することを保証する。これは、フィルタの効率を最大にする。
【0050】
前述の装置が、厳密に、逆多重化装置として動作していることに留意されたい。しかしながら、この装置は、同じく、異なる波長の6つの光ビームを合成して合成光ビームを形成するように、逆に動作することもできる。
【0051】
ゆえに、図1を参照して説明した装置は、コンパクトな多重化装置を実現する。しかしながら、状況によっては、この装置は、単一成分ビームを運ぶ光ファイバが、多重化装置の一方の側に沿って横に分離されるのにも役立つ。図2に、そのような構成の一実装形態を示す。
【0052】
図2を参照すると、本発明による代替の多重化装置50の一部が示されている。図1を参照して説明した装置と共通して、多重化装置50は、単一モード入力の光ファイバ10から、波長λからλまでの6つの成分光ビームを含む合成光ビーム8を受け取るように構成される。それぞれ波長λからλを有する6つの別個の出力ビームを受け取るために、第1の出力ファイバ12、第2の出力ファイバ14、第3の出力ファイバ16、および第4から第6までの出力ファイバ(図示せず)も設けられる。中空導波路構造4と入力ファイバ10と出力ファイバのそれぞれの間で光を結合するために、ボールレンズ24が設けられる。多重化装置が形成される基板6は、第1のフィルタ26、第2のフィルタ28、第3のフィルタ30および第4から第6のフィルタ(図示せず)がそこに位置する、整合スロットも備える。
【0053】
多重化装置50内の光路は、図1に示すものとは異なり、出力ファイバのそれぞれは、共通軸に沿って横にずらすことができる。そのような構成を提供するために、フィルタのそれぞれの間の導波路構造内に、合成ビームを90°の角度を通して方向付けるためのミラー52が位置する。このようにして、フィルタに対する必要な光の入射角(この場合には45°)が保持され得る。
【0054】
図2は、多重化装置の中空導波路構造に対する1つの可能な変更を示すものにすぎない。この構造に対する多数の調整が可能であることを、当業者であれば理解するはずである。例えば、フィルタ間の中空導波路は、任意の角度を通して経路設定され得る。これは、鏡面からの反射によるのみならず、湾曲した中空導波路構造を設けるなど、様々なやり方でも達成され得る。
【0055】
図3を参照すると、再構成可能な光アド/ドロップ多重化装置(ROADM)を提供する逆多重化装置/多重化装置構成を組み込んだ、経路設定装置100が示されている。この経路設定装置100は、逆多重化段102および多重化段104を含む。逆多重化段と多重化段の間に、中間光スイッチング段106も設けられる。
【0056】
逆多重化段102は、3方向逆多重化装置を備える。この逆多重化装置は、第1のフィルタ26、第2のフィルタ28、第3のフィルタ30および1対のミラー52を備える。フィルタおよびミラーは、シリコン基板に形成された整合スロットに保持され、図2を参照して前述したように中空導波路によって相互接続される。3成分(λからλ)の光ビームを逆多重化段に結合するための、入力ファイバ108も設けられる。3つの空間的に隔てられた成分ビームは、3つの別個の中空光導波路を介してこの段から出力される。
【0057】
多重化段104は、3方向多重化装置を備える。この多重化装置は、第1のフィルタ26、第2のフィルタ28、第3のフィルタ30および2つのミラー52を備える。フィルタおよびミラーは、シリコン基板に形成された整合スロットに保持され、図2を参照して前述したように中空光導波路によって相互接続される。逆多重化段102からの成分ビームを運ぶ3つの導波路のそれぞれは、中間段を介して、多重化段104の対応する入力導波路に光学的に結合される。多重化段によって生成される合成ビームを受け取るための第1の出力ファイバ109も設けられる。
【0058】
中間光スイッチング段106は、アド/ドロップ機能を提供し、第1の供給中空導波路114、第2の供給中空導波路116および第3の供給中空導波路118を備える。中空供給導波路のそれぞれは、逆多重化段102から多重化段104に光を誘導する中空導波路と直角に交わるように構成される。中間光スイッチング段106は、それぞれ、第1、第2および第3の供給中空導波路のそれぞれの一方の端に接続された、第2、第3および第4の入力ファイバ(120、122および124)も備える。各供給導波路の第2の端も、それぞれ、第2、第3および第4の出力ファイバ(126、128および130)に接続される。光ファイバはすべて、ボールレンズ24を介して中空導波路に結合される。
【0059】
第1の反射スイッチ132は、供給光導波路114において、それが逆多重化段から多重化段に波長λの光を運ぶように構成された導波路と交差する点に位置する。第2の反射スイッチ134は、第2の供給導波路116において、それが逆多重化段から多重化段に波長λの光を運ぶように構成された導波路と交差する点に位置する。第3の反射スイッチ136は、第3の供給導波路118において、それが逆多重化段から多重化段に波長λの光を運ぶように構成された導波路と交差する点に位置する。各反射スイッチは、導波路における光の伝搬方向に対して45°の角度を有する。反射素子は、その両面が反射する。
【0060】
反射スイッチは、任意の種類のMEMS作動スイッチ、例えば、ポップアップミラーや可動式反射シャッタなどを備えることができる。アド/ドロップ経路設定機能を提供する2つの反射面を有するスイッチの代わりに、2つの別個のスイッチを使ってドロップ/アド機能を提供することも可能であろう。また、本明細書では再構成可能な経路設定装置を説明するが、このスイッチは、実際には、単一の位置に永続的に設定することもできる、すなわち、配線式または固定アド/ドロップ機能も実施され得ることに留意されたい。
【0061】
使用に際して、3成分(λからλ)の合成光ビームは、第1の入力光ファイバ108から逆多重化段に結合される。これら3つの波長成分は空間的に分離され、それぞれが別個の中空導波路に沿ってスイッチング段106に渡される。反射スイッチのそれぞれが引っ込められる場合、光は、単に、逆多重化段から多重化段まで通過し、再合成される。
【0062】
しかしながら、反射スイッチを作動させると、第1の入力光ファイバ108からの関連する波長チャネルが、適宜第2、第3または第4の出力ファイバに経路変更される。この分岐された波長チャネルの代わりに、第2、第3または第4の入力ファイバからの波長チャネルが、適宜、合成ビームに挿入される。このようにして、この装置は、合成ビーム中の波長λからλの光ビームのいずれかを、それぞれ、第2、第3および第4の光ファイバ120、122および124によって運ばれる光と交換することができる。
