説明

光硬化性樹脂組成物、電子部品用接着剤及び電子部品積層体

【課題】数百μmから千μmを超える比較的広いギャップの場合にも、極めて均一なギャップ間距離で接着可能である光硬化性樹脂組成物を提供する。また、該光硬化性樹脂組成物からなる電子部品用接着剤、該電子部品用接着剤を用いて接着してなる電子部品積層体を提供する。
【解決手段】カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び、平均粒子径が100〜2000μmである粒子を含有する光硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数百μmから千μmを超える比較的広いギャップの場合にも、極めて均一なギャップ間距離で接着可能である光硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該光硬化性樹脂組成物からなる電子部品用接着剤、該電子部品用接着剤を用いて接着してなる電子部品積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体パッケージを初めとする電子部品の小型化への要望に伴い、複数の電子部品を積層して多層の半導体チップ積層体とする3次元実装技術の開発が進んできている。また、半導体チップ積層体等の電子部品を更に小型化させる研究が進められている。
これに伴い、例えば半導体チップは極めて薄い薄膜となり、更に半導体チップには微細な配線が形成されるようになってきた。このような3次元実装の半導体チップ積層体においては、各半導体チップを損傷なく、かつ、均一なギャップ間距離で水平を保って積層することが求められている。
【0003】
電子部品を接着するための接着剤として、スペーサー粒子の配合された接着剤が検討されている。例えば、特許文献1には、接着剤硬化後の膜厚を実質的に規定する粒子径を有する硬質プラスチック微粒子を必須成分とする接着剤が記載されており、平均粒子径が20μmと同等の厚さの接着剤層にてシリコン素子とリードフレームを接着できる旨が記載されている。また、特許文献2には、硬化性化合物及び硬化剤を有する接着組成物と、CV値が10%以下のスペーサー粒子とを含有し、かつ、特定の粘度特性を有する電子部品を接合するための電子部品用接着剤が記載されている。
しかしながら、これらの特許文献に記載された接着剤は、加熱することにより硬化する熱硬化型の接着剤であり、熱により損傷する可能性のある電子部品の接着や封止には適さないものであった。
【0004】
また、近年では、部品内蔵基板におけるベアチップの実装やチップ積層等において、数百μmから千μmを超える比較的広いギャップ間距離での接着が要求される用途もある。このような広いギャップの場合であっても、CMOSやCCD等の光学センサー等を用いてキャビティー形成やレンズ貼付等の作業を正確に行うためには、ギャップ間距離のバラツキを数μmオーダー以下に抑えることが要求される。しかしながら、このような比較的広いギャップを、高い均一性を保ちながら接着することが可能な電子部品用接着剤はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−189765号公報
【特許文献2】国際公開第2008/010555号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、数百μmから千μmを超える比較的広いギャップの場合にも、極めて均一なギャップ間距離で接着可能である光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該光硬化性樹脂組成物からなる電子部品用接着剤、該電子部品用接着剤を用いて接着してなる電子部品積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び、平均粒子径が100〜2000μmである粒子を含有する光硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、カチオン重合性化合物を含有する。
上記カチオン重合性化合物としては特に限定されず、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が主に使用されるが、オキセタン化合物、脂環エポキシ化合物を併用することもできる。
【0009】
上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記ビスフェノール型ジグリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジフェニロールプロパンノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0010】
上記脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、その他のエポキシ樹脂としては、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル等を用いることもできる。
【0011】
上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロン840、840S、850、850S、860、1050、830、705、707、720、725、N−665(以上、いずれもDIC社製)、EX−201、EX−211、EX−212、EX−252、EX−321、EX−622、EX−611(以上、いずれもナガセケムテックス社製)、SR−16H、SR−NPG、16H−DGE低塩素品(以上、いずれも阪本薬品工業社製)等が挙げられる。
【0012】
上記オキセタン化合物としては特に限定されず、例えば、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−メチル−3−グリシジルオキセタン、3−エチル−3−グリシジルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。
これらオキセタン化合物の市販品としては、例えば、MOX、XDO(以上、いずれも東亞合成社製)等が挙げられる。
【0013】
上記脂環エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、リモネンジエポキシド等が挙げられる。
これら脂環エポキシ化合物の市販品としては、例えば、セロキサイド2021、2081、2083、2085、3000(以上、いずれもダイセル化学工業社製)、サイラキュア6105、6110、6128(以上、いずれもユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0014】
また、得られる光硬化性樹脂組成物の硬化物の耐湿性を向上させることで、例えば、電子部品素子の封止に用いた場合、作製した電子部品素子の寿命を長くすることができ、信頼性を高めることができる。得られる光硬化性樹脂組成物の硬化物の耐湿性を向上させるためには、該硬化物が水の進入を防止できるように常用温度で充分な硬さを有していることが必要であり、また、該硬化物が疎水性であることが望ましい。
