説明

光走査装置及び画像形成装置

【課題】温度変化時に、副走査方向の走査位置を変化させる光学素子を用いることにより、色ずれの少ない高画質な書き込みを行うことができる光走査装置を実現する。
【解決手段】光ビームを発光する光源部1a,1bと、光源部からの光ビームを偏向する偏向器5と、偏向器からの光ビームで走査される被走査面7と、光源部から発光される光ビームを所望の集光状態に変換する第一光学系2a,2bと、第一光学系によって変換された光ビームを偏向器の走査方向に垂直な副走査方向に結像させて偏向器近傍で主走査方向に長い線像として結像させる第二光学系4を有する入射光学系と、偏向器で偏向された光ビームを複数の被走査面に結像走査させる走査レンズL1,L2を含む第三光学系を有し、被走査面を偏向走査する光走査装置において、環境温度変化時に副走査方向の色ずれの変化を低減するように被走査面上の走査位置を変化させる光学素子を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及び、その光走査装置を用いたデジタル複写機、レーザプリンタ、レーザファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置のカラー化が急速に進んでいる。このため、これらの機器に用いられる光走査装置にも複数の感光体に対して一度に複数の走査線を形成できるものが画像形成の高速化というユーザーのニーズと合致してより望ましい。
このようなニーズを満足する方式としては幾つかの方法が考えられるが、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)に対応した四つの感光体を、記録材搬送ベルトや中間転写体に沿って並べるタンデム方式のカラー画像形成装置などがある。
しかし、タンデム方式の画像形成装置では、環境変動に対する画質安定性の向上が大きな課題となっている。
そこで、この課題に対して有効な技術として、温度補正用のレンズを用いるものや、回折光学素子を用いるものがある。
【0003】
ここで、温度補正用レンズの例として、特許文献1(特開2003−5111号公報)や特許文献2(特開2002−214556号公報)には、第二光学系に温度補正レンズを有する走査光学系が開示されている。
例えば、入射光学系に負のパワーを有する樹脂製レンズを有することで温度変動により生ずる特性変動を補償する光走査装置として、特許文献1の従来技術がある。
また、入射光学系に楕円状マルチステップ回折面を形成した回折光学素子を有することで温度変動により生ずる特性変動を補償する光走査装置としては、特許文献3(特開2008−033251号公報)などがある。
【0004】
これらの従来技術では、温度変化に対して良好に補償されているが、光学的にレンズ間隔を短縮することが難しいため、第二光学系が大型化してしまうという課題がある。また、第二光学系は副走査方向のみにパワーを持たせるため、第一光学系でカップリングされた収束状態を変化させることは好ましくない。よって、温度補正レンズの主走査方向の形状精度も高精度が要求される。
【0005】
次に回折光学素子の例として、回折光学素子は、負の分散を有する光学素子とみなすことが可能であり、環境温度変化による発振波長変化および形状変化による結像位置ずれを打ち消すような回折パワーを持たせることで走査光学系全体の温度補償を行い、画質安定性を向上させることが可能となる。
【0006】
特許文献4(特開2007−241182号公報)にはコリメートレンズ(第一光学系)にマルチステップ回折面を導入し、温度変動に起因する結像位置変動の補償が可能な光走査装置が開示されている。
しかし、マルチステップ回折面を有するコリメートレンズが樹脂製であるため、コリメートレンズ自身の線膨張率が「7.0×10E−5」と大きい。また、波長変化による変動は回折光学素子の回折パワーに比例するため、波長変化に弱くなってしまい、マルチビーム化に対応できない。
【0007】
特許文献5(特開2002−221681号公報)には、走査レンズに回折面を設けた走査光学装置が開示されている。副走査方向の回折パワーを軸上から軸外に向かい変化させることで副走査方向のFナンバーを画像範囲内で揃えて高精細印字を達成し、温度変化時においても回折面により副走査方向のピント変化が補償されている。
しかし、走査位置ずれや色ずれに関しての補償が行われてはおらず、タンデム方式の光走査装置として用いることは難しい。
【0008】
次に光学箱(ハウジング)の温度変化について説明する。
光走査装置は通常、被走査面としての感光体を除いた走査光学系全体が一つの光学箱に配置される。環境温度が上昇したときには、光学箱は画像形成装置の構造体に数ヶ所で締結されていることや、構造体と光学箱の材質の線膨張係数が異なることや、部分的な温度勾配が生じることにより、光学箱には単純な膨張ではなく、捩れや捻れが生じる。
この場合、光学箱中の光学素子の相対的な位置関係も変化するため、感光体上の走査位置が変化する。そして感光体上の走査位置変化はタンデム方式のカラー画像形成装置では色ずれの原因となりやすい。
【0009】
次に斜入射光学系について説明する。
タンデム方式に適した低コストな走査光学系として、光ビームをポリゴンミラーに副走査断面内で角度を持たせて入射させる「斜入射光学系」がある。