【0063】
図3を参照して説明する装置の中間スイッチング段は、単純な複数成分ビームの波長成分の挿入および/または分岐手段を提供する。本明細書に含まれる教示に従って、より複雑なアド/ドロップ機能を提供する装置がどのようにして提供され得るか、当業者は理解するはずである。例えば、複数の逆多重化段および多重化段を高複雑度光マトリクススイッチと組み合わせて使って、より高次のアド/ドロップ機能を提供することができる。
【0064】
中間スイッチング段は、第2、第3または第4の入力ファイバ120、122および124によって運ばれる置換ビームを生成するための、半導体レーザおよび/または変調器も備え得る。同様に、第2、第3または第4の出力ファイバの光信号を電気出力に変換するための検出器も設けられ得る。様々な増幅および減衰素子も、例えば、装置をゼロ損失部品にするために、付加され得る。
【0065】
前述の種類の任意の多重化装置/逆多重化装置は、多モード導波路に見られる、いわゆる「再イメージング」現象を活用するための寸法とすることができる。再イメージング効果は、他の文献により詳細に記述されている。例えば、PCT特許出願GB第2003/000331号明細書を参照されたい。簡単に言えば、多モード導波路(特に長方形断面を備えるもの)は、導波路の長さを、その幅と深さに対して適切な関係を有するように設計することによって、所与の波長の対称、反対称または非対称光フィールドの再イメージングを提供するように設計され得ることが分かっている。言い換えると、入力ビームのガウス入力プロファイルは、所与の導波路に沿って一定の距離伝搬した後、再イメージング(すなわち再現)される。この効果は、ビーム再現も生じさせる。すなわち、ビームの複数のイメージが、再イメージング長より短い距離の所に形成される。これらの効果は、以前、米国特許第5410625号明細書に記載されており、多モード干渉(MMI)ビーム分割装置の基礎を提供するものである。
【0066】
一例として、正方形断面の導波路における対称フィールドを考察する。これは、導波路幅の二乗を伝搬放射の波長で割ることにより与えられる、再イメージング長を有する。対称フィールドの再イメージングは、再イメージング長および再イメージング長の倍数のところで発生する。50.0μm幅の中空導波路および1.55μmの放射の場合には、したがって再イメージング長は1.613mmである。この対称フィールドは、この長さと、この長さの整数倍のところ、すなわち、3.23mm、4.84mmなどにおいて再イメージングされるはずである。例えば、単一モード光ファイバからのTEM00ガウス入力ビームが、1.613mmの距離のところで再イメージングされ得る。
【0067】
代替として、非対称光フィールドの場合では、再イメージングは、対称フィールド再イメージングに必要とされる長さの8倍、すなわち、50μm幅の中空導波路では12.09mmのところで発生する。この長さの半分、すなわち6.05mmのところに、この非対称フィールドの鏡像も形成される。特に、多モード領域の中心線から入力をオフセットすると、中心線のどちらかの側に同等にオフセットして、導波路に沿って所定の距離のところに再イメージングされる非対称入力が提供される。
【0068】
導波路の深さおよび幅が実質上異なる長方形導波路の場合には、2つの導波路断面寸法(例えば、深さと幅など)に関連する再イメージング長も自ずと異なる。しかしながら、長方形中空導波路の寸法間の関係を、特定の幅および深さについて同一長さのところで再イメージングが生成されるように構成することによって、任意のフィールドが再イメージングされ得る。したがって、中空長方形導波路において、幅wおよびwの軸に関連付けられた再イメージング長が同一になるように構成することによって、対称フィールドが再イメージングされ得る。
【0069】
したがって、前述の装置における入力ファイバから関連する(1つまたは複数の)出力ファイバまでの光路長は、再イメージング距離(またはその倍数)に対応するように構成され得る。さらに、図3を参照して上述した装置における反射スイッチは、再イメージング点に置かれるように構成され得る。
【0070】
再イメージング効果を用いる構成を使用すれば、中空導波路と関連する光ファイバの間で光を結合するために、平行化手段(例えば、ボールレンズ24など)が必要とされないという利点がある。さらに、各MEMSスイッチを再イメージング距離に配置すれば、MEMS部品の許容可能な角度整合誤差がさらに低減される。再イメージング効果の使用は、可動反射素子の位置設定を容易にするために導波路が破壊されなければならない、回折損失も低減する。
【0071】
最後に、光は、図を参照して前述したスペクトルフィルタに対して45°の角度で入射するが、これは、本発明の範囲を限定するものとみなすべきでないことに留意されたい。中空導波路のスペクトルフィルタに対する角度は、フィルタの指定された入射角でフィルタに光を誘導するように選択され得る。さらに、入射角は、異なるスペクトル特性を有するフィルタでは異なり得ることを、当業者は理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の多重化装置を示す図である。
【図2】本発明の別の多重化装置の一部を示す図である。
【図3】本発明のアド/ドロップ多重化装置を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の波長チャネルを含む合成ビームと、それぞれが前記複数の波長チャネルの一部を含む複数の別々のビームとの間の変換を提供するように構成された、複数の波長選択フィルタを有する基板を備える、光波長分割多重化/逆多重化装置であって、前記基板において波長選択フィルタ間で光を誘導するように中空導波路が形成されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記複数の波長選択フィルタのそれぞれは、単一の波長チャネルを伝送する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
波長選択フィルタは薄膜光学フィルタを含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
基板は、さらに、前記光学フィルタを整合させて収容するように構成された複数の整合スロットを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記整合スロットは、前記整合を提供するための微小電子機械システム(MEMS)構造を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