硬化物が充分な硬さを有するとは、硬化物の分子レベルの運動が小さく、水分子が通り抜ける隙間が狭いことを意味している。硬化物に充分な硬さを発現させるためには、上記カチオン重合性化合物が剛直な構造を有し、かつ、得られる光硬化性樹脂組成物の硬化後の架橋密度が高いことが必要である。
【0015】
剛直な構造を有するカチオン重合性化合物としては、ビスフェノール型、ビフェニル型、ジシクロペンタジエン型の2量体以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好適である。
上記ビスフェノール型の2量体以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピコート828、エピコート807(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型の2量体以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピコートYX4000(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型の2量体以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、HP7200(DIC社製)等が挙げられる。
なかでも、ジシクロペンタジエン型の2量体以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、環状脂肪族であり、疎水性を有しながら剛直であることから、得られる光硬化性樹脂組成物の耐湿性を向上させるのに大きく寄与することができる。
【0016】
上記剛直な構造を有するカチオン重合性化合物の配合量は特に限定されないが、カチオン重合性化合物全体に対して好ましい下限は30重量%である。上記剛直な構造を有するカチオン重合性化合物の配合量が30重量%未満であると、得られる光硬化性樹脂組成物の硬化物の耐湿性を向上させる効果が充分に発揮されないことがある。
【0017】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光カチオン重合開始剤を含有する。
上記光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ボレートを対アニオンとするボレート塩、イオン性光酸発生タイプのもの、非イオン性光酸発生タイプのもの等が挙げられる。なかでも、ボレートを対アニオンとするボレート塩からなる光カチオン重合開始剤は、重合効率が高く好適に用いられる。
【0018】
上記ボレート塩からなる光カチオン重合開始剤としては、下記式(1)で表されるような嵩高い対アニオンを有する光カチオン重合開始剤が好適である。
【0019】
【化1】

【0020】
上記式(1)で表されるボレート塩からなる光カチオン重合開始剤の市販品としては、例えば、「Photoinitiator 2074」(ローディア社製)等が挙げられる。
【0021】
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては、例えば、カチオン部分が芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、又は、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分がBF4−、PF6−、SbF6−、又は、[BX4](但し、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)で構成されるオニウム塩が挙げられる。
【0022】
上記芳香族スルホニウム塩としては、例えば、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0023】
上記芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0024】
上記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0025】
上記芳香族アンモニウム塩としては、例えば、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0026】
上記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩としては、例えば、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0027】
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤の市販品としては、例えば、UVI6990、UVI6974(以上、いずれもユニオンカーバイド社製)、SP−150、SP−170(以上、いずれもADEKA社製)、FC−508、FC−512(以上、いずれも3M社製)、イルガキュア261(チバ・ガイギー社製)、RHODORSIL PI2074(以上、ローディア社製)等が挙げられる。
【0028】
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては、例えば、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されるスルホニウムカチオン部分、及び、下記一般式(5)で表される硼素中心アニオン部分を有するものが好適に用いられる。
【0029】
【化2】

【0030】
上記一般式(2)〜(4)中、R〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、それぞれ1価若しくは2価のフェニル基又はナフチル基を表す。また、これらフェニル基又はナフチル基は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C1〜C12のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C1〜C12のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基(−OH基)、カルボキシル基(−COOH基)、及び、−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は直鎖状又は分枝鎖状C1〜C12の残基である)からなる群より選択される少なくとも1の基で随意に置換されていてもよい。
【0031】
【化3】

【0032】
上記一般式(5)中、Bは、3価の硼素を表し、R〜R10の少なくとも1つは、炭素数6〜30のハロゲン置換芳香族基を表す。
【0033】