この斜入射光学系は、副走査断面内で光ビームを偏向面に角度を持たせて入射させるため、ポリゴンミラーの高さが薄い、低コストなポリゴンミラーを用いることができる。
しかし、斜入射光学系には、走査線曲がりが発生するという課題がある。また、斜入射光学系には環境温度変化により、走査線曲がりが変化するという課題がある。走査線曲がりが変化すると、ステーション間では色ずれとして観測され画像品質が劣化するため、大きな課題である。
走査線曲がりについては、例えば特許文献6(特開2007−010868号公報)に、副走査方向にパワーを持たず、傾きだけ有する特殊チルト偏心面を用いて補正する例が開示されている。しかし、上記温度変化に拠る走査線曲がりの変化については言及が無い。
【0010】
【特許文献1】特開2003−5111号公報
【特許文献2】特開2002−214556号公報
【特許文献3】特開2008−033251号公報
【特許文献4】特開2007−241182号公報
【特許文献5】特開2002−221681号公報
【特許文献6】特開2007−010868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、温度変化時に、色ずれが少なくなるように副走査方向の走査位置を変化させる光学素子を用いることにより、色ずれの少ない高画質な書き込みを行うことができる光走査装置を提供することを第一の目的としている。
また、本発明は、光偏向器の小型化や、マルチビームによる光偏向器である回転多面鏡の回転数低下による消費電力の低下など、環境を考慮した光走査装置の実現、及び、前記説明の目的を達成することができる画像形成装置の実現を第二の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、光ビームを発光する複数の光源部と、前記光源部からの光ビームを偏向する偏向器と、前記偏向器からの光ビームで走査される複数の被走査面と、前記光源部から発光される光ビームを所望の集光状態に変換する第一光学系と、前記第一光学系によって変換された光ビームを、前記偏向器の走査方向(以下、主走査方向と言う)に垂直な副走査方向に結像させて前記偏向器近傍で主走査方向に長い線像として結像させる第二光学系とを有する入射光学系と、前記偏向器で偏向された光ビームを複数の被走査面に結像走査させる走査レンズを含む第三光学系とを有し、前記被走査面を偏向走査する光走査装置において、環境温度変化時に副走査方向の色ずれの変化を低減するように、前記被走査面上の走査位置を変化させる光学素子を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の手段は、第1の手段の光走査装置において、前記光学素子は、室温環境下で少なくとも副走査方向にはパワーを持たない回折面を有することを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の光走査装置において、前記偏向器へ入射する光束は、主走査断面に対して副走査方向に角度を有して前記偏向器に入射することを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の手段は、第1〜第3のいずれか一つの手段の光走査装置において、前記光学素子を、前記第一光学系に有することを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第1〜第3のいずれか一つの手段の光走査装置において、前記光学素子を、前記第三光学系に有することを特徴とする。
【0015】
本発明の第6の手段は、第1〜第5のいずれか一つの手段の光走査装置において、前記光学素子の回折面は、副走査断面は対称形状であることを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第1〜第6のいずれか一つの手段の光走査装置において、前記光源部には複数の発光点を有し、前記偏向器の同一偏向面により同時に単一の被走査面を偏向走査することを特徴とする。
【0016】
本発明の第8の手段は、画像形成装置であって、第1〜第6のいずれか一つの手段の光走査装置、あるいは第7の手段のマルチビーム光走査装置を像担持体への書込手段として用いることを特徴とする。
また、本発明の第9の手段は、第8の手段の画像形成装置において、前記像担持体は光導電性の感光体であり、複数の感光体が記録材搬送手段あるいは中間転写体に沿って併設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の手段の光走査装置では、環境温度変化時に副走査方向の色ずれの変化を低減するように、被走査面上の走査位置を変化させる光学素子を有することにより、環境温度変化時に色ずれの変化を低減できるので、より環境温度変化に対するロバスト性が高い光走査装置を提供することができる。
第2の手段の光走査装置では、第1の手段の構成及び効果に加え、前記光学素子は、室温環境下で少なくとも副走査方向にはパワーを持たない回折面を有することにより、回折部のパワーと屈折部のパワーが相殺されるマルチステップ回折面を用いることで、入射面と射出面の相対偏心の影響を受けにくくなるので、低コストに製造することができる。