基板は半導体材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
半導体材料はシリコンである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
基板はシリコンオンインシュレータを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記基板はシリコン酸化膜ベースの材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記中空導波路は微細加工技術を使って形成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
微細加工技術はDRIE法を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記中空導波路を画定するようにベース部分およびリッド部分が設けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
基板において、前記合成ビームおよび/またはそれぞれが前記複数の波長チャネルの一部を含む前記複数の別々のビームを、前記複数の波長選択フィルタへ、またはこのフィルタから誘導する、少なくとも1つのさらなる中空導波路が設けられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記基板において、光ファイバを整合させて収容し、それによって、光が前記光ファイバと前記少なくとも1つのさらなる中空導波路との間で結合されることを可能にするように構成された、少なくとも1つの光ファイバ整合スロットが設けられる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの光ファイバと、少なくとも1つのさらなる中空導波路との間で光を結合するように、モードマッチング手段が設けられる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
モードマッチング手段はボールまたはGRINレンズのいずれか1つを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
中空導波路の少なくとも1つは、1つ以上の反射素子を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
中空導波路の内面の少なくとも一部に反射コーティングが施されている、請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
中空導波路は基本モード伝搬をサポートする寸法とされる、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
中空導波路は多モード伝搬をサポートする寸法とされる、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記波長選択フィルタは再イメージング距離ずつ間隔をあけて配置される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記中空導波路は、実質上、長方形断面を有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
合成ビームは3つ以上の波長チャネルを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
複数の波長チャネルを含む合成ビームを受け取り、前記合成ビームを、それぞれが前記複数の波長チャネルの一部を含む複数のビームに分離するように構成された、請求項1から23のいずれか一項に記載の装置を備える逆多重化段と、それぞれが前記複数の波長チャネルの一部を含む複数のビームを受け取り、前記複数のビームを合成して複数の波長チャネルを含む合成ビームを生成するように構成された、請求項1から23のいずれか一項に記載の装置を備える多重化段とを備え、逆多重化段によって生成される複数のビームの1つ以上は、光学的処理手段を介して多重化段に経路設定される、光学装置。
【請求項25】
光学的処理手段は少なくとも1つの光増幅器を備える、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
光学的処理手段は光経路設定手段を備える、請求項24または25に記載の装置。
【請求項27】
1つ以上のさらなる波長チャネルが、前記さらなる波長チャネルの少なくとも一部を前記多重化段に経路設定するように構成された前記光経路設定手段によって受け取られる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
光経路指定手段はマトリクススイッチを備える、請求項26から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
マトリクススイッチは微小電子機械システム(MEMS)装置の配列を備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
複数の波長選択フィルタを収容する複数の整合スロットと、前記整合スロット間で光を誘導する中空導波路とを備える、光波長分割多重化/逆多重化装置用の基板であって、前記整合スロットに適切な波長選択フィルタが位置するときに、その構成が、複数の波長チャネルを含む合成ビームと、単一の波長チャネルを含む複数のビームとの間の変換を提供する、基板。
【請求項31】
図1および図2を参照して本明細書で実質的に説明した、多重化/逆多重化装置。
【請求項32】
図3を参照して本明細書で実質的に説明した、アド/ドロップ多重化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−520924(P2006−520924A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505970(P2006−505970)
【出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001122
【国際公開番号】WO2004/083923
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】