中心アニオンが硼素であると、光カチオン重合開始剤の酸強度が強くなるため、この光カチオン重合開始剤を用いた光硬化性樹脂組成物は、硬化性が向上し、高いガラス転移温度を有する硬化物を得ることができる。その結果、光硬化性樹脂組成物の硬化物の透湿性(透湿度)が低下するため、この光硬化性樹脂組成物を、例えば、電子部品素子の封止に用いることで、作製した電子部品素子の寿命を長くすることができ、信頼性を高めることができる。
【0034】
上記一般式(5)中、R〜R10の少なくとも1つは、芳香族基がハロゲン置換基で置換された炭素数6〜30のハロゲン置換芳香族基である。
上記芳香族基としては特に限定されず、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。また、上記ハロゲン置換基としては特に限定されず、例えば、塩素、フッ素等が挙げられ、なかでも、フッ素が好適に用いられる。上記ハロゲン置換基は、上記芳香族基の芳香族環に直接結合したハロゲン基であってもよいし、例えば、ハロ−ヒドロカルビル置換基のように、他の置換基の一部として導入されたものであってもよく、なかでも、フルオロ−ヒドロカルビル置換基が好ましい。
【0035】
上記光カチオン重合開始剤において、有用な硼素中心アニオンとしては特に限定されず、例えば、[3,5−(CF、(C、(C−p−CF、(C−m−CF、(C−p−F)、(C(CH)B、(C(n−C)B、(C−p−CH(C)B、(CFB、(C(C)B、(CH(C−p−CF、(C(n−C1837O)B等が挙げられる。
【0036】
上記好ましい硼素中心アニオンは、一般的に、硼素に結合した3個以上のハロゲン置換芳香族基を含有しており、そのハロゲン置換基としては、フッ素が最も好ましい。最も好ましい硼素中心アニオンの例としては特に限定されず、例えば、[3,5−(CF、(C、(C(CH)B、(C(n−C)B、(CFB等が挙げられる。
【0037】
また、有用な他の金属中心又は半金属中心を含有する適当なアニオンも使用可能であり、そのようなアニオンとしては特に限定されず、例えば、[3,5−(CFAl、(CAl、(C、(C)FSb、(C)F等が挙げられる。
更に、有用であると考えられる他の硼素中心非求核的塩や、他の金属や半金属を含有している他の有用なアニオン等も使用可能である。
【0038】
上記光カチオン重合開始剤は、上記一般式(5)で表される硼素中心アニオン部分の分子量が400以上であり、かつ、好ましくは波長300nm以上の光、より好ましくは波長300〜400nmの光を吸収することがより好ましい。
【0039】
本発明の光硬化性樹脂組成物において、上記光カチオン重合開始剤は、上記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されるカチオン部分、及び、上記一般式(5)で表される硼素中心アニオン部分を有するものが好ましく、更に好ましくは、上記硼素中心アニオン部分の分子量が400以上であり、かつ、好ましくは波長300nm以上の光、より好ましくは波長300〜400nmの光を吸収するものである。
このような光カチオン重合開始剤としては、なかでも、光カチオン重合開始剤を用いた光硬化性樹脂組成物の硬化進行過程における着色防止効果や硬化物のガラス転移温度上昇効果等に優れることから、下記一般式(6)又は一般式(7)で表される光カチオン重合開始剤であることが好ましい。これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
【0040】
【化4】

【0041】
上記一般式(6)及び一般式(7)中、Xは、下記式(8)で表されるアニオンを示す。また、上記一般式(6)及び(7)中、R〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、それぞれ直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C1〜C12のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C1〜C12のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基(−OH基)、カルボキシル基(−COOH基)、及び、−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は直鎖状又は分枝鎖状C1〜C12の残基である)からなる群より選択される少なくとも1の基、又は、水素原子を表す。
【0042】
【化5】

【0043】
本発明の光硬化性樹脂組成物における上記カチオン重合開始剤の配合量としては、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して好ましい下限は0.2重量部、好ましい上限は10重量部である。上記カチオン重合開始剤の配合量が0.2重量部未満であると、光を照射することで本発明の光硬化型樹組成物を充分に硬化させることができないことがある。上記カチオン重合開始剤の配合量が10重量部を超えると、本発明の光硬化性樹脂組成物の長期信頼性が低下することがある。上記カチオン重合開始剤の配合量のより好ましい上限は4重量部である。
【0044】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、平均粒子径が100〜2000μmである粒子を含有する。このような粒子を含有することにより、本発明の光硬化性樹脂組成物からなる電子部品用接着剤を用いて2以上の電子部品を積層する場合に、ギャップが数百μmから千μmを超える比較的広いものである場合にも、極めて均一なギャップ間距離で接着可能となる。
【0045】
上記粒子の平均粒子径の下限は100μm、上限は2000μmである。上記粒子の平均粒子径がこの範囲外であると、ギャップが数百μmから千μmを超える比較的広いものである場合に、均一なギャップ間距離での接着ができない。上記粒子の平均粒子径の好ましい下限は300μm、好ましい上限は1500μmであり、より好ましい下限は500μm、より好ましい上限は1200μmである。
なお、本明細書において平均粒子径とは、走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した任意の粒子100個の粒子径を平均した値を意味する。
【0046】
上記粒子は、粒子径のCV値の上限が30%である。粒子径のCV値が30%を超えると、粒子径のばらつきが大きいことから、電子部品間の間隔を一定に保つことが困難となることがある。粒子径のCV値の好ましい上限は20%、より好ましい上限は10%である。
なお、本明細書においてCV値とは、下記式により求められる数値を意味する。
粒子径のCV値(%)=(σ2/Dn2)×100 (9)
式中、σ2は粒子径の標準偏差を表し、Dn2は数平均粒子径を表す。
【0047】
上記粒子の形状としては、球状が好ましい。また、上記粒子のアスペクト比の好ましい上限は2である。アスペクト比を2以下とすることで、電子部品を積層する場合に、電子部品同士の間隔を安定して一定に保つことができる。上記粒子のアスペクト比のより好ましい上限は1.5である。