また、第3の手段の光走査装置では、第1または第2の手段の構成及び効果に加え、前記偏向器へ入射する光束は、主走査断面に対して副走査方向に角度を有して偏向器に入射するので、前記回折面により、斜入射特有の温度特性の走査線曲がり変動を低減できるため、ひいては色ずれを低減することが可能となる。
【0018】
第4の手段の光走査装置では、第1〜第3のいずれか一つの手段の構成及び効果に加え、前記光学素子を第一光学系に有することにより、偏向器に入射する前に温度変化の補正を行うことができる。
また、第5の手段の光走査装置では、第1〜第3のいずれか一つの手段の構成及び効果に加え、前記光学素子を第三光学系に有することにより、像高ごとに異なる補正効果を持たせることが可能となり、走査線曲がりの低減を実現することができる。
【0019】
第6の手段の光走査装置では、第1〜第5のいずれか一つの手段の構成及び効果に加え、前記光学素子の回折面は、副走査方向に関して対称形状とすることで、複数ステーションで共通使用が可能となり、より低コスト化が図れる。
また、第7の手段の光走査装置では、第1〜第6のいずれか一つの手段の構成及び効果に加え、光源部には複数の発光点を有し、偏向器の同一偏向面により同時に単一の被走査面を偏向走査することにより、レーザダイオードアレイ(LDA)方式のマルチビームによる高速・高密度化を図ることができ、ポリゴンミラーの低回転化による環境負荷低減を図ることができる。
【0020】
第8、第9の手段の画像形成装置では、第1〜第6のいずれか一つの手段の光走査装置、あるいは第7の手段のマルチビーム光走査装置を、像担持体への書込手段として用いることにより、十分に小型でありながら高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の構成、動作及び作用効果を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、通常用いられている光走査装置の走査光学系の一構成例を示す主走査断面図であり、この走査光学系は、光ビームを発光する光源部1と、光源部1からの光ビームを偏向する偏向器5と、偏向器5からの光ビームで走査される被走査面7と、光源部1から発光される光ビームを所望の集光状態に変換する第一光学系2と、第一光学系2によって変換された光ビームを、偏向器5の走査方向(主走査方向と言う)に垂直な副走査方向に結像させて偏向器近傍で主走査方向に長い線像として結像させる第二光学系4とを有する入射光学系と、偏向器5で偏向された光ビームを被走査面7に結像走査させる走査レンズL1,L2を含む第三光学系とを有し、被走査面7を偏向走査するものである。
【0022】
光源部1には、通常、半導体レーザ(LD)が用いられ、第一光学系2にはカップリングレンズが用いられている。また、カップリングレンズ2によって略平行光に変換された光ビームを偏向器5の走査方向(主走査方向と言う)に垂直な副走査方向に結像させて偏向器近傍で主走査方向に長い線像として結像させる第二光学系4としては、シリンドリカルレンズが用いられる。また、偏向器5としては、多角形状のポリゴンミラーをポリゴンモータで等速回転させる回転多面鏡が用いられる。なお、カップリングレンズ2とシリンドリカルレンズ4の間にはアパーチャ3が設けられており、シリンドリカルレンズ4と偏向器5の間には必要に応じて光路折り返し用のミラーM等が設けられている。
【0023】
第三光学系を構成する第一走査レンズL1には、fθレンズ等の等速走査用のレンズが用いられ、第二走査レンズL2には、像面湾曲や収差補正用のレンズが用いられる。また、被走査面の実体をなすものは光導電性の感光体等である感光媒体の感光面である。なお、第二走査レンズL2と被走査面7の間には、図示しない光学ハウジングの光ビーム射出部があり、この射出部には防塵ガラスGが設けられている。
【0024】
図2に示すような構成の光走査装置では、光源部1は一つであるので、光ビームは偏向器(回転多面鏡)5の回転軸に対して垂直に入射する(すなわち、光ビームは副走査断面内でポリゴンミラーの偏向面に垂直に入射する)ので、走査線曲がりの問題は殆ど生じないが、タンデム方式の画像形成装置に対応させて複数の光源部を用い、光ビームをポリゴンミラーに副走査断面内で角度を持たせて入射させる「斜入射光学系」とした場合には、前述したように、斜入射光学系は、副走査断面内で光ビームを偏向面に角度を持たせて入射させるため、走査線曲がりが発生するという課題がある。また、斜入射光学系には環境温度変化により、走査線曲がりが変化するという課題がある。走査線曲がりが変化すると、ステーション間では色ずれとして観測され画像品質が劣化する。
そこで本発明は、温度変化時に、色ずれが少なくなるように副走査方向の走査位置を変化させる光学素子を用いることにより、色ずれの少ない高画質な書き込みを行うことができる光走査装置を実現するものである。以下、具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0025】
[実施例1]
図1によって、本発明の光走査装置の第1の実施例を説明する。本実施例の光走査装置の走査光学系の基本的な構成は図2と略同様であるが、光源部を複数設けて斜入射光学系としている。