なお、本明細書においてアスペクト比とは、粒子の長径と短径に関して、短径の長さに対する長径の長さの比(長径の長さを短径の長さで割った値)を意味する。このアスペクト比の値が1に近いほど粒子の形状は真球に近くなる。
【0048】
上記粒子は、下記式で表されるK値の好ましい下限が980N/mm、好ましい上限が4900N/mmである。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
式中、F、Sはそれぞれ粒子の10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)を表し、Rは該粒子の半径(mm)を表す。
【0049】
上記K値は以下の測定方法により測定することができる。
まず、平滑表面を有する鋼板の上に粒子を散布した後、その中から1個の粒子を選び、微小圧縮試験機を用いてダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面で微粒子を圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する。そして、得られた圧縮変位−荷重の関係から10%圧縮変形における荷重値、圧縮変位をそれぞれ求め、得られた結果からK値を算出する。
【0050】
上記粒子は20℃、10%の圧縮変形状態から解放した時の圧縮回復率の好ましい下限が20%である。このような圧縮回復率を有する粒子を用いた場合、積層されたチップ間に平均粒子径よりも大きな粒子が存在しても、圧縮変形により形状を回復してギャップ調整材として働かせることができる。従って、より安定した一定間隔でチップを水平に積層することができる。
【0051】
上記圧縮回復率は、以下の測定方法により測定することができる。
上記K値の測定の場合と同様の手法によって圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出し、反転荷重値まで圧縮したのち荷重を減らしていき、その際の荷重と圧縮変位との関係を測定する。得られた測定結果から圧縮回復率を算出する。ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上の原点荷重値とする。
【0052】
上記粒子の材質としては特に限定されないが、有機樹脂粒子、無機粒子、有機−無機ハイブリッド粒子等を用いることができる。なかでも、有機樹脂粒子が好適である。
【0053】
上記有機樹脂粒子としては特に限定されず、例えば、直鎖状重合体からなる微粒子、網目状重合体からなる微粒子、熱硬化性樹脂からなる微粒子、弾性体からなる微粒子等が挙げられる。
【0054】
上記直鎖状重合体からなる微粒子を構成する直鎖状重合体としては、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール、ポリアミド等が挙げられる。
【0055】
上記綱目状重合体からなる微粒子を構成する綱目状重合体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフォン、ジアリルカルビノール、アルキレンジアクリレート、オリゴ又はポリ(アルキレングリコール)ジアクリレート、オリゴ又はポリ(アルキレングリコール)ジメタクリレート、アルキレントリアクリレート、アルキレントリメタクリレート、アルキレンテトラアクリレート、アルキレンテトラメタクリレート、アルキレンビスアクリルアミド、アルキレンビスメタクリルアミド等の架橋反応性モノマーの単独重合体や、これらの架橋反応性モノマーと他の重合性モノマーとを共重合して得られる共重合体等が挙げられる。これらの重合性モノマーのなかでも、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフォン、アルキレントリアクリレート、アルキレンテトラアクリレート等が好適である。
【0056】
上記熱硬化性樹脂からなる微粒子を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド系樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド系樹脂、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
【0057】
上記弾性体からなる微粒子を構成する弾性体としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。
【0058】
上記無機粒子としては特に限定されず、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化アルミニウム等からなる微粒子が挙げられる。
【0059】
上記有機樹脂粒子を製造する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、分散媒体液で満たされた媒体液槽と、原料液を分散媒体液中に噴出する振動ノズルと、分散媒体液中で生成した樹脂微粒子と分散媒体液とからなる樹脂微粒子分散液を媒体液槽外へ排出する排出管とを備え、振動ノズルの先端部の直径よりも大きい開口部を有する排出管内に収納されている振動ノズルの先端部が分散媒体液中に位置し、かつ、媒体液槽内へ分散媒体液を供給する供給口が、媒体液槽内の分散媒体液の液面より下方に設けられているとともに、振動ノズルの先端部を収納した排出管の開口部の下方もしくは上方に設けられている樹脂微粒子の製造装置を用いる方法が好適である。即ち、該樹脂微粒子の製造装置を用いて、媒体液槽内の分散媒体液の液面より下方の位置であり、かつ、振動ノズルの先端部を収納した排出管の開口部の下方もしくは上方の位置から媒体液槽内へ分散媒体液を静かに供給しながら、排出管から分散媒体液を排出し、分散媒体液の液面を常に振動ノズルの先端部より上方に維持させ、排出管内に層流状態の分散媒体液の流れを形成させておくとともに、振動ノズルを振動させながら排出管内に原料液を噴出させる樹脂微粒子の製造方法によれば、粒子径分布が狭く、均一な粒子径を有する有機樹脂粒子を製造することができる。また、公知の懸濁重合により重合した粒子を分級することにより製造することもできる。
【0060】
本発明の光硬化性樹脂組成物における上記粒子の配合量としては、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は30重量部である。上記粒子の配合量が0.1重量部未満であると、本発明の光硬化型樹組成物中に含まれる粒子の個数が少なくなり、貼り合わせた電子部品間で必要なギャップを保つことができないことがある。上記粒子の配合量が30重量部を超えると、上記粒子の凝集や沈殿が起こりやすくなって保存安定性が低下したり、被着体との接着面積が減少して接着力が低下したりすることがある。上記粒子の配合量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は10重量部である。
【0061】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、更に、フィラーを含有することが好ましい。フィラーとしては有機フィラー、無機フィラー等いずれも使用可能である。フィラーを含有することにより、本発明の光硬化性樹脂組成物は優れた耐湿性を発揮でき、素子の封止等に好適に用いることができる。
【0062】
上記フィラーの平均粒子径の下限は0.1μm、上限は50μm未満である。上記フィラーの平均粒子径が0.1μm未満であると、耐湿性を向上させる効果が不充分となる。上記フィラーの平均粒子径が50μmを超えると、フィラーを均一に分散させることが困難となり、かえって耐湿性を向上させる効果が得にくくなる。上記フィラーの平均粒子径の好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は20μmであり、より好ましい下限は1μm、より好ましい上限は8μmである。
【0063】
上記フィラーの形状としては特に限定されず、球形、楕円球形、板状、鱗片状等が挙げられる。なかでも、板状又は鱗片状が好適である。
上記フィラーの形状が板状又は鱗片状である場合、各々の平面形状としては特に限定されず、例えば、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形、トラック形、不定形等任意の形状が挙げられる。
【0064】
上記無機フィラーとしては特に限定されず、例えば、シリカ、タルク、アルミナ、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられ、合成物、天然物のいずれであってもよい。
【0065】
上記無機フィラーは、表面未処理のものであってもよく、表面処理したものであってもよい。上記表面処理した無機フィラーとしては、例えば、メトキシ基化、トリメチルシリル基化、オクチルシリル基化、フェニル基化、又は、シリコーンオイルで表面処理したもの等が挙げられる。これらの無機フィラーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0066】
上記有機フィラーとしては特に限定されず、例えば、有機微粒子やコアシェル粒子等が挙げられる。上記有機微粒子としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。上記コアシェル粒子としては、例えば、特開平7−224144号公報に記載された粒子等が挙げられる。
【0067】
本発明の光硬化性樹脂組成物における上記フィラーの配合量としては特に限定されないが、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は10重量部、好ましい上限は150重量部である。上記フィラーの配合量が10重量部未満であると、耐湿性向上効果が不充分となることがある。上記フィラーの配合量が150重量部を超えると、光硬化性能が低下することがある。上記フィラーの配合量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は100重量部、更に好ましい下限は50重量部である。
【0068】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、反応遅延剤を含有することが好ましい。反応遅延剤を含有することで、本発明の光硬化性樹脂組成物に光を照射した後の可使時間及び硬化時間を制御することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光を照射した後硬化反応が進行し、接着ができなくなるまでの可使時間が1分以上であることが好ましい。可使時間が1分未満であると、例えば、本発明の光硬化性樹脂組成物を電子部品用接着剤として用いた場合、基板等を貼り合わせる前に本発明の光硬化性樹脂組成物を用いてなる電子部品用接着剤が硬化進行してしまい、充分な接着強度を得られなくなることがある。
【0069】
上記反応遅延剤としては特に限定されないが、例えば、ポリオール化合物等を用いることができる。上記ポリオール化合物のなかでも、脂肪族ポリオールが好ましい。
上記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ポリカプロラクトンポリオール、クラウンエーテル等が挙げられる。
【0070】
上記反応遅延剤の配合量としては特に限定されないが、上記光カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は30重量部である。上記反応遅延剤の配合量が0.1重量部未満であると、光照射後の充分な可使時間が得られないことがある。上記反応遅延剤の配合量が30重量部を超えると、光カチオン重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記反応遅延剤の配合量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は20重量部である。
【0071】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、硬化性を一層向上させる目的で、上記光カチオン重合開始剤に対する増感剤を含有してもよい。
上記増感剤としては、例えば、アントラセン、ジブトキシアントラセン、ビレン、ペリレン、2,4−ジエチルチオキサントン、フェノチアジン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
【0072】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、イオン吸着体を含有してもよい。上記イオン吸着体は、紫外線等のエネルギー線を照射したときに、カチオン重合開始剤から発生するルイス酸等のアニオン性物質を吸着するものであり、アニオン性物質による腐食作用を制止する効果を有する。
上記イオン吸着体としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には例えば、アンバーライトCG120(オルガノ社製)、トミックスAD500、600(以上、いずれも富田製薬社製)、キョーワード500、600(以上、いずれも協和化学社製)、IXE−500、700、600、1100(以上、いずれも東亞合成社製)等のイオン交換樹脂が挙げられる。
【0073】