図1において、光源部1a,1bの光源としての半導体レーザ(LD)から放射された発散性の光束はカップリングレンズと回折光学素子を有する第一光学系2a,2bにおいて、以後の光学系に適した光束形態に変換される。第一光学系2a,2bにより変換された光束形態は、平行光束であることも、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束であることもできる。
第一光学系2a,2bのカップリングレンズは、光軸方向および主走査対応方向・副走査対応方向に調整可能であり、調整により前記「所望の光束形態」に調整される。
【0026】
第一光学系2a,2bに設けた回折光学素子は、カップリングレンズより偏向器5側に配置されている。本実施例では回折光学素子にマルチステップ回折面形状を設け、温度変化の補正を行っている。
図示の例では光源部1a,1bは2つ設けられ、それぞれ二つの発光点を有するLDアレイを用いている。つまり、一つの被走査面7を4本のビームで同時に走査可能である。それぞれのLDアレイ1a,1bは光軸中心に約57度回転して各々600dpiの解像度に対応したピッチで走査しており、2つのLDアレイ1a,1bにより被走査面上で1200dpiの解像度に対応したピッチで走査している。
また、第一光学系2a,2bのカップリングレンズと回折光学素子は共に同一の部材に保持されている。
【0027】
第一光学系2a,2bのカップリングレンズからの光束は、アパーチャ3により光束径を絞られ、シリンドリカルレンズ4により副走査方向に集光され、ポリゴンミラーを回転させる回転多面鏡(偏向器)5の偏向反射面に、主走査方向に長い線像の状態で入射する。そして偏向反射面により反射された光束は、ポリゴンミラーの等速回転とともに等角速度的に偏向され、第3光学系としての第一走査レンズL1、第二走査レンズL2を透過して、被走査面7上に集光する。これにより、偏向光束は被走査面上に光スポットを形成し、被走査面7の光走査を行う。本実施例では、第3光学系の二本の走査レンズL1,l2はともに樹脂製である。樹脂製走査レンズは、ガラス製走査レンズに比較して環境温度変動時の収縮・膨張が大きいが、射出成形可能であるため低コストであり、光学面形状の自由度が高い。
なお、図1において、Mは光路折り返し用のミラー、G1は図示しない光学ハウジングの偏向器収納部の光ビーム入・出射部に設けた防音ガラス、G2は光学ハウジングの光ビーム射出部に設けた防塵ガラスである。
【0028】
次に、回折光学素子のマルチステップ回折面(MS面)について説明する。
回折光学素子の回折面の素子形状(実形状)は、図3、図4に示すように、基板形状と回折形状との和によって表すことができる。
本発明のマルチステップ回折面は、図3に示すように、温度変化時は、屈折パワーと回折パワーが相殺しないので、屈折が生じるが、室温では「基板形状の屈折パワー」と「回折形状の回折パワー」とが相殺するように設計されており、略ノンパワーの面となっている。このため、両面にパワーを有するレンズと比較して光学素子の配置精度を緩めることが可能であり、より簡素な方法で組み付けることにより、より低コストに製造が可能となる効果も期待できる。
【0029】
ところで、回折面を、屈折面の面形状を適切な段差及びピッチで折り返した形状とすると、レンズの周辺部に向かって上記ピッチが徐々に小さくなるため、回折面を成形するための金型の製作が難しい。しかしながら、互いに反対のパワーを有する第1の面と第2の面とを合成して回折面を作成すると、回折面における折返し部分が鈍角となり、金型製作に有利となる。特に、本実施例のように、回折面の面形状をマルチステップ状にすると、上記折返し部分の角度が直角となり、光軸に対称な階段状の形状となり、金型製作上の簡便性が更に向上する。
【0030】
温度上昇時には、走査光学系を構成する光学素子が膨張する。よってMS面を有する回折光学素子も膨張する。また、温度低下時はその逆の挙動を示す。
この光学素子の膨張により、屈折面と回折面との相殺関係が崩れるため、図3に示すように、温度上昇時のMS面は屈折作用を生じさせることになる。このとき、パワーを適切に設定することで所望の機能を持たせることが可能である。
【0031】
次に、温度変化時に色ずれが少なくなるように副走査方向の走査位置を変化させる光学素子は、第3光学系に配置してもよい。ここで、回折光学素子として、第二走査レンズL2に配置したMS面の実施例について説明する。
この実施例では、第二走査レンズL2の射出面にマルチステップ(MS)回折面が設けられている。
【0032】
このマルチステップ回折面は、副走査方向につれて回折パワーおよび屈折パワーが相殺しながら変化するように形成されているので、直線状の回折構造としている。
また、基板形状による屈折パワーは、図5に示すように、上記回折パワーと相殺するような放物面形状とすることでMS面とすることができる。具体的には、近軸曲率半径を−3000としている。
回折パワーは位相関数によって表すことができる。光軸と垂直な面における、副走査方向の光軸からの距離をZとおくと、この第1の面の位相関数φ(Z)は、次の(1)式で示される。なお、光軸上の点をR=0とする。
φ(Z)=Cz2・Z ・・・(1)