本発明の光硬化性樹脂組成物の50℃、0.5rpmの条件で測定した粘度η1は特に限定されないが、好ましい下限は200Pa・s、好ましい上限は1000Pa・sである。上記η1が200Pa・s未満であると、得られた光硬化性樹脂組成物を接着剤として用いた場合、該接着剤を電子部品の表面に塗布した際に接着剤層から接着剤が流れ出し、所定のギャップで接着できないことがある。上記η1が1000Pa・sを超えると、電子部品の表面に接着剤層を形成したときに塗布ムラが生じ接着ムラが生じることがある。上記η1のより好ましい下限は250Pa・s、より好ましい上限は800Pa・sであり、更に好ましい下限は300Pa・s、更に好ましい上限は700Pa・sである。また、本発明の光硬化性樹脂組成物に配合される上記粒子が大きくなるにつれ、接着剤の流れ出し量が多くなり、粒子が露出する恐れがあるため、上記粒子が大きい場合、本発明の光硬化性樹脂組成物は上記η1が高い方が望ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物の25℃、0.5rpmで測定した粘度η3は特に限定されないが、好ましい下限は1000Pa・s、好ましい上限は6000Pa・sである。上記η3が1000Pa・s未満であると、得られた光硬化性樹脂組成物を接着剤として用いた場合、電子部品を接着する際に電子部品の表面に形成した接着剤層から接着剤が流れ出し、所定のギャップで接着できないことがある。上記η3が6000Pa・sを超えると、流動性が不足して電子部品の表面に接着剤層を形成したときに接着ムラが生じることがある。上記η3のより好ましい下限は2500Pa・s、より好ましい上限は5500Pa・sであり、更に好ましい下限は3000Pa・s、更に好ましい上限は5000Pa・sである。
【0074】
本発明の光硬化性樹脂組成物の50℃、5rpmの条件で測定した粘度η2と上記η1との比η1/η2(以下、チクソ指数ともいう)は特に限定されないが、1.0を超え7.0以下であることが好ましい。
上記チクソ指数が1.0以下であると、得られた光硬化性樹脂組成物を接着剤として用いた場合、電子部品を接着する際に電子部品の表面に形成した接着剤層から接着剤が流れ出し、所定のギャップで接着できないことがある。上記チクソ指数が7.0を超えると、電子部品の表面に接着剤層を形成したときに接着ムラが生じることがある。上記チクソ指数のより好ましい下限は3.0、より好ましい上限は5.0である。
【0075】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記η1、上記η3、及び、上記チクソ指数を上述した範囲とすることにより、電子部品を貼り合わせる工程において、接着剤を基板上に開口部を残した状態に塗布し、装置内を徐々に真空にすることにより上下基板に荷重を加えて接着する場合において、電子部品内部の真空度を高くするために使用可能な電子部品用接着剤として用いることができる。
【0076】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、更に必要に応じて、熱可塑性樹脂、レベリング剤、酸化防止剤、シランカップリング剤等を含有してもよい。
【0077】
このような本発明の光硬化性樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、粒子と、必要に応じて添加する各種物質との所定量を、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、常温又は加温下で混合する方法等が挙げられる。
なお、上記光硬化性樹脂組成物の製造は、光を遮断した状態で行うことが好ましい。
【0078】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、数百μmから千μmを超える比較的広いギャップ間隔で電子部品を接着する電子部品用接着剤として好適に用いることができる。また、光照射により硬化させることができることから、特に加熱により損傷しやすい電子部品の接着に好適である。また、反応遅延剤を併用することにより、可使時間を充分に取れることから、光の照射により損傷しやすい電子部品の接着の際には、先に本発明の光硬化性樹脂組成物に光を照射してから接着を行うことも可能である。更に、無機フィラーを併用することにより、高い耐湿性を発揮できることから、有機EL表示素子等の封止にも好適に用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物からなる電子部品用接着剤もまた、本発明の1つである。
【0079】
本発明の電子部品用接着剤を用いて電子部品を接着する方法の一例について説明する。
本態様の電子部品の接着方法では、まず、一方の電子部品に本発明の電子部品用接着剤を塗布する塗布工程を行う。
上記塗布工程では、上記電子部品用接着剤を、一方の電子部品の他方の電子部品を積層する領域の外縁部及び中央部に塗布する。このような領域に本発明の電子部品用接着剤を塗布することで、電子部品同士の接着性が向上する。
【0080】
また、上記塗布工程では、外縁部への電子部品用接着剤の塗布量を、中央部への塗布量の2〜5倍とする。このように、外縁部への塗布量を中央部への塗布量より多くすることによって、後述する接着工程において、電子部品同士を位置合わせした後、押圧を行う場合に、電子部品用接着剤をムラ無く均一に接合部に行き渡らせることができ、その結果、得られる電子部品積層体は信頼性の高いものとなる。外縁部への塗布量が中央部への塗布量の2倍未満であると、所望のチップ間距離に到達するのに圧力、時間が必要となることから、生産性が低下し、5倍を超えるとボイドの巻き込みが発生する。好ましくは3〜4倍である。
なお、上記外縁部とは、上記一方の電子部品の上記他方の電子部品を積層する領域の重心から外周までの距離の0.7〜0.9倍に相当する点の集合を内周とした場合における、内周と外周とに囲まれた領域のことをいう。また、上記中央部とは、上記重心からの距離が、上記重心から外周までの距離の0.7〜0.9倍に相当し、内周よりも内側の点の集合を最内周とした場合における、最内周に囲まれた領域のことをいう。
【0081】
上記塗布工程における塗布方法としては特に限定されず、例えば、精密ノズルを取り付けたシリンジ等とディスペンサ等を組み合わせて用いて塗布する方法等を用いることができる。
上記塗布工程において、電子部品用接着剤を塗布する際の高さとしては特に限定されないが、所望のチップ間距離の2〜10倍であることが好ましい。
【0082】
本態様の電子部品の接着方法では、次いで、上記一方の電子部品に塗布した電子部品用接着剤を介して他方の電子部品を積層する接着工程を行う。上記接着工程では、電子部品用接着剤を介して電子部品同士を位置合わせすることにより積層する。
上記接着工程では、一方の電子部品に積層された他方の電子部品に対して押圧することが好ましい。上記押圧を行うことで、電子部品用接着剤の余剰分を充分に排出し、上記粒子により電子部品間のギャップ間距離が支持されるように積層することが可能となる。
上記押圧は、0.01〜0.5MPaの圧力で0.1〜5秒間行うことが好ましい。0.01MPa未満であったり、0.1秒未満であったりすると、押圧を行うことによる効果が不充分となることがあり、0.5MPaを超える圧力を加えたり、5秒を超えたりすると、生産性よく電子部品積層体を製造することが困難となることがある。0.05〜0.2MPaで押圧することがより好ましい。
【0083】
本態様の電子部品の接着方法では、次いで、上記一方の電子部品と他方の電子部品との間の電子部品用接着剤を硬化させる硬化工程を行う。上記電子部品用接着剤を硬化させることにより、電子部品積層体を得ることができる。なお、上記硬化工程は、電子部品を1つ積層する度に行ってもよく、電子部品の積層を所望の数まで繰り返した後、一度に行ってもよい。
【0084】
上記硬化の方法としては特に限定されず、いずれかの電子部品越しに電子部品用接着剤に紫外線等の光を照射する方法が挙げられる。光照射の条件としては特に限定されず、上記電子部品用接着剤の組成、形成した接着剤層の形状及び厚さ等を考慮して適宜決定される。
【0085】
上記光を照射するための光源としては特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトライプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0086】
また、これらの光源の使用際しては、例えば、光カットフィルター等を用いて、熱線や波長300nm未満の光を除去することが好ましい。
上記光源の上記光照射を行う対象への照射手段としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの手段を採ってもよい。
【0087】
なお、上記態様では、電子部品を積層した後に電子部品越しに光照射を行ったが、光を透過しない電子部品同士を接着する場合や、光の照射により損傷しやすい電子部品を接着する場合には、予め電子部品用接着剤に光を照射した後、硬化が進む前に電子部品の積層を行ってもよい。
本発明の電子部品用接着剤を用いて接着してなる電子部品積層体もまた、本発明の1つである。
【0088】
本発明の電子部品用接着剤の重要な用途の1つとして携帯電話が挙げられる。携帯電話の機種はモデルチェンジが極めて頻繁である。いったんモデルチェンジがあると、その度にセンサーとレンズとの距離の仕様が変わり、距離を調整するためレンズ設計を変え作り直すことが必要であることから、その費用が大きなコストアップ要因となっていた。本発明の電子部品用接着剤を用いれば、センサーとレンズとの距離を電子部品用接着剤によって調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0089】
本発明によれば、数百μmから千μmを超える比較的広いギャップの場合にも、極めて均一なギャップ間距離で接着可能である光硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光硬化性樹脂組成物からなる電子部品用接着剤、該電子部品用接着剤を用いて接着してなる電子部品積層体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0090】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0091】
(実施例1)
カチオン重合性化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコート828」)25重量%と、エピコートYL7410(ジャパンエポキシレジン社製)20重量%と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製、「HP7200」)55重量%とからなる混合樹脂100.0重量部、光カチオン重合開始剤として、アンチモン系重合開始剤(ADEKA社製、「アデカオプトマー SP−170」)3.0重量部、粒子として、ジビニルベンゼン系微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールGS−L500」、平均粒子径507μm、CV値1.7%)1.0重量部、及び、無機フィラーとして、板状タルク(日本タルク社製、「ナノエースD−1000」、平均粒子径が1.0μm)80.0重量部を、ホモディスパー型撹拌混合機(ホモディスパーL型、特殊機化工業社製)を用い、撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合して、光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0092】
(実施例2)
配合する無機フィラーを、板状タルク(日本タルク社製、「ミクロエースP−4」、平均粒子径が4.5μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0093】
(実施例3)
配合する無機フィラーを、板状タルク(日本タルク社製、「ミクロエースK−1」、平均粒子径が8.0μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0094】
(実施例4)
板状タルクの配合量を55重量部としたこと以外は、実施例2と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0095】
(実施例5)
板状タルクの配合量を95重量部としたこと以外は、実施例2と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0096】
(実施例6)
粒子としてジビニルベンゼン系微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールGS−L200」、平均粒子径198μm、CV値2.1%)1.0重量部を用いたこと以外は、実施例2と同様にして電子部品用接着剤を製造した。
【0097】
(実施例7)
分散媒体液で満たされた媒体液槽と、原料液を分散媒体液中に噴出する振動ノズルと、分散媒体液中で生成した樹脂微粒子及び分散媒体液からなる樹脂微粒子分散液を媒体液槽外へ排出する排出管とを備え、振動ノズルの先端部の直径よりも大きい開口部を有する排出管内に収納されている振動ノズルの先端部が分散媒体液中に位置し、かつ、媒体液槽内へ分散媒体液を供給する供給口が、媒体液槽内の分散媒体液の液面より下方に設けられているとともに、振動ノズルの先端部を収納した排出管の開口部の下方又は上方に設けられている樹脂微粒子の製造装置を用いて粒子の製造を行った。
即ち、ジビニルベンゼン50重量部及びトリメチロールプロパントリメタクリレート50重量部からなる重合性単量体100重量部に対して、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2重量部を添加し、均一に混合して、原料液Bを調製した後、原料液を貯留槽に注入した。次いで、透明なガラス製の媒体液槽内に満たされたポリビニルアルコール2重量%を含有する水からなる分散媒体液A中に、上記原料液Bを、振動ノズルの内径0.15mmの噴出口(ノズル)から流量0.48cc/分で噴出させながら、振動ノズルを振動させて、噴出された原料液Bを加振することにより、原料液Bの液滴を生成させた。なお、分散媒体液Aは流量0.05cc/分で排出管内を流すことにより、排出管内に層流状態の分散媒体液Aの流れを形成させ、ポンプによって循環させた。上記操作中、撮影装置によって撮影され、CRTディスプレイに拡大表示された画像により、生成した原料液Bの液滴の粒子径の状態を目視で観察し、その結果に基づいて、手動操作により液滴の粒子径を均一化させる調整を行った。所定量の原料液Bを噴出させた後、攪拌機及び冷却管を備えた樹脂微粒子分散液貯留槽を加熱攪拌して、原料液B中の重合性単量体を重合させる方法により、ジビニルベンゼン系重合体からなる粒子の分散液を得た。得られた粒子を篩により分級し、平均粒子径812μm、CV値1.5%のジビニルベンゼン系重合体粒子を得た。