ここでは、設計波長780nmにおいて、Cz2=−8.733E−05、段差1.489μmである。
【0033】
本実施例では、図5に示すように、基板形状を副走査断面内で対称な放物面形状としているため、MS面も副走査断面内で対称である。
このようにすることで、偏向器5の偏向反射面へ主走査断面の上下から斜入射する場合において、双方の走査レンズを共通のものとすることができる。このため、タンデム方式の画像形成装置に必要なレンズの種類を減らすことができるため、低コスト化ができる。
また、このようなMS面を用いることで、環境温度変化による走査線曲がりの変化を低減している。
【0034】
次に図6、図7に基づいて、走査レンズに設けたMS面による、環境変化による走査線曲がりの低減について説明する。
斜入射光学系では、図7(a)に示すように、ポリゴンミラーのサグ量が像高毎に異なるため、第二走査レンズL2に副走査方向に弓形の軌跡で入射することが知られている(図7(b))。
副走査方向に撓んだ軌跡となることで、光束は第二走査レンズL2の主走査断面内を通過しない。このため、温度変化時に走査レンズL2の膨張・収縮による影響が像高毎に異なってしまい、たとえ室温で走査線曲がりが無いように設計していても、温度変化により走査線曲がりが変化してしまう(図6の左側のグラフ(回折面なし))。
しかし、本実施例では、第二走査レンズL2に図5に示したようなMS面を設けているので、図6の右側のグラフ(回折面有り)に示すように、環境温度変化による走査線曲がりの変化を低減することができる。
なお、室温(25℃)における走査線曲がりは、第二走査レンズL2を副走査方向に押圧することで撓ませて、所望の走査線特性になるように不図示の調整手段で調整している。
【0035】
なお、本実施例では、図4のように基板形状を副走査断面内で傾斜した平面としたMS面を用いることもできる。この場合、金型加工段差の向きが反転することはないため、工具を反転する必要が無い。また、面精度についても有利である。
また、本実施例では、輪帯面と隣接するバックカット面とが成す角を基準軸を含む断面内において全て鈍角となるように構成している。具体的には、輪帯面間が基準軸方向に対して前記の段差を生じさせるためのバックカット面を高さ方向に6μm程度の幅とし、輪帯面とバックカット面とが成す角を165°としている。
【0036】
本実施例の回折光学素子はモールド成形によって加工を行う。このような鈍角を有する構成とすることで十分な抜き勾配が設けられることになり、型からの抜けがよくなるため、成形性が向上する。
より望ましくは、以下の条件式を満足するのが良い。
135°<θ<170°
ここで、θは輪帯面とバックカット面とが成す角を表す。
【0037】
[実施例2]
図8によって、本発明の光走査装置の第2の実施例を説明する。本実施例の走査光学系の基本的な構成は図1と略同様であるが、本実施例では、偏向器前光学系に、環境温度変化により副走査方向の走査位置を変化させるMS面を有する回折光学素子H1,H2を配置している。具体的には、図4のように、基板形状を副走査方向に傾斜した平面としたMS面を用いている。
【0038】
ここで、図9に示すような温度変化時に発生する光学ハウジングの変形により、図9(b)のように、偏向器5のポリゴンミラーへの入射角が所定の角度から変化すると、被走査面(感光体)7上で副走査方向の入射位置がずれて、色ずれが発生してしまう。
そこで、図8、図9(a),(c)に示すように、温度変化時にポリゴンミラーへの入射角が変化しないように設定したMS面を有する回折光学素子H1,H2を偏向器5前の第1光学系に導入することで、感光体間の副走査位置ずれ、色ずれの無い高画質な走査光学系を提供することができる。
【0039】
[実施例3]
次に、実施例1や実施例2で説明した本発明に係る光走査装置においては、光源部1a,1bを、例えば、複数の発光点を有する半導体レーザアレイ(LDA)や、単数の発光点もしくは複数の発光点を有する光源を複数用いたマルチビーム光源装置とし、複数の光ビームを被走査面(感光体表面)に同時に走査するように構成するとよい。こうすることにより、高速化、高密度化を図った光走査装置および画像形成装置を構成することができ、かかる光走査装置および画像形成装置を構成した場合も、これまで説明してきた効果と同様の効果を得ることができる。
【0040】
ここで図10に、マルチビーム光源装置を構成する光源ユニットの構成例を示す。
図10(a)は、光源ユニットの第1の構成例を示している。図10(a)において、半導体レーザ403、404は各々ベース部材405の裏側に形成した図示しない嵌合孔405−1、405−2に個別に嵌合されている。上記嵌合孔405−1、405−2は主走査方向に所定角度、実施例では約1.5°微小に傾斜していて、この嵌合孔に嵌合された半導体レーザ403、404も主走査方向に約1.5°傾斜している。半導体レーザ403、404は、その円筒状ヒートシンク部403−1、404−1に切り欠きが形成されていて、押え部材406、407の中心丸孔に形成された突起406−1、407−1を上記ヒートシンク部の切り欠き部に合わせることによって発光源の配列方向が合わせられている。押え部材406、407はベース部材405にその背面側からネジ412で固定されることにより、半導体レーザ403、404がベース部材405に固定されている。また、コリメートレンズ408、409は各々その外周をベース部材405の半円状の取り付けガイド面405−4,405−5に沿わせて光軸方向の調整を行い、発光点から射出した発散ビームが平行光束となるよう位置決めされ接着されている。