粒子として、得られたジビニルベンゼン系重合体粒子を使用したこと以外は、実施例2と同様にして電子部品用接着剤を製造した。
【0098】
(実施例8)
振動ノズルの振動数等の条件を変更したこと以外は、実施例7と同様の方法により、ジビニルベンゼン系重合体からなる粒子の分散液を得た。得られた粒子を篩により分級し、平均粒子径1017μm、CV値1.5%のジビニルベンゼン系重合体粒子を得た。
粒子として、得られたジビニルベンゼン系重合体粒子を使用したこと以外は、実施例2と同様にして電子部品用接着剤を製造した。
【0099】
(実施例9)
更に、反応遅延剤として、ポリエチレングリコール(分子量約500)を2.0重量部配合したこと以外は、実施例2と同様にして電子部品用接着剤を製造した。
【0100】
(実施例10)
無機フィラー配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0101】
(比較例1)
粒子を配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0102】
(比較例2)
配合する粒子をジビニルベンゼン系微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSP−260」、平均粒子径61.2μm、CV値3.5%)としたこと以外は、実施例2と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0103】
(比較例3)
光カチオン重合開始剤の代わりに、光ラジカル重合開始剤(チバ・ジャパン社製、「イルガキュア651」)を3.0重量部配合したこと以外は、実施例2と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、これを電子部品用接着剤とした。
【0104】
(評価)
実施例及び比較例で製造した電子部品用接着剤について以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
【0105】
(1)粘度及びチクソ指数の測定
コーン&プレート式粘度計(東機産業社製、TVH−22型)により、50℃、0.5rpmの条件における粘度η1、及び、25℃、0.5rpmの条件における粘度η3を測定した。
また、コーン&プレート式粘度計(東機産業社製、TVH−22型)により、50℃、5rpmの条件における粘度η2を測定し、チクソ指数η1/η2を算出した。
【0106】
(2)透湿度の測定
実施例及び比較例で製造した光硬化性樹脂組成物(粒子なし)を100μm厚となるように、ベーカー式アプリケーターにて恒温プレート上に塗布した。その後高圧水銀灯にて100mW/cm(365nm)で20秒間光を照射したのち、80℃にて30分加熱し封止剤のフィルムを得た。
上記試料を所定の大きさ(6mmφ)に切断し、塩化カルシウムが入れられたJIS Z 0208に規定されたカップの上に設置し周辺をロウで密閉した。このカップを、85℃、85%RHにて24時間放置した後の重量変化を求めて透湿度を算出した。
【0107】
(3)硬化性及び硬化時間の評価
得られた電子部品用接着剤を、表面に銅膜を形成した銅張ガラエポ基板上に、ディスペンサ塗布装置にて所定量ドット打ちを行った。その接着剤上に、5ミリ角のポリカーボネート片を乗せ、約10N/cmの圧力にて5秒間押圧して貼合せを行い、貼合わせ部品を作製した。
次いで、得られた貼合わせ部品に高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cmとなるようにポリカーボネート片側から紫外線を照射した。照射終了後1分毎に、銅張ガラエポ基板とポリカーボネート片が手でずれるかどうかを試験し、ずれが発生しなくなるまでの時間を測定して、これを硬化時間とした。
【0108】
(4)ギャップ精度の測定
上記(3)と同様にして作製した貼合せ部品に、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cmとなるようにポリカーボネート片側から紫外線を照射した。その後、10分間放置し接着剤を硬化させた。更に、後養生として80℃で30分間加熱した。得られた接着部品の各四辺の断面を光学顕微鏡で観察し、銅張ガラエポ基板とポリカーボネート片との距離の測定を10箇所行い、その平均値と変動係数(CV値)を算出した。
CV値(%)=(標準偏差(μm)/平均値(μm))×100
【0109】
【表1】

【0110】
【表2】

【0111】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明によれば、数百μmから千μmを超える比較的広いギャップの場合にも、極めて均一なギャップ間距離で接着可能である光硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光硬化性樹脂組成物からなる電子部品用接着剤、該電子部品用接着剤を用いて接着してなる電子部品積層体を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び、平均粒子径が100〜2000μmである粒子を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
カチオン重合性化合物100重量部に対して、平均粒子径が0.1〜50μmであるフィラーを30〜150重量部含有することを特徴とする請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
コーン&プレート式粘度計を用いて50℃、0.5rpmの条件で測定した粘度η1が200〜1000Pa・sであり、
50℃、5rpmの条件で測定した粘度η2とη1との比η1/η2が1.0を超え7.0以下であり、
25℃、0.5rpmの条件で測定した粘度η3が1000〜6000Pa・sである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
更に、反応遅延剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4記載の光硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする電子部品用接着剤。
【請求項6】
請求項5記載の電子部品用接着剤を用いて接着してなることを特徴とする電子部品積層体。

【公開番号】特開2010−100841(P2010−100841A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219536(P2009−219536)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】