【0041】
なお、上記実施例では、各々の半導体レーザからの光線が主走査面内で交差するように設定するため、光線方向に沿って嵌合孔405−1、405−2および半円状の取り付けガイド面405−4,405−5を傾けて形成している。ベース部材405の円筒状係合部405−3をホルダ部材410に係合し、ネジ413を貫通孔410−2に通してネジ孔405−6、405−7に螺合することによって、ベース部材405がホルダ部材410に固定され、光源ユニットを構成している。
【0042】
上記光源ユニットのホルダ部材410は、その円筒部410−1が光学ハウジングの取り付け壁411に設けた基準孔411−1に嵌合され、取り付け壁411の表側よりスプリング611を挿入してストッパ部材612を円筒部突起410−3に係合することで、取り付け壁411の裏側に密着して保持され、これによって上記光源ユニットが保持されている。スプリング611の一端を取り付け壁411の突起411−2に引っ掛け、スプリング611の他端を光源ユニットに引っ掛けることで、光源ユニットに円筒部中心を回転軸とした回転力を発生している。この光源ユニットの回転力を係止するように設けた調節ネジ613を具備していて、この調節ネジ613により、光軸の周りであるθ方向にユニット全体を回転しピッチを調節することができるように構成されている。光源ユニットの前方にはアパーチャ415が配置され、アパーチャ415には半導体レーザ毎に対応したスリットが設けられ、光学ハウジングに取り付けられて光ビームの射出径を規定するように構成されている。
【0043】
図10(b)は、光源ユニットの第2の構成例を示している。図10(b)において、4個の発光源を持つ半導体レーザ703からの各光ビームは、ビーム合成手段を用いて合成するように構成されている。符号706は押え部材、705はベース部材、708はコリメートレンズ、710はホルダ部材をそれぞれ示している。この実施の形態では光源としての半導体レーザ703は1個であり、これに応じて押え部材706が1個である点が図10(a)に示す構成例と異なっており、他の構成は基本的に同じである。
【0044】
図10(c)は、図10(b)に示す例に準じる構成のものであって、4個の発光源を持つ半導体レーザアレイ801からの光ビームを、ビーム合成手段802を用いて合成する例を示している。基本的な構成要素は図10(a),(b)と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0045】
[実施例4]
次に、本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施例を図11を参照しながら説明する。
本実施例は、本発明に係る光走査装置をタンデム型フルカラーレーザプリンタに適用した例である。図11において、装置内の下部側には水平方向に配設された給紙カセット13から給紙される記録材(例えば転写紙)Sを搬送する搬送ベルト17が設けられている。この搬送ベルト17上にはイエロー(Y)用の感光体7Y,マゼンタ(M)用の感光体7M,シアン(C)用の感光体7C及びブラック(K)用の感光体7Kが、転写紙Sの搬送方向上流側から下流側に向けて順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付けて区別するものとする。これらの感光体7Y,7M,7C,7Kは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。感光体7Yを例に採れば、帯電チャージャ8Y、光走査装置9の光走査光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージャ11Y、クリーニング装置12Y等が順に配設されている。なお、他の感光体7M,7C,7Kに対しても同様である。
【0046】
本実施例では、感光体7Y,7M,7C,7Kの表面を各色毎に設定された被走査面(または被照射面)とするものであり、各々の感光体7Y,7M,7C,7Kに対して光走査装置9の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kが1対1の対応関係で設けられている。但し、偏向器5と、該偏向器5に近い側の第一走査レンズL1は、4つの光走査光学系6Y,6M,6C,6Kで共通使用しており、感光体(被走査面)7Y,7M,7C,7Kに近い側の第二走査レンズL2は各光学系にそれぞれ設けられている。なお、複数の光源部やカップリングレンズ、アパーチャ、シリンドリカルレンズ等の偏向器前光学系の図示は省略している。
【0047】
搬送ベルト17は駆動ローラ18と従動ローラ19に支持されて図中の矢印の方向に回転され、その周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置させてレジストローラ16と、ベルト帯電チャージャ20が設けられ、感光体7Kよりもベルト17の回転方向下流側に位置させてベルト分離チャージャ21、ベルト除電チャージャ22、ベルトクリーニング装置23等が順に設けられている。また、ベルト分離チャージャ21よりも転写紙搬送方向下流側には加熱ローラ24aと加圧ローラ24bからなる定着装置24が設けられ、排紙トレイ26に向けて排紙ローラ25で結ばれている。
【0048】
このような概略構成のレーザプリンタにおいて、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体7Y,7M,7C,7Kを帯電チャージャ8Y,8M,8C,8Kで帯電した後、各感光体7Y,7M,7C,7Kに対してY,M,C,K用の各色の画像信号に基づき光走査装置9の各々の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kによる光ビームの光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々の対応する現像装置10Y,10M,10C,10KでY,M,C,Kの各色のトナーにより現像されてトナー像となる。この画像形成プロセスにタイミングを合わせて給紙カセット13内の転写紙Sが給紙ローラ14と搬送ローラ15により給紙され、レジストローラ16により搬送ベルト17に送り出される。搬送ベルト17に給紙された転写紙Sは、ベルト帯電チャージャ20の作用により搬送ベルト17に静電的に吸着されて感光体7Y,7M,7C,7Kに向けて搬送され、各感光体7Y,7M,7C,7K上の画像が転写紙S上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙S上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー画像が転写された転写紙Sはベルト分離チャージャ21により搬送ベルト17から分離されて定着装置24に搬送され、定着装置34でフルカラー画像が転写紙Sに定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26に排紙される。
【0049】
上記画像形成装置の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kを、前述の実施例1または実施例2に係る光走査装置とすることで、十分に小型でありながら高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。以下に説明を補足する。
【0050】
前述したように、タンデム方式に適した光走査装置の低コストな走査光学系として「斜入射光学系」がある。この斜入射光学系では、図11に示すように偏向器(ポリゴンミラー)5の高さを低く抑制することができる。
その一方、ポリゴンミラーのサグ量が像高毎に異なるため、第二走査レンズL2に副走査方向に弓形の軌跡で入射し、走査線曲がりが発生してしまう問題(問題(1) )がある。この走査線曲がりを抑制するために第二走査レンズL2を設計するのであるが、前述したように、環境温度の変動により、走査線曲がりの抑制が効かなくなるという問題が生じる(問題(2) )。
【0051】
本発明はこの問題(2) を課題とし、その解決手段を提供する発明であり、実施例1や実施例2で説明した、温度変化時に、色ずれが少なくなるように副走査方向の走査位置を変化させる光学素子を用いることにより、色ずれの少ない高画質な書き込みを行うことができる光走査装置を実現したものである。
一例としては、実施例1で説明したように、第二の走査レンズL2にマルチステップ(MS)回折面を設けた構成である。図12は本発明に係る走査レンズ形状の一例を示しており、(a)は走査レンズの断面図、(b)は走査レンズの斜視図である。
【0052】
ここで、上記の問題(1) により、走査レンズL2に入射してくる光線の軌跡は図13に示すように曲がっている。
このため、像高が高くなるにつれ副走査方向に大きくずれる。そして、図14に示すように、出射面の曲率により副走査方向に大きくずれて入射してきた光束(像高の高い位置で入斜した光束)は、像高0で入斜した光束よりも大きく屈折される。
【0053】
以下、図15の説明図を参照して上記の問題(2) について考える。
図15(a)に示すように、通常の走査レンズにおいて温度が高くなった場合については、走査レンズは膨張し、屈折力は弱まる。従って走査線曲がりの抑制が困難になる。
これに対して、本発明の場合は、図15(b)に示すように、高温時に、出射面側のレンズ面はやはり膨張により屈折力は弱まる。
しかし、入射側のマルチステップ面が温度変動により、
屈折パワー>回折パワー
となり、出斜面での屈折力の低下を補償する。
これにより、斜入射光学系において温度変動が生じても走査線曲がりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施例を示す光走査装置の走査光学系の主走査断面図である。
【図2】通常用いられている光走査装置の走査光学系の一構成例を示す主走査断面図である。
【図3】マルチステップ回折面と温度変化による屈折の変化の説明図である。
【図4】基板形状とマルチステップ回折面の形状例を示す図である。
【図5】基板形状とマルチステップ回折面の別の形状例を示す図である。
【図6】環境温度変化による走査線曲がり変化と、回折面による低減効果の説明図である。
【図7】斜入射光学系の走査線曲りの説明図である。
【図8】本発明の第2の実施例を示す光走査装置の走査光学系の主走査断面図である。
【図9】温度変化時に発生する光学ハウジングの変形による副走査位置ずれ発生の様子を模式的に示す説明図である。
【図10】マルチビーム光源装置を構成する光源ユニットの構成例を示す図である。
【図11】本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係る走査レンズ形状の一例を示しており、(a)は走査レンズの断面図、(b)は走査レンズの斜視図である。
【図13】走査線曲がりが発生したときの走査レンズに入射してくる光線の軌跡を示す図である。
【図14】走査レンズに入斜した光束の像高の位置による屈折の違いを示す図である。
【図15】走査レンズにマルチステップ回折面を設けた場合の効果の説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1a,1b:光源部
2a,2b:カップリングレンズ
3:アパーチャ
4:シリンドリカルレンズ
5:偏向器(回転多面鏡)
6Y,6M,6C,6K:光走査光学系
7:被走査面(感光体)
7Y,7M,7C,7K:感光体(被走査面)
8Y,8M,8C,8K:帯電チャージャ
9:光走査装置
10Y,10M,10C,10K:現像装置
11Y,11M,11C,11K:転写チャージャ
12Y,12M,12C,12K:クリーニング装置
13:給紙カセット
14:給紙ローラ
15:搬送ローラ
16:レジストローラ
17:搬送ベルト
18:駆動ローラ
19:従動ローラ
20:ベルト帯電チャージャ
21:ベルト分離チャージャ
22:除電チャージャ
23:ベルトクリーニング装置
24:定着装置
25:排紙ローラ
26:排紙トレイ
H1,H2:回折光学素子
L1:第一走査レンズ
L2:第二走査レンズ
G1:防音ガラス
G2:防塵ガラス
M:折り返しミラー
S:転写紙(記録材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを発光する複数の光源部と、
前記光源部からの光ビームを偏向する偏向器と、
前記偏向器からの光ビームで走査される複数の被走査面と、
前記光源部から発光される光ビームを所望の集光状態に変換する第一光学系と、前記第一光学系によって変換された光ビームを、前記偏向器の走査方向(以下、主走査方向と言う)に垂直な副走査方向に結像させて前記偏向器近傍で主走査方向に長い線像として結像させる第二光学系とを有する入射光学系と、
前記偏向器で偏向された光ビームを複数の被走査面に結像走査させる走査レンズを含む第三光学系とを有し、
前記被走査面を偏向走査する光走査装置において、
環境温度変化時に副走査方向の色ずれの変化を低減するように、前記被走査面上の走査位置を変化させる光学素子を有することを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光走査装置において、
前記光学素子は、室温環境下で少なくとも副走査方向にはパワーを持たない回折面を有することを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の光走査装置において、
前記偏向器へ入射する光束は、主走査断面に対して副走査方向に角度を有して前記偏向器に入射することを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記光学素子を、前記第一光学系に有することを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記光学素子を、前記第三光学系に有することを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記光学素子の回折面は、副走査断面は対称形状であることを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の光走査装置において、
前記光源部には複数の発光点を有し、前記偏向器の同一偏向面により同時に単一の被走査面を偏向走査することを特徴とするマルチビーム光走査装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の光走査装置、あるいは請求項7に記載のマルチビーム光走査装置を像担持体への書込手段として用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記像担持体は光導電性の感光体であり、複数の感光体が記録材搬送手段あるいは中間転写体に沿って併設されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−72237(P2010−72237A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238432(P2008−238432)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】